JP2009257477A - 自在継手 - Google Patents

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寛 加藤
Yuji Kawaike
祐次 川池
Yoshitaka Tsuboi
義隆 坪井
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Abstract

【課題】荷重負担の大きいねじ込み口側のねじ山の根本に加わる荷重を小さくし、複数のねじ山にわたって均等に荷重を分散して、大きな回転トルクを伝達することを可能にした自在継手を提供する。
【解決手段】ランジ部54Bに形成された雌ねじ59には、雌ねじ59の内径592のねじ込み口591側に、ねじ込み口591側に向かって角度θで徐々に拡径するテーパー内径部593が、雌ねじ59のねじ山の3山に渡って形成されている。従って、雌ねじ59のねじ山の高さが、ねじ込み口591側に向かって徐々に低く形成されているため、ねじ込み口591側のねじ山の根本に加わる荷重が小さくなって、雌ねじ59のねじ山の3山に渡って荷重が均等に分散される。
【選択図】図2

Description

本発明は自在継手、特に、ステアリング装置のステアリングシャフトの回転を伝達する軸同士を連結する自在継手に関する。
車両の前輪を操舵するステアリング装置では、ステアリングホイールの操作で回転するステアリングシャフトの動きを、自在継手を介してステアリングギヤの入力軸に伝達している。
ステアリングホイールの動きはステアリングコラム内に回転自在に設けたステアリングシャフトおよび中間シャフトを介してステアリングギアに伝達され、ステアリングギアによって車輪の方向を操舵する。通常、ステアリングシャフトとステアリングギアの入力軸とは互いに同一直線上に設けることが出来ない。
このため、従来から、ステアリングシャフトとステアリングギアへの入力軸との間に中間シャフトを設け、この中間シャフトの端部とステアリングシャフト、および、中間シャフトの端部とステアリングギアの入力軸の端部とを、自在継手を介して結合することにより、同一直線上に存在しないステアリングシャフトと入力軸との間での動力伝達が行えるようにしている。
近年、ステアリングシャフトに操舵補助力を付与するアシスト装置を、中間シャフトとステアリングホイールとの間に設けたコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置が多くなってきた。
このような、コラムアシスト式の電動パワーステアリングでは、中間シャフトに負荷される回転トルクが大きくなるため、中間シャフトと自在継手との結合部の結合剛性を大きくする必要がある。
図8から図10は従来の自在継手を示し、図8(1)は従来の自在継手を示す正面図であり、図8(2)は図8(1)のP矢視図である。図9は従来の自在継手にボルトを締め付ける前の状態を示し、図8(1)のA−A拡大断面図である。図10(1)は従来の自在継手にボルトを締め付けた状態を示し、図8(1)のA−A拡大断面図である。図10(2)は図10(1)のQ部拡大断面図である。
図8から図10に示すように、ヨーク51、51には二股状の結合アーム部52、52が各々形成され、この結合アーム部52、52に形成された円孔521、521に、軸受を介して挿入された十字軸57を介して、ヨーク51、51が結合される。
ヨーク51には略円筒状の結合筒部53が形成され、この結合筒部53の内周面に形成された雌セレーション531に、結合筒部53の軸方向に平行に軸6を挿入する。そして、軸6の外周面に形成された雄セレーション61を、雌セレーション531にセレーション係合させて、回転トルクを伝達可能に構成している。
ヨーク51の結合筒部53には、結合筒部53から接線方向に延びた、左右一対のフランジ部54A、54Bが互いに平行に形成されている。フランジ部54A、54Bの間には、雌セレーション531に連通するスリット(切り割り)56が形成されている。スリット56は、結合筒部53の軸方向の全長にわたって形成されている。
