JP5406670B2 - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ Download PDF

Info

Publication number
JP5406670B2
JP5406670B2 JP2009250175A JP2009250175A JP5406670B2 JP 5406670 B2 JP5406670 B2 JP 5406670B2 JP 2009250175 A JP2009250175 A JP 2009250175A JP 2009250175 A JP2009250175 A JP 2009250175A JP 5406670 B2 JP5406670 B2 JP 5406670B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
alloy
less
content
spark plug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009250175A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011096543A (ja
Inventor
昌幸 瀬川
利之 桜井
渉 松谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2009250175A priority Critical patent/JP5406670B2/ja
Publication of JP2011096543A publication Critical patent/JP2011096543A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5406670B2 publication Critical patent/JP5406670B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Spark Plugs (AREA)

Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグに関する。
スパークプラグは、例えば、内燃機関(エンジン)等に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられる。一般的にスパークプラグは、軸孔を有する絶縁体と、当該軸孔の先端側に挿通される中心電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端部に設けられ、中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備える。
ところで、使用時において高温条件下に置かれる中心電極や接地電極については、優れた耐腐食性を有することが必要である。また近年では、スパークプラグの小型化等の要請があり、中心電極や接地電極がより細径化され得る。そのため、中心電極等を構成する合金としては、耐腐食性及び加工性の双方に優れたものが望ましい。
ここで、中心電極や接地電極を構成する合金としては、ニッケル(Ni)を主成分とし、10質量%〜20質量%のクロム(Cr)、及び、5質量%〜10質量%の鉄(Fe)を含んでなるものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。また、中心電極等を構成する合金として、10質量%〜45質量%のNi等を含むとともに、残部がCrからなるものが提案されている(例えば、特許文献2等参照)。
特開平9−291327号公報 特開平3−111534号公報
ところが、上記特許文献1に記載の技術においては、比較的酸化しやすいFeが5質量%以上と多量に含有されるため、耐腐食性が不十分なものとなってしまうおそれがある。
また、上記特許文献2に記載の技術においては、Crが多量に含有されるため、合金の融点が低下してしまい、耐腐食性の悪化を招いてしまうおそれがある。併せて、Cr含有量を多くしたことで、合金相がNi相及びCr相の二相混合状態となってしまい、その結果、合金硬度の上昇、ひいては加工性の低下を招いてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、耐腐食性及び加工性の双方において優れた中心電極等を備えてなるスパークプラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、軸線方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸孔の先端側に挿設される中心電極とを備えるスパークプラグであって、
前記中心電極の少なくとも一部が、ニッケル(Ni)を主成分とし、クロム(Cr)を15質量%以上33質量%以下、マンガン(Mn)を0.05質量%以上2質量%以下、鉄(Fe)を0.3質量%以下含有するとともに、
0.15質量%以上3質量%以下のジルコニウム(Zr)、0.5質量%以上8質量%以下のタンタル(Ta)、4質量%以上8質量%以下のモリブデン(Mo)、及び、0.5質量%以上10質量%以下のバナジウム(V)のうちの少なくとも一種を含有し、
Zr、Ta、Mo、及び、Vの総含有量が12質量%以下の合金により形成されることを特徴とする。
上記構成1によれば、中心電極を構成する合金は、Crを15質量%以上と比較的多量に含有している。従って、中心電極の表面(特に燃焼室内に露出する面)の比較的広い範囲に亘って十分な厚さを有するCr23の被膜を形成することができる。その結果、中心電極内部への腐食ガス(酸素等)の侵入を効果的に抑制することができる。
