JP2008274387A - 含Cr低合金鋼の溶製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 上吹転炉または不活性ガス底吹撹拌式の上底吹転炉を用いて含Cr低合金鋼を溶製する際に、転炉耐火物の溶損を防止し且つ取鍋でのCr含有合金鋼屑の溶け残りを防止しつつ安価な大形のCr含有合金鋼屑をCr源として活用した溶製方法を提供する。
【解決手段】 転炉及び取鍋精錬炉を経て含Cr低合金鋼を溶製するに際し、大形のCr含有合金鋼屑を予め入れ置きした取鍋に転炉で精錬した溶鋼を出鋼するか、または、転炉から取鍋に出鋼した溶鋼に大形のCr含有合金鋼屑を供給し、その後、前記溶鋼を溶鋼の加熱機能及び撹拌機能を有する取鍋精錬炉で精錬する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、含Cr低合金鋼の溶製方法に関し、詳しくは、上吹転炉または少量の不活性ガスによって底吹撹拌する上底吹転炉と取鍋精錬炉とを使用し、Cr含有合金鋼屑をCr源として利用して含Cr低合金鋼を溶製する方法に関するものである。
転炉を用い、溶銑を主原料として合金成分を1〜3質量%含有する、いわゆる低合金鋼を溶製する場合に、合金成分のうちでFeよりも酸化されにくい元素であるNi、Cu、Moなどは、その大部分を予め転炉内に装入した上で溶銑の酸化精錬(「脱炭精錬」という)を行い、脱炭精錬終了後の出鋼時に少量の金属Ni、金属Cu、金属Moなどを投入して目標成分に合致するように微調整している。この場合、Ni、Cu、Mo源としては、安価なスクラップや酸化物を使用することが可能である。
しかし、Feよりも酸化されやすいCrは、予め転炉内に装入して脱炭精錬すると、酸化損失するので、一般的には、転炉内には装入せず、出鋼時に金属Crを溶鋼に添加して成分調整を行っている。
但し、Crを9質量%以上含有するステンレス鋼では、炉底から多量の酸素ガスと不活性ガスとの混合ガスを吹き込むAOD炉(例えば特許文献1参照)や、炉底羽口と上吹ランスの両方から酸素ガス及び不活性ガスの供給可能な酸素上底吹転炉(例えば特許文献2参照)といった特殊な形式の転炉を使用し、精錬中の炉内のCO分圧を低下させてCの酸化反応を優先させ、Crの酸化を抑える精錬が行われており、含Cr低合金鋼の溶製においてもこれらの特殊な形式の転炉を使用すれば、金属CrやFe−Cr系合金鉄のみならず、安価なCr源である大形のCr含有合金鋼屑を予め転炉に装入した脱炭精錬が可能となる。しかしながら、このような設備は大流量の酸素ガス及び不活性ガスの底吹ガス供給設備が必要であり、且つ、上吹ランスにも酸素ガス及び不活性ガスの双方を、それぞれ流量を独立に制御して供給する設備が必要であるため、設備費が嵩み、ステンレス鋼に比べて販売価格の低い含Cr低合金鋼の製造には不向きである。
上記のようなAOD炉や酸素上底吹転炉ではなく、低設備コストの転炉、つまり、底吹羽口から吹き込む少量の不活性ガスによって溶鋼を撹拌しつつ上吹ランスからの酸素ガスで脱炭精錬する、いわゆる不活性ガス底吹撹拌式の上底吹転炉や、上吹ランスからの酸素ガスで脱炭精錬する上吹転炉を用いて、予め転炉内に大形のCr含有合金鋼屑を装入して含Cr低合金鋼を溶製することも不可能ではないが、Crの酸化を防止するためには、熱力学的にCrの酸化反応よりもCの酸化反応つまり脱炭反応が優先的に進行する1700℃以上の高温下で脱炭精錬を行う必要があり(例えば特許文献3参照)、転炉の耐火物寿命を著しく低下させるという問題がある。
また、転炉から取鍋に出鋼する際にCr含有合金鋼屑を溶鋼中に添加することも可能ではあるが、取鍋内でCr含有合金鋼屑の溶け残りが生じないようにするためにはCr含有合金鋼屑を50mm程度以下のサイズに切断しなければならず、大形のCr含有合金鋼屑を使用した場合に比べて切断のための処理コストを要し、また、温度低下が発生することから多量のCr含有合金鋼屑を使用できないという問題がある。
