JP5407129B2 - ダイクッション装置の制御方法及びダイクッション装置 - Google Patents

ダイクッション装置の制御方法及びダイクッション装置 Download PDF

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Description

本発明は、プレス機械においてスライドの下面に固定された上金型との間でワークを挟
みワークのしわ押さえ圧力を発生するためのダイクッション装置の制御方法及びダイクッション装置に関する。
ダイクッション装置は、上金型と下金型との間でワークを挟んで成型するプレス機械において、上金型との間でワークの端部を狭持して、ワークのしわ押さえ圧力を発生するための機構である。ダイクッション装置は、一般に、ダイクッションを上下動させるピストンを有する1本ないし複数本のシリンダで駆動されるように構成されており、シリンダに出入りする空気や油の流量をバルブで制御することにより、所望のクッションモーションを得る。プレス機械のダイクッション装置において、そのダイクッション装置の動作制御は、ダイクッションの位置及び速度と、上金型が固定された上下に昇降移動可能な、スライドの位置及び速度が適切な関係となるように、スライド位置データ、スライド速度データに基づいて行われている(例えば、特許文献1)。
上記データを検出する方法として、位置検出器、速度検出器をプレス機械に設置することにより、前記スライドのスライド位置データ、スライド速度データを検出する方法と、前記スライドがクランク軸と連動して駆動する場合には、クランク軸回転角データを回転角検出器によって検出し、その回転角データとスライドの昇降位置とを対応させた角度位置データを利用して、クランク軸回転角データを入力とし、前記角度位置データからスライドの位置を導出する方法とがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−142312号公報 特許第3620991号公報
しかしながら、上記データを検出する方法において、位置検出器、速度検出器により上記データを検出する方法は、既設のプレス機械がそれらの検出器を備えていない場合に、位置検出器、速度検出器を取り付けなくてはならないという問題がある。既設のプレス機械において、それらの検出器を設置する位置、スペースがない場合、検出器の取り付けは困難であり、また、それらの検出器を設置するコストもかかる。さらに、例えば、工場の生産ラインに同型の既設プレス機が複数台設置されている場合は、その台数分のコストが、さらにかかる問題が存在する。
また、クランク軸回転角データを入力とし、前記角度位置データからスライドの位置を導出する方法では、回転角データとスライドの昇降位置とを対応させた角度位置データを角度位置データ記憶手段(メモリ)に記憶しておく必要があり、ダイクッション装置を制御するソフトの容量が膨大となる。さらに、前記角度位置データからスライドの速度を導出する場合にも、回転角データとスライドの昇降速度とを対応させた角度位置データが、別途必要となり無用にメモリの記憶容量を消費してしまう問題が存在する。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、プレス機械のダイクッション装置において、検出器を新たに設置するというコストを抑え、かつ、ダイクッション装置を制御するソフトのスリム化を図り、ダイクッションの動作制御を容易かつ有用に行うことを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、回転部材の回転に応じて移動するスライドに連動して、ダイクッション装置の動作を制御する制御手段であって、前記回転部材の回転量と、前記スライドの移動量及び移動速度の少なくとも一方との関係を示す近似式を求め、検出した前記回転部材の回転量と、前記近似式とに基づいて、前記ダイクッション装置の動作を制御する制御方法を採用する。
このような制御方法を採用することで、回転部材の回転量と近似式とに基づいて、スライドの移動量及び移動速度の少なくとも一方を算出することにより、それらの算出結果に基づいて、ダイクッション装置の動作を制御し、スライドの移動と連動させることができる。
また、本発明は、前記スライドの移動経路のうち、一部の領域について前記近似式を求めるという工程を経る制御方法を採用する。
