JP2003230938A - トランスファ装置の制御装置 - Google Patents

トランスファ装置の制御装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランスファ装置のビーム移動機構によるビ
ームの動作を理想曲線に限りなく近づけてビーム動作の
遅れによる時間的ずれや到達点のずれを減少させ、高精
度で安全に高い生産性を確保する。 【解決手段】 トランスファ装置の制御回路40は、パ
ルス信号をサーボ駆動部45へ送り、スライダ13、2
3を移動させて移動機構1、2によりビーム3、3を開
閉、昇降、移動の動作をするよう制御する。この制御回
路40では、ビームの変位位置の理想曲線を求め、変位
センサからの実ストロークからビームの変位速度の大き
さに応じたパルス周波数にパルス指令信号を分割し、そ
れぞれのパルス指令タイミングで進角補正をして動作曲
線を限りなく理想曲線に近づける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鍛造プレス装置
で成形されるワークを自動搬送するトランスファ装置の
三次元動作を制御するトランスファ装置の制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】鍛造プレス装置において、複数の金型に
より複数の成形を進行させるため、複数の金型へ成形素
材を順次供給するトランスファ装置を併設する方式が主
流となっている。トランスファ装置は、複数の金型に対
し水平に並設される2本のビームを昇降(リフト)、開
閉(クランプ)、及び所定方向へ移動(フィード)さ
せ、X、Y、Z方向の三次元の運動を与えるように構成
されている。2本のビームにはワークを挾持するための
複数対のフィンガがそれぞれ対向して設けられている。
【0003】このトランスファ装置には、2本のビーム
を昇降させる手段、2本のビームの各対のフィンガを開
閉する手段、及び所定方向へ移動させる手段が設けら
れ、開閉手段及び移動手段はサーボモータの出力軸の回
転を軸継手、ボールねじ、ボールねじに係合するスライ
ダなどを介してビームの動きに転換し、昇降手段はサー
ボモータの出力軸の回転を軸継手、ボールねじ、スライ
ダなどを介して開閉手段、移動手段を載置した共通板を
昇降させる動作に転換するよう構成され、ボールねじの
回転により速い動作速度で、かつ高精度でワークの移動
を可能としている。
【0004】このようなトランスファ装置を制御する場
合、鍛造プレス装置のラムの回転に連動してトランスフ
ァ装置の昇降、開閉、移動用の各手段のサーボモータを
回転駆動し、各手段のスライダの移動ストロークの設定
パターンに対応してスライダを移動させるように制御が
行われる。この移動ストロークの設定パターンは、各製
品毎に最も生産性の高いサイクルを描くように予め実際
の加工をしたデータに基づいて設定される。そして、こ
のような設定パターンを記憶した制御回路から送られる
制御信号によりパルス発生器からパルス信号をサーボモ
ータの駆動回路へ送り、サーボモータが駆動される。
【0005】サーボモータには、一般にその回転状態を
検出するためにパルス検出器が設けられ、検出されたパ
ルス信号はフィードバックパルスとして制御回路へ送り
返され、入力パルスとフィードバックパルスを比較して
サーボモータの回転が設定パターンに対応した状態に近
づくように作動状態が調整される。しかし、サーボモー
タの回転は、一般に溜まりパルスの現象を伴うため、入
力パルスによる指令よりわずかに遅れ、設定パターンに
一致しない。このため、そのロスタイムを極力減少させ
る方法が種々提案されている。
【0006】その一例として、特開平8−197183
号(特許第2,833,504号)公報により提案され
た制御方法が公知である。この公報によるトランスファ
装置の制御方法は、予めトランスファ装置を作動させて
昇降、開閉、移動の三方向の指令位置と実際の動作位置
とのずれを測定しておき、開閉運動でのクランプ曲線と
鍛造プレスのストローク曲線上で互に最も接近する位置
における動作パターン固有の遅れ時間を制御回路に記憶
させ、実際の動作時に入力した初期条件に対応する遅れ
時間をそれぞれの動作指令について進角補正する演算を
加え、干渉の限界までロスタイムを縮小するようにビー
