JP2002225737A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
電動パワーステアリング装置Info
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- JP2002225737A JP2002225737A JP2001202059A JP2001202059A JP2002225737A JP 2002225737 A JP2002225737 A JP 2002225737A JP 2001202059 A JP2001202059 A JP 2001202059A JP 2001202059 A JP2001202059 A JP 2001202059A JP 2002225737 A JP2002225737 A JP 2002225737A
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- Japan
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- rotor
- electric power
- nut
- power steering
- rotating nut
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- Transmission Devices (AREA)
- Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ボールねじ機構の回転ナットに対して、電動
モータのロータを調心可能に外嵌でき、両部材間のミス
アラインメントを吸収できるようにする。 【解決手段】 進退自在な操舵軸2の一部をボールねじ
機構13のボールねじ軸2aとする。操舵力補助用の電
動モータ8のロータ10を回転ナット14の外周に嵌合
させる。その嵌合は、回転ナット14とロータ10とが
調心可能となるように行う。例えば、回転ナット14の
外周面に、縦断面形状が円弧状を成す環状の凸部33を
形成し、この環状凸部33の表面に、円周方向に並ぶ多
数の凹凸からなる凹凸面部33aを形成する。
モータのロータを調心可能に外嵌でき、両部材間のミス
アラインメントを吸収できるようにする。 【解決手段】 進退自在な操舵軸2の一部をボールねじ
機構13のボールねじ軸2aとする。操舵力補助用の電
動モータ8のロータ10を回転ナット14の外周に嵌合
させる。その嵌合は、回転ナット14とロータ10とが
調心可能となるように行う。例えば、回転ナット14の
外周面に、縦断面形状が円弧状を成す環状の凸部33を
形成し、この環状凸部33の表面に、円周方向に並ぶ多
数の凹凸からなる凹凸面部33aを形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の電動パ
ワーステアリング装置に関し、特に、ボールねじ機構を
介して電動モータの出力を操舵軸の進退力として伝える
ようにした電動パワーステアリング装置に関する。
ワーステアリング装置に関し、特に、ボールねじ機構を
介して電動モータの出力を操舵軸の進退力として伝える
ようにした電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電動パワーステアリング装置は、ハンド
ルの操舵力を電動モータで補うものであり、種々の形式
のものがある。その一つとして、車輪の操舵機構に連結
された進退自在な操舵軸に対して、ハンドルからラック
ピニオン機構等の変換機構を介して軸方向移動力を与え
ると共に、電動モータの出力を、ボールねじ機構を介し
て軸方向移動力として与えるようにしたものがある。
ルの操舵力を電動モータで補うものであり、種々の形式
のものがある。その一つとして、車輪の操舵機構に連結
された進退自在な操舵軸に対して、ハンドルからラック
ピニオン機構等の変換機構を介して軸方向移動力を与え
ると共に、電動モータの出力を、ボールねじ機構を介し
て軸方向移動力として与えるようにしたものがある。
【0003】図13は、従来のエンドキャップ形式のボ
ールねじ機構を電動パワーステアリング装置に応用した
ものである。回転ナット51の中央部にはフランジ52
が形成される。回転ナット51の外径には、ハウジング
に対して回転ナット51を回転自在に支持する転がり軸
受53、および回転ナット51を回転駆動する電動モー
タのロータ54がそれぞれ嵌合される。フランジ52
は、これら転がり軸受53およびロータ54の位置決め
用となる。転がり軸受53は、内輪53aの方が回転す
る、いわゆる内輪回転形式であるため、内輪53aの内
径面とナット51の外径面とは締代を持って圧入され
る。一方、モータロータ54は、転がり軸受53のよう
に圧入できないため、ナット51との間で回り止め用と
してナット外径面にセレーション形状のローレット55
を形成し、ナット51にロータ54を外嵌したときに、
ローレット55の突起がロータ54の内径面に噛み込む
ようにしている。これにより、ロータ54とナット51
は一体となり、回転方向のガタツキを無くしつつ、ロー
タ54からの回転トルクをナット51に伝達している。
ールねじ機構を電動パワーステアリング装置に応用した
ものである。回転ナット51の中央部にはフランジ52
が形成される。回転ナット51の外径には、ハウジング
に対して回転ナット51を回転自在に支持する転がり軸
受53、および回転ナット51を回転駆動する電動モー
タのロータ54がそれぞれ嵌合される。フランジ52
は、これら転がり軸受53およびロータ54の位置決め
用となる。転がり軸受53は、内輪53aの方が回転す
る、いわゆる内輪回転形式であるため、内輪53aの内
径面とナット51の外径面とは締代を持って圧入され
る。一方、モータロータ54は、転がり軸受53のよう
に圧入できないため、ナット51との間で回り止め用と
してナット外径面にセレーション形状のローレット55
を形成し、ナット51にロータ54を外嵌したときに、
ローレット55の突起がロータ54の内径面に噛み込む
ようにしている。これにより、ロータ54とナット51
は一体となり、回転方向のガタツキを無くしつつ、ロー
タ54からの回転トルクをナット51に伝達している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の場合、モー
タロータ54と回転ナット51の間で芯ずれ等の精度に
起因するミスアラインメントが発生し、ボールねじ機構
の回転トルクが増大したり、トルクむらが発生してい
た。
タロータ54と回転ナット51の間で芯ずれ等の精度に
起因するミスアラインメントが発生し、ボールねじ機構
の回転トルクが増大したり、トルクむらが発生してい
た。
【0005】この発明の目的は、ボールねじ機構のナッ
トに対し、電動モータのロータのミスアラインメントを
吸収でき、ミスアラインメントに起因する回転トルクの
増大やトルクむらが解消できる電動パワーステアリング
装置を提供することである。
トに対し、電動モータのロータのミスアラインメントを
吸収でき、ミスアラインメントに起因する回転トルクの
増大やトルクむらが解消できる電動パワーステアリング
装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明における第1発
明の電動パワーステアリング装置は、ハウジングと、車
輪を操舵する操舵機構に連結され、上記ハウジング内を
貫通した操舵軸と、ハンドルから与えられる回転力を、
上記操舵軸を軸方向に移動させる力に変換する変換機構
と、上記操舵軸の一部がボールねじ軸となるボールねじ
機構と、このボールねじ機構の回転ナットの外周にロー
タの一端が嵌合した電動モータとを備える電動パワース
テアリング装置において、上記回転ナットと上記ロータ
の一端とを調心可能に嵌合したことを特徴とする。この
構成によると、電動モータのロータを回転ナットに調心
可能に嵌合させたので、両部材の芯違い等の精度による
ミスアラインメントが、調心作用によって吸収される。
そのため、ミスアラインメントに起因する回転トルクの
増大やトルクむらが解消される。
明の電動パワーステアリング装置は、ハウジングと、車
輪を操舵する操舵機構に連結され、上記ハウジング内を
貫通した操舵軸と、ハンドルから与えられる回転力を、
上記操舵軸を軸方向に移動させる力に変換する変換機構
と、上記操舵軸の一部がボールねじ軸となるボールねじ
機構と、このボールねじ機構の回転ナットの外周にロー
タの一端が嵌合した電動モータとを備える電動パワース
テアリング装置において、上記回転ナットと上記ロータ
