以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。便宜上、同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
(実施例1)
図1は本発明の一実施例である景品取得ゲーム装置1の全体を表す斜視図である。景品取得ゲーム装置1は箱型の景品収容部3と、この景品収容部3を載置する基台2とを備えている。
景品収容部3は、ぬいぐるみ等の景品11を収容するものであり、少なくともその前面1B及び側面1Aが透明な樹脂又はガラスの板状部材によって構成されている。このように、少なくともその前面1B及び側面1Aを透明とすることで、遊戯者は正面及び左右から景品11の位置等の収容状態を確認することができるようになっている。
景品収容部3の底部20は、全面的に開口しており、奥側から手前側に向かって、取得した景品11を流下させるためのシューター20Aが設けられ該シューター20Aが取出口15に連通している。景品収容部3の内周には棒状部材を四方に組み合わせた骨組み33が柱状部18Bに掛止され、該骨組み33内において例えば4本のパイプ部材31がパイプ掛止部37(図6参照)によって前後方向に掛止される。該パイプ部材31は2本1組で後述する吊下棒300を支持するために用いられる。景品11は吊下棒300に対して例えばリング状部材によって吊下されており、遊戯者のプレイ操作によって吊下棒300から外れると、落下しシューター20Aを介して取出口15まで流下する。
基台2には、遊技者がプレイ操作を行うための操作卓13が設けられている。この操作卓13には、物体把持装置5の一対の把持アーム51A,51Bを所望の景品11に対応する位置に停止させるための複数の操作部が設けられている。ここで、操作部には、物体把持装置5の一対の把持アーム51A,51Bを横方向(X方向)の所定位置まで移動させるための第1の操作部13a、第1の操作部13aを操作した後に物体把持装置5の一対の把持アーム51A,51Bを縦方向(Y方向)の所定の位置まで移動させるための第2の操作部13b、第2の操作部13bを操作した後に物体把持装置5の一対の把持アーム51A,51Bを下方向(Z方向)の所定の位置まで移動させるための第3の操作部13cが設けられている。なお、第1の操作部13a、第2の操作部13b及び第3の操作部13cによる操作情報は、制御部101(図7参照)に入力されている。
また、操作卓13には、プレイの際に遊戯者がコインを投入するコイン投入口12等が設けられている。操作卓13の下方には、上述したシューター20Aに連通している景品11の取出口15が設けられている。また、操作卓13の下方には、開閉扉16が設けられている。
この開閉扉16の内側には、店舗の管理者等が景品取得ゲーム装置1の各種設定を行うための操作ボタン及び操作ダイヤルや、液晶パネル等のインタフェース(図示せず)等が設けられている。ここで、店舗の管理者等が操作ボタン等を操作して各種設定を行うと、基台2内部に設けられているコンピュータが、その設定に基づいて景品取得ゲーム装置1の動作を制御するようになっている。
景品収容部3の内部上面には、図2に示すように、物体把持装置5を吊り下げて横方向(X方向)と縦方向(Y方向)に移動させる移動機構部200が設けられている。ここで、移動機構部200は、横行用固定レール201と縦行用可動レール202とを有している。横行用固定レール201には、縦行用可動レール202が横方向に移動自在となるように取り付けられている。
また、縦行用可動レール202には、移動基台210が縦方向に移動自在となるように取り付けられている。よって、移動基台210は縦行用可動レール202が横行用固定レール201に沿って移動することにより、横方向(X方向)に移動することになる。また、移動基台210は縦行用可動レール202に沿って移動することにより、縦方向(Y方向)に移動することになる。
また、横行用固定レール201側には移動機構部200の移動基台210を取り付けている縦行用可動レール202を横方向(X方向)に移動させるX方向移動モータ(横行用モータ)240が取り付けられ、縦行用可動レール202側には移動機構部200の移動基台210を縦方向(Y方向)に移動させるY方向移動モータ(縦行用モータ)241が取り付けられている。
このように、縦行用可動レール202の横行用固定レール201に沿った横方向の移動と、移動基台210の縦行用可動レール202に沿った縦方向の移動とにより、移動基台210が横方向(X方向)と縦方向(Y方向)に移動自在となっている。
移動基台210には、例えば伸縮部材からなる支持部7を介して物体把持装置5が鉛直方向に吊り下げられている。また、図示されないが、移動基台内部には、伸縮部材内に配設されるワイヤの巻き上げ、巻き戻しによって物体把持装置5を上下方向(Z方向)に昇降可能にするZ方向(上下方向)移動手段(昇降用モータ243)が備えられている。
物体把持装置5は、把持機構によって動作する一対の把持アーム51A,51Bを有している。なお、ここでは、把持アーム51A,51Bが一対である場合を示しているが、把持アームは1個であってもよいし、3個以上であってもよい。また、これらの一対の把持アーム51A,51Bは、通常は閉じた状態となっており、景品11を掴むときに開くように構成されている。