ムの位置制御をするというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うに、サーボモータを駆動する系では動作指令による入
力から出力までの間にわずかに生じる遅れのため、ビー
ムの動作位置に時間遅れが生じる。この時間遅れは、周
知のように、サーボモータ及びビームを含む機械系、電
気系を支配する伝達関数に起因するが、この伝達関数を
調整してゲインを大きくし、時間遅れを可能な限り小さ
くすることによりビームの動作位置を理想曲線上の設定
位置に近づけることができる。
【0008】しかし、サーボゲインを大きくすることは
サーボモータが入力に対し過度に応答することであるか
ら、パルス入力に応答する回転が段階的となり、ビーム
の動作がギクシャクとしたものとなり、滑らかでスムー
スな動きが失われる。従って、一般にはビームの動作が
滑らかでスムースな動きとなるようにゲイン値を適正な
値に設定するため、上述した時間遅れが生じることを避
けることができないのである。このため時間的なずれや
到達点のずれが発生する。
【0009】そこで、上述した特許公報によるトランス
ファ装置の制御方法は、鍛造プレスのラム曲線にクラン
プ曲線が干渉することなく最も接近する位置で、予めク
ランプの移動の遅れ時間を測定しておき、その遅れ時間
に対応する角度分だけ三方向の各動作が早く行われるよ
うにパルス信号の指令に対して進角補正をして送り出す
方法を採用している。この場合、進角補正はラム曲線と
クランプ曲線が最も接近する位置における固有の時間遅
れtを予め測定し、この時間遅れtの一定間隔の時間毎
にその遅れ時間分早めにその動作位置となるようなパル
ス指令信号を与えることにより動作位置の時間遅れを解
消するような補正が行われる。しかし、このような進角
補正は上記固有の時間遅れtという比較的長い一定の時
間間隔毎に、かつ動作速度の変化と無関係に行われるた
め、ある程度時間遅れを解消し設定される理想曲線に近
づけることはできるが、階段状の動作速度とならないよ
うゲインを下げる調整が行われるため、完全に理想曲線
に一致させることはできず、依然として到達点のずれを
解消することはできない。
【0010】この発明は、上記の問題に留意して、トラ
ンスファ装置を制御する際にサーボゲインを低下させる
ことなくビームの動作位置の階段状の変化を無くし、到
達点のずれが生じないように制御し得る制御装置を提供
することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決する手段として、鍛造プレス装置で成形されるワ
ークを、回転力をねじ機構により直線方向の移動力に変
換する力変換機構を介してX、Y、Z方向へ三次元的に
一対のビームを移動させるビーム移動機構により把持、
昇降、又は移動させて自動搬送するトランスファ装置に
おいて、力変換機構の直線方向への移動部材の移動変位
を検出する変位センサと、プレス装置の動作を表す信号
に基づいてトランスファ装置のビーム移動機構を制御す
る制御部とを備え、制御部はプレス動作の信号に基づい
て各移動機構によるビームの移動位置の理論ストローク
値を演算し、変位センサからの実ストローク値から算出
されるビームの把持、昇降、又は移動の三方向の変位速
度の大きさに応じてそれぞれパルス指令信号のパルス周
波数を分割し、各パルス指令タイミングにおける遅れ時
間だけ進んだ進角補正を演算して加えた信号をパルス指
令信号として出力することによりサーボモータを制御す
るようにしたことを特徴とするトランスファ装置の制御
装置としたのである。
【0012】このような構成としたこの発明の制御装置
によれば、ビームの動作位置をより理論ストローク位置
へ近づけ、正確な位置制御が行われる。ビームの動作位
置は、プレス装置の動作を表す信号に基づいて制御装置
により演算で求められる。プレス装置からの動作信号に
基づいてビームの理論ストローク位置についてまず演算
され、理想曲線がそれぞれ設定される。プレス装置のラ
ムの変動に対してトランスファ装置のビームの把持、昇
降、移動の動作を最も理想的な位置を通る理論的な曲線
を想定して設定するのである。
【0013】このような理想曲線に対し、ビームの実際
の動作位置は、動作指令を出力してもその指令に従って
移動するまでにわずかに遅れが生じる。そこで、この遅
れを打消すために進角補正をし、動作指令をビームの動
作信号に対し早める処理をする。このとき、実ストロー
