JP5402807B2 - 乗用車のドア構造 - Google Patents

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Description

本発明は、乗用車のドアにおける窓枠の表側に意匠面を構成する装飾モールが設けられており、前記窓枠の裏側に乗降口の周縁とドア間をシールするウエザーストリップが設けられている乗用車のドア構造に関する。
上記車両用ドアに関連する技術が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の乗用車のリヤドア100には、図6(A)(B)に示すように、窓枠102の表側周縁に意匠面を構成する装飾モール103がモール支持部材104によって固定されている。モール支持部材104は、断面略L字形に成形されて窓枠102の外周縁を覆っており、そのモール支持部材104の表面に装飾モール103が貼着されている。
また、窓枠102の裏側には、乗降口110の周縁とリヤドア100間をシールするウエザーストリップ116が設けられている。
特開2009−78572号公報
上記した乗用車のリヤドア100では、装飾モール103がモール支持部材104の表面に貼着される構成のため、装飾モール103のエッジ103eが露出して見栄えが低下するという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、ドアの窓枠の意匠面を構成する装飾モールのエッジが露出しないようにして、ドアの見栄えを向上させることである。
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、乗用車のドアにおける窓枠の表側に意匠面を構成する装飾モールが取付けられており、前記窓枠の裏側に乗降口の周縁とドア間をシールするウエザーストリップが設けられている乗用車のドア構造であって、前記窓枠は、窓ガラスの外側に位置する外枠と、前記窓ガラスの内側に位置する内枠とからなり、前記外枠は、前記装飾モールと、その装飾モールを支えた状態で前記内枠に固定されるモール支持部材とから構成されており、前記装飾モールは、前記窓枠の意匠面を構成する意匠部と、その意匠部に対して裏側方向に折り曲げられ、先端にエッジを備える周縁部とからなり、前記周縁部の先端のエッジが前記ウエザーストリップに形成された溝部に嵌め込まれるエッジ本体部と、前記エッジ本体部に対して分割されて、そのエッジ本体部に対して折り曲げ可能な複数のエッジ分割部とから構成されており、前記エッジ分割部が折り曲げられて前記モール支持部材に対して爪状に掛けられることで、前記装飾モールが前記モール支持部材に取付けられることを特徴とする。
本発明によると、装飾モールの周縁部における先端のエッジがウエザーストリップに形成された溝部に嵌め込まれているため、その装飾モールのエッジが露出することがない。このため、外部から装飾モールのエッジが見えなくなり、ドアの見栄えが向上するようになる。
また、装飾モールのエッジの一部であるエッジ分割部を利用して装飾モールをモール支持部材に取付けるため、装飾モールの取付け機構が外部から見えることがなくなり、見栄えの低下を防止できる。
請求項2の発明によると、ドアが閉じられた状態で、装飾モールの意匠部は乗用車のボディ表面とほぼ連続するように構成されており、前記装飾モールの周縁部は前記ボディ表面に対して窪んでいるボディ窪み面に沿うように構成されて、前記ウエザーストリップを前記ボディ表面から離れた位置に保持することを特徴とする。
このように、装飾モールの周縁部はボディ表面から内側に入り込むように構成されて、ウエザーストリップをボディ表面から離れた位置に保持している。したがって、ドアが閉じられた状態で、ボディ表面と装飾モールの意匠部との隙間の奥にウエザーストリップが配置されるようになる。このため、ボディ表面と装飾モールの意匠部の隙間にウエザーストリップが挟まれたように見えることがなくなり、ドアの見栄えが向上する。
本発明によると、窓枠の意匠面を構成する装飾モールのエッジが見えなくなるため、ドアの見栄えが向上する。
