JP6285623B2 - 2相ハイブリッド型ステッピングモータ - Google Patents

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Description

本発明は、回転子に永久磁石を用いた2相ハイブリッド型ステッピングモータの構成に関するものである。
近年、モータの小型化と省エネルギ化が強く要求されるようになっている。同じ外形サイズのモータに於いて、より大きなトルクを得られるならば、モータに供給する電流をより少なくすることができ、よって省エネルギ化を実現することができる。
以下、ステッピングモータに関する技術の経過を、1.8度ステップ(200ステップ)ハイブリッド型ステッピングモータを例に記載する。
初期の1.8度ステップ(200ステップ)ハイブリッド型ステッピングモータでは、ステータ歯ピッチとロータ歯ピッチとが共に7.2°であった。しかし、近年のハイブリッド型ステッピングモータでは、振動対策と騒音対策のため、ステータ歯ピッチとロータ歯ピッチとが異なっている。具体的にいうと、近年のハイブリッド型ステッピングモータは、ロータ歯ピッチが7.2°のままであり、ステータ歯ピッチが6.6°〜7.0°であることが多い。
通常のステータは、1ポール(突極)中に6枚の小歯を有している。ステータ歯ピッチとロータ歯ピッチとが異なると、ステータの6枚の小歯とロータ小歯との位置関係は、それぞれ異なる。そのため、近年のハイブリッド型ステッピングモータは、初期のステッピングモータに比べて、吸引極(N極とS極)の相対面積が減り、反発極(N極とN極、S極とS極)の相対面積が増えて、トルクダウンとなってしまう場合があった。なお、吸引極(N極とS極)の相対面積と、反発極(N極とN極、S極とS極)の相対面積とは、励磁後静止時の面積のことをいう。
トルクアップの先行技術としては、以下の文献が上げられる。
特許文献1には、単位体積当りのトルク、即ち「トルク密度」を最適化したハイブリッドステッパモータの発明が記載されている。特許文献1には、トルク密度がid/od比0.61で最大値に達することが記載されている。特許文献1には、歯厚さ/歯ピッチは0.38〜0.45が良く、特に0.42が好ましいことが記載されている。
特許文献2には、ハイブリッド形のステッピングモータに於いて、回転子から最大トルクを発生させるため、固定子の外径に対する内径の比を、2相の場合で0.62〜0.64にすることと、5相の場合で0.605〜0.625にすることとが記載されている。更に、従来のステッピングモータでは、固定子の外径に対する内径の比は、0.53前後であったことが記載されている。
特許文献3には、ステータコアのティース幅がロータの外径の0.14倍以上に構成したブラシレスモータの発明が記載されている。
特表2002−503078号公報 特開平5−168214号公報 特開2007−318974号公報
ステッピングモータのトルクについては、静特性と動特性に相反する部分があり、一律に定義できないこともあるが、特許文献1〜3に記載の発明は、いずれも充分に満足できるプルアウトトルクのトルクアップが行えなかった。
そこで、本発明は、外径寸法を変えず、振動と騒音とを抑制しつつトルクアップした2相ステッピングモータを提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明では、外周面に複数のロータ小歯が等ピッチで配設されたロータと、ステータ外径が42mmであり、ロータ外径を前記ステータ外径で除算した値が0.664かつロータ内径を前記ステータ外径で除算した値が0.667であり、当該ロータの外周面と空隙を介して対向するように配設された6個のステータ小歯を設けた8個の突極を有するステータと、を備えた2相ハイブリッド型ステッピングモータであって、前記ステータ小歯は、所定のステータ歯厚を有し、6.9度の円弧のステータ歯ピッチで配設され、前記ロータ小歯は、先端部から所定部分は均一な所定のロータ歯厚を有し、前記所定部分から歯底部分まで所定角度で傾斜して、歯