このような制御方法を採用することで、スライドの移動経路の全経路について近似式を求める工程を経る必要はなく、ダイクッション装置の動作を制御するための有用な領域(例えば、ワーク(被成型物)を成型する成型領域)について近似式を求めることができる。
そして、本発明は、前記一部の領域から外れた前記スライドの移動経路について、前記近似式より次数の低い第2近似式を設定する工程を経る制御方法を採用する。
このような制御方法を採用することで、ダイクッション装置の動作を制御するための有用な領域から外れた領域の近似式を簡易的に設定することができ、近似式の設定作業を容易に行うことができる。
そして、本発明は、前記スライドの移動経路を複数に分割し、分割した各移動経路毎に前記近似式をそれぞれ求めるという工程を経る制御方法を採用する。
このような制御方法を採用することで、分割した移動経路ごとの近似式に基づいて、分割した領域に応じたダイクッション装置の動作を制御することで、高精度な制御を実現できる。
そして、本発明は、前記近似式を最小二乗法で求めるという工程を経る制御方法を採用する。
このような制御方法を採用することで、回転部材の回転量とスライドの位置及び速度の対応関係を有効に表す近似式を求めることができる。
そして、本発明は、回転部材の回転に応じて移動するスライドに連動して移動するダイクッション装置であって、前記回転部材の回転量と、前記スライドの移動量及び移動速度の少なくとも一方との関係を示す近似式を記憶する記憶装置と、前記回転部材の回転量を検出する検出装置と、前記検出装置の検出結果と、記憶された前記近似式とに基づいて、前記ダイクッション装置の移動を制御する制御装置とを備えるという構成を採用する。
このように構成することで、ダイクッション装置は、検出装置により検出された回転部材の回転量と記憶装置に記憶された近似式とに基づいて、スライドの移動量及び移動速度の少なくとも一方を算出することによりそれらの算出結果に基づき、制御装置によって動作を制御してスライドの移動と連動させることができる。
そして、本発明は、前記近似式は、前記スライドの移動経路のうち、一部の領域について求められているという構成を採用する。
このように構成することで、ダイクッション装置は、ダイクッション装置の動作を制御するための有用な領域について動作制御をさせることができる。
そして、本発明は、前記一部の領域から外れた前記スライドの移動経路について、前記近似式より次数の低い第2近似式が設定されているという構成を採用する。
このように構成することで、ダイクッション装置の動作を制御するための有用な領域から外れた領域のダイクッション装置の動作の制御を容易にさせることができる。
そして、本発明は、前記近似式は、前記スライドの移動経路を複数に分割した各移動経路毎にそれぞれ求められているという構成を採用する。
このような制御方法を採用することで、分割した移動経路ごとの近似式に基づいて、分割した領域に応じたダイクッション装置の動作を制御させることで、高精度にワークを成型することができる。
さらに、本発明は、前記運回転部材の回転動を前記スライドの直線運動に変換する回転駆動機構は、クランク軸を備えるという構成を採用する。
このように構成することで、本発明は、回転運動をプーリとベルトとボールねじから成る装置とによってスライドの直線運動に変換する回転駆動機構等に比較して、部品点数が少なくすむ。
本発明では、ダイクッション装置の動作を回転部材の回転量と近似式とに基づいて、スライドの移動量及び移動速度の少なくとも一方を算出することにより、それらの算出結果に基づいて、有用に制御することができる効果がある。
また、本発明では、回転部材の回転量と近似式とに基づいて、スライドの移動量及び移動速度を算出することができるため、既設のプレス機械への、新たに、位置検出器、速度検出器を設置するコストを削減することができる。
さらに、本発明では、記憶装置に求めた近似式を記憶しておけばよく、前述した回転角データとスライドの昇降位置等とを対応させた膨大な量の角度位置データを記憶装置に記憶しておく必要がなく、ダイクッション装置を制御するソフトのスリム化を図ることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の図面において同一の部材には同一の参照符号が付されている。
図1に、本発明の実施形態にかかるダイクッション装置10と、このダイクッション装置10を備えたプレス機械1の概略構成を示す。
プレス機械1は、回転駆動機構40と、上金型5を有するスライド4と、ボルスタ7を介して下金型8を支持するベッド6と、ダイクッション装置10とを有している。
