JP3900866B2 - 自動車用ドアのドアフレーム構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車ドアのドアフレーム構造、特にフレームモールを備えたドアフレーム構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6に示すような、ドア1のウインド開口10を囲むドアフレーム2を備えた自動車において、ドアフレーム2にはこれに沿って、内周側にガラスランが取付けられ、外周側にドアウエザストリップが取付けられている。
【0003】
図7はドアフレームの一般的な構造を示すもので、ドアフレーム2は金属板の成形体で、ドアウインド開口10(図6)を囲むほぼ平坦な周壁部20の車外側の端部には縦壁状の外壁21が形成され、周壁部20の車内側の端部にはドアウインド開口10側へ膨出する内端部22が形成されている。
【0004】
周壁部20の内周側には、外壁21の内半部と、周壁部20と、内端部22の車外側の側面とで、ドアウインド開口10に向けて開口する断面ほぼコ字形のチャンネル部23が形成され、これにガラスラン4が取付けられている。ガラスラン4は、相対向する側壁41a,41bの先端から伸出するシールリップ42a,42bを備え、シールリップ42a,42bでドアガラス3の外周をその両面から挟む。
【0005】
ドアフレーム2の周壁部20の外周側にはリテーナ24が設けられ、これにドアウエザストリップ5が取付けられている。ドアウエザストリップ5は、基底部50と中空状のメインシール部51とリップ状のサブシール部52を備え、基底部50がリテーナ24に嵌着されている。
【0006】
一方、車体のドア開口縁には、車体内板61、車体外板65および補強板63の端縁を重合したフランジ64が形成され、これに、中空状のシール部71を備えたオープニングウエザストリップ7が取付けられている。
【0007】
そしてドア閉時、ドアフレーム2の内端部22がオープニングウエザストリップ7のシール部71に圧接し、ドアウエザストリップ5のメインシール部51が車体外板65のドア開口周縁に圧接し、サブシール部52の先端がメインシール部51よりも車外側位置でドア開口周縁に圧接する。
【0008】
ところで、ドア1まわりのデザインの自由度を大きくし外観品質を向上させるために、金属のドアフレームにこれを車外側から覆う合成樹脂のフレームモールを取付けることがなされている。金属のドアフレームには一般に塗装を施しているが色調の選択自由度が小さい。これに対し合成樹脂部材は色や光沢を自由に調整でき、合成樹脂のフレームモールを用いることで、ドアフレームまわりのデザインの選択自由度が大きくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
フレームモールを備えたドアフレーム構造において、フレームモールの取付けは、その幅方向の両端縁に裏面側に屈曲する係止部を形成してドアフレームの縦壁状の外壁の両端縁に係止させたり、フレームモールの裏面側に設けたクリップでドアフレームの外壁にクリップ止めする等によりなされているが、いずれも取付け作業が面倒である。またフレームモールを両面接着テープを介してドアフレームの外壁に接着することがなされているが、充分に注意をして接着しないと、取付け位置がずれる場合がある。
【0010】
フレームモールを備えたドアフレーム構造において他の問題は、ドアガラス周縁の外面とフレームモールの外面との段差が大きくなることである。この段差は外見上も、また車両走行時のドアまわりの空気抵抗を少なくするために可及的に小さくすることが望ましいのであるが、図7に示されるようにドアガラス3の外周部の外面にはシールリップ42bを備えたガラスラン4の側壁41bが重なり、側壁41bの外面にドアフレーム2の外壁21が重なって段差Sが形成され、外壁21の外面に更にフレームモールが重なると段差は一層大きくなってしまう。
【0011】
