JP5406416B1 - シリンジ用のピストン部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】小径から大径まで大きさに限定されることなく、しかも安価であって摺動性や非液漏れ性、水蒸気非透過性などの密封性を十分に満足させることのできるシリンジ用のピストン部材を提供すること。
【解決手段】PTFEブロックを切削加工して形成され、シリンジバレル(1)に圧入されて摺動状態で用いられる、ガスケット(10a)や中間ピストン(10b)などのピストン部材(10)である。シリンジバレル(1)の内周面(2)に摺接するピストン部材(10)の摺接面(11)の内、少なくとも薬液(30)との接液面(14)に隣接する摺接面(11a)の全周に亙って周方向の凸条(13)が形成されている。切削加工時の凸条(13)のピッチPが50μm以下、シリンジバレル(1)に対する圧入代Tが10〜150μmである。
【選択図】図1

Description

本発明は、医薬、医療分野に於いて薬液を人体或いは動物に投与する際に使用されるシリンジ用のガスケットや中間ピストンなどのピストン部材に関する。
注射針を装着する前の注射器は、プラスチック又はガラス製のシリンジバレル(円筒形の筒)、可動式のプランジャロッド(押子)、プランジャロッドの先端部分に取り付けられ、非液漏れ性、更には水蒸気非透過性を保つと共にプランジャロッドの摺動性を確保するピストン部材であるガスケット及びシリンジバレルの針装着部に取り付けられているトップキャップとで構成されている。ガスケットは、従来から加硫ゴムが使用されているが、これらゴム製のガスケットがシリンジバレルの内面を摺動する際の摺動性の悪さを改善するために、ガスケット表面やシリンジバレルの内面にシリコングリスが塗布されていた。
一方、当該シリコングリスが薬液中の有効成分を吸着してしまうことによる力価低下や、シリコングリス中のシリコン微粒子による薬液の汚染及びこれによる人体への悪影響が問題視されていた。又、ゴム中の可溶性成分が薬液中に溶出するおそれもあった。特に、近年、増加している、予め薬液を充填したプレフィルドシリンジは長期に亙って保存され且つ使用されるため、プレフィルドシリンジのガスケットには長期に亙って品質に変化がなく、安全に使用でき、高浸透性薬液に対しても密封性(非液漏れ性や水蒸気非透過性)が確保でき、更には通常の注射器におけるのと同等の摺動性を有するという、通常の注射器用よりも更に高いレベルでその性能が要求されている。この点は、中間ピストンを介してシリンジバレルの先端側に粉末の薬剤が充填され、ピストンロッド側に注射用水が充填されたデュアルシリンジに於いて、これに使用される中間ピストンやピストンロッドの先端に装着されるガスケットも同様である。
そこで、係る問題を解決すべく、ゴム製のガスケット本体の接液側先端表面とシリンジバレルの内周面に摺接するガスケット本体の外周面にポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」と言う。)フィルムからなる医療用栓被覆フィルムが張り付けられ、接液側先端表面に隣接した外周面に更に複数個の独立したリング状凸条を連続的且つ一体的に形成したガスケットが開発されている(特許文献1)。
このガスケットは、キャビティの底部内周に複数条の独立のリング溝が形成された金型に、キャスト法で1枚ずつ形成され、その膜厚が20〜60μm程度で、ガスケット本体との接着面を表面処理してゴムとの接着力を高めたPTFEフィルムを張り付け、ゴム製のガスケット本体をキャビティに圧入してPTFEフィルムを引き伸ばし、ガスケット本体の表面に張り付け、最後にガスケット本体のピストンロッド装着側端部からはみ出したPTFEフィルムを切除することで形成されている。そして、圧入工程に於いて、表面に張り付けられたPTFEフィルムは金型のキャビティのリング溝によって、その先端部分に独立の複数のリング状凸条が形成される。
このガスケットでは、PTFEフィルムの存在により、ゴム製のガスケットと比較してシリンジに対するガスケットの摺動性などを大幅に改善することができ、更に複数個の独立したリング状凸条によりシリンジバレルの先端側に充填した薬液がシリンジバレルとガスケットとの摺接面からピストンロッド側に洩れないとしている。しかしながら、特許文献1に記載のガスケットには、以下に示す問題点がある。
特開2006−181027号公報
(1) このようなPTFEフィルム張り付け方式のガスケットでは、ガスケットの直径と長さにもよるが、張着部分で、PTFEフィルムは5ml以下の小容量シリンジに対するガスケットでは3倍程度に、5mlを越え、100ml以下の中容量シリンジに対するガスケットでは2倍程度に、100mlを越える大容量シリンジに対するガスケットでは1.5倍程度に引き伸ばされている。PTFEフィルムを含め、一般的に樹脂フィルムを延伸すると、延伸につれて樹脂の分子が伸長方向に揃い、即ち、配向性が高まり、伸長方向に対して直角の方向に対する伸びがなくなると同時に樹脂としての性能が次第に劣化し、甚だしい場合には白化し、最終的には破れる。PTFEフィルムでは、伸びによる配向性の高まりと共に撥水性が低下し、最終的には最も過酷に引き伸ばされるガスケット本体の接液側先端面の外周部分に於いてフィルムの破れを発生させ、製品の品質劣化と歩留まり低下に繋がる。
特に、このような圧入方式でガスケットを形成する場合、ガスケットの形状にもよるが、前述のようにガスケット本体の接液側先端面の外周部分ではPTFEフィルムが他の部分に比べて更に大きく引き伸ばされるため、当該部分の樹脂性能の劣化が甚だしく、複数個の独立したリング状凸条の存在である程度は緩和されると考えられるものの、そして中・大容量のシリンジの場合は兎も角、5ml以下の小容量シリンジでは、直径が6mm程度と細いためその影響が大きく実用性に問題があるとされている。なお、圧入方式によってフィルムに形成されるリング状凸条の形成は、キャビティからの転写によることになるが、キャビティに押し込まれるガスケット本体がゴムであるため、勢い出来上がった形状はある程度不正確にならざるを得ず、しかもリング溝が形成されたキャビティからガスケットを引き抜く時、ガスケットの先端に形成されたリング状凸条をリング溝から無理に引き抜かねばならず、形状を損ねることもあり、上記の緩和効果には限界がある。