底部分ほど厚みが広がるように構成されており、かつ前記先端部は7.2度の円弧のロータ歯ピッチで配設され、励磁静止時に前記ロータと対向するすべての前記ステータ小歯の面積に対する反発極の面積である反発面積比率は、0%から4%の範囲、ステータ内径に対する前記ステータ歯厚の寸法比が0.015から0.022の範囲、及びロータ外径に対する前記ロータ歯厚の寸法比が0.014から0.020の範囲、前記ステータ歯ピッチに対する前記ステータ歯厚の寸法比が0.243から0.368の範囲、前記ロータ歯ピッチに対する前記ロータ歯厚の寸法比が0.217から0.325の範囲である、ことを特徴とする2相ハイブリッド型ステッピングモータとした。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、外径寸法を変えず、振動と騒音とを抑制しつつトルクアップした2相ステッピングモータを提供することができる。
本実施形態に於けるハイブリッド型ステッピングモータの構成図である。 一般のステッピングモータの吸引極と反発極を示す説明図である。 本実施形態に於けるステータを示す概略の構成図である。 本実施形態に於けるロータを示す概略の構成図である。 本実施形態に於けるステータ歯厚/内径と特性との関係を示すグラフである。 本実施形態に於けるステータ歯厚/歯ピッチと特性との関係を示すグラフである。 本実施形態に於けるロータ歯厚/外径と特性との関係を示すグラフである。 本実施形態に於けるロータ歯厚/歯ピッチと特性との関係を示すグラフである。
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
(本実施形態の構成)
図1は、本実施形態に於けるハイブリッド型ステッピングモータの構成図である。
本実施形態に於けるステッピングモータ10は、フロントフランジ11と、ボールベアリング13と、ロータ30と、ステータ40と、リードワイヤ・コネクタ18と、ボールベアリング14と、スプリングシム15と、リアフランジ12と、ボルト20a〜20dとを備えている。
ロータ30の回転軸31の前部は、ボールベアリング13を介してフロントフランジ11の軸受けに挿入される。ロータ30の回転軸31の後部は、ボールベアリング14を介してリアフランジ12の軸受けに挿入され、スプリングシム15によって前面へ押圧される。
リアフランジ12は、4つのボルト20a〜20dによって、ステータ40およびフロントフランジ11に固定される。ステータ40は、ロータ30の外周に近接して固定される。ステータ40とロータ30との関係は、図2に記載する。
図1に示すように、フロントフランジ11とリアフランジ12とは、当該ステッピングモータ10の外部筐体を構成している。フロントフランジ11とリアフランジ12とは、中心部の軸受けによってロータ30を回転可能としている。フロントフランジ11とリアフランジ12とは、ボルト20a〜20dによって固定されていると共に、ステータ40を挟み込んで固定している。以下、ボルト20a〜20dを特に区別しないときには、単にボルト20と記載する場合がある。
ボールベアリング13,14は、ロータ30の回転摩擦を軽減するものである。
スプリングシム15は、ボールベアリング14とリアフランジ12との間に取り付けられ、このボールベアリング14を前面に押圧することによって、ロータ30の前後方向の位置決めを行うものである。
ロータ30は、ロータコア33と、当該ロータコア33の中心に配設された回転軸31とマグネット(永久磁石)35を備えている。ロータコア33はマグネット35を挟んで2つ配設され、一方は外周に向けてN極の磁場を発生し他方はS極の磁場を発生している。
ステータ40は、駆動電力によって、所定の磁場を発生するものである。
リードワイヤ・コネクタ18は、ステータ40の上部に固定されている。リードワイヤ・コネクタ18は、ステッピングモータ10を駆動する電力を巻線44に供給するコネクタである。
図2(a),(b)は、一般のステッピングモータの吸引極と反発極を示す説明図である。