の一端とを調心可能に嵌合したことを特徴とする。この
構成によると、電動モータのロータを回転ナットに調心
可能に嵌合させたので、両部材の芯違い等の精度による
ミスアラインメントが、調心作用によって吸収される。
そのため、ミスアラインメントに起因する回転トルクの
増大やトルクむらが解消される。
【0007】この発明において、上記ロータの内径面お
よび回転ナットの外径面を、僅かな径方向隙間を持って
互いに嵌合するように、それぞれ円筒面状に形成すると
共に、回転ナットの嵌合部の外周面に、縦断面形状が円
弧状を成す凸部を形成し、この凸部の表面に、回り止め
用の多数の凹凸を形成しても良い。これらの凹凸は、円
周方向に並ぶものとする。上記凸部は、例えば環状凸部
とする。このように、縦断面形状が円弧状の凸部を形成
し、ロータと回転ナットを径方向隙間を持って嵌合させ
ることにより、上記凸部の回りでロータと回転ナットの
調心が許容され、両部材間のミスアラインメントを吸収
することができる。ロータと回転ナットとの回転方向の
ガタツキは、上記凸部に設けられた多数の凹凸のために
防止され、ロータから回転ナットへの確実な回転伝達が
行われる。調心作用と、回転方向のガタツキ防止機能を
同時に得ることは一般的には難しいが、この構成の場
合、ガタツキ防止のための凹凸を設ける部分を凸部とし
たため、調心作用と回転方向のガタツキ防止機能を併せ
持つことができる。
よび回転ナットの外径面を、僅かな径方向隙間を持って
互いに嵌合するように、それぞれ円筒面状に形成すると
共に、回転ナットの嵌合部の外周面に、縦断面形状が円
弧状を成す凸部を形成し、この凸部の表面に、回り止め
用の多数の凹凸を形成しても良い。これらの凹凸は、円
周方向に並ぶものとする。上記凸部は、例えば環状凸部
とする。このように、縦断面形状が円弧状の凸部を形成
し、ロータと回転ナットを径方向隙間を持って嵌合させ
ることにより、上記凸部の回りでロータと回転ナットの
調心が許容され、両部材間のミスアラインメントを吸収
することができる。ロータと回転ナットとの回転方向の
ガタツキは、上記凸部に設けられた多数の凹凸のために
防止され、ロータから回転ナットへの確実な回転伝達が
行われる。調心作用と、回転方向のガタツキ防止機能を
同時に得ることは一般的には難しいが、この構成の場
合、ガタツキ防止のための凹凸を設ける部分を凸部とし
たため、調心作用と回転方向のガタツキ防止機能を併せ
持つことができる。
【0008】この発明において、上記ロータの内径面お
よび上記回転ナットの外径面を、僅かな径方向隙間を持
って互いに嵌合するように、それぞれ円筒面状に形成す
ると共に、上記ロータの嵌合部の内周面に、縦断面形状
が円弧状を成す凸部を形成し、かつ、この凸部に対向す
る上記回転ナットの嵌合部の外周面に、回り止め用の多
数の凹凸を形成しても良い。これらの凹凸は、円周方向
に並ぶものとする。このように構成した場合も、回転ナ
ットとロータの嵌合部で調心が許容され、両部材間の固
定によるミスアラインメントを吸収することができ、ま
た回転ナットとロータ間の回転方向のガタツキを無くす
ことができる。
よび上記回転ナットの外径面を、僅かな径方向隙間を持
って互いに嵌合するように、それぞれ円筒面状に形成す
ると共に、上記ロータの嵌合部の内周面に、縦断面形状
が円弧状を成す凸部を形成し、かつ、この凸部に対向す
る上記回転ナットの嵌合部の外周面に、回り止め用の多
数の凹凸を形成しても良い。これらの凹凸は、円周方向
に並ぶものとする。このように構成した場合も、回転ナ
ットとロータの嵌合部で調心が許容され、両部材間の固
定によるミスアラインメントを吸収することができ、ま
た回転ナットとロータ間の回転方向のガタツキを無くす
ことができる。
【0009】この発明において、上記のように回転ナッ
トの外周面またはロータの内周面に凸部を設ける場合
に、上記凹凸は転造面としても良い。このように転造面
とすると、凹凸の形成が容易に行える。
トの外周面またはロータの内周面に凸部を設ける場合
に、上記凹凸は転造面としても良い。このように転造面
とすると、凹凸の形成が容易に行える。
【0010】この発明において、上記ロータの内径面お
よび回転ナットの外径面を、僅かな径方向隙間を持って
互いに嵌合するように、それぞれ円筒面状に形成すると
共に、これらの嵌合部の少なくとも周方向3カ所に凹球
面座を形成し、この凹球面座間にボールを収容しても良
い。すなわち、上記凸部および凹凸を設ける代わりに、
上記凹球面座およびボールを設ける。このように構成し
た場合、複数のボールと各ボールを収容した凹球面座と
により、ロータから回転ナットへの回転トルクを伝達す
ると共に、調心作用が許容され、両部材間のミスアライ
ンメントを吸収することができる。
よび回転ナットの外径面を、僅かな径方向隙間を持って
互いに嵌合するように、それぞれ円筒面状に形成すると
共に、これらの嵌合部の少なくとも周方向3カ所に凹球
面座を形成し、この凹球面座間にボールを収容しても良
い。すなわち、上記凸部および凹凸を設ける代わりに、
上記凹球面座およびボールを設ける。このように構成し
た場合、複数のボールと各ボールを収容した凹球面座と
により、ロータから回転ナットへの回転トルクを伝達す
ると共に、調心作用が許容され、両部材間のミスアライ
ンメントを吸収することができる。
【0011】このようなボールと凹球面座とを設ける場
合に、上記回転ナット外周面および上記ロータ内周面の
少なくとも一方に、上記凹球面座と回転ナット端面とを
結ぶ入れ溝を形成しても良い。入れ溝は、回転ナット外
周面のみに設けても、ロータ内周面のみに設けても、回
転ナット外周面とロータ内周面との両方に対向して設け
ても良い。このように入れ溝を形成することにより、ロ
ータと回転ナットの凹球面座の間にボールを容易に収容
できる。
合に、上記回転ナット外周面および上記ロータ内周面の
少なくとも一方に、上記凹球面座と回転ナット端面とを
結ぶ入れ溝を形成しても良い。入れ溝は、回転ナット外
周面のみに設けても、ロータ内周面のみに設けても、回
転ナット外周面とロータ内周面との両方に対向して設け
ても良い。このように入れ溝を形成することにより、ロ
ータと回転ナットの凹球面座の間にボールを容易に収容
できる。
【0012】この発明における第2発明の電動パワース
テアリング装置は、ハウジングと、車輪を操舵する操舵
機構に連結され、上記ハウジング内を貫通した操舵軸
と、ハンドルから与えられる回転力を、上記操舵軸を軸
方向に移動させる力に変換する変換機構と、上記操舵軸
の一部がボールねじ軸となるボールねじ機構と、このボ
ールねじ機構の回転ナットの外周にロータの一端が嵌合
した電動モータとを備える電動パワーステアリング装置
において、上記ロータの内径面および上記回転ナットの
外径面を、僅かな径方向隙間を持って互いに嵌合するよ
うに、それぞれ円筒面状に形成すると共に、上記回転ナ
ットの嵌合部の少なくとも周方向3カ所に凹所を形成
し、この凹所に対向する上記ロータの嵌合部に貫通孔を
形成し、この貫通孔に上記凹所に係合する係合部材を収
容し、上記貫通孔の外径側開口を栓部材で塞いだもので
ある。この構成の場合、ロータと回転ナットが僅かな径
方向隙間を持って互いに嵌合し、回転ナットの凹所に対
応してロータに係合部材が設けられているため、これら
凹所と係合部材との係合の調整を行うことにより、また
は係合部分で得られる調心作用により、上記径方向隙間
において、回転ナットに対するロータのミスアラインメ
ントを吸収することができる。そのため、ミスアライン
メントに起因する回転トルクの増大やトルクむらが解消
される。また、上記係合部材は上記ロータに設けた貫通
孔に収容するため、係合部材を介してロータと回転ナッ
トとを嵌合させる構成でありながら、組立作業が簡単に
行える。
テアリング装置は、ハウジングと、車輪を操舵する操舵
機構に連結され、上記ハウジング内を貫通した操舵軸
と、ハンドルから与えられる回転力を、上記操舵軸を軸
方向に移動させる力に変換する変換機構と、上記操舵軸
の一部がボールねじ軸となるボールねじ機構と、このボ
ールねじ機構の回転ナットの外周にロータの一端が嵌合
した電動モータとを備える電動パワーステアリング装置
において、上記ロータの内径面および上記回転ナットの
外径面を、僅かな径方向隙間を持って互いに嵌合するよ
うに、それぞれ円筒面状に形成すると共に、上記回転ナ
ットの嵌合部の少なくとも周方向3カ所に凹所を形成
し、この凹所に対向する上記ロータの嵌合部に貫通孔を
形成し、この貫通孔に上記凹所に係合する係合部材を収
容し、上記貫通孔の外径側開口を栓部材で塞いだもので
ある。この構成の場合、ロータと回転ナットが僅かな径
方向隙間を持って互いに嵌合し、回転ナットの凹所に対
