以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)について、図面を参照しながら説明する。
まず、図1および図2を参照しながら、本実施形態のスロットマシンの構成について説明する。図1は、本実施形態のスロットマシンの外観図であり、図2は、本実施形態のスロットマシンにおけるハードウェアの構成を示すブロック図である。
≪構成(外観)≫
図1に示すように、スロットマシン1の前扉2には、前面パネルが取り付けられている。遊技者は、この前面パネル内の透明な3つの表示窓7〜9を通して、スロットマシン1の内部に並設されている3個のリール4〜6を視認することができる。
各リール4〜6の外周面には、例えば21個の図柄が等間隔で配列されている。図柄は、例えば、ビッグボーナス(BB)図柄、小役図柄、リプレイ(再遊技)図柄などから構成される(詳細は図3で後記)。そして、各リール4〜6はそれぞれ異なる図柄配列となっており、遊技者は、表示窓7〜9から各リール4〜6の上段、中段および下段にそれぞれ描かれた3個、合計9個の図柄(出目)を視認可能となっている。つまり、これらの表示窓7〜9は、図柄表示領域を構成するものである。
表示窓7〜9には、入賞ラインが、斜め方向に2本(L1およびL2)、浅いVの字方向に1本(L3a)、および浅い逆Vの字方向に1本(L3b)の合計4本、表示されるようになっている。各リール4〜6が順次停止し、この入賞ライン上のいずれかに特定の図柄が揃った場合に入賞となり、所定枚数のメダル(遊技媒体)の払い出しが行われる。
本実施形態においては、入賞ライン数はメダル投入枚数に応じて入賞ライン数を異ならせることなく、全ての遊技が3枚賭けで、4本の入賞ライン全てが有効化される。
しかしながら、メダル投入口3から投入されたメダル枚数、あるいは、BETスイッチ49の操作(押下)によって設定されたメダル投入数(クレジットメダル表示部20にメダルがクレジット(貯留)されている場合)に応じて、その有効本数が異なる。例えば、1枚のメダルが投入された場合は、入賞ライン表示ランプ10の数字「1」が点灯し、1本の入賞ラインL1が表示される。2枚のメダルが投入された場合は、入賞ライン表示ランプ10の数字「2」が点灯し、2本の入賞ラインL1およびL2が表示される。そして、3枚のメダルが投入された場合は、入賞ライン表示ランプ10の数字「3」が点灯し、4本すべての入賞ラインが表示されるようにしても良い。
なお、入賞ラインの数は、ここでは4本としたが、3本以下や5本以上であってもよい。
前扉2の両側にはサイドランプ18およびサイドスピーカ11aが設けられ、前扉2の上方には上部ランプ16が設けられている。また、表示窓7〜9の上方には液晶表示部17が設けられ、表示窓7〜9の下方にはゲーム回数や入賞回数などを表示するためのLED表示部23,24や、メダルの投入数分点灯するBET表示ランプ21が設けられている。これらは、各駆動回路を介して駆動され、ゲーム中の一般的な入賞報知やマシン動作の効果音、効果サウンドなどを出力する他、様々な内部抽選の結果を遊技者に報知するための表示手段として機能する。なお、ゲーム中の内部当選の報知は、前記表示手段の他に、別途個別の専用の告知表示部を設け、それにより行うようにしてもよい。
また、表示窓7〜9の左方には、遊技状態の1つであるラッシュタイムが行われていることを示すラッシュタイムランプ62、ラッシュタイム中に入賞役の1つである赤ベルが当選したときには、その当選とともに、赤ベルの入賞を赤く点灯して報知する赤ナビランプ63、およびラッシュタイム中に入賞役の1つである白ベルが当選したときには、その当選とともに、白ベルの入賞を白く点灯して報知する白ナビランプ64が設けられている。
また、表示窓7〜9の右下方には、遊技状態の1つであるダブルゾーン中に後記するダブルアップを行うか否かを指定することができるダブルアップボタン65が設けられている。ダブルアップを行いたいときは、ダブルアップボタン65を1度押せば、ダブルゾーン中はダブルアップ(後記)が実行される。
スロットマシン1の前面中央には、各リール4〜6を回転させるときに操作するスタートレバー12が設けられ、さらに、各リール4〜6の回転を停止させるためのリール停止ボタン(ストップボタン)13〜15(リール停止手段)が各リール4〜6に対応して3個設けられている。
また、スロットマシン1の前面下部には、メダル受皿25が設けられている。メダル受皿25は、投入されたメダルを返却する返却口(図示せず)や入賞時にメダルを払い出すメダル払出口(図示せず)から排出されたメダルを貯留するためのものである。
リール4〜6は、リールユニットとして構成され、各リール4〜6ごとにリール駆動手段の一部であるステッピングモータ27(図2参照)が連結されている。ステッピングモータ27の駆動によって各リール4〜6は回転し、各表示窓7〜9内に各リール4〜6を移動表示させる。各リール4〜6の内部には3個のランプケース(図示せず)がそれぞれ設けられており、各ランプケース内にバックライト29(図2参照)が取り付けられている。各バックライト29はランプ駆動回路(図示せず)を介して個別に点灯制御され、各リール4〜6ごとに3個ずつ図柄を背面(内部)から照らすことができる。
また、リールユニットの下方には、メダルホッパー30(図2参照)と、電力供給用の電源ユニット31(図2参照)が設けられている。電源ユニット31(図2参照)は、内部抽選の当選確率の設定値(例えば設定1から設定6までの6段階)を変更するための設定段階選択スイッチ32(図2参照)、設定段階選択スイッチ32(図2参照)の操作を有効とするための設定キースイッチ33(図2参照)、BB遊技終了後を打ち止め(所定の解除操作をするまで遊技停止)の状態にするか否かを設定する打ち止め設定スイッチ52(図2参照)、および、BB遊技終了後に自動精算(クレジットの払い出し)を実行するか否かを設定する自動精算設定スイッチ53(図2参照)と接続されている。
≪構成(ハードウェア)≫
図2に示すように、スロットマシン1は、制御手段としてメイン制御部34とサブ制御部35とを備えている。メイン制御部34は、CPU(Central Processing Unit)36、クロック発生回路37、ROM(Read Only Memory:記憶部)38、RAM(Random Access Memory:記憶部)39、抽選処理部40(抽選手段)、遊技制御部41(制御手段)、遊技数カウント部42(制御手段)、サブ制御部35にデータを送出するための送出タイミング制御回路43、データ送出回路44などから構成されている。
CPU36(図柄停止制御手段:第1の制御手段)は、入力ポート45および出力ポート46を備えており、入力ポート45を介してメダルセンサ47、各リール停止ボタン13〜15、スタートレバー12、第1,2,3リールインデックス48、BETスイッチ49などと接続されている。また、出力ポート46には、メダルブロックソレノイド50、スタートレバーLED51、入賞ライン表示ランプ10、BET表示ランプ21、LED表示部23,24、ステッピングモータ27などの周辺装置が電気的に接続されている。
3つのステッピングモータ27は、リール4〜6と同軸で連結されており、一定のステップ角で各リール4〜6を回転させる。第1,2,3リールインデックス48は、各リール4〜6が一回転するごとに発生するリセットパルスを検出し、その所定の基準位置からの回転角度をリール4〜6の各回転位置として計数し、その計数値を入力ポート45経由でCPU36に入力する。