(2) また、用いられるキャスト方式のPTFEフィルムの表面には、微細な凹凸が存在し、これが前述の伸びによって引き伸ばされ、これがフィルム表面を伝う液漏れに繋がっていた。加えて、塗り重ねられたPTFEフィルムには内部に微細な通孔が多数ある。特許文献1のリング状凸条の幅は、0.05〜0.5mm、その高さは0.01〜0.2mmであり、ガスケット本体はゴム製であるから、シリンジバレルにガスケット本体を挿入した時、リング状凸条は殆んど圧縮されず、従って、リング状凸条内の微細通孔は潰されることなくそのまま残り、この微細通孔を通って液漏れが生じるという問題もあった。特に、小容量シリンジでは表面及びリング状凸条の内部を通過する液漏れが顕著であり、これが小容量シリンジの実用化を妨げていた。
(3) 前述のPTFEフィルムをキャスト法で製造する場合、PTFEを懸濁した溶液を複数回塗り重ね、毎回焼結しなければならず、PTFEフィルムそのものに対して製造コストがかかるという問題もある。
(4) また、PTFEフィルムを圧入方式でガスケット本体に張り付ける場合、物理的に一方の先端部分にしか張り付けることができない。従って、反対側の端部はガスケット本体がむき出しにならざるを得ない。この方式では粉末の薬剤を使用するとデュアルシリンジの中間ピストンを作ることができず、用途が限定されてしまうという問題もある。
(5) 更に、このような方式の場合には、加熱消毒時或いは圧入加工時の温度変化によって、内部のガスケット本体を構成するゴムと表面に張り付けられた薄いPTFEフィルムとの熱膨張差によって接着が弱まったり、PTFEフィルムの表面にしわが発生したりするというような問題もあった。
以上のような従来例に鑑み、本発明の主たる課題は、小径から大径まで大きさに限定されることなく、しかも安価であって摺動性や非液漏れ性、水蒸気非透過性などの密封性を十分に満足させることのできるシリンジ用のピストン部材を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、シリンジバレル1に用いられるガスケット10a(図1)や中間ピストン10b(図18)などのピストン部材10である。
PTFEブロックを切削加工して形成され、シリンジバレル1に圧入されて摺動状態で用いられるピストン部材10に於いて、
シリンジバレル1の内周面2に摺接するピストン部材10の摺接面11の内、少なくとも薬液30との接液面14に隣接する摺接面11aの全周に亙って周方向の凸条13が形成され、
切削加工時の凸条13のピッチPが50μm以下、シリンジバレル1に対するピストン部材10の圧入代Tが10〜150μmであることを特徴とするピストン部材10である。
PTFEブロックをシリンジバレル1の内径Sに合わせ、圧入代Tを考慮して切削加工(通常は、旋盤加工である。)し、その切削加工面(特に、シリンジバレル1との摺接面11a)に切削加工時の凸条13のピッチPが50μm以下(好ましくは3〜40μm)、シリンジバレル1に対するピストン部材10の圧入代Tが直径差で10〜150μmとなるように形成する。このように形成されたピストン部材10をシリンジバレル1に挿入すると、圧入されたピストン部材10の凸条13がシリンジバレル1の内周面2に押し潰されて加工溝12に向ってコールドフローし、コールドフローが加工溝12を埋める(図14)。その結果、シリンジバレル1にピストン部材10を挿入した状態で高度の水密性(即ち、非液漏れ性、更には水蒸気非透過性)を実現する。なお、圧入代Tを10〜150μmとした場合、シリンジバレル1へのピストン部材10の注射時の摺動抵抗が要求されている12N以下となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1のピストン部材10に於いて、切削加工時の最大高さ粗さRzが6μm以下に形成されていることを特徴とする。加工溝12の最大高さ粗さ(換言すれば、溝深さ又は10点平均粗さ)Rzが6μm以下(好ましくは、3μm以下)とすれば、コールドフローによる加工溝12の埋設が確実に行われる。
請求項3に記載の発明は、請求項1のピストン部材10に於いて、凸条13が螺旋状に形成されていることを特徴とする。この場合、加工溝12が螺旋溝となって常識的には螺旋状の加工溝12を伝って薬液30が流出すると思われるが、前述のようにコールドフローが加工溝12を埋めるため、高度の水密性を実現する。なお、加工溝12が螺旋状であるから、ピストン部材10を通常の旋盤加工で形成することができ、迅速で安価な製作が可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1のピストン部材10に於いて、凸条13がリング状に形成されていることを特徴とする。この場合、凸条13のピッチPが50μmと非常に狭く、従って、凸条13自体の肉厚も非常に薄いため、凸条13に存在するPTFE塊の粒界を通って偽薬30が凸条13内を通過して漏水する。しかしながら、圧入代Tを10〜150μmとすることで、シリンジバレル1に圧入すると前述のように凸条13が押し潰されてPTFE塊の粒界が解消され、粒界からの漏水は勿論、水蒸気の通過もなくなる。この点は、上記螺旋の場合も適用できる。また、上記同様、摺動抵抗も12N以下となる。
請求項5に記載の発明(図2参照)は、請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材10に於いて、「ピストン部材10の摺接面11aの幅Dが、0.5mm〜3mmである」ことを特徴とする。摺接面11aの幅Dが、0.5mm以下の場合、摺接面11aが形成されている接液側摺動部16が強度的に弱く、取り扱い中に破損するおそれがあり、3mm以上であると、シリンジバレル1がシクロオレフィン樹脂の場合、圧入した接液側摺動部16のシリンジバレル1に対する面圧が高くなりすぎてシリンジバレル1が割れるおそれがある。
請求項6に記載の発明(図8、9参照)は、請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材10に於いて、「ピストン部材10の接液面に隣接する摺接面11aが、接液面14側から反対側の非接液面14a側に向けて次第に細くなっている」ことを特徴とする。
請求項7に記載の発明(図10参照)は、請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材10に於いて、「ピストン部材10の接液面に隣接する摺接面11aが、接液面14側と反対側の非接液面14a側との間で凹弧状に細くなっている」ことを特徴とする。