加えて、前記合金には、0.15質量%以上のZr、0.5質量%以上のTa、4質量%以上のMo、及び、0.5質量%以上のVのうちの少なくとも一種が含有されている。これら元素(以下、「添加元素」と称することもある)は原子半径が比較的大きいことから、合金の格子構造を歪ませることができ、合金内部においてCrの拡散を促進することができる。そのため、Cr23被膜の形成能力を高めることができ、燃焼室内の冷熱サイクルによる熱応力や内燃機関等の動作に伴う振動などによりCr23被膜が剥離してしまったとしても、Cr23被膜をより確実に、かつ、より迅速に再形成することができる。
さらに、前記合金には、Mnが0.05質量%以上と比較的多量に含有されている。このため、Cr23被膜の柔軟性を高めることができ、ひいてはCr23被膜の剥離を効果的に抑制することができる。また、Zrを含有させた場合には、Zrのくさび効果により、Cr23被膜の密着力をより向上させることができ、Cr23被膜の剥離を一層効果的に抑制することができる。
以上のように、本構成1によれば、腐食ガスの侵入抑制効果に優れるCr23被膜が中心電極表面の広範囲に亘って十分な厚さをもって形成されるとともに、当該Cr23被膜が剥離しにくく、かつ、仮に剥離したとしてもCr23被膜が急速に再形成されることとなる。すなわち、上記構成1によれば、Cr、Mn、及び、ZrやTa等の添加元素が相乗的に作用することによって、中心電極の耐腐食性を飛躍的に向上させることができる。
また、前記合金においては、Cr、Mn、及び、各添加元素の含有量、並びに、添加元素の総含有量の上限が、上記構成1に示す通り規定されている。このため、合金相がNi相及び他の金属相との二相混合状態となってしまうことを防止でき、合金硬度の上昇や合金の脆弱化を抑制することができる。これにより、優れた加工性を実現することができる。
尚、CrやMn等の含有量を上述の範囲内としても、Feを過度に多く含有させてしまうと、耐腐食性の向上効果が不十分なものとなってしまうおそれがある。従って、Feの含有量は少ないほど好ましく、Fe含有量を0.3質量%以下とすることが好ましく、0.2質量%以下とすることがより一層好ましい。
加えて、30質量%を超えるCrを含有した場合には、合金の硬度が若干上昇し、中心電極の加工を行うに際して、合金に焼鈍加工を施す必要が生じ得る。従って、加工性のより一層の向上を図るという観点からは、Crの含有量を30質量%以下とすることがより一層好ましい。また、Zrを含有させる場合には、Zrの含有量を2質量%以下とすることで合金の硬度上昇を抑制することができ、ひいては加工性の更なる向上を図ることができる。
構成2.本構成のスパークプラグは、軸線方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸孔の先端側に挿設される中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部から延び、前記中心電極との間で間隙を形成する接地電極とを備えるスパークプラグであって、
前記接地電極の少なくとも一部が、Niを主成分とし、Crを15質量%以上33質量%以下、Mnを0.05質量%以上2質量%以下、Feを0.3質量%以下含有するとともに、
0.15質量%以上3質量%以下のZr、0.5質量%以上8質量%以下のTa、4質量%以上8質量%以下のMo、及び、0.5質量%以上10質量%以下のVのうちの少なくとも一種を含有し、
Zr、Ta、Mo、及び、Vの総含有量が12質量%以下の合金により形成されることを特徴とする。
上記構成2によれば、接地電極を備えるスパークプラグにおいて、接地電極の少なくとも一部が上述した合金によって形成されている。従って、接地電極における耐腐食性及び加工性の双方を飛躍的に向上させることができる。
尚、上記構成1及び2の技術思想を組合わせることとしてもよい。すなわち、中心電極及び接地電極の双方を上述した合金によって形成することとしてもよい。この場合には、両電極の耐腐食性を飛躍的に向上させることができ、スパークプラグの飛躍的な長寿命化を図ることができる。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2において、前記合金は、アルミニウム(Al)を0.5質量%以上3質量%以下含有するとともに、Zr、Ta、Mo、V、及び、Alの総含有量が12質量%以下とされることを特徴とする。
上記構成3によれば、前記合金には、Alが0.5質量%以上含有されている。ここで、Alは、ZrやTa等の添加元素と比較して酸化しやすい元素である。従って、ZrやTa等よりも率先してAlが酸化していくこととなり、その結果、ZrやTa等の酸化を抑制することができる。このため、ZrやTa等を含有することで発揮されるCrの拡散促進等の効果がより長期間に亘って持続することとなり、ひいては耐腐食性をより一層向上させることができる。
尚、Alの含有量が3質量%を超えてしまったり、ZrやTa等の添加元素とAlとの総含有量が12質量%を超えてしまったりすると、合金硬度が上昇してしまい、加工性の低下を招いてしまうおそれがある。従って、優れた加工性を確保すべく、Alの含有量を3質量%以下とするとともに、添加元素とAlとの総含有量を12質量%以下とすることが好ましい。
構成4.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2において、前記合金は、ケイ素(Si)を0.5質量%以上3質量%以下含有するとともに、Zr、Ta、Mo、V、及び、Siの総含有量が12質量%以下とされることを特徴とする。