クの値からビームの変位速度を求め、この変位速度の大
きさに応じたパルス周波数に分割したパルス指令のタイ
ミングで進角補正をする。即ち、変位速度が0に近い小
さい値では基準となるパルス幅の大きい周波数で、変位
速度が大きくなるに従って基準周波数を任意の幅に分割
又は細分割した可変周波数のパルス周波数タイミング毎
に進角補正をする。
【0014】進角補正は、この進角補正をしない場合に
パルス指令に対しビーム変位動作が遅れる時間を、その
パルス指令を1つ前のパルス指令タイミングに早めて出
すことによって解消しようとするものであり、パルス数
が増大した値をタイミングを繰上げて指令することによ
り動作遅れが生じても、その遅れた動作がビーム変位の
理想曲線に一致するように設定せんとするものである。
しかし、このような進角補正を変位速度の変化と無関係
に基準の一定周波数で行っても、変位速度の大きい領域
と小さい領域では与える影響が異なるため理想曲線に一
致させることができない。
【0015】そこで、上記のように基準周波数を分割し
て変位速度の大きさに応じて分割の割合を小さくした可
変周波数のパルス周波数のタイミング毎にその分割割合
に応じた遅れ時間に相当する進角補正をすることにより
理想曲線に限りなく近づけるようにすることができる。
この場合、変位速度の大きさに応じて分割された周波数
のパルス指令ではその遅れ時間も小さくなり、従ってゲ
イン調整をすることなく理想曲線に動作曲線を近づける
ことができる。
【0016】
【実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図
面を参照して説明する。図1はトランスファ装置の外観
斜視図である。図示のトランスファ装置は、図示しない
プレス本体の左右に設置される移動機構1、2を備え、
両移動機構間に2本のビーム3、3を横架している。2
本のビーム3、3には互いに対向する側面に所定の間隔
で複数箇所に被加工物を挟むためのフインガが設けられ
ているが、図示簡略化のため省略している。移動機構
1、2は、ビーム3、3の昇降、開閉の動作をさせる機
構は基本的に左右で同じであるが、ビーム3、3の進退
動をさせる機構が異なるため、全体としては左右で異な
る。
【0017】移動機構1には、ビーム3、3の昇降動を
駆動する駆動部としてのサーボモータ11aが設けら
れ、その出力軸にカップリングを介して接続されたボー
ルねじ12aを駆動し、このボールねじに係合するスラ
イダ13aを上下移動台14に取付け、従動部材である
スライダ13aをボールねじ12aの回転により昇降さ
せて上下移動台14を昇降自在に構成している。
【0018】サーボモータのカップリングは、摩擦締結
形の公知の軸継手であり、サーボモータ11aから被駆
動部材までの動力伝達経路上に機械的な不都合で抵抗力
が生じた場合、その抵抗力が動力伝達機構やサーボモー
タ11aに損傷を与えないように一定以上の抵抗力を摩
擦締結部で逃がすように構成されている。このカップリ
ングは、サーボモータの出力軸とテーパ型金具(図示省
略)で連結されている。なお、以下で説明するサーボモ
ータにも同じ形式のカップリングが使用されている。
【0019】又、ビーム3、3の開閉を駆動する駆動部
としてサーボモータ11bが設けられ、その出力軸にカ
ップリングを介して接続されたボールねじ12bを回動
し、このボールねじに係合するクランプ用のスライダ1
3bは、上下移動台14上に設けた支持台15上の案内
部材で左右に移動自在に設けられている。ボールねじ1
2bは、ビーム3の中央を境に互いに逆ねじが刻設さ
れ、左右のスライダ13b、13bを同期して互いに逆
向きに移動させるように設けられている。
【0020】さらに、ビーム3、3の進退動を駆動する
駆動部としてサーボモータ11cが設けられ、その出力
軸にカップリングを介して接続されたボールねじ12c
を回動し、このねじに螺合するスライダ13cを支持台
15に取付け、従動部材であるスライダ13cをボール
ねじ12cの回転により進退動させて支持台15を上下
移動台14上で進退動させ、これによりビーム3、3を
進退動自在としている。なお、このビーム3、3の進退
動を駆動するサーボモータ11cは、移動機構1にだけ
設けられている。
【0021】移動機構2には、ビーム3、3の昇降動、
開閉動作用のサーボモータ21a、21bが移動機構1