応してロータに係合部材が設けられているため、これら
凹所と係合部材との係合の調整を行うことにより、また
は係合部分で得られる調心作用により、上記径方向隙間
において、回転ナットに対するロータのミスアラインメ
ントを吸収することができる。そのため、ミスアライン
メントに起因する回転トルクの増大やトルクむらが解消
される。また、上記係合部材は上記ロータに設けた貫通
孔に収容するため、係合部材を介してロータと回転ナッ
トとを嵌合させる構成でありながら、組立作業が簡単に
行える。
【0013】上記凹所は、凹球面座であっても、平坦な
底面形状の凹所であっても良い。上記凹所が凹球面座の
場合は、係合部材の少なくとも先端は凸球面をなすもの
とすることが好ましい。また、凹所が平坦な底面形状の
場合は、係合部材の先端は平坦面をなすものとすること
が好ましい。上記凹所を凹球面座とし、係合部材の先端
を凸球面とした場合は、上記ボールを設けた場合と同様
に、先端が凸球面をなす係合部材により、トルク伝達お
よび調心機能によるミスアラインメントの吸収作用が得
られる。上記凹所を平坦な底面形状の凹所とし、係合部
材を先端が平坦面のものとした場合は、自動調心機能は
得られないが、回転ナットとロータとの組立時に、両部
材の振れが少なくなるように、凹所への係合部材の進入
量を調整して固定することにより、回転ナットとロータ
のミスアラインメントを無くすことができる。また、こ
の構成の場合は、傾きを自動調心させる場合と異なり、
回転ナットとロータとの傾きが発生しないようにでき
る。
底面形状の凹所であっても良い。上記凹所が凹球面座の
場合は、係合部材の少なくとも先端は凸球面をなすもの
とすることが好ましい。また、凹所が平坦な底面形状の
場合は、係合部材の先端は平坦面をなすものとすること
が好ましい。上記凹所を凹球面座とし、係合部材の先端
を凸球面とした場合は、上記ボールを設けた場合と同様
に、先端が凸球面をなす係合部材により、トルク伝達お
よび調心機能によるミスアラインメントの吸収作用が得
られる。上記凹所を平坦な底面形状の凹所とし、係合部
材を先端が平坦面のものとした場合は、自動調心機能は
得られないが、回転ナットとロータとの組立時に、両部
材の振れが少なくなるように、凹所への係合部材の進入
量を調整して固定することにより、回転ナットとロータ
のミスアラインメントを無くすことができる。また、こ
の構成の場合は、傾きを自動調心させる場合と異なり、
回転ナットとロータとの傾きが発生しないようにでき
る。
【0014】上記のように係合部材を貫通孔に収容して
栓部材で貫通孔の外径側開口を塞ぐ場合に、上記栓部材
は、上記貫通孔にねじ嵌合することにより、貫通孔に対
して進退自在なものとしても良い。このように栓部材を
貫通孔にねじ嵌合させると、貫通孔への栓部材の装着を
容易に行うことができると共に、回転ナットに生じる嵌
合力を栓部材の進退により調整できる。このため、回転
ナットに生じる円周方向各部の嵌合力を、上記調整によ
って均一にすることができる。
栓部材で貫通孔の外径側開口を塞ぐ場合に、上記栓部材
は、上記貫通孔にねじ嵌合することにより、貫通孔に対
して進退自在なものとしても良い。このように栓部材を
貫通孔にねじ嵌合させると、貫通孔への栓部材の装着を
容易に行うことができると共に、回転ナットに生じる嵌
合力を栓部材の進退により調整できる。このため、回転
ナットに生じる円周方向各部の嵌合力を、上記調整によ
って均一にすることができる。
【0015】この発明のうち、上記のように貫通孔と凹
球面座とを設けるものにおいて、それらの凹球面座に変
えて、軸方向に長軸を有する楕円、または半円を直線部
で繋いだ長丸形状の凹曲面座を設けても良い。このよう
に、軸方向に長い凹曲面座とした場合、ロータの貫通孔
と回転ナットの凹曲面座との軸方向の位置ずれを許容し
ながら、回転方向のガタツキを無くして確実なトルク伝
達を行うことができる。調心機能によるミスアラインメ
ントの吸収作用は、貫通孔が円孔である場合と同様に得
られる。
球面座とを設けるものにおいて、それらの凹球面座に変
えて、軸方向に長軸を有する楕円、または半円を直線部
で繋いだ長丸形状の凹曲面座を設けても良い。このよう
に、軸方向に長い凹曲面座とした場合、ロータの貫通孔
と回転ナットの凹曲面座との軸方向の位置ずれを許容し
ながら、回転方向のガタツキを無くして確実なトルク伝
達を行うことができる。調心機能によるミスアラインメ
ントの吸収作用は、貫通孔が円孔である場合と同様に得
られる。
【0016】この発明における第2発明において、上記
栓部材と係合部材間に弾性部材を介在させても良い。こ
のように栓部材と係合部材間に弾性部材を介在させる
と、回転ナットに生じる嵌合力を均一にすることができ
る。上記のように栓部材を貫通孔にねじ嵌合させた場合
に、上記のように弾性部材を介在させたときは、栓部材
のねじ嵌合による出し入れによって、嵌合力の調整を行
うこともできる。
栓部材と係合部材間に弾性部材を介在させても良い。こ
のように栓部材と係合部材間に弾性部材を介在させる
と、回転ナットに生じる嵌合力を均一にすることができ
る。上記のように栓部材を貫通孔にねじ嵌合させた場合
に、上記のように弾性部材を介在させたときは、栓部材
のねじ嵌合による出し入れによって、嵌合力の調整を行
うこともできる。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施形態を図面
と共に説明する。図1は、この電動パワーステアリング
装置の破断側面図である。同図において、ハウジング1
は、図示しないブラケットを有していて、車体に固定さ
れる。ハウジング1内には操舵軸2が貫通し、操舵軸2
はその両端にタイロッド3,4が連結されている。タイ
ロッド3,4は、車輪を操舵する操舵機構(図示せず)
に連結される。ハウジング1の一端の近傍から斜め上方
に延びるようにハンドル軸5が設けられ、ハンドル軸5
は上端にハンドルが連結される。ハンドル軸5は、回転
自在に支持されていて、ハンドル軸5の回転は、その下
端から変換機構6を介して操舵軸2に、軸方向の移動力
として伝達される。変換機構6は、操舵軸2の長手方向
の一部で形成されるラック7と、ハンドル軸5の下端に
設けられたピニオン(図示せず)とからなり、上記ピニ
オンは、ハウジング1内でラック7に噛み合う。ハンド
ル軸5に対して、その操舵トルクを検出する操舵トルク
検出器(図示せず)が設けられている。
と共に説明する。図1は、この電動パワーステアリング
装置の破断側面図である。同図において、ハウジング1
は、図示しないブラケットを有していて、車体に固定さ
れる。ハウジング1内には操舵軸2が貫通し、操舵軸2
はその両端にタイロッド3,4が連結されている。タイ
ロッド3,4は、車輪を操舵する操舵機構(図示せず)
に連結される。ハウジング1の一端の近傍から斜め上方
に延びるようにハンドル軸5が設けられ、ハンドル軸5
は上端にハンドルが連結される。ハンドル軸5は、回転
自在に支持されていて、ハンドル軸5の回転は、その下
端から変換機構6を介して操舵軸2に、軸方向の移動力
として伝達される。変換機構6は、操舵軸2の長手方向
の一部で形成されるラック7と、ハンドル軸5の下端に
設けられたピニオン(図示せず)とからなり、上記ピニ
オンは、ハウジング1内でラック7に噛み合う。ハンド
ル軸5に対して、その操舵トルクを検出する操舵トルク
検出器(図示せず)が設けられている。
【0018】ハウジング1は、円筒状に形成されたもの
であり、中央の筒体1aの両端に端部材1b,1cを結
合して構成される。ハウジング1内の軸方向の中央部に
は、電動モータ8のステータ9が設けられている。ステ
ータ9は、コアおよびステータコイルで構成される。ス
テータ9の内周側には、電動モータ8のロータ10がギ
ャップを介して設けられている。ロータ10は、磁石ま
たは磁性体により円筒状に形成されていて、スリーブ1
1の外周に、このスリーブ11と一体に回転するように
取付けられる。このスリーブ11内に、操舵軸2が軸方
向移動自在に挿通されている。電動モータ8は、図示し
ないモータ制御回路により、前記操舵トルク検出器の検
出値に従って制御される。
であり、中央の筒体1aの両端に端部材1b,1cを結
合して構成される。ハウジング1内の軸方向の中央部に
は、電動モータ8のステータ9が設けられている。ステ
ータ9は、コアおよびステータコイルで構成される。ス
テータ9の内周側には、電動モータ8のロータ10がギ
ャップを介して設けられている。ロータ10は、磁石ま
たは磁性体により円筒状に形成されていて、スリーブ1
1の外周に、このスリーブ11と一体に回転するように
取付けられる。このスリーブ11内に、操舵軸2が軸方