上記構成4によれば、0.5質量%以上のSiが含有されているため、SiO2被膜をCr23被膜の直下に生成することができる。その結果、Cr23被膜が剥離したとしてもSiO2被膜により合金内部の腐食を抑制することができ、耐腐食性の更なる向上を図ることができる。
尚、Siの含有量が3質量%を超えてしまったり、ZrやTa等の添加元素とSiとの総含有量が12質量%を超えてしまったりすると、合金硬度の上昇を招いてしまい、加工性が低下してしまうおそれがある。そのため、Siの含有量を3質量%以下とするとともに、添加元素とSiとの総含有量を12質量%以下とすることが好ましい。
尚、上記構成3及び4の技術思想を組合わせることとしてもよい。すなわち、Al及びSiの双方を前記合金に含有させることとしてもよい。
構成5.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記合金は、Crを20質量%以上33質量%以下、Mnを0.1質量%以上0.5質量%以下、Zrを0.2質量%以上3質量%以下含有することを特徴とする。
上記構成5によれば、Crの含有量が20質量%以上とされるため、Cr23被膜が剥離したとしてもCr23被膜をより迅速に再形成することができる。さらに、Zrが0.2質量%以上と一層多く含有されるため、Crの拡散をより促進させることができる。加えて、Zrが含有されることによるくさび効果と、Mnが0.1質量%以上とより多量に含有されることによる、一層優れたCr23被膜の柔軟性向上効果とが相俟って、Cr23被膜の剥離防止をより一層確実に図ることができる。すなわち、上記構成5によれば、電極内部への腐食ガスの侵入を極めて効果的に抑制することができ、耐腐食性の著しい向上を図ることができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、Niを主成分とし、Crを含有するNi−Cr合金(詳細については後述する)により構成されている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端部分が絶縁碍子2の先端から突出している。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を内燃機関や燃料電池改質器等の燃焼装置に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、略中間部分が曲げ返されて、その先端側側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極27が接合されている。当該接地電極27は、中心電極5を構成するNi−Cr合金と同一の合金によって構成されている。
加えて、中心電極5の先端部と接地電極27の先端部との間には、間隙としての火花放電間隙33が形成されている。そして、火花放電間隙33において、軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
次いで、中心電極5及び接地電極27を構成する合金について詳述する。
当該合金は、Niを主成分とし、Crを15質量%以上33質量%以下含有して構成されている。加えて、当該合金は、Mnを0.05質量%以上2質量%以下含有するとともに、Feを0.3質量%以下含有している。尚、Feを含有しないこととしてもよい。
さらに、前記合金には、0.15質量%以上3質量%以下のZr、0.5質量%以上8質量%以下のTa、4質量%以上8質量%以下のMo、及び、0.5質量%以上10質量%以下のVのうちの少なくとも一種が含有されるとともに、これらZr、Ta、Mo、及び、Vの総含有量が12質量%以下とされている。
尚、前記合金に0.5質量%以上3質量%以下のAlを含有することとしてもよい。この場合には、Zr、Ta、Mo、V、及び、Alの総含有量が12質量%以下とされる。
また、前記合金に0.5質量%以上3質量%以下のSiを含有することとしてもよい。この場合、Zr、Ta、Mo、V、及び、Siの総含有量が12質量%以下とされる。
加えて、合金中におけるCrやMn、Zrの含有量を次のように変更することとしてもよい。すなわち、前記合金における、Crの含有量を20質量%以上33質量%以下、Mnの含有量を0.1質量%以上0.5質量%以下とするとともに、Zrの含有量を0.2質量%以上3質量%以下としてもよい。また、Crの含有量の上限を30質量%とすることとしてもよい。さらに、Zrの含有量の上限を2質量%とすることとしてもよい。
以上詳述したように、本実施形態によれば、中心電極5及び接地電極27を構成する合金は、Crを15質量%以上と比較的多量に含有している。従って、両電極5,27の表面の比較的広い範囲に亘って十分な厚さを有するCr23の被膜を形成することができる。その結果、電極5,27内部への腐食ガス(酸素等)の侵入を効果的に抑制することができる。
加えて、前記合金には、0.15質量%以上のZr、0.5質量%以上のTa、4質量%以上のMo、及び、0.5質量%以上のVのうちの少なくとも一種が含有されている。これら元素は原子半径が比較的大きいことから、合金の格子構造を歪ませることができ、合金内部におけるCrの拡散を促進することができる。そのため、Cr23被膜の形成能力を高めることができ、Cr23被膜が剥離してしまったとしても、Cr23被膜をより確実に、かつ、より迅速に再形成することができる。