軸6の雄セレーション61の軸方向の略中間位置には、環状の凹部62が形成されている。そのため、軸6がヨーク51の結合筒部53から軸方向に抜け出そうとすると、ボルト55のボルト軸部551が凹部62に当接して、軸6がヨーク51の結合筒部53から抜け出すのを防止する。
図9に示すように、一方のフランジ部54Aには、ボルト55を挿入するためのボルト孔58が形成されている。また、他方のフランジ部54Bには、ボルト孔58と同心状に、雌ねじ59が形成されている。また、フランジ部54Aには、座面541Aが形成されている。座面541Aは、ボルト55のボルト頭部553の下面553Aに当接する。ボルト孔58と雌ねじ59は同一軸線上(同心状)に形成され、ボルト孔58、雌ねじ59の軸線に対して、座面541Aが直交して形成されている。
図10(1)に示すように、結合筒部53の雌セレーション531に軸6を挿入し、ボルト孔58に、ばね座金554を介して、図10(1)の右側からボルト55を挿入する。ボルト55の雄ねじ552を雌ねじ59にねじ込むと、フランジ部54A、54Bが弾性変形してスリット56の溝幅が狭まり、軸6の雄セレーション61を雌セレーション531で強く締付けて固定することができる。
フランジ部54A、54Bが弾性変形して、スリット56の溝幅が狭まり、フランジ部54A、54Bは、図10(1)の下方側に狭まった形状(非平行)になる。そのため、ボルト孔58、雌ねじ59の軸線が傾斜するため、ボルト55には曲げ応力と引っ張り応力の両方が作用する。図10(2)に、雌ねじ59のねじ山に作用する荷重の分布を示す。
一般に、ボルトを締め付けるとき雌ねじのねじ込み口のねじ山にかかる荷重負担が他よりも大きくなる。このため、雌ねじ59のねじ込み口591側のねじ山の荷重負担が元々大きいところ、さらに加えて、図10(2)に示すように、ボルト55に作用する曲げ応力F1による負担が重畳されることになる。これにより、ねじ込み口591側のねじ山の根本にはさらなる応力が集中する結果となる。この状態で、図8(2)に示すように、ヨーク51、51に回転トルクTが加わると、矢印で示す往復曲げ応力63がボルト55に作用するため、許容応力振幅が小さくなって、ボルト55が疲労破壊を起こしやすくなるため、大きな回転トルクを伝達することが困難になる。
特許文献1に示す自在継手は、ボルトの軸方向の長さを長くすることによって、ボルトの湾曲量を小さくして、ボルトに加わる曲げ応力を小さくしたものであるが、ボルトの曲がりは避けられず、対応可能な曲げ応力に限界がある。また、特許文献2に示す自在継手は、直線状フランジ部とL字状フランジ部を凹凸嵌合させることで、結合筒部の剛性を大きくしたものであるが、ボルトの曲がりは避けられず、対応可能な曲げ応力に限界がある。
特開平8−284968号公報 特開2005−321058号公報
本発明は、荷重負担の大きいねじ込み口側のねじ山の根本に加わる荷重を小さくし、複数のねじ山にわたって均等に荷重を分散して、大きな回転トルクを伝達することを可能にした自在継手を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、基端寄り部分に回転トルクを伝達可能に軸を嵌合するための内周面を備えた結合筒部、上記結合筒部に形成され、上記内周面に貫通する切り割り、上記切り割りを挟んで上記結合筒部と一体に設けられた一対のフランジ部、上記内周面とは反対側で、上記結合筒部と一体に設けられ、十字軸を軸支するための軸受け孔を有する一対の結合アーム部、上記結合筒部の内周面に挿入され、結合筒部の内周面に回転トルクを伝達可能に内嵌する外周面を有する軸、上記一対のフランジ部の一方に形成されたボルト孔、上記一対のフランジ部の他方に上記ボルト孔と同心に形成された雌ねじ、上記ボルト孔にボルト軸部を内嵌し、上記雌ねじにボルト軸部先端の雄ねじをねじ込み、上記一対のフランジ部の間の切り割りの間隔を狭めて、上記結合筒部の内周面を縮径し、上記軸の外周面を結合筒部の内周面で締め付けるボルト、上記雌ねじの内径のねじ込み口側に形成され、ねじ込み口側に向かって徐々に拡径するテーパー内径部を備えたことを特徴とする自在継手である。
第2番目の発明は、第1番目の発明の自在継手において、上記結合筒部の内周面には雌セレーションが形成され、この雌セレーションに係合して回転トルクを伝達する雄セレーションが上記軸の外周面に形成されていることを特徴とする自在継手である。
第3番目の発明は、第1番目から第2番目までのいずれかの発明の自在継手を有するステアリング装置である。
本発明の自在継手は、基端寄り部分に回転トルクを伝達可能に軸を嵌合するための内周面を備えた結合筒部と、結合筒部に形成され内周面に貫通する切り割りと、切り割りを挟んで結合筒部と一体に設けられた一対のフランジ部と、内周面とは反対側で結合筒部と一体に設けられ、十字軸を軸支するための軸受け孔を有する一対の結合アーム部と、結合筒部の内周面に挿入され、結合筒部の内周面に回転トルクを伝達可能に内嵌する外周面を有する軸と、一対のフランジ部の一方に形成されたボルト孔と、一対のフランジ部の他方にボルト孔と同心に形成された雌ねじと、ボルト孔にボルト軸部を内嵌し、雌ねじにボルト軸部先端の雄ねじをねじ込み、一対のフランジ部の間の切り割りの間隔を狭めて、結合筒部の内周面を縮径し、軸の外周面を結合筒部の内周面で締め付けるボルトと、雌ねじの内径のねじ込み口側に形成され、ねじ込み口側に向かって徐々に拡径するテーパー内径部を備えている。
従って、雌ねじのねじ山の高さが、ねじ込み口側に向かって徐々に低く形成されているため、荷重負担の大きいねじ込み口側のねじ山の根本に加わる荷重が小さくなり、複数のねじ山にわたって均等に荷重が分散され、大きな回転トルクを伝達することが可能となる。
以下、図面に基づいて本発明の実施例1から実施例2を説明する。
図1は、本発明の実施例1の自在継手を備えたステアリング装置の全体側面図である。図1に示すように、本発明の実施例1の自在継手を備えたステアリング装置は、車体後方側(図1の右側)にステアリングホイール11を装着可能なステアリングシャフト12と、このステアリングシャフト12を挿通したステアリングコラム13と、このステアリングシャフト12に補助トルクを付与する為のアシスト装置(操舵補助部)20と、このステアリングシャフト12の車体前方側(図1の左側)に、図示しないラック/ピニオン機構を介して連結されたステアリングギヤ30とを備える。
ステアリングシャフト12は、雌ステアリングシャフト12Aと雄ステアリングシャフト12Bとを、回転トルクを伝達可能に、かつ軸方向に関して相対移動可能にスプライン嵌合している。従って、上記雌ステアリングシャフト12Aと雄ステアリングシャフト12Bとは、衝突時に、このスプライン嵌合部が相対移動して、全長を縮めることができる。
また、上記ステアリングシャフト12を挿通した筒状のステアリングコラム13は、アウターコラム13Aとインナーコラム13Bとをテレスコピック移動可能に組み合わせている。そのため、ステアリングコラム13は、衝突時に軸方向の衝撃が加わった場合に、この衝撃によるエネルギを吸収しつつ全長が縮まる、所謂コラプシブル構造としている。
そして、上記インナーコラム13Bの車体前方側端部を、ギヤハウジング21の車体後方側端部に圧入嵌合して固定している。また、上記雄ステアリングシャフト12Bの車体前方側端部を、このギヤハウジング21の内側に通し、アシスト装置20の図示しない入力軸の車体後方側端部に連結している。
ステアリングコラム13は、その中間部を支持ブラケット14により、ダッシュボードの下面等、車体18の一部に支承している。また、この支持ブラケット14と車体18との間に、図示しない係止部を設けて、この支持ブラケット14に車体前方側に向かう方向の衝撃が加わった場合に、この支持ブラケット14が上記係止部から外れ、車体前方側に移動するようにしている。
また、上記ギヤハウジング21の上端部も、上記車体18の一部に支承している。また、本実施例の場合には、チルト機構及びテレスコピック機構を設けることにより、上記ステアリングホイール11の車体前後方向位置、及び、高さ位置の調節を自在としている。このようなチルト機構及びテレスコピック機構は、従来から周知であり、本発明の特徴部分でもない為、詳しい説明は省略する。
上記ギヤハウジング21の車体前方側端面から突出した出力軸23は、自在継手(上側自在継手)4を介して、中間シャフト15の後端部に連結している。また、この中間シャフト15の前端部に、別の自在継手(下側自在継手)5を介して、ステアリングギヤ30のピニオン軸(以下軸と呼ぶ)6を連結している。中間シャフト15は、雄中間シャフト(雄シャフト)15Aの車体前方側に、雌中間シャフト(雌シャフト)15Bの車体後方側が外嵌し、回転トルクを伝達可能に、かつ、軸方向に関して相対移動可能に嵌合している。
図示しないピニオンが、軸6の下端(車体前方側端部)に形成されている。また、図示しないラックが、このピニオンに噛み合っており、ステアリングホイール11の回転が、タイロッド31を移動させて、図示しない車輪を操舵する。
アシスト装置20のギヤハウジング21には、電動モータ26のケース261が固定され、この電動モータ26の図示しない回転軸にウォームが結合されている。出力軸23には図示しないウォームホイールが取り付けられ、このウォームホイールに電動モータ26の回転軸のウォームが噛合っている。
また、出力軸23の中間部の周囲には、図示しないトルクセンサが設けられている。上記ステアリングホイール11からステアリングシャフト12に加えられるトルクの方向と大きさを、トルクセンサで検出し、この検出値に応じて、電動モータ26を駆動し、ウォームとウォームホイールから成る減速機構を介して、出力軸23に、所定の方向に所定の大きさで補助トルクを発生させる。補助トルクを発生させるアシスト装置は、電動式に限定されるものではなく、油圧式のアシスト装置でもよい。
図2(1)は本発明の実施例1の自在継手にボルトを締め付けた状態を示す図10(2)相当図、図2(2)は図2(1)の雌ねじだけを示す拡大断面図である。本発明の実施例1の自在継手は、図1の自在継手5の一方のヨーク51と軸6との結合部、自在継手4と雄中間シャフト15Aとの結合部、自在継手4と出力軸23との結合部に適用することができる。
図2(1)、(2)に示すように、フランジ部54Bに形成された雌ねじ59には、雌ねじ59の内径592のねじ込み口591側に、ねじ込み口591側に向かって角度θで徐々に拡径するテーパー内径部593が、雌ねじ59のねじ山の3山に渡って形成されている。
従って、ボルト55の雄ねじ552を雌ねじ59にねじ込むと、フランジ部54A、54B(図10(1)参照)が弾性変形し、ボルト55に曲げ応力と引っ張り応力の両方が作用する。
しかし、上記したように、雌ねじ59の内径592のねじ込み口591側に、ねじ込み口591側に向かって角度θで徐々に拡径するテーパー内径部593が、雌ねじ59のねじ山の3山に渡って形成されている。従って、雌ねじ59のねじ山の高さが、ねじ込み口591側に向かって徐々に低く形成されているため、ねじ込み口591側のねじ山の根本に加わる荷重が小さくなって、雌ねじ59のねじ山の3山に渡って荷重が均等に分散される。
図2(1)に、ボルト55に作用する曲げ応力F1によって、雌ねじ59のねじ山の3山に作用する荷重の分布を示す。従って、ボルトの呼び径を大きくしなくても、ボルト55が疲労破壊を起こすことなく、大きな回転トルクを伝達することが可能となる。上記実施例では、略円筒状の結合筒部53が形成されたヨークに本発明を適用した例について説明したが、略コの字断面の結合筒部を有するヨークに本発明を適用してもよい。
図3(1)は本発明の実施例1の自在継手の十字軸の軸部を示し、図8(1)のB−B拡大断面図相当である。図3(1)に示すように、本発明の実施例1の自在継手の十字軸57の円柱状の軸部571には、有底円筒状の軸受カップ71が外嵌されている。軸受カップ71の内周面と軸部571の外周面との間に、複数のニードル72が挿入され、十字軸57に対してヨーク51、51(図8(1)参照)が軽い力で揺動するようにしている。
軸受カップ71の下端の開口部には、内側にほぼ180度で折り曲げた折り曲げ部711が形成されている。十字軸57の基部572と軸受カップ71の開口部との間に挿入されたシール73は、その内側リップ731が折り曲げ部711の内周面に接触し、その外側リップ732が折り曲げ部711の外周面に接触し、ニードル72内に泥水等が浸入するのを防止している。
軸部571の軸心に形成された有底の挿入孔573には、スラストピース74が挿入され、軸部571と軸受カップ71との間でスラストピース74が突っ張る。これによって、シール73が軸受カップ71の開口部に過度に押し付けられたり、押し付け力が低下し過ぎることを防止している。
本発明の実施例1のシール73、軸受カップ71と比較するために、従来の自在継手の十字軸の軸部を示す。すなわち、図4(1)は従来の自在継手の十字軸の軸部を示し、図8(1)のB−B拡大断面図相当である。図4(2)は図4(1)の十字軸の軸部に矢印R方向の荷重が加わった状態を示し、図8(1)のB−B拡大断面図相当である。図5は図4(1)の十字軸の軸部に矢印S方向の荷重が加わった状態を示し、図8(1)のB−B拡大断面図相当である。
図4(1)に示すように、従来の自在継手の軸受カップ71の開口部には、内側にほぼ90度で折り曲げたカール部712が形成されている。十字軸57の基部572と軸受カップ71の開口部との間に挿入されたシール75は、その内側リップ751がカール部712の端面に軸方向から接触し、その外側リップ752が軸受カップ71の外周面に接触し、ニードル72内に泥水等が浸入するのを防止している。
従来の自在継手に大きな回転トルクが作用すると、十字軸57に大きな軸方向荷重が作用する。すると、スラストピース74が大きく変形して、軸受カップ71の開口部とシール75との間で、軸部571の軸方向に相対的に大きな変位が生じる。
すなわち、図4(2)に示すように、十字軸57の軸部571に矢印R方向の荷重が加わると、シール75の内側リップ751がカール部712の端面に強く押し付けられて大きく変形し、内側リップ751の面圧が大きくなる。
また、図5に示すように、十字軸57の軸部571に矢印S方向の荷重が加わると、シール75の内側リップ751の変形が小さくなり、内側リップ751の面圧が減少し、内側リップ751のシール性が低下する。
従って、従来の自在継手で内側リップ751のシール性を維持するためには、シール75や軸受カップ71等の部品精度や組立精度が高く、性能の高いシール材料が必要となる。また、内側リップ751の変形量を大きく設定することも考えられるが、自在継手の折り曲げトルクの増加や、シールのへたりが増加する恐れがある。
これに対し、本発明の実施例1では、図3(1)に示すように、コラムアシスト式の電動パワーステアリングで、自在継手に大きな回転トルクが作用すると、十字軸57に大きな軸方向荷重が作用する。すると、スラストピース74が大きく変形して、軸受カップ71の開口部とシール73との間で、軸部571の軸方向に相対的に大きな変位が生じる。
しかし、シール73の内側リップ731と外側リップ732が、折り曲げ部711の内周面と外周面に沿って、同じ径を軸方向に摺動するため、内側リップ731と外側リップ732の変形量、すなわち、内側リップ731と外側リップ732の面圧に変化が無く、シール性も損なわれることがない。また、自在継手の折り曲げトルクが増加せず、シール73の内側リップ731と外側リップ732の最適な面圧を維持することができる。
図3(2)は図3(1)の変形例である。すなわち、図3(2)の実施例では、図3(1)と同様に、軸受カップ71の開口部には、内側にほぼ180度で折り曲げた折り曲げ部711が形成されている。十字軸57の基部572と軸受カップ71の開口部との間に挿入されたシール76は、別部品で成形された内側リップ761と外側リップ762を組み合わせて構成されている。
そして、内側リップ761が折り曲げ部711の内周面に接触し、外側リップ762が折り曲げ部711の外周面に接触し、ニードル72内に泥水等が浸入するのを防止している。内側リップ761と外側リップ762を別部品で成形し、組み合わせて構成すれば、高精度なシールの製造が容易で、内側リップ761と外側リップ762が折り曲げ部711に接触する面圧を適切な値にすることが容易になる。
図6(1)は本発明の実施例2の自在継手のボルトと雌ねじの螺合部の緩み止め構造の拡大断面図である。図6(1)に示すように、フランジ部54Bに形成された雌ねじ59に、ボルト55の雄ねじ552がねじ込まれているが、本発明の実施例2では、雌ねじ59の右側のフランク(ねじ山の頂と谷底とを連絡する斜面)59Aに、ナイロン等の緩み止めの樹脂被膜81Aが被覆されている。また、雌ねじ59の左側のフランク59Bには、緩み止めの樹脂被膜は被覆されていない。
本発明の実施例2の自在継手のボルトと雌ねじの螺合部の緩み止め構造と比較するために、従来の自在継手のボルトと雌ねじの螺合部の緩み止め構造を示す。すなわち、図7は従来の自在継手のボルトと雌ねじの螺合部の緩み止め構造の拡大断面図である。
図7に示すように、従来の自在継手のボルトと雌ねじの螺合部の緩み止め構造は、雌ねじ59の右側のフランク59Aと左側のフランク59Bの両方に、ナイロン等の緩み止めの樹脂被膜81A、81Bが被覆されている。
ボルト55の雄ねじ552を雌ねじ59にねじ込むと、雄ねじ552の右側のフランク552A(ねじ山の頂と谷底とを連絡する斜面)と雌ねじ59の左側のフランク59Bとの間に締め付け力F2が作用し、フランジ部54Bが弾性変形し、ボルト55に引っ張り応力が作用する。
従って、この締め付け力が作用する雌ねじ59の左側のフランク59Bに、緩み止めの樹脂被膜81Bが被覆されているため、樹脂被膜81Bが締め付け力によって塑性変形(クリープ)し、ボルト55が緩みやすくなっていた。
これに対し本発明の実施例2では、図6(1)に示すように、ボルト55の雄ねじ552を雌ねじ59にねじ込むと、雄ねじ552の右側のフランク552Aと雌ねじ59の左側のフランク59Bとの間に締め付け力F2が作用し、フランジ部54Bが弾性変形し、ボルト55に引っ張り応力が作用する。この時、雄ねじ552の左側のフランク552Bと雌ねじ59の右側のフランク59Aとの間に締め付け力は作用しない。
従って、締め付け力が作用しない雌ねじ59の右側のフランク59Aだけに、緩み止めの樹脂被膜81Aが被覆されているため、樹脂被膜81Aは締め付け力によって塑性変形せず、樹脂被膜81の弾性力と摩擦力によってボルト55が緩みにくくなる。
図6(2)は図6(1)の変形例であり、雄ねじ552側に樹脂被膜を被覆した例である。すなわち、図6(2)に示すように、雄ねじ552の左側のフランク552Bに、ナイロン等の緩み止めの樹脂被膜81Aが被覆されている。また、雄ねじ552の右側のフランク552Aには、緩み止めの樹脂被膜は被覆されていない。
ボルト55の雄ねじ552を雌ねじ59にねじ込むと、雄ねじ552の右側のフランク552Aと雌ねじ59の左側のフランク59Bとの間に締め付け力F2が作用し、フランジ部54Bが弾性変形し、ボルト55に引っ張り応力が作用する。この時、雄ねじ552の左側のフランク552Bと雌ねじ59の右側のフランク59Aとの間に締め付け力は作用しない。
従って、締め付け力が作用しない雄ねじ552の左側のフランク552Bだけに、緩み止めの樹脂被膜81Aが被覆されているため、樹脂被膜81Aは締め付け力によって塑性変形せず、樹脂被膜81の弾性力と摩擦力によってボルト55が緩みにくくなる。
本発明の実施例1の自在継手を備えたステアリング装置の全体側面図である。 (1)は本発明の実施例1の自在継手にボルトを締め付けた状態を示し、図10(2)相当図である。(2)は(1)の雌ねじだけを示す拡大断面図である。 (1)は本発明の実施例1の自在継手の十字軸の軸部を示し、図8(1)のB−B拡大断面図相当である。(2)は(1)の変形例である。 (1)は従来の自在継手の十字軸の軸部を示し、図8(1)のB−B拡大断面図相当である。(2)は(1)の十字軸の軸部に矢印R方向の荷重が加わった状態を示し、図8(1)のB−B拡大断面図相当である。 図4(1)の十字軸の軸部に矢印S方向の荷重が加わった状態を示し、図8(1)のB−B拡大断面図相当である。 (1)は本発明の実施例2の自在継手のボルトと雌ねじの螺合部の緩み止め構造の拡大断面図である。(2)は(1)の変形例である。 従来の自在継手のボルトと雌ねじの螺合部の緩み止め構造の拡大断面図である。 (1)は従来の自在継手を示す正面図であり、(2)は(1)のP矢視図である。 従来の自在継手にボルトを締め付ける前の状態を示し、図8(1)のA−A拡大断面図である。 (1)は従来の自在継手にボルトを締め付けた状態を示し、図8(1)のA−A拡大断面図である。(2)は(1)のQ部拡大断面図である。
符号の説明
11 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト
12A 雌ステアリングシャフト
12B 雄ステアリングシャフト
13 ステアリングコラム
13A アウターコラム
13B インナーコラム
14 支持ブラケット
15 中間シャフト
15A 雄中間シャフト
15B 雌中間シャフト
18 車体
20 アシスト装置
21 ギヤハウジング
23 出力軸
26 電動モータ
261 ケース
30 ステアリングギヤ
31 タイロッド
4 自在継手(上側自在継手)
5 自在継手(下側自在継手)
51 ヨーク
52 結合アーム部
521 円孔
53 結合筒部
531 雌セレーション
54A、54B フランジ部
541A 座面
55 ボルト
551 ボルト軸部
552 雄ねじ
552A 右側のフランク
552B 左側のフランク
553 ボルト頭部
553A 下面
554 ばね座金
56 スリット(切り割り)
57 十字軸
571 軸部
572 基部
573 挿入孔
58 ボルト孔
59 雌ねじ
59A 右側のフランク
59B 左側のフランク
591 ねじ込み口
592 内径
593 テーパー内径部
6 軸(ピニオン軸)
61 雄セレーション
62 凹部
63 往復曲げ応力
71 軸受カップ
711 折り曲げ部
712 カール部
72 ニードル
73 シール
731 内側リップ
732 外側リップ
74 スラストピース
75 シール
751 内側リップ
752 外側リップ
76 シール
761 内側リップ
762 外側リップ
81A、81B 樹脂被膜

Claims (3)

  1. 基端寄り部分に回転トルクを伝達可能に軸を嵌合するための内周面を備えた結合筒部、
    上記結合筒部に形成され、上記内周面に貫通する切り割り、
    上記切り割りを挟んで上記結合筒部と一体に設けられた一対のフランジ部、
    上記内周面とは反対側で、上記結合筒部と一体に設けられ、十字軸を軸支するための軸受け孔を有する一対の結合アーム部、
    上記結合筒部の内周面に挿入され、結合筒部の内周面に回転トルクを伝達可能に内嵌する外周面を有する軸、
    上記一対のフランジ部の一方に形成されたボルト孔、
    上記一対のフランジ部の他方に上記ボルト孔と同心に形成された雌ねじ、
    上記ボルト孔にボルト軸部を内嵌し、上記雌ねじにボルト軸部先端の雄ねじをねじ込み、上記一対のフランジ部の間の切り割りの間隔を狭めて、上記結合筒部の内周面を縮径し、上記軸の外周面を結合筒部の内周面で締め付けるボルト、
    上記雌ねじの内径のねじ込み口側に形成され、ねじ込み口側に向かって徐々に拡径するテーパー内径部を備えたこと
    を特徴とする自在継手。
  2. 請求項1に記載された自在継手において、
    上記結合筒部の内周面には雌セレーションが形成され、
    この雌セレーションに係合して回転トルクを伝達する雄セレーションが上記軸の外周面に形成されていること
    を特徴とする自在継手。
  3. 請求項1から請求項2までのいずれかに記載された自在継手を有するステアリング装置。
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