図2(a)は、ロータ30とステータ40との関係を示す図である。
ステータ40は、ステータヨーク41を備えている。当該ステータヨーク41の内周側には、8個のステータポール43が等間隔に形成されている。8個のステータポール43の内部側には、それぞれ6個のステータ小歯42が形成されている。各ステータポール43には、それぞれ巻線44が巻回されている。ステータ40は、複数の突極である複数のステータポール43を有している。ステータポール43は、ロータ30の外周面と空隙を介して対向するように配設されている。
ロータ30は、ほぼ円形であり、中心部には回転軸31が設けられていると共に、ロータコア33の外周部には、複数のロータ小歯32が等間隔(等ピッチ)で設けられている。ロータコア33はマグネット35を挟んで2つ配設され、一方は外周に向けてN極の磁場を発生し他方はS極の磁場を発生しているが、この図2(a)では説明の便宜上、一方のN極の磁場を発生している側のみを図示している。
この図2(a)では、リードワイヤ・コネクタ18を介して、A相コイルおよびB相コイルに、それぞれ所定の電流が流れることにより、ステータ40に所定の磁場が発生する。この図2(a)では、隣接するステータポール43の順番に、S極、S極、N極、N極、S極、S極、N極、N極と、同一の極の磁場が2つずつ交互に発生していることを示している。
S極が発生しているステータポール43に於いて、ステータ小歯42とロータ小歯32とは、吸引相対面(吸引極面)を形成する。N極が発生しているステータポール43に於いて、ステータ小歯42とロータ小歯32とは、反発相対面(反発極面)を形成する。
図2(b)は、ロータ30とステータ40との拡大図である。
ステータヨーク41の左上の角には、孔部45が形成されている。この孔部45によって、ステータ40は筐体に固定される。
この図2(b)の上部に設けられたステータポール43は、N極の磁場を発生しており、当該ステータポール43に於いて、ステータ小歯42とロータ小歯32とは、反発相対面(反発極面)を形成する。
この図2(b)の左斜め上に設けられたステータポール43は、S極の磁場を発生しており、当該ステータポール43に於いて、ステータ小歯42とロータ小歯32とは、吸引相対面(吸引極面)を形成する。吸引極面の合計面積から反発極面の合計面積を差し引いた「差」を「対向面積」と呼ぶ。
図3(a),(b)は、本実施形態に於けるステータを示す概略の構成図である。
図3(a)は、本実施形態に於けるステータ40の全体を示す図である。
本実施形態のステッピングモータ10のステータ40は、略四角形の角型コアであって、4つのコーナ部は、孔部45を備えており、その孔部45に沿うように角が形成されている。孔部45は、適宜選択されてボルト20が挿通される孔である。ステータ40は、珪素鋼板を前述した形にプレス加工したものを積層したものである。
ステータヨーク41の内側には、等間隔で放射状に8個のステータポール43が設けられている。ステータヨーク41は所定枚数積層して構成され、それぞれのステータポール43にはA相コイル(不図示)とB相コイル(不図示)とが巻回されて、2相ハイブリッド型のステッピングモータ10を構成している。そして、ステータポール43のステータ小歯42と所定のギャップを介して、ロータ30が配設されている。
ステータヨーク41の外径(ステータの外形は円形でなく四角形であるが、一辺の長さをステータではステータ外径と呼ぶ)は、ステータ外径Sodである。本実施形態で説明するSodは42mmである。ステータ40の内周の径は、ステータ内径Sidである。
図3(b)は、ステータポール43の部分を示した拡大図である。
各ステータポール43の先端には、等ピッチで6個のステータ小歯42が形成されている。ステータ小歯42の厚さは、ステータ歯厚Wsである。ステータ小歯42の間隔は、ステータ歯ピッチPsである。本実施形態でステータ歯ピッチPsは6.9度の円弧である。
図4(a),(b)は、本実施形態に於けるロータを示す概略の構成図である。
図4(a)は、ロータ30の全体を示す図である。