そこで本発明はフレームモールを備えた自動車のドアフレーム構造において、フレームモールの取付け作業性を改善すること、ドアガラスとフレームモールとの段差を小さくすること、更にドアフレーム構造を簡素化すること、およびドアフレームの生産性を向上させることを課題としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ドアフレームを車外側からフレームモールで覆った自動車用ドアのドアフレーム構造において、
上記ドアフレームは金属製で、ドアウインド開口を囲むほぼ平坦な周壁部と、該周壁部の車内側の端部から膨出状にドアウインド開口側に張り出す内端部とからなり、
上記フレームモールは合成樹脂製で、帯状板体の本体部と、該本体部の幅方向中間の内側面から該内側面に対してほぼ直角方向に棚状に張り出しフレームモール長手方向に延びる脚部からなり、
上記周壁部または上記脚部のいずれか一方は、ほぼ平行に突出する一対の係止突部として形成され、他方は上記一対の係止突部の間に挿入係止される係止片として形成され、
上記係止片はその外端を、上記一対の係止突部の相互の間隔よりも若干厚い凸状に形成し、上記一対の係止突部の根元部には、相互間に上記凸状の外端が嵌合する凹状湾曲面を形成し、
上記フレームモールは、上記一対の係止突部間にこれらを広げるようにして挿入し上記凸状の外端を上記凹状湾曲面に嵌合させることによって上記ドアフレームに固定し、
上記ドアフレームの周壁部よりもドアウインド開口側に延出する上記フレームモールの本体部の内半部と、該内半部と車内側方向に対向する上記ドアフレームの内端部と、上記ドアフレームの周壁部とで、ガラスラン取付部を形成し、上記内半部の下縁には内方へ突出して上記ガラスラン取付部に嵌着したガラスランを保持する突出部を形成し、上記ドアフレームの周壁部よりも上方へ延出する上記本体部の外半部の上縁に、内側に向けて突出する突起部を形成し、該突起部で、上記ドアフレームの周壁部の外周に装着したドアウエザストリップを係止せしめる構造とする。
【0013】
請求項1の発明によれば、上記係止突部間に上記係止片を挿入係止することで、作業性容易に、かつ所定の位置でフレームモールをドアフレームに組付けることができる。フレームモールが従来のドアフレームの外壁の代替としての役割を果たし、ドアフレームがチャンネル部の一部を構成するからドアフレーム構造が簡素化される。またドアフレームの外壁が省略されるから、その分、ドアガラスの外面とフレームモールの外面との段差が少なくなるとともに、軽量化される。
【0014】
更に、ドアフレームには縦壁状の外壁がないから、ドアフレームを車体のルーフサイド沿いのドア開口縁に沿うように湾曲させるベンディング加工が容易となる。上記フレームモールの外半部上縁の突起部で、上記ドアフレームの周壁部の外周に装着するドアウエザストリップを係止せしめ、上記フレームモールの内半部下縁の突出部によりガラスランを保持せしめる。フレームモールを利用してドアウエザストリップ取付け用リテーナの役割をなさしめることで、ドアフレーム構造が一層簡素化される。
【0015】
請求項2の発明では、請求項1のドアフレーム構造において、フレームモールに形成した一対の脚部が上記一対の係止突部を構成し、ドアフレームの平坦な上記周壁部が上記係止片を構成する。請求項3の発明では、請求項1のドアフレーム構造において、相対向する一対の周壁で形成した二重構造のドアフレームが上記一対の係止突部を構成し、フレームモールに形成した1本の上記脚部で上記係止片を形成する。
【0018】
請求項の発明は、請求項1のドアフレーム構造において、ドアフレームは自動車のルーフサイドに沿う上枠部からセンタピラーに沿う縦枠部に至る全長をほぼ均一幅に形成し、上記フレームモールは、上記上枠部を覆う部分をほぼ均一幅に形成し、上記縦枠部を覆う部分を下方へ向けて幅が広がる形状に形成する。
【0019】
請求項の発明は、ドアフレームは全長をほぼ均一幅とし、フレームモールはドアフレームの幅に制約されずにその幅を変化させるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1(A)は自動車のフロントドアのフレームモールの要部(上部後端コーナ部)の側面を示し、図1(B)および図1(C)はそれぞれ図1(A)の1B−1B線および1C−1C線に沿う位置でのフレームモールのドアフレームへの取付状態断面を示す。
