JP3765760B2 - トランスファ装置の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鍛造プレス装置で成形されるワークを自動搬送するトランスファ装置の三次元動作を制御するトランスファ装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鍛造プレス装置において、複数の金型により複数の成形を進行させるため、複数の金型へ成形素材を順次供給するトランスファ装置を併設する方式が主流となっている。トランスファ装置は、複数の金型に対し水平に並設される2本のビームを昇降(リフト)、開閉(クランプ)、及び所定方向へ移動(フィード)させ、X、Y、Z方向の三次元の運動を与えるように構成されている。2本のビームにはワークを挾持するための複数対のフィンガがそれぞれ対向して設けられている。
【0003】
このトランスファ装置には、2本のビームを昇降させる手段、2本のビームの各対のフィンガを開閉する手段、及び所定方向へ移動させる手段が設けられ、開閉手段及び移動手段はサーボモータの出力軸の回転を軸継手、ボールねじ、ボールねじに係合するスライダなどを介してビームの動きに転換し、昇降手段はサーボモータの出力軸の回転を軸継手、ボールねじ、スライダなどを介して開閉手段、移動手段を載置した共通板を昇降させる動作に転換するよう構成され、ボールねじの回転により速い動作速度で、かつ高精度でワークの移動を可能としている。
【0004】
このようなトランスファ装置を制御する場合、鍛造プレス装置のラムの回転に連動してトランスファ装置の昇降、開閉、移動用の各手段のサーボモータを回転駆動し、各手段のスライダの移動ストロークの設定パターンに対応してスライダを移動させるように制御が行われる。この移動ストロークの設定パターンは、各製品毎に最も生産性の高いサイクルを描くように予め実際の加工をしたデータに基づいて設定される。そして、このような設定パターンを記憶した制御回路から送られる制御信号によりパルス発生器からパルス信号をサーボモータの駆動回路へ送り、サーボモータが駆動される。
【0005】
サーボモータには、一般にその回転状態を検出するためにパルス検出器が設けられ、検出されたパルス信号はフィードバックパルスとして制御回路へ送り返され、入力パルスとフィードバックパルスを比較してサーボモータの回転が設定パターンに対応した状態に近づくように作動状態が調整される。しかし、サーボモータの回転は、一般に溜まりパルスの現象を伴うため、入力パルスによる指令よりわずかに遅れ、設定パターンに一致しない。このため、そのロスタイムを極力減少させる方法が種々提案されている。
【0006】
その一例として、特開平8−197183号(特許第2,833,504号)公報により提案された制御方法が公知である。この公報によるトランスファ装置の制御方法は、予めトランスファ装置を作動させて昇降、開閉、移動の三方向の指令位置と実際の動作位置とのずれを測定しておき、開閉運動でのクランプ曲線と鍛造プレスのストローク曲線上で互に最も接近する位置における動作パターン固有の遅れ時間を制御回路に記憶させ、実際の動作時に入力した初期条件に対応する遅れ時間をそれぞれの動作指令について進角補正する演算を加え、干渉の限界までロスタイムを縮小するようにビームの位置制御をするというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように、サーボモータを駆動する系では動作指令による入力から出力までの間にわずかに生じる遅れのため、ビームの動作位置に時間遅れが生じる。この時間遅れは、周知のように、サーボモータ及びビームを含む機械系、電気系を支配する伝達関数に起因するが、この伝達関数を調整してゲインを大きくし、時間遅れを可能な限り小さくすることによりビームの動作位置を理想曲線上の設定位置に近づけることができる。
【0008】
しかし、サーボゲインを大きくすることはサーボモータが入力に対し過度に応答することであるから、パルス入力に応答する回転が段階的となり、ビームの動作がギクシャクとしたものとなり、滑らかでスムースな動きが失われる。従って、一般にはビームの動作が滑らかでスムースな動きとなるようにゲイン値を適正な値に設定するため、上述した時間遅れが生じることを避けることができないのである。このため時間的なずれや到達点のずれが発生する。
【0009】