図3は、上述した物体把持装置5の内部構成等を説明するための正面図である。同図に示すように、物体把持装置5の把持機構は、動力源としての把持モータ(m)50と、右側の把持アーム51Aの開き幅を調整する右開幅調整ネジ50aと、左側の把持アーム51Bの開き幅を調整する左開幅調整ネジ50bと、把持モータ(m)50の回転出力に基づいて把持アーム51A,51Bを開閉駆動するラック112a(図4参照)及びピニオン112b(図4参照)等を有するアーム開閉機構部112と、把持アーム51A,51Bにより上述した景品11を把持する際の最大把持力を決定するコイルバネ53A,53Bと、ブラケット55A,55Bに回動自在となるように取り付けられたアームベース54A,54Bとが設けられ、これらがカバー5aによって覆われている。
本明細書において「横方向」とは、図1における前面1Bに対する左右方向(換言すると、前面1Bに向かって位置する遊戯者から見た左右方向)とし、図1における前面1Bに対面する遊戯者から向かって左側を「左」、右側を「右」とする。
ここで、把持アーム51A,51Bの先端には景品11を掴んだり引っ掛けたりする爪56A,56Bがネジ等によって取り付けられている。また、把持アーム51A,51Bの基端部61A,61Bは、アームベース54A,54Bに対して着脱自在に装着され、アームベース54A,54Bのロックピン63A,63Bによって抜け止めされている。
このような物体把持装置5では、把持モータ(m)50が正転駆動又は逆転駆動すると、その駆動力がピニオン112b(図4参照)に伝達され、そのピニオン112bの駆動力によってラック112a(図4参照)が左右に移動することにより、把持アーム51A,51Bの開閉が行われるようになっている。
図4は、上述した一対の把持アーム51A,51Bを開閉するための機構部を説明する図である。なお、一対の把持アーム51A,51Bは、その構成及び動作が同じであることから、図4では一方(右側)の把持アーム51Aの場合で説明する。
図4(a)に示すように、把持モータ(m)50により回転駆動されるピニオン112bには、コイルバネ53Aの長手方向に並行配置されたラック112aが噛み合っている。また、このラック112aは、上述したアームベース54Aに当接するアーム開閉部材117aの内面に一体となって取り付けられている。これにより、把持モータ(m)50の駆動によりピニオン112bが時計方向又は反時計方向へ回転すると、ラック112aを介してアーム開閉部材117aが左右に移動する。
ここで、ラック112aが右方向に移動すると、アーム開閉部材117aがアームベース54Aに当接することで、把持アーム51Aが開く。これに対し、ラック112aがアームベース54Aに当接した状態から左方向に移動すると、把持アーム51Aが自重により閉じる。例えば把持アーム51Aが景品をつかんだときの把持力は、コイルバネ53Aの作用によって得られる。
また、コイルバネ53Aは、その一端53Aaがアームベース54A側に取り付けられ、その他端54Abが棒状のピン117を介してアーム開閉部材117a側のバネ受け部材117bに取り付けられている。
棒状のピン117は、図4(b)に示すように、その一端117cが上述したバネ受け部材117bに取り付けられ、その他端117dがコイルバネ53Aの中に挿入される。また、棒状のピン117の略中央部には係止部117eが設けられており、コイルバネ53Aに挿入された棒状のピン117の離脱が阻止されるようになっている。
このような構成により、把持アーム51Aが景品11を把持するために開放されるとき、アームベース54Aの回動に伴ってコイルバネ53Aが伸長されようとするが、棒状のピン117の係止部117eがコイルバネ53Aの他端53Abに到達するまで、コイルバネ53Aの他端53Abに棒状のピン117を介した伸長力が作用しないため、コイルバネ53Aによる付勢力が作用せずに把持アーム51Aが開放方向へ回動する。
また、ラック112aの移動によりアーム開閉部材117aに設けられたバネ受け部材117bが移動して、コイルバネ53Aを伸長させようとするとき、まず棒状のピン117のみがアーム開閉部材117aにつられて移動するが、その係止部117eがコイルバネ53Aの他端53Abに到達するまではコイルバネ53Aへの伸長力が作用しないことになる。これにより、コイルバネ53Aを取り付けたままの状態で、コイルバネ53Aを取り外した状態(付勢力ゼロの状態)と同じ状態が作り出される。以降、把持モータ(m)50の回転駆動により、コイルバネ53Aによる付勢力が作用することになる。
このような構成により、把持アーム51Aは景品11を把持するという基本動作を行うことができる。まず、ゲーム開始時の状態においては、把持アーム51A,51Bは閉じられている。また、棒状のピン117の大部分は、コイルバネ53Aの内部に位置している。
次に、遊技者の操作に基づいて物体把持装置5の横方向及び縦方向への移動が終了すると、把持アーム51A,51Bが開放動作を行いつつ下降する。このとき、把持モータ(m)50の回転駆動によりピニオン112bが時計方向に回転すると、ラック112a及びアーム開閉部材117aがアームベース54A側に移動し、アームベース54Aを押し付ける。同様の動作がアームベース54Bについても行われ、把持アーム51A,51Bが開放される。
次に、把持アーム51A,51Bの下降動作が終了すると、把持アーム51A,51Bの閉動作が開始される。このとき、把持モータ(m)50が逆回転することによりピニオン112bが反時計方向へ回転すると、ラック112a及びアーム開閉部材117aが一対の把持アーム51A,51Bの中央部(図では左側)に向かって移動する。この移動により、アーム開閉部材117aがアームベース54Aから離れるため、把持アーム51Aが自重によって閉じられ、景品11を把持したり引っ掛けたりすることができる。