さらに、前記合金には、Mnが0.05質量%以上と比較的多量に含有されている。このため、Cr23被膜の柔軟性を高めることができ、ひいてはCr23被膜の剥離を効果的に抑制することができる。尚、Zrを含有させた場合においては、Zrのくさび効果により、Cr23被膜の密着力をより向上させることができ、Cr23被膜の剥離を一層効果的に抑制することができる。
以上のように、本実施形態によれば、腐食ガスの侵入抑制効果に優れるCr23被膜が電極5,27表面の広範囲に亘って十分な厚さをもって形成されるとともに、当該Cr23被膜が剥離しにくく、かつ、仮に剥離したとしてもCr23被膜が急速に再形成されることとなる。すなわち、本実施形態によれば、Cr、Mn、及び、ZrやTa等が相乗的に作用することによって、中心電極5や接地電極27の耐腐食性を飛躍的に向上させることができる。
また、前記合金においては、Cr、Mn、及び、各添加元素の含有量、並びに、添加元素の総含有量の上限が、上述の通り規定されている。このため、合金相がNi相及び他の金属相との二相混合状態となってしまうことを防止でき、合金硬度の上昇や合金の脆弱化を抑制することができる。これにより、優れた加工性を実現することができる。
さらに、比較的酸化しやすいFeについては、その含有量が0.3質量%以下とされている。従って、上述した耐腐食性の向上効果をより確実に発揮させることができる。
次に、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、耐腐食性評価試験、及び、加工性評価試験を行った。
耐腐食性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、Niを主成分とし、CrやMn、Feの含有量、及び、ZrやTa等の含有量を種々変更した合金を製造するとともに、各合金を用いて、長さ10mm、厚さ1.3mm、幅2.7mmの棒状(針状)をなす電極のサンプルを複数作製した。そして、各サンプルに対して、表面温度が1100℃となるように1分間に亘って加熱した後、表面温度が200℃となるように30秒間に亘って冷却することを1サイクルとする冷熱試験を3000サイクル、10000サイクル、又は、30000サイクル行った。各サイクルの冷熱試験が終了した後、中心軸を含むようにサンプルの長手方向に沿ってサンプルを切断するとともに、断面をSEMにより観察し、内部における腐食部(内部腐食部)を特定した。そして、サンプルの長手方向に沿った内部腐食部の長さを測定するとともに、サンプルの全長(10mm)に対する内部腐食部の長さの割合(腐食率)を算出した。ここで、腐食率が10%未満であったサンプルは、耐腐食性に優れるとして「○」の評価を下す一方で、腐食率が10%以上となったサンプルは、耐腐食性に劣るとして「×」の評価を下すこととした。
また、加工性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、Niを主成分とし、CrやMn等の含有量を種々変更した上述の合金により、中心電極や接地電極を想定した所定形状をなす棒状のサンプルを製造した。そして、製造されたサンプルを観察し、サンプルに「割れ」が確認されなかった場合には、加工性に優れるとして「○」の評価を下すこととした。一方で、サンプルに「割れ」が確認された場合には、加工性に劣るとして「×」の評価を下すこととした。尚、各試験ともに、EPMA(X線マイクロアナライザ)によるWDSにより各合金の元素濃度(含有量)を測定した。
表1に、Cr及びMnの含有量を種々変更してなるNi−0.5Zr−Cr−Mn合金を用いたサンプルについて、10000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。また、表2に、同様の合金を用いたサンプルについて、30000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。
Figure 0005406670
Figure 0005406670
表1に示すように、Cr含有量を15質量%未満としたサンプルは、耐腐食性が不十分となってしまうことが明らかとなった。これは、Cr含有量が比較的少なかったため、サンプル表面にCr23被膜が十分に形成されなかったことによると考えられる。一方で、Cr含有量の増大に伴い、耐腐食性の向上が図られることが認められたが、Cr含有量が33質量%を超えると、加工性が不十分なものとなってしまうことが分かった。これは、Cr含有量が過度に多かったため、サンプルの合金相がNi相及びCr相の二相混合状態となってしまい、合金の硬度が著しく上昇してしまったことに起因すると考えられる。また、Cr含有量を30質量%以下とすることで、合金の硬度上昇が抑制され、加工性に極めて優れることが確認された。
さらに、Mnの含有量が2質量%を超えると、耐腐食性が低下してしまうことが明らかとなった。これは、Mn含有量が比較的多量であったため、サンプル内部におけるMn硫化物の生成が促進されてしまい、ひいては内部腐食が進行してしまったためであると考えられる。
これに対して、Crの含有量を15質量%以上33質量%以下とするとともに、Mnの含有量を0.05質量%以上2質量%以下としたサンプルは、耐腐食性及び加工性の双方において優れた性能を有することが明らかとなった。これは、Crの含有量が十分に多かったことから、サンプル表面の広い範囲に十分な厚さを有するCr23の被膜が形成され、サンプル内部への腐食ガスの侵入を抑制できたこと、及び、0.05質量%以上のMnを含有させたことで、上記Cr23被膜の柔軟性を高めることができ、ひいてはCr23被膜の剥離を効果的に抑制できたことに起因すると考えられる。