そこで、上述した特許公報によるトランスファ装置の制御方法は、鍛造プレスのラム曲線にクランプ曲線が干渉することなく最も接近する位置で、予めクランプの移動の遅れ時間を測定しておき、その遅れ時間に対応する角度分だけ三方向の各動作が早く行われるようにパルス信号の指令に対して進角補正をして送り出す方法を採用している。この場合、進角補正はラム曲線とクランプ曲線が最も接近する位置における固有の時間遅れtを予め測定し、この時間遅れtの一定間隔の時間毎にその遅れ時間分早めにその動作位置となるようなパルス指令信号を与えることにより動作位置の時間遅れを解消するような補正が行われる。しかし、このような進角補正は上記固有の時間遅れtという比較的長い一定の時間間隔毎に、かつ動作速度の変化と無関係に行われるため、ある程度時間遅れを解消し設定される理想曲線に近づけることはできるが、階段状の動作速度とならないようゲインを下げる調整が行われるため、完全に理想曲線に一致させることはできず、依然として到達点のずれを解消することはできない。
【0010】
この発明は、上記の問題に留意して、トランスファ装置を制御する際にサーボゲインを低下させることなくビームの動作位置の階段状の変化を無くし、到達点のずれが生じないように制御し得る制御装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決する手段として、鍛造プレス装置で成形されるワークを、回転力をねじ機構により直線方向の移動力に変換する力変換機構を介してX、Y、Z方向へ三次元的に一対のビームを移動させるビーム移動機構により把持、昇降、又は移動させて自動搬送するトランスファ装置において、力変換機構の直線方向への移動部材の移動変位を検出する変位センサと、プレス装置の動作を表す信号に基づいてトランスファ装置のビーム移動機構を制御する制御部とを備え、制御部はプレス動作の信号に基づいて各移動機構によるビームの移動位置の理論ストローク値を演算し、変位センサからの実ストローク値から算出されるビームの把持、昇降、又は移動の三方向の変位速度の大きさに応じてそれぞれパルス指令信号のパルス周波数を分割し、各パルス指令タイミングにおける遅れ時間だけ進んだ進角補正を演算して加えた信号をパルス指令信号として出力することによりサーボモータを制御するようにしたことを特徴とするトランスファ装置の制御装置としたのである。
【0012】
このような構成としたこの発明の制御装置によれば、ビームの動作位置をより理論ストローク位置へ近づけ、正確な位置制御が行われる。ビームの動作位置は、プレス装置の動作を表す信号に基づいて制御装置により演算で求められる。プレス装置からの動作信号に基づいてビームの理論ストローク位置についてまず演算され、理想曲線がそれぞれ設定される。プレス装置のラムの変動に対してトランスファ装置のビームの把持、昇降、移動の動作を最も理想的な位置を通る理論的な曲線を想定して設定するのである。
【0013】
このような理想曲線に対し、ビームの実際の動作位置は、動作指令を出力してもその指令に従って移動するまでにわずかに遅れが生じる。そこで、この遅れを打消すために進角補正をし、動作指令をビームの動作信号に対し早める処理をする。このとき、実ストロークの値からビームの変位速度を求め、この変位速度の大きさに応じたパルス周波数に分割したパルス指令のタイミングで進角補正をする。即ち、変位速度が0に近い小さい値では基準となるパルス幅の大きい周波数で、変位速度が大きくなるに従って基準周波数を任意の幅に分割又は細分割した可変周波数のパルス周波数タイミング毎に進角補正をする。
【0014】
進角補正は、この進角補正をしない場合にパルス指令に対しビーム変位動作が遅れる時間を、そのパルス指令を1つ前のパルス指令タイミングに早めて出すことによって解消しようとするものであり、パルス数が増大した値をタイミングを繰上げて指令することにより動作遅れが生じても、その遅れた動作がビーム変位の理想曲線に一致するように設定せんとするものである。しかし、このような進角補正を変位速度の変化と無関係に基準の一定周波数で行っても、変位速度の大きい領域と小さい領域では与える影響が異なるため理想曲線に一致させることができない。
【0015】
そこで、上記のように基準周波数を分割して変位速度の大きさに応じて分割の割合を小さくした可変周波数のパルス周波数のタイミング毎にその分割割合に応じた遅れ時間に相当する進角補正をすることにより理想曲線に限りなく近づけるようにすることができる。この場合、変位速度の大きさに応じて分割された周波数のパルス指令ではその遅れ時間も小さくなり、従ってゲイン調整をすることなく理想曲線に動作曲線を近づけることができる。
【0016】