と同様に設けられ、これらにボールねじ22a、22
b、スライダ23a、クランプ用のスライダ23bが設
けられているが、これら部材は、図示のように上下移動
台14に対し一体に設けられ、この移動台14の下端の
延長部の穴にビーム3、3の端3E 、3E が移動自在に
挿通されている。
【0022】以上の移動機構1、2には、従って5つの
サーボモータ11a、11b、11c、21a、21b
が独立して設けられ、ビーム3、3を昇降、開閉、進退
動の三次元的な立体運動を行うようにトランスファ装置
は構成されている。
【0023】図2にトランスファ装置の各動作部を制御
する制御回路の全体概略ブロック図を示す。図中、右側
に移動機構1、左側に移動機構2のそれぞれのサーボモ
ータ、スライダ、サーボ駆動部等について示している。
上記移動機構1、2を制御する制御回路40としてマイ
クロコンピュータが用いられ、図示のように、入力手段
としてキーボード41、トランスファパターンを特定す
るためのフレキシブルディスク42の差込装置、動作線
図を表示するためのCRT表示器43などが接続されて
いる。
【0024】制御回路40は、移動機構1、2、ビーム
3、3から成るトランスファ装置をプレス動作に追従し
て所定タイミング、トランスファパターンで動作させる
ように制御し、かつサーボモータ11、21、スライダ
13、23、サーボ駆動部45などの動作をセンサから
の信号や電流、電圧値などを測定して監視し、動作の安
全性を確保するように設けられている。なお、特に示さ
ない限り上記サーボモータ、スライダ、サーボ駆動部な
どの符号はa、b、cの記号を省略しそれぞれを代表し
たものとしている。以下でも同様である。
【0025】このため、制御回路40は、プレス装置を
制御するためのシーケンサ50からプレス動作について
のタイミング信号や動作信号がこの制御回路40へ入力
できるように相互に接続され、これらの信号に基づいて
パルス回路44へ指令信号を出力し、発生したパルス信
号をそれぞれのサーボ駆動部45へ送り、サーボモータ
11、21をそれぞれ駆動するように接続されている。
この制御回路40における特有の演算処理機能について
は後で説明する。
【0026】さらに、前述した各スライダ13、23に
対して設けた変位センサ31からの変位信号、及びサー
ボ駆動部45からのトルクデータT、溜りパルスデータ
Pのそれぞれの信号はA/Dボード47へ送られ、そこ
でディジタル信号に変換されて制御回路40へ入力され
る。そして、変位信号、トルクT、溜りパルスPの各信
号が正常であるかを判断し、異常と判断される事項が検
出されると異常信号をシーケンサ50へ出力してプレス
装置、トランスファ装置を停止させるようにそれぞれの
接続がされている。49P、49Tはそれぞれプレス装
置用、トランスファ装置用のエンコーダである。各サー
ボモータの回転数、回転位置はパルスジェネレータPG
46からのパルス信号を各サーボ駆動部へ入力して検出
される。
【0027】図3の(a)図に移動機構1の部分断面図
を示す。この断面図には、代表例として昇降用のサーボ
モータから下方へ延びるボールねじ12aに係合するス
ライダ13aが下部のボールねじの軸受台座に接近した
状態が示されている。軸受台座上には原点位置を決定す
るための基準ゲージとしてスペーサ16を準備して挿置
し、このスペーサ16にスライダ13aが当接した状態
で停止し、スライダ13aが原点位置にある状態を示し
ている。
【0028】スライダ13aにはブラケット13Bが取
付けられ、このブラケット13Bに作用片の磁石32a
が取付けられている。又、作用片の磁石に応動する変位
センサ31aがボールねじ12aのカップリングの下方
に設けられた軸受の取付板の張出部に取付けられ、これ
ら部材によりスライダ13aの移動を検出する検出手段
30aが形成されている。
【0029】図示の変位センサ31aは磁歪式リニア変
位センサと称される公知の形式のものであり、変位セン
サ31aから下方へ延びる直線ロッド33aに沿って磁
石32aが非接触で昇降自在に移動する。上記磁歪式リ
ニア変位センサ31aは、直線ロッド33a内に設けた
磁歪線(図示せず)に電流パルスを与えて磁歪線軸方向
全域に生じる円周方向の磁場に対し、直線ロッド33a
に沿って非接触で移動自在に磁石を配置したものであ
る。
【0030】この磁石32aから磁場が軸方向磁場とし