向移動自在に挿通されている。電動モータ8は、図示し
ないモータ制御回路により、前記操舵トルク検出器の検
出値に従って制御される。
【0019】スリーブ11の一端、この例ではハンドル
軸5側の端部は、軸受12によりハウジング1内に回転
自在に支持されている。軸受12は、単独の軸受であっ
も、複数個を組み合わせて配置したものであっても良
く、全体としてラジアル荷重およびスラスト荷重の支持
が可能なものとされる。
軸5側の端部は、軸受12によりハウジング1内に回転
自在に支持されている。軸受12は、単独の軸受であっ
も、複数個を組み合わせて配置したものであっても良
く、全体としてラジアル荷重およびスラスト荷重の支持
が可能なものとされる。
【0020】電動モータ8の回転は、ボールねじ機構1
3を介して、操舵軸2に軸方向に移動させる力として伝
えられる。ボールねじ機構13は、操舵軸2の軸方向の
一部がボールねじ軸2aとなるものである。ボールねじ
機構13の回転ナット14は、その外径部が軸受16で
ハウジング1内に回転自在に支持され、かつ電動モータ
8のロータ10の一端が外径面に嵌合している。ロータ
10の回転ナット14側の端部は、スリーブ11よりも
突出していて、この突出部分が回転ナット14に嵌合す
る。軸受16は、単独の軸受であっても、複数個を組み
合わせて配置したものであっても良く、全体としてラジ
アル荷重およびスラスト荷重の支持が可能なものとされ
る。この実施形態では、軸受16は、アンギュラ玉軸受
等の転がり軸受が用いられ、内輪、外輪、および両輪間
に介在した転動体を有するものとされる。
3を介して、操舵軸2に軸方向に移動させる力として伝
えられる。ボールねじ機構13は、操舵軸2の軸方向の
一部がボールねじ軸2aとなるものである。ボールねじ
機構13の回転ナット14は、その外径部が軸受16で
ハウジング1内に回転自在に支持され、かつ電動モータ
8のロータ10の一端が外径面に嵌合している。ロータ
10の回転ナット14側の端部は、スリーブ11よりも
突出していて、この突出部分が回転ナット14に嵌合す
る。軸受16は、単独の軸受であっても、複数個を組み
合わせて配置したものであっても良く、全体としてラジ
アル荷重およびスラスト荷重の支持が可能なものとされ
る。この実施形態では、軸受16は、アンギュラ玉軸受
等の転がり軸受が用いられ、内輪、外輪、および両輪間
に介在した転動体を有するものとされる。
【0021】ボールねじ機構13につき、図2と共に説
明する。このボールねじ機構13は、ボールねじ軸2a
と、回転ナット14と、これらボールねじ軸2aおよび
回転ナット14の間に介在した多数のボール15とで構
成される。このボールねじ機構13は、いわゆるエンド
キャップ形式のものであり、回転ナット14が、ナット
本体17と、このナット本体17の両端に各々、結合さ
れた一対のエンドキャップ18,19とで構成される。
このボールねじ機構13としては、エンドキャップ式に
限らず、他に駒式やリターンチューブ式のものとしても
良く、その場合にも調心可能としたことによる効果が同
等に得られる。
明する。このボールねじ機構13は、ボールねじ軸2a
と、回転ナット14と、これらボールねじ軸2aおよび
回転ナット14の間に介在した多数のボール15とで構
成される。このボールねじ機構13は、いわゆるエンド
キャップ形式のものであり、回転ナット14が、ナット
本体17と、このナット本体17の両端に各々、結合さ
れた一対のエンドキャップ18,19とで構成される。
このボールねじ機構13としては、エンドキャップ式に
限らず、他に駒式やリターンチューブ式のものとしても
良く、その場合にも調心可能としたことによる効果が同
等に得られる。
【0022】ナット本体17は、ボールねじ軸2aの外
ねじ溝20に対向する内ねじ溝21、およびボール15
の循環用貫通孔22を有し、両端面に複数本のボルト孔
23が設けられている。上記外ねじ溝20と内ねじ溝2
1の間で、ボール15の転動路が形成される。循環用貫
通孔22は、ナット本体17の軸方向に延びて両端面に
貫通している。
ねじ溝20に対向する内ねじ溝21、およびボール15
の循環用貫通孔22を有し、両端面に複数本のボルト孔
23が設けられている。上記外ねじ溝20と内ねじ溝2
1の間で、ボール15の転動路が形成される。循環用貫
通孔22は、ナット本体17の軸方向に延びて両端面に
貫通している。
【0023】エンドキャップ18,19は、ボール15
を、ボールねじ軸2aの外ねじ溝20とナット本体17
の循環用貫通孔22の間に循環させるものであり、内径
がナット本体17と等しいリング状に形成されている。
各エンドキャップ18,19のナット本体17との当接
面となる内側面には、前記のボール15の循環を行わせ
る溝状の案内路24が設けられている。案内路24は、
エンドキャップ18,19の内径面に形成されてナット
本体17の内ねじ溝21に続く1周未満の螺旋溝部と、
この螺旋溝部から外径側へ斜めに延びる溝部とでなる。
エンドキャップ18,19には、ナット本体17のボル
ト孔23に整合するボルト挿通孔26が設けられ、各孔
26の座繰り部が、エンドキャップ外側の側面に設けら
れている。このボルト挿通孔26に挿通されてボルト孔
23に螺合されたボルト25により、両エンドキャップ
18,19とナット本体17とが結合される。
を、ボールねじ軸2aの外ねじ溝20とナット本体17
の循環用貫通孔22の間に循環させるものであり、内径
がナット本体17と等しいリング状に形成されている。
各エンドキャップ18,19のナット本体17との当接
面となる内側面には、前記のボール15の循環を行わせ
る溝状の案内路24が設けられている。案内路24は、
エンドキャップ18,19の内径面に形成されてナット
本体17の内ねじ溝21に続く1周未満の螺旋溝部と、
この螺旋溝部から外径側へ斜めに延びる溝部とでなる。
エンドキャップ18,19には、ナット本体17のボル
ト孔23に整合するボルト挿通孔26が設けられ、各孔
26の座繰り部が、エンドキャップ外側の側面に設けら
れている。このボルト挿通孔26に挿通されてボルト孔
23に螺合されたボルト25により、両エンドキャップ
18,19とナット本体17とが結合される。
【0024】回転ナット14の外周形状を説明する。ナ
ット本体17は円筒状に形成されていて、図3に示すよ
うに、外径面における軸方向の略中央に、位置決め用の
フランジ27が形成されている。ナット本体外径面にお
けるフランジ27の両側の部分は、転がり軸受16が圧
入される円筒面部28、および電動モータ8のロータ1
0が嵌合する嵌合部32に形成されている。この嵌合部
32の外周面には環状の凸部33が形成され、この環状
凸部33は縦断面形状が円弧状の外形とされている。環
状凸部33の表面は、多数の凹凸からなる回り止め用の
凹凸面部33aとされている。換言すれば、回転ナット
14の嵌合部32に設けられる回り止め用の凹凸面部3
3aの形成部分を、丸みを持たせて環状凸部33として
いる。凹凸面部33aは、具体的には、軸方向に延びる
筋目のローレット状部とされ、凹溝部が円周方向に並ぶ
形状とされている。この凹凸面部33aは、ローレット
駒またはその他の工具により、転造加工によって形成さ
れる。嵌合部32の環状凸部33を除く外径は、この嵌
合部32にロータ10を外嵌させた図3(B)に示す状
態で、ロータ10の内径との間に僅かな径方向隙間Gが
できる寸法とされている。環状凸部33は、ロータ10
の内径面に圧入させる。材質例を説明すると、回転ナッ
ト14は、浸炭焼入れ等の硬化処理を施したものとさ
れ、ロータ10は、軟鋼等で熱処理が施されていないも
のとされる。
ット本体17は円筒状に形成されていて、図3に示すよ
うに、外径面における軸方向の略中央に、位置決め用の
フランジ27が形成されている。ナット本体外径面にお
けるフランジ27の両側の部分は、転がり軸受16が圧
入される円筒面部28、および電動モータ8のロータ1
0が嵌合する嵌合部32に形成されている。この嵌合部
32の外周面には環状の凸部33が形成され、この環状
凸部33は縦断面形状が円弧状の外形とされている。環
状凸部33の表面は、多数の凹凸からなる回り止め用の
凹凸面部33aとされている。換言すれば、回転ナット
14の嵌合部32に設けられる回り止め用の凹凸面部3
3aの形成部分を、丸みを持たせて環状凸部33として
いる。凹凸面部33aは、具体的には、軸方向に延びる
筋目のローレット状部とされ、凹溝部が円周方向に並ぶ
形状とされている。この凹凸面部33aは、ローレット
駒またはその他の工具により、転造加工によって形成さ
れる。嵌合部32の環状凸部33を除く外径は、この嵌