【0021】
ドアフレーム2は1枚のスチール製金属板をロール曲げ加工したもので、金属板の幅方向の一方の端部を断面C字形に曲げ、更にU字状に折り返し、その先をループ状に曲げて、他方の端部をU字部内に嵌入し、該端部とU字部を3枚重ねで溶接して形成してあり、3枚重ねの平坦な周壁部20の車内側の端部に膨出状にドアウインド開口側へ張り出す内端部22を備え、周壁部20の上面側にドアウエザストリップ5の基底部50の一方の端部を係止する断面C字形の係止部25を備えた構造としてある。ドアフレーム2は、従来のドアフレーム(図7)におけるような縦壁状の外壁21は備えていない。
【0022】
ドアフレーム2は、車体のドア開口のルーフサイドに沿うフレーム上枠部2A(図1(B))と,センタピラーに沿うフレーム縦枠部2B(図1(C))とからなり、両者は実質的に同一の断面形状で、ドアフレーム2の上部後端のコーナ部で溶接結合してある。なお、フレーム上枠部2Aは先ず直線状に形成され、ルーフサイドのドア開口縁に沿うよう湾曲状にベンディング加工される。この場合、フレーム上枠部2Aは縦壁状の外壁を備えていないから小さい曲げ力で容易に加工され得る。
【0023】
ドアフレーム2を車外側から覆うフレームモール8は、例えばABS樹脂、ポリプロピレン等の合成樹脂の射出成形体で、フレーム上枠部2Aはフレームモール8Aで、フレーム縦枠部2Bはフレームモール8Bで覆ってある。
【0024】
図1(A),(B)に示すように、フレームモール8Aはフレーム上枠部2Aに沿い、これを覆って湾曲して延び、全長にわたりほぼ均一幅の本体部81と、本体部81の幅方向ほぼ中間位置で内側面から内側面に対してほぼ直角方向に張り出す係止突部としての一対の棚状の脚部82a,82bからなる。脚部82a,82bはフレームモール8Aの全長にわたって形成され、厚さは本体部81よりも若干薄く、相互の対向間隔は、根元側が、係止片たる3枚重ねとしたドアフレーム2の周壁部20の厚さよりも僅かに大きく、先端は僅かに小さくしてある。
【0025】
フレームモール8Aは、フレーム上枠部2Aの周壁部20の外端を上記脚部82a,82bの先端間にこれらを広げるようにして嵌入させ、本体部81を押込むことでフレーム上枠部2Aに固定される。
【0026】
固定されたフレームモール8Aの本体部81は、フレーム上枠部2Aの周壁部20よりも内側(下側)に張り出す内半部811がフレーム上枠部2Aの内端部22と車内外方向に対向し、これらと、下面が上記脚部82bで覆われた周壁部20とで、下方へ向けて開口する断面ほぼコ字形のチャンネル部23を形成する。上記下半部811の下縁にはこれに沿って内方へ突出する突出部83が形成してある。
【0027】
上記チャンネル部23には、断面ほぼコ字形の本体部の相対向する側壁41a,41bの先端からシールリップ42a,42bが伸出するガラスラン4が嵌着してあり、シールリップ42a,42bが、ドアガラス3が上昇して閉じられたときに、その上縁を両面から挟む。
【0028】
フレームモール8Aの外半部812の上縁にはL字状に屈曲し内方へ向けて張り出す係止部84が形成してあり、係止部84は、フレーム上枠部2AのC字形係止部25と車内外方向に対向している。
【0029】
フレーム上枠部2Aの周壁部20の外周側にはドアウエザストリップ5が取付けられる。ドアウエザストリップ5は基底部50と、中空状のメインシール部51と、リップ状のサブシール部52とを備えている。上記C字形の係止部25とL字形の係止部84は、ドアウエザストリップ用リテーナとしての役割を果し、基底部50の幅方向の両端を係止する。
【0030】
以上、フレーム上枠部2Aに取付けるフレームモール8Aについて説明したが、以下、フレーム縦枠部2Bを取付けるフレームモール8Bについて説明する。
【0031】