て与えられ、円周方向磁場との合成によって斜めの磁場
が生じ、この部分にのみねじり歪が発生する。このねじ
りは機械振動の一種であり、磁歪線上を超音速で伝播す
る。変位センサ31aは、この超音波の伝播時間を計測
し、磁石32aの直線ロッド33a上の絶対位置を電気
信号として出力するというものである。なお、図3の
(b)図にビーム3、3の開閉、進退動について変位セ
ンサ31、磁石32、直線ロッド33を設けた配置構成
例を示す。開閉動作はb、進退動についてはcの添字を
付している。変位センサの信号は昇降用の変位センサ3
1aと同様に処理される。
【0031】上記トランスファ装置には次のように移動
機構1、2を制御しながら同期駆動する制御装置が設け
られている。制御装置は、プレス装置でワークのプレス
加工をする際にそれぞれのワークの加工種類に応じて予
定されるプレス動作に対し追従してトランスファ装置を
作動させるように制御する。トランスファ装置の移動機
構1、2によるビーム3、3の昇降、開閉、進退動に必
要なそれぞれのサーボモータによるスライダの変位曲線
の計画値のデータは予めフレキシブルディスク42から
制御回路40の一時記憶部(RAM)40bに記憶し、
固定記憶部(ROM)40cに記憶されている制御プロ
グラムに従って制御が行われる。
【0032】制御回路40は、サーボモータを駆動する
のに必要なパルス信号を送るため、パルス回路44へ信
号を送って所定パターン(パルス幅、間隔)のパルス信
号を発生させ、それぞれのサーボモータのサーボ駆動部
45へそのパルス信号を送り、サーボ駆動部45のそれ
ぞれによりサーボモータを所定の変位、トルク状態に刻
々と変動させる。これによりそれぞれのスライダが所定
の変位パターンに従って移動し、ビーム3、3が昇降、
開閉、進退動される。この時、スライダの変位は変位セ
ンサS1 (a、b、c)、S2 (a、b)からの信号S
として、サーボモータのトルク、パルス量の信号をサー
ボ駆動部45からの信号T、Pとして(図2中にP、
T、Sの信号で示す)A/Dボード47を経由してディ
ジタル信号として制御回路40へ送る。
【0033】なお、この装置ではビーム3、3の開閉、
昇降動作については移動機構1、2は互いに原則として
同期するように左右で同一のトランスファパターンの制
御信号を送り、これによって基本的な周期駆動が図られ
るようにしており、特に左右のサーボモータの回転数に
ついて同期させる同期機構は設けていない。
【0034】以上のように構成した実施形態のトランス
ファ装置は、制御装置により次のように制御される。プ
レス−トランスファ装置がプレス動作を始めると、まず
ビーム3、3を前進させてプレス装置の入口に供給され
たワークを把持し、ビーム3、3を上昇させて後退した
後プレス位置でビーム3、3を下降させ、その位置でビ
ーム3、3を開放してワークを下金型に乗せる。その
後、プレスのラムが下降して上金型との間でプレス加工
が行われる。
【0035】プレス加工の後、ラムが上昇して上金型が
持ち上げられている間にビーム3、3を再び前進させて
ワークの供給位置へ戻りビーム3、3を閉じると、次の
ワークと加工済のワークを一緒にビーム3、3の複数の
フインガで把持する。その後、ビーム3、3を上昇させ
て後退させると、次のワークは第1の加工位置へ、加工
済のワークは第2の加工位置へ送られ、その位置でビー
ム3、3を開放する。この状態でプレスのラムが加工位
置へ下降して再びプレス加工が行われる。そして、これ
を繰り返すことにより複数の加工位置へワークが供給さ
れてプレス加工が複数段において行われる。
【0036】以上のような制御が行われる際に、この制
御装置による特有の制御が次のように行われる。図4の
(a)図に3種類の軸(フィード(移動)、リフト(昇
降)、クランプ(開閉))のスライダについてクランク
角度(=時間t)φに対する変位ストローク曲線(理想
曲線)を示す。但し、プレス装置のラムの曲線はラム自
身のストローク曲線であり、ラムを駆動するクランクの
主軸回転数は一定である。又、(b)図には例としてフ
ィード軸のストローク曲線について示している。Aは理
想曲線、Bは動作曲線、Cはパルス指令値の階段状曲線
である。
【0037】理想曲線Aは、予め入力手段41から曲線
を描くための動作点(例えば図中の点X1 、X2 、X3
など)についてデータが入力され、そのデータに基づい