請求項8に記載の発明(図11参照)は、請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材10に於いて、「ピストン部材10の接液面に隣接する摺接面11aが、接液面14側、反対側の非接液面14a側及びその中央部分の間で凹弧状に細くなっている」ことを特徴とする。
請求項9に記載の発明(図12参照)は、請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材10に於いて、「ピストン部材10の接液面に隣接する摺接面11aの接液面14側の直径が、反対側の非接液面14a側の直径より太く形成されている」ことを特徴とする。
請求項10に記載の発明(図4参照)は、請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材10に於いて、接液面14側から数えて凸条13の少なくとも3条(換言すれば、3周分)が請求項1のピッチP、最大高さ粗さRz及び圧入代Tを有し、4条(換言すれば、4周分)以降の凸条13が前記接液面14側の3条の凸条13よりピッチP、最大高さ粗さRz及び圧入代Tの少なくとも1つが大きく形成されていることを特徴とする。
このようにすることで、接液面14側はシリンジバレル1の内周面2への接触圧を高くして液漏れに対する信頼性を高め、細くなっている部分或いは凹弧状に細くなっている部分ではシリンジバレル1に対する接触圧を弱くし、これによりピストンロッド5をより小さい力で押すことができるようにすることができる。
請求項11に記載の発明(図6参照)は、請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材10に於いて、接液面14側から数えて凸条13の少なくとも3条(換言すれば、3周分)がリング状であり、4条(換言すれば、4周分)以降の凸条13が螺旋状であることを特徴とする。
この場合は接液面14側の狭い加工溝12に沿って形成された凸条13(少なくとも3条以上、5条まで)によって水密性が確保され、水密性確保に寄与しない非接液面14a側の加工溝12が螺旋状とすることで加工速度を大幅に向上させることができる。
請求項12に記載の発明(図2、19参照)は、請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材10に於いて、ピストン部材10の全体がPTFEで形成されていることを特徴とする。この場合は、PTFE棒材50を切削加工すればよく、ピストン部材10の生産が通常の機械加工と同じ要領で迅速且つ安価に行われる。
請求項13に記載の発明(図16、20参照)は、請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材10に於いて、「ピストン部材10が、耐薬液性樹脂材61の外周面のみにPTFE筒材62を被覆した複合ブロック60の少なくともPTFE部分を切削加工して形成されている」ことを特徴とする。この場合は、複合ブロック60を用いているので、高価なPTFEの使用を減らすことができる。更に、製作されたピストン部材10の滑りは柔らかいPTFEで確保され、ピストン部材10の強度及び熱膨張は耐薬液性樹脂材61に支配されることになる。換言すれば、ピストン部材10は室温付近に於いて大きな熱膨張を示すPTFEの影響をほとんど受けないので、複合ブロック60で形成したピストン部材10を組み込んだプレフィルドシリンジA、Bは使用環境の熱影響を受けることがない。
請求項14に記載の発明(図15参照)は、請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材10に於いて、「ピストン部材10の摺接面11aの内側に空洞18が形成されている」ことを特徴とする。この場合は摺接面11aの内側に空洞18が形成されていることにより、摺接部分が薄肉化されて弾力性が向上し、その結果、シリンジバレル1の内周面2へのタッチがよりソフトになり、ピストンロッド5をより小さい力で押すことができる。
本発明によれば、医療用栓被覆フィルムやシリコンオイルを使用することなく、且つ、小径から大径まで大きさに限定されることなく、しかも安価であって摺動性や、水蒸気非透過性、非漏水性などの水密性を十分に満足させることのできるプレフィルドシリンジやデュアルシリンジ用のピストン部材を提供することができた。
本発明を適用したプレフィルドシリンジの断面図。 図1の破線楕円で示す部分の拡大断面図。 図2の破線楕円で示す部分で加工溝が螺旋状である拡大正面図。 図2の螺旋加工溝の変形例の正面図。 図2の破線楕円で示す部分で加工溝がリング状である拡大正面図。 図2の破線楕円で示す部分で接液面側の加工溝がリング状で、反対側が螺旋状である場合の拡大正面図。 図2の破線楕円で示す部分で接液面側の加工溝が狭いリング状で、反対側が粗いリング状又は螺旋状である場合の拡大正面図。 図2の破線楕円で示す部分に於いて、摺接面が接液側からピストンロッド側に向けて次第にその直径を減じるように形成された場合の拡大断面図。 図8の円で示す部分に於いて、凸条が接液側からピストンロッド側に向けて次第にその山径を減じるように形成された場合の拡大断面図。 図2の破線楕円で示す部分に於いて、摺接面が接液側とピストンロッド側との間で凹弧状を呈するように形成された場合の拡大断面図。 図2の破線楕円で示す部分に於いて、摺接面が接液側とピストンロッド側及びその中間部分との間で凹弧状を呈するように形成された場合の拡大断面図。 図2の破線楕円で示す部分に於いて、摺接面の接液側がピストンロッド側より太く形成された場合の拡大断面図。 図12の破線楕円で示す部分の拡大断面図。 ピストン部材をシリンジバレルに圧入した時の拡大断面図。 図1のガスケットの摺接面の内側に空洞を形成した場合の拡大断面図。 複合ブロックを用いて形成されたガスケットの要部拡大断面図。 PTFEリング用いて形成されたガスケットの要部拡大断面図。 本発明のピストン部材を用いたデュアルシリンジの断面図。 本発明に用いられるPTFE焼結体の正面図。 本発明に用いられる複合ブロックの断面図。 本発明のガスケットの切削表面の1000倍の反転写真。 本発明のガスケットの切削表面を斜めから見た時の1000倍の反転写真。 本発明のガスケットの水蒸気透過性試験結果の図。 本発明のガスケットの摺動抵抗測定結果の図。 本発明のガスケットの表面粗さ測定結果(ピッチ=50μm)の図。 本発明のガスケットの表面粗さ測定結果(ピッチ=100μm)の図。 本発明のガスケットの接液側摺動部のシリンジバレル内面への接触状態を示す拡大写真。