ロータ30は、回転軸31と、回転軸31に装着されたマグネット35(図示せず)とロータコア33とから構成されている。ロータコア33は所定の枚数だけ積層して構成され、軸方向にN極とS極に着磁されたマグネット35を挟持するように両側に配置されている。ロータコア33の外周には、等ピッチで複数のロータ小歯32が設けられている。ロータ外径Rodは、このロータコア33の直径であり、従来品より1.08倍大きく変更されている。
図4(b)は、ロータ30の外周の拡大図である。
ロータコア33の外周には、等ピッチでロータ小歯32が形成されている。ロータ小歯32の歯底形状は、逆台形状である。ロータ小歯32の先端部から所定部分は均一な厚みであり、前記所定部分から歯底部分まで所定角度で傾斜して、歯底部分ほど厚みが広がるように構成されている。これにより、ロータ小歯32は、吸引力や反発力が横方向に加わっても、変形して破壊されないように構造的強度をアップすることができる。
ロータ小歯32の厚さは、ロータ歯厚Wrである。ロータ小歯32の間隔は、ロータ歯ピッチPrである。本実施形態でロータ歯ピッチPrは7.2度の円弧である。
(本実施形態の寸法)
本実施形態に於けるハイブリッド型のステッピングモータ10は、低速時トルクは現行から大きく低下させずに、高速時のトルクアップを狙った構造としている。ここで、「高速」とは、2相励磁のパルスを4000〜20000Hzとして、ステッピングモータ10を駆動しているときをいう。「低速」とは、2相励磁のパルスを0〜1500Hzとして、ステッピングモータ10を駆動しているときをいう。
本実施形態では、ステータ小歯42とロータ小歯32との対向する位置関係に注目している。すなわち、以下のようにして、最大のトルクを発生させる構造の知見を得た。
磁束φと、モータ磁気回路のインダクタンスLとは、以下の(式1)の関係を満たす。
Figure 0006285623
モータ磁気回路のインダクタンスLは、以下の(式2)の関係を満たす。
Figure 0006285623
(式1)、(式2)より、磁束φを大きくするには、インダクタンスLを大きくする必要がある。巻数Nと電流Iとが一定である場合、インダクタンスLを大きくするためには、磁気回路断面積Sを大きくする必要がある。ステータ小歯42のステータ歯厚Wsとロータ小歯32のロータ歯厚Wrとを大きくすると、磁気回路断面積Sを大きくすることが可能である。しかし、これらの寸法を大きくしすぎると、反発極の影響が大きくなり、ステッピングモータ10のトルクが減少してしまうという問題があった。
また、高速運転になるにつれ各相の励磁切替えのタイミングが早くなり、インダクタンスLの影響を受けて電流が定格電流まで立ち上がる前に次の相に切り替わるようになり、トルクダウンさせるようにはたらく。したがって歯厚を小さくしてインダクタンスLを下げたほうが寧ろトルクアップに寄与するようになってくる。
それらを考慮すると、ステッピングモータ10の高速時のトルクを最大化するためには、ステータ小歯42がロータ30と対向する小歯すべての面積(本実施形態では6枚×8突極=48枚の歯厚面積)に対する反発極の面積の比率である反発面積比率を最小化することがポイントであるとの知見を得た。
本実施形態では、ステータ小歯42とロータ小歯32の寸法比のパラメータ空間に於いて、反発面積比率が0%から所定値までの範囲内となり、よって高速時のトルク特性が最大となるように構成した。ステッピングモータ10は、当該反発面積比率が0%から4%までの範囲内のときに望ましいトルク性能が得られ、当該反発面積比率が0%から1%までの範囲内のときには、更に望ましいトルク性能が得られる。具体的には、以下の図5〜図8で示す寸法関係にすることで実現した。
図5(a),(b)は、本実施形態に於けるステータ歯厚/内径と特性との関係を示すグラフである。
図5(a)は、(ステータ歯厚Ws/ステータ内径Sid)とプルアウトトルク特性との関係を示すグラフである。