また、ROM38には、スロットマシン1で実行されるゲームシーケンスプログラム(メインプログラム)の他、図柄テーブル(図柄停止制御用のテーブルなど)、入賞組み合わせテーブル、抽選確率テーブルなど、CPU36が各制御(処理)を行うための固定データが格納されている。RAM39は、CPU36が実行するプログラムの一時的なデータ記憶領域として使用される。
サブ制御部35は、CPU54(第2の制御手段)、音声LSI55、データ入力回路56、クロック発生回路57、制御用ROM(記憶部)58、RAM59、音声用ROM60、アンプ回路61、ARTゲーム数管理部66などを備える。また、サブ制御部35は、上部ランプ16、液晶(ドット)表示部17、サイドランプ18、バックライト29、スピーカ11(サイドスピーカ11aを含む)、ラッシュタイムランプ62、赤ナビランプ63、白ナビランプ64、ダブルアップボタン65などと接続されている。制御用ROM58には、接続されたこれらの装置に入賞役の当選等の告知を含む演出を実行させる演出用データが格納されている。
メイン制御部34のCPU36は、ゲームの状況に応じて、データ送出回路44に出力タイミング情報信号を出力する。データ送出回路44は、この出力タイミング情報信号を、一時的に蓄えた後、送出タイミング制御回路43からの出力信号に基づいて、サブ制御部35のデータ入力回路56に出力する。
さらに、CPU36は、ゲームの進行状況に応じて、ROM38に記憶されている固定データの中から必要なデータを呼び出すとともに、入力ポート45および出力ポート46と接続されている各周辺機器からの入出力信号に基づいてスロットマシン1の動作を制御する。
次に、本実施形態のスロットマシン1に関する遊技方法の概要について説明する。まず、遊技者は、メダル投入口3からメダルを投入するか、クレジットメダル表示部20にクレジットされたメダルがある場合にはBETスイッチ49を操作して、投入するメダル枚数(例えば3枚)を任意に決定する。その投入されたメダル枚数に応じて入賞ラインが有効化され(以下、有効化された入賞ラインを「有効ライン」ともいう。)、スタートレバー12の操作によってゲームがスタートする。
スタートレバー12が操作されるとリール4〜6が回転を開始し、遊技者は各リール4〜6に対応するリール停止ボタン13〜15を操作してリール4〜6の回転を停止させる。また、通常、スタートレバー12の操作直後に、抽選処理部40により乱数がサンプリングされる。このサンプリングによる内部抽選の結果、所定の入賞役に当選し、かつ、すべてのリール4〜6が停止したときに特定の図柄が4本の入賞ラインのいずれかに揃った場合に入賞となる。図柄組み合わせの種類に対応する役は、予め決められており、その役に応じてメダルの払い出しが行われる。このスロットマシン1における、1ゲームに払い出されるメダルは、最大10枚である。
なお、遊技制御部41は、抽選処理部40により内部抽選される役の抽選確率およびその役の配当を定めた遊技状態における遊技の進行、並びに遊技状態間の移行を制御する。また、遊技数カウント部42は、遊技制御部41が制御する遊技状態において消化された遊技数を計測する。
また、ARTゲーム数管理部66は、遊技者が獲得したり、消費したりしたARTゲーム数をRAM59に一時的に記憶させる等して管理する。
≪遊技内容≫
次に、図3、図4および図5を参照しながら、スロットマシンのリール配列、入賞役の払い出し構成、各遊技状態の詳細について説明する(適宜図1および図2参照)。図3は、リール配列の一例を示す図である。図4は、入賞役の払い出し構成を示す図である。図5は、遊技状態の移行経路を示す図である。
〔入賞役の詳細〕
図3に示すように、リール4a(4),5a(5)および6a(6)において、各図柄が図柄番号1〜21の位置にそれぞれ配置されている。図柄は、赤7(例:リール4aの図柄番号20)、白7(例:リール4aの図柄番号9)、ダイヤモンド(例:リール4aの図柄番号19)および、帯つきダイヤモンド(例:リール6aの図柄番号18)、ベル(単独ベル(例:リール5aの図柄番号21)および、白い2個連ベル(例:リール4aの図柄番号11))、チェリー(例:リール5aの図柄番号19)、スイカ(例:リール6aの図柄番号19)および赤いハート(例:リール4aの図柄番号10)および、白いスペード(例:リール4aの図柄番号21)の10種類である。
このリール配列のリール4aにおいて、赤ナビランプ63が点灯して赤ベル(後記)を構成する赤7を有効ライン上に揃えたいときには、図3中に示した赤ナビ目押しポイントで示した図柄が図柄表示領域に出現したタイミングでストップボタン13を押せば、リールの引き込み制御によって赤7を有効ライン上に揃えることができる。
また、白ナビランプ64が点灯して白ベル(後記)を構成する白7または白い2個連ベルを有効ライン上に揃えたいときには、図3中に示した白ナビ目押しポイントで示した図柄が図柄表示領域に出現したタイミングでストップボタン13を押せば、リールの引き込み制御によって白7または白い2個連ベルを有効ライン上に揃えることができる。
図4に示すように、入賞役について、対応する図柄組み合わせ(前記図柄を組み合わせたもの)、入賞役の名称、配当およびその他(例:当該入賞役の特徴)が設定されている。入賞役には、特別役(BB1、BB2)、再遊技役(RP1、RP2)および小役(パンク1、パンク2、赤ベル、白ベル1、白ベル2、スイカ、チェリー)がある。また、この“配当”欄には、「非BB中」(特別遊技状態以外の遊技状態にあることを意味する)および「BB中」(特別遊技状態にあることを意味する)における払い出し枚数の数値が示されている。ただし、図4中の「−」は、その数値が定義されていないことを意味する。
なお、説明の便宜上、BB1およびBB2の総称を「BB」とする。また、パンク1およびパンク2の総称を「パンク役」とする。また、RP1およびRP2の総称を「RP」とする。白ベル1および白ベル2の総称を「白ベル」とする。赤ベルおよび白ベルの総称を「ベル」(入賞役としてのベル)とする。
特別役は、遊技者に通常よりも高配当の遊技(有利な遊技:ボーナス)を、ボーナスの終了条件が充足されるまで連続させるための遊技である。本実施形態に係るボーナスに対応する図柄組み合わせは図4に示したとおりである。BBには、設定値ごとに異なる所定の抽選確率(特別遊技状態以外のいずれの遊技状態においても同じ)が定められている。また、非BB中での払い出しは0枚である。
ボーナスには、BB1に入賞したときに開始するドリームチャンス(特別遊技状態;第1の特別遊技状態)と、BB2に入賞したときに開始するスーパードリームチャンス(特別遊技状態;第2の特別遊技状態)とが存在する。どちらのボーナスにおいても、数ゲームの間に大量のメダル(純増約38枚)が払い出される。なお、ボーナスの終了条件は、特別遊技状態にあるときに70枚以上のメダルの払い出しがあったこととする。この他にも、所定ゲーム数の消化もしくは所定回数の入賞があったこと等としても良い。
なお、BBに当選した場合、遊技者がその対応図柄を揃えなかったときでも、その対応図柄が揃うまでフラグ(当選結果:ボーナスフラグ)を次以降のゲームに持ち越す。BB以外の役のフラグは、そのゲームでのみ有効であり、次以降のゲームには持ち越されない。
