JP3841711B2 - トランスファ装置の制御装置 - Google Patents

トランスファ装置の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3841711B2
JP3841711B2 JP2002092087A JP2002092087A JP3841711B2 JP 3841711 B2 JP3841711 B2 JP 3841711B2 JP 2002092087 A JP2002092087 A JP 2002092087A JP 2002092087 A JP2002092087 A JP 2002092087A JP 3841711 B2 JP3841711 B2 JP 3841711B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curve
beams
transfer device
moving
servo motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002092087A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003290868A (ja
Inventor
裕次 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurimoto Ltd
Original Assignee
Kurimoto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurimoto Ltd filed Critical Kurimoto Ltd
Priority to JP2002092087A priority Critical patent/JP3841711B2/ja
Publication of JP2003290868A publication Critical patent/JP2003290868A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3841711B2 publication Critical patent/JP3841711B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鍛造プレス装置で成形されるワークを自動搬送するトランスファ装置の三次元動作を制御するトランスファ装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鍛造プレス装置において、複数の金型により複数の成形を進行させるため、複数の金型へ成形素材を順次供給するトランスファ装置を併設する方式が主流となっている。トランスファ装置は、複数の金型に対し水平に並設される2本のビームを昇降(リフト)、開閉(クランプ)、及び所定方向へ移動(フィード)させ、X、Y、Z方向の三次元の運動を与えるように構成されている。2本のビームにはワークを挾持するための複数対のフィンガがそれぞれ対向して設けられている。
【0003】
このトランスファ装置には、2本のビームを昇降させる手段、2本のビームの各対のフィンガを開閉する手段、及び所定方向へ移動させる手段が設けられ、開閉手段及び移動手段はサーボモータの出力軸の回転を軸継手、ボールねじ、ボールねじに係合するスライダなどを介してビームの動きに転換し、昇降手段はサーボモータの出力軸の回転を軸継手、ボールねじ、スライダなどを介して開閉手段、移動手段を載置した共通板を昇降させる動作に転換するよう構成され、ボールねじの回転により速い動作速度で、かつ高精度でワークの移動を可能としている。
【0004】
このようなトランスファ装置を制御する場合、鍛造プレス装置のラムの回転に連動してトランスファ装置の昇降、開閉、移動用の各手段のサーボモータを回転駆動し、各手段のスライダの移動ストロークの設定パターンに対応してスライダを移動させるように制御が行われる。この移動ストロークの設定パターンは、各製品毎に最も生産性の高いサイクルを描くように予め実際の加工をしたデータに基づいて設定される。そして、このような設定パターンを記憶した制御回路から送られる制御信号によりパルス発生器からパルス信号をサーボモータの駆動回路へ送り、サーボモータが駆動される。
【0005】
サーボモータには、一般にその回転状態を検出するためにパルス検出器が設けられ、検出されたパルス信号はフィードバックパルスとして制御回路へ送り返され、入力パルスとフィードバックパルスを比較してサーボモータの回転が設定パターンに対応した状態に近づくように作動状態が調整される。しかし、サーボモータの回転は、一般に溜まりパルスの現象を伴うため、入力パルスによる指令よりわずかに遅れ、設定パターンに一致しない。このため、そのロスタイムを極力減少させる方法が種々提案されている。