特開昭59−177314号公報 特開2004−83995号公報 特開2002−285222号公報
通常使用されている、上吹転炉または不活性ガス底吹撹拌式の上底吹転炉を用いて含Cr低合金鋼を溶製する際に、ステンレス鋼鋳片のクロップ屑やステンレス鋼鋼片のクロップ屑などの大形のCr含有合金鋼屑をCr源として有効に活用すれば、含Cr低合金鋼の製造コストは削減されるものの、上記説明のように、大形のCr含有合金鋼屑を有効に活用する手段がなく、やむなく出鋼時に金属Crを溶鋼に添加して溶製しており、製造コストの上昇をもたらしていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上吹転炉または不活性ガス底吹撹拌式の上底吹転炉を用いて含Cr低合金鋼を溶製する際に、前記転炉の耐火物の溶損を防止し、且つ取鍋でのCr含有合金鋼屑の溶け残りを防止しつつ安価な大形のCr含有合金鋼屑をCr源として有効活用することのできる溶製方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る含Cr低合金鋼の溶製方法は、転炉及び取鍋精錬炉を経て、Crを0.5〜3.0質量%含有する含Cr低合金鋼を溶製するに際し、Cr含有合金鋼屑を予め入れ置きした取鍋内に転炉で精錬した溶鋼を出鋼するか、または、転炉から取鍋への出鋼時若しくは出鋼後の取鍋内にCr含有合金鋼屑を装入し、その後、前記溶鋼を溶鋼の加熱機能及び撹拌機能を有する取鍋精錬炉で精錬することを特徴とするものである。
第2の発明に係る含Cr低合金鋼の溶製方法は、第1の発明において、前記Cr含有合金鋼屑は、単重が50kg以上で4トン以下であることを特徴とするものである。
第3の発明に係る含Cr低合金鋼の溶製方法は、第1または第2の発明において、前記Cr含有合金鋼屑は、ステンレス鋼鋳片のクロップ屑またはステンレス鋼鋼片のクロップ屑であることを特徴とするものである。
第4の発明に係る含Cr低合金鋼の溶製方法は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記Cr含有合金鋼屑は、予め入れ置きされた取鍋内で予熱されることを特徴とするものである。
第5の発明に係る含Cr低合金鋼の溶製方法は、第1ないし第4の発明の何れかにおいて、前記取鍋精錬炉の有する溶鋼の加熱機能は、アーク加熱方式であることを特徴とするものである。
第6の発明に係る含Cr低合金鋼の溶製方法は、第1ないし第5の発明の何れかにおいて、前記取鍋精錬炉の有する溶鋼の撹拌機能は、取鍋底部からのガス吹込みまたは取鍋内溶鋼中に浸漬したランスからのガス吹込みによることを特徴とするものである。
本発明によれば、大形のCr含有合金鋼屑を予め入れ置きした取鍋内に転炉で精錬した溶鋼を出鋼するか、または、転炉から取鍋への出鋼時若しくは出鋼後の取鍋内に大形のCr含有合金鋼屑を装入し、その後、この溶鋼を溶鋼の加熱機能と撹拌機能とを有する取鍋精錬炉で精錬して含Cr低合金鋼を溶製するので、転炉耐火物の溶損を発生することなく、且つ、取鍋でのCr含有合金鋼屑の溶け残りを防止しつつ、安価な大形のCr含有合金鋼屑をCr源として有効活用することができ、その結果、含Cr低合金鋼の製造コストを従来に比べて大幅に削減することが可能となる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明では、溶銑を主原料とし、転炉と取鍋精錬炉とを経て含Cr低合金鋼を溶製するに際し、大形のCr含有合金鋼屑を予め入れ置きした取鍋内に転炉で脱炭精錬して得た溶鋼を出鋼するか、または、転炉から取鍋への出鋼時若しくは出鋼後の取鍋内に大形のCr含有合金鋼屑を装入し、その後、この溶鋼を溶鋼の加熱機能と撹拌機能とを有する取鍋精錬炉で精錬する。