【実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1はトランスファ装置の外観斜視図である。図示のトランスファ装置は、図示しないプレス本体の左右に設置される移動機構1、2を備え、両移動機構間に2本のビーム3、3を横架している。2本のビーム3、3には互いに対向する側面に所定の間隔で複数箇所に被加工物を挟むためのフインガが設けられているが、図示簡略化のため省略している。移動機構1、2は、ビーム3、3の昇降、開閉の動作をさせる機構は基本的に左右で同じであるが、ビーム3、3の進退動をさせる機構が異なるため、全体としては左右で異なる。
【0017】
移動機構1には、ビーム3、3の昇降動を駆動する駆動部としてのサーボモータ11aが設けられ、その出力軸にカップリングを介して接続されたボールねじ12aを駆動し、このボールねじに係合するスライダ13aを上下移動台14に取付け、従動部材であるスライダ13aをボールねじ12aの回転により昇降させて上下移動台14を昇降自在に構成している。
【0018】
サーボモータのカップリングは、摩擦締結形の公知の軸継手であり、サーボモータ11aから被駆動部材までの動力伝達経路上に機械的な不都合で抵抗力が生じた場合、その抵抗力が動力伝達機構やサーボモータ11aに損傷を与えないように一定以上の抵抗力を摩擦締結部で逃がすように構成されている。このカップリングは、サーボモータの出力軸とテーパ型金具(図示省略)で連結されている。なお、以下で説明するサーボモータにも同じ形式のカップリングが使用されている。
【0019】
又、ビーム3、3の開閉を駆動する駆動部としてサーボモータ11bが設けられ、その出力軸にカップリングを介して接続されたボールねじ12bを回動し、このボールねじに係合するクランプ用のスライダ13bは、上下移動台14上に設けた支持台15上の案内部材で左右に移動自在に設けられている。ボールねじ12bは、ビーム3の中央を境に互いに逆ねじが刻設され、左右のスライダ13b、13bを同期して互いに逆向きに移動させるように設けられている。
【0020】
さらに、ビーム3、3の進退動を駆動する駆動部としてサーボモータ11cが設けられ、その出力軸にカップリングを介して接続されたボールねじ12cを回動し、このねじに螺合するスライダ13cを支持台15に取付け、従動部材であるスライダ13cをボールねじ12cの回転により進退動させて支持台15を上下移動台14上で進退動させ、これによりビーム3、3を進退動自在としている。なお、このビーム3、3の進退動を駆動するサーボモータ11cは、移動機構1にだけ設けられている。
【0021】
移動機構2には、ビーム3、3の昇降動、開閉動作用のサーボモータ21a、21bが移動機構1と同様に設けられ、これらにボールねじ22a、22b、スライダ23a、クランプ用のスライダ23bが設けられているが、これら部材は、図示のように上下移動台14に対し一体に設けられ、この移動台14の下端の延長部の穴にビーム3、3の端3E 、3E が移動自在に挿通されている。
【0022】
以上の移動機構1、2には、従って5つのサーボモータ11a、11b、11c、21a、21bが独立して設けられ、ビーム3、3を昇降、開閉、進退動の三次元的な立体運動を行うようにトランスファ装置は構成されている。
【0023】
図2にトランスファ装置の各動作部を制御する制御回路の全体概略ブロック図を示す。図中、右側に移動機構1、左側に移動機構2のそれぞれのサーボモータ、スライダ、サーボ駆動部等について示している。上記移動機構1、2を制御する制御回路40としてマイクロコンピュータが用いられ、図示のように、入力手段としてキーボード41、トランスファパターンを特定するためのフレキシブルディスク42の差込装置、動作線図を表示するためのCRT表示器43などが接続されている。
【0024】
制御回路40は、移動機構1、2、ビーム3、3から成るトランスファ装置をプレス動作に追従して所定タイミング、トランスファパターンで動作させるように制御し、かつサーボモータ11、21、スライダ13、23、サーボ駆動部45などの動作をセンサからの信号や電流、電圧値などを測定して監視し、動作の安全性を確保するように設けられている。なお、特に示さない限り上記サーボモータ、スライダ、サーボ駆動部などの符号はa、b、cの記号を省略しそれぞれを代表したものとしている。以下でも同様である。
【0025】
このため、制御回路40は、プレス装置を制御するためのシーケンサ50からプレス動作についてのタイミング信号や動作信号がこの制御回路40へ入力できるように相互に接続され、これらの信号に基づいてパルス回路44へ指令信号を出力し、発生したパルス信号をそれぞれのサーボ駆動部45へ送り、サーボモータ11、21をそれぞれ駆動するように接続されている。この制御回路40における特有の演算処理機能については後で説明する。