加えて、表2に示すように、サイクル数を30000サイクルとした、極めて厳しい条件にて耐腐食性評価試験を行った場合であっても、Cr含有量を20質量%以上33質量%以下とするとともに、Mn含有量を0.1質量%以上0.5質量%以下としたサンプルについては、腐食率が4%以下となり、非常に優れた耐腐食性を有することが確認された。
次いで、表3に、Zr及びMnの含有量を種々変更してなるNi−15Cr−Zr−Mn合金を用いたサンプルについて、3000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。また、表4に、Zr及びMnの含有量を種々変更してなるNi−25Cr−Zr−Mn合金を用いたサンプルについて、10000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。さらに、表5に、表3に示す合金と同様の合金(Ni−15Cr−Zr−Mn合金)を用いたサンプルについて、10000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。加えて、表6に、表4に示す合金と同様の合金(Ni−25Cr−Zr−Mn合金)を用いたサンプルについて、30000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
表3及び表4に示すように、0.05質量%以上2質量%以下のMnを含有し、かつ、Zrを0.15質量%以上含有してなる合金を用いたサンプルは、耐腐食性に優れることが明らかとなった。これは、Zrの原子半径が比較的大きいことから合金における格子構造を歪ませることとなり、Crの拡散が促進され、ひいてはCr23被膜の形成及び剥離後の再形成がより促進されたこと、及び、Zrを含有したことで被膜が内部側に食い込む形状となる効果(くさび効果)が発揮され、Mnを含有したことによる剥離抑制効果と合わせて、被膜の剥離が一層抑制されたことに起因すると考えられる。
また特に、表5及び表6に示すように、Mn含有量を0.1質量%以上0.5質量%以上とし、かつ、Zr含有量を0.2質量%以上としたサンプルは、より厳しい条件にて耐腐食性評価試験を行った場合でも、十分に内部腐食が抑制されており、非常に優れた耐腐食性を有することが確認された。
但し、Zr含有量が3質量%を超えると、加工性が低下してしまうことが分かった。これは、比較的多量のZrが含有されたことで、合金相がNi相とZr相との二層混合状態となってしまい、合金の硬度上昇を招いてしまったためであると考えられる。従って、Zrの含有量は3質量%以下とすることが好ましいといえる。尚、Zr含有量を2質量%以下としたことで、合金の硬度上昇が抑制され、加工性に極めて優れることが確認された。
次に、Fe及びMnの含有量を種々変更したNi−15Cr−0.5Zr−Fe−Mn合金を用いたサンプルについて、3000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを表7に示す。
Figure 0005406670
表7に示すように、Feの含有量が0.3質量%を超えると、耐腐食性が低下してしまうことが分かった。これは、Feが非常に酸化しやすい物質であることから、0.3質量%を超えて多量に含有されたことで、内部腐食が急速に進んでしまったためであると考えられる。
次いで、表8に、Ta及びMnの含有量を種々変更してなるNi−15Cr−Ta−Mn合金を用いたサンプルについて、3000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。また、表9に、Ta及びMnの含有量を種々変更してなるNi−15Cr−0.5Zr−Ta−Mn合金を用いたサンプルについて、10000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。さらに、表10に、Taの含有量を種々変更してなるNi−25Cr−0.2Mn−0.2Zr合金を用いたサンプルについて、10000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
表8〜10に示すように、0.05質量%以上2質量%以下のMnを含有し、かつ、Taを0.5質量%以上含有してなる合金を用いたサンプルは、耐腐食性に優れることが明らかとなった。これは、Taを含有することで、Zrを含有した場合と同様に、Crの拡散性を高めることができ、Cr23被膜の形成がより促進されたことによると考えられる。尚、Taの含有量を増大させることで、腐食率をより低減させることができたが、Taの含有量が8質量%を超えると、合金相が二相混合状態となり、加工性が低下してしまうことが分かった。従って、耐腐食性及び加工性の双方において優れた性能を実現すべく、Taの含有量を0.5質量%以上8質量%以下とすることが好ましいといえる。
次に、表11に、Mo及びMnの含有量を種々変更してなるNi−15Cr−Mo−Mn合金を用いたサンプルについて、3000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。また、表12に、Mo及びMnの含有量を種々変更してなるNi−15Cr−0.5Zr−Mo−Mn合金を用いたサンプルについて、10000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。さらに、表13に、Moの含有量を種々変更してなるNi−25Cr−0.2Mn−0.2Zr合金を用いたサンプルについて、10000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