次に、この状態から把持モータ(m)50がさらに逆回転し、アーム開閉部材117aをアームベース54Aからさらに離れる方向に移動せる。これに伴い、棒状のピン117が同じ方向へひきつられることで、棒状のピン117の係止部117eがコイルバネ53Aの他端53Abに係合し、コイルバネ53Aを伸長させる。これにより、把持アーム51Aにコイルバネ53Aの付勢力が作用することになる。これにより、アーム開閉部材117aの移動量に応じて、把持アーム51Aの把持力が任意に設定されことになる。
ここで、図5を参照しながら吊下棒300の詳細について説明する。吊下棒300はステンレス、アルミニウム等の金属材料からなり、断面が略円形の棒状体によって構成される。吊下棒300には景品11が摺動する際の抵抗を調整するための複数の摺動調整部が設けられている。図5(A)に示す吊下棒300Aは、一端から他端まで略同径で断面が略円形状に形成されている。吊下棒300Aの外周には外観上殆ど目立たない程度ではあるが景品11を摺動させる際に平滑に形成された部分とは異なる抵抗を示す周状の溝(以下「周溝301」とする)が設けられる。周溝301は幅、深さ共に任意であるが例えば数μm〜数100μmオーダーであり、好ましくは約100μm程度である。
図5(A)において、周溝301は、吊下棒300Aの一方の端部側において等間隔に5本で1セットの抵抗部303を形成し、これが6セット設けられる。周溝301の間隔及び抵抗部303の間隔は任意であるが、例えば周溝301の間隔は約0.5mm程度であり、抵抗部303の間隔は約1cm程度である。また吊下棒300Aの他方の端部側には等間隔に15本で1セットの抵抗部305を形成し、これが4セット設けられる。周溝301の間隔及び抵抗部305の間隔はやはり任意であるが、例えば周溝301の間隔は約0.5mm程度であり、抵抗部305の間隔は約1cm程度である。
このように吊下棒300Aに周溝301を設けることにより、1本の吊下棒300Aにおいて周溝301が密に形成される抵抗部303,305と周溝301が形成されない平滑部307とができる。吊下棒300Aにおいては、抵抗部303,305及び平滑部307が摺動調整部であり、抵抗部303,305では平滑部307に比し景品11が摺動する際の抵抗が大きくなるため摺動容易性が低くなる。
なお、吊下棒300Aの一端側と他端側とで抵抗部303,305の1セットあたりの周溝301の本数が異なっているが、これは後述する吊下棒300のパイプ部材31に対する支持において、どちらを固定するかによって抵抗部と平滑部との比率を変化させ景品取得に対する難易度を変更できるようにしたものである。
図5(B)に示す吊下棒300Bは、一端から他端まで略同径で断面が略円形状に形成されている。吊下棒300Bの外周には外観上殆ど目立たない程度ではあるが景品11を摺動させる際に平滑に形成された部分とは異なる抵抗を示す周状の溝(以下「周溝301」とする)が設けられる。周溝301は幅、深さ共に任意であるが例えば数μm〜数100μmオーダーであり、好ましくは約100μm程度である。
図5(B)において、周溝301は、吊下棒300Bの一方の端部側の先端部において等間隔に10本で1セットの抵抗部311を形成し、ここから所定の間隔(例えば1cm程度)をあけて7本で1セットの抵抗部312、さらに所定の間隔(例えば1.5cm程度)をあけて5本で1セットの抵抗部313、最後に所定の間隔(例えば2cm程度)をあけて3本で1セットの抵抗部314というように吊下棒300Bの内側になるにつれて徐々に抵抗部の1セットあたりの周溝301の本数が少なくなるように設けられる。抵抗部における周溝の間隔は任意であるが、例えば約0.5mm程度である。なお、各抵抗部311乃至314の1セットあたりの周溝の本数は例示に過ぎず適宜変更可能である。
また、周溝301は、吊下棒300Bの他方の端部側の先端部において等間隔に20本で1セットの抵抗部315を形成し、ここから所定の間隔(例えば1cm程度)をあけて10本で1セットの抵抗部316、さらに所定の間隔(例えば1.5cm程度)をあけて7本で1セットの抵抗部317、最後に所定の間隔(例えば2cm程度)をあけて3本で1セットの抵抗部318というように吊下棒300Bの内側になるにつれて徐々に抵抗部の1セットあたりの周溝301の本数が少なくなくなるように設けられる。抵抗部における周溝の間隔は任意であるが、例えば約0.5mm程度である。なお、各抵抗部315乃至318の1セットあたりの周溝301の本数は例示に過ぎず適宜変更可能である。
このように吊下棒300Bに周溝301を設けることにより、1本の吊下棒300Bにおいて周溝301が密に形成される抵抗部と周溝が形成されない平滑部307とができる。さらに各抵抗部311乃至318は周溝301の本数の違いから景品11が摺動する際に抵抗を受ける距離が異なるため、摺動容易性が異なっている。吊下棒300Bにおいては、各抵抗部311乃至318が摺動調整部であり、抵抗部311、抵抗部312、抵抗部313、抵抗部314の順に景品11が摺動する際の抵抗が小さくなるため摺動容易性が高くなる。また、抵抗部315、抵抗部316、抵抗部317、抵抗部318の順に景品11が摺動する際の抵抗が小さくなるため摺動容易性が高くなる。
なお、吊下棒300Bの一端側と他端側とで抵抗部の1セットあたりの周溝の本数が異なっているが、これは後述する吊下棒300のパイプ部材31に対する支持において、どちらを固定するかによって抵抗部と平滑部との比率を変化させ景品取得に対する難易度を変更できるようにしたものである。