【0026】
さらに、前述した各スライダ13、23に対して設けた変位センサ31からの変位信号、及びサーボ駆動部45からのトルクデータT、溜りパルスデータPのそれぞれの信号はA/Dボード47へ送られ、そこでディジタル信号に変換されて制御回路40へ入力される。そして、変位信号、トルクT、溜りパルスPの各信号が正常であるかを判断し、異常と判断される事項が検出されると異常信号をシーケンサ50へ出力してプレス装置、トランスファ装置を停止させるようにそれぞれの接続がされている。49P、49Tはそれぞれプレス装置用、トランスファ装置用のエンコーダである。各サーボモータの回転数、回転位置はパルスジェネレータPG46からのパルス信号を各サーボ駆動部へ入力して検出される。
【0027】
図3の(a)図に移動機構1の部分断面図を示す。この断面図には、代表例として昇降用のサーボモータから下方へ延びるボールねじ12aに係合するスライダ13aが下部のボールねじの軸受台座に接近した状態が示されている。軸受台座上には原点位置を決定するための基準ゲージとしてスペーサ16を準備して挿置し、このスペーサ16にスライダ13aが当接した状態で停止し、スライダ13aが原点位置にある状態を示している。
【0028】
スライダ13aにはブラケット13Bが取付けられ、このブラケット13Bに作用片の磁石32aが取付けられている。又、作用片の磁石に応動する変位センサ31aがボールねじ12aのカップリングの下方に設けられた軸受の取付板の張出部に取付けられ、これら部材によりスライダ13aの移動を検出する検出手段30aが形成されている。
【0029】
図示の変位センサ31aは磁歪式リニア変位センサと称される公知の形式のものであり、変位センサ31aから下方へ延びる直線ロッド33aに沿って磁石32aが非接触で昇降自在に移動する。上記磁歪式リニア変位センサ31aは、直線ロッド33a内に設けた磁歪線(図示せず)に電流パルスを与えて磁歪線軸方向全域に生じる円周方向の磁場に対し、直線ロッド33aに沿って非接触で移動自在に磁石を配置したものである。
【0030】
この磁石32aから磁場が軸方向磁場として与えられ、円周方向磁場との合成によって斜めの磁場が生じ、この部分にのみねじり歪が発生する。このねじりは機械振動の一種であり、磁歪線上を超音速で伝播する。変位センサ31aは、この超音波の伝播時間を計測し、磁石32aの直線ロッド33a上の絶対位置を電気信号として出力するというものである。なお、図3の(b)図にビーム3、3の開閉、進退動について変位センサ31、磁石32、直線ロッド33を設けた配置構成例を示す。開閉動作はb、進退動についてはcの添字を付している。変位センサの信号は昇降用の変位センサ31aと同様に処理される。
【0031】
上記トランスファ装置には次のように移動機構1、2を制御しながら同期駆動する制御装置が設けられている。制御装置は、プレス装置でワークのプレス加工をする際にそれぞれのワークの加工種類に応じて予定されるプレス動作に対し追従してトランスファ装置を作動させるように制御する。トランスファ装置の移動機構1、2によるビーム3、3の昇降、開閉、進退動に必要なそれぞれのサーボモータによるスライダの変位曲線の計画値のデータは予めフレキシブルディスク42から制御回路40の一時記憶部(RAM)40bに記憶し、固定記憶部(ROM)40cに記憶されている制御プログラムに従って制御が行われる。
【0032】
制御回路40は、サーボモータを駆動するのに必要なパルス信号を送るため、パルス回路44へ信号を送って所定パターン(パルス幅、間隔)のパルス信号を発生させ、それぞれのサーボモータのサーボ駆動部45へそのパルス信号を送り、サーボ駆動部45のそれぞれによりサーボモータを所定の変位、トルク状態に刻々と変動させる。これによりそれぞれのスライダが所定の変位パターンに従って移動し、ビーム3、3が昇降、開閉、進退動される。この時、スライダの変位は変位センサS1 (a、b、c)、S2 (a、b)からの信号Sとして、サーボモータのトルク、パルス量の信号をサーボ駆動部45からの信号T、Pとして(図2中にP、T、Sの信号で示す)A/Dボード47を経由してディジタル信号として制御回路40へ送る。
【0033】
なお、この装置ではビーム3、3の開閉、昇降動作については移動機構1、2は互いに原則として同期するように左右で同一のトランスファパターンの制御信号を送り、これによって基本的な周期駆動が図られるようにしており、特に左右のサーボモータの回転数について同期させる同期機構は設けていない。
【0034】