図5(a)の縦軸は、1.8度ステップ(200ステップ)ハイブリッド型ステッピングモータ10の相対トルクを示している。図5(a)の縦軸は、Ws/Sid=0.025のときの値を1.0としている。図5(a)の横軸は、ステータ歯厚Wsとステータ内径Sidとの比を示している。
図5(a)の三角形マーカは、高速時の例であり、2相励磁のパルスが4000Hzのときのステッピングモータ10のトルク特性を示している。このとき、1.8°ステップのステッピングモータ10では1回転=200パルスなので、その回転速度は、20回転/秒=1200回転/分=1200rpmである。
図5(a)の菱形マーカは、低速時の例であり、2相励磁のパルスが800Hzのときのステッピングモータ10のトルク特性を示している。このとき、1.8°ステップのステッピングモータ10では1回転=200パルスなので、その回転速度は、4回転/秒=240回転/分=240rpmである。
Ws/Sid=0.018のとき、ステッピングモータ10の高速時のトルクは最大となる。Ws/Sidが0.015〜0.022の範囲内のとき、ステッピングモータ10の高速時のトルクは、好ましい値となり、ステッピングモータ10の低速時のトルクは、現行から大きく低下しない。Ws/Sidが0.017〜0.020の範囲内のとき、ステッピングモータ10の高速時のトルクは、更に好ましい値となり、ステッピングモータ10の低速時のトルクは、現行から大きく低下しない。
図5(b)は、(ステータ歯厚Ws/ステータ内径Sid)と反発面積比率との関係を示すグラフである。
Ws/Sidが0.015〜0.022の範囲内のとき、反発面積比率は、0%〜4%の範囲となる。Ws/Sidが0.017〜0.020の範囲内とき、反発面積比率は、0%〜1%の範囲となる。
図6(a),(b)は、本実施形態に於けるステータ歯厚/歯ピッチと特性との関係を示すグラフである。
図6(a)は、(ステータ歯厚Ws/ステータ歯ピッチPs)とプルアウトトルク特性との関係を示すグラフである。
図6(a)の縦軸は、1.8度ステップ(200ステップ)ハイブリッド型ステッピングモータ10の相対トルクを示している。図6(a)の縦軸は、Ws/Ps=0.409のときの値を1.0としている。図6(a)の横軸は、ステータ歯厚Wsとステータ歯ピッチPsとの比を示している。
図6(a)の三角形マーカは、2相励磁のパルスが4000Hzのときのステッピングモータ10のトルク特性(高速時)を示している。図6(a)の菱形マーカは、2相励磁のパルスが800Hzのときのステッピングモータ10のトルク特性(低速時)を示している。
Ws/Ps=0.302のとき、ステッピングモータ10の高速時のトルクは最大となる。Ws/Psが0.243〜0.368の範囲内のとき、ステッピングモータ10の高速時のトルクは、好ましい値となり、ステッピングモータ10の低速時のトルクは、現行から大きく低下しない。Ws/Psが0.285〜0.326の範囲内のとき、ステッピングモータ10の高速時のトルクは、更に好ましい値となり、ステッピングモータ10の低速時のトルクは、現行から大きく低下しない。
図6(b)は、(ステータ歯厚Ws/ステータ歯ピッチPs)と反発面積比率との関係を示すグラフである。
Ws/Psが0.243〜0.368の範囲内のときに、反発面積比率は0%〜4%の範囲となる。Ws/Psが0.285〜0.326の範囲内のときに、反発面積比率は0%〜1%の範囲となる。
図7(a),(b)は、本実施形態に於けるロータ歯厚/外径と特性との関係を示すグラフである。
図7(a)は、(ロータ歯厚Wr/ロータ外径Rod)とプルアウトトルク特性との関係を示すグラフである。
図7(a)の縦軸は、1.8度ステップ(200ステップ)ハイブリッド型ステッピングモータ10の相対トルクを示している。図7(a)の縦軸は、Wr/Rod=0.023のときの値を1.0としている。図7(a)の横軸は、ロータ歯厚Wrとロータ外径Rodとの比を示している。
図7(a)の三角形マーカは、2相励磁のパルスが4000Hzのときのステッピングモータ10のトルク特性(高速時)を示している。図7(a)の菱形マーカは、2相励磁のパルスが800Hzのときのステッピングモータ10のトルク特性(低速時)を示している。
