JP6437957B2 - 遊技機 - Google Patents

Description

本発明は、開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う遊技が図柄表示手段で開始され、遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、停止操作に基づいて対応する列の図柄が停止される遊技機に関する。

従来から、遊技機の一種であるパチンコ式スロットマシン（回胴式遊技機、以下「パチスロ」と示す）では、遊技媒体としてメダルが用いられ、パチスロへのメダルの投入により遊技を開始するようにしている。このようなパチスロとしては、例えば、特許文献１に記載のようなものが挙げられる。

このパチスロでは、ボーナス遊技とは別に、所定の開始条件の成立を契機として再遊技となる「リプレイ」の当選確率が向上される遊技状態を生起させるとともに、小役の入賞を補助（アシスト）する演出状態を生起させ、これにより有利遊技状態を付与可能に構成されている。有利遊技状態では、遊技者がメダルを獲得し易く、遊技者にとって有利な状態である。

また、特許文献１では、通常の有利遊技状態とは別に特殊役（特殊リプレイ役）の入賞を補助する特別な有利遊技状態を付与可能であるとともに、特殊役の入賞を契機として、有利遊技状態のゲーム数を上乗せする上乗せ抽選を実行するようになっており、有利遊技状態の継続に期待する遊技者の興趣を向上させている。

特開２０１１−１６０８４４号公報

ところで、特許文献１のパチスロでは、上述した特別な有利遊技状態を、上乗せ抽選を容易に受けられる遊技状態として位置付けるために、通常の有利遊技状態中、特殊役の入賞を不能（困難）にする停止操作の態様を報知する特定報知演出を実行している。しかしながら、特許文献１では、通常の有利遊技状態と、特別な有利遊技状態とで同一の当選役決定用テーブルを用いていることから、通常の有利遊技状態中、特別な有利遊技状態における特殊役の入賞を補助する演出と同じ頻度で特定報知演出が実行され得る。このため、特許文献１では、通常の有利遊技状態において、遊技者に煩わしさを感じさせ、却って興趣を低下させる虞があった。

本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、有利遊技状態における遊技者の興趣が低下することを抑制できる遊技機を提供することにある。

上記課題を解決する遊技機は、開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う遊技が図柄表示手段で開始され、遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、停止操作に基づいて対応する列の図柄が停止され、通常遊技状態と該通常遊技状態と比較して遊技者にとって有利な有利遊技状態とに制御可能な遊技機において、特殊賞を含む複数種類の賞のうち１又は複数の賞について発生を許容することが定められた複数種類の役の中から、当選役を決定する当選役決定手段と、前記通常遊技状態における第１開始条件の成立を契機として前記有利遊技状態のうち第１有利遊技状態に制御し、前記第１有利遊技状態における第２開始条件の成立を契機として、前記有利遊技状態のうち前記当選役決定手段が前記第１有利遊技状態と比較して前記特殊賞の発生を許容する役である特殊役を高確率で決定する第２有利遊技状態に制御する有利遊技制御手段と、前記特殊賞の発生を可能にする停止操作の態様を報知する特殊報知演出を実行する特殊演出実行手段と、前記第２有利遊技状態に制御されている間に、前記特殊報知演出の実行を許容する演出期間を設定する期間設定手段と、前記演出期間の設定中に、前記特殊報知演出を実行するように前記特殊演出実行手段を制御する特殊演出制御手段と、前記特殊賞の発生を契機として、前記有利遊技状態に制御することを許容する許容期間を延長する期間延長手段と、前記第１有利遊技状態から前記第２有利遊技状態への移行を許容する所定条件が成立している場合であって、前記当選役決定手段が前記複数種類の役のうち特別賞の発生を許容する特別役を決定しているときに、前記特別賞の発生を可能にする停止操作の態様を報知する特別報知演出を実行するように特別演出実行手段を制御する特別演出制御手段と、を備え、前記第２開始条件は、前記所定条件が成立しており、且つ前記第１有利遊技状態において前記特別賞が発生することにより成立する一方、前記第２開始条件は、前記所定条件が成立していなければ、前記第１有利遊技状態において前記特別賞が発生しても成立せず、前記特別賞の発生を契機に、前記期間設定手段が前記演出期間を設定するようになっており、前記有利遊技制御手段は、前記第２有利遊技状態における終了条件の成立を契機として、前記第２有利遊技状態が終了するように制御し、前記終了条件は、予め定めた終了抽選に当選することにより成立し、当該終了抽選は、前記第２有利遊技状態に制御されてから所定回数の変動ゲームが実行されて前記終了抽選の開始条件が成立するまでの間には行われないことを要旨とする。