以上のように構成した実施形態のトランスファ装置は、制御装置により次のように制御される。プレス−トランスファ装置がプレス動作を始めると、まずビーム3、3を前進させてプレス装置の入口に供給されたワークを把持し、ビーム3、3を上昇させて後退した後プレス位置でビーム3、3を下降させ、その位置でビーム3、3を開放してワークを下金型に乗せる。その後、プレスのラムが下降して上金型との間でプレス加工が行われる。
【0035】
プレス加工の後、ラムが上昇して上金型が持ち上げられている間にビーム3、3を再び前進させてワークの供給位置へ戻りビーム3、3を閉じると、次のワークと加工済のワークを一緒にビーム3、3の複数のフインガで把持する。その後、ビーム3、3を上昇させて後退させると、次のワークは第1の加工位置へ、加工済のワークは第2の加工位置へ送られ、その位置でビーム3、3を開放する。この状態でプレスのラムが加工位置へ下降して再びプレス加工が行われる。そして、これを繰り返すことにより複数の加工位置へワークが供給されてプレス加工が複数段において行われる。
【0036】
以上のような制御が行われる際に、この制御装置による特有の制御が次のように行われる。図4の(a)図に3種類の軸(フィード(移動)、リフト(昇降)、クランプ(開閉))のスライダについてクランク角度(=時間t)φに対する変位ストローク曲線(理想曲線)を示す。但し、プレス装置のラムの曲線はラム自身のストローク曲線であり、ラムを駆動するクランクの主軸回転数は一定である。又、(b)図には例としてフィード軸のストローク曲線について示している。Aは理想曲線、Bは動作曲線、Cはパルス指令値の階段状曲線である。
【0037】
理想曲線Aは、予め入力手段41から曲線を描くための動作点(例えば図中の点X1 、X2 、X3 など)についてデータが入力され、そのデータに基づいてクランク角度に対応するストローク位置が設定される。この理想曲線Aは制御回路40内の制御プログラムにより演算処理される。この理想曲線Aに対して、(b)図に示すように、ストローク曲線における変位速度の大きさに応じてパルス指令信号のパルス周波数を基準周波数より細かく分割した指令値(階段状)Cとして各パルス指令タイミング毎に出力する(PWM方式)。その結果動作曲線Bが得られる。
【0038】
この場合、パルス指令信号は各パルス指令タイミングにおける遅れ時間だけ進んだ進角補正を演算して加えた信号として出力され、早めの指令信号により動作曲線Bを理想曲線に近づけるようにする。このとき遅れ時間は基準周波数を変位速度の大きさに応じて分割したのと同じ割合で分割した時間と仮定する。(b)図において、(イ)は基準周波数を数分の1(2〜3分の1)、(ロ)は細かく(5〜10分の1)分割し、(ハ)は基準周波数のパルス幅で指令値が出力されていることを示している。
【0039】
なお、進角補正量をパルス信号で指令する場合、変位量(ストローク)はインクリメンタルのパルス数、移動速度はパルスの周波数で与える。実際の装置ではPWM指令を使用して出力制御サイクル又はクランク角0.5°毎に周波数を制御し、出力パルス数をエンコーダ入力に戻して目標変位量(ストローク)の管理をする。さらに、位置制御は正/逆転の符号と回転角に相当するパルス数(回転角/1パルス当りの分解角)を所望の回転速度相当の周波数で与えることにより行われる。以上のパルス指令制御についてさらに具体的に以下説明する。
【0040】
図4の(a)図に示すように、鍛造プレスの作動に対応したトランスファ装置のビームの作動は干渉を生じない限度で最小の遅れ時間となる位置関係に設定するためには、何らの進角補正をしない状態でサーボゲインを適正に設定した場合、少なくとも(a)図中の動作曲線のように、開閉運動によるクランプ曲線がプレスラムのストローク曲線に最も接近する位置での必要最小限の間隔S以下となるように動作値を設定し、このときの遅れ時間を最小の遅れ時間tとする必要がある。
【0041】
上記のように、一般にはパルス指令値と動作値との間にはサーボゲインの設定による遅れ時間が生じるが、これを上記最小の遅れ時間tとしても、パルス指令値の幅を遅れ時間tの一定間隔とすると、変位速度の増減(変化率)と無関係にこれら遅れ時間tが生じる。従って、例えばX1 点付近での変位速度に重なるように早めの進角補正となるパルス数のパルス指令値を与えたとしても、その後急速に変位速度が増大すると上記のようなパルス幅の大きい一定間隔のパルス指令の周波数ではやはり遅れが生じ、十分ではない。
【0042】