てクランク角度に対応するストローク位置が設定され
る。この理想曲線Aは制御回路40内の制御プログラム
により演算処理される。この理想曲線Aに対して、
(b)図に示すように、ストローク曲線における変位速
度の大きさに応じてパルス指令信号のパルス周波数を基
準周波数より細かく分割した指令値(階段状)Cとして
各パルス指令タイミング毎に出力する(PWM方式)。
その結果動作曲線Bが得られる。
【0038】この場合、パルス指令信号は各パルス指令
タイミングにおける遅れ時間だけ進んだ進角補正を演算
して加えた信号として出力され、早めの指令信号により
動作曲線Bを理想曲線に近づけるようにする。このとき
遅れ時間は基準周波数を変位速度の大きさに応じて分割
したのと同じ割合で分割した時間と仮定する。(b)図
において、(イ)は基準周波数を数分の1(2〜3分の
1)、(ロ)は細かく(5〜10分の1)分割し、
(ハ)は基準周波数のパルス幅で指令値が出力されてい
ることを示している。
【0039】なお、進角補正量をパルス信号で指令する
場合、変位量(ストローク)はインクリメンタルのパル
ス数、移動速度はパルスの周波数で与える。実際の装置
ではPWM指令を使用して出力制御サイクル又はクラン
ク角0.5°毎に周波数を制御し、出力パルス数をエン
コーダ入力に戻して目標変位量(ストローク)の管理を
する。さらに、位置制御は正/逆転の符号と回転角に相
当するパルス数(回転角/1パルス当りの分解角)を所
望の回転速度相当の周波数で与えることにより行われ
る。以上のパルス指令制御についてさらに具体的に以下
説明する。
【0040】図4の(a)図に示すように、鍛造プレス
の作動に対応したトランスファ装置のビームの作動は干
渉を生じない限度で最小の遅れ時間となる位置関係に設
定するためには、何らの進角補正をしない状態でサーボ
ゲインを適正に設定した場合、少なくとも(a)図中の
動作曲線のように、開閉運動によるクランプ曲線がプレ
スラムのストローク曲線に最も接近する位置での必要最
小限の間隔S以下となるように動作値を設定し、このと
きの遅れ時間を最小の遅れ時間tとする必要がある。
【0041】上記のように、一般にはパルス指令値と動
作値との間にはサーボゲインの設定による遅れ時間が生
じるが、これを上記最小の遅れ時間tとしても、パルス
指令値の幅を遅れ時間tの一定間隔とすると、変位速度
の増減(変化率)と無関係にこれら遅れ時間tが生じ
る。従って、例えばX1 点付近での変位速度に重なるよ
うに早めの進角補正となるパルス数のパルス指令値を与
えたとしても、その後急速に変位速度が増大すると上記
のようなパルス幅の大きい一定間隔のパルス指令の周波
数ではやはり遅れが生じ、十分ではない。
【0042】反対に、変位速度が大きいX2 点を中心と
する(ロ)の領域で上記パルス幅の大きい一定間隔のパ
ルス周波数の指令で理想曲線に合致するように早めの進
角補正を加えたとすると、(イ)又は(ハ)の変位速度
の小さい領域では進角補正が過大となり、図5のように
立上り点付近又は上死点付近では理想曲線から動作曲線
が大きくずれることとなり、やはり理想曲線に合致させ
ることはできない。以上の考察から、動作曲線を理想曲
線にできるだけ近づけるためには、変位速度の増、減に
対応してパルス指令値のパルス幅を上記遅れ時間t以下
の幅に分割し、パルス指令値のパルス周波数を減少又は
増大させて変化させるようにすればよいことが分かる。
【0043】図示の例では、領域(イ)では遅れ時間t
の分割を数分の1(2〜3分の1)、(ロ)では細かく
(5〜10分の1程度)し、(ハ)では時間tのパルス
幅とし、それぞれのパルス幅のタイミングで、進角補正
なしでそれより1つ後に出力されるパルス指令値を速く
出力するような進角補正を加えたパルス指令値を出力す
ることにより変位速度が種々に変化する理想曲線に限り
なく近い動作曲線を描くようなパルス指令を出力するこ
とができることを示している。
【0044】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、この発明
のトランスファ装置の制御装置は、トランスファ装置の
移動機構によるビームの移動位置について理論ストロー
ク値を演算し、ビーム動作の開始から停止までの間の変
位速度の大きさに応じたパルス周波数にパルス指令の周
波数を分割、減少させ、それぞれのパルス指令タイミン
