JP5403794B2 - 小型モータ - Google Patents
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Description
中空筒状のヨークの内表面に固着された円筒状の永久磁石と、前記永久磁石の内側に設けられた電機子コアとを具備する小型モータにおいて、
前記電機子コアは、等ピッチで3つのスロットを有し、
前記永久磁石は2極着磁されたものであり、各磁極は、磁極の中心から両側に40°乃至50°の範囲内に磁束密度の極大値を有し、
前記極大値は、磁極の中心の磁束密度の1.3倍乃至1.8倍の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明の小型モータでは、前記極大値を含む領域において、前記極大値と前記磁極の中心の磁束密度の平均値以上の磁束密度を有する領域の開角が、前記スロットの開角の1.8倍乃至2.2倍の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の小型モータでは、前記スロットの開角は、8°乃至25°の範囲内であることが好ましい。
未着磁の円筒状磁石材料を前記ヨークの内表面に固着する工程と、
前記円筒状磁石材料の内側に接触するように略矩形断面の鉄心を配置し、前記矩形の一辺と略直交する前記ヨーク外部の平行磁界によって、前記円筒状磁石材料を2極着磁する工程とを有し、
前記鉄心の前記矩形の一辺の開角は、80°乃至100°の範囲内にあることを特徴とするものである。
また、本発明の小型モータの製造方法によれば、2極の永久磁石と3極の電機子コアを用いたモータにおいて、極めて簡易な着磁装置によって永久磁石の各磁極内の特定の位置に着磁波形の極大部を2つ設けることができ、その結果、電機子コアの複雑な加工を伴うことなく、出力トルクを低下させずにコギングトルクを低減できる高品位な小型モータを簡単に実現できる。
以下に、本発明者が行った実験例を示しながら、本発明を説明する。
本実験例は、外径がΦ18mm、内径がΦ15.5mm、高さが13mmの永久磁石13と、外径がΦ15mm、スロット幅SHが2.11mmの電機子コア22を用いて図1のような小型モータ1を構成し、コギングトルクと出力トルクを測定したものである。
なお、着磁波形の測定は、永久磁石13の内周側の軸方向略中央部分にホール素子を接触させ、永久磁石13を内周に固定したヨーク12を円周方向に回転させて行った。
なお、図2(a)の着磁波形の永久磁石は、中実円柱状の鉄心を用いて着磁した以外は、上記の11種類の永久磁石と全く同じ条件で着磁した。
表1において、P/P0は、図3に示した着磁波形における磁束密度の極大値Pと、磁極の中心Cの磁束密度P0の比を示している。また、コギングトルクと出力トルクは、図2(a)の着磁波形の永久磁石を用いた小型モータのコギングトルクと出力トルクを1とした場合の相対値である。
図5において、横軸は前記角度αを示し、縦軸はコギングトルクの相対値である。なお、コギングトルクは、図2(b)に示すように、全てのピーク値(P1〜P6)の平均値を用いている。
一方、表1及び図5から明らかなように、角度αが40°乃至50°の範囲内にあるとき、即ち、磁極の中心から両側に40°乃至50°の範囲内に磁束密度の極大値Pがあるとき、コギングトルクを効果的に低減できることが分かる。
なお、角度αが40°乃至50°の範囲内にあるときは、鉄心の矩形の一辺の開角βが80°乃至100°の範囲内にあることに対応している。
本実験例は、2極着磁された永久磁石13の各磁極に、磁極の中心から両側に略42.5°の位置に磁束密度の極大値Pを持たせ、この極大値Pを有する領域の形状(幅および高さ)を変化させた以外は、実験例1と同様の小型モータを計18台構成し、コギングトルクと出力トルクを測定したものである。
また本発明者は、図1に示すスロット開角S1が異なる複数の電機子コア22を用いて実験を行った。その結果、永久磁石13が図3のような着磁波形を有する場合、その極大値Pを含む極大部Rの領域において、極大値Pと磁極の中心Cの磁束密度P0の平均値((P+P0)/2)以上の磁束密度を有する領域の開角S2と、スロットの開角S1とが、ある一定の関係を有するとき、出力トルクを低下させずにコギングトルクをより一層低減できることを見出した。以下、本実験例を具体的に説明する。
また、永久磁石13は、図4に示す装置において、ヨーク外部の平行磁界と直交する鉄心33の矩形の開角βを85°と一定のまま、鉄心33の接触幅Wを1.25mm、2.25mm、4.25mm、6.5mmと変化させて、即ち、角部34のR寸法が異なる4種類の鉄心を用いて着磁したものを用いた。このようにして着磁された永久磁石13は、いずれも2極着磁された永久磁石13の各磁極に、磁極の中心から両側に略42.5°の位置に磁束密度の極大値Pを有する。
スロット幅が1.11mmの場合、電機子コアの外径がΦ15mmであるため、
スロット開角S1=1.11/(π×15)×360°
≒8.5°
となる。同様にスロット幅SHが2.11mm、3.11のとき、スロット開角S1はそれぞれ16.1°、23.8°になる。
表3において、開角S2は、図3のような着磁波形を有する場合、その極大値Pを含む極大部Rの領域において、極大値Pと磁極の中心Cの磁束密度P0の平均値((P+P0)/2)以上の磁束密度を有する領域(斜線部分)の開角である。また、P/P0は、着磁波形における磁束密度の極大値Pと、磁極の中心Cの磁束密度P0の比を示している。
図7において、横軸は前記開角S2と前記開角S1の比(S2/S1)を示し、縦軸はコギングトルクの相対値である。
また、図7から分かるように、特にS2/S1の値が1.8乃至2.2の範囲内でコギングトルクが最小となり、コギングトルクが従来の正弦波着磁のものの1/4以下に減少し、その効果が顕著である。
11 ステータ
12 ヨーク
13 永久磁石
21 ロータ
22 電機子コア
23 シャフト
25 ティース
28 突極部
29 スロット
31 着磁ヨーク
32 着磁コイル
33 鉄心
33A 鉄心の一辺
34 角部
101 電機子鉄心
102 突極
103 永久磁石
104 ケース(磁気ヨーク)
111 着磁ヨーク
112 着磁コイル
113 シート材
114 内部ヨーク
Claims (2)
- 中空筒状のヨークの内表面に固着された円筒状の永久磁石と、前記永久磁石の内側に設けられた電機子コアとを具備する小型モータにおいて、
前記電機子コアは、等ピッチで3つのスロットを有し、
前記永久磁石は2極着磁されたものであり、各磁極は、磁極の中心から両側に40°乃至50°の範囲内に磁束密度の極大値を有し、
前記極大値は、磁極の中心の磁束密度の1.3倍乃至1.8倍の範囲内であり、
前記スロットの開角は、8°乃至25°の範囲内であり、
前記極大値を含む領域において、前記極大値と前記磁極の中心の磁束密度の平均値以上の磁束密度を有する領域の開角が、前記スロットの開角の1.8倍乃至2.2倍の範囲内であることを特徴とする小型モータ。 - 請求項1に記載の小型モータの製造方法であって、
未着磁の円筒状磁石材料を前記ヨークの内表面に固着する工程と、
前記円筒状磁石材料の内側に接触するように略矩形断面の鉄心を配置し、前記矩形の一辺と略直交する前記ヨーク外部の平行磁界によって、前記円筒状磁石材料を2極着磁して前記永久磁石とする工程とを有し、
前記鉄心の前記矩形の一辺の開角は、80°乃至100°の範囲内にあることを特徴とする小型モータの製造方法。
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