図5(A)及び(B)では抵抗部を吊下棒300の外周に設けられる周溝301によって構成しているが、これ以外の形態であっても外観上殆ど目立たない程度ではあるが景品11を摺動させる際に平滑に形成された部分とは異なる抵抗を示すものであれば構わない。例えば、周溝301と同様な幅、深さを有する溝を斜格子状に設けることでも抵抗部を構成することができる。この場合、斜格子を設ける区間を変化させることによって摺動容易性を変更することができる。
また、周溝301等のように溝を設けるかわりに吊下棒300の表面に対してスモーク加工することによっても抵抗部を構成することができる。スモーク加工は吊下棒300に対してヤスリがけやショットブラスト処理(サンドブラスト等)を行うことで、吊下棒300の表面に細かい傷を付け粗面部を形成するものである。このようなスモーク加工が施された部分は、平滑部に比し景品11を摺動する際の抵抗が大きくなるため抵抗部となる。スモーク加工を施す区間を変化させることによって摺動容易性を変更することができる。また、スモーク加工によってできる吊下棒300の表面の傷の深さを変更することによっても摺動容易性を変化させることが可能である。
図5(A)及び(B)に設けられた周溝301や上記の斜格子及びスモーク加工は外観上殆ど目立たない(視認し難い)ため、遊戯者にとっては段階的にゲームを行わなくても1回のゲームで景品を取得できるような感覚を与えることができる。
図5(C)に示す吊下棒300Cは、断面が略円形状に形成されている棒状体の一端側に摺動調整部が設けられたものである。吊下棒300Cの一端側(景品11が吊り下げられる側)は先端側に向かって段階的に外径が小さくなるように旋盤等によって切削されている。
図5(C)において、吊下棒300Cの外径は8mmとなっており、吊下棒300Cの一端側の先端部から6cmの位置から先端部に向かって1.5cm毎に1mmずつ外径が小さくなるように形成される。これによって、外径が7mmになるように切削された切削部321、外径が6mmになるように切削された切削部322、外径が5mmになるように切削された切削部323及び外径が4mmになるように切削された切削部324が形成される。各切削部321乃至324の外径や距離は例示であり、適宜変更可能である。
吊下棒300Cにおいては各切削部321乃至324が摺動調整部となる。景品11が吊下棒300Cを摺動する際、各切削部321乃至324において景品11(又は景品11を吊下する部材)との接触面積が異なるため摺動容易性が異なっている。切削部の外径が小さくなるほど景品11(又は景品11を吊下する部材)と切削部との接触面積が小さくなるので摩擦抵抗が小さくなり摺動容易性が高くなる。吊下棒300Cにおける摺動調整部は外観上視認しやすいが、先端部側に向かって段階的に外径が小さくなるように形成されているため遊戯者にとっては段階的にゲームを行わなくても1回のゲームで景品を取得できるような感覚を与えることができる。また吊下棒300Cは、先端側から奥方向に向かって段階的に外径が大きくなっているため、一度切削部321乃至324まで摺動させた景品11を誤って奥方向に押し込んでしまう虞が少ない。
以上のように吊下棒300(300A,300B,300C)には摺動容易性の異なる複数の摺動調整部が設けられているため、景品11の吊下された位置によってゲームの難易度が変化する。吊下棒300Aでは高難易度の区間と低難易度の区間が交互に現れ、吊下棒300Bでは先端部に向かうにつれて高難易度となっている。そして、吊下棒300Cにおいては先端部に向かうにつれて低難易度となっている。
なお、吊下棒300における摺動調整部は上記に限られない。例えば、上記の摺動調整部を混在させたり、組み合わせたり、並び替えたりすることができる。例えば、周溝301によって構成される抵抗部を先端部に向かうにつれて摺動容易性が大きくなるように設けても良い。また、周溝301によって構成される抵抗部を、摺動容易性が一定の方向に向かって段階的に変化するのではなく、ランダムに配置しても良い。また、吊下棒300Cの切削部321乃至324に対して先端側に向かうにつれて摺動容易性が小さくなるように周溝301等を設けても良い。この場合、外観上は先端側に向かうにつれて難易度が低くなるように見えるにもかかわらず、実際には景品11が摺動し難くなる。
次に、パイプ部材31に対する吊下棒300の支持方法について図6を用いて説明する。吊下棒300は、両端部に掛止部350,350が設けられた上部板状部360と該上部板状部360の底部に装着される下部板状部370とによって固定され、上部板状部360の掛止部350,350が2本のパイプ部材31に掛止されることで支持されている。上部板状部360の底部中央には長手方向に吊下棒300の外径と略同じ幅の開口365が設けられ、該開口365は両端部に設けられた掛止部350,350の下端部まで延在し、掛止部350の下端部において逆U字状となっている。この開口365に吊下棒300が挿入された状態で、上部板状部360の底部に下部板状部370が対角線上に配置された2箇所のネジ375,375によって装着されることにより、吊下棒300は上部板状部360と下部板状部370とによって挟持される。そして、この状態で上部板状部360の掛止部350,350をパイプ部材31に掛止することによって、吊下棒300がパイプ部材31に支持される。
実施例において、パイプ部材31は景品取得ゲーム装置1の前後方向に設けられているため、吊下棒300は景品取得ゲーム装置に対して左右方向に支持されることになる。
2箇所のネジ375,375を操作することによって吊下棒300は容易に着脱可能となっている。上述のように、吊下棒300A,300Bは一端側と他端側とで景品11の摺動容易性が異なるが、どちら側の端部を上部板状部360及び下部板状部370によって挟持するかにより、ゲームの難易度を容易に変更することが可能である。これによって景品ごとにゲームの難易度を変更することができる。
