JP4692064B2 - 還元処理剤および還元処理方法 - Google Patents

還元処理剤および還元処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4692064B2
JP4692064B2 JP2005131280A JP2005131280A JP4692064B2 JP 4692064 B2 JP4692064 B2 JP 4692064B2 JP 2005131280 A JP2005131280 A JP 2005131280A JP 2005131280 A JP2005131280 A JP 2005131280A JP 4692064 B2 JP4692064 B2 JP 4692064B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slag
blast furnace
reduction treatment
hexavalent chromium
elution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005131280A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006305464A (ja
Inventor
克則 高橋
久宏 松永
宏一 戸澤
達人 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2005131280A priority Critical patent/JP4692064B2/ja
Publication of JP2006305464A publication Critical patent/JP2006305464A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4692064B2 publication Critical patent/JP4692064B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Description

本発明は、建設廃材などとして発生するコンクリート塊やアスファルト・コンクリート屑の外、クロム含有土壌、ステンレス鋼精錬時に発生するスラグ、重クロム酸ナトリウムなどのクロム化合物製造時に発生するクロム鋼滓、廃棄物溶融スラグ、下水汚泥および下水汚泥溶融スラグなどのクロム酸化物含有物質からの6価クロム(Cr6+)の溶出を防止するために有効に用いられる還元処理剤と、その還元処理剤を用いる還元処理方法に関するものである。
建設廃材は、年間、8000万トン程度発生(平成14年)しており、そのうちの約3600万トンがコンクリート塊、約3000万トンがアスファルト・コンクリート屑である。しかも、こうした建築廃材の発生量は、年々増加する傾向にあり、それらを再利用できる技術の開発が求められている。
ところで、上記コンクリート塊やアスファルト・コンクリート屑等の主な再利用先は、道路の路盤材や埋め戻し材、埋め立て材、土壌改良材などである。しかし、国土交通省の調べでは、建設廃材のコンクリート塊を土壌改良材として用いることについては、6価クロムが溶出する懸念が指摘されている。
すなわち、普通ポルトランドセメントは、一度固化してしまえば、6価クロムの溶出は抑えられるものと考えられてきた。しかし、最近の研究では、中性化が進んだコンクリートでは、土壌環境基準を超える6価クロムの溶出があることがわかってきている。ここで、上記中性化とは、本来アルカリ性を呈するセメントが、大気中の二酸化炭素などによって炭酸化し、セメント水和物の結合力が低下することである。一般に、土壌改良材に利用するコンクリート塊やアスファルト・コンクリート屑は、数年から数十年にわたって使用されていたものであり、そのために上述した中性化が進んでいると考えられる。したがって、コンクリート塊やアスファルト・コンクリート屑等の建設廃材からは、6価クロムの溶出が起こる可能性が高く、これらを道路の路盤材や埋め戻し材、土壌改良材として用いた場合、土壌の汚染や透過した水が地下水に合流して地下水の汚染を引き起こすおそれがある。
その他、道路の路盤材や埋め戻し材に再利用されるものとして、ステンレス鋼の精錬過程で発生するスラグや、重クロム酸ナトリウムなどのクロム化合物の製造過程で発生するクロム鉱滓等があるが、これらは、数%程度のクロム酸化物が含まれているのが普通であるから、同様に、6価クロムを溶出するおそれがある。また、ゴミ焼却灰や下水汚泥などを溶融処理してスラグ化し、これを路盤材などとして再利用することが検討されている。この場合にも、焼却灰や下水汚泥にクロム酸化物が含まれている場合には、スラグから6価クロムが溶出するおそれがあり、これらの有効利用を困難にしている。