以下、本発明を図示実施例に従って説明する。図1は、本発明のガスケット10aが適用されたプレフィルドシリンジAの断面図であり、図18が本発明の中間ピストン10bとガスケット10aが適用されたデュアルシリンジBの断面図である。図1が示すように、プレフィルドシリンジAはピストン部材10であるガスケット10aと、シリンジバレル1と、ガスケット10aに装着されるピストンロッド5と、トップキャップ8とで構成されている。デュアルシリンジBは、これにピストン部材10である中間ピストン10bが更に使用される。又、図1中の符号30は、シリンジバレル1内に充填された薬液(注射液)であり、図18中の符号31は粉末状の薬剤、32は薬剤を溶かす注射用水である。以下、図1について説明する。なお、本明細書に於いて共通する部材は同一の符号で示し、図2以下の説明に於いて、重複する部分は既に説明した記述を援用し、繁雑さを避けるためその説明を原則的に省略する。
シリンジバレル1は円筒状の容器で、バレル本体1aの先端に図示しない注射針が装着される装着部1bが突設され、後端に指掛け用の鍔部1cが形成されている。シリンジバレル1の材質は、ガラス、硬質樹脂(例えば、シクロオレフィン樹脂。「以下、COPと言う。」)、軟質樹脂(例えば、ポリプロピレン。「以下、PPと言う。」)などが使われる。
図1に示すガスケット10aや図16、17に示す中間ピストン10bを含むピストン部材10は、全体がPTFEで形成されている場合と、中心部分が耐薬液性樹脂61で構成され、少なくとも切削される部分がPTFEで形成されている場合の二通りがある。本発明に於いて使用されるPTFEは、純PTFEでもよいが、例えば、PTFEの結晶化阻害剤であるポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(略称PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素樹脂を1〜15質量%混入した変性体を使用することがピストン部材10に弾力性を付与することになってより好ましい。加工前のPTFEは図19に示すような丸棒材50が使用される。
本発明に使用されるPTFEは、上記純PTFE又はPTFEの変性体更には所謂HIP処理と言われる熱間等方圧加圧法による独立気泡化したブロック(丸棒材)が使用される。HIP処理前のPTFEは、粉体のPTFE或いは変性PTFEを高圧でブロック状(例えば、円柱状)に賦形し、これを焼結して作られているため、微細なPTFE塊の凝集体で、PTFE塊の粒界には微細な隙間が連続して繋がった連続気泡型のブロックである。
前記熱間等方圧加圧法の一例を示すと次のように行われる。前記連続気泡型PTFEブロック或いは連続気泡型変性PTFEブロック(例えば、棒状体)を加熱炉に投入し、まず加熱炉内を0.013〜133Pa(常用される真空度は0.13〜13.3Paである。)の真空度に減圧して加圧成形体内から気体を排除する。そしてこの減圧状態を維持しながら、320〜400℃(より好ましくは、350〜370℃)で数時間から10数時間加熱融着処理しこれを冷却して独立気泡型のPTFEブロックを得る。或いは、上記真空度に減圧した状態で上記温度に昇温し、上記時間保持した後、常圧に戻し、加圧下で冷却して同様に独立気泡型のPTFEブロックを得る。
上記熱間等方圧加圧法を連続気泡型PTFEブロックに施すと、PTFEブロックを構成するPTFEの粒塊間の隙間(空間)から気体が外部に引き出され、加えて加熱によって軟化した粒塊の接触界面が等方圧加圧によって急速に拡大して該隙間(空間)を減少させる。この時、該隙間(空間)内の気体が存在しないために抵抗とならず、最小限まで減少させることが出来て加熱前に存在していた連続気泡が消散する。
図20は丸棒状の耐薬液性樹脂材61の外周面に切削加工がなされるPTFE筒材62を被覆した複合ブロック60である。耐薬液性樹脂材61としては例えばCOPや超高分子ポリエチレンで、加熱した筒状のPTFE部材62に耐薬液性樹脂材61を挿入してからこれらを冷却して筒状のPTFE部材62を収縮させ、耐薬液性樹脂材61の外周面を被覆する。所謂、焼き嵌めを行う。別法として耐薬液性樹脂材61の丸棒材を筒状のPTFE部材62に圧入して一体化させてもよい。圧入により伸びたPTFE部材62の締め付けにより一体化される。この場合、PTFE部材62は切削加工に必要な厚み(1〜2mm)があれば良い。PTFE部材62の肉厚に対して耐薬液性樹脂材61の直径が十分大きければ、室温付近に於いて大きな熱膨張を示すPTFEの影響を受けることはなく、複合ブロック60はPTFEより小さな熱膨張の耐薬液性樹脂材61の熱膨張に支配されることになり、0℃近辺〜室温付近に於いて、その寸法変化が十分に抑制されることになる。複合ブロック60のPTFE部材62は前述の連続気泡であってもよいし、HIP処理を行って独立気泡としてもよい。
次に、図1のガスケット10aの形状について簡単に説明する。ガスケット10aは、接液側摺動部16とピストンロッド5の装着側の端部17の外周が太く、接液側摺動部16と装着側の端部17との間が細く形成されている。端部17はガスケット10aに装着されたピストンロッド5がグラグラしないようにガスケット10aの摺動をガイドするもので、その最大外径はシリンジバレル1の内径にほぼ等しく或いは若干細く形成されている。なお、この端部17の外周部分の形状は中心軸に平行な断面で山形に形成され、その外周がシリンジバレル1の内周に摺接する。ピストンロッド5の摺動に差し支えなければ省略することも可能である。
一方、ガスケット10aの接液側摺動部16は、シリンジバレル1の内周面2との摺接部分で、薬液30との接液面14に隣接し、接液面14からピストンロッド5の装着側の端部17に向けてある程度の幅Dがあり、その摺接面11aの全周に周方向の加工溝12が形成されている。幅Dは、0.5〜3mmである。好ましい幅Dは、1〜2mmである。幅Dは、螺旋状の場合、独立したリング状の場合の両方及びその変形例に適用される。加工溝12は図3、図5に示すように螺旋状の場合と、独立したリング状の場合がある。これらについては後程、詳述する。
