JP5402045B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ボール螺子装置を備えた電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する中空軸を備え、その中空軸の回転を変換手段としてのボール螺子装置を用いてラック軸の往復動に変換することにより、操舵系にアシスト力を付与する所謂ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置(EPS)がある。
即ち、このようなEPSにおいて、ボール螺子装置は、ラック軸の外周に螺刻された螺子溝とボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に転動体となる複数のボールを配することにより形成される。そして、例えば、特許文献1に記載のEPSでは、ボール螺子ナットが上記中空軸として構成されたモータシャフトの内周に固定され、同モータシャフトとともに一体回転することにより、そのモータトルクを軸方向のアシスト力に変換してラック軸に伝達する構成となっている。
ところで、このようにモータシャフトの内周にボール螺子ナットを固定する場合には、ロックナットを用いて当該ボール螺子ナットを軸方向に挟み込むのが一般的である。しかしながら、このようなロックナットを用いた締め付けによる固定構造では、その押圧力によりボール螺子ナットが変形してしまう可能性がある。そして、その螺子溝により形成される上記転動路に歪みが生ずることでボールの円滑な転動が妨げられ、ひいては、これが異音や操舵フィーリングの悪化等を引き起こすおそれがある。
そこで、例えば、図11に示すように、ボール螺子ナット71及びモータシャフト72の軸方向端部に、それぞれ、径方向に延びるフランジ73,74を形成し、これらのフランジ73,74を締結することにより、ボール螺子ナット71をモータシャフト72の軸方向端部に固定する方法が考えられる。そして、これにより、そのボール螺子ナットを変形させることなく、同ボール螺子ナット71を相対回転不能にモータシャフト72に固定することができる。
特開2006−256414号公報
ところが、このようなラックアシスト型のEPSにおいて、その中空軸は、略筒状に形成されたハウジングに軸方向から挿入されることにより組み付けられ、同ハウジングとの間に介在された軸受に支承されることにより、回転自在に同ハウジング内に収容される。従って、その組付けの容易性を考慮するならば、上記フランジのような径方向に突出する構造体の形成は極力回避するのが望ましい。特に、上記特許文献1に記載のEPSのようなモータシャフトにより中空軸が形成される構成では、ステータをハウジングに組み付けた状態でロータを構成するモータシャフトが組み付けられる。そのため、そのクリアランスが極めて小さく、上記のようなフランジを当該中空軸と一体に形成することは実質的に不可能と言わざるを得ない。
そこで、図12に示すように、上記ボール螺子ナット71を連結するためのフランジ74を、モータシャフト72とは別体のフランジ部材75とし、ハウジングにモータシャフト72を挿通した後、その軸方向端部に当該フランジ部材75を連結する構成が考えられる。
具体的には、この図12に示す例において、フランジ部材75は、上記ボール螺子ナット71を連結するためのフランジ74として機能する円環部76と、ラック軸を挿通可能な挿通孔77とを備えるとともに、その挿通孔77の内周には、螺子部78が形成されている。また、モータシャフト72の軸方向端部の外周には、このフランジ部材75側の螺子部78に対応した螺子部79が形成される。そして、これらの螺子部78,79の螺合させることにより、フランジ部材75をモータシャフト72に螺着する構成となっている。
即ち、EPSにおいては、そのモータ回転方向が頻繁に反転される。このため、上記モータシャフト72とフランジ部材75との連結部に周方向の隙間がある場合、その隙間が回転ガタとなって、モータ回転が反転する度に衝突音が発生することになる。この点、上記のような螺着による固定構造を採用することで、その連結部における周方向隙間の形成を排除することができる。そして、これにより、静粛性を損なうことなく組付けの容易化を図ることができる。
しかしながら、このような螺着によりフランジ部材を固定する構造では、上記のように繰り返し行なわれるモータの反転が、その螺子締めによる当該フランジ部材の固定を緩める力として作用することになる。このため、そのフランジ部材の螺子緩み対策が重要な課題となっており、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、モータ駆動により回転する中空軸に螺着されたフランジ部材に生ずる螺子緩みを改善して高い信頼性を確保することのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する中空軸と、該中空軸の回転を前記ラック軸の軸方向移動に変換するボール螺子装置とを備え、前記ボール螺子装置は、前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝とボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配することにより形成されるとともに、前記ボール螺子ナットは、その軸方向端部に形成されたフランジと前記中空軸の軸方向端部に螺着されたフランジ部材とを締結することにより該中空軸に固定される電動パワーステアリング装置であって、前記中空軸に対して、周方向の相対変位を規制した状態として固定される筒状部と該筒状部の軸方向端部から径方向外側に延設されて前記フランジ部材に固定されるフランジ部とを有してなる連結部材を備えること、を要旨とする。