図1(A),(C)に示すように、フレームモール8Bの基本構造はフレームモール8Aと実質的に同じであるが、フレームモール8Bは幅が下方へ向けて広く形成してある点においてフレームモール8Aと相違する。フレームモール8Aの後端に接続せしめるフレームモール8Bの上端は、フレームモール8Aとほぼ同じ幅としてあり、外半部812の幅を変化させることで、全体が下広がりとしてある。内側面から張り出す脚部82a,82bは、フレームモール8Bの上端では幅方向中央部に位置し、内半部811の端縁と平行に下方へ延びている。外半部812に形成した係止部84は、フレームモール8Bの上端の外半部812の外端位置から脚部82aと平行に下方へ延びている。
【0032】
フレームモール8Bは、フレーム縦枠部2Bの周壁部20に脚部82a,82bにより取付けられる。フレームモール8Bのチャンネル部23にガラスラン4が嵌着される。フレーム縦枠部2BのC字形の係止部25とフレームモール8Bの係止部84によりドアウエザストリップ5の基底部50が係止される。
【0033】
以上のようにドアフレーム2にフレームモール8を取付けたドアフレーム構造では、ドアフレーム2の周壁部20の外端をフレームモール8の脚部82a,82b間に挿入しフレームモール8を押込むことで、作業性容易かつ正確な位置でフレームモール8をドアフレーム2に固定することができる。またドアフレーム2にはその外端に縦壁状の外壁が形成されていないから、その分、ドアフレーム2が軽量となり材料費が節減されると同時に、ドアガラス3の外周部外面とフレームモール8の外面との段差を少なくすることができる。またドアフレーム2には縦壁状の上記外壁が形成されていないから、ドアフレーム2を車体のドア開口縁に沿う湾曲形状にベンディング加工するときの曲げ力が小さくてすみ、ドアフレーム2の生産性が向上する。また全長にわたって均一としたドアフレーム幅に制約されることなく、フレームモール8の幅を変化させることができる。
【0034】
図2はドアフレーム構造の他の実施形態の、図1(A)のIB−IB線に沿う位置での断面を示すもので、先の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0035】
ドアフレーム2の上枠フレーム2Cの周壁部20の外端201は円形目玉状の凸状に形成してあり、その径は壁面部20の一般部の厚さよりも若干大きく、フレームモール8Cの一対の脚部82a、82bの先端部の相互の間隔よりも大きくしてある。一方、フレームモール8Cの脚部82a,82bの根元部の対向面は凹状湾曲面としてあって、フレームモール8C取付け時に脚部82a、82b間にこれらを広げるようにして周壁部20を押込み、脚部82a,82bの根元部が上記目玉状外端201と嵌合して、脚部82a,82bと周壁部20との抜け止めがなされる。
【0036】
フレームモール8Cの本体部81の外半部812の端縁に形成した係止部85は、本体部81とで断面コ字形の溝を形成する形状としてある。ドアウエザストリップ5の基底部50の外端部は、上記係止部85の溝に嵌合する形状に形成してあって、基底部50は上記溝との嵌合のみで係止されている。
【0037】
図示は省略したが、フレーム縦枠部側のフレームモール組付構造およびドアウエザストリップ取付け構造は、フレーム上枠部側と実質的に同じ構造としてある。他の構造は図1に示す構造と実質的に同一である。
【0038】
図3は、ドアフレーム構造の更に他の実施形態の図1(A)のIB−IB線に沿う位置での断面を示すものである。ドアフレーム2はアルミニウム引き抜き成形体である。フレーム上枠部2Dの周壁部20は外端側が三角形断面の矢先形としてある。フレームモール8Dの脚部82a,82bの先端は、周壁部20の矢先形外端部202に係合する突起86が形成してあって、抜け止めとしてある。周壁部20の上面側には、フレームモール8Dの本体部上端の係止部84と対向するC字形の係止部26が一体形成してある。本実施形態ではドアフレームとしてアルミニウムの引抜き材を用いたからドアフレームが軽量化され、またドアフレームを所望の断面形状に容易に成形できる。
【0039】
以上の実施形態では、フレーム縦枠部を覆うフレームモールを幅が下広がりの形状としたが、均一幅のフレームモールを用いてもよい。また均一幅のフレームモールは押出成形で形成してもよい。
【0040】