加工方法は、ピストン部材10の形状から考えて、通常は旋盤による切削加工が選択される。切削加工に用いられる刃物(バイト)は、PTFEの表面をある程度滑らかに削ることができるような、例えば、ハイス鋼、超硬、多結晶ダイヤモンド、単結晶ダイヤモンドなどがあげられる。図13は切削部分の部分拡大断面図で、刃物で削り取られた加工溝12間に断面略三角形の凸条13が形成されることになる。ここで加工溝12の溝底12aから凸条13の頂部までの高さが最大高さ粗さRz(換言すれば、10点平均粗さ、即ち溝深さ)である。実際の測定データを図25、26に示す。図25は凸条13のピッチPが50μmの場合で、最大高さ粗さRzが2.3μm(この時、算術平均粗さRaが0.36μm)であり、後述する液漏れ試験では偽薬の液漏れはなかった。図26は凸条13のピッチPが100μmの場合で、最大高さ粗さRzが6.6μm(この時、算術平均粗さRaが1.54μm)であり、後述する液漏れ試験では偽薬の液漏れが認められた。なお、測定は(株)東京精密製の表面形状解析装置を用いた。
切削方法は、旋盤のチャックからPTFEブロック50、60(棒材、好ましくは丸棒)を所定量だけ突き出し、その後、その突き出し部分の端面を平坦或いは要求される所定の形状に削り取り、次いで突き出し部分の外周面をピストン部材10がガスケット10a或いは中間ピストン10bの場合、後述する所定の形状に削る。そして、これが中間ピストン10bの場合、外形の切削が終了すると突き出し部分の基部のところで突っ切って中間ピストン10bに仕上げる。これがガスケット10aの場合、更に突き出し部分の端面の中心にピストンロッド5の雄ネジ部5aを螺入するための雌螺子穴15の下穴をあけ、続いてこの下穴にタップで雌螺子を刻設し、雌螺子穴15の開口縁を面取りし、最後に所定の寸法で突き出し部分の基部のところで突っ切ってガスケット10aに仕上げる。なお、送り幅を図14に於いて、ピッチPで示す。
上記の切削加工に於いて、ピストン部材10の摺接面11aの切削は、図3の螺旋凸条13aの場合、摺接面11aの全面に亙ってバイトを定速移動させつつ後述する所定のピッチP(50μm以下)の螺旋状の加工溝12を形成する。図4はその変形例で、接液面14に隣接する部分(例えば、螺旋溝で3〜5条(即ち、3〜5周分))だけを50μm以下で切削し、それ以外の部分ではもっと粗く切削して切削スピードを高める。
図5〜12はピストン部材10の摺接面11aの変形例で、図5は摺接面11aの全体に亙って等間隔のリング凸条13bを形成した場合で、刃物をPTFE丸棒材50に接触させて1ピッチP分だけ加工溝12を削り取り、然る後、刃物を後退させてPTFE丸棒材50から離間し、刃物を1ピッチPだけ水平移動させ、再度、刃物をPTFE丸棒材50に接触させて1ピッチP分だけ加工溝12を削り取る。このような操作を繰り返して摺接面11aにリング凸条13bを形成する。
図6は接液面14側の凸条13を1条(即ち、1周)、更には安全をみて3〜5条(即ち、3〜5周)だけ50μm以下のピッチPでリング凸条13bを形成し、残りの部分を螺旋凸条13aとした場合である。図7も同様に接液面14側の凸条13を1条、更には安全をみて50μm以下のピッチPで3〜5条だけリング凸条13bを形成し、残りの部分を50μm以上のピッチの粗いリング凸条13bで形成する。以上のように図3から図7は凸条13の作成例である。
図8〜図12は、摺接面11aの変形例であり、これらは図3〜7に適用される。また、図中Lは中心線に平行な線で、摺接面11aの形状を理解しやすくするためのものである。図8は接液側摺動部16の直径(山径H)が、接液面14側から反対側の非接液面14a側に向けて次第に細くなっている。図9は、図8の円で囲んだ部分の部分拡大断面図である。図10は接液側摺動部16の直径(山径H)が、接液面14側と反対側の非接液面14a側との間で凹弧状に細くなっている。図11は同部分直径(山径H)が、接液面14側、非接液面14a側及びその中央部分の間で凹弧状に細くなっている。図12は同部分の接液面14に隣接する部分の直径(山径H)が太く、非接液面14a側直径(山径H)がこれより細く形成されている。本発明にかかるピストン部材10では、接液面14に隣接する部分の螺旋凸条13aでは少なくとも3条以上、水密性や水蒸気非透過性を確保する場合は5条程度の幅が必要となる。リング凸条13bは理論的には1条で足るが、やはり安全性を考えると3条以上とするのが好ましい。図8〜図12では、いずれの場合でも、直径の太く形成されている接液面14側の部分はシリンジバレル1の内周面2に強く接触し、水密性や水蒸気非透過性を確保している。その図を図14に示す。そして、細く形成されている部分でも挿入時、シリンジバレル1の内周面2に軽く接している。このようにすることで接液面14側はシリンジバレル1の内周面2への接触圧を高くして液漏れに対する信頼性を高め、次第に細くなっている部分或いは凹弧状に細くなっている部分では接触圧が弱くなり、ピストンロッド5をより小さい力で押すことができるようにすることができる。上記の場合では、直径の太く形成されている部分は接液面14側としたが、これに限られず摺接面11aのどの部分でも形成することができる。
図14は前述のシリンジバレル1に強く接触している部分の拡大断面図であり、図21(1000倍)は加工溝12の反転写真、図22はその斜めから見た反転写真(1000倍)、図27はシリンジバレル1の内周面2にピストン部材10の接液面14と偽薬30との境界部分の拡大写真で、偽薬30が凸条13によって止水されている状態を示す。写真中、白く光った横筋部分が加工溝12で、凸条13からのコールドフローが凸条13間の加工溝12を十分に埋め切れていない状態を示している。ピストン部材10の接液面14と偽薬30に対する境界部分の近傍部分(矢印Wで示す範囲)の凸条13は潰されて加工溝12を十分に埋めている。なお、凸条13が反転状態で表された図21、22によれば、バイトの鋭利な刃先が削り取った加工溝12の溝底12aは、浅い連続した凹円弧状を呈している。溝底12aの両側には先端の稜線が薄く、波状の隆起が連続した凸条13が続く。ただし、図22から分るように、金属の切削と異なり、切削された加工溝12、凸条13には多少の凹凸がある。切削面はハイス鋼が最も粗く、超硬、多結晶ダイヤモンド、単結晶ダイヤモンドという順に滑らかになり、切削面が滑らかなほど水密性、蒸気非透過性が向上する。