上記構成によれば、連結部材によりフランジ部材と中空軸との周方向における相対変位が規制される。その結果、フランジ部材と中空軸との固定を強固なものとして、その螺子緩みの発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、前記連結部材の筒状部は、前記フランジ部材を軸方向に貫通する挿通孔を介して前記中空軸の内周に固定されること、を要旨とする。
上記構成によれば、連結部材を配することにより中空軸とボール螺子ナットとの連結部が大型化することを回避することができる。
請求項3に記載の発明は、前記連結部材のフランジ部は、前記ボール螺子ナットのフランジと前記フランジ部材とにより挟圧されること、を要旨とする。
上記構成によれば、構成簡素且つ容易に、連結部材のフランジ部をフランジ部材に固定することができる。また、その他の固定方法を併用する場合には、その固定をより強固なものとすることができる。更には、あえてボール螺子ナットのフランジとフランジ部材との締結力に基づく挟圧による固定とすることで、ラック軸に対して衝撃的な過大応力が入力された場合であっても、当該連結部材のフランジ部とフランジ部材との間の接触面が周方向において相対的にずれることを許容することができる。そして、この周方向の位置ずれにより、その入力された過大応力を吸収することができ、その結果、締結部材(ボルト等)の損傷等により連結部材のフランジ部とフランジ部材との固定が瞬間的に解除される事態を回避して、その固定状態を安定的に維持することができる。
請求項4に記載の発明は、前記連結部材のフランジ部には、前記ボール螺子ナットのフランジと前記フランジ部材とを締結するボルトが挿通される挿通孔が形成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、連結部材のフランジ部とフランジ部材との固定をより強固なものとすることができる。
請求項5に記載の発明は、前記挿通孔は、周方向に延びる長孔であること、を要旨とする。
即ち、螺着により中空軸に固定されるフランジ部材は、その固定状態における相対的な周方向位置を調整することが難しい。しかしながら、このように挿通孔を長孔状に形成することにより、フランジ部材に形成されたボルト締結用の螺子孔と連結部材のフランジ部に形成された挿通孔との周方向位置が一致しやすくなる。その結果、その組付け性の改善を図ることができる。
また、ボルトによる締結力に基づく挟圧により連結部材のフランジ部がフランジ部材に固定されている場合、そのラック軸に対する衝撃的な過大応力の入力時には、各ボルトが長孔状に形成された挿通孔内を移動することにより、連結部材のフランジ部とフランジ部材との間の周方向における相対的な位置ずれが許容される。その結果、当該ボルトの損傷により連結部材のフランジ部とフランジ部材との固定が瞬間的に解除される事態を回避して、その固定状態を安定的に維持することができる。
更に、ボルトの締結力に基づくフランジ部材と連結部材のフランジ部との固定が解除され、中空軸に固定されたフランジ部材に螺子緩みが生じた場合であっても、そのフランジ部材と中空軸との間の相対変位による各ボルトの周方向移動は、挿通孔の周方向端部により規制される。その結果、フランジ部材の更なる螺子緩みを抑制することができる。
加えて、そのボルトが挿通孔の周方向端部に接触することにより生ずる衝突音を利用して、螺子緩みの発生を運転者に知らしめることができる。そして、この警告手段としての機能により、その螺子緩みが安全性に影響しない早期の段階で、運転者に修理を促すことができるようになる。
請求項6に記載の発明は、前記連結部材のフランジ部には、周方向における前記フランジ部材と前記中空軸との間の相対変位の発生により前記フランジ部材又は該フランジ部材の締結部材に接触して前記相対変位を規制する規制手段が形成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、中空軸に固定されたフランジ部材に螺子緩みが生じた場合であっても、そのフランジ部材と中空軸との周方向における相対変位を規制することができる。その結果、フランジ部材の更なる螺子緩みを抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、前記連結部材のフランジ部には、周方向における前記フランジ部材と前記中空軸との間の相対変位の発生により前記フランジ部材又は該フランジ部材の締結部材に接触して衝突音を生じせしめる警告手段が形成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、周方向における相対変位を要因とした接触により発生する衝突音を利用して、螺子緩みの発生を運転者に知らしめることができる。その結果、その螺子緩みが安全性に影響しない早期の段階で、運転者に修理を促すことができるようになる。
請求項8に記載の発明は、前記連結部材の筒状部は、嵌合により前記中空軸に固定されること、を要旨とする。
上記構成によれば、容易且つ確実に連結部材の筒状部を中空軸に固定することができる。
請求項9に記載の発明は、前記連結部材の筒状部は、多角筒状に形成されるとともに、前記中空軸には、前記筒状の角数に対応した多角形状をなす被嵌合部が形成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、簡素な構成で、連結部材の筒状部を中空軸に嵌合することができる。
請求項10に記載の発明は、前記中空軸側に形成された被嵌合部は、前記連結部材の筒状部に対し、整数倍の角数を有すること、を要旨とする。
上記構成によれば、中空軸と連結部材との周方向における相対的な位置設定自由度が増加する。これにより、フランジ部材に形成されたボルト締結用の螺子孔と連結部材のフランジ部に形成された挿通孔との周方向位置を一致させやすくなる。その結果、その組付け性を更に向上させることができる。
請求項11に記載の発明は、前記連結部材の筒状部は、螺着により前記中空軸に固定されること、を要旨とする。