反対に、変位速度が大きいX2 点を中心とする(ロ)の領域で上記パルス幅の大きい一定間隔のパルス周波数の指令で理想曲線に合致するように早めの進角補正を加えたとすると、(イ)又は(ハ)の変位速度の小さい領域では進角補正が過大となり、図5のように立上り点付近又は上死点付近では理想曲線から動作曲線が大きくずれることとなり、やはり理想曲線に合致させることはできない。以上の考察から、動作曲線を理想曲線にできるだけ近づけるためには、変位速度の増、減に対応してパルス指令値のパルス幅を上記遅れ時間t以下の幅に分割し、パルス指令値のパルス周波数を減少又は増大させて変化させるようにすればよいことが分かる。
【0043】
図示の例では、領域(イ)では遅れ時間tの分割を数分の1(2〜3分の1)、(ロ)では細かく(5〜10分の1程度)し、(ハ)では時間tのパルス幅とし、それぞれのパルス幅のタイミングで、進角補正なしでそれより1つ後に出力されるパルス指令値を速く出力するような進角補正を加えたパルス指令値を出力することにより変位速度が種々に変化する理想曲線に限りなく近い動作曲線を描くようなパルス指令を出力することができることを示している。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、この発明のトランスファ装置の制御装置は、トランスファ装置の移動機構によるビームの移動位置について理論ストローク値を演算し、ビーム動作の開始から停止までの間の変位速度の大きさに応じたパルス周波数にパルス指令の周波数を分割、減少させ、それぞれのパルス指令タイミングで進角補正をする演算をして加えた信号をパルス指令信号として出力することにより動作曲線を理想曲線に近づけるようにパルス指令信号を出力するようにしたから、ビーム動作をゲイン調整することなく階段状でない滑らかな状態として動作曲線を理想曲線に限りなく近づけることが可能となり、従ってさらに安全な動作を確保でき、高効率な制御動作が可能になるという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のトランスファ装置の外観斜視図
【図2】同上の制御装置の全体概略ブロック図
【図3】変位センサの概略図
【図4】変位量の理想曲線の図
【図5】従来例の動作曲線の図
【符号の説明】
1、2 移動機構
3 ビーム
11a〜11c サーボモータ
12a〜12c ボールねじ
13a〜13c スライダ
14 上下移動台
15 支持台
21a、21b サーボモータ
22a、22b ボールねじ
23a、23b スライダ
31a、31b、31c 変位センサ
40 制御回路
41 キーボード
42 フレキシブルディスク
43 表示器
44 パルス回路
45 サーボ駆動部
47 A/Dボード

Claims (4)

  1. 鍛造プレス装置で成形されるワークを、サーボモータの回転力をねじ機構により直線方向の移動力に変換する力変換機構を介してX、Y、Z方向へ三次元的に一対のビームを移動させるビーム移動機構により把持、昇降、又は移動させて自動搬送するトランスファ装置において、力変換機構の直線方向への移動部材の移動変位を検出する変位センサと、プレス装置の動作を表す信号に基づいてトランスファ装置のビーム移動機構を制御する制御部とを備え、制御部はプレス動作の信号に基づいて各移動機構によるビームの変位位置の理論ストローク値を演算し、変位センサからの実ストローク値から算出されるビームの把持、昇降、又は移動の三方向の変位速度の大きさに応じてそれぞれパルス指令信号のパルス周波数を分割し、各パルス指令タイミングにおける遅れ時間だけ進んだ進角補正を演算して加えた信号をパルス指令信号として出力することによりサーボモータを制御するようにしたことを特徴とするトランスファ装置の制御装置。
  2. 前記パルス指令信号を、クランプ曲線がプレスラム曲線に最も接近する位置での隙間以下の最小遅れ時間tのパルス幅を基準周波数とし、この基準周波数を任意のパルス幅に分割して変位速度の大きさに応じたパルス幅のパルス周波数の信号としたことを特徴とする請求項1に記載のトランスファ装置の制御装置。
  3. 前記ビームの変位位置をインクリメンタルのパルス数に対応させて位置制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のトランスファ装置の制御装置。
  4. 前記一対のビームに対しその両端に一対のビーム移動機構を設け、この一対のビーム移動機構のそれぞれに同一パターンのパルス指令信号を送ることにより同期駆動するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトランスファ装置の制御装置。
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