本発明によれば、有利遊技状態における遊技者の興趣が低下することを抑制できる。

パチスロの機表側を示す正面図。 賞態様を示す模式図。 パチスロの電気的構成を示すブロック図。 （ａ）は、当選役決定テーブルを示す模式図、（ｂ）は、リプレイ役の当選内容を示す模式図、（ｃ）は、リプレイ役の当選確率を示す模式図。 リプレイ役の詳細を示す模式図。 遊技状態の移行態様を示す模式図。 演出状態の移行態様を示す模式図。 遊技状態、及び演出状態の具体的な移行態様の一例を示す模式図。

以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ式スロットマシン（回胴式遊技機、以下、「パチスロ」と示す）に具体化した一実施形態を図１〜図８にしたがって説明する。
図１には、本実施形態のパチスロ１０の機表側が略示されており、パチスロ１０は、前面を開口した直方体状の本体１１と、当該本体の左側縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉１２とを備えている。前面扉１２の前面上部には、遊技中（変動ゲーム中）に表示演出を行う液晶表示装置からなる演出表示装置１４が配設されている。また、前面扉１２には、該前面扉１２を囲うように各種の演出効果光を発して発光演出を行うランプＬが設けられている。また、前面扉１２の左右上部には、音声演出を行うスピーカＳＰが配設されている。

前面扉１２の前面中央には、中央パネル１５が設けられているとともに、当該中央パネル１５には、機内部に配設される図柄表示手段としてのドラムユニット１３を透視可能な透視窓１６が設けられている。透視窓１６は、中央パネル１５と一体形成された合成樹脂板から構成されている。ドラムユニット１３は、各種の図柄が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻装された左リール１３Ｌと、中リール１３Ｃと、右リール１３Ｒとから構成されている。そして、透視窓１６には、左リール１３Ｌを第１図柄列として、該第１図柄列が配置される隣には第２図柄列としての中リール１３Ｃが配置し、該第２図柄列が配設される隣には第３図柄列としての右リール１３Ｒが配置している。ドラムユニット１３の各リール（左リール１３Ｌ、中リール１３Ｃ、及び右リール１３Ｒ）に印刷される各図柄は、予め定められた順に各図柄がそれぞれに配列されている。ドラムユニット１３の左リール１３Ｌには、図柄Ｌ００〜図柄Ｌ２０の２１個の図柄が配列されている。また、中リール１３Ｃには、図柄Ｃ００〜図柄Ｃ２０までの２１個の図柄が配列されている。また、右リール１３Ｒには、図柄Ｒ００〜図柄Ｒ２０までの２１個の図柄が配列されている。そして、変動ゲームにおいて左リール１３Ｌでは、図柄Ｌ００、図柄Ｌ０１・・・図柄Ｌ２０、図柄Ｌ００の順に透視窓１６に表示されるように変動する。また、変動ゲームにおいて中リール１３Ｃでは、図柄Ｃ００、図柄Ｃ０１・・・図柄Ｃ２０、図柄Ｃ００の順に透視窓１６に表示されるように変動する。また、変動ゲームにおいて右リール１３Ｒでは、図柄Ｒ００、図柄Ｒ０１・・・図柄Ｒ２０、図柄Ｒ００の順に透視窓１６に表示されるように変動する。

なお、本実施形態において各リールでは、「ベル」を模した図柄（ベル図柄）、「ＲＥＰＬＡＹ」の文字が装飾された図柄（リプレイ図柄）、「スイカ（すいか）」を模した図柄（スイカ図柄）、「チェリー」を模した図柄（チェリー図柄）がそれぞれ配列されている。また、各リールでは、赤に色付けされた「７」を模した図柄（赤セブン図柄）、白に色付けされた「７」を模した図柄（白セブン図柄）、「ＢＡＲ」の文字が装飾された図柄（バー図柄）がそれぞれ配列されている。以下では、各図柄を、「図柄」を省いて、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「赤セブン」、「白セブン」、「バー」という場合もある。