上記構成によれば、中空軸に固定されたフランジ部材に対し、その螺着による締結力により連結部材のフランジ部を圧接することができる。その結果、そのフランジ部とのフランジ部材との固定を強化して、ひいては中空軸に対するフランジ部材の固定をより強固なものとして、その螺子緩みの発生を抑制することができる。
請求項12に記載の発明は、前記連結部材の筒状部は、前記フランジ部材の螺着方向とは逆螺子となる方向で前記中空軸に螺着されること、を要旨とする。
上記構成によれば、中空軸の回転により、一方に螺子緩みが生ずる力が作用しても、他方には螺子締め力として作用する。従って、このような構成とすれば、中空軸に対するフランジ部材の固定をより強固なものとして、その螺子緩みの発生を抑制することができる。
請求項13に記載の発明は、軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する中空軸と、前記中空軸の回転を前記ラック軸の軸方向移動に変換するボール螺子装置とを備え、前記ボール螺子装置は、前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝とボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配することにより形成されるとともに、前記ボール螺子ナットは、その軸方向端部に形成されたフランジと前記中空軸の軸方向端部に螺着されたフランジ部材とを締結することにより該中空軸に固定される電動パワーステアリング装置であって、
前記中空軸及び前記フランジ部材の少なくとも何れか一方に固定されるとともに、周方向における前記フランジ部材と前記中空軸との間の相対変位の発生により、前記中空軸、前記フランジ部材、又は該フランジ部材の締結部材に接触して衝突音を生じせしめる警告手段を備えたこと、を要旨とする。
上記構成によれば、周方向における相対変位を要因とする接触により生ずる衝突音を利用して、螺子緩みの発生を運転者に知らしめることができる。その結果、その螺子緩みが安全性に影響しない早期の段階で、運転者に修理を促すことができるようになる。
本発明によれば、モータ駆動により回転する中空軸に螺着されたフランジ部材に生ずる螺子緩みを改善して高い信頼性を確保することが可能な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成を示す断面図。 ボール螺子装置近傍の拡大断面図。 ボール螺子装置の組図。 モータシャフト、フランジ部材、ボール螺子ナット、及び連結部材の斜視図。 (a)連結部材の平面図、(b)連結部材の断面図。 モータシャフトの軸方向平面図。 規制手段及び警告手段として機能する挿通孔の作用説明図。 規制手段及び警告手段として機能する別例の連結部材の説明図。 別例のモータシャフトの軸方向平面図。 別例の連結部材及びその固定方法を示す説明図。 従来のボール螺子ナットの固定構造を示す側面図。 従来のボール螺子ナットの固定構造を示す斜視図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のEPS1において、略円筒状をなすハウジング2に挿通されたラック軸3は、ラックガイド及び滑り軸受(ともに図示略)に支承されることにより、その軸方向に沿って移動可能に収容支持されている。そして、同ラック軸3は、周知のラック&ピニオン機構を介してステアリングシャフトと連結されることにより、ステアリング操作に伴い軸方向に往復動するようになっている。
また、EPS1は、駆動源としてのモータ4と、同モータ4の回転をラック軸3の軸方向移動に変換するボール螺子装置5とを備えている。そして、本実施形態のEPS1は、これらラック軸3、モータ4及びボール螺子装置5が、ハウジング2内に一体に収容された所謂ラックアシスト型のEPSとして構成されている。
詳述すると、本実施形態のモータ4は、中空軸状に形成されたモータシャフト6を有しており、同モータシャフト6は、ハウジング2の内周に設けられた軸受7に支承されることより、同ハウジング2の軸方向に沿って配置されている。また、本実施形態のモータ4では、このモータシャフト6の周面にマグネット8を固着することによりモータロータ9が形成されている。そして、本実施形態のモータ4は、そのモータロータ9の径方向外側を包囲するモータステータ10がハウジング2の内周に固定されるとともに、そのモータシャフト6内にラック軸3が挿通されることにより、ハウジング2内においてラック軸3と同軸に配置されている。
また、本実施形態のラック軸3は、その外周に螺子溝11を螺刻することにより、螺子軸として構成されている。そして、本実施形態のボール螺子装置5は、このラック軸3に複数のボール12を介してボール螺子ナット13を螺着することにより形成されている。
さらに詳述すると、図2に示すように、略円筒状に形成されたボール螺子ナット13の内周には、上記ラック軸3側の螺子溝11に対応する螺子溝14が形成されており、ボール螺子ナット13は、その螺子溝11がラック軸3側の螺子溝11と対向するように同ラック軸3に外嵌されている。そして、各ボール12は、これら二つの螺子溝11,14が対向することにより形成される螺旋状の転動路L1内に配設されている。
また、ボール螺子ナット13には、螺子溝14内の二箇所(接続点P1,P2)に開口する還流路L2が形成されている。尚、本実施形態では、還流路L2は、上記二つの接続点P1,P2に対応してボール螺子ナット13の軸線に沿うように穿設されたリターン孔15と、各接続点P1,P2に対応する位置に埋設されることによりリターン孔15と転動路L1とを接続するこま部材16,17とにより構成されている。そして、転動路L1は、当該還流路L2によって、その開口位置に対応する二つの接続点P1,P2間が短絡されている。