【0006】
その一例として、特開平8−197183号(特許第2,833,504号)公報により提案された制御方法が公知である。この公報によるトランスファ装置の制御方法は、予めトランスファ装置を作動させて昇降、開閉、移動の三方向の指令位置と実際の動作位置とのずれを測定しておき、開閉運動でのクランプ曲線と鍛造プレスのストローク曲線上で互に最も接近する位置における動作パターン固有の遅れ時間を制御回路に記憶させ、実際の動作時に入力した初期条件に対応する遅れ時間をそれぞれの動作指令について進角補正する演算を加え、干渉の限界までロスタイムを縮小するようにビームの位置制御をするというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように、サーボモータを駆動する系では動作指令による入力から出力までの間にわずかに生じる遅れのため、ビームの動作位置に時間遅れが生じる。この時間遅れは、周知のように、サーボモータ及びビームを含む機械系、電気系を支配する伝達関数に起因するが、この伝達関数を調整してゲインを大きくし、時間遅れを可能な限り小さくすることによりビームの動作位置を理想曲線上の設定位置に近づけることができる。
【0008】
しかし、サーボゲインを大きくすることはサーボモータが入力に対し過度に応答することであるから、パルス入力に応答する回転が段階的となり、ビームの動作がギクシャクとしたものとなり、滑らかでスムースな動きが失われる。従って、一般にはビームの動作が滑らかでスムースな動きとなるようにゲイン値を適正な値に設定するため、上述した時間遅れが生じることを避けることができないのである。このため時間的なずれや到達点のずれが発生する。
【0009】
そこで、上述した特許公報によるトランスファ装置の制御方法は、鍛造プレスのラム曲線にクランプ曲線が干渉することなく最も接近する位置で、予めクランプの移動の遅れ時間を測定しておき、その遅れ時間に対応する角度分だけ三方向の各動作が早く行われるようにパルス信号の指令に対して進角補正をして送り出す方法を採用している。この場合、進角補正はラム曲線とクランプ曲線が最も接近する位置における固有の時間遅れtを予め測定し、この時間遅れtの一定間隔の時間毎にその遅れ時間分早めにその動作位置となるようなパルス指令信号を与えることにより動作位置の時間遅れを解消するような補正が行われる。
【0010】
しかし、このような進角補正は上記固有の時間遅れtという比較的長い一定の時間間隔毎に、かつ動作速度の変化と無関係に行われるため、ある程度時間遅れを解消し設定される理想曲線に近づけることはできるが、階段状の動作速度とならないようゲインを下げる調整が行われるため、完全に理想曲線に一致させることはできず、依然として到達点のずれを解消することはできない。
【0011】
この発明は、上記の問題に留意して、トランスファ装置を制御する際にサーボゲインを低下させることなくビームの動作位置の階段状の変化を無くし、到達点のずれが生じないように制御し得る制御装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決する手段として、鍛造プレス装置で成形されるワークを、回転力をねじ機構により直線方向の移動力に変換する力変換機構を介してX、Y、Z方向へ三次元的に一対のビームを移動させるビーム移動機構により把持、昇降、又は移動させて自動搬送するトランスファ装置において、力変換機構の直線方向への移動部材の移動変位を検出する変位センサと、プレス装置の動作を表す信号に基づいてトランスファ装置のビーム移動機構を制御する制御部とを備え、制御部はプレス動作の信号に基づいて各移動機構によるビームの移動位置の理論ストローク値を演算し、理想曲線に一定の進角補正値を加えた進角補正指令値による変位センサからの実変位ストロークを表わす補正動作曲線と理想曲線との差の誤差変化曲線を演算して求め、この誤差変化曲線に一定の進角補正を演算して加えた信号をパルス指令信号として出力することによりビームの把持、昇降、又は移動の三方向のサーボモータを制御するようにしたことを特徴とするトランスファ装置の制御装置としたのである。
【0013】
このような構成としたこの発明の制御装置によれば、ビームの動作位置をより理論ストローク位置へ近づけ、正確な位置制御が行われる。ビームの動作位置は、プレス装置の動作を表す信号に基づいて制御装置により演算で求められる。プレス装置からの動作信号に基づいてビームの理論ストローク位置についてまず演算され、理想曲線がそれぞれ設定される。プレス装置のラムの変動に対してトランスファ装置のビームの把持、昇降、移動の動作を最も理想的な位置を通る理論的な曲線を想定して設定するのである。