上述したように、コンクリート塊やアスファルト・コンクリート屑、その他のクロム酸化物を含有する物質は、これを、道路の路盤材や埋め戻し材、土壌改良材などとして再利用する場合、6価クロム(Cr6+)の溶出防止処理が不可欠である。
クロム酸化物を含有する物質から6価クロムの溶出を防止する技術としては、例えば、特許文献1に、溶融状態にあるスラグの熱エネルギーを利用し、スラグに対して、アルミ灰およびマグネシア系物質を添加する方法が提案されている。しかし、この技術は、スラグが溶融状態にある場合にしか利用できないほか、粘性が高いスラグの場合には、均質な混合が期待できないという問題がある。
また、コンクリート塊のように熱ポテンシャルを持たない物質からの6価クロムの溶出防止技術としては、酸化クロムを含有する物質をある構造内に閉じ込めてしまい、6価クロムを系外に出さないようにする方法、酸化クロムを還元して、価数を6価からそれ以下の無害な価数の化合物する方法がある。例えば、クロムを閉じ込める方法としては、ガラス状態の中に閉じ込める方法やキレート処理する方法が知られている。しかし、前者の方法は、対象物をガラスとともに加熱処理する必要があり、また、後者の方法は、処理費が極めて高いという問題があり、いずれも、路盤材のような大量な量の物質を処理する方法としては適当ではない。
一方、6価クロムを還元する方法としては、硫酸第一鉄を用い、鉄イオンが2価から3価になる酸化反応によって、クロムを還元する方法が一般的に知られている。また、特許文献2には、クロム酸化物含有物質と、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄化合物を含有する高炉徐冷スラグとを混合し、大気雰囲気中に静置する方法が開示されている。
特開平10−324547号公報 特開平06−171993号公報
しかし、コンクリート塊やアスファルト・コンクリート屑等を、道路の路盤材や埋め戻し材、土壌改良材などとして再利用する場合は、上述したように、一旦、還元処理した場合でも、数年してコンクリート内部の中性化が進展したり、コンクリートが割れて内部が大気に曝されたりした場合には、徐々に6価クロムの溶出が起こる可能性がある。このような経時変化に対応するには、時期をおいて再度還元処理する方法も考えられるが、現実的ではない。
この点について、硫酸第一鉄を用いる方法では、硫酸第一鉄の鉄イオンは極めて酸化反応が起こり易いため、比較的早く6価クロムを還元することができる反面、大気に曝されるだけで酸化されてしまうため、還元能力が長続きしない。そのため、6価クロムが被還元処理材の内部に残留し、中性化等にともなって徐々に染み出してくるような場合には、十分な還元効果を期待できないという問題がある。
また、特許文献2には、高炉徐冷スラグは、クロム酸化物の還元処理剤として有効であり、該高炉徐冷スラグの粒径が小さいほど好ましい旨が開示されている。しかし、その効果は、短期間における還元能力しか評価していないため、長期にわたる還元能力についてはまったく不明であった。
以上のように、従来の還元処理剤は、短期的な6価クロムの溶出を抑制するには適しているものの、還元処理後、長期にわたって徐々に溶出してくる6価クロムを抑制するには不十分であり、この点を改善できれば、コンクリート塊やその他の酸化クロム含有物質を、より安全に再利用することが可能になると考えられる。
そこで、本発明の目的は、コンクリート廃材やステンレス鋼スラグ、クロム鉱滓、廃棄物溶融スラグ、下水汚泥、下水汚泥溶融スラグ、クロム酸化物を含む土壌などのクロム酸化物含有物質からの6価クロムの溶出を、簡便かつ経済的にしかも長期間にわたって防止することができる還元処理剤と、これを用いる還元処理方法を提案することにある。
発明者らは、クロム酸化物含有物質からの6価クロムの溶出を防止するには、コストの観点から、常温あるいは常温に近い温度で行うことが好ましく、酸化−還元反応を利用することが有効であるとの考えの下、各種の還元処理剤を用いて、クロム酸化物含有物質を還元処理することについて検討を行った。その結果、単体硫黄および単体硫黄を含有する物質や、チオ硫酸ナトリウム、硫化鉄、硫化水素などの酸化数が+5価以下の硫黄化合物を含有している物質に高い6価クロム還元能力が認められ、特に、未エージングの高炉スラグを適正に処理し、これに含まれる硫黄および硫黄化合物の還元能力を有効に利用すれば、簡便かつ経済的に、しかも長期に亘って6価クロムを溶出を防止できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明は、高炉徐冷スラグからなる還元処理剤であって、破砕されて粒径500μm〜10mmの大きさであるとともに、酸化数が+2価以下の硫黄を含む硫黄化合物を0.3mass%以上含む高炉徐冷スラグを少なくとも30mass%含むことを特徴とする6価クロムの溶出防止用還元処理剤である。