即ち、ラック軸3とボール螺子ナット13との間の転動路L1内に介在された各ボール12は、ラック軸3に対するボール螺子ナット13の相対回転により、その負荷を受けつつ転動路L1内を転動する。また、転動路L1内を転動した各ボール12は、更に、ボール螺子ナット13に形成された上記還流路L2を通過することにより、その転動路L1に設定された二つの接続点P1,P2間を下流側から上流側へと移動する。そして、ボール螺子装置5は、その転動路L1を転動する各ボール12が還流路L2を介して無限循環することにより、ボール螺子ナット13の回転をラック軸3の軸方向移動に変換することが可能となっている。
また、本実施形態では、ボール螺子ナット13の軸方向端部13aには、径方向に突出する円環板状のフランジ18が設けられるとともに、モータシャフト6の軸方向端部6aにも、このボール螺子ナット13のフランジ18に対応する円環板状のフランジ19が設けられている。そして、本実施形態では、これらのフランジ18,19が締結されることにより、ボール螺子装置5の回転入力部を構成するボール螺子ナット13とモータ出力軸としてのモータシャフト6とが連結されている。
即ち、本実施形態のEPS1において、駆動源であるモータ4の回転は、そのモータシャフト6と同軸に連結されたボール螺子ナット13が当該モータシャフト6とともに一体回転することによりボール螺子装置5へと入力される。そして、同ボール螺子装置5において、モータ4の回転をラック軸3の軸方向移動に変換することにより、そのモータトルクに基づく軸方向の押圧力をアシスト力として操舵系に付与する構成となっている。
(ボール螺子ナットの連結構造)
次に、本実施形態のEPSにおけるボール螺子ナットの連結構造について説明する。
図2〜図4に示すように、本実施形態では、上記モータシャフト6側のフランジ19は、モータシャフト6とは別体に形成されたフランジ部材20を当該モータシャフト6の軸方向端部6aに固定することにより形成される。
具体的には、フランジ部材20は、円筒状をなす短筒部21と、その短筒部21の外周から径方向外側に向って延設された円環部22とを備えてなり、円環部22には、その全周に亘って、ボール螺子ナット13の締結に用いられるボルト23を螺着するための複数の螺子孔24が形成されている。尚、ボール螺子ナット13のフランジ18には、これらの各螺子孔24に対応する複数の挿通孔18aが形成されており、各ボルト23は、これらの挿通孔18aを介して上記螺子孔24に螺着される。また、短筒部21の内周には螺子部25が形成されている。そして、モータシャフト6の軸方向端部6aの外周には、この短筒部21側の螺子部25に対応する螺子部26が形成されている。
即ち、本実施形態のフランジ部材20は、その螺子部25とモータシャフト6側の螺子部26との螺合により、モータシャフト6の軸方向端部6aに軸方向から螺着される。そして、これにより、その円環部22がボール螺子ナット13を締結するためのフランジ19として機能し、モータシャフト6と同軸配置される短筒部21(の筒内)がラック軸3を挿通可能な挿通孔として機能する構成になっている。
また、本実施形態では、このように形成されたモータシャフト6側のフランジ19とボール螺子ナット13側のフランジ18との間には、上述の螺子緩みの問題を改善するための連結部材27が介在されている。
詳述すると、図5(a)(b)に示すように、連結部材27は、筒状部28と、同筒状部28の軸方向端部28aの外周から径方向外側に延設されたフランジ部としてのプレートフランジ29とを備えてなる。そして、図2に示すように、連結部材27は、その筒状部28がモータシャフト6に固定されるとともに、そのプレートフランジ29がフランジ部材20に固定されることによって、同フランジ部材20とモータシャフト6との固定を強化することが可能となっている。
さらに詳述すると、図2〜図4に示すように、本実施形態の連結部材27において、筒状部28は、フランジ部材20を軸方向に貫通する挿通孔としての短筒部21(の筒内)を介してモータシャフト6の軸方向端部6aに固定される。
具体的には、図5(a)(b)に示すように、本実施形態の連結部材27では、筒状部28は、六角筒状に形成されている。また、図6に示すように、モータシャフト6の軸方向端部6aには、その内周に筒状部28の外径形状に対応する六角孔30が形成されている。そして、図2〜図4に示すように、本実施形態の連結部材27は、そのフランジ部材20の短筒部21に挿通された筒状部28が、モータシャフト6側の六角孔30に挿入され、同六角孔30と嵌合することにより、そのモータシャフト6に対する相対回転が規制されるようになっている。
一方、筒状部28とともに連結部材27を構成するプレートフランジ29は、このようにして筒状部28がフランジ部材20(の短筒部21)に挿通されることにより、そのフランジ部材20よりも反モータシャフト側(図1〜図3の各図中、左側)において、当該フランジ部材20の円環部22と同軸に並置される。そして、当該フランジ部材20の円環部22が構成するモータシャフト6側のフランジ19とボール螺子ナット13側のフランジ18とが締結されることにより、これらの両フランジ18,19に挟圧されて、そのフランジ19を構成するフランジ部材20に固定される構成となっている。
具体的には、図5(a)(b)に示すように、円環板状をなすプレートフランジ29には、その周方向に亘って複数(本実施形態では、4つ)の挿通孔31が形成されている。本実施形態では、これらの各挿通孔31は、周方向に延びる円弧状の長孔として形成されている。尚、これらの各挿通孔31は、プレートフランジ29の周方向に亘り等間隔で形成されている。そして、プレートフランジ29は、その各挿通孔31に上記両フランジ18,19を締結するボルト23が挿通されることにより、当該各ボルト23の締結力に基づいて、両フランジ18,19とともに共締めされるようになっている。