合部32にロータ10を外嵌させた図3(B)に示す状
態で、ロータ10の内径との間に僅かな径方向隙間Gが
できる寸法とされている。環状凸部33は、ロータ10
の内径面に圧入させる。材質例を説明すると、回転ナッ
ト14は、浸炭焼入れ等の硬化処理を施したものとさ
れ、ロータ10は、軟鋼等で熱処理が施されていないも
のとされる。
【0025】上記構成の動作および作用を説明する。車
両が直進状態にあり、ハンドルの回転を停止していると
きは、ハンドル軸5の操舵トルク検出器(図示せず)か
らトルク信号が出力されず、モータ制御手段(図示せ
ず)により電動モータ8は回転停止状態とされる。した
がって、この電動パワーステアリング装置は補助操舵力
を出力しない状態にある。ハンドルを操舵すると、ハン
ドル軸5の操舵トルク検出器からトルク信号が出力さ
れ、モータ制御回路の制御により、電動モータ8はロー
タ10を回転させる。ロータ10が回転すると、ロータ
10と共にボールねじ機構13の回転ナット14が回転
し、ボールねじ軸2aで一部が構成される操舵軸2が軸
方向に移動させられ、補助操舵力が発生する。このと
き、ボールねじ機構13のボール15は、回転ナット1
4の回転に伴って内外のねじ溝20,21間で形成され
る転動路内で転動し、ナット本体17内の循環用貫通孔
22、およびエンドキャップ18,19の案内路24を
通って循環する。このようにして、ハンドルの操舵力が
電動モータ8で補われる。
両が直進状態にあり、ハンドルの回転を停止していると
きは、ハンドル軸5の操舵トルク検出器(図示せず)か
らトルク信号が出力されず、モータ制御手段(図示せ
ず)により電動モータ8は回転停止状態とされる。した
がって、この電動パワーステアリング装置は補助操舵力
を出力しない状態にある。ハンドルを操舵すると、ハン
ドル軸5の操舵トルク検出器からトルク信号が出力さ
れ、モータ制御回路の制御により、電動モータ8はロー
タ10を回転させる。ロータ10が回転すると、ロータ
10と共にボールねじ機構13の回転ナット14が回転
し、ボールねじ軸2aで一部が構成される操舵軸2が軸
方向に移動させられ、補助操舵力が発生する。このと
き、ボールねじ機構13のボール15は、回転ナット1
4の回転に伴って内外のねじ溝20,21間で形成され
る転動路内で転動し、ナット本体17内の循環用貫通孔
22、およびエンドキャップ18,19の案内路24を
通って循環する。このようにして、ハンドルの操舵力が
電動モータ8で補われる。
【0026】この電動パワーステアリング装置におい
て、回転ナット14の嵌合部32に円弧状断面の環状凸
部33を形成し、ロータ10と回転ナット14を径方向
隙間Gを持って嵌合させたため、環状凸部33の回りで
ロータ10と回転ナット14の調心が許容され、両部材
10,14間のミスアラインメントを吸収することがで
きる。ロータ10と回転ナット14との回転方向のガタ
ツキは、上記環状凸部33に設けられた凹凸面部33a
のために防止され、ロータ10から回転ナット14への
確実な回転伝達が行われる。調心作用と、回転方向のガ
タツキ防止機能を同時に得ることは一般的には難しい
が、この構成の場合、ガタツキ防止のための凹凸面部3
3aを設ける部分を環状凸部33としたため、調心作用
と回転方向のガタツキ防止機能を併せ持つことができ
る。凹凸面部33aは転造面であるため、簡単に加工で
きる。
て、回転ナット14の嵌合部32に円弧状断面の環状凸
部33を形成し、ロータ10と回転ナット14を径方向
隙間Gを持って嵌合させたため、環状凸部33の回りで
ロータ10と回転ナット14の調心が許容され、両部材
10,14間のミスアラインメントを吸収することがで
きる。ロータ10と回転ナット14との回転方向のガタ
ツキは、上記環状凸部33に設けられた凹凸面部33a
のために防止され、ロータ10から回転ナット14への
確実な回転伝達が行われる。調心作用と、回転方向のガ
タツキ防止機能を同時に得ることは一般的には難しい
が、この構成の場合、ガタツキ防止のための凹凸面部3
3aを設ける部分を環状凸部33としたため、調心作用
と回転方向のガタツキ防止機能を併せ持つことができ
る。凹凸面部33aは転造面であるため、簡単に加工で
きる。
【0027】図4は、この発明の第2の実施形態を示
す。この実施形態の場合、回転ナット14の嵌合部32
に嵌合するロータ10の内径面の嵌合部34に、環状の
凸部35が周回するように形成され、この環状凸部35
は縦断面形状が円弧状の外径とされている。この環状凸
部35に対向する回転ナット14の嵌合部32には、円
周方向に並ぶ多数の凹凸からなる凹凸面部32aが形成
されている。この凹凸面部32aは転造加工によって形
成されている。ロータ10における嵌合部34の環状凸
部35を除く内径は、この嵌合部34を回転ナット14
に外嵌させた図4(B)に示す状態で、回転ナット14
の外径との間に僅かな径方向隙間Gができる寸法とされ
ている。その他の構成は第1の実施形態と同じであり、
ここではそれらの説明を省略する。
す。この実施形態の場合、回転ナット14の嵌合部32
に嵌合するロータ10の内径面の嵌合部34に、環状の
凸部35が周回するように形成され、この環状凸部35
は縦断面形状が円弧状の外径とされている。この環状凸
部35に対向する回転ナット14の嵌合部32には、円
周方向に並ぶ多数の凹凸からなる凹凸面部32aが形成
されている。この凹凸面部32aは転造加工によって形
成されている。ロータ10における嵌合部34の環状凸
部35を除く内径は、この嵌合部34を回転ナット14
に外嵌させた図4(B)に示す状態で、回転ナット14
の外径との間に僅かな径方向隙間Gができる寸法とされ
ている。その他の構成は第1の実施形態と同じであり、
ここではそれらの説明を省略する。
【0028】この実施形態の場合も、回転ナット14
と、これに外嵌するロータ10との調心が、ロータ10
の嵌合部34で許容されることになり、回転ナット14
とロータ10との固定によるミスアラインメントを吸収
することができる。
と、これに外嵌するロータ10との調心が、ロータ10
の嵌合部34で許容されることになり、回転ナット14
とロータ10との固定によるミスアラインメントを吸収
することができる。
【0029】図5および図6は、この発明の第3の実施
形態を示す。この実施形態の場合、回転ナット14は、
その嵌合部32における周方向の少なくとも3カ所に、
等間隔に離間させて凹所である凹球面座36が形成され
ている。ロータ10の内径面の嵌合部34における回転
ナット14の各凹球面座36と対向する箇所にも凹所で
ある凹球面座37が形成され、回転ナット14にロータ
10を外嵌させた図6に示す状態で、回転ナット14側
の各凹球面座36とロータ10側の対応する凹球面座3
7との間にそれぞれボール38を収容している。回転ナ
ット14における嵌合部32の凹球面座36を除く外径
と、ロータ10における嵌合部34の凹球面座37を除
く内径とは、回転ナット14にロータ10を外嵌させた
図6に示す状態で、僅かな径方向隙間Gができるように
されている。回転ナット14における嵌合部32の外径
面には、図5(D),(E)に縦断面図および平面図で
示すように、凹球面座36と回転ナット14の端面とを
結ぶボール38用の入れ溝39が形成されている。この
入れ溝39は、端面側に向けて下降傾斜するテーパ状と
されている。その他の構成は先の各実施形態と同様であ
り、ここではそれらの説明を省略する。
形態を示す。この実施形態の場合、回転ナット14は、
その嵌合部32における周方向の少なくとも3カ所に、
等間隔に離間させて凹所である凹球面座36が形成され
ている。ロータ10の内径面の嵌合部34における回転
ナット14の各凹球面座36と対向する箇所にも凹所で
ある凹球面座37が形成され、回転ナット14にロータ
10を外嵌させた図6に示す状態で、回転ナット14側
の各凹球面座36とロータ10側の対応する凹球面座3
7との間にそれぞれボール38を収容している。回転ナ
ット14における嵌合部32の凹球面座36を除く外径
と、ロータ10における嵌合部34の凹球面座37を除
く内径とは、回転ナット14にロータ10を外嵌させた
図6に示す状態で、僅かな径方向隙間Gができるように
されている。回転ナット14における嵌合部32の外径
面には、図5(D),(E)に縦断面図および平面図で
示すように、凹球面座36と回転ナット14の端面とを
結ぶボール38用の入れ溝39が形成されている。この
入れ溝39は、端面側に向けて下降傾斜するテーパ状と
されている。その他の構成は先の各実施形態と同様であ
り、ここではそれらの説明を省略する。
【0030】この実施形態の場合、回転ナット14とロ