【0014】
このような理想曲線に対し、ビームの実際の動作位置は、理想曲線と同じ波形の動作指令を出力しても、その指令に従って移動するまでにわずかに遅れが生じる。そこで、この遅れを打消すために次のような段階的な処理を実施する。まず、ビームの各三方向への動作をそれぞれ上記理想曲線のパルス波形データに一定の進角補正量を加えて可能な限り動作曲線が理想曲線に近づくように予備的動作として実行し、変位センサからのデータに基づいて実際の補正動作曲線のデータを得る。
【0015】
次に、補正動作曲線と理想曲線の差の誤差変化曲線を演算により求め、この変化曲線に基づく指令値に一定の進角補正量を加えた信号をパルス指令信号として出力する。上記誤差変化曲線とは、理想曲線に対し遅れを生じる実際の補正動作曲線の遅れを打消すに必要な差だけ補正する曲線である。これは、ビームの動作速度が途中で変化するため、一定の進角量の補正を加えて進角補正しても補正動作曲線は理想曲線に一致せず、その誤差分を補正する必要があるからである。
【0016】
上記誤差変化曲線は、理想曲線に対し補正動作曲線が速度変化の度合いに応じて異なる遅れの変化分だけ理想曲線より指令値のタイミングを早めたものであるから、実際に指令値として出力する際はさらに一定の進角量を加えた信号をパルス指令信号として出力する。上記誤差変化曲線は、n次の多項式で近似し、次数を適宜設定してその多項式の各係数を最小二乗法により定めて得ることができる。
【0017】
【実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1はトランスファ装置の外観斜視図である。図示のトランスファ装置は、図示しないプレス本体の左右に設置される移動機構1、2を備え、両移動機構間に2本のビーム3、3を横架している。2本のビーム3、3には互いに対向する側面に所定の間隔で複数箇所に被加工物を挟むためのフインガが設けられているが、図示簡略化のため省略している。移動機構1、2は、ビーム3、3の昇降、開閉の動作をさせる機構は基本的に左右で同じであるが、ビーム3、3の進退動をさせる機構が異なるため、全体としては左右で異なる。
【0018】
移動機構1には、ビーム3、3の昇降動を駆動する駆動部としてのサーボモータ11aが設けられ、その出力軸にカップリングを介して接続されたボールねじ12aを駆動し、このボールねじに係合するスライダ13aを上下移動台14に取付け、従動部材であるスライダ13aをボールねじ12aの回転により昇降させて上下移動台14を昇降自在に構成している。
【0019】
サーボモータのカップリングは、摩擦締結形の公知の軸継手であり、サーボモータ11aから被駆動部材までの動力伝達経路上に機械的な不都合で抵抗力が生じた場合、その抵抗力が動力伝達機構やサーボモータ11aに損傷を与えないように一定以上の抵抗力を摩擦締結部で逃がすように構成されている。このカップリングは、サーボモータの出力軸とテーパ型金具(図示省略)で連結されている。なお、以下で説明するサーボモータにも同じ形式のカップリングが使用されている。
【0020】
又、ビーム3、3の開閉を駆動する駆動部としてサーボモータ11bが設けられ、その出力軸にカップリングを介して接続されたボールねじ12bを回動し、このボールねじに係合するクランプ用のスライダ13bは、上下移動台14上に設けた支持台15上の案内部材で左右に移動自在に設けられている。ボールねじ12bは、ビーム3の中央を境に互いに逆ねじが刻設され、左右のスライダ13b、13bを同期して互いに逆向きに移動させるように設けられている。
【0021】
さらに、ビーム3、3の進退動を駆動する駆動部としてサーボモータ11cが設けられ、その出力軸にカップリングを介して接続されたボールねじ12cを回動し、このねじに螺合するスライダ13cを支持台15に取付け、従動部材であるスライダ13cをボールねじ12cの回転により進退動させて支持台15を上下移動台14上で進退動させ、これによりビーム3、3を進退動自在としている。なお、このビーム3、3の進退動を駆動するサーボモータ11cは、移動機構1にだけ設けられている。
【0022】
移動機構2には、ビーム3、3の昇降動、開閉動作用のサーボモータ21a、21bが移動機構1と同様に設けられ、これらにボールねじ22a、22b、スライダ23a、クランプ用のスライダ23bが設けられているが、これら部材は、図示のように上下移動台14に対し一体に設けられ、この移動台14の下端の延長部の穴にビーム3、3の端3E 、3E が移動自在に挿通されている。
【0023】