表11〜13に示すように、0.05質量%以上2質量%以下のMnを含有し、Moを4質量%以上8質量%以下含有してなるサンプルは、耐腐食性及び加工性ともに優れることが確認された。これは、4質量%と比較的多量のMoを含有したことで、Crの拡散を促進することができた一方で、Moの含有量を8質量%以下としたことで、合金相が二相混合状態となってしまうことを防止できたことに起因すると考えられる。
次に、表14に、V及びMnの含有量を種々変更してなるNi−15Cr−V−Mn合金を用いたサンプルについて、3000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。また、表15に、V及びMnの含有量を種々変更してなるNi−15Cr−0.5Zr−V−Mn合金を用いたサンプルについて、10000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。さらに、表16に、Vの含有量を種々変更してなるNi−25Cr−0.2Mn−0.2Zr合金を用いたサンプルについて、10000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
表14〜16に示すように、0.05質量%以上2質量%以下のMnを含有し、Vを0.5質量%以上10質量%以下含有してなるサンプルは、耐腐食性及び加工性ともに優れることが確認された。これは、0.5質量%以上のVが含有されたことで、Crの拡散が促進されるとともに、Vの含有量が10質量%以下とされたことで、合金相が二相混合状態となってしまうことを防止できたためであると考えられる。
次いで、表17に、Alの含有量を種々変更してなるNi−15Cr−0.05Mn−0.2Zr合金、Ni−15Cr−0.05Mn−0.5Ta合金、Ni−15Cr−0.05Mn−4Mo合金、Ni−15Cr−0.05Mn−0.5V合金、又は、Ni−25Cr−0.2Mn−0.2Zr合金を用いたサンプルについて、10000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。
Figure 0005406670
表17に示すように、同様の試験を行った、表5の「Ni−15Cr−0.05Mn−0.2Zr合金」や表8の「Ni−15Cr−0.05Mn−0.5Ta合金」等と比較して、Alを0.5質量%以上含有するサンプルは、より優れた耐腐食性を実現できることが明らかとなった。これは、Alがいわゆる酸素ゲッター元素として機能し、ZrやTa等よりも率先して酸化したことで、ZrやTa等の酸化が防止され、ひいてはZrやTa等を含有したことによる上述の作用効果がより長期間に亘って、かつ、より効果的に発揮されたためであると考えられる。
但し、Alの含有量が5質量%を超えると、合金相が二相混合状態となってしまい、加工性が低下してしまった。従って、Alを含有させる場合には、耐腐食性及び加工性の双方を向上させるべく、その含有量を0.5質量%以上5質量%以下とすることが望ましいといえる。
次いで、表18に、Siの含有量を種々変更してなるNi−15Cr−0.05Mn−0.2Zr合金、Ni−15Cr−0.05Mn−0.5Ta合金、Ni−15Cr−0.05Mn−4Mo合金、Ni−15Cr−0.05Mn−0.5V合金、又は、Ni−25Cr−0.2Mn−0.2Zr合金を用いたサンプルについて、10000サイクルの耐腐食性評価試験を行った際の試験結果と、加工性評価試験の結果とを示す。
Figure 0005406670
表18に示すように、同様の試験を行った、表5の「Ni−15Cr−0.05Mn−0.2Zr合金」等と比較して、Siを0.5質量%以上含有するサンプルは、耐腐食性により優れることが明らかとなった。これは、Siを添加したことで、SiO2被膜がCr23被膜の直下に形成され、その結果、Cr23被膜が剥離したとしてもSiO2被膜により合金内部への腐食ガスの侵入が抑制されたためであると考えられる。
但し、Siの含有量が5質量%を超えると、合金相が二相混合状態となってしまい、加工性が低下してしまった。従って、耐腐食性及び加工性の双方を向上させるべく、Siの含有量を0.5質量%以上5質量%以下とすることが望ましいといえる。
次いで、Niを主成分とするとともに、Crを33質量%、Mnを0.2質量%含有し、かつ、Zr、Ta、Mo、及び、Vの含有量を種々変更してなる合金をについて上述の加工性評価試験を行った。表19〜29に、各合金についての加工性評価試験の試験結果を示す。
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
Figure 0005406670
表19〜29に示すように、Zrを3質量%超、Taを8質量%超、Moを8質量%超、又は、Vを10質量%超含有する合金は、上述の通り、加工性が不十分であったが、Zrを3質量%以下、Taを8質量%以下、Moを8質量%以下、又は、Vを10質量%以下としても、Zr、Ta、Mo、及び、Vの総含有量が12質量%を超えると、加工性に劣ることが明らかとなった。これは、合金相が多相化してしまい、合金硬度が上昇してしまったことによると考えられる。
次いで、Niを主成分とするとともに、Crを33質量%、Mnを0.2質量%、及び、Al又はSiを含有し、かつ、Zr、Ta、Mo、V、及び、Al(又はSi)の含有量を種々変更してなる合金について上述の加工性評価試験を行った。表30に、Alを含有してなる合金における加工性評価試験の試験結果を示し、表31に、Siを含有してなる合金における加工性評価試験の試験結果を示す。