回転駆動機構40は、クランク軸(回転部材)2と、コネクティングロッド3と、メーンモータ30と、クランク軸2の回転量を検出可能な回転角検出器31とを有している。
図1に示すプレス機械1において、クランク軸2の偏心部にコネクティングロッド3が連結されている。回転駆動機構40において、メーンモータ30によって回転駆動されるクランク軸2の回転運動が、コネクティングロッド3を介して往復直線運動に変換され、コネクティングロッド3の下端に連結されたスライド4及び上金型5を上下に昇降させる。このとき、クランク軸2の回転角が回転角検出器31で検出され、その検出データが、後述する制御装置18に送信される。回転角検出器31としては、光学式ロータリエンコーダやレゾルバ等が使用可能である。また、スライド4の下部には上金型5が取り付けられており、上金型5の下方には下金型8が設置されている。本実施形態では、スライド4が上下動されると、上金型5と下金型8の間に挿入されたワークWがプレス加工される構成となっている。
プレス機械1には、上金型5との間でワークWの端縁をはさみ、ワークWのしわ押さえ圧力を発生するためのダイクッション装置10が搭載されている。
このダイクッション装置10は、昇降可能に構成されワークWを上面で支持するとともにワークWの加工時に上金型5との間でワークWを挟んで降下するダイクッション11と、ダイクッション11を昇降駆動する昇降駆動機構15と、昇降駆動機構15の駆動を制御する制御装置18と、記憶装置19とを備える。
ダイクッション11は、ワークWが載置されるブランクホルダ12と、ブランクホルダ
12を上端で支持し、ボルスタ7を貫通してベッド6の内部まで延びるクッションピン13と、クッションピン13を下方から支持するクッションパッド14とからなる。したがって、ブランクホルダ12、クッションピン13及びクッションパッド14は一体となって上下動する。なお、通常、ブランクホルダ12は、金型の種類に応じて適宜交換される。
昇降駆動機構15は、ダイクッション11を上下動させるシリンダ16と、シリンダ16を駆動するシリンダ駆動源17とからなる。シリンダ駆動源17から供給される油圧や空気圧などの流体でシリンダ16が駆動され、ダイクッション11がシリンダ16により上下に駆動され、ワークWがプレス加工されるときに、ダイクッション11の最上部(ブランクホルダ12)と上金型5の間にワークWが挟まれることにより、ワークWのしわ押さえが行われる構成となっている。
制御装置18は、スライド4の動作に応じてダイクッション11が適切な位置となるようシリンダ駆動源17を制御する。
記憶装置19は、データを記憶する媒体を有した記憶装置であり、データの記録、保存が可能である。記憶装置19には、予め求められた、クランク軸2の回転量とスライド4の位置及び速度との相関関係を示す近似式が記憶されており、制御装置18との間でデータのやり取りをすることができる。
制御装置18は、回転角検出器31からの検出データと、記憶装置19に記憶されている予め求められた近似式とに基づいて、クランク軸2の回転と連動しているスライド4の位置及び速度と、ダイクッション11の位置及び速度とが所定の関係となるように、シリンダ駆動源17へ制御指令を与える。
プレス機械1の前後には、プレス間のワーク搬送のために、入側ワーク搬送装置20と出側ワーク搬送装置21とが設置されている。
入側ワーク搬送装置20は、把持部22と、アーム23と、把持部22及びアーム23を駆動させる入側駆動機構24とを備えている。入側ワーク搬送装置20は、未加工のワークWを把持部22で把持し、アーム23によって移動させ、ブランクホルダ12上に置く動作を行なうことにより、ワークWをプレス機械1に搬入する。
出側ワーク搬送装置21は、把持部25と、アーム26と、把持部25及びアーム26を駆動させる出側駆動機構27とを備えている。出側ワーク搬送装置21は、加工後のワークWを把持部25で把持して、アーム26によって移動させ、ブランクホルダ12上から取り除く動作を行なうことにより、ワークWをプレス機械1から搬出する。入側ワーク搬送装置20および出側ワーク搬送装置21としては、産業用ロボットや専用のトランスファー装置が使用される。
続いて、上記構成のダイクッション装置10の動作について説明する。
本実施形態のダイクッション装置10におけるダイクッション11の動きは、制御装置18によってワークWを成型する1サイクルの間に、次に示すように制御される。