グで進角補正をする演算をして加えた信号をパルス指令
信号として出力することにより動作曲線を理想曲線に近
づけるようにパルス指令信号を出力するようにしたか
ら、ビーム動作をゲイン調整することなく階段状でない
滑らかな状態として動作曲線を理想曲線に限りなく近づ
けることが可能となり、従ってさらに安全な動作を確保
でき、高効率な制御動作が可能になるという顕著な効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のトランスファ装置の外観斜視図
【図2】同上の制御装置の全体概略ブロック図
【図3】変位センサの概略図
【図4】変位量の理想曲線の図
【図5】従来例の動作曲線の図
【符号の説明】
1、2 移動機構 3 ビーム 11a〜11c サーボモータ 12a〜12c ボールねじ 13a〜13c スライダ 14 上下移動台 15 支持台 21a、21b サーボモータ 22a、22b ボールねじ 23a、23b スライダ 31a、31b、31c 変位センサ 40 制御回路 41 キーボード 42 フレキシブルディスク 43 表示器 44 パルス回路 45 サーボ駆動部 47 A/Dボード

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍛造プレス装置で成形されるワークを、
    サーボモータの回転力をねじ機構により直線方向の移動
    力に変換する力変換機構を介してX、Y、Z方向へ三次
    元的に一対のビームを移動させるビーム移動機構により
    把持、昇降、又は移動させて自動搬送するトランスファ
    装置において、力変換機構の直線方向への移動部材の移
    動変位を検出する変位センサと、プレス装置の動作を表
    す信号に基づいてトランスファ装置のビーム移動機構を
    制御する制御部とを備え、制御部はプレス動作の信号に
    基づいて各移動機構によるビームの変位位置の理論スト
    ローク値を演算し、変位センサからの実ストローク値か
    ら算出されるビームの把持、昇降、又は移動の三方向の
    変位速度の大きさに応じてそれぞれパルス指令信号のパ
    ルス周波数を分割し、各パルス指令タイミングにおける
    遅れ時間だけ進んだ進角補正を演算して加えた信号をパ
    ルス指令信号として出力することによりサーボモータを
    制御するようにしたことを特徴とするトランスファ装置
    の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記パルス指令信号を、クランプ曲線が
    プレスラム曲線に最も接近する位置での隙間以下の最小
    遅れ時間tのパルス幅を基準周波数とし、この基準周波
    数を任意のパルス幅に分割して変位速度の大きさに応じ
    たパルス幅のパルス周波数の信号としたことを特徴とす
    る請求項1に記載のトランスファ装置の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ビームの変位位置をインクリメンタ
    ルのパルス数に対応させて位置制御することを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のトランスファ装置の制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記一対のビームに対しその両端に一対
    のビーム移動機構を設け、この一対のビーム移動機構の
    それぞれに同一パターンのパルス指令信号を送ることに
    より同期駆動するようにしたことを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載のトランスファ装置の制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017140622A (ja) * 2016-02-08 2017-08-17 株式会社栗本鐵工所 直列式複動シリンダ及びそれを備えた鍛造プレス
JP2017225976A (ja) * 2016-06-20 2017-12-28 株式会社栗本鐵工所 鍛造プレスのダイハイト測定器およびトランスファビーム位置測定器

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