即ち、このように挿通孔31にボルト23を挿通して共締めにすることにより、フランジ部材20に対するプレートフランジ29の固定をより強固なものとすることができる。ところが、上記のように、連結部材27は、その筒状部28がモータシャフト6側の六角孔30と嵌合することにより、モータシャフト6に対する周方向の相対位置が規定される一方、螺着によりモータシャフト6に固定されるフランジ部材20は、その固定状態における相対的な周方向位置を調整することが難しい。そのため、上記プレートフランジ29に形成する挿通孔31を一般的な円形状とした場合、その周方向位置がフランジ部材20の円環部22に形成された螺子孔24と一致しない状況が起こり得る。しかしながら、当該挿通孔31を上記のような長孔とすることで、このような組付け工程における問題の発生を回避して、その組付け性を向上させることができる。
また、連結部材27をフランジ部材20とモータシャフト6との両方に固定することで、フランジ部材20の螺子緩みは格段に起こりにくくなるが、更なる信頼の向上を図るためには、その強固な固定が解除されるような状況をも事前に想定して、そのフェールセールを図ることが望ましい。
この点、上記のように長孔状の挿通孔31を介した共締めによりプレートフランジ29をフランジ部材20(の円環部22)に固定する構成では、ラック軸3に対して衝撃な過大応力が入力された場合であっても、ボルト23の損傷等によりその固定状態が瞬間的に解除される事態を回避することが可能である。
即ち、本実施形態では、プレートフランジ29は、ボール螺子ナット13側のフランジ18とモータシャフト6側のフランジ19との締結力に基づき両フランジ18,19に挟圧され、これにより、そのモータシャフト6側のフランジ19を構成するフランジ部材20の円環部22に固定されている。このため、ラック軸3に上記のような衝撃な過大応力が入力された場合であっても、その接触面が周方向において相対的にずれることで、その入力された過大応力を吸収することができる。そして、本実施形態では、これにより、ボルト23等の損傷を回避して当該フランジ部材20とプレートフランジ29との固定状態を安定的に維持することが可能となっている。
更に、その挟圧によるフランジ部材20とプレートフランジ29との固定が解除され、モータシャフト6に固定されたフランジ部材20に螺子緩みが生じた場合には、図7に示すように、フランジ部材20の螺子孔24に螺着されたボルト23が(図2参照)、その周方向におけるフランジ部材20とモータシャフト6との間の相対変位に伴って、長孔状に形成された挿通孔31内を移動する。そして、そのボルト23の移動を当該挿通孔31の周方向端部31aにより規制することで、フランジ部材20の更なる螺子緩みを抑制することができる。また、そのボルト23が挿通孔31の周方向端部31aに接触することにより生ずる衝突音を利用して、螺子緩みの発生を運転者に知らしめることができる。そして、この警告手段としての機能により、その螺子緩みが安全性に影響しない早期の段階で、運転者に修理を促すことが可能な構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)モータシャフト6側の軸方向端部6aには、同モータシャフト6とは別体に形成されたフランジ部材20を螺着してなるフランジ19が形成されており、ボール螺子ナット13は、その軸方向端部13aに形成されたフランジ18が、このモータシャフト6側のフランジ19に締結されることにより当該モータシャフト6と連結される。また、これらの連結部分には、筒状部28と当該同筒状部28の軸方向端部28aの外周から径方向外側に延設されたプレートフランジ29とからなる連結部材27が介在される。そして、連結部材27は、その筒状部28がモータシャフト6に固定されるとともに、プレートフランジ29がフランジ部材20に固定される。
上記構成によれば、連結部材27によりフランジ部材20とモータシャフト6との周方向における相対変位が規制される。その結果、フランジ部材20とモータシャフト6との固定を強固なものとして、その螺子緩みの発生を抑制することができる。
(2)連結部材27の筒状部28は、フランジ部材20を軸方向に貫通する挿通孔としての短筒部21(の筒内)を介してモータシャフト6の軸方向端部6aに固定される。このような構成とすることで、連結部材27を配することによりモータシャフト6とボール螺子ナット13との連結部が大型化することを回避することができる。
(3)連結部材27のプレートフランジ29は、ボール螺子ナット13側のフランジ18とモータシャフト6側のフランジ19との締結力に基づき両フランジ18,19に挟圧されることにより、そのモータシャフト6側のフランジ19を構成するフランジ部材20の円環部22に固定される。このような構成とすることで、構成簡素且つ容易に、プレートフランジ29をフランジ部材20に固定することができる。
(4)プレートフランジ29には、ボール螺子ナット13側のフランジ18とモータシャフト6側のフランジ19とを締結する各ボルト23が挿通される挿通孔31が形成される。このような構成とすることで、フランジ部材20に対するプレートフランジ29の固定をより強固なものとすることができる。
(5)各挿通孔31は周方向に延びる円弧状の長孔として形成される。
即ち、螺着によりモータシャフト6に固定されるフランジ部材20は、その固定状態における相対的な周方向位置を調整することが難しい。しかしながら、このように各挿通孔31を長孔状に形成することにより、当該挿通孔31とフランジ部材20の円環部22に形成された螺子孔24との周方向位置が一致しやすくなる。その結果、その組付け性の改善を図ることができる。
また、ラック軸3に対して衝撃的な過大応力が入力された場合であっても、その締結力によりプレートフランジ29をフランジ部材20の円環部22に固定する各ボルト23が、その長孔状に形成された挿通孔31内を移動することによって、プレートフランジ29の円環部22との間の周方向における相対的な位置ずれが許容される。そして、この周方向の位置ずれにより、その入力された過大応力を吸収することができ、その結果、ボルト23の損傷等によりプレートフランジ29と円環部22との固定が瞬間的に解除される事態を回避して、その固定状態を安定的に維持することができる。