1サイクルの始めでは、ダイクッション11は上昇しており、入側ワーク搬送装置20が未加工のワークWをダイクッション11最上部のブランクホルダ12上に設置する。制御装置18は、回転角検出器31で検出されたクランク軸2の回転量と、スライド4の位置にかかる近似式とでスライド4の下降位置を算出し、上金型5がワークWに接触する直前にダイクッション11を下方に予備加速させ、上金型5とダイクッション11とがワークWを介して接触することによって発生する衝撃を緩和させる。上金型5がワークWに接触した以降は、スライド4が下降する動きに押されつつダイクッション11も下降する。このとき、制御装置18は、スライド4の下降速度を回転角検出器31で検出されたクランク軸2の回転量と、スライド4の速度にかかる近似式とで算出し、シリンダ駆動源17に供給される油圧等の流量等を制御することによって、上金型5とブランクホルダ12の間で適切なしわ押さえ力を発生させる。スライド4が下死点を通過して上昇に転じた後、ダイクッション11は、上金型5との距離を離しつつ所定の位置まで上昇する。スライド4が上昇し、ダイクッション11との間隔が所定の離間距離に達した後、出側ワーク搬送装置21が加工後のワークWを拾い上げ、その後、空になったブランクホルダ12が始めの位置まで上昇し、1サイクルが終了する。
次に、上述したスライド4の位置及び速度にかかる近似式を求める工程について説明する。
まず、本実施形態のプレス機械1を1サイクル動作させて、クランク軸2の回転量と、スライド4の位置及びスライド4の速度との対応関係を実測する。クランク軸2の回転量は、回転角検出器31により検出し、スライド4の位置及び速度は、位置検出器、速度検出器により検出し、記録する。ここで、位置検出器、速度検出器は、プレス機械1に既設の位置検出器、速度検出器があればそれを用いてもよい、しかし、それら検出器がない場合は、別途それに準じる検出手段(例えば、位置計測センサ、速度計測センサ等)を用いることにより検出する。ここで、近似式を算出するに当たり、実測データはある程度多いほうが好ましい。
そして、近似式は、最小二乗法により、上記実測データとモデル関数とから得られる理論値の差の二乗和が最小となるようなモデルのパラメータが決定され、算出される。
ここで、上記近似式は、プレス機械1の作業工程1サイクルのすべての領域について、最小二乗法により算出すると、求められた近似式の次数が高次となり(例えば五次式、六次式等)、モデル関数のパラメータが多く必要となることから導出が困難となる。また、ダイクッション装置10において動作制御の精度が求められる領域は、ワークWを加工する領域である。
そこで、本実施形態では、近似式をスライド4の移動経路の一部である、ダイクッション装置10の動作を制御するための有用な領域(ワークWをプレス加工し成型する領域、以下、成型領域と呼ぶ)について求めることとする。本実施形態では、成型領域に着目し、近似する領域を限定することで、全領域について一つの式で近似式を求める必要はなく、また、近似する領域の範囲を狭めることで、最小二乗法で求められる近似式の次数を小さく抑えることができる。結果、成型領域に着目した精度の良いダイクッション装置10の動作の制御が可能になり、近似式の次数を抑えることにより、最小二乗法により近似式を有効に求めることができる。
さらに、ダイクッション装置10の動作は、上記成型領域以外の領域(以下、非成型領域と呼ぶ)において、ワークWの非加工時であるため、緻密な制御は要求されない。よって、非成型領域の近似式は、成型領域の近似式と比べて次数が少なくても、ダイクッション装置10の動作の制御には問題はない。したがって、非成型領域に用いる近似式は、簡易的に設定することができ、近似式の設定作業を容易に行うことができる。
次に、本実施形態において、上述した最小二乗法により求められる近似式について、図2に基づいて説明する。
図2は、クランク軸2の回転量(記号θで表す)と、最小二乗法により求められた近似式とに基づいて、算出された計算結果と、実測データとを比較した図である。
図2で示されるグラフ上において、実線は近似式で求められた計算結果を表し、点線は実測データを表す。また、図2で示されるグラフは、成型領域(θ〜θ)を点線で区切ることにより、視認性を向上させている。
図2(a)に示されるグラフは、縦軸がスライド4の位置を示し、横軸がクランク軸2の回転量を示す。縦軸は、スライド4が下死点に達した位置をゼロで表す。
図2(b)に示されるグラフは、縦軸がスライド4の速度を示し、横軸がクランク軸2の回転量を示す。縦軸は、スライド4が下方に移動する速度を負の符号で表し、スライド4が上方に移動する速度を正の符号で表す。