ータ10とが両部材の凹球面座36,37間に収容され
るボール38を介して嵌合するので、回転ナット14
と、これに外嵌するロータ10との調心が、ボール38
により許容されることになる。これにより、回転ナット
14とロータ10との固定によるミスアラインメントを
吸収することができる。また、ボール38を介して、ガ
タツキなくトルク伝達が行われる。凹球面座36,37
間へのボール38の収容は、回転ナット14に対してロ
ータ10を外嵌するとき、回転ナット14の入れ溝39
でボール38を案内することにより、容易に行うことが
できる。
ータ10とが両部材の凹球面座36,37間に収容され
るボール38を介して嵌合するので、回転ナット14
と、これに外嵌するロータ10との調心が、ボール38
により許容されることになる。これにより、回転ナット
14とロータ10との固定によるミスアラインメントを
吸収することができる。また、ボール38を介して、ガ
タツキなくトルク伝達が行われる。凹球面座36,37
間へのボール38の収容は、回転ナット14に対してロ
ータ10を外嵌するとき、回転ナット14の入れ溝39
でボール38を案内することにより、容易に行うことが
できる。
【0031】図7(A)は、この発明の第4の実施形態
を示す。この実施形態は、回転ナット14の嵌合部32
における周方向の少なくとも3カ所に、等間隔に離間さ
せて凹所である凹曲面座36Aが形成されている。ロー
タ10における回転ナット14の各凹曲面座36Aと対
向する箇所には、径方向に向く貫通孔40が、それぞれ
形成される。この貫通孔40には、少なくとも先端が凸
球面とされた係合部材41を収容し、その外径側開口を
栓部材42で塞いでいる。ここでは係合部材41として
ボールを用いている。栓部材42は、貫通孔40に螺合
する雄ねじ部材としている。凹曲面座36Aは、凹球面
座であっても良いが、開口部が軸方向に長軸を有する楕
円、または図7(B)に示すような半円を直線部で繋い
だ長丸形状となる凹曲面の座とされている。その他の構
成は先の各実施形態と同様であり、ここではそれらの説
明を省略する。
を示す。この実施形態は、回転ナット14の嵌合部32
における周方向の少なくとも3カ所に、等間隔に離間さ
せて凹所である凹曲面座36Aが形成されている。ロー
タ10における回転ナット14の各凹曲面座36Aと対
向する箇所には、径方向に向く貫通孔40が、それぞれ
形成される。この貫通孔40には、少なくとも先端が凸
球面とされた係合部材41を収容し、その外径側開口を
栓部材42で塞いでいる。ここでは係合部材41として
ボールを用いている。栓部材42は、貫通孔40に螺合
する雄ねじ部材としている。凹曲面座36Aは、凹球面
座であっても良いが、開口部が軸方向に長軸を有する楕
円、または図7(B)に示すような半円を直線部で繋い
だ長丸形状となる凹曲面の座とされている。その他の構
成は先の各実施形態と同様であり、ここではそれらの説
明を省略する。
【0032】この実施形態の場合も、回転ナット14と
ロータ10とが両部材の凹曲面座36Aと貫通孔40の
間に収容される係合部材41を介して嵌合するので、回
転ナット14と、これに外嵌するロータ10との調心
が、係合部材41により許容される。係合部材41の収
容は、ロータ10の貫通孔40に係合部材41を挿入し
て栓部材42で貫通孔40を塞ぐことにより行えるの
で、回転ナット14へのロータ10の外嵌を容易に行う
ことができる。また、栓部材42を貫通孔40に対して
進退できるので、回転ナット14に対する係合部材41
の嵌合力を容易に調整できる。凹曲面座36Aを、上記
のような楕円または長丸形状とした場合は、ロータ10
の貫通孔40と回転ナットの凹曲面座36Aとの軸方向
の位置ずれを許容しながら、回転方向のガタツキを無く
して確実なトルク伝達を行うことができる。また、調心
機能によるミスアラインメントの吸収作用は、回転ナッ
ト14の凹所が凹球面座である場合と同様に得られる。
なお、凹曲面座36Aを長丸状等とする代わりに、貫通
孔40の断面形状を楕円または上記長丸形状としても良
い。
ロータ10とが両部材の凹曲面座36Aと貫通孔40の
間に収容される係合部材41を介して嵌合するので、回
転ナット14と、これに外嵌するロータ10との調心
が、係合部材41により許容される。係合部材41の収
容は、ロータ10の貫通孔40に係合部材41を挿入し
て栓部材42で貫通孔40を塞ぐことにより行えるの
で、回転ナット14へのロータ10の外嵌を容易に行う
ことができる。また、栓部材42を貫通孔40に対して
進退できるので、回転ナット14に対する係合部材41
の嵌合力を容易に調整できる。凹曲面座36Aを、上記
のような楕円または長丸形状とした場合は、ロータ10
の貫通孔40と回転ナットの凹曲面座36Aとの軸方向
の位置ずれを許容しながら、回転方向のガタツキを無く
して確実なトルク伝達を行うことができる。また、調心
機能によるミスアラインメントの吸収作用は、回転ナッ
ト14の凹所が凹球面座である場合と同様に得られる。
なお、凹曲面座36Aを長丸状等とする代わりに、貫通
孔40の断面形状を楕円または上記長丸形状としても良
い。
【0033】図8は、図7の実施形態において、係合部
材41として、先端が凸球面となったニードルを用いた
例である。その他の構成は図7の実施形態と同じであ
る。
材41として、先端が凸球面となったニードルを用いた
例である。その他の構成は図7の実施形態と同じであ
る。
【0034】図9は、この発明の第5の実施形態を示
す。この実施形態は、図7に示す実施形態において、係
合部材41と栓部材42との間に弾性部材43を介在さ
せたものである。その他の構成は図7の実施形態と同じ
である。
す。この実施形態は、図7に示す実施形態において、係
合部材41と栓部材42との間に弾性部材43を介在さ
せたものである。その他の構成は図7の実施形態と同じ
である。
【0035】この実施形態の場合、係合部材41が弾性
部材43で回転ナット14の凹曲面座36Aに押し付け
られるので、回転ナット14に生じる嵌合力を均一にす
ることができる。また、弾性部材43のばね力を調整す
ることにより、上記嵌合力を容易に調整できる。
部材43で回転ナット14の凹曲面座36Aに押し付け
られるので、回転ナット14に生じる嵌合力を均一にす
ることができる。また、弾性部材43のばね力を調整す
ることにより、上記嵌合力を容易に調整できる。
【0036】図10は、図9の実施形態における係合部
材41として、先端が凸球面となったニードルを用いた
例を示している。その他の構成は図9の実施形態と同じ
である。
材41として、先端が凸球面となったニードルを用いた
例を示している。その他の構成は図9の実施形態と同じ
である。
【0037】図11は、この発明の第6の実施形態を示
す。この実施形態は、図8に示す実施形態において、回
転ナット14の嵌合部32に、凹曲面座36Aに代えて
底面の平坦な凹所36Bが設けられている。凹所36B
は断面円形である。また、係止部材41としては、凹所
36Bの底面に当接する先端面が平坦面となった円柱状
の部材が用いられている。なお、凹所36Bは、少なく
とも周方向の3箇所に設ければ良いが、図11(B)の
ように、回転ナット14の嵌合部32における周方向の
4カ所に、等間隔に離間させて形成してある。これに対
応させて、ねじ孔である貫通孔40および係合部材41
も、周方向に等間隔に離間させて4カ所に配置されてい
る。各貫通孔40には雄ねじ部材である栓部材42が螺
合させてある。その他の構成は図8の実施形態と同じで
ある。
す。この実施形態は、図8に示す実施形態において、回
転ナット14の嵌合部32に、凹曲面座36Aに代えて
底面の平坦な凹所36Bが設けられている。凹所36B
は断面円形である。また、係止部材41としては、凹所
36Bの底面に当接する先端面が平坦面となった円柱状
の部材が用いられている。なお、凹所36Bは、少なく
とも周方向の3箇所に設ければ良いが、図11(B)の
ように、回転ナット14の嵌合部32における周方向の
4カ所に、等間隔に離間させて形成してある。これに対
応させて、ねじ孔である貫通孔40および係合部材41
も、周方向に等間隔に離間させて4カ所に配置されてい
る。各貫通孔40には雄ねじ部材である栓部材42が螺
合させてある。その他の構成は図8の実施形態と同じで
ある。
【0038】この実施形態の場合、回転ナット14の嵌
合部32に形成する凹所36Bが、底面の平坦な形状で
あるため、上記各実施形態のような自動調心機能はな
い。しかし、回転ナット14とロータ10の間に径方向
隙間Gが設けてあるため、両者の組立時に各係合部材4