本発明の実施形態1に係るドア構造を備える乗用車のリヤドア等を表す全体斜視図である。 リヤドア(閉途中)のデビジョンバーより後方に位置する窓枠部分の断面図(図1のIII-III矢視断面図)である。 リヤドア(閉時)のデビジョンバーより後方に位置する窓枠部分の断面図(図1のIII-III矢視断面図)である。 図2に示す窓枠及びウエザーストリップをIVA矢印方向から見た斜視図(A図)、図2のIVB矢視拡大図(A図のB-B矢視断面図)(B図)、A図のC-C矢視断面図(C図)である。 リヤドア(閉時)のデビジョンバーより前方に位置する窓枠の断面図(図1のV-V矢視断面図)である。 従来のドア構造を備える乗用車の側面図(A図)、及びA図のB-B矢視断面図(B図)である。
[実施形態1]
以下、図1から図5に基づいて本発明の実施形態1に係る乗用車のドア構造について説明する。本実施形態に係るドア構造は、乗用車のリヤドアにおけるデビジョンバーよりも後方に位置する窓枠部分の構造に関するものである。
なお、図中の前後左右及び上下は、乗用車の前後左右及び上下に対応している。
<乗用車のボディ2及びリヤドア10の概要について>
リヤドア10の窓枠部分の構造について説明する前に、先ず、乗用車のボディ2及びリヤドア10の概要について説明する。
乗用車は、図1に示すように、扉状のフロントドア3とリヤドア10とを備えており、前記フロントドア3、リヤドア10によりボディ2の前部乗降口3h、後部乗降口4がそれぞれ開閉されるように構成されている。前部乗降口3hと後部乗降口4との間には、ボディ2の中央支柱であるセンターピラー2cが立設されている。また、後部乗降口4の周縁部4f(図2等参照)と前部乗降口3hの周縁部(図示省略)には、それぞれ全周に亘ってボディ側ウエザーストリップ6が取付けられている。
また、後部乗降口4と前部乗降口3hとの周囲(周縁)には、図1に示すように、ボディ2の表面2e(意匠面)に対して窪むように窪み面2k(図2等参照)が形成されており、その窪み面2kの部分にリヤドア10とフロントドア3とが閉時に収納されるようになっている。そして、リヤドア10とフロントドア3とが閉じられた状態で、そのリヤドア10とフロントドア3との意匠面がボディ2の表面2eとほぼ連続するようになる。
リヤドア10は、図1に示すように、ドア本体部10mと、そのドア本体部10mの上側に設けられた窓部10xとから構成されており、その窓部10xがデビジョンバー15によって窓前部30と窓後部20とに分けられている。
リヤドア10の窓前部30は、上下動可能な可動窓ガラス32と、その可動窓ガラス32の前端縁を上下動可能にガイドする前辺窓枠34と、前記可動窓ガラス32の上端縁を受ける上辺窓枠36とを備えている。
また、リヤドア10の窓後部20は、固定窓ガラス22と、その固定窓ガラス22の外周縁を支える傾斜窓枠26とを備えている。そして、窓後部20の傾斜窓枠26が、図1に示すように、窓前部30の上辺窓枠36に連続するように構成されている。ここで、窓後部20の傾斜窓枠26は、窓前部30の上辺窓枠36から離れるにつれて徐々に断面サイズが大きくなるように構成されており、窓前部30の上辺窓枠36は断面形状及びサイズがほぼ一定に設定されている。
<リヤドア10の窓前部30の前辺窓枠34、上辺窓枠36の構成について>
リヤドア10の窓前部30の前辺窓枠34と上辺窓枠36とはほぼ等しい構成であるため、代表して上辺窓枠36の構成を図5に基づいて説明する。
上辺窓枠36は、可動窓ガラス32に対して外側に位置する外枠50と、その可動窓ガラス32に対して内側に位置する内枠70とからなり、その外枠50と内枠70との下側に可動窓ガラス32の上端縁を受けるガラスラン82が取付けられている。また、外枠50と内枠70との上側にリヤドア10とボディ2の窪み面2k間をシールするドア側ウエザーストリップ40が取付けられている。
内枠70は、筒状に形成された枠本体72と、その枠本体72の上側でドア側ウエザーストリップ40の筒状部43が嵌め込まれる溝部74と、その溝部74の上側で外枠50の方向に張り出したフランジ部76とから構成されている。そして、内枠70のフランジ部76の下側で、かつ枠本体72の外側の位置でガラスラン82が押えられるようになっている。ここで、内枠70は、鋼板をロール成形することにより、一定断面形状で形成される。このため、エッジが発生しないように内枠70を加工することができる。