以上の移動機構1、2には、従って5つのサーボモータ11a、11b、11c、21a、21bが独立して設けられ、ビーム3、3を昇降、開閉、進退動の三次元的な立体運動を行うようにトランスファ装置は構成されている。
【0024】
図2にトランスファ装置の各動作部を制御する制御回路の全体概略ブロック図を示す。図中、右側に移動機構1、左側に移動機構2のそれぞれのサーボモータ、スライダ、サーボ駆動部等について示している。上記移動機構1、2を制御する制御回路40としてマイクロコンピュータが用いられ、図示のように、入力手段としてキーボード41、トランスファパターンを特定するためのフレキシブルディスク42の差込装置、動作線図を表示するためのCRT表示器43などが接続されている。
【0025】
制御回路40は、移動機構1、2、ビーム3、3から成るトランスファ装置をプレス動作に追従して所定タイミング、トランスファパターンで動作させるように制御し、かつサーボモータ11、21、スライダ13、23、サーボ駆動部45などの動作をセンサからの信号や電流、電圧値などを測定して監視し、動作の安全性を確保するように設けられている。なお、特に示さない限り上記サーボモータ、スライダ、サーボ駆動部などの符号はa、b、cの記号を省略しそれぞれを代表したものとしている。以下でも同様である。
【0026】
このため、制御回路40は、プレス装置を制御するためのシーケンサ50からプレス動作についてのタイミング信号や動作信号がこの制御回路40へ入力できるように相互に接続され、これらの信号に基づいてパルス回路44へ指令信号を出力し、発生したパルス信号をそれぞれのサーボ駆動部45へ送り、サーボモータ11、21をそれぞれ駆動するように接続されている。この制御回路40における特有の演算処理機能については後で説明する。
【0027】
さらに、前述した各スライダ13、23に対して設けた変位センサ31からの変位信号、及びサーボ駆動部45からのトルクデータT、溜りパルスデータPのそれぞれの信号はA/Dボード47へ送られ、そこでディジタル信号に変換されて制御回路40へ入力される。そして、変位信号、トルクT、溜りパルスPの各信号が正常であるかを判断し、異常と判断される事項が検出されると異常信号をシーケンサ50へ出力してプレス装置、トランスファ装置を停止させるようにそれぞれの接続がされている。49P、49Tはそれぞれプレス装置用、トランスファ装置用のエンコーダである。各サーボモータの回転数、回転位置はパルスジェネレータPG46からのパルス信号を各サーボ駆動部へ入力して検出される。
【0028】
図3の(a)図に移動機構1の部分断面図を示す。この断面図には、代表例として昇降用のサーボモータから下方へ延びるボールねじ12aに係合するスライダ13aが下部のボールねじの軸受台座に接近した状態が示されている。軸受台座上には原点位置を決定するための基準ゲージとしてスペーサ16を準備して挿置し、このスペーサ16にスライダ13aが当接した状態で停止し、スライダ13aが原点位置にある状態を示している。
【0029】
スライダ13aにはブラケット13Bが取付けられ、このブラケット13Bに作用片の磁石32aが取付けられている。又、作用片の磁石に応動する変位センサ31aがボールねじ12aのカップリングの下方に設けられた軸受の取付板の張出部に取付けられ、これら部材によりスライダ13aの移動を検出する検出手段30aが形成されている。
【0030】
図示の変位センサ31aは磁歪式リニア変位センサと称される公知の形式のものであり、変位センサ31aから下方へ延びる直線ロッド33aに沿って磁石32aが非接触で昇降自在に移動する。上記磁歪式リニア変位センサ31aは、直線ロッド33a内に設けた磁歪線(図示せず)に電流パルスを与えて磁歪線軸方向全域に生じる円周方向の磁場に対し、直線ロッド33aに沿って非接触で移動自在に磁石を配置したものである。
【0031】
この磁石32aから磁場が軸方向磁場として与えられ、円周方向磁場との合成によって斜めの磁場が生じ、この部分にのみねじり歪が発生する。このねじりは機械振動の一種であり、磁歪線上を超音速で伝播する。変位センサ31aは、この超音波の伝播時間を計測し、磁石32aの直線ロッド33a上の絶対位置を電気信号として出力するというものである。なお、図3の(b)図にビーム3、3の開閉、進退動について変位センサ31、磁石32、直線ロッド33を設けた配置構成例を示す。開閉動作はb、進退動についてはcの添字を付している。変位センサの信号は昇降用の変位センサ31aと同様に処理される。
【0032】