Figure 0005406670
Figure 0005406670
表30及び表31に示すように、Zr、Ta、Mo、V、及び、Al又はSiの総含有量が12質量%を超えるサンプルは、加工性が不十分となってしまうことが分かった。これは、合金相が多相化してしまい、硬度が上昇してしまったことが原因であると考えられる。
以上、各試験の結果を総合的に勘案して、耐腐食性及び加工性の双方を向上させるという観点から、Niを主成分とし、Crを15質量%以上33質量%以下、Mnを0.05質量%以上2質量%以下含有するとともに、0.15質量%以上3質量%以下のZr、0.5質量%以上8質量%以下のTa、4質量%以上8質量%以下のMo、及び、0.5質量%以上10質量%以下のVのうちの少なくとも一種を含有し、かつ、Zr、Ta、Mo、及び、Vの総含有量が12質量%以下の合金により中心電極や接地電極を形成することが好ましいといえる。
また、優れた加工性を維持しつつ、耐腐食性の更なる向上を図るという観点から、AlやSiを0.5質量%以上3質量%以下含有させるとともに、Al又はSi、Zr、Ta、Mo、及び、Vの総含有量を12質量%以下とすることが好ましいといえる。
さらに、耐腐食性のより一層の向上を図るべく、Cr含有量を20質量%以上33質量%以下、Mn含有量を0.1質量%以上0.5質量%以下、Zr含有量を0.2質量%以上3質量%以下とすることがより望ましいといえる。
加えて、上述した各元素を含有することによる耐腐食性の向上という作用効果をより確実に発揮させるべく、鉄の含有量を0.3質量%以下(望ましくは0.2質量%以下)とすることが好ましいといえる。
併せて、加工性の一層の向上を図るという点から、Crの含有量を30質量%以下としたり、Zrの含有量を2質量%以下としたりすることが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、スパークプラグ1は接地電極27を有して構成されているが、接地電極27を省略することとしてもよい。すなわち、中心電極と主体金具との間で火花放電が行われるスパークプラグに対して、本発明の技術思想を適用することとしてもよい。
(b)上記実施形態では、中心電極5及び接地電極27が、上述した合金により構成されているが、中心電極5及び接地電極27の少なくとも一方の少なくとも一部(例えば、中心電極5の先端部)のみを上述した合金により構成することとしてもよい。
(c)上記実施形態において、中心電極5や接地電極27は単一の合金により構成されているが、中心電極5や接地電極27の内部に、良熱伝導性に優れる銅又は銅合金からなる内層を設け、中心電極5や接地電極27を外層及び内層からなる多層構造に構成することとしてもよい。尚、この場合には、中心電極5や接地電極27の外層の少なくとも一部が、上述した合金により構成されることとなる。
(d)上記実施形態では特に記載していないが、中心電極5の先端部及び接地電極27の先端部の少なくとも一方に貴金属合金(例えば、Pt合金やIr合金等)からなる貴金属チップを設けることとしてもよい。
(e)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(f)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ、2…絶縁碍子(絶縁体)、3…主体金具、4…軸孔、5…中心電極、27…接地電極、33…火花放電間隙(間隙)、CL1…軸線。

Claims (5)

  1. 軸線方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に挿設される中心電極とを備えるスパークプラグであって、
    前記中心電極の少なくとも一部が、ニッケルを主成分とし、クロムを15質量%以上33質量%以下、マンガンを0.05質量%以上2質量%以下、鉄を0.3質量%以下含有するとともに、
    0.15質量%以上3質量%以下のジルコニウム、0.5質量%以上8質量%以下のタンタル、4質量%以上8質量%以下のモリブデン、及び、0.5質量%以上10質量%以下のバナジウムのうちの少なくとも一種を含有し、
    ジルコニウム、タンタル、モリブデン、及び、バナジウムの総含有量が12質量%以下の合金により形成されることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 軸線方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に挿設される中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部から延び、前記中心電極との間で間隙を形成する接地電極とを備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極の少なくとも一部が、ニッケルを主成分とし、クロムを15質量%以上33質量%以下、マンガンを0.05質量%以上2質量%以下、鉄を0.3質量%以下含有するとともに、
    0.15質量%以上3質量%以下のジルコニウム、0.5質量%以上8質量%以下のタンタル、4質量%以上8質量%以下のモリブデン、及び、0.5質量%以上10質量%以下のバナジウムのうちの少なくとも一種を含有し、
    ジルコニウム、タンタル、モリブデン、及び、バナジウムの総含有量が12質量%以下の合金により形成されることを特徴とするスパークプラグ。