1の凹所36Bへの進入量を調整し、回転ナット14と
ロータ10とを固定することができ、これにより回転ナ
ット14とロータ10のミスアラインメントを無くすこ
とができる。上記組立に際しては、ロータ10を支持す
る軸受12(図1)を基準位置としたロータ10の振
れ、および回転ナット14を支持する軸受16を基準位
置とした回転ナット14の振れを測定し、振れが少なく
なる各係合部材41の進入量で、これら係合部材41を
固定する。係合部材41の進入量の調整および固定は、
栓部材42の貫通孔40へのねじ込みにより行う。ま
た、このように凹所36Bを底面が平坦形状のものとし
て係合部材41で固定するようにした場合は、傾きを自
動調心させる場合と異なり、回転ナット14とロータ1
0との傾きが発生しないようにできる。
合部32に形成する凹所36Bが、底面の平坦な形状で
あるため、上記各実施形態のような自動調心機能はな
い。しかし、回転ナット14とロータ10の間に径方向
隙間Gが設けてあるため、両者の組立時に各係合部材4
1の凹所36Bへの進入量を調整し、回転ナット14と
ロータ10とを固定することができ、これにより回転ナ
ット14とロータ10のミスアラインメントを無くすこ
とができる。上記組立に際しては、ロータ10を支持す
る軸受12(図1)を基準位置としたロータ10の振
れ、および回転ナット14を支持する軸受16を基準位
置とした回転ナット14の振れを測定し、振れが少なく
なる各係合部材41の進入量で、これら係合部材41を
固定する。係合部材41の進入量の調整および固定は、
栓部材42の貫通孔40へのねじ込みにより行う。ま
た、このように凹所36Bを底面が平坦形状のものとし
て係合部材41で固定するようにした場合は、傾きを自
動調心させる場合と異なり、回転ナット14とロータ1
0との傾きが発生しないようにできる。
【0039】図12は、この発明の第7の実施形態を示
す。この実施形態は、図11に示す実施形態において、
係合部材41と栓部材42との間に弾性部材43を介在
させたものである。その他の構成は図11の実施形態と
同じである。この実施形態の場合、係合部材41が弾性
部材43で回転ナット14の凹所36Bに押し付けられ
るので、回転ナット14に生じる嵌合力を均一にするこ
とができる。また、弾性部材43のばね力を調整するこ
とにより、上記嵌合力を容易に調整できる。
す。この実施形態は、図11に示す実施形態において、
係合部材41と栓部材42との間に弾性部材43を介在
させたものである。その他の構成は図11の実施形態と
同じである。この実施形態の場合、係合部材41が弾性
部材43で回転ナット14の凹所36Bに押し付けられ
るので、回転ナット14に生じる嵌合力を均一にするこ
とができる。また、弾性部材43のばね力を調整するこ
とにより、上記嵌合力を容易に調整できる。
【0040】なお、前記第1および第2の実施形態で
は、凸部33,35を環状のものとしたが、これら凸部
33,35は、環状のものに限らず、円周方向の一部に
部分的に設けられたものであっても良い。例えば円周方
向の複数箇所に円弧状に延びて凸部33,35を設けて
も良い。
は、凸部33,35を環状のものとしたが、これら凸部
33,35は、環状のものに限らず、円周方向の一部に
部分的に設けられたものであっても良い。例えば円周方
向の複数箇所に円弧状に延びて凸部33,35を設けて
も良い。
【0041】
【発明の効果】この発明における第1発明の電動パワー
ステアリング装置は、ボールねじ機構の回転ナットと、
この回転ナットの外周に一端が嵌合する電動モータロー
タとを調心可能に嵌合したため、回転ナットに対し、ロ
ータのミスアラインメントを吸収でき、ミスアラインメ
ントに起因する回転トルクの増大やトルクむらを解消す
ることができる。この発明における第2発明の電動パワ
ーステアリング装置は、ロータと回転ナットとを僅かな
径方向隙間を持って互いに嵌合させ、回転ナットの嵌合
部の少なくとも周方向3カ所に凹所を形成し、この凹所
に対向する上記ロータの嵌合部に貫通孔を形成し、この
貫通孔に係合部材を収容し、上記貫通孔の外径側開口を
栓部材で塞いだため、回転ナットに対し、ロータのミス
アラインメントを吸収でき、ミスアラインメントに起因
する回転トルクの増大やトルクむらを解消することがで
きる。
ステアリング装置は、ボールねじ機構の回転ナットと、
この回転ナットの外周に一端が嵌合する電動モータロー
タとを調心可能に嵌合したため、回転ナットに対し、ロ
ータのミスアラインメントを吸収でき、ミスアラインメ
ントに起因する回転トルクの増大やトルクむらを解消す
ることができる。この発明における第2発明の電動パワ
ーステアリング装置は、ロータと回転ナットとを僅かな
径方向隙間を持って互いに嵌合させ、回転ナットの嵌合
部の少なくとも周方向3カ所に凹所を形成し、この凹所
に対向する上記ロータの嵌合部に貫通孔を形成し、この
貫通孔に係合部材を収容し、上記貫通孔の外径側開口を
栓部材で塞いだため、回転ナットに対し、ロータのミス
アラインメントを吸収でき、ミスアラインメントに起因
する回転トルクの増大やトルクむらを解消することがで
きる。
【図1】この発明の第1の実施形態にかかる電動パワー
ステアリング装置のボールねじ機構の破断正面図であ
る。
ステアリング装置のボールねじ機構の破断正面図であ
る。
【図2】そのボールねじ機構の断面図である。
【図3】(A)は同回転ナットとロータの分解図、
(B)はその組立図である。
(B)はその組立図である。
【図4】(A)はこの発明の第2の実施形態にかかる電
動パワーステアリング装置における回転ナットとロータ
の分解図、(B)はその組立図である。
動パワーステアリング装置における回転ナットとロータ
の分解図、(B)はその組立図である。
【図5】(A)はこの発明の第3の実施形態にかかる電
動パワーステアリング装置における回転ナットとロータ
の分解図、(B)は同回転ナットの横断面図、(C)は
同ロータの横断面図、(D)は同回転ナットの要部縦断
面図、(E)は同回転ナットの要部平面図である。
動パワーステアリング装置における回転ナットとロータ
の分解図、(B)は同回転ナットの横断面図、(C)は
同ロータの横断面図、(D)は同回転ナットの要部縦断
面図、(E)は同回転ナットの要部平面図である。
【図6】同回転ナットとロータの組立図である。
【図7】(A)はこの発明の第4の実施形態にかかる電
動パワーステアリング装置における回転ナットとロータ
の組立図、(B)は同回転ナットの平面図である。
動パワーステアリング装置における回転ナットとロータ
の組立図、(B)は同回転ナットの平面図である。
【図8】(A)は同電動パワーステアリング装置の変形
例を示す回転ナットとロータの組立図、(B)は同回転
ナットの平面図である。
例を示す回転ナットとロータの組立図、(B)は同回転
ナットの平面図である。
【図9】この発明の第5の実施形態にかかる電動パワー
ステアリング装置における回転ナットとロータの組立図
である。
ステアリング装置における回転ナットとロータの組立図
である。
【図10】同電動パワーステアリング装置の変形例を示
す回転ナットとロータの組立図である。
す回転ナットとロータの組立図である。
【図11】(A)はこの発明の第6の実施形態にかかる
電動パワーステアリング装置における回転ナットとロー
タの組立図、(B)は同回転ナットとロータの組立状態
を示す横断面図である。
電動パワーステアリング装置における回転ナットとロー
タの組立図、(B)は同回転ナットとロータの組立状態
を示す横断面図である。
【図12】(A)はこの発明の第7の実施形態にかかる
電動パワーステアリング装置における回転ナットとロー
タの組立図、(B)は同回転ナットとロータの組立状態
を示す横断面図である。
電動パワーステアリング装置における回転ナットとロー
タの組立図、(B)は同回転ナットとロータの組立状態
を示す横断面図である。
【図13】従来の電動パワーステアリング装置における
回転ナットとロータの組立図である。
回転ナットとロータの組立図である。
1…ハウジング 2…操舵軸 6…変換機構 8…電動モータ 10…ロータ 13…ボールねじ機構 14…回転ナット 32…回転ナットの嵌合部 32a…凹凸面部 33…回転ナットの凸部 33a…凹凸面部 34…ロータの嵌合部 35…ロータの凸部 36…ナットの凹球面座(凹所) 36A…ナットの凹曲面座(凹所) 36B…凹所 37…ロータの凹球面座 38…ボール 39…入れ溝 40…貫通孔 41…係合部材 42…栓部材 43…弾性部材 G…径方向隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 7/06 H02K 7/06 A Fターム(参考) 3D033 CA02 CA04 CA05 JB02 JB03 3J062 AA02 AB22 AC07 BA15 BA32 CD08 CD23 5H607 AA12 AA14 BB01 DD06 DD19 EE52