前述のように切削された加工溝12、凸条13には多少の凹凸があるが、PTFEは変形能が高く、シリンジバレル1に圧入代Tをもってピストン部材10を挿入すると、螺旋状の場合は勿論、リング状の場合でも凸条13がシリンジバレル1の内周面2に強く押し潰されて加工溝12側に流れ込み(コールドフロー)、切削加工時に於いて、凸条13のピッチPが50μm以下、最大高さ粗さRzが6μm以下及び圧入代Tが直径で10μm以上の場合、かなりの部分に於いて加工溝12を全面的に埋めることになる。埋められた部分を図14に於いて、符号12aで示し、その境界を符号12bで示す。図27の矢印Wで示す接液面14の隣接範囲に於いて、加工溝12の全面埋設状態が顕著である。その結果、加工溝12が螺旋溝であったとしても、前述の水密性、水蒸気非透過性が確保される。
凸条13のピッチPが50μm以上の場合は、最大高さ粗さRzとも関係するが、加工溝12が十分埋まらず、残った微細な隙間を通って漏水することがある。特に、特に周囲の温度差が大である場合(例えば、冷蔵庫に保管した後、取り出して常温に戻してから注射する場合。)、PTFEの物理的性質(室温付近で大きな寸法変化を生じる。)から液漏れが生じることがある。40μm以下の場合は、周囲の温度差が大であっても液漏れはない。3〜40μmの範囲が非液漏れ性に対する信頼性が最も高い。
凸条13のピッチPが3μm以下の場合は、切削加工に時間がかかり過ぎるし、加工溝12間の凸条13の高さが低くなり過ぎて(即ち、加工溝12の最大高さ粗さRzが浅くなり過ぎて)凸条13の弾性が過小になる。従って、凸条13のピッチPは3μm以上、40μm以下が実用上好ましい。
また、切削時の加工溝12の最大高さ粗さRzが6μm以上深ければコールドフローしたPTFEが、十分加工溝12の溝底12aを埋め切れない所が発生し漏水の危険性がある。安全を見れば好ましくは、最大高さ粗さRzは3μm以下である。コールドフローによる溝埋めの観点から、最大高さ粗さRzは浅い方が好ましい。なお、PTFEのコールドフローがスムーズに行われるようにするためには溝底12aを円弧状に形成しておくことが好ましい。上記溝ピッチP及び最大高さ粗さRzはシリンジバレル1の太さに基本的に関係せず、あらゆる太さのシリンジバレル1に対して適用可能である。上記溝ピッチP及び最大高さ粗さRzが上記範囲内であれば、加工溝12が螺旋溝であったとしても高い水密性(非液漏れ性と水蒸気非透過性)が実現される。
次に、加工溝12及びピストン部材10の接液側摺動部16の直径(山径)Hとシリンジバレル1の内径Sとの関係について説明する。シリンジバレル1の内径Sに対し、接液側摺動部16の直径を圧入代Tとして最小10μm(半径で5μm)、最大150μm(半径で75μm)太くする(図24参照)。後述するように圧入代Tが150μmを超えると、要求される摺動性(ピストンロッド5の押圧抵抗が12N以下)を損なうし、摺接面11aの幅Dとの関係でCOPシリンジバレルに割れを生じることがある。なお、この範囲はシリンジバレル1の太さに基本的には大きく関係しない。
また、前述のようにHIP処理が施されていないPTFEは、内部に微細な連通隙間がある。上記のように、圧入代Tを以ってシリンジバレル1にピストン部材10を挿入して凸条13を圧壊すれば、前述のコールドフロー時にこれら微細な連通隙間も目詰まりさせられることになり、HIP処理が施されていないPTFEであっても連通隙間を通る漏水は勿論、水蒸気の通過も阻止されるようになる。
シリンジバレル1の内径Sとピストン部材10の接液側摺動部16の外径との関係(圧入代T)が上述の範囲内であって、摺接面11aの加工溝12の溝ピッチP及び最大高さ粗さRzが前記範囲内であることを前提として、ピストン部材10の摺接面11aの幅Dが0.5〜3mmとされる。幅Dが0.5mmより小さい場合は、あまり狭すぎて接液側摺動部16が取扱い中に破損する恐れがあり、3mm以上であると、シリンジバレル1に対するピストン部材10の圧入代が50μmを越えた場合で、シリンジバレル1がCOPの場合、接液側摺動部16のシリンジバレル1に対する面圧が高くなりすぎて、常温中或いは121℃で20分の蒸気滅菌処理すると、その間にピストン部材10がシリンジバレル1以上に膨張してシリンジバレル1が割れるおそれがある。実用的には1〜2mmである。
以上の点は中間ピストン10bでも言えることである。中間ピストン10bは図18に示すように、両端に接液側摺動部16が形成され、両接液側摺動部16の間が細く形成されている。両接液側摺動部16の摺接面11aは上記ガスケット10aの摺接面11aと全く同じに形成される。
シリンジバレル1は、先端に針装着部1b、後端に指掛け部1c、これらの間に円筒状の薬液充填部4cが形成されており、本実施例では環状ポリオレフィンで形成されている。勿論、シリンジバレル1の形状は図示したものに限られず、また、シリンジバレル1の材質には、ポリプロピレンやガラスなども使用することができる。
ピストンロッド5は、先端部に雄ネジ部5a、後端に指当て部5bが設けられたロッド状の部材である。このピストンロッド5の雄ネジ部5aの外周面には上述したガスケット10aの雌螺子穴15に螺着する雄ネジが刻設されている。ピストンロッド5の材質は環状ポリオレフィン、ポリカーボネート及びポリプロピレンなどの樹脂などで構成されている。
トップキャップ8は、シリンジバレル1の針装着部1bに取り付けられ、シリンジバレル1内部に充填した薬液30が漏れないようにすると共に、当該薬液30が空気中を浮遊する雑菌などで汚染されないようにするための封止部材である。このトップキャップ8は、円錐台状のキャップ本体8aと、このキャップ本体8aの天面から開口方向に伸び、針装着部1bが嵌め込まれる凹部8bが形成された嵌合突部8cとで構成されている。トップキャップ8はエラストマーで形成されている。エラストマーには、加硫ゴムや熱硬化性樹脂系エラストマーなどの「熱硬化性エラストマー」と、「熱可塑性エラストマー」のいずれをも含む。
このような部材を組み立て、シリンジバレル1とガスケット10aの閉じられた空間内に薬液30を充填し、図1に示すようなプレフィルドシリンジAを構成する。このプレフィルドシリンジAを使用する場合は、トップキャップ8を外し、シリンジバレル1の針装着部1bに所定の針を装着するだけで使用に供することができる。使用にあたってピストンロッド5の動きは初動も含めて極めてスムーズであり、後述する摺動抵抗試験からも分るように、12Nを越えない。また、同様に、液体密封性試験からも分るように、ガスケット10aはその優れた撥水性により長期間に亙ってシリンジバレル1の内周面2との摺接面11aに於いて、漏液は勿論、その水蒸気の透過も生じない。