外枠50は、意匠面を構成する意匠部52と、その意匠部52に対して直角内側に張出し、ドア側ウエザーストリップ40の板状部45が嵌め込まれるフランジ状溝部54と、そのフランジ状溝部54の下方でガラスラン82を内枠70の反対側から押えるガラスラン支持部56とから構成されている。そして、外枠50のフランジ状溝部54が内枠70のフランジ部76の上側に重ねられて、両者54,76がリベットRにより止められることで、外枠50が内枠70に連結される。ここで、外枠50は、ステンレス板等をロール成形することにより、一定断面形状で形成される。このため、エッジが発生しないように外枠50を加工することができる。
<リヤドア10の窓後部20の傾斜窓枠26の構成について>
リヤドア10の窓後部20の傾斜窓枠26は、図2、図3に示すように、固定窓ガラス22に対して外側に位置する外枠60と、その固定窓ガラス22に対して内側に位置する内枠70とからなり、その外枠60と内枠70との下側(内周側)に固定窓ガラス22の外周縁を受けるガラスラン85が取付けられている。また、外枠60と内枠70との上側(外周側)にリヤドア10とボディ2の窪み面2k間をシールするドア側ウエザーストリップ40が取付けられている。
傾斜窓枠26の内枠70は、上記した窓前部30の上辺窓枠36の内枠70と等しい構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
外枠60は、意匠面を備える装飾モール62と、その装飾モール62を支えた状態で内枠70に固定されるモール支持部材65とから構成されている。モール支持部材65は、図2、図3に示すように、断面略U字形に折り曲げ成形されて、内枠70のフランジ部76にリベットRで固定される支持板66と、支持板66の外側に取付けられて、装飾モール62の内側に嵌め込まれる支持ブロック67とから構成されている。支持ブロック67は、樹脂の射出成形品であり、その支持ブロック67を型成形する際に支持板66の一部を型内にインサートすることで、支持ブロック67と支持板66とが一体化される。
外枠60の装飾モール62は、上側意匠面64eを構成するステンレス板64と、そのステンレス板64の下側部分を覆って下側意匠面63eを構成する装飾樹脂部63とから構成されている。装飾樹脂部63は、図2等に示すように、断面略L字形に形成されて、その下端部がステンレス板64に対して裏側に突出しており、その突出部63tでモール支持部材65の支持ブロック67を支えられるように構成されている。ステンレス板64は、装飾樹脂部63から上方に突出した部分の表面が上側意匠面64eとなっている。さらに、ステンレス板64の上端縁部は、上側意匠面64eに対して裏側方向に折り曲げられてフランジ状の周縁部64f(図4(A)〜(C)参照)が形成されている。ここで、ステンレス板64の周縁部64fは、図3等に示すように、ボディ2の窪み面2kに沿うように構成されている。そして、ステンレス板の周縁部64fの先端部分が下側に浅く曲げられている。
装飾樹脂部63は、樹脂の射出成形品であり、その装飾樹脂部63を型成形する際にステンレス板64の一部を型内にインサートすることで、そのステンレス板64と装飾樹脂部63とが一体化される。
前述のように、リヤドア10の傾斜窓枠26は、窓前部30の上辺窓枠36から離れるにつれて徐々に断面サイズが大きくなるように構成されている。このため、装飾モール62のステンレス板64はロール成形することができず、プレス成形により製作される。このため、ステンレス板64の周縁部64fの先端には、図4(A)〜(C)に示すように、エッジ64jが生じるようになる。このため、本実施形態に係るリヤドア10では、ドア側ウエザーストリップ40の板状部45に設けられた支持板45xの上側にリップ部47を形成し、支持板45xとリップ部47間のV字溝部45mにステンレス板64の周縁部64f先端のエッジ64jを嵌め込めるようにしている。これにより、ステンレス板64のエッジ64jが外部から見えなくなり、さらに前記エッジ64jに人が触れるようなこともなくなる。
また、ステンレス板64の周縁部64fのエッジ64jは、エッジ本体部64jと、そのエッジ本体部64jから折り曲げ可能な複数のエッジ分割部64sとから構成されている。そして、エッジ分割部64sが、図4(A)に示すように、ステンレス板64の長手方向に等間隔で複数箇所に設けられている。エッジ分割部64sは、図4(C)に示すように、エッジ本体部64jに対して折り曲げられて、モール支持部材65の支持ブロック67の受け部67tに爪状に掛けられるように構成されている。そして、ステンレス板64のエッジ分割部64sがモール支持部材65の受け部67tに掛けられることで、装飾モール62がモール支持部材65に固定される。