Wr/Rod=0.017のとき、ステッピングモータ10の高速時のトルクは最大となる。Wr/Rodが0.014〜0.020の範囲内のとき、ステッピングモータ10の高速時のトルクは、好ましい値となり、ステッピングモータ10の低速時のトルクは、現行から大きく低下しない。Wr/Rodが0.016〜0.018の範囲内のとき、ステッピングモータ10の高速時のトルクは、更に好ましい値となり、ステッピングモータ10の低速時のトルクは、現行から大きく低下しない。
図7(b)は、(ロータ歯厚Wr/ロータ外径Rod)と反発面積比率との関係を示すグラフである。
Wr/Rodが0.014〜0.020の範囲内のとき、反発面積比率は、0%〜4%の範囲となる。Wr/Rodが0.016〜0.018の範囲内のとき、反発面積比率は、0%〜1%の範囲となる。
図8(a),(b)は、本実施形態に於けるロータ歯厚/歯ピッチと特性との関係を示すグラフである。
図8(a)は、(ロータ歯厚Wr/ロータ歯ピッチPr)とプルアウトトルク特性との関係を示すグラフである。
図8(a)の縦軸は、1.8度ステップ(200ステップ)ハイブリッド型ステッピングモータ10の相対トルクを示している。図8(a)の縦軸は、Wr/Pr=0.360のときの値を1.0としている。図8(a)の横軸は、ロータ歯厚Wrとロータ歯ピッチPrとの比を示している。
図8(a)の三角形マーカは、2相励磁のパルスが4000Hzのときのステッピングモータ10のトルク特性(高速時)を示している。図8(a)の菱形マーカは、2相励磁のパルスが800Hzのときのステッピングモータ10のトルク特性(低速時)を示している。
Wr/Pr=0.268のとき、ステッピングモータ10の高速時のトルクは最大となる。Wr/Prが0.217〜0.325の範囲内のとき、ステッピングモータ10の高速時のトルクは、好ましい値となり、ステッピングモータ10の低速時のトルクは、現行から大きく低下しない。Wr/Prが0.251〜0.285の範囲内のとき、ステッピングモータ10の高速時のトルクは、更に好ましい値となり、ステッピングモータ10の低速時のトルクは、現行から大きく低下しない。
図8(b)は、(ロータ歯厚Wr/ロータ歯ピッチPr)と反発面積比率との関係を示すグラフである。
Wr/Prが0.217〜0.325の範囲内のとき、反発面積比率は、0%〜4%の範囲となる。Wr/Prが0.251〜0.285の範囲内のとき、反発面積比率は、0%〜1%の範囲となる。
本実施形態に於ける1.8度ステップ(200ステップ)ハイブリッド型ステッピングモータ10は、ロータ外径Rodとステータ外径□Sodとの関係をRod/Sod=0.664とし、ステータ内径Sidとステータ外径□Sodとの関係をSid/Sod=0.667とした。
更に、当該ステッピングモータ10は、ステータポール厚さWpとステータ外径Sodとの関係を、Wp/Sodが0.085〜0.086の範囲とし、ステータポール厚さWpとステータ内径Sidとの関係をWp/Sid=0.12〜0.13の範囲とした。
(本実施形態の効果)
以上説明した本実施形態では、次の(A)〜(C)のような効果がある。
(A) 0〜1500Hzで駆動する低速時トルクは現行から大きく低下させずに、4000〜20000Hzで駆動する高速時トルクは、従来品と比べ、約1.3倍に改善されるという効果を奏する。
(B) ロータ外径Rodを1.08倍大きく変更することで、トルクは1.08倍に改善された。更に、ロータ小歯32とステータ小歯42の寸法の変更により、トルクは1.21倍に改善された。このロータ外径Rodと、ロータ小歯32とステータ小歯42の寸法の変更の相乗効果により、従来品と比べ、トルクが約1.3倍に改善されるという効果を奏する。
(C) 低速時トルクは、グラフ上で100%〜91%と低下している。しかし、ロータ径の変更に伴い、トルクが8%改善されているので、従来品とトルクを絶対値で比較すると、+8%〜−1%の範囲である。よって、低速時トルクを現行から大きく低下させないという効果を奏する。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(c)のようなものがある。