図4は、ドアフレームとシテアルミニウム引き抜き成形体を用いた他の実施形態を示すものである。アルミニウム引き抜き成形体のフレーム上枠部2Eの周壁部20は、車外方向へ突出する上下一対の周壁203a,203bからなる二重構造としてある。一対の周壁203a,203bは、これらの間へフレームモール8E側の脚部82Cを挿入係止せしめるもので、互いにほぼ平行で先端部分では相互の間隔が若干狭められて脚部82Cの抜け止めとしている。フレームモール8Eの上記脚部82Cは1本で先端は矢先形に形成してあり、周壁203a,203bの抜け止めと相まって強固な係止となっている。
【0041】
なお、本実施形態では、ドアウエザストリップ5は、中空シール部を有するメインドアウエザストリップ5Aと、シールリップを有し、メインドアウエザストリップ5Aよりも車外側に配設されるサブドアウエザストリップ5Bで構成されている。メインドアウエザストリップ5Aは、基底部に一体形成したクリッ55でドアフレーム2Eに係止されている。また、ドアフレーム2Eの上側の周壁203aの上面側にはフレームモール8Eの上端の係止部87と対向するC字形の係止部27が一体成形してあり、これら係止部87,27にサブドアウエザストリップ5Bが係止される。
【0042】
図5に示す実施態様は、フレームモールのドアフレームへの取付構造は、図1(B)に示す実施態様と実質的に同じであるが、フレームモールによりガラスランおよびドアウエザストリップの一部を代替させることでドアフレーム構造を簡素化している。
【0043】
フレームモール8Fの本体部81の内端にはシールリップ87が、外端にはシールリップ88が、それぞれ本体部81と一体に形成してある。シールリップ87,88は軟質材、例えば軟質の熱可塑性エラストマーからなる。フレームモール8Fは一対の脚部82a,82bによりドアフレーム2Fの周壁部20に固着せしめてある。
【0044】
フレームモール8Fの本体部81の内半部811およびこれと対向するドアフレーム内端部22との間に形成されるチャンネル部23には、先端にシールリップ42を備えた車内側の側壁43から底壁40に至る断面ほぼL字形のガラスラン4Aが嵌着してある。ガラスラン4Aの底壁40の突出端は、フレームモール8Fの内側面に形成した溝813に嵌合せしめてある。これによってフレームモール8Fの本体部81の内半部811は、ガラスラン4Aとでドアガラス3を挟むシールリップ42,87を備えたガラスランを形成する。
【0045】
一方、ドアフレーム2Fの周壁部20にはその外周側に係止部25が形成してあり、ドアフレーム8Fの本体部81の外半部812の内面には係止突起84が形成してあり、これらで中空シール部を備え、サブシール部を省略したドアウエザストリップ5が係止せしめてある。そして、シールリップ88が、サブシール部の役割を果たす。このようにフレームモール8Fをガラスランおよびドアウエザストリップの一部として兼用したことで、ドアフレームまわりの構造が簡素化される。また、フレームモール8Fの外面とドアガラス3の外面との段差を一層小さくすることができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば自動車のドアフレームに、これを覆うフレームモールを作業性容易、かつ位置ずれなく組付けることができる。またドアフレームの縦壁状に外壁をなくしてフレームモールをドアフレームの平坦周面部に組付けたから、ドアフレームは軽量化され、かつドアガラス外面とフレームモールの段差を小さくすることができ、ドアまわりの見栄えがよくなり、車両走行時の空気抵抗も小さくなる。またドアフレームへのフレームモールの組付構造を全長にわたり同一構造とし、かつフレームモールの幅をドアフレームの幅に制約されることなく変化させることができる。