そして、各リールは、各々に対応して設けられたステッピングモータにより独立して縦方向に回転及び停止するように構成されており、各リールが回転することによって透視窓１６には各種図柄が連続的に変化しつつ表示（変動）される。そして、各リールの回転が停止した場合、透視窓１６には、各リールのリールシートに印刷された複数の図柄のうち、連続する３つの図柄が上段、中段、下段の位置に停止表示される。このため、透視窓１６は、各リールにおいて３つの図柄が表示可能な大きさで形成されている。また、各リールには、該各リールの回転位置を検出するためのリールセンサＳＥ１，ＳＥ２，ＳＥ３（図３に示す）が各リールにそれぞれ対応するように設けられている。

また、パチスロ１０には、透視窓１６から透視可能な図柄の表示領域において、停止表示される図柄の組み合わせ（導出される表示結果）を規定する複数（本実施形態では５本）の図柄停止ラインが形成されている。本実施形態では、図柄停止ラインとして、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定しうる１本の入賞ラインＬ１（実線で示す）と、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定し得ない４本の非入賞ラインＬ２〜Ｌ５（破線で示す）が形成されている。

入賞ラインＬ１は、これら図柄停止ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが賞を付与する態様である場合、該図柄の組み合わせに応じた賞を付与することとして有効と判定する有効ラインとなる。以下の説明で、単に「入賞ライン」という場合には、入賞ラインＬ１を意味する。本実施形態では、左リール１３Ｌ、中リール１３Ｃ、及び右リール１３Ｒにおける中段の停止位置により入賞ラインＬ１が形成されている。

また、非入賞ラインＬ２〜Ｌ５は、図柄停止ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが賞を付与する態様と同一態様であったとしても、該図柄の組み合わせに応じた賞を付与しないこととして無効と判定する無効ラインとなる。以下の説明で、単に「非入賞ライン」という場合には、非入賞ラインＬ２〜Ｌ５を意味する。

また、中央パネル１５には、変動ゲームに関わる情報を報知する各種情報表示部１７が構成されている。各種情報表示部１７には、投入可能表示用ランプ、再遊技表示用ランプ、ウェイト表示用ランプ、状態ランプ、賭数表示部、貯留枚数表示部、賞枚数表示部、ゲーム情報表示部が形成されている。

投入可能表示用ランプは、変動ゲームのベット数を設定可能な状態、又は機本体に遊技媒体としてのメダルを投入可能な状態である時に点灯し、変動ゲームが開始される、又は最大のベット数（ＭＡＸＢＥＴ）が設定され且つ貯留データ（クレジット）がクレジット上限枚数に達した場合に消灯する。再遊技表示用ランプは、変動ゲームにおいて再遊技役としてのリプレイ役が入賞した場合に点灯する。ウェイト表示用ランプは、ウェイトタイム中に開始操作が検出された場合に点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、変動ゲームがあまり速く進行し過ぎてしまうことを規制するために設定された最短遊技時間であり、このウェイトタイム中に開始操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後に各リールの回転動作が開始するように設定されている。状態ランプは、変動ゲームの進行に合わせて点灯／消灯をする。

また、賭数表示部は、３つのランプから構成されており、変動ゲームのベット数に応じてランプが点灯する。１ベット（１ＢＥＴ）で１つのランプが点灯し、２ベット（２ＢＥＴ）で２つのランプが点灯し、３ベット（３ＢＥＴ）で全てのランプが点灯する。貯留枚数表示部は、機内部で貯留しているクレジット数を表示する。賞枚数表示部は、変動ゲーム中に入賞が発生した場合に、当該入賞に基づいて遊技者に付与される賞メダルの枚数が表示される。ゲーム情報表示部では、ボーナス遊技中の払出枚数の総数を表示する。

また、前面扉１２の前面において中央パネル１５の右下方位置には、メダル投入口１８が配設されている。メダル投入口１８の奥方には、メダルの通過を検知するメダルセンサＳＥ４（図３に示す）が配設されている。また、前面扉１２の前面において中央パネル１５の左下方位置には、左から順にＢＥＴボタン１９とＭＡＸＢＥＴボタン２０とが設けられている。ＢＥＴボタン１９は、機内部で貯留記憶されているクレジットから１ベット分（１枚分）を変動ゲームのベット数（賭数）としてベットする（賭ける）際に押圧（操作）するボタンである。また、ＭＡＸＢＥＴボタン２０は、１回の変動ゲームにおいて許容されるベット数の最大ベット数（本実施例では３ベット分（３枚分））を変動ゲームのベット数としてベットする（賭ける）際に押圧（操作）するボタンである。