(a) 本実施形態は、1.8度ステップ(200ステップ)ハイブリッド型ステッピングモータ10に係るものである。しかし、これに限られず、別のステップ角を有しているハイブリッド型ステッピングモータであってもよい。
この場合、ステータ歯ピッチPsおよびロータ歯ピッチPrを規準とする例えばステータ歯厚Ws/ステータ歯ピッチPsの比(Ws/Ps)などはそのままの比(0.243〜0.368)を適用できるが、ステータ内径Sidおよびロータ外径Rodを規準とする例えばステータ歯厚Ws/ステータ内径Sidの比(Ws/Sid)などは、ステップ角に応じて比を変更することで適用できる。
具体的にステップ角に応じた変更を例示すれば、3.6度ステップ(2倍の粗さ)に適用する場合は、1.8度ステップで適用した好ましいステータ歯厚Ws/ステータ内径Sid比が0.015〜0.022であるから、同比を2倍の0.030〜0.044とすることで適用するとよい。また、0.9度ステップ(1/2の細かさ)に適用する場合は、1/2の0.0075〜0.011とすることで適用できる。
(b) 本発明は、2相のステッピングモータ10に限られず、例えば3相または5相のステッピングモータに適用してもよい。
(c) 本発明は、ステータ外径42mmに限らず、例えばステータ外径56.4mmのステッピングモータに適用してもよい。
10 ステッピングモータ
11 フロントフランジ
12 リアフランジ
13 ボールベアリング
14 ボールベアリング
15 スプリングシム
18 リードワイヤ・コネクタ
20a,20b,20c,20d ボルト
30 ロータ
31 回転軸
32 ロータ小歯
33 ロータコア
35 マグネット
40 ステータ
41 ステータヨーク
42 ステータ小歯
43 ステータポール(突極)
44 巻線
45 孔部
Pr ロータ歯ピッチ
Wr ロータ歯厚
Ps ステータ歯ピッチ
Ws ステータ歯厚
Sod ステータ外径
Sid ステータ内径
Rod ロータ外径
Wp ステータポール厚さ

Claims (2)

  1. 外周面に複数のロータ小歯が等ピッチで配設されたロータと、
    ステータ外径が42mmであり、ロータ外径を前記ステータ外径で除算した値が0.664かつロータ内径を前記ステータ外径で除算した値が0.667であり、当該ロータの外周面と空隙を介して対向するように配設された6個のステータ小歯を設けた8個の突極を有するステータと、
    を備えた2相ハイブリッド型ステッピングモータであって、
    前記ステータ小歯は、所定のステータ歯厚を有し、6.9度の円弧のステータ歯ピッチで配設され、
    前記ロータ小歯は、先端部から所定部分は均一な所定のロータ歯厚を有し、前記所定部分から歯底部分まで所定角度で傾斜して、歯底部分ほど厚みが広がるように構成されており、かつ前記先端部は7.2度の円弧のロータ歯ピッチで配設され、
    励磁静止時に前記ロータと対向するすべての前記ステータ小歯の面積に対する反発極の面積である反発面積比率は、0%から4%の範囲、
    ステータ内径に対する前記ステータ歯厚の寸法比が0.015から0.022の範囲、及びロータ外径に対する前記ロータ歯厚の寸法比が0.014から0.020の範囲、前記ステータ歯ピッチに対する前記ステータ歯厚の寸法比が0.243から0.368の範囲、前記ロータ歯ピッチに対する前記ロータ歯厚の寸法比が0.217から0.325の範囲である、
    ことを特徴とする2相ハイブリッド型ステッピングモータ。
  2. 前記ステータのステータ外径に対するステータ内径の寸法比が0.67である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の2相ハイブリッド型ステッピングモータ。
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