ここで、使用する転炉は、本発明の目的から酸素ガスを上吹きする上吹転炉または不活性ガス底吹撹拌式の上底吹転炉とする。AOD炉や酸素上底吹転炉では、大流量の底吹ガス供給設備が必要であり、且つ、上吹ランスにも酸素ガスと不活性ガスを供給する設備が必要であるため、設備費が嵩み、好ましくないからである。また使用する溶銑は、高炉から出銑されたものであり、含Cr低合金鋼は材料特性の観点からS、Pなどの不純物が少ないことが望ましく、従って、転炉で脱炭精錬する前に溶銑段階で予め脱硫処理や脱燐処理が施されて溶銑を使用することが好ましい。
本発明で使用するCr含有合金鋼屑は、単重が50kg以上で数トン以下、具体的には4トン程度以下のものが好ましく、特に、連続鋳造時のステンレス鋼鋳片のトップ及びボトムのクロップ屑または分塊圧延後のステンレス鋼鋼片のトップ及びボトムのクロップ屑が安価であり好ましい。単重を50kg未満にするためには、これらのクロップ屑を再切断する必要があることからコストが嵩み、本発明方法を適用した際のコスト低減効果が減殺される。また、上記クロップ屑は発生形態がそもそも数トン規模のものである。
本発明の対象とする含Cr低合金鋼のCr含有量は、0.5〜3.0質量%とする。Cr含有量が0.5質量%未満の鋼種では、Crの添加量が少ない(Cr純分にして5kg/溶鋼トン)ので、転炉出鋼時に金属Crを使用する通常の溶製方法に比較して大形のCr含有合金鋼屑を使用するメリットが小さい。また、一般的に含Cr低合金鋼としてのCr含有量は3.0質量%以下であり、3.0質量%を越えてCrを含有する鋼種は、Cr含有量が9質量%以上の耐熱鋼やステンレス鋼となり、9質量%以上のCrを含有する耐熱鋼やステンレス鋼は、本発明で使用する上吹転炉または不活性ガス底吹撹拌式の上底吹転炉では精錬が困難である。
溶鋼の加熱機能と撹拌機能とを有する取鍋精錬炉としては、LF(レードルファーネス)、ASE−SKFなどが知られているが、ASEA−SKF方式の取鍋精錬炉では、溶鋼の撹拌を電磁誘導撹拌で行うので、取鍋の鉄皮として、鉄皮が誘導発熱しないようにステンレス製の特殊なものにしなくてはならず、低価格の低合金鋼や普通鋼の生産を主とする製鋼工場には適さない。一方、LFは通常の取鍋を用いて処理できるので有利である。
ここで、LFとは、取鍋内溶鋼の浴面上にフラックスを添加して精錬能のあるスラグ層を形成し、そのスラグ中にアーク電極を装入してサブマージアークを形成し、溶鋼を電力で加熱するとともに、取鍋底部に設けたポーラスプラグやパイプ式の羽口を通じて不活性ガスを吹き込んで溶鋼を撹拌する取鍋精錬方式の総称である。その変形形態として、別途浸漬式のガス吹込みランスを溶鋼中に浸漬し、このガス吹込みランスから大流量の撹拌ガスを吹き込むAPと呼ばれる形態もある。このAPを含めてLFは、溶鋼を加熱するとともに、スラグ精錬によって溶鋼の脱硫や脱酸を行い、高清浄鋼を製造するのに使用されている。本発明で使用する取鍋精錬炉としては、通常の取鍋を用いて処理できるという観点から、APを含めてLFを使用することが好ましい。以下、「LF」はAPを含むものとする。
含Cr低合金鋼の場合、S含有量が0.01質量%未満の低硫鋼や、0.001質量%未満の極低硫鋼がかなりの量存在するので、LFはこのような鋼種を製造する製鋼工場では普通に設置されている。従って、本発明を実施する目的のみのために新たにLFを設置する必要はなく、設置に伴いコストが嵩むといった問題は少ない。
本発明では、ステンレス鋼鋳片のクロップ屑のような大形のCr含有合金鋼屑を予め取鍋に入れ置きし、そこに転炉で脱炭精錬の済んだ溶鋼を出鋼するか、または、転炉から取鍋への出鋼時若しくは出鋼後の取鍋内に大形のCr含有合金鋼屑を装入する。Cr含有合金鋼屑を入れ置きした場合及び出鋼時に装入した場合には、出鋼時の溶鋼の落下流れ(出鋼流という)によって取鍋内溶鋼は激しく攪拌され、それによって大形のCr含有合金鋼屑の溶解が促進されるので、出鋼後に装入する場合に比べて溶解が促進されるが、それだけでは全てのCr含有合金鋼屑を溶解し尽くすことは困難である。
本発明では、溶け残りのCr含有合金鋼屑を含んでいる溶鋼を、LFなどの溶鋼の加熱機能と撹拌機能とを有する取鍋精錬炉にて加熱及び撹拌して精錬する。このときの加熱によって溶け残ったCr含有合金鋼屑を溶解するための熱を供給するとともに、撹拌によって溶解を促進し、取鍋内溶鋼成分の均一化を図る。加熱及び撹拌の時間は特定するものではないが、通常のLF操業の加熱時間及び撹拌処理の時間(5分間以上好ましくは10分間以上)で十分である。
溶鋼の加熱方法は上記のLFではアーク加熱であり、その他の加熱方法としては、溶鋼にAlを投入した後に酸素ガスを吹付けて昇熱する、いわゆるアルミ昇熱などの方法もあるが、多量のアルミナ介在物が生成したり、鋼中の成分含有量が変動したりする恐れがあるので、好ましい方法とはいえない。
本発明においては、Cr含有合金鋼屑を溶鋼で溶解する前に予熱しておくことが好ましい。投入前にポッパー内でCr含有合金鋼屑を予熱する方法もあるが、取鍋に予めCr含有合金鋼屑を入れ置きし、ガスバーナーなどの取鍋予熱装置で取鍋を予熱すると同時にCr含有合金鋼屑を予熱することが好ましい。
例えば、Cr含有量が1.2質量%の含Cr低合金鋼溶鋼を300トン溶製する場合に、そのCr分に相当するCr源をCr含有量が16質量%のCr含有合金鋼屑で供給するには22.5トンのCr含有合金鋼屑が必要である。このCr含有合金鋼屑を予熱することなく室温(25℃と仮定)で投入すると、出鋼温度が1600℃の場合に、取鍋内での溶鋼平均温度は1481℃となり、取鍋精錬炉で120℃以上の昇温が必要となる。一方、予め取鍋内に22.5トンのCr含有合金鋼屑を装入して取鍋予熱装置で900℃まで予熱したとすれば、出鋼温度が1600℃の場合に、取鍋内での溶鋼平均温度は1548℃となり取鍋精錬炉での昇温は52度で足り、取鍋精錬炉での処理時間を短縮することができるからである。尚、Cr含有合金鋼屑は、表面に薄く強固な酸化被膜が形成されこれが酸素の浸透を妨げるので、通常の普通鋼屑などに較べて予熱の際に内部まで酸化されにくく、従って、予熱による酸化損失は考慮しなくて良いという利点がある。
本発明では、含Cr低合金鋼を溶製する上で必要なCr分のうち、転炉での脱炭精錬の際に酸化ロスする恐れの小さい、鋼中Cr含有量、具体的には1質量%未満に相当する量のCr源は予め転炉に装入して溶銑の脱炭精錬を実施し、それを超える分を出鋼時に取鍋に装入するようにしてもよく、むしろそうすることが好ましい。これによって、取鍋に装入するCr含有合金鋼屑の量を減らすことができ、溶鋼の温度低下量を小さくすることができる。
例えば、Cr含有量が2.25質量%の含Cr低合金鋼溶鋼を300トン溶製する場合に、Cr含有量が16質量%のCr含有合金鋼屑(900℃に予熱)をCr源として、このCr含有合金鋼屑の全量(42.2トン)を取鍋に装入するとした場合、出鋼温度が1600℃の場合に、取鍋内での溶鋼平均温度は1502℃となるが、0.9質量%分のCr含有量に相当するCr含有合金鋼屑(16.9トン)を転炉に装入して脱炭精錬し、取鍋には、1.35質量%分のCr含有量に相当するCr含有合金鋼屑を入れ置きするとすればその量は25.3トンであり、出鋼温度が1600℃の場合に、取鍋内での溶鋼平均温度は1541℃となり、取鍋精錬炉での昇温は59度で足り、取鍋精錬炉での処理時間を短縮することができる。
このように、本発明によれば、大形のCr含有合金鋼屑を予め入れ置きした取鍋内に転炉で精錬した溶鋼を出鋼するか、または、転炉から取鍋への出鋼時若しくは出鋼後の取鍋内に大形のCr含有合金鋼屑を装入し、その後、この溶鋼を溶鋼の加熱機能と撹拌機能とを有する取鍋精錬炉で精錬して含Cr低合金鋼を溶製するので、転炉耐火物の溶損を発生することなく、且つ、取鍋でのCr含有合金鋼屑の溶け残りを防止しつつ、安価な大形のCr含有合金鋼屑をCr源として有効活用することが可能となる。
不活性ガス底吹撹拌機能を有する炉容300トンの不活性ガス底吹撹拌式の上底吹転炉と、アーク加熱及びガス吹込みランスからのガス吹込みを有するLF(正確にはAP)とを用い、Cr含有量が1.2質量%、S含有量が0.01質量%未満である含Cr低合金鋼、並びにCr含有量が2.25質量%、S含有量が0.01質量%未満である含Cr低合金鋼を、溶銑を主原料として本発明を適用して溶製した。
具体的には、Cr含有量が16質量%であるステンレス鋼連続鋳造鋳片のクロップ屑(単重0.5〜3トン)をCr含有合金鋼屑として使用し、このクロップ屑を出鋼前の取鍋に入れ置きして転炉から受鋼し、その後、LFにて加熱及び撹拌して脱硫処理し、かくして含Cr低合金鋼を溶製した。クロップ屑を取鍋内で900℃に予熱した場合と予熱しない場合とを実施し、後工程のLFでの処理時間を比較した。また、Cr含有量が2.25質量%の含Cr低合金鋼を溶製する際には、約0.9質量%分相当のステンレス鋼連続鋳造鋳片のクロップ屑を転炉に装入して溶銑の脱炭精錬を実施し、得られた溶鋼に更に取鍋内で入れ置きしたクロップ屑を追加供給して溶製した。
また、比較のために、転炉内に前記Cr含有合金鋼屑の全量を装入し、Crの酸化を抑制するために高温下で溶銑の脱炭精錬を行って溶製する方法(比較例1)、及び、Cr源として金属Crを用い、出鋼時に取鍋内に添加して溶製する方法(比較例2)も実施した。表1に、本発明例1〜3及び比較例1,2の操業条件及び操業結果を示す。
Figure 2008274387
表1に示すように、本発明によれば、転炉での精錬温度を高めることなく、安価なCr含有合金鋼屑を使用して含Cr低合金鋼を溶製可能であることが確認できた。

Claims (6)

  1. 転炉及び取鍋精錬炉を経て、Crを0.5〜3.0質量%含有する含Cr低合金鋼を溶製するに際し、Cr含有合金鋼屑を予め入れ置きした取鍋内に転炉で精錬した溶鋼を出鋼するか、または、転炉から取鍋への出鋼時若しくは出鋼後の取鍋内にCr含有合金鋼屑を装入し、その後、前記溶鋼を溶鋼の加熱機能及び撹拌機能を有する取鍋精錬炉で精錬することを特徴とする、含Cr低合金鋼の溶製方法。
  2. 前記Cr含有合金鋼屑は、単重が50kg以上で4トン以下であることを特徴とする、請求項1に記載の含Cr低合金鋼の溶製方法。
  3. 前記Cr含有合金鋼屑は、ステンレス鋼鋳片のクロップ屑またはステンレス鋼鋼片のクロップ屑であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の含Cr低合金鋼の溶製方法。
  4. 前記Cr含有合金鋼屑は、予め入れ置きされた取鍋内で予熱されることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の含Cr低合金鋼の溶製方法。
  5. 前記取鍋精錬炉の有する溶鋼の加熱機能は、アーク加熱方式であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の含Cr低合金鋼の溶製方法。
  6. 前記取鍋精錬炉の有する溶鋼の撹拌機能は、取鍋底部からのガス吹込みまたは取鍋内溶鋼中に浸漬したランスからのガス吹込みによることを特徴とする、請求項1ないし請求項5の何れか1つに記載の含Cr低合金鋼の溶製方法。
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