更にドアフレームは縦壁状の外壁を持たないから、ベンディング加工が容易であり、ドアフレームの生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すもので、(A)は自動車のドアのフレームモールの要部側面図、(B)および(C)はそれぞれ図1(A)のIB−IB線およびIC−IC線に沿う位置でのフレームモールとドアフレームの組付構造断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示すもので、図1(A)のIB−IB線に沿う位置でのフレームモールとドアフレームの組付構造断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示すもので、図1(A)のIB−IB線に沿う位置でのフレームモールとドアフレームの組付構造断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態を示すもので、図1(A)のIB−IB線に沿う位置でのフレームモールとドアフレームの組付構造断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態を示すもので、図1(A)のIB−IB線に沿う位置でのフレームモールとドアフレームの組付構造断面図である。
【図6】本発明が適用される自動車の側面図である。
【図7】従来のドアフレーム構造の図4のVII−VII線に沿う位置での断面図である。
【符号の説明】
1 ドア
2,2A,2B,2C,2D,2E,2F ドアフレーム
20 周壁部
21 外壁
22 内端部
23 チャンネル部
25,26,27 係止部
3 ドアガラス
4,4A ガラスラン
5,5A,5B ドアウエザストリップ
8,8A,8B,8C,8D,8E,8F フレームモール
81 本体部
811 内半部
812 外半部
82a,82b,82c 脚部
84,85,87 係止部

Claims (4)

  1. ドアフレームを車外側からフレームモールで覆った自動車用ドアのドアフレーム構造において、
    上記ドアフレームは金属製で、ドアウインド開口を囲むほぼ平坦な周壁部と、該周壁部の車内側の端部から膨出状にドアウインド開口側に張り出す内端部とからなり、
    上記フレームモールは合成樹脂製で、帯状板体の本体部と、該本体部の幅方向中間の内側面から該内側面に対してほぼ直角方向に棚状に張り出しフレームモール長手方向に延びる脚部からなり、
    上記周壁部または上記脚部のいずれか一方は、ほぼ平行に突出する一対の係止突部として形成され、他方は上記一対の係止突部の間に挿入係止される係止片として形成され、
    上記係止片はその外端を、上記一対の係止突部の相互の間隔よりも若干厚い凸状に形成し、上記一対の係止突部の根元部には、相互間に上記凸状の外端が嵌合する凹状湾曲面を形成し、
    上記フレームモールは、上記一対の係止突部間にこれらを広げるようにして挿入し上記凸状の外端を上記凹状湾曲面に嵌合させることによって上記ドアフレームに固定し、
    上記ドアフレームの周壁部よりもドアウインド開口側に延出する上記フレームモールの本体部の内半部と、該内半部と車内側方向に対向する上記ドアフレームの内端部と、上記ドアフレームの周壁部とで、ガラスラン取付部を形成し、上記内半部の下縁には内方へ突出して上記ガラスラン取付部に嵌着したガラスランを保持する突出部を形成し、上記ドアフレームの周壁部よりも上方へ延出する上記本体部の外半部の上縁に、内側に向けて突出する突起部を形成し、該突起部で、上記ドアフレームの周壁部の外周に装着したドアウエザストリップを係止せしめる構造とした自動車用ドアのドアフレーム構造。
  2. 上記一対の係止突部は上記フレームモールの本体部の内側面から張り出す一対の上記脚部であり、上記係止片が上記ドアフレームの周壁部である請求項1記載の自動車用ドアのドアフレーム構造。
  3. 上記一対の係止突部は対向する一対の周壁で形成した二重構造の上記ドアフレームの周壁部であり、上記係止片が上記フレームモールに形成した1本の上記脚部である請求項1記載の自動車用ドアのドアフレーム構造。
  4. 上記ドアフレームは、自動車のルーフサイドに沿う上枠部からセンタピラーに沿う縦枠部に至る全長をほぼ均一幅に形成し、上記フレームモールは、上記上枠部を覆う部分をほぼ均一幅に形成するとともに、上記縦枠部を覆う部分を下方へ向けて幅が広がる形状に形成した請求項1記載の自動車用ドアのドアフレーム構造。
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