吊下棒300を支持する部材はパイプに限らず、吊下棒300を支持できるものであれば良い。
図7に景品取得ゲーム装置1の制御機構をブロック図によって示す。操作卓13にある第1の操作部13a、第2の操作部13b、第3の操作部13c、各々からの操作信号(操作情報)及びコイン投入口12のコインスイッチ14aのコイン検出信号(コイン検出情報)が制御部101に入力される。
例えば、制御部101および記憶部102はCPU、RAM、ROMならびに入出力I/Fなどから構成されている。CPUは制御部101の制御動作の中枢となり、バスを介して、他の構成要素と制御信号やデータ信号等の受け渡しを行なって全体を統括的に制御する中央演算装置である。ROMには制御プログラムが記憶されており、CPUはROMに記憶された情報を作業中のデータを一時的に記憶するRAMを用いて処理し、信号を送受信する。入出力I/FはCPUが送受信する信号を所定の形式に変換し、CPUは入出力I/Fを介して各構成要素の制御を行なう。
また、横行用固定レール201の両端に設けられた横方向リミットスイッチ8a、8b、縦行用可動レール202の両端に設けられた縦方向リミットスイッチ9a、9bの検出信号(検出情報)が制御部101に入力される。さらに、移動基台210に設けた物体把持装置5の昇降限界を検出する鉛直方向リミットスイッチ11a、11bの検出信号が制御手段101に入力される。
なお、本実施例では物体把持装置5に対する横方向、縦方向、鉛直方向への動作を遊戯者が操作(指示)するための3種の操作部13が設けられているが、1つの操作部で可能な動作は1方向に限らず、また、遊戯者が3方向(3次元)の操作ができないような設定を行うことも可能である。(例えば、景品収容部3の右側と左側で異なる景品の獲得操作を行う場合や二つの物体把持装置を操作して1つの景品11の獲得操作を行う場合など。)即ち、難易度調整や景品のタイプに合わせて様々な設定にすることが可能である。
次に景品取得ゲーム装置1の基本的な動作の流れを説明する。図8は実施の形態に係る景品取得ゲーム装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
景品取得ゲーム装置1の制御部101は、第1の操作部13aがONであるか否か(第1の操作部13aから操作信号の入力があるか否か)を判断し(S101)、ONである(入力とある)と判断する場合には、景品取得ゲーム装置1の制御部101はX方向(横方向)移動モータ240を作動し物体把持装置5を横方向に移動させる(S102)。
そして、景品取得ゲーム装置1の制御部101は、横方向の移動限界距離を示すXリミットフラグがONであるか否か(縦行用可動レール202の移動範囲を定めるリミットスイッチ8a、8bから検出信号の入力があるか否か)を判断し(S103)、XリミットフラグがONである(リミットスイッチ8a,8bからの入力信号の検出がある)と判断する場合にはステップS105に進み、ONでない(リミットスイッチ8a、8bからの検出信号の入力がない)と判断する場合にはステップS104に進む。このステップS104においては、第1の操作部13aがOFFであるか否か(第1の操作部13aから操作信号の入力がないか否か)を判断し、OFFであると判断されるまでステップS103とステップS104の判断処理を繰り返し、OFFである(第1の操作部13aから操作信号の入力がない)と判断する場合には、ステップS105に進む。そして、上記ステップS103においてXリミットフラグがONと判定されたとき、又はステップS104において第1の操作部13aがOFFと判断されたときは、X方向移動モータ240の作動を止めて物体把持装置5の横方向への移動を終了させる(S105)。
次に、景品取得ゲーム装置1の制御部101は、第2の操作部13bがONであるか否か(第2の操作部13bから操作信号の入力があるか否か)を判断し(S106)、ONである(第2の操作部13bから操作信号の入力がある)と判断する場合には、Y方向移動モータ241を作動して物体把持装置5を縦方向に移動させる(S107)。
そして、景品取得ゲーム装置1の制御部101は、縦方向の移動限界距離を示すYリミットフラグがONであるか否か(物品獲得部用基台10の移動範囲を定めるリミットスイッチ9a、9bからの検出信号の入力があるか否か)を判断し(S108)、YリミットフラグがONである(リミットスイッチ9a,9bからの入力信号の検出がある)と判断する場合にはステップS110に進み、ONでない(リミットスイッチ9a、9bからの検出信号の入力がない)と判断する場合には、ステップS109に進む。このステップS109においては、第2の操作部13bがOFFであるか否か(第2の操作部13bからの操作信号の入力がないか否か)を判断し、OFFであると判断されるまでステップS108とステップS109の判断処理を繰り返し、OFFである(第2の操作部13bからの操作信号の入力がない)と判断する場合には、ステップS110に進む。そして、上記ステップS108においてXリミットフラグがONと判定されたとき、又はステップS109において第2の操作部13bがOFFと判断されたときは、Y方向移動モータ241の作動を止めて物体把持装置5の縦方向への移動を終了させる(S110)。
次に、景品取得ゲーム装置1の制御部101は、第3の操作部13cがONであるか否か(第3の操作部13cからの操作信号が入力されたか否か)を判断し(S111)、ONである(第3の操作部13cからの操作信号の入力がある)と判断する場合には、把持モータ50を作動して物体把持装置5のアーム対を開き(S112)、そして、景品取得ゲーム装置1の制御部101は、把持モータ50を駆動させて把持アーム51A,51Bを開きながら、移動基台210の昇降用モータ243を作動させ、支持部7を下方向へ伸ばすことにより物体把持装置5の下降を開始する(S113)。