上記トランスファ装置の制御装置では次のように移動機構1、2を制御しながらサーボモータの同期駆動が行なわれる。制御装置は、プレス装置でワークのプレス加工をする際にそれぞれのワークの加工種類に応じて予定されるプレス動作に対し追従してトランスファ装置を作動させるように制御する。トランスファ装置の移動機構1、2によるビーム3、3の昇降、開閉、進退動に必要なそれぞれのサーボモータによるスライダの変位曲線の計画値のデータは予めフレキシブルディスク42から制御回路40の一時記憶部(RAM)40bに記憶し、固定記憶部(ROM)40cに記憶されている制御プログラムに従って制御が行われる。
【0033】
制御回路40は、サーボモータを駆動するのに必要なパルス信号を送るため、パルス回路44へ信号を送って所定パターン(パルス幅、間隔)のパルス信号を発生させ、それぞれのサーボモータのサーボ駆動部45へそのパルス信号を送り、サーボ駆動部45のそれぞれによりサーボモータを所定の変位、トルク状態に刻々と変動させる。これによりそれぞれのスライダが所定の変位パターンに従って移動し、ビーム3、3が昇降、開閉、進退動される。この時、スライダの変位は変位センサS1 (a、b、c)、S2 (a、b)からの信号Sとして、サーボモータのトルク、パルス量の信号をサーボ駆動部45からの信号T、Pとして(図2中にP、T、Sの信号で示す)A/Dボード47を経由してディジタル信号として制御回路40へ送る。
【0034】
なお、この装置ではビーム3、3の開閉、昇降動作については移動機構1、2は互いに原則として同期するように左右で同一のトランスファパターンの制御信号を送り、これによって基本的な周期駆動が図られるようにしており、特に左右のサーボモータの回転数について同期させる同期機構は設けていない。
【0035】
以上のように構成した実施形態のトランスファ装置は、制御装置により次のように制御される。プレス−トランスファ装置がプレス動作を始めると、まずビーム3、3を前進させてプレス装置の入口に供給されたワークを把持し、ビーム3、3を上昇させて後退した後プレス位置でビーム3、3を下降させ、その位置でビーム3、3を開放してワークを下金型に乗せる。その後、プレスのラムが下降して上金型との間でプレス加工が行われる。
【0036】
プレス加工の後、ラムが上昇して上金型が持ち上げられている間にビーム3、3を再び前進させてワークの供給位置へ戻りビーム3、3を閉じると、次のワークと加工済のワークを一緒にビーム3、3の複数のフインガで把持する。その後、ビーム3、3を上昇させて後退させると、次のワークは第1の加工位置へ、加工済のワークは第2の加工位置へ送られ、その位置でビーム3、3を開放する。この状態でプレスのラムが加工位置へ下降して再びプレス加工が行われる。そして、これを繰り返すことにより複数の加工位置へワークが供給されてプレス加工が複数段において行われる。
【0037】
以上のような制御が行われる際に、この制御装置による特有の制御が次のように行われる。図4の(a)図に3種類の軸(フィード(移動)、リフト(昇降)、クランプ(開閉))のスライダについてクランク角度(=時間t)φに対する変位ストローク曲線(理想曲線)を示す。但し、プレス装置のラムの曲線はラム自身のストローク曲線であり、ラムを駆動するクランクの主軸回転数は一定である。
【0038】
図5の(a)図に制御対象の例としてフィード軸のストローク曲線について立上り動作部分を拡大して示している。Aはクランク角度φに対する変位ストロークの上述した理想曲線(理論ストローク曲線)、Bはこの理想曲線での指令値による実際の動作曲線である。A’は、実際の動作曲線Bをできるだけ理想曲線Aに近づけるため、理想曲線Aに対し一定の進角補正を加えた進角補正指令値であり、これにより実際の動作曲線は補正動作曲線B’となる。
【0039】
しかし、上記進角補正指令値A’で指令パルス信号を出力しても、課題の欄で説明したように、補正動作曲線B’への修正はできるが、これにより理想曲線Aに一致させることはできず、依然として到達点のずれを解消することはできない。このため、さらに上記理想曲線Aと補正動作曲線B’との差を解消するため、次のような処理を行なう。即ち、理想曲線Aと補正動作曲線B’との差の変化を関数として次のような処理に基づいて理想曲線Aに近づく誤差変化曲線Cを求める。
【0040】
この修正処理は、理想曲線A−補正動作曲線B’=aY3 +bY2 +cY+dの三次多項式で近似し、最小二乗法により各動作点での差が各動作点の全体として最小値となるように三次多項式を定め、この設定された三次多項式に対して理想曲線Aに対応するクランク角φの値に基づく誤差変化曲線Cを求めることにより行なう。上記最小二乗法による処理は次のように実行する。
【0041】
今、クランク角φ(=t)の時刻t1 、t2 ……tn に対応して実測値Y1 、Y2 、Y3 ……Yn 、理想値y1 、y2 、y3 ……yn のデータが得られたものとする。この理想値yn と実測値Yn の差の変化曲線をG(Y)=aY3 +bY2 +cY+dとして、