Claims (11)
- 【請求項1】 ハウジングと、車輪を操舵する操舵機構
に連結され、上記ハウジング内を貫通した操舵軸と、ハ
ンドルから与えられる回転力を、上記操舵軸を軸方向に
移動させる力に変換する変換機構と、上記操舵軸の一部
がボールねじ軸となるボールねじ機構と、このボールね
じ機構の回転ナットの外周にロータの一端が嵌合した電
動モータとを備える電動パワーステアリング装置におい
て、 上記回転ナットと上記ロータの一端とを調心可能に嵌合
したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 【請求項2】 上記ロータの内径面および上記回転ナッ
トの外径面を、僅かな径方向隙間を持って互いに嵌合す
るように、それぞれ円筒面状に形成すると共に、上記回
転ナットの嵌合部の外周面に、縦断面形状が円弧状を成
す凸部を形成し、この凸部の表面に、円周方向に並ぶ多
数の凹凸を形成した請求項1に記載の電動パワーステア
リング装置。 - 【請求項3】 上記ロータの内径面および上記回転ナッ
トの外径面を、僅かな径方向隙間を持って互いに嵌合す
るように、それぞれ円筒面状に形成すると共に、上記ロ
ータの嵌合部の内周面に、縦断面形状が円弧状を成す凸
部を形成し、かつ、この凸部に対向する上記回転ナット
の嵌合部の外周面に、円周方向に並ぶ多数の凹凸を形成
した請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 【請求項4】 上記凹凸が転造面である請求項2または
請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。 - 【請求項5】 上記ロータの内径面および上記回転ナッ
トの外径面を、僅かな径方向隙間を持って互いに嵌合す
るように、それぞれ円筒面状に形成すると共に、これら
の嵌合部の少なくとも周方向3カ所に凹球面座を形成
し、この凹球面座間にボールを収容した請求項1に記載
の電動パワーステアリング装置。 - 【請求項6】 上記回転ナット外周面および上記ロータ
内周面の少なくとも一方に、上記凹球面座と回転ナット
端面とを結ぶ入れ溝を形成した請求項5に記載の電動パ
ワーステアリング装置。 - 【請求項7】 ハウジングと、車輪を操舵する操舵機構
に連結され、上記ハウジング内を貫通した操舵軸と、ハ
ンドルから与えられる回転力を、上記操舵軸を軸方向に
移動させる力に変換する変換機構と、上記操舵軸の一部
がボールねじ軸となるボールねじ機構と、このボールね
じ機構の回転ナットの外周にロータの一端が嵌合した電
動モータとを備える電動パワーステアリング装置におい
て、 上記ロータの内径面および上記回転ナットの外径面を、
僅かな径方向隙間を持って互いに嵌合するように、それ
ぞれ円筒面状に形成すると共に、上記回転ナットの嵌合
部の少なくとも周方向3カ所に凹所を形成し、この凹所
に対向する上記ロータの嵌合部に貫通孔を形成し、この
貫通孔に上記凹所に係合する係合部材を収容し、上記貫
通孔の外径側開口を栓部材で塞いだ電動パワーステアリ
ング装置。 - 【請求項8】 上記凹所を凹球面座とし、上記係合部材
は少なくとも先端が凸球面をなすものとした請求項7に
記載の電動パワーステアリング装置。 - 【請求項9】 上記栓部材は上記貫通孔にねじ嵌合する
ことにより、貫通孔に対して進退自在とした請求項7ま
たは請求項8に記載の電動パワーステアリング装置。 - 【請求項10】 請求項8または請求項9に記載の電動
パワーステアリング装置において、上記凹球面座を、軸
方向に長軸を有する楕円、または半円を直線部で繋いだ
長丸形状の凹曲面座に変えた電動パワーステアリング装
置。 - 【請求項11】 上記栓部材と係合部材間に弾性部材を
介在させた請求項7ないし請求項10のいずれかに記載
の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001202059A JP2002225737A (ja) | 2000-11-29 | 2001-07-03 | 電動パワーステアリング装置 |
US09/989,458 US6736235B2 (en) | 2000-11-29 | 2001-11-21 | Powered steering device and ball screw mechanism therefor |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000-362264 | 2000-11-29 | ||
JP2000362264 | 2000-11-29 | ||
JP2001202059A JP2002225737A (ja) | 2000-11-29 | 2001-07-03 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002225737A true JP2002225737A (ja) | 2002-08-14 |
Family
ID=26604773
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001202059A Pending JP2002225737A (ja) | 2000-11-29 | 2001-07-03 | 電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002225737A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009035114A (ja) * | 2007-08-01 | 2009-02-19 | Fuji Heavy Ind Ltd | 荷台幌の昇降装置 |
JP2010179891A (ja) * | 2009-02-09 | 2010-08-19 | Jtekt Corp | 電動パワーステアリング装置 |
JP2012127460A (ja) * | 2010-12-17 | 2012-07-05 | Ojima Shisaku Kenkyusho:Kk | 回転運動を直線運動に変える運動機構 |
JP2014199131A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-23 | 理研興業株式会社 | クロスボルト緩み止め組み合わせ嵌合ナット部材 |
WO2017102823A1 (de) * | 2015-12-17 | 2017-06-22 | Festo Ag & Co. Kg | Spindelmutter |
JP2017198337A (ja) * | 2016-04-26 | 2017-11-02 | 理宝株式会社 | ナットアタッチメント、ナット組立体および送りねじ装置 |
-
2001
- 2001-07-03 JP JP2001202059A patent/JP2002225737A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009035114A (ja) * | 2007-08-01 | 2009-02-19 | Fuji Heavy Ind Ltd | 荷台幌の昇降装置 |
JP2010179891A (ja) * | 2009-02-09 | 2010-08-19 | Jtekt Corp | 電動パワーステアリング装置 |
JP2012127460A (ja) * | 2010-12-17 | 2012-07-05 | Ojima Shisaku Kenkyusho:Kk | 回転運動を直線運動に変える運動機構 |
JP2014199131A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-23 | 理研興業株式会社 | クロスボルト緩み止め組み合わせ嵌合ナット部材 |
WO2017102823A1 (de) * | 2015-12-17 | 2017-06-22 | Festo Ag & Co. Kg | Spindelmutter |
JP2017198337A (ja) * | 2016-04-26 | 2017-11-02 | 理宝株式会社 | ナットアタッチメント、ナット組立体および送りねじ装置 |
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