続けて、景品取得ゲーム装置1の制御部101は、下方向の移動限界距離を示すZリミットフラグがONであるか否か(物体把持装置5の昇降限界を検出する鉛直方向リミットスイッチ11a、11bの検出信号の入力があるか否か)を判断し(S114)、ZリミットフラグがONである(リミットスイッチ11a,11bからの入力信号の検出がある)と判断する場合にはステップS116に進み、ONでない(リミットスイッチ11a、11bからの検出信号の入力がない)と判断する場合には、ステップ115に進む。このステップS115においては、第3の操作部13cがOFFであるか否か(第3の操作部13cからの操作信号の入力があるか否か)を判断し、ONの場合(第3の操作部13cからの操作信号の入力があると判断する場合)は、ZリミットフラグがONになる(鉛直方向リミットスイッチ11a、11bからの検出信号が制御部101に入力される)まで、移動基台210のZ方向移動手段を作動し、物体把持装置5の下降を続ける(S114)。
S115で第3の操作部13cがOFFである(第3の操作部13cからの操作信号の入力がない)と判断する場合には、移動基台210のZ方向移動手段の作動を終了して、物体把持装置5の下降を終了し(S116)、把持モータ50を作動して、把持アーム51A,51Bを閉じる(S117)。ここで、把持アーム51A,51Bによって所望する景品11が把持される動作が実行される。
そして、景品取得ゲーム装置1の制御部101は、Z方向移動手段を作動させ、支持部7のワイヤを巻き取ることで支持部7を上方向へ縮め、物体把持装置5の上昇を開始し(S118)、上方向の移動限界距離を示すZリミットフラグがONであるか否か(物体把持装置5の昇降限界を検出する鉛直方向リミットスイッチ11a、11bからの検出信号の入力があるか否か)を判断し(S119)、ONである(検出信号の入力がある)と判断する場合には、Z方向移動手段の作動を終了させ、物体把持装置5の上昇を終了する(S120)。
そして、景品取得ゲーム装置1の制御部101は、記憶部102に予め記憶されているプログラム(制御情報)に基づき、物体把持装置5を予め定められた位置(ホームポジション)に移動させ(S121)、把持モータ50を作動して把持アーム51A,51Bを開閉して(S122)、景品取得ゲーム装置1の基本的な動作が終了する。
このような構成によれば、遊戯者はプレイにおいて、吊下棒300に吊下された景品11を、把持アーム51A,51Bの先端部に設けられた爪56A,56Bによって引っかけて摺動させて吊下棒300から落下させるように物体把持装置5を操作すると考えられる(図9参照)。この際、吊下棒300には摺動容易性が異なる複数の摺動調整部が設けられているため、景品11が吊下されている位置によって摺動具合が異なり、また景品11が摺動するときの挙動が複雑になるためゲームが単調になり難い。
(実施例2)
本発明の他の実施例による景品取得ゲーム装置1000を実施例2として図10乃至図17を参考に説明する。なお、前記実施例1と同一または対応する部分には、図1乃至図9と同一の符号を用いて前記実施例1と異なる構成のみを説明する。
実施例2においては、景品11を吊下する吊下棒300を支持するためのパイプ部材1031の景品取得ゲーム装置1000に対する取付位置及び方向が実施例1と相違する。そのため、吊下棒300の取付位置及び方向も実施例1と相違している。また、物体把持装置1005における把持方法が異なることにより、景品取得ゲーム装置1000の操作方法及び基本動作が相違する。
景品収容部3の内周には棒状部材を四方に組み合わせた骨組み33が柱状部18Bに掛止され、該骨組み33内において例えば4本のパイプ部材31がパイプ掛止部37によって左右方向に掛止される。柱状部18Bには骨組み33を固定するための固定部28Bが数cm刻みで設けられており、任意の高さに骨組み33を固定することができる。図示例では、2つの高さにおいて、骨組み33が掛止されている。
そして、それぞれの高さにおいて、2本のパイプ部材33に対して実施例1と同様に上部板状部360及び下部板状部370によって吊下棒300が支持されている。吊下棒300は全て前方向に凸となるように固定される。このように固定された吊下棒300には景品11が吊下されている。
吊下棒300に吊下された景品11を取得するためには、遊戯者は景品11を手前方向に移動(摺動)させなくてはならない。そのため、物体把持装置1005の把持方法が実施例1と相違している。把持アーム51A,51Bの基本的な機構は実施例1と同様であるが、実施例2においては把持アーム51A,51Bにさらに図11乃至14に示す上腕部1050A,1050B及び前腕部1060A,1060Bが設けられている。なお、図11乃至14において、上腕部1050A及び前腕部1060Aは自然状態における位置を示し、上腕部1050B及び前腕部1060Bは例えば前方に障害物等があった場合に最後部まで押し下げられたときの位置を示す。
把持アーム51A,51Bの先端部には爪56A,56Bの代わりに上腕部1050A,1050Bを取り付けるための上腕支持部1040A,1040Bがネジ等の固定手段によって固定される。上腕支持部1040A,1040Bは板状部材に把持アーム51A,51Bの下端側と嵌合する嵌合溝が設けられて構成されており、この嵌合溝とネジ等の固定手段とによって把持アーム51A,51Bの下端側を覆うように固定される。上腕支持部1040A,1040Bの上端側(固定手段による固定箇所と反対側)には上腕部1050A,1050Bの一端(上端側)が回動自在に軸着される。
上腕支持部1040A,1040Bと上腕部1050A,1050Bとの回動部分には捩りコイルバネ1030A,1030Bが設けられており、上腕部1050の下端側が前方に突出する方向に付勢されている。
上腕部1050A,1050Bの他端(上腕支持部1040A,1040Bとの軸着部分と反対側)には前腕部1060A,1060Bの一端が回動自在に軸着される。上腕部1050A,1050Bと前腕部1060A,1060Bとの回動部分には捩りコイルバネ1065A,1065Bが設けられており、前腕部1060A,1060Bの前方側が下側に回動する方向に付勢されている。
前腕部1060A,1060Bの他端側(上腕部との軸着部分と反対側)には、実施例1において把持アーム51A,51Bの先端に設けられていた爪56A,56Bがネジ等の固定手段によって固定される。なお、前腕部は上腕部より長く、例えば約2倍程度の長さに形成されている。
図11及び図14における図示例では右側の上腕部1050A及び前腕部1060Aが自然状態における様子を示し、左側の上腕部1050B及び前腕部1060Bが前方に障害物等が存在した場合に上腕部1050B及び前腕部1060Bが最後部まで押し下げられたときの様子を示す。図示例では上腕支持部1040A,1040Bと上腕部1050A,1050Bとの回動角度及び上腕部1050A,1050Bと前腕部1060A,1060Bとの回動角度はいずれもストッパー(図示省略)によって規制され、約90度程度に設定してある。
ここで、図15は物体把持装置1005において把持アーム51A,51Bが閉状態である様子を示す。図11乃至図14に示されたように、把持アーム51A,51Bが開状態において爪56A,56Bが垂直であるため、閉状態では爪56A,56Bがそれぞれ約45度程度回転してしまい爪56A,56B同士が対向していない。景品11の大きさが小さい場合など、閉状態において爪56A,56B同士が対向したほうが好ましいときには、閉状態において爪56A,56B同士が対向するように取付角度を変更しても良い。この場合、把持アームが開状態の場合において、爪56A,56Bが垂直の状態から約45度程度回転することになる。
なお、上記した上腕部1050A,1050B及び前腕部1060A,1060Bは一例であり、これに限定されない。物体把持装置1005は前方の景品11を把持できる構成を有していれば良く、例えば上腕支持部1040A,1040B、上腕部1050A,1050B及び前腕部1060A,1060Bが一体に形成され回動部分がない構成であっても構わない。ただし、この場合には障害物等が存在したときに衝撃等を逃がすための機構が別途必要である。
次に景品取得ゲーム装置1000の基本的な動作の流れを説明する。図16は実施の形態に係る景品取得ゲーム装置1000の動作の流れを示すフローチャートである。なお、景品取得ゲーム装置1000においては、物体把持装置1005の一対の把持アーム51A,51Bを横方向(X方向)の所定位置まで移動させるための第1の操作部1013a、第1の操作部1013aを操作した後に物体把持装置1005の一対の把持アーム51A,51Bを下方向(Z方向)の所定の位置まで移動させるための第2の操作部1013bが設けられている。
景品取得ゲーム装置1の制御部101は、第1の操作部1013aがONであるか否か(第1の操作部1013aから操作信号の入力があるか否か)を判断し(S201)、ONである(入力とある)と判断する場合には、景品取得ゲーム装置1000の制御部101はX方向移動モータ240を作動し物体把持装置1005を横方向に移動させる(S202)。
そして、景品取得ゲーム装置1000の制御部101は、横方向の移動限界距離を示すXリミットフラグがONであるか否か(縦行用可動レール202の移動範囲を定めるリミットスイッチ8a、8bから検出信号の入力があるか否か)を判断し(S203)、XリミットフラグがONである(リミットスイッチ8a,8bからの入力信号の検出がある)と判断する場合にはステップS205に進み、ONでない(リミットスイッチ8a、8bからの検出信号の入力がない)と判断する場合にはステップS204に進む。このステップS204においては、第1の操作部1013aがOFFであるか否か(第1の操作部1013aから操作信号の入力がないか否か)を判断し、OFFであると判断されるまでステップS203とステップS204の判断処理を繰り返し、OFFである(第1の操作部1013aから操作信号の入力がない)と判断する場合には、ステップS205に進む。そして、上記ステップS203においてXリミットフラグがONと判定されたとき、又はステップS204において第1の操作部1013aがOFFと判断されたときは、X方向移動モータ240の作動を止めて物体把持装置1005の横方向への移動を終了させる(S205)。
次に、景品取得ゲーム装置1000の制御部101は、第2の操作部1013bがONであるか否か(第2の操作部1013bから操作信号の入力があるか否か)を判断し(S206)、ONである(第2の操作部1013bから操作信号の入力がある)と判断する場合には、移動基台210の昇降用モータ243を作動して物体把持装置1005を下方向に移動させる(S207)。
そして、景品取得ゲーム装置1000の制御部101は、下方向の移動限界距離を示すZリミットフラグがONであるか否か(物体把持装置1005の昇降限界を検出する鉛直方向リミットスイッチ11a、11bの検出信号の入力があるか否か)を判断し(S208)、ZリミットフラグがONである(リミットスイッチ11a,11bからの入力信号の検出がある)と判断する場合にはステップS210に進み、ONでない(リミットスイッチ9a、9bからの検出信号の入力がない)と判断する場合にはステップ209に進む。このステップS209においては、第2の操作部1013bがOFFであるか否か(第2の操作部1013bからの操作信号の入力がないか否か)を判断し、OFFであると判断されるまでステップS208とステップS209の判断処理を繰り返し、OFFである(第2の操作部1013bからの操作信号の入力がない)と判断する場合には、移動基台210の昇降用モータ243の作動を止めて物体把持装置5の下方向への移動を終了させる(S210)。
S210で物体把持装置1005の下方向への移動が終了すると、把持モータ50を作動して把持アーム51A,51Bを開状態にし(S211)、Y方向移動モータ241を作動して物体把持装置1005を奥方向に前進移動させる(S212)。
そして、景品取得ゲーム装置1000の制御部101は、奥行方向の移動限界距離を示すYリミットフラグがONであるか否か(移動基台210の移動範囲を定めるリミットスイッチ9a、9bからの検出信号の入力があるか否か)を判断し(S213)、ONでない(リミットスイッチ9a、9bからの検出信号の入力がない)と判断する場合には、物体把持装置1005の前進移動を継続する。そして、ONであると判断する場合には、Y方向移動モータ241の作動を止めて物体把持装置1005の奥方向への前進移動を終了させ(S214)、把持モータ50を作動して、把持アーム51A,51Bを閉じる(S215)。ここで、把持アーム51A,51Bに設けられた前腕部によって所望する景品11が把持される動作が実行される。
そして、景品取得ゲーム装置1000の制御部101は、Y方向移動モータ241を作動して、物体把持装置1005を手前方向に後退させ(S216)、縦方向の移動限界距離を示すYリミットフラグがONであるか否か(移動基台210の移動範囲を定めるリミットスイッチ9a、9bからの検出信号の入力があるか否か)を判断する(S217)。ここでONである(検出信号の入力がある)と判断する場合には、Y方向移動モータ241の作動を終了させ、物体把持装置1005の後退を終了し(S218)、把持モータ50を作動して、把持アーム51A,51Bを開閉する(S219)。ここで、把持アーム51A,51Bに設けられた前腕部によって所望する景品11が把持されていた場合には景品が落下し、シューター20Aを介して取出口15に到達する。
そして、景品取得ゲーム装置1000の制御部101は、記憶部102に予め記憶されているプログラム(制御情報)に基づき、物体把持装置1005を予め定められた位置(ホームポジション)に移動させ(S220)、景品取得ゲーム装置1000の基本的な動作が終了する。
このような構成によれば、遊戯者はプレイにおいて、吊下棒300に吊下された景品11を、把持アーム51A,51Bに設けられた前腕部によって引っかけて手前側に摺動させて吊下棒300から落下させるように物体把持装置1005を操作すると考えられる(図17参照)。この際、吊下棒300には摺動容易性が異なる複数の摺動調整部が設けられているため、景品11が吊下されている位置によって摺動具合が異なり、また景品11が摺動するときの挙動が複雑になるためゲームが単調になり難い。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、各実施例は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
例えば、図10では景品取得ゲーム装置1000の左側において上述してきた吊下棒300に吊下された景品を落下させて取得するゲームとなっており、右側においては載置棚1015に載置された景品11a,11bを物体把持装置1005によって載置棚から落下させて取得するゲームとなっている。このように一つの景品取得ゲーム装置において左右で異なるゲーム形態を取ることが可能であり、例えば左側において実施例1に記載したゲーム、右側において実施例2に記載したゲームとしても構わない。
なお、図10における景品取得ゲーム装置1000の右側部分は、第1の操作部1013aによって物体把持装置1005の左右方向の位置を決定し、次いで第2の操作部1013bによって物体把持装置1005の上下方向の位置を決定した後に、制御部101によって自動的に物体把持装置1005が前進する構成でも良いし、上下方向の位置を決定した後にさらに第3の操作部1013cによって前後方向の位置を決定する構成としても良い。物体把持装置1005においては上述の通り上腕部1050A,1050B及び前腕部1060A,1060Bが一定範囲内で回動可能であるため前方に載置された景品11a,11bを把持する際に景品11a,11bに衝突しても、そのときの衝撃を逃がすことが可能となっている。
また、吊下棒300についてステンレス、アルミニウム等の金属材料によって形成される例を示したが、これに限られない。例えば、プラスティック等の樹脂、木材、石材等であっても上述した加工が施せる材料であれば構わない。
本実施例の移動基台210の動きはX、Y、Z方向に直線的に動作するように構成されているが、この動作に限らず、例えば天井部の一点を中心に扇状に水平方向に移動し、Z方向に下降する動きとしても良い。
本実施例では、景品11をアーム(アームの爪)の把持動作により景品を獲得する例を挙げたが、これに限らず、例えば、掴み取る形式、すくい取る形式、押動させる形式、鉤の手錠の部材で引っ掛ける方式など景品を捕獲(取得)できるものであれば良い。