図15のガスケット10aは、雌螺子穴15の下穴を形成する時に、中刳り加工を追加して摺接面11の内側に摺接面11の全幅に亙って空洞18を更に形成する。これにより摺接部分の肉厚が薄くなって弾性が付与される。その結果、シリンジバレル1の内周面2へのタッチがよりソフトになり、ピストンロッド5をより小さい力で押すことができる。ピストンロッド5の雄ネジ部5aは空洞18の先端まで伸びて接触していてもよいし、接触していなくてもよい。接触している場合には、ガスケット10aの接液面14の補強がなされる。
図20のガスケット10aは、耐薬液性樹脂材61の外周面のみにPTFE部材62を被覆した前述の複合ブロック60を使用したもので、そのPTFE部分をシリンジバレル1の内径Sに合わせて既に述べた所定の切削加工を行い、所定形状のガスケット10aを得る。この点は中間ピストン10bでも同様である。
上記のようにして製作されたピストン部材10は、接液面14に樹脂材61が露出するが、この樹脂材61はCOPや超高分子ポリエチレンのように耐薬液性優れているため、接触している薬液30に悪影響を及ぼさない。摺接面11aはPTFEで形成されているため、液漏れの発生はなく且つ良好な摺動性を示す。なお、耐薬液性樹脂材61として、PTFEより硬い樹脂を選べば、外周のPTFEを内側から補強することになるし、通常、耐薬液性樹脂材61は0℃付近〜室温近辺までの温度範囲でPTFEより熱膨張率が小さいので、ピストン部材10が外気温の変化に影響を受けることが少なく、温度に対する寸法変化がPTFEだけのものより優れる。
図17は、ガスケット10aの更なる変形例で、この場合は本体部分20と、本体部分20の接液側外周面21に嵌め込まれた接液側摺接リング23とで構成され、接液側摺接リング23だけがPTFE又は独立気泡型PTFEで形成されている。この接液側摺接リング23は前述同様、切削加工により形成される。そして、接液側摺接リング23を金型に嵌め込み、薬液30に対して悪影響を及ぼさない前述の耐薬液性樹脂を射出して、本体部分26の接液側摺動部27に接液側摺接キャップ28が嵌め込まれた形のガスケット10aとする。勿論、金型のキャビティの形状を中間ピストン10bの形にすれば、その両端に設けられた接液側外周面21に接液側摺接リング23がそれぞれ嵌め込まれた中間ピストン10bとすることができる。射出成形でなく予め成形された本体部分20に後から接液側摺接リング23を嵌め込むようにしてもよい。なお、本体部分26を切削加工し、その接液側摺動部27に嵌め込むようにしてもよい。
図18は、中間ピストン10bを使用するデュアルシリンジBの例で、シリンジバレル1にバイパス1dが設けられた例である。中間ピストン10bはシリンジバレル1内に収納され、シリンジバレル1の鍔部1c側にガスケット10aが装着されたピストンロッド5が挿入されている。中間ピストン10bはバイパス1dの鍔部1c側の開口1e部分を越えて鍔部1c側に配置され、中間ピストン10bとガスケット10aとの間の密閉空間に注射用水32が充填されている。そして、針装着部1bと中間ピストン10bで構成された空間に粉状の薬剤31が充填されている。
使用時にはトップキャップ8を外し、注射針を針装着部1bに装着すれば直ちに使用することができる。使用にあたってピストンロッド5を押すと充填された注射用水32を介して中間ピストン10bが前進し、中間ピストン10bの後端がバイパス1dの鍔部1c側の開口1e部分を越えたところで注射用水32がバイパス1dを通り、先端側の開口部分1fから薬剤31が充填されている密閉空間内に流れ込み、薬剤31を溶かし、これが注射されることになる。この場合、摺動抵抗は図1のプレフィルドシリンジAに比べて殆んど変わらない。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
図1のようにシリンジバレルに着色した純水(偽薬)を充填し、本発明のPTFE製ガスケットを用いて下記の方法で液体密封性(液漏れ)、水蒸気透過性試験及び摺動性(ピストンロッドの加圧力)を試験した。いずれの試験も試験本数はそれぞれ10本である。
本発明のガスケットの条件
シリンジバレル(材質:COP、ガラス)の内径(単位:mm)
=6.34 12.45 20.20
接液側摺動部の直径(山径H)(圧入代Tは40μm)(単位:mm)
=6.38 12.49 20.24
凸条のピッチP(μm)
=3 5 10 20 30 40 50 80 100
加工溝の最大高さ粗さ:Rz(単位:μm)
=2.3 6.0 6.6 10
摺接面の幅(単位:mm)
=0.5 1.0 1.5 2.5 3.5
(1)液体密封性(液漏れ)試験
ガスケットの摺接面とシリンジバレルの内周面との界面部分を100倍に拡大して観察し、偽薬の摺動部分への漏れの有無を観察した。凸条のピッチPが50μm以下、最大高さ粗さRzが6μm以下のものはPP製、COP製、ガラス製シリンジバレルのいずれの場合でも室温に於いて液漏れを生じなかった。
いずれの内径のシリンジバレルに於いても、凸条のピッチPが80μm、100μmのものには液漏れが観察された。凸条のピッチPが50μmのガスケットでは上記のように室温では問題がないが、偽薬を充填したプレフィルドシリンジを5℃の冷蔵庫に一晩保管した後、室温に戻すと若干の液漏れが観察されたものがあった。凸条のピッチPが40μm以下のガスケットでは液漏れはなかった。また、最大高さ粗さRz(溝深さ)が6.6μm、10μmのものには液漏れが観察されたが、6μm以下では液漏れはなかった。上限は溝ピッチが50μm、最大高さ粗さRz(溝深さ)は6μmであり、安全をみれば、溝ピッチは40μm以下、最大高さ粗さRz(溝深さ)は3μmである。
(2)水蒸気透過性試験(図23)
ガラス製シリンジバレル(内径6.34mm 全容量2ミリリットル)に着色した純水1ミリリットルを充填し、液漏れのない形状に製作した上記PTFEガスケット(摺接面11aの幅D=2.5mm 直径(山径H)=6.38mm 圧入代=40μm)を装着し、シリンジバレルの先端にはブチルゴム製トップキャップを装着して経時重量変化を測定した。比較例として同シリンジバレルに常用されているブチルゴム製ガスケットを使用した。