  3. 前記合金は、アルミニウムを0.5質量%以上3質量%以下含有するとともに、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、バナジウム、及び、アルミニウムの総含有量が12質量%以下とされることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記合金は、ケイ素を0.5質量%以上3質量%以下含有するとともに、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、バナジウム、及び、ケイ素の総含有量が12質量%以下とされることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  5. 前記合金は、クロムを20質量%以上33質量%以下、マンガンを0.1質量%以上0.5質量%以下、ジルコニウムを0.2質量%以上3質量%以下含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
JP2009250175A 2009-10-30 2009-10-30 スパークプラグ Expired - Fee Related JP5406670B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009250175A JP5406670B2 (ja) 2009-10-30 2009-10-30 スパークプラグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009250175A JP5406670B2 (ja) 2009-10-30 2009-10-30 スパークプラグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011096543A JP2011096543A (ja) 2011-05-12
JP5406670B2 true JP5406670B2 (ja) 2014-02-05

Family

ID=44113249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009250175A Expired - Fee Related JP5406670B2 (ja) 2009-10-30 2009-10-30 スパークプラグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5406670B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6715276B2 (ja) * 2018-03-13 2020-07-01 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002235139A (ja) * 2001-02-05 2002-08-23 Mitsubishi Materials Corp 耐火花消耗性に優れた点火プラグ電極材
JP4753432B2 (ja) * 2005-11-16 2011-08-24 日本特殊陶業株式会社 内燃機関用スパークプラグ
JP2007173116A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011096543A (ja) 2011-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5755373B2 (ja) スパークプラグ
JP4753432B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP5697484B2 (ja) 点火プラグ用電極材料
EP2325960B1 (en) Spark plug
JP2008053018A (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP2008053017A (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP5325947B2 (ja) スパークプラグ
JP4944433B2 (ja) スパークプラグ
JP5406670B2 (ja) スパークプラグ
JP2007173116A (ja) スパークプラグ
JP5439499B2 (ja) スパークプラグ
JP5662622B2 (ja) 電極材料及びスパークプラグ
JP6155575B2 (ja) 電極材料及び点火プラグ用電極、並びに点火プラグ
WO2017130247A1 (ja) スパークプラグ
JP6312723B2 (ja) スパークプラグ
JP6756860B2 (ja) スパークプラグ
JP2011018612A (ja) 内燃機関用点火プラグ
JP4746707B1 (ja) スパークプラグ
JP5815649B2 (ja) スパークプラグ
JP4834264B2 (ja) スパークプラグ
JP4981473B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP6419108B2 (ja) 点火プラグ
JP5564070B2 (ja) スパークプラグ
JP5654957B2 (ja) 点火プラグ
JP5339369B2 (ja) スパークプラグ用中心電極の製造方法及びスパークプラグの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5406670

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees