以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る景品取得ゲーム装置について説明する。まず、図1〜図7等を用いて景品取得ゲーム装置1の概略的な構成及びその動作について説明し、その後、景品取得ゲーム装置1における、景品取得部4による押圧機構について説明する。さらにその後、景品載置台および該景品載置台を支持するフレーム等の構成について説明する(図22〜図40参照)。
なお、本明細書でいう「景品」とは、ゲームによってプレイヤーが直接的に取得しうる品物(例えば、ぬいぐるみ等)だけを意味するわけではない。例えば、ゲームでの取得対象として収容されている物品であって取得後に他の景品と交換可能な物品、さらには当該物品(景品)自体の提供は行わず得点や順位を競うために用いるもの等も「景品」に含めて考える。要は、ゲーム後にプレイヤーの所有物になるかどうかに関わらず、取得部を移動・昇降させて取得対象となる物品はすべて本願明細書でいう「景品」に包含される。
<景品取得ゲーム装置の全体構成>
最初に、図1及び図2等を用いて、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の全体の構成について説明する。
景品取得ゲーム装置1は、直方体形状の基台2の上に、景品Pを、プレイヤーに展示した状態で収容するための箱型の景品収容部3を備えた構造となっている(図1参照)。景品収容部3は、景品取得ゲームが展開されるプレイフィールドとなる(以下、「プレイフィールド3」ともいう)。
プレイフィールド3は、その内部に収容され底面等の景品載置部に載置された景品Pをプレイヤーが目視することができるように前面5A及び側面5B,5Cが透明な樹脂又はガラスの板状部材から形成されている。また、プレイフィールド3の背面5Dは、例えば鏡面状の板状部材や内面に装飾が施された板状部材、透明な板状部材により形成されている。柱部材5E、およびこの柱部材5Eと左右対称となるように配置される柱部材は、筐体上部を支える他、側面5Bと背面5D、側面5Cと背面5Dの繋ぎ目となる。柱部材5Eおよびこの柱部材5Eと対称配置される図示しない柱部材は、鏡面状部材や透明部材で形成することで、視覚的に目立たせなくし、プレイフィールド3を広く見せることができる。さらに、プレイフィールド3の前面5Aは、例えば引戸又は観音開き構造にて開閉可能となっている。景品取得ゲーム装置1の管理者(例えばサービス提供側ユーザー)は、この前面5Aから例えばキャラクタ等のぬいぐるみや雑貨等といった景品Pをプレイフィールド3内に収容し、取り出し、さらにはディスプレイ状態を変える(配置や傾き等といった状態を適宜変更する)ことができるようになっている。
プレイフィールド3内には、景品Pを把持するための把持部6を備えた景品取得部4と、該景品取得部4をプレイヤーの操作に応じて水平方向に移動させる手段としての移動装置7と、景品取得部4を昇降させる昇降装置37と、が設けられている(図1、図2等参照)。一例として、本実施形態の景品取得ゲーム装置1においては、プレイフィールド3を左右に等分し、各領域にそれぞれ景品取得部4を配置し、さらに、後述する操作部16を左右にそれぞれ配置し、実質的に2つの景品取得ゲーム装置を有する構成としている。
把持部6は、景品取得部4の内部に設けられているモータ74(図6参照)の回転駆動力に基づいて開閉駆動する左右一対のアーム8を有し、これらアーム8を開閉させることによって景品Pを把持することができるように構成されている。アーム8には、それぞれの先端に爪部材8b(図6等参照)が取り付けられている。把持部6が設けられている景品取得部4は、移動装置7の動作によってプレイフィールド3内を移動するように構成されている。アーム8の把持力は、把持力調整手段70(図6参照)により調整される。
把持力調整手段70において、把持力動作ギア72は円板状の歯車であり、ピニオンギア(図示省略)の歯部と噛み合う歯部がその周縁部に設けられている。把持力動作ギア72の周縁部近傍位置には、所定長の円弧状の長穴部72aが設けられ、この長穴部72aには、巻回ばね73の一端が移動自在に遊挿されている。なお、把持力動作ギア72の回動軸71は、アーム8の回動軸にもなっている。
巻回ばね73は、把持力動作ギア72の回動軸71の回りに巻回され、その一端が折り曲げられて把持力動作ギア72の長穴部72a内に移動自在に遊挿され、その他端73bが折り曲げられてアーム8に係止(固定)されている。また、巻回ばね73の一端は、把持力動作ギア72の長穴部72aの端部に接触可能とされ、これにより、把持力動作ギア72の回転力が巻回ばね73に伝達されるようになっている。
モータ74は、制御部30から送出される制御信号に基づいて駆動制御されることにより、所定の出力軸を回動させる。モータ74により発生した回転力は、ピニオンギア(図示省略)、把持力動作ギア72及び巻回ばね73を介してアーム8に伝達される。ピニオンギアは、モータ74の出力軸に取り付けられて該出力軸を中心に回動する。ピニオンギアは、把持力動作ギア72の歯部と噛み合う歯部を有している。これらモータ74及びピニオンギアは、把持力動作ギア72を回動させる。
移動装置7は、プレイフィールド3の内部上方に横方向(側面5Bと側面5Cとを結ぶ方向であり、以下「X方向」と称することがある)と平行に固定配置された複数のX方向移動用固定レール9と、これらX方向移動用固定レール9にスライド自在に、かつ縦方向(前面5Aと背面5Dを結ぶ方向であり、以下「Y方向」と称することがある)と平行に取り付けられたY方向移動用可動レール10と、Y方向移動用可動レール10にスライド自在に取り付けられた景品取得部用基台12と、景品取得部用基台12の鉛直方向(以下「Z方向」と称することがある)下側に取り付けられた伸縮自在の支持部11と、を有する構造となっている(図2参照)。景品取得部4は、支持部11の下端部に取り付けられている。
Y方向移動用可動レール10は、X方向移動用モータ13Xの回転出力に基づきX方向移動用固定レール9に沿って横方向(X方向)に移動することができるように構成されている。また、景品取得部用基台12は、Y方向移動用モータ13Yの回転出力に基づきY方向移動用可動レール10に沿って縦方向(Y方向)に移動することができるように構成されている。また支持部11は、Z方向移動用モータ13Z(図3参照)の回転出力に基づいて伸縮することができるように構成されている。本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、以上のような構成のX方向移動用モータ13X、Y方向移動用モータ13Y及びZ方向移動用モータ13Zを適宜作動させることにより、景品取得部4をプレイフィールド3内の所望位置に移動させ得るようになっている。
また、基台2の前側には、操作用卓であるコントロールパネル14が設けられている(図1参照)。コントロールパネル14には、ゲームを行う際にコインを投入するためのコイン投入口15と、ゲーム時にプレイヤーが景品取得部4をX方向の所望位置に移動させる操作を入力するための第1の操作ボタン16Aと、その後プレイヤーが景品取得部4をY方向の所望位置にまで移動させる操作を入力するための第2の操作ボタン16Bと、からなる操作部(操作手段)16が設けられている。操作部16は、ジョイスティック等の他の操作手段により構成することも可能である。さらに、Z方向への移動を指示する第3の操作ボタンが操作部16に設けられてもよい。このような第3の操作ボタンが設けられている場合、プレイヤーは、景品取得部4をX方向およびY方向へ移動させることなく、当該第3の操作ボタンを操作して景品取得部4を昇降させることも可能である。
なお、プレイヤーが下降ボタンのみを押すことによって景品取得部4を下降操作する景品取得ゲーム装置1であってもよい。例えば、プレイフィールド3上のターンテーブル(図示省略)に景品Pを載置しておき、景品取得部4が景品Pに到達するタイミングをみて、下降ボタンを押すことで景品Pを取得するゲーム装置とすることが可能である。
さらに、基台2の前面側には、プレイフィールド3内の所定位置に開口された景品投入ガイド17に連通する景品取出口18が設けられている(図1参照)。把持部6により把持された状態で搬送され、あるいは転がされて景品投入ガイド17内に落とされた景品Pは、景品取出口18から取り出すことができる。なお、景品投入ガイド17は、ある箇所に定置されていてもよいし、複数箇所の中で管理者(例えばサービス提供側ユーザー)が自由に設定できるようになっていてもよい。
また、基台2の前面側には、開閉扉19が設けられている(図1参照)。この開閉扉19を開いた内側には、景品取得ゲーム装置1の全体を制御する制御部30(図3参照)等を備えたメインボードが収納されている。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1では、景品取得部4の初期位置(ゲーム開始時及び終了時における景品取得部4のデフォルトの位置(ホームポジション))が管理者(例えばサービス提供側ユーザー)によって自由に設定できるようになっている。また、本実施形態においては、X軸、Y軸及びZ軸の原点(X方向、Y方向及びZ方向それぞれの座標が0となる位置)が景品取得部4の初期位置(スタートポジション)にあるものとする。
次に、図3等を用いて、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の内部構成(機能的構成)について説明する。景品取得ゲーム装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)からなるマイクロコンピュータによって構成された制御部30と、例えば不揮発性メモリからなる記憶部31と、現在時刻をカウントするタイマ32と、を有している。
制御部30からは、ゲーム中にプレイヤーによりコントロールパネル14(図1参照)の操作部16(第1の操作ボタン16Aや第2の操作ボタン16B)が押圧されたときに、これに応じた操作信号S1(操作情報)が送出されるようになっている。
また、移動装置7には、景品取得部4のX方向の位置を検出するX方向位置検出手段、Y方向の位置を検出するY方向位置検出手段及びZ方向の位置を検出するZ方向位置検出手段として、景品取得部4のX方向、Y方向の原点位置及び移動限界位置、ならびにZ方向原点側の移動限界位置に各々配置されたリミットスイッチ33が設けられている。これらリミットスイッチ33は、景品取得部4が、X方向、Y方向の原点位置又はX方向、Y方向の移動限界位置、あるいはZ方向原点側の移動限界位置にまで移動したときに、これに応じた移動限界検出信号S2を制御部30に送出するようになっている。
さらに、景品取得部用基台12の昇降装置37に設けられた下降停止装置43において、景品取得部4が下降してプレイフィールド3あるいは景品Pに達したとき、これに応じた底付き検出信号S3が制御部30に送出されるようになっている。
制御部30は、これら操作信号S1及び移動限界検出信号S2に基づいて、プレイヤーによる第1及び第2の操作ボタン16A,16Bの操作に応答したゲーム動作を景品取得ゲーム装置1に実行させることができるようになっている。さらに、本実施形態の制御部30は、操作部16から送出される操作信号S1に基づいて、把持部6の内部に設けられたモータ74(図6参照)を駆動制御することにより、左右一対のアーム8を開閉させて、把持部6に景品Pを把持させる動作を行わせる。
<景品取得ゲーム装置の動作の概要>
続いて、図4及び図5に示すフローチャート等を用いて、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の動作について説明する。
制御部30は、予め設定された1プレイ(あるいは例えば3プレイ)分の所定枚数のコインがコイン投入口15(図1参照)に投入されたことを認識すると、図4に示す景品取得ゲーム実行処理手順RT1をステップSP0において開始し、続くステップSP1において、コントロールパネル14の第1の操作ボタン16Aが押圧されるのを待ち受ける。
また、制御部30は、やがてプレイヤーが第1の操作ボタン16Aを押圧したことを第1の操作ボタン16Aからの操作信号S1に基づいて認識すると、ステップSP2に進んで、移動装置7(図2参照)のX方向移動用モータ13Xを作動させ、初期状態においてスタートポジション(原点)に位置していた景品取得部4のX方向における移動を開始させる。
次いで、制御部30は、ステップSP3に進んで、X方向のリミットスイッチ33(図3参照)からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部4がX方向の移動限界位置にまで移動し終えたか否かを判断する。また、制御部30は、続くステップSP4において、第1の操作ボタン16Aからの操作信号S1に基づいて、第1の操作ボタン16Aの押圧が解除されたか否かを判断する。そして制御部30は、これらステップSP3及びステップSP4においてともに否定結果を得ると、ステップSP3に戻る。
これに対し、制御部30は、ステップSP3又はステップSP4の何れかにおいて肯定結果を得ると、ステップSP5に進んで、移動装置7のX方向移動用モータ13Xを停止させて景品取得部4のX方向における移動を終了させ、この後ステップSP6に進んで、コントロールパネル14の第2の操作ボタン16Bが押圧されるのを待ち受ける。
そして、制御部30は、第2の操作ボタン16Bが押圧されたことを第2の操作ボタン16Bからの操作信号S1に基づいて認識すると、ステップSP8において、移動装置7のY方向移動用モータ13Yを作動させて景品取得部4のY方向における移動を開始させる。
この後、制御部30は、ステップSP9に進んで、Y方向のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部4がY方向の移動限界位置にまで移動し終えたか否かを判断する。また制御部30は、続くステップSP10において、第2の操作ボタン16Bからの操作信号S1に基づいて、第2の操作ボタン16Bの押圧が解除されたか否かを判断する。そして制御部30は、これらステップSP8及びステップSP9においてともに否定結果を得ると、ステップSP9に戻る。
これに対し、制御部30は、ステップSP9又はステップSP10の何れかにおいて肯定結果を得ると、ステップSP12において、移動装置7のY方向移動用モータ13Yを停止させて把持部6のY方向における移動を終了させる。
次いで、制御部30は、ステップSP13に進んで、把持部6のモータ74(図6参照)を作動させて、把持部6のアーム8を開かせる。そして、制御部30は、この後ステップSP14に進んで、移動装置7のZ方向移動用モータ13Z(図3参照)を作動させて景品取得部4の下降を開始させ、さらにこの後ステップSP15に進んで、景品取得部4がZ方向の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受ける。
次いで、制御部30は、Z方向のスイッチとして機能する下降停止装置43からの検出信号S3に基づき(図3参照)、景品取得部4がZ方向の移動限界位置にまで移動し終えたことを認識すると、ステップSP16に進んで、移動装置7のZ方向移動用モータ13Zを停止させて景品取得部4の下降を終了させる。この後、制御部30は、ステップSP17に進んで、把持部6のモータ74を作動させてアーム8を閉じさせることにより、景品Pを把持する動作を行わせる。
次いで、制御部30は、ステップSP18に進んで、移動装置7のZ方向移動用モータ13Zを作動させて景品取得部4の上昇を開始させ、この後ステップSP19に進んで、景品取得部4がZ方向原点側の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受ける。そして、制御部30は、Z方向原点側のリミットスイッチ33からの移動限界検出信号S2に基づいて、把持部6がZ方向の移動限界位置にまで移動し終えたことを確認すると、ステップSP20に進んで、移動装置7のZ方向移動用モータ13Zを停止させて景品取得部4の上昇を終了させる。
次いで、制御部30は、ステップSP21に進んで、移動装置7のX方向移動用モータ13X、Y方向移動用モータ13Yを作動させ、景品投入ガイド17の位置へ向けて景品取得部4の縦方向および横方向への移動を開始させる。
次いで、制御部30は、景品取得部4が景品投入ガイド17の位置に到達したかどうかを判断し(ステップSP22)、到達したと判断したら、把持部6のモータ74を作動させてアーム8を開閉させる(ステップSP23)。
この後、制御部30は、ホームポジション(ゲーム開始時および終了時における景品取得部4のデフォルトの位置)に向けて景品取得部4を縦方向および横方向へ移動させ(ステップSP24)、ホームポジションに到達したと判断したら(ステップSP25)、この景品取得ゲーム実行処理手順RT1を終了する(ステップSP26)。
かくして、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、把持部6のアーム8によって景品Pを把持する(景品Pの一部を引っ掛けて持ち上げるような場合を含む)ことができた場合に、景品Pを把持した状態で景品投入ガイド17上にまで運び、その後景品Pの解放動作を実現させて景品投入ガイド17内に景品Pを落下させることができる。あるいは、把持部6のアーム8によって景品Pを把持することができなくても、当該景品Pを転がしたりずらしたりして景品投入ガイド17内に落下させることも可能である。この結果、プレイヤーは景品Pを景品取出口18から取り出して取得することができる。
<景品取得ゲーム装置1の構成>
次に、図7〜図20を用いて、本発明の第1の実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の構成について説明する。ここでは図1に示したプレイフィールド3の所定位置に開口した景品投入ガイド17と異なり、プレイフィールド3の手前隅に立設された筒状の景品投入ガイド17となっている。本発明に係る景品取得ゲーム装置1は、景品取得部4によって景品Pを積極的に下方へと押圧する際の押圧力を適宜設定することを可能とし、ひいては筒状の景品投入ガイド17の景品落し口17aに景品Pを引っ掛けておくといったように多様化するレイアウトにも対応した動作を行い得るようにしたものである。
ここで、まず、景品取得部4を支持しつつ昇降させるための支持部11等の構成について説明する(図7等参照)。
支持部11は、複数個のパイプを入子式に嵌合させてなる伸縮管として構成されている。この伸縮管は、順次小径となる4本のパイプ11a,11b,11c,11dを入子式に摺動自在に嵌合させたもので、各パイプ11b,11c,11dの周面に突出形成されたストッパー22,22,22を、外側の各パイプ11a,11b,11cに軸方向に沿って形成された溝23,23,23に係合させることにより、各パイプ11a,11b,11c,11dが回転したり、抜け落ちない構造としてある(図7参照)。パイプ11aの上端側は景品取得部用基台12に固定されており、パイプ11b,11c,11dが昇降可能に摺動する。最下位のパイプ11dの下端には、カプラ35のボス35aが嵌入固定されている。このカプラ35の先には、ブラケット36を介して景品取得部4が連結されている(図6、図10参照)。景品取得部4が上側にある状態では、入子になっているパイプ11b、11c、11dの荷重が景品取得部4にかかっている。景品取得部4が下降するに従って、パイプ11bのストッパー22がパイプ11aの溝23の下端に達することで、パイプ11bの荷重がパイプ11aによって支持され、続いてパイプ11cの荷重がパイプ11bによって支持され、さらにその後、パイプ11dの荷重がパイプ11cによって支持された状態となる。従って、下降時にはパイプ11b、11c、11dの荷重が景品取得部4に作用し、景品取得部4の下降に従ってパイプ11b、11c、11dの順にパイプの荷重がパイプ11aに吊り下がり作用する。
また、景品取得部4を上下に昇降させるための昇降手段としての昇降装置37は、景品取得部用基台12に搭載された巻取り巻戻し装置39と、この巻取り巻戻し装置39によって巻き取られるワイヤー40とからなる。ワイヤー40は、支持部11の内側を通過するようになっている(図7参照)。巻取り巻戻し装置39は、ワイヤーモータ41と、ウォームギアなどからなる減速ギア機構(図示省略)と、ワイヤー巻取りプーリ42と、下降停止装置43とを含む構成となっている。景品取得部4が最下部に降下した場合には、4本のパイプ11a,11b,11c,11dの荷重は景品取得部4に掛からず、ワイヤー40に掛かる荷重は景品取得部4と幾分かのケーブル64の荷重のみとなる。
下降停止装置43は、景品取得部4が下降して景品Pやプレイフィールド3の底に衝突ないし接触した際、ワイヤー40のテンションの変化(例えば弛みが生じた際の引張り力の減少)に基づき当該景品取得部4が底付き状態になったことを検出し、該検出信号(S3)に基づき、景品取得部4の下降を停止させる装置である。例えば本実施形態における下降停止装置43は、ドグ回転軸46を中心として揺動可能な揺動アーム47と、リフトダウンセンサドグ47aと、揺動アーム47に回転可能に支持されているテンションプーリ45と、該テンションプーリ45をワイヤー40に押し付けるようにして、景品取得部4を吊り上げる方向へ揺動アーム47を付勢するコイルばね(トーションばね)48と、リフトダウンセンサ55と、を含む構成となっている(図10等参照)。
なお、ここでは、下降停止装置43として、景品取得部4が底付き状態となったことの検出信号(S3)に基づき景品取得部4の下降を停止させる装置を例示したが、これは好適例にすぎず、これ以外の構成の下降停止装置43を利用することもができる。例えば、景品取得部4が底付き状態となるまでの下降量に対応したワイヤーモータ41の回転時間あるいは回転数をあらかじめメモリしておき、当該ワイヤーモータ41の回転時間あるいは回転数をパラメータとして景品取得部4が下降を制御することとしてもよい。
ワイヤー40は、ワイヤー巻取りプーリ42から繰り出され、テンションプーリ45の一側を通過してから支持部11の内側に導入され、パイプ11dの出口端のところでパイプ内を上下動可能な円柱状のコネクタ63に結合されている。このコネクタ63は、中心に受け孔63aを有し、この受け孔63aの中にスイッチ作動子61を下端に固着した心棒62の上端が結合されている(図7参照)。なお、図7中における符号64はモータ74に給電するケーブルである。
リフトダウンセンサドグ47aは、揺動アーム47の自由端に形成された被検出片であり、揺動アーム47とともに揺動する。このリフトダウンセンサドグ47aの揺動可能範囲中で最下点となる位置には、リフトダウンセンサ55が配置されている。
リフトダウンセンサ55は例えば光センサで構成されており、光が遮られているか否かによってリフトダウンセンサドグ47aが上がった状態か、下がった状態かを検出する。
景品取得部4が景品Pやプレイフィールド3の底に衝突ないし接触して底付き状態となると、ワイヤー40のテンションが緩くなる結果、コイルばね48の作用により揺動アーム47が上方へ揺動する。このとき、リフトダウンセンサ55を遮光していたリフトダウンセンサドグ47aも一緒に上方へ揺動するので、底付き状態となったことをリフトダウンセンサ55によって検出することができる。
(吊上付勢力変更手段90)
さらに、本実施形態の景品取得ゲーム装置1は、吊上付勢力変更手段90を備えている。吊上付勢力変更手段90は、コイルばね48による吊り上げ方向への付勢力を変更するための手段である。このような吊上付勢力変更手段90の具体的構成は特に限定されないが、本実施形態における吊上付勢力変更手段90は、可動抑え板部材91と、調整ツマミ92とで構成されている(図11等参照)。
可動抑え板部材91は、ドグ回転軸46に回転可能に取り付けられている板状部材であり、コイルばね48の端部が当接するように配置されている。ここで、コイルばね48は、その一端(固定端)が揺動アーム47に引っ掛けられて固定され、尚かつ、他端(自由端)が可動抑え板部材91に引っ掛けられる等した状態となっている(図10等参照)。このため、可動抑え板部材91をドグ回転軸46を中心に回転させると、回転量に応じてコイルばね48の付勢力(すなわち、テンションプーリ45をワイヤー40に押し付けるようにして、景品取得部4を吊り上げる方向へ揺動アーム47を付勢する際の当該付勢力)の強弱が変化する。
ここでテンションプーリ45によりワイヤー40を吊り上げる力は、アーム8の重さを含む景品取得部4の荷重よりも小さい力(景品取得部の重さ未満の力)としてある。このため、本実施形態では、アーム8を含む景品取得部4の荷重を、テンションプーリ45によりワイヤー40を吊り下げる力よりも軽減することとしている。景品取得部4がプレイフィールド3の最下部に到達した場合では、支持部11のパイプ11a,11b,11c,11dの重さが掛からなくなり、この場合でも景品取得部4の自重で下降可能にしてある。
また、テンションプーリ45によりワイヤー40を吊り下げる力を、アーム8の重さを含む景品取得部4の荷重よりも僅かに小さい力とすることもできる。こうした場合には、景品取得部4が底付き状態となったとき、該景品取得部4から作用する荷重(例えば、景品取得部4から景品Pに作用する押込み力)が微小なものとなる。
なお、景品取得部4がプレイフィールド3の最下部に到達した場合は、上述したように、支持部11の4本のパイプ11a,11b,11c,11dの荷重が景品取得部用基台12によって支持され、これらパイプの荷重が景品取得部4に作用しない状態となる。本実施形態では、このような状態となっても、景品取得部4の自重で下降可能となるように設定してある。
調整ツマミ92は、可動抑え板部材91の角度を変化させるための部材であり、回転量に応じて先端部92aの位置を変位させるネジ機構からなる。先端部92aは、可動抑え板部材91の外側面に当接し、コイルばね48の反発力に抗して押さえ付けた状態となっている。
また、調整ツマミ92は、景品取得部用基台12の側板(外装部材)12aに取り付けられた例えばチャネル形状のツマミ支持部材93により、好ましくは2箇所で回転可能に支持されている(図11、図12等参照)。図示していないが、もちろん、調整ツマミ92は、景品取得部用基台12の側板(外装部材)12aおよび該側板12aの内側に取り付けられたチャネル形状のツマミ支持部材93によって支持されていてもよい。いずれの場合も、調整ツマミ92のツマミ部92bは、側板12aの外側に位置した状態となっている(図11、図12等参照)。このように、調整ツマミ92のツマミ部92bが側板12aの外側に位置していると、景品取得ゲーム装置1の管理者(例えばサービス提供側ユーザー)は、景品取得部用基台12の外側からツマミ部92bを摘んで当該調整ツマミ92を操作できるため付勢力の変更が行いやすい。しかも、ネジ機構からなる調整ツマミ92によれば、コイルばね48の付勢力を無段階で変更することができる。
(吊上付勢力変更手段90を用いた付勢力の変更動作)
このような吊上付勢力変更手段90を用いた付勢力の変更動作について説明する。
調整ツマミ92を正転させて先端部92aを前進させると、可動抑え板部材91が押し込まれ、コイルばね48の付勢力が増大して「ばね強」の状態となる(図15、図16参照)。そうすると、景品取得部4を吊り上げる方向へ揺動アーム47を付勢するコイルばね48の付勢力が増大することとなる結果、揺動アーム47およびワイヤー40を介して景品取得部4自体に作用する吊り上げ方向への付勢力も増大することとなる。
一方、調整ツマミ92を逆転させて先端部92aを後退させると、可動抑え板部材91は該調整ツマミ92の方へ戻り、コイルばね48の付勢力が減少して「ばね弱」の状態となる(図13、図14参照)。そうすると、景品取得部4を吊り上げる方向へ揺動アーム47を付勢するコイルばね48の付勢力が減少することとなる結果、揺動アーム47およびワイヤー40を介して景品取得部4自体に作用する吊り上げ方向への付勢力も減少することとなる。
このようにして景品取得部4自体に作用する吊り上げ方向の付勢力が変われば、底付き状態となったときに景品取得部4から景品Pに作用する押込み力の大きさも変わる。したがって、本実施形態の景品取得ゲーム装置1においては、コイルばね48の付勢力を変更することによって景品Pに作用する押込み力を適宜変更することが可能である。以下、具体例を挙げつつ説明する。
近年、プレイフィールド3における景品Pのレイアウトはますます多様化しており、例えば、景品落し口17aに景品Pを引っ掛けておき、該景品Pを景品取得部4によって積極的に下方へと押圧することで取得できるようにしたレイアウト(図8、図9参照)、アーム8の開きよりも幅広の景品Pをその一部が景品載置台(図17等において符号20で示す)からはみ出すように設置しておき、景品Pの所定箇所を押圧する等により傾かせたりずらしたりして最終的に景品載置台20から落とすことによって取得できるようにしたレイアウト(図17等参照)などがある。こういったレイアウトの多様化に応じ、景品取得部4から景品Pへの押圧力を作用させる際の力の大きさを適宜変更することができれば、押圧時における景品Pの動作や態様を変えるとともに、景品Pの取得率(いわゆるペイアウト率)を適宜コントロールすることも可能となる(図8、図9等参照)。
例えば、上述のようにコイルばね48の付勢力を減少して「ばね弱」の状態とした場合(図13参照)、景品取得部4が底付き状態となったとき(図14参照)に景品取得部4自体に作用する吊り上げ方向への付勢力が減少していることから、相対的に、景品取得部4から景品Pに作用する荷重の大きさは大きくなる。したがって、「ばね弱」状態とすれば、押込み力を「強」に設定した状態となる(図18参照)。
一方、コイルばね48の付勢力を増大して「ばね強」の状態とした場合(図15参照)、景品取得部4が底付き状態となったとき(図16参照)に景品取得部4自体に作用する吊り上げ方向への付勢力が増大していることから、相対的に、景品取得部4から景品Pに作用する荷重の大きさは小さくなる。したがって、「ばね強」状態とすれば、押込み力を「弱」に設定した状態となる(図19参照)。また、このように押込み力を「弱」に設定した状態では、コイルばね48の付勢力の大きさによるが、景品取得部4の重さ未満にまで押込み力を減少させること、はたまた、景品取得部4の重さに比して押込み力を大きく減少させることが可能である。
また、景品取得ゲーム装置として、景品Pの形状や大きさの変更、レイアウトの変更、景品投入ガイド17(景品落し口17a)の位置変更等に応じ、アーム8の大きさを自在に変えられるようにしたものがある(図20参照)。アーム8の大きさを変えると、景品取得部4の総重量も変わる。この点、本実施形態の景品取得ゲーム装置1においては、景品取得部4の総重量が変わった場合に、コイルばね48の付勢力を適宜変更することによって、景品取得部4から景品Pに作用する押込み力を調整することができる。
ここまで説明したように、景品取得部4によって景品Pを積極的に下方へと押圧する構成の景品取得ゲーム装置1である場合に、本実施形態においては、景品Pに対する景品取得部4の押圧力を調整すること、とりわけ景品取得部の重さ未満に軽減することができる。また、アーム8を変更する等して景品取得部4全体の重さが変わった場合でも変わる前の押圧力に調整することができる。しかも、景品取得ゲーム装置1の管理者(例えばサービス提供側ユーザー)にとってみれば、景品取得部用基台12の側板12aの外側に位置したツマミ部92bを回すことによって調整ツマミ92を操作することができ、筐体をいちいち着脱するといった煩わしい作業を経る必要がないので簡便である。また、上述のようにネジ機構を利用した構成の吊上付勢力変更手段90によれば、所望程度の付勢力が得られるように細かに変更しながら無段階調整することができる。
なお、上述した実施形態における吊上付勢力変更手段90は、ネジ機構を含む調整ツマミ92を利用して無段階調整できるようにしたものの一例であったが、この他の構成とすることもできる。例えば、側板12aに係止用孔、係止用溝、あるいは係止用突起といったばね係止手段を複数設けておき、コイルばね48の端部48aを係止する箇所を手動で段階的に位置決めし、当該変更した位置に応じてコイルばね48の付勢力が変わるようにした構成とすることができる(図21参照)。このような吊上付勢力変更手段90は、数段(数通り)の調整が可能であって無段階調整はできないが、比較的簡便な構成で吊上付勢力変更手段90を構築することができるという利点がある。なお、図21においては係止手段を具体的に示していないが、要は、上述した孔、溝、突起など、コイルばね48の端部を引っ掛ける等してその位置を段階的に変えることができるものであればよい。
<景品載置台および該景品載置台を支持するフレーム等の構成>
本実施形態の景品取得ゲーム装置1は、昇降可能な複数の景品載置台を備えており、これら景品載置台によって、景品Pをレイアウトするための複数の景品展示エリアAを構成している。以下、具体例を示しつつ、景品載置台の構造について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、上述したY方向の遊戯者寄りを「手前側」、その反対側を「奥側」と称することとする。
<景品載置台の構成例(その1)>
本例では、プレイフィールド(景品収容部)3の奥側に第1の景品載置台(以下、リア景品載置台ともいう)100を設け、このリア景品載置台100の手前側に第2の景品載置台(以下、フロント景品載置台ともいう)200を設けている(図22等参照)。リア景品載置台100とフロント景品載置台200は、同時に同量昇降させることができ(図22、図23参照)、尚かつ、フロント景品載置台200のみを昇降させることができるように設けられている(図24参照)。したがって、景品取得ゲーム装置1の管理者(例えばサービス提供側ユーザー)は、リア景品載置台100とフロント景品載置台200を所望の高さに設定し、これらリア景品載置台100およびフロント景品載置台200を使って、キャラクタ等のぬいぐるみや雑貨等といった景品Pを種々の態様でレイアウトしてプレイヤー等の興味を惹くように、あるいはゲームの興趣性が向上するようにディスプレイ状態を変える(配置や傾き等といった状態を適宜変更する)ことができる。
リア景品載置台100は、第1の景品展示用配置手段を構成する台で、高さ可変に設けられている。本例のリア景品載置台100は、載置台支持部材300に対して昇降可能に設けられている。
(載置台支持部材300)
載置台支持部材300は、リア景品載置台100を支持するために設けられている部材である。本例における載置台支持部材300は、左右一対の板状の部材によって構成されており、プレイフィールド3の下部において、手間側から奥側をみて左右にそれぞれ配置されている(図22、図23等参照)。ここでは特に図示していないが、載置台支持部材300は、基台2に対して直接あるいは図示しないフレームなどを介して取り付けられている。載置台支持部材300には、位置決め用切り欠き部310、リアレールガイド用ローラ304が設けられている(図26等参照)。
位置決め用切り欠き部310は、リア景品載置台100の高さを決める段部を構成しているもので、後述するロック部材160のロック爪(ストッパー)166が係止した状態となる複数段の谷部310bと、これら谷部310bの間に形成された複数段の山部310aとを備えている(図29等参照)。位置決め用切り欠き部310における谷部310bは、当該谷部310bに入り込んだロック爪166が簡単に外れない深さと形状を備えるように形成されている。また、山部310aは、ロック爪166をいずれかの谷部310bへと円滑に誘導する滑らかな形状とされている(図25等参照)。
リアレールガイド用ローラ304は、リア景品載置台100のリア昇降レール110を鉛直方向にのみスライド可能に案内する部材である。リアレールガイド用ローラ304は、載置台支持部材300の内側面に、少なくとも2つが上下に配置された状態となっている(図25等参照)。なお、本例ではローラと称しているが、載置台支持部材300に対して回転不可能に取り付けられ、ローラとは呼べない単なる円柱形状のガイドとなっていたとしても、リア昇降レール110を支障なくスライドするようにガイドするものであれば問題ない。
なお、ここでは、リア景品載置台100を昇降させるための昇降機構(リア昇降機構101)の構成例として、固定配置されたリアレールガイド用ローラ304、リア昇降レール110を示したが、もちろんこれは好適な一例にすぎない。例えば、固定配置されたレールと、該レールに沿って昇降する昇降ローラとを含むスライド機構を利用してリア景品載置台100を昇降させてもよく、要は、リア景品載置台100を支障なく昇降させ得る構成であれば特に限定されることはない。
(リア景品載置台100)
このような載置台支持部材300に対して昇降可能に設けられる本例のリア景品載置台100には、リア昇降レール110、縦フレーム120、横フレーム130,140、第1の高さ変更手段150、後方フレーム180等が設けられている。
リア昇降レール110は、リアレールガイド用ローラ304に案内され鉛直方向にスライド可能な部材である。本例のリア昇降レール110は、リアレールガイド用ローラ304を囲繞するように断面チャネル形状あるいはこれに近似した形状に形成されており(図26参照)、リアレールガイド用ローラ304から外れ落ちることなくスライドする。
縦フレーム120、横フレーム130,140は、リア景品載置台100の下部枠体を構成する部材である。これら縦フレーム120、横フレーム130,140は上述のリア昇降レール110と組み合わされて、一体的に昇降するようになっている(図25等参照)。
第1の高さ変更手段150は、上述したリア昇降レール110等の他、リア景品載置台100をある高さに保持するロック部材160等によって構成されており、リア景品載置台100の高さを変更することを可能とする。本例のロック部材160は、ロックレバー162、シャフト164、ロック爪166で構成されている。
ロック部材160のロックレバー162は、景品取得ゲーム装置1の管理者(例えばサービス提供側ユーザー)等がロック状態と非ロック状態とを切り換えるための手動入力機器である。本例では、リア景品載置台100の左右の横フレーム130,140上であってリア昇降レール110の直上となる位置にそれぞれロックレバー162を設けており、これら左右のロックレバー162の両方のロックを解除しなければリア景品載置台100を昇降させることができないようになっている(図25、図27等参照)。
ロック部材160のシャフト164は、ロックレバー162の動きを伝達してロック爪166を回動させる部材である。本例のシャフト164は、リア昇降レール110の内側に鉛直に配置された中実または中空の長尺鋼製部材からなる。なお、特に図示していないが、シャフト164を軸支する軸受が併設されている。
ロック部材160のロック爪(係止部材)166は、載置台支持部材300に形成された位置決め用切り欠き部310に係止してロックした状態となり、リア景品載置台100の高さを決定する。本例のロック爪166は、シャフト164の下端部から水平方向に突出した突起からなり、ロックレバー162の操作に伴って旋回する。
このようなロック部材160の動作について説明する。ロック状態のとき、ロック爪166はプレイフィールド3の外側を向き、位置決め用切り欠き部310のいずれかの谷部310b(一例として、最も下の谷部310b)に入り込んで係止した状態(ロック状態)となっている(図27参照)。このようなロック状態のとき、リア景品載置台100は昇降することができない。
このようなロック状態において、ロックレバー162をプレイフィールド3の内側へ向け90°程度回転させると、ロック爪166も同様にプレイフィールド3の内側へ向け90°程度回転する(図28参照)。そうすると、このロック爪166は位置決め用切り欠き部310の谷部310bから脱してロック状態を解除する。このようなロック解除状態のとき、リア景品載置台100は昇降可能となる。
リア景品載置台100を所望の高さにまで上昇または下降(一例として、最も高い位置まで上昇)させたら、ロックレバー162をプレイフィールド3の外側へ向け90°程度回転させる。そうすると、ロック爪166も同様にプレイフィールド3の外側へ向け90°程度回転し、位置決め用切り欠き部310のいずれかの谷部310b(一例として、最も上の谷部310b)に係止してロック状態となる(図29参照)。これにより、リア景品載置台100は再び昇降不可能な状態となる。
なお、景品取得ゲーム装置1の管理者(例えばサービス提供側ユーザー)等が、リア景品載置台100の高さを変更した後でロックレバー162を回転してロック状態にしたとしても、位置決め用切り欠き部310のいずれかの谷部310bにロック爪166がすんなりと入り込むとは限らず、むしろ、いずれかの山部310aに当接することのほうが多いはずである。このとき、管理者等は、ロック爪166がいずれか近傍の谷部310bに入り込むように宛がいながらリア景品載置台100の高さを微調整すると考えられる。さて、上述したように、本例では、山部310aが、ロック爪166をいずれかの谷部310bへと円滑に誘導する滑らかな形状となっていることから、リア景品載置台100の高さを微調整する際、ロック爪166をいずれかの谷部310bへと円滑かつ速やかに誘導しやすい。このため、本例の高さ変更手段150によれば、第1の景品載置台100の高さ変更時の位置決めが行いやすい。
以上の動作は、プレイヤーが景品取得ゲーム装置1に向かった状態で右側(X方向のマイナス側)に配置されたロック部材160を例に説明したものである。左側のロック部材160については、向きが逆になるだけで操作や動作は同様であるため省略する。
(フロント景品載置台200)
続いて、フロント景品載置台200はについて説明する。フロント景品載置台200は、リア景品載置台100に対する相対高さが可変に設けられた台からなる。このフロント景品載置台200は、その両側をサイドフレーム240、手前側を前方フレーム280によって支持されている。また、フロント景品載置台200には、昇降機構(フロント昇降機構201)、第2の高さ変更手段250、第2のロック部材260等が設けられている。
フロント昇降機構201の詳細な構成は限定されないが、本例では、上述したリア昇降レール110に対し、サイドフレーム240を介してフロント景品載置台200を昇降可能に設けている。より具体的な構成例を示すと、本例では、フロント景品載置台200の両側のサイドフレーム240に、リア景品載置台100に向けて伸びる一対のローラ保持片210を設け、さらに、このローラ保持片210の先端付近の内側に昇降ローラ220を設けている(図31参照)。昇降ローラ220は、リア昇降レール110の内部に収容された状態で当該リア昇降レール110内にて鉛直方向にガイドされて昇降可能である(図34参照)。これにより、サイドフレーム240は、ローラ保持片210および昇降ローラ220と一体的に昇降する昇降スライド部材(第2の昇降部材)を構成している。
フロント昇降機構201は以上でも足りるが、本例では、別の昇降レール(フロント昇降レール)230をさらに設けている。フロント昇降レール230は、フロント景品載置台200の両側のサイドフレーム240に設けられており、該フロント景品載置台200とともに鉛直方向にスライド可能な部材である。本例のフロント昇降レール230は、フロントレールガイド用ローラ306を囲繞するように断面チャネル形状あるいはこれに近似した形状に形成されており(図26参照)、フロントレールガイド用ローラ306から外れ落ちることなく鉛直方向にスライドする。
フロントレールガイド用ローラ306は、フロント景品載置台200のフロント昇降レール230を鉛直方向にのみスライド可能に案内する部材である。フロントレールガイド用ローラ306は、載置台支持部材300の内側面に、少なくとも2つが上下に配置された状態となっている(図25等参照)。なお、本例ではローラと称しているが、載置台支持部材300に対して回転不可能に取り付けられ、ローラとは呼べない単なる円柱形状のガイドとなっていたとしても、フロント昇降レール230を支障なくスライドするようにガイドするものであれば問題ない。
第2の高さ変更手段250は、上述したリア昇降レール110、ローラ保持片210、昇降ローラ220、サイドフレーム240の他、サイドフレーム240を介してフロント景品載置台200をある高さに保持するロック部材260等によって構成されており、リア景品載置台100に対するフロント景品載置台200の相対的な高さを変更することを可能とする。本例のロック部材260は、ロック解除用トリガー262、シャフト264、ロック爪(ストッパー)266で構成されている(図30等参照)。
リア昇降レール110には、相対高さ決め用係止孔112が形成されている(図24参照)。相対高さ決め用係止孔112は、リア昇降レール110の手前側の鉛直面に形成された、高さの異なる複数段の孔で構成されている。これら相対高さ決め用係止孔112はロック部材260のロック爪266が入り込み、係止した状態となる大きさ及び形状に形成されている。
ロック部材260のロック解除用トリガー262は、景品取得ゲーム装置1の管理者(例えばサービス提供側ユーザー)等がフロント景品載置台200のロック状態と非ロック状態とを切り換えるための手動入力機器である。本例では、サイドフレーム240を両側下部に一対のロック解除用トリガー262を設けており、これら左右のロック部材260の両方のロックを解除しなければ、リア景品載置台100に対するフロント景品載置台200の相対高さを変更することができないようにしている(図32等参照)。なお、本例のロック部材260は、ロック解除用トリガー262を手前に引くことによってロックが解除される構成としている。したがって、ロック解除用トリガー262は、例えば引き金のような形状など、指に掛けて引きやすいものであることが好ましい(図30等参照)。
ロック部材260のシャフト264は、ロック解除用トリガー262の動きを伝達してロック爪166を引き込ませる部材である。本例のシャフト264は、サイドフレーム240内に配置された、手前側から奥側に伸びる中実または中空の長尺鋼製部材からなる。ロック解除用トリガー262の動きを伝達することができるものであれば、ワイヤーなどを利用することも可能である。
ロック部材260のロック爪266は、昇降レール110に形成された相対高さ決め用係止孔112に係止してロック状態となり、サイドフレーム240の昇降動作を規制することによって、フロント景品載置台200の相対高さの変更を不可とする部材である。本例のロック爪266はシャフト264の先端に形成されており、サイドフレーム240から相対高さ決め用係止孔112に向けて突出した状態となっている。また、ロック爪266は、ロック解除用トリガー262を引くと手前側へ引っ込み、相対高さ決め用係止孔112から脱してロックを解除した状態となる。
また、特に図示していないが、ロック部材260は、ロック解除用トリガー262、シャフト264、およびロック爪266を奥側に付勢するためのコイルスプリング等の付勢部材をさらに含む。付勢部材は、フロント景品載置台200からロック爪266を突出させた状態としてロック状態を維持する。
このようなロック部材260の動作について説明する。ロック状態のとき、ロック爪266はフロント景品載置台200から奥側に突出していずれかの相対高さ決め用係止孔112(一例として、最も上の相対高さ決め用係止孔112)に係止した状態となっている(図30参照)。このようなロック状態のとき、フロント景品載置台200は、リア景品載置台100に対して相対的に昇降することができない。ちなみに、本例では、ロック爪266が最も上の相対高さ決め用係止孔112に係止しているとき、フロント景品載置台200がリア景品載置台100と同じ高さになって面一の載置台が構成されるようにしている(図30参照)。
このようなロック状態において、景品取得ゲーム装置1の管理者(例えばサービス提供側ユーザー)等がロック解除用トリガー262を手前側へ引くと、シャフト264およびロック爪266も同様に手前側に引かれ、ロック爪266が相対高さ決め用係止孔112から脱してロック状態が解除される。このようなロック解除状態のとき、フロント景品載置台200は、リア景品載置台100に対して相対的な昇降動作をすることが可能となる(図32、図33参照)。したがって、リア景品載置台100に対するフロント景品載置台200の相対高さを変更することができる。
ロック解除用トリガー262を引いた状態のまま、リア景品載置台100に対するフロント景品載置台200の相対高さを変更したら、引いていたロック解除用トリガー262を離す。そうすると、付勢部材(図示省略)の作用により、ロック爪266が奥側へと移動し、相対高さ決め用係止孔112へ向けて突出しようとする。ロック爪266がいずれかの相対高さ決め用係止孔112に入り込むと、係止してロック状態となる。これにより、リア景品載置台100に対するフロント景品載置台200の相対高さの変更は再び不可の状態となる。
なお、景品取得ゲーム装置1の管理者(例えばサービス提供側ユーザー)等が、フロント景品載置台200の相対高さを変更した後でロック解除用トリガー262を離してロック状態にしたとしても、相対高さ決め用係止孔112のいずれかにロック爪266がすんなりと入り込むとは限らず、むしろ、相対高さ決め用係止孔112が形成されていない面に当接する場合もある。このとき、管理者等は、相対高さ決め用係止孔112が形成されていない面にロック爪266を宛がいながらフロント景品載置台200の高さを微調整する(僅かに上昇させ、あるいは僅かに下降させる)ことで、ロック爪266をいずれか近傍の相対高さ決め用係止孔112に係止させることができる。
以上の動作は、プレイヤーが景品取得ゲーム装置1に向かった状態で右側(X方向のマイナス側)に配置されたロック部材260を例に説明したものであるが、左側のロック部材160については構造が対称であるだけで操作や動作は同様である。
また、上述したロック部材260は、昇降ローラ220、リア昇降レール110等と協働し、フロント景品載置台200を所定の高さに保持する手段としても機能する。このとき、フロント景品載置台200の両側にフロント昇降レール230をさらに備えた構成の本例の景品取得ゲーム装置1においては、これらフロント昇降レール230が支持柱のように機能し、尚かつフロント景品載置台200の高さを保持するように機能することから、相対高さ変更後のフロント景品載置台200をより安定した状態で保持することができる。
(荷重負担用付勢部材)
上述のごとき第1の高さ変更手段150、第2の高さ変更手段250等を備えた景品取得ゲーム装置1において、リア景品載置台100等の荷重の一部を負担する部材(荷重負担用付勢部材)により、リア景品載置台100等をさらに円滑に昇降させることはさらに好ましい態様の一つである。本例では、このような荷重負担用付勢部材として、定荷重ばね部材400を利用している(図35参照)。
定荷重ばね部材400は、巻きばねを利用して一定の付勢力を与える定荷重ばねを含む部材で、本例では、リア景品載置台100に対して鉛直上方への付勢力を与えている。本例の定荷重ばね部材400は基台2の背面に固定された左右一対の部材からなる。定荷重ばね部材400の巻きばねの下端は、リア景品載置台100の一部(本例では、縦フレーム120と横フレーム140の交点から内側へ突出するように形成された被支持片170)に取り付けられており、この被支持片170を介して、リア景品載置台100に鉛直上方への付勢力を与えている。
このような定荷重ばね部材400を備えた景品取得ゲーム装置1(の高さ変更手段150)においては、リア景品載置台100の高さの変更作業が行いやすくなる。すなわち、ロックレバー162を回転させてロック部材160によるロックを解除すると、その瞬間、リア景品載置台100およびフロント景品載置台200は支えを失うから、景品取得ゲーム装置1の管理者(例えばサービス提供側ユーザー)はリア景品載置台100等の全荷重を支えながら高さ変更しなければならないが、定荷重ばね部材400があれば、ばねの付勢力が荷重の一部を負担する。したがって、ロックを解除した瞬間、全荷重が急激にのしかかるのを避けることができる。また、当然ながら、リア景品載置台100等を昇降させる際に要する力が軽減されることになる。
また、景品取得ゲーム装置1を構成する基材(基台2、基台2を構成するフレーム、プレイフィールド3の背面5Dに設けられたフレーム、筐体等)には、リア景品載置台100の荷重が作用することになり、このような荷重をも支えることが要求されるが、このような定荷重ばね部材400を利用すれば、強度上も好ましい基材を構築しやすくなるという利点もある。すなわち、リア景品載置台100には、ロック爪266を介してフロント景品載置台200が固定された状態となることから、基台2を構成するフレームには、リア景品載置台100、フロント景品載置台200の両方の荷重が作用することになるのに対し、定荷重ばね部材400は常に同じ付勢力を発揮するため、固定のための箇所(ロック爪266が位置する箇所)には定荷重ばね部材400の付勢力を差し引いた大きさの荷重が働くことになる。これによれば、ロック爪266を介して位置決め用切り欠き部310(の山部310a、谷部310b)に作用する荷重の大きさが低減している。
<景品載置台の構成例(その2)>
本例の景品取得ゲーム装置1は、上述したフロント昇降レール230を含んでいない(図36、図37参照)。この場合、フロント景品載置台200は、リア昇降レール110との接触点のみで片持ち支持された状態となる。具体的には、昇降ローラ220がリア昇降レール110(の内側に形成されたガイド)と接触する点、ロック部材260のロック爪266がリア昇降レール110の相対高さ決め用係止孔112に係止して接触する点で支持されて全体として片持ち支持された状態となる。
このような片持ち支持構造であっても、十分な支持力が得られる限りは問題ない。この構造は、景品Pが例えばぬいぐるみや軽量な雑貨、お菓子といった類のものである場合に、比較的簡素な構造でありながらも、景品Pを載置することができ、尚かつ高さ変更を伴うレイアウトの変更を実行しやすいという点で好適である。
<景品載置台の構成例(その3)>
本例の景品取得ゲーム装置1は、リア景品載置台100が左右に分割され、左リア景品載置台100Lと右リア景品載置台100Rがそれぞれ互いに独立して高さを変更できるものとなっている(図38参照)。
同様に、本例では、フロント景品載置台200も左右に分割され、左フロント景品載置台200Lと右フロント景品載置台200Rがそれぞれ互いに独立して高さを変更できるものとなっている。
この場合、左フロント景品載置台200Lは左リア景品載置台100Lに対する相対高さを変更することが可能である点、左リア景品載置台100Lを昇降させると、左フロント景品載置台200Lが一体的に同量昇降する点は、上述した構成例(その1、その2)と同様である。以上は、右フロント景品載置台200R、右リア景品載置台100Rについても同様である。
要は、上述した構成例(その1、その2)では各景品載置台(リア景品載置台100、フロント景品載置台200)を左右から両持ちし、水平を保つため左右で同量ずつ昇降させる構造であったのに対し、本例では、左右を分割し、互いに独立した片持ち構造としている。このような左右分割した片持ち構造においては、左リア景品載置台100L、右リア景品載置台100R、左フロント景品載置台200L、右フロント景品載置台200Rの高さをすべて異ならせることによって、最高で4つの高さのことなる景品展示エリアAを構成することが可能である(図38参照)。
<景品載置台の構成例(その4)>
本例の景品取得ゲーム装置1は、上述した構成例(その1等)と同様のリア昇降機構101およびフロント昇降機構201を備えている。ただし、本例では、景品載置台として、リア景品載置台(100)とフロント景品載置台(200)のように分割したものではなく、一枚板状の一体型景品載置台(図39において符号20で示す)を採用している。
この景品載置台20は、リア昇降機構101に対して左右の2点、フロント昇降機構201に対して2点、計4点にて支持された状態である。したがって、フロント昇降機構201を使ってフロント側を下降させれば、景品載置台20を手前側に傾斜した状態にすることができる(図39参照)。
このように景品載置台20を傾斜させた場合、傾斜面に景品Pを載置したり、傾斜面に付した凹凸や突起に景品Pを凭れかけさせたり、景品載置台20に設けたピン等に景品Pの一部を引っ掛けたり、といったように、さらに種々の形態にて多様性に富んだ景品レイアウトを実施することが可能となる。
また、本例の景品取得ゲーム装置1によれば、リア昇降機構101とフロント昇降機構201により前後高さをそれぞれ調整することにより、景品載置台20の傾斜角度を細かに変更することができるし、景品載置台20の高さを変更することもできる。
さらに、本例の景品取得ゲーム装置1によれば、リア昇降機構101を使って、リア側とフロント側を同時に同量だけ昇降させることができる。このため、傾斜した景品載置台20を使ってレイアウトした景品Pを景品展示エリアAから下ろすことなく、そのディスプレイ状態を保ちながら景品載置台20ごと昇降させることができる。このため、高さ変更を伴うレイアウトの変更を実行しやすい。
なお、特に図示していないが、リア昇降機構101およびフロント昇降機構201と景品載置台20との間には、景品載置台20が傾斜するのを許容する支持部材を介在させている。具体的には、例えば、ユリアねじを使って景品載置台20をリア昇降機構101やフロント昇降機構201に取り付ける構造とすることができる。また、このほか、このような支持部材としては、自在継手、ゴム片やばね材などの弾性体などを利用することができる。
<景品載置台の構成例(その5)>
本例の景品取得ゲーム装置1も、上述した構成例(その1等)と同様のリア昇降機構101およびフロント昇降機構201を備えている。ただし、本例では、景品載置台として、左景品載置台(図40において符号20Lで示す)および右景品載置台(図40において符号20Rで示す)からなる左右分割構造のものを採用している。
左景品載置台20Lは、その一部が右景品載置台20Rに重なる程度に大きな幅広のものである。また、左景品載置台20Lは、右景品載置台20Rに向けて傾斜可能に支持されている(図40参照)。
このように左景品載置台20Lを右景品載置台20Rに向けて傾斜させた場合、傾斜面に景品Pを載置したり、傾斜面に付した凹凸や突起に景品Pを凭れかけさせたり、載置台20に設けたピン等に景品Pの一部を引っ掛けたり、といったレイアウトができるのはもちろん、左景品載置台20Lの右端と右景品載置台20Rとが近接して形成される景品展示エリアAを利用して、景品Pを左景品載置台20Lの右端に凭れかけさせたり、左景品載置台20Lを滑り落ちてきた別の景品Pによって押し出されるように配置したりといったさらに多様性に富んだ景品レイアウトを実施することが可能となる。
また、本例の景品取得ゲーム装置1によれば、左側のリア昇降機構101と右側のリア昇降機構101とを同時に同量だけ昇降させることにより、これら左景品載置台20Lおよび右景品載置台20Rを使ってレイアウトした景品Pを景品展示エリアAから下ろすことなく、そのディスプレイ状態を保ちながら左景品載置台20Lおよび右景品載置台20Rごと昇降させることができる。このため、高さ変更を伴うレイアウトの変更を実行しやすい。
また、本例の景品取得ゲーム装置1によれば、左側のリア昇降機構101のみを昇降させるなどして、左景品載置台20Lの傾斜角度を詳細に変更することができるし、左景品載置台20Lの高さを変更することもできる。以上の説明が、左右を逆に入れ替えた場合にも当てはまることはいうまでもない。
なお、以上の各実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述した実施形態では、景品展示用配置手段が景品載置台(リア景品載置台100、フロント景品載置台200等)である場合について説明したがこれは好適例にすぎない。景品載置台のように景品Pを載置する台の他にも、景品支持用ロッド、景品吊設用フック、景品掛かり止め用ピンといった、載置以外の支持用のあらゆる部材、態様が本明細書でいう景品展示用配置手段に含まれうる。要は、景品取得ゲーム装置1において景品Pをプレイヤーに展示するための部材であればその展示態様が載置だけに限られることはない。
また、上述した実施形態ではリア景品載置台100、フロント景品載置台200等を鉛直方向に昇降させて高さを変える態様を示したが、これも好適な例にすぎない。この他、鉛直軸に対して傾斜した軸に沿って斜めに動く(移動する)態様も本明細書にいう昇降に含まれる。要は、景品載置台の高さを変化させることができれば、鉛直方向へ移動させるだけには限らない。あるいは、リア景品載置台(第1の景品展示用配置手段)100の昇降軸とフロント景品載置台(第2の景品展示用配置手段)200の昇降軸のうち、一方が鉛直軸、他方が傾斜軸となっていても問題ない。
また、上述した実施形態では、フロント景品載置台200を昇降させるための第2の昇降部材の一例として、リア昇降レール110に沿って昇降するサイドフレーム240等を例示したが、これも好適例にすぎない。図示していないが、この他、例えば、リア昇降レール110の相対高さ決め用係止孔112に着脱可能な着脱支持部材(例えばブラケット等)を利用し、該着脱支持部材の取り付け位置(高さ)を変更することによって、これら着脱支持部材が直接あるいは間接的に支持するフロント景品載置台200の高さ(リア景品載置台100に対する相対高さ)を変更することが可能である。このような構成であっても、第1の高さ変更手段を使ってリア昇降レール110を昇降させれば、リア景品載置台100に付随してフロント景品載置台200を一体的に同量昇降させることができる点は、上述した実施形態の場合と同様である。
<プレイフィールドの前面、側面などにおける構成例>
上述したように、景品取得ゲーム装置1のプレイフィールド3の前面5Aは、例えば引戸または観音開き構造にて開閉可能となっている。本実施形態では、ガラス製の引戸500で前面5Aを構成している(図41等参照)。
ガラス製の引戸(ガラス戸)500は、引戸レール510に沿って横方向(上述したX方向)にスライドすることによって開閉可能な戸である。本実施形態では、景品取得ゲーム装置1の左右2箇所のプレイフィールド3,3のそれぞれに配置した2枚で一対の互い違いの引戸を配置している(図41参照)。各引戸500(の例えば下方の位置)には引手502が配置されている(図41参照)。また、引戸500の底部には、引戸レール510に沿って回転する引戸ローラ504が設けられている(図41等参照)。
引戸レール510は、引戸500を案内するレールである。本実施形態では、これら引戸レール510を、側面5Bあるいは側面5Cの直前となる位置まで配置し、引戸500を閉めたときに当該引戸500の端縁506が側面5Bあるいは側面5Cの内側面に当接するようにしている。
プレイフィールド3の側面5B,5Cは例えば透明な樹脂材(一例として、アクリル樹脂からなるサイドパネル)で形成されている。本実施形態では、側面5B,5Cのうち景品取得ゲーム装置1の前側となる部分(前面5Aと重なり合う部分)に、内側へと折り曲がって平面視L字状となる折り曲げ部550を形成するとともに、側面5B,5Cの内側の面を、引戸500の端縁506が当たる当接面として機能させている。また、引戸レール510は、折り曲げ部550と平行に配置しているため、引戸500は、折り曲げ部550と平行に一部重なるようになる。
引戸500の側縁506には、保護用の部材が設けられていることが好ましい。本実施形態では、透明ないしは半透明の部材(一例として軟質PVC)からなる保護部材520が設けられている(図42参照)。保護部材520は断面形状あるいは平面視の形状がチャネル形状(コの字形)であり、端縁506を覆うようにして、引戸500と一体的に動くように設けられている。
また、保護部材520自体が軟質部材からなるうえ、本実施形態では、保護部材520のうち、側面5B,5Cの内側面に当接する部分を、断面形状(あるいは平面視の形状)が略D形の中空構造の緩衝部520aとして形成している(図43参照)。このような緩衝部520a付きの保護部材520は、引戸500を閉める際、側面5B,5Cに当接して変形し、当該引戸500を閉める際の勢いや衝突音を軽減する緩衝材として機能し、また、引戸500を閉めた状態では、引戸500の端縁506と側面5B,5Cとの間に変形した状態で介在することによって封止材のように機能する。
以上のように構成された本実施形態の景品取得ゲーム装置1においては、従来構造と比較した場合に以下のごとき利点がある。すなわち、従来の景品取得ゲーム装置においては、メンテナンス用のガラスドア500’のアテ部(ガラスドア500’の端縁506’が当たるドアストッパー)560’がコの字状の不透明部材で構成されていることがあり、このため、ドアストッパー560’が、遊戯するプレイヤー等からみたときに視覚的に邪魔になることが生じ得た(図46参照)。これに対し、本実施形態の景品取得ゲーム装置1では、引戸500の端縁506が直接(または保護部材520を介して)側面5B,5Cの内側の面に当接する構成となっており、従来のごときドアストッパー560’またはこれに相当する部材を排除したと同然の構成となっていることから、プレイヤー等に対してよりクリアな視界を提供することが可能となっている。別言すれば、本実施形態では、側面(サイドパネル)5B,5Cそのものがドアストッパーの役割を併せ有することによって、従来構造のごとき別部材としてのストッパーを不要としている。
あるいは、従来構造のごときストッパーを採用しつつも、遊戯するプレイヤー等からみたときに視覚的に邪魔にならないクリアな視界を提供することも可能である。例えば、図44に示す形態では、引戸500の端縁506が当接するストッパー560を配置しており、尚かつ、このストッパー560を透明等の部材で構成することによって、プレイヤー等に対してよりクリアな視界を提供できるようにしている。このストッパー560は、側面5B,5Cの折り曲げ部550の内側に配置されている。
また、図44に示すストッパー560は断面形状あるいは平面視形状がコ字形(チャネル形)に形成されていることから、比較的強度に優れるものである。このようなストッパー560は、3枚のアクリル平板をアクリル接着してコ字形とする手法、金型を使って押し出し加工したアクリル押し出し材を用いるという手法、アクリルまたはポリカーボネートを曲げ加工するという手法などによって形成することができる。
このようなストッパー560と引戸500との間にクッション部材を介在させることができる。図44に示す形態では、高透明シリコン、無黄変ウレタン、透明ゲル、透明PVCなどといった材質からなる透明なクッション材570が、断面(あるいは平面視)コ字形のストッパー560の内壁に設けられている。いわゆる両面テープを使ってクッション材570をストッパー560に貼り付けるのであれば、当該両面テープも透明であることが好ましい。
図45に示す形態では、断面形状あるいは平面視形状がL字形の部材をストッパー560として用いている(図45参照)。このようなストッパー560は、例えば透明なアクリル部材などによって形成することができる。また、図45に示す形態では、透明PVCからなるクッション材570をいわゆる両面テープを用いてストッパー560に貼り付けている。
また、上述したストッパー560の代わりに、あるいはストッパー560と併用して、引手502をストッパーとして機能させることもできる。例示すれば、引戸500のガラス表面よりも手前側に突出した構造の引手502の側部を、側面5B,5Cの折り曲げ部550の側縁に当接させ、それ以上の動きを規制するストッパーとして機能させることができる(図42参照)。