測定に使用した精密天秤(島津製作所製)は1/10,000gまで測定可能である。
1,500時間経過しても、本発明のガスケットを使用したシリンジバレルの減量はほぼ0であり、変動幅は精密天秤の誤差範囲内であった。一方、ブチルゴム製ガスケットを使用した従来のシリンジバレルは0.005gの減量が認められた。
(3)摺動抵抗値の測定(図24)
本発明のガスケットの条件
接液側摺動部の直径(山径H)=6.36 6.38 6.40(単位:mm)
摺接面の幅=2.3mm
シリンジバレル(COP、ガラス)の内径=6.34mm
試験速度=100mm/分
平均摺動抵抗は6.36mmで4.2N、6.38mmで5.9N、6.40mmで7.4Nといずれも要求される12N以下である。ガスケット10aにPTFEを使用する場合、これらの平均値を直線で結び、摺動平均値(N)が12Nのところから引いた横線と交点を求めると、圧入代150μmが求められる。即ち、シリンジバレル1に対して圧入代を直径で150μmまで大きくしても摺動性を損なうことはないと言える。ただし、COPシリンジバレルの場合、圧入代を直径で150μm以上とし、摺接面11aの幅Dが3mmを越えるとCOPシリンジバレルに割れを生じることがある。従って、圧入代の上限は150μmと言うことになる。
下限はPTFEのコールドフローと溝深さ、ピッチの関係から考慮して10μmである。圧入代が10μm以下であると加工溝を埋めきれず漏水が発生した。
A:プレフィルドシリンジ、B:デュアルシリンジ、D:幅、P:ピッチ、Rz:最大高さ粗さ、Ra:算術平均粗さ、H:山径、S:シリンジバレルの内径、T:圧入代、W:接液面に近接した密閉範囲、1:シリンジバレル、1a:バレル本体、1b:針装着部、1c:鍔部、1d:バイパス、1e:鍔部側の開口、1f:先端側の開口、2:内周面、5:ピストンロッド、5a:雄ネジ部、5b:指当て部、8:トップキャップ、8a:キャップ本体、8b:凹部、8c:嵌合突部、10:ピストン部材、10a:ガスケット、10b:中間ピストン、11:摺接面、11a:接液面側の摺接面、12:加工溝、12a:溝底、13:凸条、13a:螺旋凸条、13b:リング凸条、14:接液面、14a:非接液面、15:雌螺子穴、16:接液側摺動部、17:ピストンロッドの装着側の端部、18:空洞、20:本体部分、21:接液側外周面、23:接液側摺接リング、26:本体部分、27:接液側摺動部、28:接液側摺接キャップ、30:薬液、31:薬剤、32:注射用水、50:PTFE棒材、60:複合ブロック、61:耐薬液性樹脂材、62:PTFE筒材。

Claims (14)

  1. PTFEブロックを切削加工して形成され、シリンジバレルに圧入されて摺動状態で用いられるピストン部材に於いて、
    シリンジバレルの内周面に摺接するピストン部材の摺接面の内、少なくとも薬液との接液面に隣接する摺接面の全周に亙って周方向の凸条が形成され、
    切削加工時の凸条のピッチが50μm以下、シリンジバレルに対するピストン部材の圧入代が10〜150μmであることを特徴とするピストン部材。
  2. 切削加工時の最大高さ粗さが6μm以下に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のピストン部材。
  3. 凸条が螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のピストン部材。
  4. 凸条がリング状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のピストン部材。
  5. ピストン部材の接液面に隣接する摺接面の幅が、0.5mm〜3mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材。
  6. ピストン部材の接液面に隣接する摺接面が、接液面側から反対側の非接液面側に向けて次第に細くなっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材。
  7. ピストン部材の接液面に隣接する摺接面が、接液面側と反対側の非接液面側との間で凹弧状に細くなっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材。
  8. ピストン部材の接液面に隣接する摺接面が、接液面側、反対側の非接液面側及びその中央部分の間で凹弧状に細くなっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材。
  9. ピストン部材の接液面に隣接する摺接面の接液面側の直径が、反対側の非接液面側の直径より太く形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材。
  10. 接液面側から数えて凸条の少なくとも3条が請求項1に記載のピッチ、最大高さ粗さ及び圧入代を有し、4条以降の凸条が前記接液面側の3条の凸条よりピッチ、最大高さ粗さ及び圧入代の少なくとも1つが大きく形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材。
  11. 請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材に於いて、
    接液面側から数えて凸条の少なくとも3条がリング状であり、4条以降の凸条が螺旋状であることを特徴とするピストン部材。
  12. 請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材に於いて、
    ピストン部材の全体がPTFEで形成されていることを特徴とするピストン部材。
  13. 請求項1〜4のいずれかに記載のピストン部材に於いて、
    ピストン部材が、耐薬液性樹脂材の外周面のみにPTFE筒材を被覆した複合ブロックの少なくともPTFE部分を切削加工して形成されていることを特徴とするピストン部材。
  14. 請求項1〜4のいずれかに記載の記載のピストン部材に於いて、
    ピストン部材の摺接面の内側に空洞が形成されていることを特徴とするピストン部材。
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