続いて、図2(a)について詳細に説明する。
図2(a)に示す成型領域(θ≦θ<θ)において、近似式は、最小二乗法を用いて以下に示す三次の式(f(θ))として導出されている。
f(θ)=θ(C1+C2*θ) …(M1)
また、非成型領域(θ<θ)において、近似式は、最小二乗法を用いて以下に示す一次の式(f´(θ))として導出されている。
f´(θ)=C3*θ+C4 …(M2)
ここで、各々C1〜C4は、最小二乗法にて求められた定数を表す。
図2(a)より、非成型領域(θ<θ)において、ダイクッション装置10の動作は一次の近似式M2に基づいて制御され、成型領域(θ≦θ<θ)においては、ダイクッション装置10の動作は三次の近似式M1に基づいて制御される。したがって、図2(a)に示すグラフでは、近似式M2は、クランク軸2の回転量が、θ=θとなった時点で、近似式M1と切り換えられる。また、非成型領域(θ≦θ)において、θはスライド4の下死点を示すため、スライド4は下死点を通過後、上昇する運動を行う。このとき、本実施例では、近似式M1によって非成型領域(θ≦θ)が良好に近似されていることから、新たに近似式を導出する必要はなく、近似式M1を用いることとしている。
その結果、成型領域(θ≦θ<θ)において、近似式M1により算出される計算結果は、精度良く位置の実測データに近似されていることが観察される。したがって、成型領域では、高精度でダイクッション装置10の動作を制御でき、非成型領域では、その領域で要求される精度に応じた制御が可能となる。
続いて、図2(b)について説明する。
図2(b)に示す成型領域(θ≦θ<θ)において、近似式は、最小二乗法を用いて以下に示す二次の式(g(θ))として導出されている。
g(θ)=θ(C5+C6*θ) …(M3)
また、非成型領域(θ<θ)において、近似式は、以下に示す零次の式(g´(θ))として導出されている。
g´(θ)=C7 …(M4)
ここで、各々C5〜C7は、最小二乗法にて求められた定数を表す。
図2(b)より、非成型領域(θ<θ)において、ダイクッション装置10の動作は零次の近似式M4に基づいて制御され、成型領域(θ≦θ<θ)においては、ダイクッション装置10の動作は二次の近似式M3に基づいて制御される。したがって、図2(b)に示すグラフでは、近似式M4は、クランク軸2の回転量が、θ=θとなった時点で、近似式M3と切り換えられる。また、非成型領域(θ≦θ)において、本実施例では、近似式M3によって非成型領域(θ≦θ)が良好に近似されていることから、新たに近似式を導出する必要はなく、近似式M3を用いることとしている。
その結果、成型領域(θ≦θ<θ)において、近似式M3により算出される計算結果は、精度良く速度の実測データに近似されていることが観察される。したがって、成型領域では、高精度でダイクッション装置10の動作を制御でき、非成型領域では、その領域で要求される精度に応じた制御が可能となる。
これらのことから、上述の実施形態によれば、プレス機1のクランク軸2の回転量と、成型領域、非成型領域に応じ、適時切り換え可能な近似式とに基づいて、スライド4の移動量及び移動速度の少なくとも一方を算出することにより、それらの算出結果に基づいて、ダイクッション装置10の動作を制御してスライド4の移動と連動させることができる。
すなわち、本実施形態では、ダイクッション装置10の動作をクランク軸2の回転量と近似式とに基づいて、スライド4の移動量及び移動速度の少なくとも一方を算出することにより、それらの算出結果に基づいて、有用に制御することができる効果がある。
また、本実施形態では、クランク軸2の回転量と近似式とに基づいて、スライド4の移動量及び移動速度を算出することができることにより、既設のプレス機械への、新たに、位置検出器、速度検出器を設置するコストを削減することができる。
さらに、本実施形態では、記憶装置19に求めた近似式を記憶しておけばよく、前述した回転角データとスライド4の昇降位置等とを対応させた膨大な量の角度位置データを記憶装置19に記憶しておく必要がなく、ダイクッション装置10を制御するソフトのスリム化を図ることができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、成型領域と非成型領域とについて近似式を導出すると説明した。しかしながら、近似式は全領域について導出してもよい。また、成型領域について、さらに複数に分割し、分割した領域毎に近似式を求めてもよい。それにより、分割した領域ごとの近似式に基づいて、分割した領域に応じたダイクッション装置10の動作を制御することで、より高精度な制御を実現できる。