また、本発明は、被還元処理材に上記記載の還元処理剤を混合して還元処理する方法において、上記還元処理剤を、混合の1週間前まで水と接触させないようにすることを特徴とする還元処理方法を提案する。
本発明によれば、コンクリート塊やアスファルト・コンクリート屑、その他のクロム酸化物含有物質からの6価クロムの溶出を、簡便かつ経済性にしかも長期にわたって防止することができるので、上記クロム酸化物含有物質を、安全に再利用することができる。
発明者らは、酸化数が+5価以下の硫黄や硫黄化合物を含有している材料にクロム還元能力があることを見出した上で、さらに鋭意検討を重ねた。その結果、クロム酸化物含有物質の還元処理剤として、発生した直後の未エージングの高炉徐冷スラグを用いると、上記スラグが含有する硫黄含有量が1mass%程度にもかかわらず、極めて高い還元能力が認められることがわかった。高炉徐冷スラグが、硫黄含有量が低いにも拘わらず、硫黄を他の物質で希釈した物質に比べて、高い還元能力を示す原因については、明確にはなっていないが、鉄やチタン等が共存することによる触媒的な効果によるものと考えている。そこで、本発明では、クロム酸化物含有物質の還元処理剤として、発生した直後の未エージングの高炉徐冷スラグを用いることとした。
高炉徐冷スラグ中に含まれる硫黄や硫黄化合物の酸化数は、+5価以下であれば還元能力がある。それは、酸化数が+5価以下であれば、それがクロム酸化物含有物質と接触した時に、自らが酸化すると同時に、6価クロムを還元してCr(OH)3などの安定なクロム化合物とすることにより、クロム酸化物含有物質からの6価クロムの溶出を抑制することができるからである。
しかし、高炉徐冷スラグ中に含まれる硫黄や硫黄化合物の酸化数は、+2価以下である方が、より高い6価クロムの溶出抑制能力を保持している。例えば、表1のNo.1〜8には、酸化数が異なる様々な形態の硫黄化合物を含む高炉徐冷スラグを用いて、コンクリート屑をクロム還元処理したときの6価クロムの溶出量を調査した結果を示す。また、No.8には、比較として、還元処理をしない場合の結果も示した。ここで、表1中の処理結果の◎は、還元処理後のコンクリート屑からの6価クロムの溶出量が、環境省告示第46号に規定された土壌環境基準の6価クロム溶出基準値(0.05mg/l以下)をほぼ100%で満たす場合、○は、同基準値を約95%で満たす場合、△は、同基準値を約70%で満たす場合、×は、同基準値を60%以下しか満たさない場合であったことを示す。表1からわかるように、高炉徐冷スラグ中に、酸化数が+2価以下の硫黄化合物を0.3mass%以上含んでいれば、還元処理剤として有効に作用すると判断される。
Figure 0004692064
また、図1は、酸化数が+2価以下の硫黄化合物を0.05mass%以上含む高炉徐冷スラグを、500μm以下、500μm〜10mm、10mm以上の3水準の最終粒度まで破砕後、エージングした高炉徐冷スラグ、および40mmの粒径のままでエージング後、上記最終粒度に再破砕した高炉徐冷スラグを還元処理剤とし、これを、酸化クロムを含有する土壌に添加し、均一に混合して還元処理を施した時の、最終粒度とエージング時間が6価クロム溶出試験値に及ぼす影響を示したものである。ここで、上記高炉徐冷スラグのエージングは、大気環境で雨水のかかる状態で行った。また、上記6価クロム溶出試験値は、環境省告示46号に規定された6価クロムの溶出値であり、短時間における還元処理能力を示すものである。因みに、上記被還元処理材である土壌の、未還元状態における6価クロムの溶出試験値は、0.13mg/lのものであった。
図1から、還元処理剤の短期間における還元能力は、原則的には最終粒度すなわち使用時の粒度が細かい方が高いこと、また、エージングすることにより、還元能力は低下する傾向にあるが、エージング後、最終粒度に破砕した方がその影響は少なく、特に、最終粒径が10mm以下であれば、エージングによる還元能力の低下が小さいことがわかる。
高炉徐冷スラグの粒度は、細かいほど還元能力が高い理由は、比表面積が大きくなることにより、還元に寄与する硫黄化合物の量が多くなるためである。また、エージングにより還元に寄与する還元能力が低下する理由は、硫黄化合物が徐々に大気中で酸化されてSO4 2-へシフトするためである。さらに、40mmの粒径のままでエージング後、最終粒度に再破砕した方が、還元能力が高い理由は、高炉スラグの粒内部の硫黄化合物は、エージングによっても酸化がさほど進んでいない状態で保持されていることを示している。このことは、高炉徐冷スラグを還元処理剤として使用する場合には、スラグ発生後の期間ではなく、破砕後の期間が重要であることを示唆している。
また、発明者らは、従来の還元処理剤が、還元処理時に6価クロムの溶出を防止できても、その後、長期に亘って溶出してくる6価クロムの溶出を抑制できない点について検討した。その結果、高炉徐冷スラグの粒内部に残存する還元能力をもつ硫黄化合物を有効利用することに思い至った。そこで、高炉徐冷スラグの粒内部に残留する硫黄化合物の還元能力を調べるために、上記図1の実験で用いた、粒径を500μm以下、500μm〜10mm、10mm以上の3水準に調整した高炉徐冷スラグを還元処理剤として用い、まず、Cr6+を0.15mg/l相当含有するK2Cr27水溶液に還元処理剤を6時間浸漬、振とうした後、ろ過して還元処理剤を回収し、これを1週間水中に保持した後に、改めて、上記した図1の実験で用いたのと同じ酸化クロムを含有する土壌と混合して、環境省告示第46号に規定される方法で6価クロムの溶出試験を行った。これにより、高炉徐冷スラグの粒内部に残存する硫黄化合物の還元処理能力を評価することができる。
図2は、上記試験の結果を示したものである。図2から、粒径が500μm以下の高炉徐冷スラグを還元処理剤に用いた場合には、図1に示す溶出試験では6価クロムの溶出を防止する効果が極めて高いが、図2に示す溶出試験では、還元能力が急激に低下し、6価クロムの溶出を抑制できないことがわかった。これは、比表面積が大きいため、K2Cr27水溶液との処理の際に、スラグ中の硫黄化合物の多くが水中に溶け出してしまったことと、残留している硫黄化合物の酸化も進みやすかったためと考えられる。一方、粒径が500μm〜10mmのものからなるスラグを還元処理剤に用いた場合には、還元能力は、図1に示す溶出試験よりやや低下するものの、図2に示す溶出試験においても、十分保持されていることがわかる。これは、この大きさでは、K2Cr27水溶液との処理の後でもまだスラグ粒内部に還元能力を持つ硫黄化合物が十分に残留しているためと考えられる。さらに、10mm以上の粒径からなるスラグを還元処理剤に用いた場合には、図2に示す溶出試験においても、還元能力は維持されているが、もともと表面積が小さいため、その能力には限界がある。したがって、高炉徐冷スラグに長期的な還元能力を保持させるためには、その粒径は500μm〜10mmの大きさが好ましいことがわかった。また、この実験においても、破砕後エージングしたものより、エージング後、破砕したものの方が、エージングによる還元能力の低下が小さいことが確認された。
さらに、発明者らは、高炉徐冷スラグを還元処理剤として使用する場合に、還元処理能力に優れた500μm〜10mmの大きさのものをどの程度高炉徐冷スラグ中に含有させればよいかを調査した。図3は、環境省告示第46号法に準拠して測定した6価クロムの溶出量が0.15mg/lのコンクリートの廃材と土壌との混合物に、粒径500μm〜10mmの高炉徐冷スラグの含有量を0〜100mass%の範囲で変化させた高炉徐冷スラグを還元処理剤として3mass%添加して還元処理した時の還元処理後の混合物からの6価クロムの溶出量を、環境省告示第46号法に準拠して測定した結果を示したものである。なお、上記高炉徐冷スラグには、酸化数が+2価以下の硫黄化合物を0.3mass%含有するものを用いた。図3から、高炉徐冷スラグを還元処理剤として使用する場合には、粒径500μm〜10mmの大きさのものを30mass%以上含有させればよいことがわかった。
次に、発明者らは、雨水等が高炉徐冷スラグの還元能力に及ぼす影響を調査した。というのは、1回、6価クロムの溶出試験を行った場合には、高炉徐冷スラグの還元能力が、6価クロムの還元に使用された以上に低下している原因は、高炉徐冷スラグ中の硫黄化合物が水中に溶け出したためと考えられることから、破砕した高炉徐冷スラグを山積みにしておき、これを還元処理剤として使用する場合には、山積み状態において受ける雨水によって高炉徐冷スラグ中の硫黄化合物が溶け出し、還元能力が低下するおそれがあるからである。
そこで、発明者らは、上記観点から、環境省告示第46号法に準拠して測定した6価クロムの溶出量が0.15mg/lのコンクリートの廃材と土壌との混合物に、酸化数が+2価以下の硫黄化合物を0.15mass%含有し、かつ粒径が500μm〜10mmのものを50mass%含む高炉徐冷スラグを水と接触させて飽和含水量程度に湿らせ、所定日数経過してから、これを還元処理剤として3mass%添加して還元処理した時の、還元処理後の混合物からの6価クロムの溶出量を環境省告示第46号法に準拠して測定し、高炉徐冷スラグの還元能力の変化を調査した。その結果を図4に示したが、この図4から、水と接触してから1〜3日までは還元能力にほとんど変化がなく、その後、経過日数とともに還元能力が低下し、7日を過ぎると、急激に低下し始めることがわかった。これは、水と接触後7日以内であれが、高炉徐冷スラグ中に含有していた硫黄化合物が溶け出したとしても、まだ十分な還元能力を保持しているためと推定される。したがって、高炉徐冷スラグを還元処理剤として使用する場合には、少なくても使用する1週間前までは、ドライな条件で保管することが望ましいことがわかった。
表2に示したような粒径500μm〜10mmの含有率と+2価以下の硫黄化合物の含有量および最終破砕後に雨水に接触してからの経過日数を有する高炉徐冷スラグを還元処理剤とし、これを、被還元処理材である酸化クロムを含有するコンクリート塊およびセメント処理を施した土壌の混合物約100トンに3mass%添加し、均一に混合してから、雨水がかかる野外に約2mの高さに山積みして還元処理を施した。この還元処理を施した混合物から、還元処理直後と1ヶ月間静置した後に、試料を採取し、環境省告示第46号に規定された方法に準じて6価クロムの溶出試験を行った。因みに、還元処理を行わない場合における、コンクリート塊と土壌の混合物からの6価クロムの溶出量は0.13mg/lであった。
上記試験の結果を表2中に併記して示した。表2から明らかなように、本発明の還元処理剤を酸化クロム含有物質に適用することによって、還元処理直後だけでなく、長期に亘って、6価クロムの溶出を抑制することができることがわかる。
Figure 0004692064
本発明の技術は、6価クロムを含有するスラッジ等の処理にも適用することができる。
高炉徐冷スラグの粒度、エージング日数等が6価クロムの溶出試験値に及ぼす影響を示したグラフである。 2回目の6価クロムの溶出試験値に及ぼす高炉徐冷スラグの粒度、エージング日数等の影響を示すグラフである。 高炉徐冷スラグ中の粒径500μm〜10mmの含有量が、6価クロムの溶出量に及ぼす影響を示すグラフである。 高炉徐冷スラグを水と接触させた後の経過日数が6価クロムの溶出試験値に及ぼす影響を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 高炉徐冷スラグからなる還元処理剤であって、破砕されて粒径500μm〜10mmの大きさであるとともに、酸化数が+2価以下の硫黄を含む硫黄化合物を0.3mass%以上含む高炉徐冷スラグを少なくとも30mass%含むことを特徴とする6価クロムの溶出防止用還元処理剤。
  2. 被還元処理材に請求項1に記載の還元処理剤を混合して還元処理する方法において、上記還元処理剤を、混合の1週間前まで水と接触させないようにすることを特徴とする還元処理方法。
JP2005131280A 2005-04-28 2005-04-28 還元処理剤および還元処理方法 Active JP4692064B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005131280A JP4692064B2 (ja) 2005-04-28 2005-04-28 還元処理剤および還元処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005131280A JP4692064B2 (ja) 2005-04-28 2005-04-28 還元処理剤および還元処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006305464A JP2006305464A (ja) 2006-11-09
JP4692064B2 true JP4692064B2 (ja) 2011-06-01

Family

ID=37472974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005131280A Active JP4692064B2 (ja) 2005-04-28 2005-04-28 還元処理剤および還元処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4692064B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5011259B2 (ja) * 2008-06-05 2012-08-29 Jfeスチール株式会社 再生砂又は土工材として用いられる土木材料及びその製造方法
JP5407337B2 (ja) * 2009-01-06 2014-02-05 大同特殊鋼株式会社 還元スラグの処理方法
JP5769920B2 (ja) * 2009-10-27 2015-08-26 Jfeスチール株式会社 土壌改良材
JP5940701B2 (ja) * 2015-03-13 2016-06-29 Jfeスチール株式会社 土壌改良材

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000093934A (ja) * 1998-09-25 2000-04-04 Kawasaki Steel Corp クロム酸化物含有土壌の処理方法
JP2002248444A (ja) * 1997-03-27 2002-09-03 Kawasaki Steel Corp クロム酸化物含有物質の処理方法
JP2003170152A (ja) * 2001-12-04 2003-06-17 Denki Kagaku Kogyo Kk 六価クロム低減剤
JP2003290741A (ja) * 2002-04-01 2003-10-14 Denki Kagaku Kogyo Kk 有害重金属低減材及びそれを用いた有害重金属低減方法
JP2004292806A (ja) * 2003-03-07 2004-10-21 Nippon Steel Corp 土壌修復剤および土壌修復方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002248444A (ja) * 1997-03-27 2002-09-03 Kawasaki Steel Corp クロム酸化物含有物質の処理方法
JP2000093934A (ja) * 1998-09-25 2000-04-04 Kawasaki Steel Corp クロム酸化物含有土壌の処理方法
JP2003170152A (ja) * 2001-12-04 2003-06-17 Denki Kagaku Kogyo Kk 六価クロム低減剤
JP2003290741A (ja) * 2002-04-01 2003-10-14 Denki Kagaku Kogyo Kk 有害重金属低減材及びそれを用いた有害重金属低減方法
JP2004292806A (ja) * 2003-03-07 2004-10-21 Nippon Steel Corp 土壌修復剤および土壌修復方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006305464A (ja) 2006-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4712483B2 (ja) 重金属汚染土壌用処理組成物及び処理方法
Magalhães et al. Effect of experimental variables on the inertization of galvanic sludges in clay-based ceramics
JP5092203B2 (ja) 廃棄物からのフッ素および重金属の溶出を抑制する方法
JP4692064B2 (ja) 還元処理剤および還元処理方法
EP0869193B1 (en) Method for processing chromium oxide-containing substances in large quantities
JP5769920B2 (ja) 土壌改良材
JP3299174B2 (ja) クロム酸化物含有物質の処理方法
JP3473444B2 (ja) クロム酸化物含有物質の処理方法
JP4725302B2 (ja) 溶出成分含有物質の処理方法ならびに安定化資材およびその製造方法
JP2002248444A (ja) クロム酸化物含有物質の処理方法
JP2005239509A (ja) 鉄鋼スラグからのフッ素溶出抑制方法および土中埋設用材料
JP3221564B2 (ja) クロム酸化物含有物質の処理方法
Cohen et al. The application of batch extraction tests for the characterisation of solidified ferro alloy waste products
JP5470699B2 (ja) 重金属含有塩基性廃棄物の無害化処理方法
JP5940701B2 (ja) 土壌改良材
JP5077777B2 (ja) 溶出低減材および溶出低減処理方法
JP3221565B2 (ja) クロム酸化物含有物質の処理方法およびそれを用いた路盤材、土木埋立用材、仮設材
JP5337956B2 (ja) クロム酸化物含有物質の処理方法
JP3877583B2 (ja) 六価クロム低減材
JP2001121109A (ja) 可溶性六価クロムを含有する構築物廃材の無害化処理方法
JP4540350B2 (ja) クロム酸化物含有スラグの処理方法
JP4837258B2 (ja) ステンレス鋼スラグの土中埋設方法および土中埋設用材料
JPH0975897A (ja) 廃棄物中の金属固定化方法
JP6686982B2 (ja) クロム酸化物含有物質の還元処理方法および土木工事用材料の製造方法
JP6041006B2 (ja) 土木材料用還元材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140304

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4692064

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250