更に、上記ボルト23の締結力に基づくフランジ部材20とプレートフランジ29との固定が解除され、モータシャフト6に固定されたフランジ部材20に螺子緩みが生じた場合であっても、そのフランジ部材20とモータシャフトとの相対変位に伴う各ボルト23の周方向移動は、挿通孔31の周方向端部31aにより規制される。その結果、フランジ部材20の更なる螺子緩みを抑制することができる。
加えて、そのボルト23が挿通孔31の周方向端部31aに接触することにより生ずる衝突音を利用して、螺子緩みの発生を運転者に知らしめることができる。そして、この警告手段としての機能により、その螺子緩みが安全性に影響しない早期の段階で、運転者に修理を促すことができるようになる。
(6)連結部材27の筒状部28は、六角筒状に形成される。また、モータシャフト6の軸方向端部6aには、その内周に筒状部28の外径形状に対応する六角孔30が形成される。そして、筒状部28は、そのモータシャフト6の軸方向端部6aに形成された六角孔30に挿入され、同六角孔30と嵌合することにより、モータシャフト6に固定される。このような構成とすることで、構成簡素且つ容易に、筒状部28をモータシャフト6に対して確実に固定することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、連結部材27のプレートフランジ29は、ボール螺子ナット13側のフランジ18とモータシャフト6側のフランジ19との締結力に基づき両フランジ18,19に挟圧されることにより、そのモータシャフト6側のフランジ19を構成するフランジ部材20の円環部22に固定されることとした。しかし、これに限らず、接着等、その他の方法でプレートフランジ29をフランジ部材20に固定する構成でもよい。また、その他の固定方法と併せて、上記締結力に基づく挟圧を行なう構成としてもよい。これにより、プレートフランジ29とフランジ部材20との固定をより強固なものとすることができる。
・上記実施形態では、プレートフランジ29には、そのボール螺子ナット13側のフランジ18とモータシャフト6側のフランジ19とを締結する各ボルト23が挿通される挿通孔31が形成されることとした。しかし、これに限らず、このような挿通孔31は必ずしも形成しなくともよい。即ち、ボルト23の締結力に基づくプレートフランジ29とフランジ部材20(の円環部22)との固定については、挿通孔31にボルト23を挿通することなく、より単純に当該プレートフランジ29を両フランジ18,19間に挟圧する構成であってもよい。
・また、上記実施形態では、フランジ部材20に対するプレートフランジ29の周方向変位を規制する規制手段、及びその衝突音を利用した螺子緩みの警告手段として、挿通孔31の周方向端部31aを利用することとした。しかし、これに限らず、その規制手段及び警告手段としての機能については、例えば、図8に示されるような連結部材32を使用することで、当該挿通孔31を形成することなく実現することが可能である。即ち、同図に示すように、その周縁がボルト23の螺着位置よりも径方向内側となるようにプレートフランジ33の外径を設定し、その周縁から径方向外側に延びる突部34を形成する。そして、フランジ部材20(の円環部22)に対するプレートフランジ33の相対変位が発生した場合には、その突部34がボルト23に接触するように構成すればよい。これにより、当該突部34を上記規制手段及び警告手段として機能させることができる。また、その他、フランジ部材20にボルト23以外の接触部位(突部又は凹部)を形成して、その突部34を接触させる構成としてもよい。
・更に、上記挿通孔31を形成する場合であっても、その形状は、必ずしも長孔でなくともよい。尚、その挿通孔31の周方向端部31aを上記規制手段及び警告手段として機能させる場合には、ボルト23が挿通孔31内において周方向に移動可能な形状とすべきことはいうまでもない。
・上記実施形態では、連結部材27の筒状部28を六角筒状に形成するとともに、モータシャフト6の軸方向端部6aの内周に筒状部28の外径形状に対応する六角孔30を形成する。そして、筒状部28は、そのモータシャフト6側の六角孔30に挿入され、同六角孔30と嵌合することにより、モータシャフト6に固定されることとした。しかし、これに限らず、筒状部を六角以外の多角筒形状(例えば四角筒)とするとともに、その多角筒形状に対応した多角形状の被嵌合部(例えば四角孔)をモータシャフト6の軸方向端部6aに形成する構成としてもよい。
・また、モータシャフト6側に形成される被嵌合部の多角形状については、その嵌合により周方向の相対変位を規制可能であればよく、必ずしもその角数が連結部材27の筒状部側の角数と同一でなくともよい。
・更に、より好ましくは、モータシャフト6側に形成される被嵌合部が連結部材27側の筒状部に対して整数倍の角数を有するように形成するとよい。具体的には、例えば、図9に示すように、六角筒状の筒状部28に対し、モータシャフト6側の被嵌合部として十二角孔35を形成するとよい。即ち、上記のように、螺着によりモータシャフト6に固定されるフランジ部材20は、その固定状態における相対的な周方向位置を調整することが難しいため、ボルト23を螺着するためにフランジ部材20の円環部22に形成された各螺子孔24と連結部材27のプレートフランジ29に形成された各挿通孔31との周方向位置が一致しない場合がある。しかしながら、上記構成によれば、モータシャフト6と連結部材27との周方向における相対的な位置設定自由度が増加することで、挿通孔31と螺子孔24との周方向位置を一致させやすくなる。その結果、組付け性を更に改善することができるようになる。