【0042】
【数1】
Figure 0003841711
【0043】
a、b、c、dの各係数の値がA、B、C、Dとして求められると、改めてそのG(Y)=AY3 +BY2 +CY+Dに対して理想値y1 〜yn を代入することによりG(y1 )、G(y2 )、G(y3 )……G(yn )が得られ、これらの値を修正指令値の誤差変化曲線Cとする。さらに、上記G(y1 )〜G(yn )に対して一定の進角補正値(t0 )をそれぞれ加えて理想指令値A”を求める。この進角補正は、理由曲線Aに出来るだけ近づけるために最初に加えた進角補正と同じであり、実際の動作曲線B’を得るため理想曲線Aに対し動作時間のずれが生じる(図示の装置では移動速度1m/secとすると時間ずれは40ms程度)のに対しこれを解消するのに有効な進角補正値(t0 )である。
【0044】
なお、上記演算処理は、制御回路40の記憶部に各サーボモータの制御のためのプログラムと並設され、必要な演算処理が行なわれた後その演算結果に従って各サーボモータの制御が行なわれる。但し、サーボモータの制御のためのプログラムと並設せずに、別途上記演算処理のためのプログラムを有するパーソナルコンピュータを外部に設け、その専用プログラムで上記演算処理を行ない、その演算結果を制御回路40へ送り、各サーボモータの制御を行なうようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、この発明のトランスファ装置の制御装置は、トランスファ装置の移動機構によるビームの三方向への移動位置についてそれぞれ理論ストローク値を演算し、理想曲線の指令値では必ず生じる遅れを一定の進角量を加えた指令値による補正動作曲線とその理想曲線との差による誤差関数を求め、この誤差関数を理想曲線に加えた誤差変化曲線に上記一定の進角補正をした信号をパルス指令信号として出力してサーボモータの制御を行なうとしたから、ビーム動作をゲイン調整することなく階段状でない滑らかな状態の動作曲線を理想曲線に限りなく近づけることが可能となり、従ってさらに安全な動作を確保でき、高効率な制御動作が可能になるという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のトランスファ装置の外観斜視図
【図2】同上の制御装置の全体概略ブロック図
【図3】変位センサの概略図
【図4】変位量の理想曲線の図
【図5】指令値の補正処理の説明図
【符号の説明】
1、2 移動機構
3 ビーム
11a〜11c サーボモータ
12a〜12c ボールねじ
13a〜13c スライダ
14 上下移動台
15 支持台
21a、21b サーボモータ
22a、22b ボールねじ
23a、23b スライダ
31a、31b、31c 変位センサ
40 制御回路
41 キーボード
42 フレキシブルディスク
43 表示器
44 パルス回路
45 サーボ駆動部
47 A/Dボード

Claims (2)

  1. 鍛造プレス装置で成形されるワークを、サーボモータの回転力をねじ機構により直線方向の移動力に変換する力変換機構を介してX、Y、Z方向へ三次元的に一対のビーム3、3を移動させるビーム移動機構1、2により把持、昇降、又は移動させて自動搬送するトランスファ装置において、力変換機構の直線方向への移動部材の移動変位を検出する変位センサ31と、プレス装置の動作を表す信号に基づいてトランスファ装置のビーム移動機構1、2を制御する制御部とを備え、制御部はプレス動作の信号に基づいて各移動機構1、2によるビーム3、3の変位位置の理想曲線を演算し、理想曲線に一定の進角補正値を加えた進角補正指令値A’による変位センサ31からの実変位ストロークを表わす補正動作曲線B’と理想曲線との差の誤差関数G(Y)を演算して求め、この誤差関数G(Y)を理想曲線Aに加えた誤差変化曲線Cに上記一定の進角補正を演算して加えた信号をパルス指令信号として出力することによりビーム3、3の把持、昇降、又は移動の三方向のサーボモータを制御するようにしたことを特徴とするトランスファ装置の制御装置。
  2. 前記一対のビーム3、3に対しその両端に一対のビーム移動機構1、2を設け、この一対のビーム移動機構1、2のそれぞれに同一パターンのパルス指令信号を送ることにより同期駆動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のトランスファ装置の制御装置。