再遊技(リプレイともいう。ただ、図柄としての「リプレイ」とは意味が異なる点に注意。)とは、払い出しが0枚であるが、メダルを使用することなしに、次の1ゲームを再び同じプレイ内容で行うことができる遊技である。本実施形態では、前記したように再遊技役として、RP1およびRP2が設けられている。それぞれの対応図柄は図4に示したとおりである。再遊技役には所定の抽選確率が遊技状態ごとに定められている。
RP1(第3の特定の入賞役)は、ダブルアップ処理を行うダブルゾーン(RTの一つ)中に入賞すると、獲得したARTゲーム数を0にする。また、RP2(第2の特定の入賞役)は、ダブルゾーン中に入賞すると、獲得しているARTゲーム数を2倍にする。
次に、小役について説明する。小役として、パンク役、ベル、スイカおよびチェリーが設けられている。それぞれの対応図柄は図4に示したとおりである。
パンク役は、入賞すればメダルが非BB中で1枚払い出される役であり、所定の抽選確率が定められている。ダブルゾーン中およびラッシュタイム(ART;RTの一つ)中で入賞すると、ハマリRT(RTの一つ)へ移行する(RTのパンク)。そのため、この移行を回避するために、パンク役の当選時には、入賞回避ナビが、例えば液晶表示部17の画面表示により行われる。
ベルは、入賞すればメダルが10枚払い出される役であり、所定の抽選確率が定められている。ラッシュタイム(ART)中では、ベルの入賞を支援するために、ベルの当選時には、入賞支援ナビが、例えば赤ナビランプ63または白ナビランプ64の点灯により入賞役の色に合わせて行われる。
スイカは、入賞すればメダルが10枚払い出される役であり、所定の抽選確率が定められている。
チェリー(第1の特定の入賞役)は、入賞すればメダルが3枚払い出される役であり、所定の抽選確率が定められている。ドリームチャンスまたはスーパードリームチャンスでは、チェリーの入賞ごとにARTゲーム数が、5ゲーム、15ゲーム、30ゲーム分のいずれかが抽選され加算される。
〔遊技状態の詳細〕
図5に示すように、遊技が進行していくと、RT1(ハマリRT(501))、特別遊技状態(502)、RT2(ダブルゾーン(503))、ART(ラッシュタイム(5041))を含むRT3(504)、といった遊技状態を移行することになる。各遊技状態では、所定の入賞役の種類(図4参照)、抽選確率、配当が定められている。
RT1(501)は、リプレイタイム(再遊技確率可変遊技状態の一つ)であり、RP1、RP2の少なくとも1つの抽選確率が他の遊技状態のそれとは異なり、抽選確率が低くなるように定められた遊技状態である。従って、RT1(501)では、はずれる割合が多く、遊技者には不利となる。メダルの数は基本的に減少する。BBに入賞すれば、特別遊技状態(502)に移行する。より詳細には、BB1に入賞すれば、第1の特別遊技状態(5021)に移行し、BB2に入賞すれば、第2の特別遊技状態(5022)に移行する。
特別遊技状態(502)は、第1の特別遊技状態(ドリームチャンス(5021))および第2の特別遊技状態(スーパードリームチャンス(5022))からなる遊技状態である。RT1(501)で遊技するときよりも多くの利益が得られるように、所定の入賞役の種類(図4参照)、抽選確率、配当が定められている。
特別遊技状態(502)では、役の抽選にはずれる確率と、ベルに当選する確率と、チェリーに当選する確率とが1:1:1になっており、これら3つの確率の合計は大体1である。従って、通常は、ベルおよびチェリーに計7回入賞すれば、終了条件(70枚以上の払い出し)を満たす(図4参照)。終了条件を満たせば、RT2(503)に移行する。
第1の特別遊技状態(5021)には、低確率状態(5021a)、高確率状態(5021b)および超高確率状態(5021c)という遊技状態が定められている。BB1に入賞したとき、これらの3つの遊技状態のいずれに移行するかが抽選される。
なお、上記3つの遊技状態の移行は、BB当選時の抽選だけではなく、いずれの遊技状態においても、所定の条件成立を契機に行わせることも可能である。例えば、所定の入賞役の当選、所定の入賞役の入賞回数、ゲームを所定回数消化した場合等が考えられる。
3つの遊技状態の設定およびこの移行の抽選はサブ制御部35により行われる。
また、第2の特別遊技状態(5022)には、低確率状態(5022a)、高確率状態(5022b)および超高確率状態(5022c)という遊技状態が定められている。BB2に入賞したとき、これらの3つの遊技状態のいずれに移行するかが抽選される。3つの遊技状態の設定およびこの移行の抽選はサブ制御部35により行われる。
なお、RT1(ハマリRT(501))、特別遊技状態(502)、RT2(ダブルゾーン(503))、RT3(504)、といった遊技状態間の移行は、メイン制御部34により行われる。
低確率状態(5021a、5022a)とは、特別遊技状態(502)においてチェリーが入賞することにより獲得できるARTゲーム数が相対的に少ない遊技状態をいう。より詳細には、チェリーが入賞したときに獲得したARTゲーム数が5ゲームになる確率は大きく、30ゲームになる確率および15ゲームになる確率は小さい遊技状態である。なお、低確率状態(5022a)は、低確率状態(5021a)と比べて、獲得できるARTゲーム数が多くなるように前記確率が設定されている。例えば、低確率状態(5021a)の平均獲得ゲーム数は18.4ゲーム(G)となり、低確率状態(5022a)のそれは53.3ゲーム(G)となるように確率が設定されている。
高確率状態(5021b、5022b)とは、特別遊技状態(502)においてチェリーが入賞することにより獲得できるARTゲーム数が相対的に中程度の遊技状態をいう。より詳細には、チェリーが入賞したときに獲得したARTゲーム数が15ゲームになる確率は大きく、5ゲームになる確率および30ゲームになる確率は小さい遊技状態である。なお、高確率状態(5022b)は、高確率状態(5021b)と比べて、獲得できるARTゲーム数が多くなるように前記確率が設定されている。
超高確率状態(5021c、5022c)とは、特別遊技状態(502)においてチェリーが入賞することにより獲得できるARTゲーム数が相対的に多い遊技状態をいう。より詳細には、チェリーが入賞したときに獲得したARTゲーム数が30ゲームになる確率は大きく、5ゲームになる確率および15ゲームになる確率は小さい遊技状態である。なお、超高確率状態(5022c)は、超高確率状態(5021c)と比べて、獲得できるARTゲーム数が多くなるように前記確率が設定されている。
RT2(503)は、リプレイタイム(再遊技確率可変遊技状態の一つ)であり、RP1、RP2の少なくとも1つの抽選確率が他の遊技状態のそれとは異なるように定められた遊技状態である。
また、本実施形態では、このダブルゾーン中におけるRP1:RP2の抽選比を1:1とし、ダブルアップに成功した場合は、ARTゲーム数を2倍にするようにしたが、抽選比を2:1として、3倍にするようにすることも可能である。
従って、RP1とRP2の所定の抽選比に対応してそれぞれの抽選確率を設定することによって、RP1とRP2のいずれがより多く出現するかが、ダブルアップの成否に反映され、ARTゲーム数の増減に幅を持たせた遊技機を提供することができる。
また、遊技者は、ダブルアップに挑戦するか否かを状況に応じて綿密に決定しなければならず、RTゲームに対する興味を向上させることができる。
RT2(503)では、RP1に当選する確率と、RP2に当選する確率とが1:1になっており、これら2つの確率の合計は大体1である。また、RT2(503)はパンク役またはBBに入賞しない限り5ゲーム(G)継続する。従って、RT2(503)では、通常、RP2に入賞することにより特別遊技状態(502)で獲得したARTゲーム数(再遊技確率可変遊技状態の一つにおいて当選した入賞役の入賞を支援する演出(ナビ)を行う遊技回数)を倍増(ダブルアップ)させることができる機会が5回与えられる。
遊技者は、ダブルアップをしたいか否かを、ダブルアップボタン65を押すか否かにより選択することができる。つまり、ダブルアップをしたくない(HOLD)ときは、RT2(503)の5ゲーム間ダブルアップボタン65を押さなければ良いし、ダブルアップに挑戦したいのであれば、ダブルアップボタン65を押せば良い。ゲームごとにダブルアップボタン65を押すか否かを選択することによってダブルアップに挑戦したいゲーム数を任意に調整することができる。例えば、3ゲーム分ダブルアップに挑戦したいのであれば、RT2(503)に移行して、2ゲーム目を終了後、3ゲーム目を開始するまでの間にダブルアップボタン65を押せば良い。一旦、ダブルアップボタン65を押したものの、ダブルアップを解除したい場合には、もう一度ダブルアップボタン65を押してHOLDに戻すように制御しても良い。
ダブルアップボタン65が押された状態(DOUBLE)で、RP1が当選してしまい、入賞したときには、特別遊技状態(502)で獲得したARTゲーム数は0になってしまうが、RP2に当選し、入賞したときには、特別遊技状態(502)で獲得したARTゲーム数は倍増する。
一方、ダブルアップボタン65が押されていない状態(HOLD)では、RP1またはRP2が当選し、入賞したとしても、特別遊技状態(502)で獲得したARTゲーム数は保持される。
また、パンク役が当選してしまったときは、例えば液晶表示部17において、その入賞を回避するような画面表示をする(入賞回避ナビ)。具体的には、パンク1が当選してしまったときは、赤ナビ目押しポイントでリールを停止するように指示する画面表示をし、パンク2が当選してしまったときは、白ナビ目押しポイントでリールを停止するように指示する画面表示をする(図3参照)。
RT2(503)において、5ゲーム(G)消化した時点でRT3(504)に移行する。また、5ゲーム(G)消化した時点でARTゲーム数が0であれば、RT3(504)中にパンク役に入賞するまで遊技し、その後RT1(501)に移行する。また、RT2(503)の5ゲーム中にパンク役に入賞したときは、RT1(501)に移行する。また、BBに入賞したときは、特別遊技状態(502)に移行する。なお、このときに開始する特別遊技、つまりドリームチャンスまたはスーパードリームチャンスでは、抽選確率の低いBBにわずか5Gの間に当選したという稀なイベントが発生したことの特典として、超高確率状態(5021c、5022c)にほぼ確実に移行するように制御すると良い。
RT3(504)は、リプレイタイム(再遊技確率可変遊技状態の一つ)であり、RP1、RP2の少なくとも1つの抽選確率が他の遊技状態のそれとは異なり、抽選確率が非常に高くなるように定められた遊技状態である。従って、RT3(504)では、ほとんどはずれることは無く、メダルの大幅な純増が期待できる。スロットマシン1は出荷時やメイン制御部34が初期化された場合等は、メイン制御部34がこのRT3(504)から遊技を開始する。
獲得したARTゲーム数が残っているときのRT3(504)を、ART(5041)と称することにする。ART(5041)は、アシストリプレイタイム(再遊技確率可変遊技状態の一つ)である。
ART(5041)では、パンク役またはBBに入賞しない限り、特別遊技状態(502)において獲得したARTゲーム数、またはそのARTゲーム数をRT2(503)のダブルアップによって倍増させたARTゲーム数分継続する。赤ベルが当選したときには、赤ナビランプ63が点灯する。また、白ベルが当選したときには、白ナビランプ64が点灯する。パンク役が当選したときは、入賞回避ナビを実行する。
しかしながら、仮にパンク役に入賞してしまった場合も、獲得したARTゲーム数の残りのゲームにおいて、小役(ベル等)のナビランプ63、64が点灯するように制御されるようにしても良い。
ART(5041)において、獲得したARTゲーム数分消化した(ART完全消化)場合は、ベルが当選したときの入賞支援ナビや、パンク役が当選したときの入賞回避ナビが発生しなくなる(例:液晶表示部17による通常画面の表示)RT3(504)として機能する。RT3(504)(ART5041含む)において、パンク役の入賞によってハマリRT(RT1(501))に移行する。また、BBに入賞したときは、特別遊技状態(502)に移行する。
つまり、ARTゲーム数を消化後もパンク役が入賞するまでRT3を継続させるようにすることが可能である。
以上で、スロットマシンの構成に関する説明を終了する。
≪処理≫
次に、図6(図6A、図6Bの総称)、図7(図7A、図7Bの総称)、図8(図8A〜図8Dの総称)、図9(図9A〜図9Cの総称)および図10(図10A、図10Bの総称)を参照しながら、スロットマシンの処理について説明する(適宜他図参照)。本実施形態では、主に前記した各遊技状態における処理について説明する。
図6は、RT1における処理を示すフローチャートである。図7は、特別遊技状態における処理を示すフローチャートである。図8は、RT2における処理を示すフローチャートである。図9は、RT3における処理を示すフローチャートである。これらの処理の主体はCPU36である。図10は、サブ制御処理を示すフローチャートである。この処理の主体は、CPU54である。
〔RT1における処理〕
図6Aに示すように、RT1における処理において、まず、CPU36は、スタートレバー12からの操作信号を、入力ポート45を介して受信した、つまりスタートレバー12の操作があったか否かを判定し(ステップS601)、操作がない場合(No)、ステップS601の処理を継続し、操作があった場合(Yes)、ステップS602に進む。
ステップS602において、CPU36は、抽選処理部40によって内部抽選を行い、その後、ステップS603に進む。
ステップS603において、CPU36は、BBに当選したか否かを判定する。なお、小役や特別役といった役が当選を果たした場合には、ステッピングモータ27による最大4図柄分のリール引き込み制御(いわゆる「スベリ制御」)によって有効ライン上にその役を揃えるように処理する。当選していれば(ステップS603でYes)、ステップS607に進み、当選していなければ(ステップS603でNo)、ステップS604に進む。
なお、役の当選(以下で説明する他の当選についても基本的にはあてはまる)については、サブ制御部35へ送信するコマンドによる処理が含まれており、例えば必要に応じた液晶表示部17による画像表示等の演出の処理が含まれる。前記コマンドには、例えば遊技状態を示す情報や当選した役の図柄組み合わせに関する情報が含まれる。
ステップS604において、CPU36は、その他の入賞役(例:小役)に当選しているか否かを判定する。当選していれば(ステップS604でYes)、ステップS612に進み、当選していなければ(ステップS604でNo)、ステップS605に進む。
ステップS605において、CPU36は、リール停止ボタン(ストップボタン)13〜15からの操作信号を、入力ポート45を介して受信した、つまり(すべての)ストップボタン13〜15の操作があったか否かを判定する。操作がない場合(ステップS605でNo)、ステップS605の処理を継続し、操作があった場合(ステップS605でYes)ステップS606に進む。
ステップS606において、CPU36は、対応するリール4〜6を停止して、いずれの役にも当選しなかったことに対するハズレ処理を実行する。このとき、いずれの役にも入賞させないようにするために最大4図柄分のリール引き込み制御を使って有効ライン上に何も揃えないようにする。このハズレ処理(以下で説明する他のハズレ処理についても基本的にはあてはまる)には、サブ制御部35へ送信するコマンドによる処理が含まれており、例えば必要に応じた液晶表示部17による画像表示等の演出の処理が含まれる。ハズレ処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
図6Bに示すように、ステップS607において、CPU36は、ストップボタン13〜15の操作があったか否かを判定する。操作がない場合(ステップS607でNo)、ステップS607の処理を継続し、操作があった場合(ステップS607でYes)ステップS608に進む。
ステップS608において、CPU36は、当選した入賞役(この場合は、BBであり、ボーナスフラグを持ち越したものも含む)に入賞可能であるか否かを判定する。入賞可能であるとは、少なくとも前記リール引き込み制御の及ぶ範囲内でストップボタン13〜15が操作されたという条件が満たされていることを意味する。入賞可能であれば(ステップS608でYes)、ステップS609に進み、そうでなければ(ステップS608でNo)、ステップS611に進む。
なお、当該ゲームにおいて、ステップS603において、BBに当選していなくても、既に持ち越したボーナスフラグが存在する場合には、ステップS608の処理を実行する。
ステップS609において、CPU36は、当選した入賞役に対する入賞処理を実行する。この入賞処理(以下で説明する他の入賞処理についても基本的にはあてはまる)には、サブ制御部35へ送信するコマンドによる処理が含まれており、例えば必要に応じた演出の処理が含まれる。前記コマンドには、例えば遊技状態を示す情報や入賞した役の図柄組み合わせに関する情報が含まれる。入賞処理をした後、ステップS610に進む。
ステップS610において、CPU36は、特別遊技状態への移行の処理を実行する。具体的には、RT1(501)を示すフラグをオフにするとともに、特別遊技状態502(より正確には、当選したBB1に対応する第1の特別遊技状態5021またはBB2に対応する第2の特別遊技状態5022のいずれか)を示すフラグをオンにする。移行の処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
ステップS611において、CPU36は、当選した入賞役が入賞しなかった、つまり取りこぼしたことに対するハズレ処理を実行する。ハズレ処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
ステップS612において、CPU36は、ストップボタン13〜15の操作があったか否かを判定する。操作がない場合(ステップS612でNo)、ステップS612の処理を継続し、操作があった場合(ステップS612でYes)ステップS613に進む。
ステップS613において、CPU36は、当選した入賞役に入賞可能であるか否かを判定する。入賞可能であれば(ステップS613でYes)、ステップS614に進み、そうでなければ(ステップS613でNo)、ステップS615に進む。
ステップS614において、CPU36は、当選した入賞役に対する入賞処理を実行する。入賞処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
ステップS615において、CPU36は、当選した入賞役が入賞しなかった、つまり取りこぼしたことに対するハズレ処理を実行する。ハズレ処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
以上で、RT1における処理に関する説明を終了する。
〔特別遊技状態における処理〕
図7に示すように、特別遊技状態における処理において、その説明をするにあたり、図6に示した処理と同様の処理については、特に相違点が無い限り、その説明を省略する。ただし、省略する説明において、必要に応じて適宜読み替えがなされるものとする。
図7AのステップS701およびステップS702の処理は、ステップS601およびステップS602の処理と同様である。ステップS702の処理の後、ステップS703に進む。
ステップS703において、CPU36は、チェリーに当選したか否かを判定する。当選していれば(ステップS703でYes)、ステップS709に進み、当選していなければ(ステップS703でNo)、ステップS704に進む。
ステップS704〜ステップS706の処理は、ステップS604〜ステップS606の処理と同様である。その他の入賞役に当選していれば(ステップS704でYes)、ステップS713に進む。また、ステップS706にてハズレ処理をした後、ステップS707に進む。
ステップS707において、CPU36は、ボーナスの終了条件を充足したか否かを判定する。充足した場合(ステップS707でYes)、ステップS708に進み、充足していない場合(ステップS707でNo)、ステップS701に戻る。
ステップS708において、CPU36は、RT2への移行の処理を実行する。具体的には、特別遊技状態502を示すフラグをオフにするとともに、RT2(503)を示すフラグをオンにする。移行の処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
図7BのステップS709およびステップS710の処理は、ステップS612およびステップS613の処理と同様である。当選した入賞役(この場合は、チェリー)に入賞可能であれば(ステップS710でYes)、ステップS711に進み、そうでなければ(ステップS710でNo)、ステップS712に進む。
ステップS711において、CPU36は、当選した入賞役に対する入賞処理を実行する。この入賞処理は、チェリーに入賞したことによる配当(10枚)を払い出し、入賞処理をした後、ステップS707に進む。
なお、サブ制御部35のCPU54でARTゲーム数の抽選結果として獲得したARTゲーム数の加算処理(ART+5、+15または+30のいずれか)を実行する(詳細は後記)。
ステップS712の処理は、ステップS615の処理と同様である。ハズレ処理をした後、ステップS707に進む。なお、図3のリール配列では、チェリーが全て5駒以内に配置されているため、最大4駒分滑るリール制御を前提とした場合、100%引き込まれることになり、ステップS712の処理はまず行われない。
ステップS713〜ステップS716の処理は、ステップS612〜ステップS615の処理と同様である。ステップS715の入賞処理またはステップS716のハズレ処理をした後、ステップS707に進む。
以上で、特別遊技状態における処理に関する説明を終了する。
〔RT2における処理〕
図8に示すように、RT2における処理において、その説明をするにあたり、図6または図7に示した処理と同様の処理については、特に相違点が無い限り、その説明を省略する。ただし、省略する説明において、必要に応じて適宜読み替えがなされるものとする。
図8AのステップS801〜ステップS803の処理は、ステップS601〜ステップS603の処理と同様である。BBに当選していれば(ステップS803でYes)、ステップS815に進み、そうでなければ(ステップS803でNo)、ステップS804に進む。
ステップS804において、CPU36は、パンク役に当選しているか否かを判定する。当選していれば(ステップS804でYes)、ステップS821に進み、当選していなければ(ステップS804でNo)、ステップS805に進む。
ステップS805において、CPU36は、RP1に当選しているか否かを判定する。当選していれば(ステップS805でYes)、ステップS826に進み、当選していなければ(ステップS805でNo)、ステップS806に進む。
ステップS806において、CPU36は、RP2に当選しているか否かを判定する。当選していれば(ステップS806でYes)、ステップS832に進み、当選していなければ(ステップS806でNo)、ステップS807に進む。
ステップS807〜ステップS809の処理は、ステップS604〜ステップS606の処理と同様である。その他の入賞役に当選していれば(ステップS807でYes)、ステップS838に進む。また、ステップS809にてハズレ処理をした後、ステップS810に進む。
ステップS810において、CPU36は、RT2のゲーム数をインクリメントする。インクリメントした後、ステップS811に進む。
ステップS811において、CPU36は、RT2のゲーム数を5G分消化したか否か判定する。消化した場合(ステップS811でYes)、ステップS813に進み、消化していない場合(ステップS811でNo)、ステップS801に戻る。
ステップS813において、CPU36は、RT3への移行の処理を実行する。具体的には、RT2(503)を示すフラグをオフにするとともに、RT3(504)を示すフラグをオンにする。移行の処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
図8BのステップS815〜ステップS819の処理は、ステップS607〜ステップS611の処理と同様である。ただし、ステップS817の入賞処理は、BBの入賞でRTがパンクするので、特別遊技状態502で獲得したARTゲーム数のうち残りのゲーム数を次のARTゲームに持ち越す(次のARTゲーム数で加算される)処理を含む。ARTゲーム数管理部66は、このARTゲーム数をRAM59に記憶させて管理する。また、ステップS818の移行の処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
ステップS821およびステップS822の処理は、ステップS612およびステップS613の処理と同様である。当選した入賞役(この場合は、パンク役)に入賞可能であれば(ステップS822でYes)、ステップS823に進み、そうでなければ(ステップS822でNo)、ステップS825に進む。
ステップS823において、CPU36は、当選した入賞役に対する入賞処理を実行する。この入賞処理は、パンク役の入賞でハマリRTに移行するので、特別遊技状態502で獲得したARTゲーム数のうち残りのゲーム数を次のARTゲームに持ち越す(次のARTゲーム数に加算される)処理を含む。入賞処理をした後、ステップS824に進む。
ステップS824において、CPU36は、RT1への移行の処理を実行する。具体的には、RT2(503)を示すフラグをオフにするとともに、RT1(501)を示すフラグをオンにする。移行の処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
ステップS825の処理は、ステップS615の処理と同様である。ハズレ処理をした後、ステップS810に進む。
図8CのステップS826およびステップS827の処理は、ステップS612およびステップS613の処理と同様である。当選した入賞役(この場合は、RP1)に入賞可能であれば(ステップS827でYes)、ステップS829に進み、そうでなければ(ステップS827でNo)、ステップS831に進む。
ステップS829において、CPU36は、当選した入賞役に対する入賞処理を実行する。この入賞処理は、抽選されたRP1がダブルアップの対象とならない状態(HOLD設定中である)またはダブルアップの対象となる状態(ダブルアップボタン65が押下された状態)なので、RP1に入賞したことによる再遊技を次のゲームで実行する他に、獲得したARTゲーム数を保持するまたは0にするためのコマンドをサブ制御部35に送信する処理を含む。入賞処理をした後、ステップS810に進む。
ステップS831の処理は、ステップS615の処理と同様である。ハズレ処理をした後、ステップS810に進む。なお、図3のリール配列では、RP1が全て5駒以内に配置されているため、最大4駒分滑るリール制御を前提とした場合、100%引き込まれることになり、ステップS831の処理はまず行われない。
ステップS832およびステップS833の処理は、ステップS612およびステップS613の処理と同様である。当選した入賞役(この場合は、RP2)に入賞可能であれば(ステップS833でYes)、ステップS835に進み、そうでなければ(ステップS833でNo)、ステップS837に進む。
ステップS835において、CPU36は、当選した入賞役に対する入賞処理を実行する。この入賞処理は、抽選されたRP2がダブルアップの対象とならない状態(HOLD設定中である)またはダブルアップの対象となる状態(ダブルアップボタン65が押下された状態)なので、RP2に入賞したことによる再遊技を次のゲームで実行する他に、獲得したARTゲーム数を保持するまたは2倍にするためのコマンドをサブ制御部35に送信する処理を含む。入賞処理をした後、ステップS810に進む。
ステップS837の処理は、ステップS615の処理と同様である。ハズレ処理をした後、ステップS810に進む。なお、図3のリール配列では、RP2が全て5駒以内に配置されているため、最大4駒分滑るリール制御を前提とした場合、100%引き込まれることになり、ステップS837の処理はまず行われない。
図8DのステップS838〜ステップS841の処理は、ステップS612〜ステップS615の処理と同様である。ステップS840の入賞処理およびステップS841のハズレ処理をした後、ステップS810に進む。
以上で、RT2における処理に関する説明を終了する。
〔RT3における処理〕
図9に示すように、RT3における処理において、その説明をするにあたり、図6、図7または図8に示した処理と同様の処理については、特に相違点が無い限り、その説明を省略する。ただし、省略する説明において、必要に応じて適宜読み替えがなされるものとする。
図9AのステップS901〜ステップS904の処理は、ステップS801〜ステップS804の処理と同様である。BBに当選していれば(ステップS903でYes)、ステップS912に進み、そうでなければ(ステップS903でNo)、ステップS904に進む。また、パンク役に当選していれば(ステップS904でYes)、ステップS918に進み、そうでなければ(ステップS904でNo)、ステップS905に進む。
ステップS905において、CPU36は、ベルに当選しているか否かを判定する。当選していれば(ステップS905でYes)、ステップS924に進み、当選していなければ(ステップS905でNo)、ステップS906に進む。
ステップS906〜ステップS908の処理は、ステップS807〜ステップS809の処理と同様である。ハズレ処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
図9BのステップS912〜ステップS916の処理は、ステップS815〜ステップS819の処理と同様である。ステップS915の移行の処理をした後、またはステップS916のハズレ処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
ステップS918〜ステップS922の処理は、ステップS820〜ステップS825の処理と同様である。ステップS921の移行の処理をした後、またはステップS922のハズレ処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
図9CのステップS924〜ステップS927の処理は、ステップS612〜ステップS615の処理と同様である。ステップS926の入賞処理またはステップS927のハズレ処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
ステップS928〜ステップS931の処理は、ステップS612〜ステップS615の処理と同様である。ステップS930の入賞処理またはステップS931のハズレ処理をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
以上で、RT3における処理に関する説明を終了する。
〔サブ制御処理〕
図10に示すように、サブ制御処理における処理において、まず、CPU54は、CPU36から受信したコマンドにより、BBの入賞があったか否かを判定する(ステップS1001)。BBの入賞がなかった場合(ステップS1001でNo)、ステップS1002に進み、BBの入賞があった場合(ステップS1001でYes)、ステップS1005に進む。
ステップS1002において、CPU54は、CPU36から受信したコマンドにより、遊技状態が特別遊技状態であるか否かを判定する判定する。特別遊技状態でなければ(ステップS1002でNo)、ステップS1003に進み、特別遊技状態であれば(ステップS1002でYes)、ステップS1006に進む。
ステップS1003において、CPU54は、CPU36から受信したコマンドにより、遊技状態がRT2であるか否かを判定する判定する。RT2でなければ(ステップS1003でNo)、ステップS1004に進み、RT2であれば(ステップS1003でYes)、ステップS1008に進む。
ステップS1004において、CPU54は、CPU36から受信したコマンドにより、遊技状態がRT3であるか否かを判定する判定する。RT3でなければ(ステップS1004でNo)、このフローチャート全体の処理を終了する。RT3であれば(ステップS1004でYes)、ステップS1014に進む。
ステップS1005において、CPU54は、遊技状態がART5041の場合は、獲得したゲーム数を保存(保持)する。保存した後、このフローチャート全体の処理を終了する。なお、パンク役が入賞した場合であっても、獲得したARTゲーム数は保存するようにしても良い。
ステップS1006において、CPU54は、CPU36から受信したコマンドにより、チェリーの入賞があったか否かを判定する。チェリーの入賞があった場合(ステップS1006でYes)、ステップS1007に進み、チェリーの入賞がなかった場合(ステップS1006でNo)、このフローチャート全体の処理を終了する。
ステップS1007において、CPU54は、チェリーの入賞によるARTゲーム数の加算(ART+5、+15または+30のいずれか)を実行する。加算をした後、このフローチャート全体の処理を終了する。
ステップS1008において、CPU54は、CPU36から受信したコマンドにより、ダブルアップボタン65が押下されたことを示すダブル設定があったか否か(HOLD設定中でなかったか否か)を判定する。ダブル設定があった場合(S1008でYes)、ステップS1009に進み、ダブル設定がなかった場合(S1008でNo)、ステップS1013に進む。
ステップS1009において、CPU54は、CPU36から受信したコマンドにより、RP1の入賞があったか否かを判定する。RP1の入賞があった場合(ステップS1009でYes)、ステップS1010に進み、RP1の入賞がなかった場合(ステップS1009でNo)、ステップS1011に進む。
ステップS1010において、CPU54は、RP1の入賞により、ダブルアップに失敗したので、獲得したARTゲーム数を0にする。0にした後、ステップS1013に進む。
ステップS1011において、CPU54は、CPU36から受信したコマンドにより、RP2の入賞があったか否かを判定する。RP2の入賞があった場合(ステップS1011でYes)、ステップS1012に進み、RP2の入賞がなかった場合(ステップS1011でNo)、ステップS1013に進む。
ステップS1012において、CPU54は、RP1の入賞により、ダブルアップに成功したので、獲得したARTゲーム数を2倍にする。2倍にした後、ステップS1013に進む。
ステップS1013において、CPU54は、獲得した最終的なゲーム数(0も含む)を保存する。保存した後、このフローチャート全体の処理を終了する。
ステップS1014において、CPU54は、CPU36から受信したコマンドにより、ARTゲーム数が有るか否か(残りのARTゲーム数が1ゲーム以上か否か)を判定する。ARTゲーム数がある場合(ステップS1014でYes)、ステップS1015に進み、ARTゲーム数がない場合(ステップS1014でNo)、このフローチャート全体の処理を終了する。
なお、ARTゲーム数がある場合、RT3(504)は、ART5041である。
ステップS1015において、CPU54は、CPU36から受信したコマンドにより、ベルの当選があったか否かを判定する。ベルの当選があった場合(ステップS1015でYes)、ステップS1016に進み、ベルの当選がなかった場合(ステップS1015でNo)、ステップS1017に進む。
ステップS1016において、CPU54は、当選したベルの入賞を支援するための入賞支援ナビを実行する。具体的には、当選したベルの色に応じて、赤ナビランプ63または白ナビランプ64を点灯させる。実行した後、ステップS1019に進む。
ステップS1017において、CPU54は、CPU36から受信したコマンドにより、パンク役の当選があったか否かを判定する。パンク役の当選があった場合(ステップS1017でYes)、ステップS1018に進み、パンク役の当選がなかった場合(ステップS1017でNo)、ステップS1019に進む。
ステップS1018において、CPU54は、当選したパンク役の入賞を回避するための回避支援ナビを実行する。実行した後、ステップS1019に進む。
ステップS1019において、CPU54は、ARTゲーム数のデクリメントを実行する。この実行は、当選役の入賞処理またはハズレ処理に対応するコマンドをCPU36から受信した後(端的に言えば、すべてのストップボタン13〜15が押下された後)に行われる。実行した後、このフローチャート全体の処理を終了する。