<本実施形態に係る乗用車のドア構造の長所について>
本実施形態に係る乗用車のドア構造によると、装飾モール62の周縁部64f先端のエッジ64jがドア側ウエザーストリップ40に形成されたV字溝部45mに嵌め込まれているため、その装飾モール62のエッジ64jが露出することがない。このため、外部から装飾モール62のエッジ64jが見えなくなり、リヤドア10の見栄えが向上するようになる。
また、リヤドア10が閉じられた状態で、装飾モール62の周縁部64fはボディ2の表面2eに対して窪んでいる窪み面2kに沿うように構成されている。このため、装飾モール62の周縁部64fはボディ2の表面2eから内側に入り込むようになる。したがって、リヤドア10が閉じられた状態で、ボディ2の表面2eと装飾モール62の意匠面64e,63eとの隙間の奥にドア側ウエザーストリップ40が配置されるようになる。このため、ボディ2の表面2eと装飾モール62の意匠面64e,63eとの隙間にドア側ウエザーストリップ40が挟まれたように見えることがなくなり、リヤドア10の見栄えが向上する。
また、装飾モール62のエッジ64jの一部であるエッジ分割部64sを利用して装飾モール62をモール支持部材65に取付けるため、装飾モール62の取付け機構が外部から見えることがなくなり、見栄えの低下を防止できる。
<変更例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、装飾モール62をステンレス板64と装飾樹脂部63とから構成する例を示したが、装飾樹脂部63を省略することも可能である。また、ステンレス板64に代わりにプラスチック板等を使用することも可能である。
また、本実施形態では、ステンレス板64のエッジ64jの一部であるエッジ分割部64sを利用して装飾モール62をモール支持部材65に取付ける例を示したが、クリップ等を使用して装飾モール62をモール支持部材65に取付けることも可能である。
また、本実施形態では、リヤドア10の窓後部20の傾斜窓枠26に対して本発明を適用する例を示したが、長さ方向において断面積が変化する窓枠(プレス成形される窓枠)であればリヤドア10以外にも本発明を適用することは可能である。
2・・・・ボディ
2e・・・表面(意匠面)
2k・・・窪み面(ボディ窪み面、乗降口の周縁)
4・・・・後部乗降口
15・・・デビジョンバー
22・・・固定窓ガラス
26・・・傾斜窓枠
40・・・ドア側ウエザーストリップ
45m・・V字溝部
60・・・外枠
62・・・装飾モール
64・・・ステンレス板
64e・・意匠面(意匠部)
64f・・周縁部
64j・・エッジ、エッジ本体部
64s・・エッジ分割部
65・・・モール支持部材
70・・・内枠

Claims (2)

  1. 乗用車のドアにおける窓枠の表側に意匠面を構成する装飾モールが取付けられており、前記窓枠の裏側に乗降口の周縁とドア間をシールするウエザーストリップが設けられている乗用車のドア構造であって、
    前記窓枠は、窓ガラスの外側に位置する外枠と、前記窓ガラスの内側に位置する内枠とからなり、
    前記外枠は、前記装飾モールと、その装飾モールを支えた状態で前記内枠に固定されるモール支持部材とから構成されており、
    前記装飾モールは、前記窓枠の意匠面を構成する意匠部と、その意匠部に対して裏側方向に折り曲げられ、先端にエッジを備える周縁部とからなり、
    前記周縁部の先端のエッジが前記ウエザーストリップに形成された溝部に嵌め込まれるエッジ本体部と、前記エッジ本体部に対して分割されて、そのエッジ本体部に対して折り曲げ可能な複数のエッジ分割部とから構成されており、
    前記エッジ分割部が折り曲げられて前記モール支持部材に対して爪状に掛けられることで、前記装飾モールが前記モール支持部材に取付けられることを特徴とする乗用車のドア構造。
  2. 請求項1に記載された乗用車のドア構造であって、
    前記ドアが閉じられた状態で、前記装飾モールの意匠部は前記乗用車のボディ表面とほぼ連続するように構成されており、前記装飾モールの周縁部は前記ボディ表面に対して窪んでいるボディ窪み面に沿うように構成されて、前記ウエザーストリップを前記ボディ表面から離れた位置に保持することを特徴とする乗用車のドア構造。
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