・また、連結部材の筒状部28とモータシャフト6側に形成される被嵌合部との嵌合形態については、必ずしも多角筒形状の筒状部28とこれに対応する多角形状の被嵌合部との嵌合でなくともよい。即ち、例えば、スプライン嵌合や、キー結合(嵌合体及び被嵌合体に形成された係合突部と係合凹部とを係合させることにより周方向における相対的変位を規制する嵌合形態)等の嵌合形態であってもよい。また、この場合、連結部材の筒状部の形状は多角筒形状ではなく円筒状であってもよい。
・更に、連結部材の筒状部とモータシャフト6との固定は、必ずしも嵌合でなくともよく、圧入や「かしめ」等による固定、或いは筒状部及びモータシャフトを径方向に貫通する係止部材を用いた固定(所謂「ピン内」)等であってもよい。
・また、螺着により連結部材の筒状部をモータシャフト6に固定する構成としてもよい。具体的には、例えば、図10に示すように、連結部材37の筒状部38については、その外周に螺子部39を形成する一方、モータシャフト6については、その軸方向端部6aの内周に螺子部40を形成する。尚、同図10中においては、説明の便宜上(モータシャフト6側の螺子部40を確認しやすくするため)、フランジ部材20の記載を省略する。そして、これらの螺子部39,40を螺合させることにより、モータシャフト6の軸方向端部6aに対し、軸方向から連結部材37を螺着する構成としてもよい。
このような構成を採用すれば、モータシャフト6に固定されたフランジ部材20の円環部22に対し、その螺着による締結力により連結部材37のプレートフランジ29を圧接することができる。その結果、そのプレートフランジ29と円環部22との固定を強化して、ひいてはモータシャフト6に対するフランジ部材20の固定をより強固なものとして、その螺子緩みの発生を抑制することができる。
・更に、この場合、モータシャフト6に対して連結部材37の筒状部38を螺着する際の螺着方向は、そのフランジ部材20の螺着方向とは逆方向、即ち逆螺子となるようにするとよい。即ち、逆螺子とすることにより、モータシャフト6の回転により、一方に螺子緩みが生ずる力が作用しても、他方には螺子締め力として作用する。従って、このような構成とすれば、モータシャフト6に対するフランジ部材20の固定をより強固なものとして、その螺子緩みの発生を抑制することができる。
・上記実施形態では、連結部材27の筒状部28は、フランジ部材20の短筒部21(の筒内)を介してモータシャフト6の軸方向端部6aの内周に固定されることとした。しかし、これに限らず、連結部材の筒状部は、モータシャフト6の軸方向端部6aにおいて、その外周に固定されてもよい。即ち、筒状部は、モータシャフト6の軸方向端部6aに外嵌される構成としてもよい。また、この場合、フランジ部材20の短筒部21に挿通されなくともよい。
・また、プレートフランジ29は、フランジ部材20の円環部22に対し、モータシャフト6の反対側(図3において左側)から固定されることとしたが、モータシャフト6側から固定される構成であってもよい。具体的には、例えば、連結部材27がフランジ部材20よりもモータシャフト側(図3中において右側)に配置される構成に具体化してもよい。
・更には、上記連結部材27を警告手段としての機能に特化させてもよい。即ち、例えば、連結部材27のプレートフランジ29については、フランジ部材20の円環部22に固定せず、両フランジ18,19間にも挟圧されない構成する。そして、その周方向における相対変位が生じた場合に、その何れかの部位(例えば、各挿通孔31の周方向端部31a)がフランジ部材20を締結する締結手段としてのボルト23又はフランジ部材20の何れかの部位に接触して衝突音を生じせしめる構成としてもよい。
・また、このように警告手段として特化させる場合には、その周方向における相対変位により衝突音を発する接触箇所を、筒状部及びモータシャフト6の軸方向端部6a側に形成してもよい。即ち、警告手段としての連結部材は、中空軸としてのモータシャフト6及びフランジ部材20の少なくとも何れか一方に固定されればよい。そして、その周方向における相対変位の発生により、何れかの箇所が、モータシャフト6、フランジ部材20、又は該フランジ部材20の締結部材としての各ボルト23の少なくとも何れかに接触して衝突音を発生すればよい。
・上記実施形態では、本発明をモータ4とラック軸3とが同軸に配置される同軸モータ型のEPSに具体化した。しかし、これに限らず、モータにより駆動される中空軸を有するラックアシスト型のEPSであって、ボール螺子ナットの軸方向端部に形成されたフランジと中空軸の軸方向端部に螺着されたフランジ部材とを締結することにより、ボール螺子ナットと中空軸とを連結する構成を有するものであれば、モータ配置については、特に限定するものではない。即ち、例えば、モータとラック軸とが平行配置される所謂パラレル型や、モータの軸線がラック軸と斜交するように配置されるラッククロス型のEPSに適用してもよい。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、2…ハウジング、3…ラック軸、4…モータ、5…ボール螺子装置、6…モータシャフト、6a…軸方向端部、11,14…螺子溝、12…ボール、13…ボール螺子ナット、13a…軸方向端部、15…リターン孔、16,17…こま部材、18,19…フランジ、20…フランジ部材、21…短筒部、22…円環部、23…ボルト、24…螺子孔、25,26,39,40…螺子部、27,32,37…連結部材、28,38…筒状部、29,33…プレートフランジ、30…六角孔、31…挿通孔、31a…周方向端部、34…突部、35…十二角孔、L1…転動路、L2…還流路、P1,P2…接続点。

Claims (13)