以上で、サブ制御処理に関する説明を終了し、スロットマシンの処理についての説明を終了する。
≪まとめ≫
以上説明したように、本実施形態によれば、遊技者に、ARTのゲーム数を獲得できたのか否かを容易に把握させることができる。つまり、遊技者は、ドリームチャンスまたはスーパードリームチャンス(特別遊技状態)において、チェリーに入賞したことを見ただけでARTのゲーム数を獲得したことを把握でき、さらに、ダブルゾーン(RT2)において、RP1またはRP2に入賞したことを見ただけで、ダブルアップ抽選に失敗または成功したことを把握できる。その結果、獲得したARTのゲーム数がわかる。
従来は、プログラム設計上の利便性もあって、ARTのゲーム数の増減をサブ制御部で抽選していたため、その増減の結果を演出として自由に見せることができてしまっていた。そのため、遊技者からしてみればARTのゲーム数を獲得したのか否か、確信を持てなかったところがあった。しかし、本実施形態のスロットマシンでは、役の抽選を行うメイン制御部が結果的にはARTのゲーム数の増減の抽選を兼ねることになるので、遊技者に対して、役の入賞の有無によってARTのゲーム数の増減の結果を(極端に言えば、サブ制御部で演出を行わなかったとしても)知らせることができる。
また、獲得したARTのゲーム数の管理はサブ制御部で行うことにより、獲得したARTのゲーム数に多様な変化を持たせることができる。つまり、メイン制御部は、役の抽選結果をサブ制御部に送信するようにするに留め、サブ制御部で自在にARTのゲーム数を変動させるように制御することで、メイン制御部の役の抽選に拘束されることが無いようにして、遊技性の高いARTを実現することができる。
また、本実施形態によれば、遊技者が、獲得したARTのゲーム数を精度よく調整することができる。本実施形態のスロットマシンは、遊技者がダブルアップボタンを押すか否かを自由に決めることができるように設計されているからである。
遊技者は、メダルが大きく減ったから、大きなリスクを覚悟の上で、ダブルアップに5回挑戦して一発逆転を狙う(1/32(=1/25)の確率でARTのゲーム数を32(=25)倍にする)、といったことができるので、営業時間が後半になるにつれホールの稼働率が上がることが期待できる。その一方、あと少しの時間で閉店してしまうときには、消化しきれないほど多くのARTのゲーム数を獲得しても仕方ないので、ダブルアップを行わない(HOLD)、といったことができるので、早い時間に帰ってしまうことに由来する営業時間終盤の稼働率の低下を防ぐことができる。このように遊技者は、自在にARTのゲーム数を調整することができる。
なお、技術介入として、遊技者は、常時ARTのゲーム数を100程度保持しつつ遊技を続けるようにしていくと、手堅くメダルを増やすことができる。本実施形態のスロットマシンは、そのような技術介入を容易に可能にする。
≪その他≫
なお、前記実施形態は、本発明を実施するために好適なものであるが、本発明の要旨を変更しない範囲においてその実施形式を種々変形することが可能である。
例えば、本実施形態では、ドリームチャンスまたはスーパードリームチャンスにおいてチェリーに入賞することにより、ARTのゲーム数を増加(+5、+15または+30)させることができるようにし、チェリーに入賞する機会を7回与えるようにした。しかし、その7回の機会ですべてベルに入賞した場合には、稀なイベントが発生したことの特典として、ドリームチャンスまたはスーパードリームチャンス終了時にARTのゲーム数を100付与するようにしても良い。
また、本実施形態では、ダブルアップで倍増させるARTのゲーム数の基準値をドリームチャンスまたはスーパードリームチャンスのような特別遊技状態において獲得するように制御した。しかし、前記基準値を獲得する方法は、特別遊技状態においてだけでなく、前記基準値を獲得するための専用の遊技状態を設定し、その遊技状態においてでも良い。
また、本実施形態では、ダブルゾーンにおいて、5回のダブルアップ抽選の間に、RP1またはRP2以外の入賞役が入賞したとしても、ARTのゲーム数の増減に影響を及ぼさないようにして、ARTのゲーム数を持ち越すように制御しても良い。また、そのような入賞役が入賞したときには、ARTのゲーム数を1増やすようにして、確実に5回のダブルアップ抽選を行わせるように制御しても良い。
また、本実施形態では、ダブルアップボタンを設けず、ダブルゾーンではダブルアップ抽選を強制的に実行するように制御しても良い。この場合、ダブルアップに失敗したときは、獲得したARTのゲーム数を半減する程度に留める等にして、失敗したときのリスクを低減するように制御することが好ましい。
また、本実施形態では、ダブルゾーンにおいて、ダブルアップに成功したときは、1/3の確率でARTのゲーム数を3倍増しにするようにしたり、1/4の確率でARTのゲーム数を4倍増しにするようにしたりして、確率および倍率を変え、獲得できるARTのゲーム数を大きく変動させるようにしても良い。
また、本実施形態では、ラッシュタイムにおいて、パンク役に入賞してARTをパンクさせても、またはBBに入賞してARTをパンクさせても、未消化のARTのゲーム数を保持して、また、再び行うことになるであろうラッシュタイムにて、その未消化のARTのゲーム数分のARTを実行できるようにした。しかし、BBに入賞したときは、未消化のARTのゲーム数を保持するようにしても良いが、本来ははずすことが良しとされているパンク役に入賞したときは、未消化のARTのゲーム数を消滅させるように制御しても良い。
また、本実施形態では、一旦獲得したARTのゲーム数をラッシュタイムで消化しきれなかったときには、再び行うことになるであろうダブルゾーンにおいて、そのARTのゲーム数をダブルアップ抽選の対象にして、倍増させることができるように制御しても良い。
また、本実施形態において、ラッシュタイムで行う入賞支援ナビは、必ずしも行う必要は無い。つまり、ラッシュタイムのARTは、ダブルゾーンで行うRTとは、リプレイの抽選確率が異なるRTであっても良い。
また、本実施形態において設定した抽選確率の比率を変更しても良い。例えば、ドリームチャンスまたはスーパードリームチャンスにおける、はずれ:ベル:チェリー=1:1:1の比率を変え、一部または全部を増減させても良い。また、ダブルゾーンにおける、RP1:RP2=1:1の比率を変え、一方を増減させても良い。
また、本実施形態において、1回のドリームチャンスまたはスーパードリームチャンスを消化するときに、低確率状態(5021a、5022a)と、高確率状態(5021b、5022b)と、超高確率状態(5021c、5022c)との間を移行するように制御しても良い。前記移行は、例えば、所定の入賞役(例:スイカ)の入賞を契機にして実現されるようにすると良い。これにより、獲得できるARTのゲーム数をより変動させて高い遊技性を実現することができる。
なお、赤ナビランプ、白ナビランプ、ラッシュタイムランプ、ダブルアップボタンといった部品において、その形状、大きさ、配置箇所、ランプの点灯色、点灯パターン等の設計変更は、勿論行うことができる。
その他、ハードウェアや各フローチャートなどの具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。