JP2002092087A 2002-03-28 2002-03-28 トランスファ装置の制御装置 Expired - Lifetime JP3841711B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002092087A JP3841711B2 (ja) 2002-03-28 2002-03-28 トランスファ装置の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002092087A JP3841711B2 (ja) 2002-03-28 2002-03-28 トランスファ装置の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003290868A JP2003290868A (ja) 2003-10-14
JP3841711B2 true JP3841711B2 (ja) 2006-11-01

Family

ID=29237010

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002092087A Expired - Lifetime JP3841711B2 (ja) 2002-03-28 2002-03-28 トランスファ装置の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3841711B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007009747B4 (de) 2007-02-28 2009-01-29 Siemens Ag Transfersystem
JP5407129B2 (ja) * 2007-09-11 2014-02-05 株式会社Ihi ダイクッション装置の制御方法及びダイクッション装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003290868A (ja) 2003-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1584445B1 (en) Mold clamping force adjustment method of toggle type injection molding machine
MXPA05005291A (es) Simulador de prensa de rodillo anular.
WO1996033824A1 (fr) Machine a cintrer
JP5002229B2 (ja) 型締め装置
JPH0739939A (ja) 曲げ加工方法およびその装置
CN113967816A (zh) 一种用于焊接夹具的自适应热变形补偿系统
JP3841711B2 (ja) トランスファ装置の制御装置
JP3989094B2 (ja) 電動式ベンダの制御方法および制御装置
JP3765760B2 (ja) トランスファ装置の制御装置
JP3385039B2 (ja) ベンダーにおける板厚測定方法及び測定装置
JPS61283518A (ja) 射出成形機の型締力補正装置
JPH05138399A (ja) 粉末成形プレスにおける加圧位置の補正方法
JP3692261B2 (ja) サーボプレスの荷重による下死点補正装置
JPH07118984B2 (ja) トグル式型締装置の自動型締力補正方法
JP7172801B2 (ja) 材料試験機、及び、材料試験機の制御方法
WO2016181504A1 (ja) 数値制御装置
JP3789337B2 (ja) トランスファ装置の制御・監視装置
WO2020121563A1 (ja) 材料試験機、及び材料試験機の制御方法
JPH02243248A (ja) 工作機械における移動部位置補正装置
JP3828750B2 (ja) 型締装置、型締力測定方法および型締力調整方法
JP2000280100A (ja) サーボプレス機械の下死点補正装置
JP4417894B2 (ja) トランスファフィーダ装置の制御装置
JP3108216B2 (ja) ベンダー
JP3558289B1 (ja) 2重検出システム及びそれを備えた塗布装置
JPH072334B2 (ja) トグル式型締装置の自動型締力設定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060614

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3841711

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130818

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term