  1. 軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する中空軸と、該中空軸の回転を前記ラック軸の軸方向移動に変換するボール螺子装置とを備え、前記ボール螺子装置は、前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝とボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配することにより形成されるとともに、前記ボール螺子ナットは、その軸方向端部に形成されたフランジと前記中空軸の軸方向端部に螺着されたフランジ部材とを締結することにより該中空軸に固定される電動パワーステアリング装置であって、
    前記中空軸に対して、周方向の相対変位を規制した状態として固定される筒状部と該筒状部の軸方向端部から径方向外側に延設されて前記フランジ部材に固定されるフランジ部とを有してなる連結部材を備えること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記連結部材の筒状部は、前記フランジ部材を軸方向に貫通する挿通孔を介して前記中空軸の内周に固定されること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記連結部材のフランジ部は、前記ボール螺子ナットのフランジと前記フランジ部材とにより挟圧されること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項3に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記連結部材のフランジ部には、前記ボール螺子ナットのフランジと前記フランジ部材とを締結するボルトが挿通される挿通孔が形成されること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項4に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記挿通孔は、周方向に延びる長孔であること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記連結部材のフランジ部には、周方向における前記フランジ部材と前記中空軸との間の相対変位の発生により前記フランジ部材又は該フランジ部材の締結部材に接触して前記相対変位を規制する規制手段が形成されること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記連結部材のフランジ部には、周方向における前記フランジ部材と前記中空軸との間の相対変位の発生により前記フランジ部材又は該フランジ部材の締結部材に接触して衝突音を生じせしめる警告手段が形成されること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. 請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記連結部材の筒状部は、嵌合により前記中空軸に固定されること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  9. 請求項8に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記連結部材の筒状部は、多角筒状に形成されるとともに、前記中空軸には、前記筒状の角数に対応した多角形状をなす被嵌合部が形成されること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  10. 請求項9に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記中空軸側に形成された被嵌合部は、前記連結部材の筒状部に対し、整数倍の角数を有すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  11. 請求項1〜請求項10の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記連結部材の筒状部は、螺着により前記中空軸に固定されること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  12. 請求項11に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記連結部材の筒状部は、前記フランジ部材の螺着方向とは逆螺子となる方向で前記中空軸に螺着されること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  13. 軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する中空軸と、前記中空軸の回転を前記ラック軸の軸方向移動に変換するボール螺子装置とを備え、前記ボール螺子装置は、前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝とボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配することにより形成されるとともに、前記ボール螺子ナットは、その軸方向端部に形成されたフランジと前記中空軸の軸方向端部に螺着されたフランジ部材とを締結することにより該中空軸に固定される電動パワーステアリング装置であって、
    前記中空軸及び前記フランジ部材の少なくとも何れか一方に固定されるとともに、周方向における前記フランジ部材と前記中空軸との間の相対変位の発生により、前記中空軸、前記フランジ部材、又は該フランジ部材の締結部材に接触して衝突音を生じせしめる警告手段を備えたこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
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