また、本実施形態においては、スライド4の位置及び速度の両方について近似式を求めると説明した。しかしながら、本発明は、回転部材の回転量とスライドの位置または速度の一方との相関関係を示す近似式を求めれば実現可能である。例えば、回転部材の回転量とスライド4の位置にかかる近似式から、スライド位置を算出し、そのスライド位置を時間微分することによりスライド速度が算出可能となる。また、反対に、算出されたスライド速度の積分を行うことにより、スライド位置が算出可能となる。
また、本実施形態においては、近似式を導出する方法として、最小二乗法を用いると説明した。しかしながら、本発明の近似式は、回転部材の回転量とスライドの位置及び速度の少なくとも一方との相関関係を示す式を導出する方法であればよいため、本発明の近似式を導出する方法としては最小二乗法に限定されない。
また、上記実施形態においては、回転部材は、クランク軸2として説明した。しかしながら、本発明にかかる回転部材は、回転部材の回転移動をスライド4の直線運動に変換するものであればよく、例えば、プーリとベルトとボールねじから成る装置であってもよい。この場合、回転部材はプーリであり、回転量はプーリの回転量を用いることで、本発明を実現できる。
更に、上記実施形態においては、位置検出器、速度検出器が設置されていないものとして説明した。しかしながら、位置検出器、速度検出器がプレス機に設置されていても、本発明は適用可能である。回転部材の回転量と近似式とに基づいた制御(フィードフォワード制御)と、位置検出器、速度検出器から検出される値に基づく制御(フィードバック制御)とをあわせて用いることにより、より高精度にダイクッション装置の動作を制御することができる。
本発明の実施の形態におけるダイクッション装置と、このダイクッション装置を備えたプレス機械の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態における回転部材の回転量と近似式とに基づいて得られた結果と、実測データとを比較した図である。
符号の説明
2…クランク軸(回転部材)、4…スライド、10…ダイクッション装置、18…制御装置、19…記憶装置、31…回転角検出器(検出装置)、40…回転駆動機構、M1,M2,M3,M4…近似式

Claims (6)

  1. 回転部材の回転に応じて移動するスライドに連動して、ダイクッション装置の動作を制御する制御手段であって、
    前記回転部材の回転量と、前記スライドの移動量及び移動速度の少なくとも一方との関係を示す近似式として、前記スライドの移動経路のうち、ワークを成型する成型領域について第1近似式を求めると共に、前記成型領域から外れた非成型領域について前記第1近似式より次数の低い第2近似式を求め、
    検出した前記回転部材の回転量と、前記近似式とに基づいて、前記ダイクッション装置の動作を制御することを特徴とするダイクッション装置の制御方法。
  2. 前記スライドの移動経路を複数に分割し、分割した各移動経路毎に前記近似式をそれぞれ求めることを特徴とする請求項1に記載のダイクッション装置の制御方法。
  3. 前記近似式を最小二乗法で求めることを特徴とする請求項1または2に記載のダイクッション装置の制御方法。
  4. 回転部材の回転に応じて移動するスライドに連動して移動するダイクッション装置であって、
    前記回転部材の回転量と、前記スライドの移動量及び移動速度の少なくとも一方との関係を示す近似式として、前記スライドの移動経路のうち、ワークを成型する成型領域について求めた第1近似式と、前記成型領域から外れた非成型領域について求めた前記第1近似式より次数の低い第2近似式とを記憶する記憶装置と、
    前記回転部材の回転量を検出する検出装置と、
    前記検出装置の検出結果と、記憶された前記近似式とに基づいて、前記ダイクッション装置の移動を制御する制御装置とを有することを特徴とするダイクッション装置。
  5. 前記近似式は、前記スライドの移動経路を複数に分割した各移動経路毎にそれぞれ求められていることを特徴とする請求項4に記載のダイクッション装置。
  6. 前記回転部材の回転運動を前記スライドの直線運動に変換する回転駆動機構は、クランク軸を備えることを特徴とする請求項4または5に記載のダイクッション装置。
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