また、前面扉１２の前面において各ＢＥＴボタン１９，２０の左下方位置には、精算スイッチ２１が設けられている。精算スイッチ２１は、変動ゲームの開始に伴ってベットされたメダル（遊技媒体）、又は機内部に貯留記憶されているクレジットを払い戻すときに使用（操作）するスイッチである。また、精算スイッチ２１の右方位置には、変動ゲームを開始する際に操作するスタートレバー２２が設けられている。そして、本実施形態では、ベット数の設定終了後にスタートレバー２２を操作することにより、各リールの回転動作が開始される。

スタートレバー２２の右方位置には、遊技者により操作されるストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒが設けられている。ストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒは、回転しているリールを停止させるためのボタンであり、各リールに対応して３個のストップボタンがある。

また、前面扉１２の前面における下部中央部にはメダル排出口２４が形成されている。また、前面扉１２の前面における下部には、メダル排出口２４から排出されたメダルを受ける受皿２５が配設されている。

また、図１に破線で示すように、パチスロ１０本体においてドラムユニット１３の下方となる位置には、パチスロ１０内部において、投入されたメダルを貯留するためのホッパー２６が配置されている。このホッパー２６の下方側にはメダル排出口２４が位置し、図柄の組み合わせが遊技者に賞メダルを付与する予め定める賞態様（役）になった場合には、ホッパー２６に貯留されたメダルがメダル排出口２４へと払出される。前面扉１２の裏面側においてメダル投入口１８の下方位置には、該メダル投入口１８とホッパー２６とを繋ぐようにメダルセレクター２７が配設されている。

次に、遊技者が遊技として変動ゲームを行うための操作や、この操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
変動ゲームに対するメダルの投入又は各ＢＥＴボタン１９，２０の操作が可能な状態において、各ＢＥＴボタン１９，２０を操作することでベット数を設定することができる。ＢＥＴボタン１９の操作によっては、貯留記憶されているクレジットから１ベット分の枚数（メダル１枚）相当分のクレジットがベット数（賭数）として設定される。また、ＭＡＸＢＥＴボタン２０の操作によっては、貯留されているクレジットから対象とする変動ゲームで設定可能な最大ベット数分のクレジットがベット数（賭数）として設定される。なお、本実施形態では、３ベットによる変動ゲームを許容する。

また、本実施形態では、メダル投入口１８からベット数に相当する枚数のメダルを投入することで各ベット数を設定することも可能であって、メダル１枚の投入で１ベット分のベット数が設定されるとともに、メダル３枚の投入で３ベット分のベット数が設定される。なお、対象とする遊技で設定可能な最大ベット数（本実施形態では３ベット）を超える分のメダルがメダル投入口１８から投入される場合、クレジット機能の使用時にはクレジットとして記憶される一方で、クレジット機能の非使用時には図示しない経路を辿ってメダル排出口２４から遊技者に返却される。

本実施形態では、遊技者の各ＢＥＴボタン１９，２０の操作により、それぞれに応じたベット数が設定され、入賞ラインが有効となるように設定される。入賞ラインが有効になるとは、当該入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせが有効となることで、有効な入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせに応じた制御（賞メダルの払い出しなど）が行われる。本実施形態における変動ゲームでは常に１本の入賞ラインが有効となる。

上記のようにベット数が設定され、スタートレバー２２の操作が受付可能な状態、すなわち、ゲーム開始可能な状態で遊技者がスタートレバー２２を操作する開始操作を行えば、ドラムユニット１３の各リールが回転し、透視窓１６には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。その後、各リールが回転して所定時間が経過すると、各ストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒの操作が受付可能になる。続いて、遊技者により各ストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒが操作されると、対応する各リールが停止され、対応する列の上段、中段及び下段に図柄が透視窓１６に表示される。

そして、各リールの全てが停止された時点で、入賞ラインに停止表示された図柄の組み合わせが予め定めた賞態様を形成する場合に入賞となり、入賞した賞態様に応じた賞として、賞メダルの払い出しやボーナス遊技が遊技者に付与される。なお、ボーナス遊技での変動ゲームは、賞メダルを連続的に獲得可能であって、該ボーナス遊技以外と定義される一般遊技での変動ゲームに比べて遊技者にとって有利となる。

本実施形態の変動ゲームは、ベット数の設定後のスタートレバー２２の開始操作を契機に開始し、ストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒの停止操作による図柄の組み合わせの停止表示を契機に終了することを１回として行われる。なお、賞メダルの払い出しを伴う変動ゲームは、賞メダルの払い出しを完了して終了することになる。

本実施形態のパチスロ１０において、入賞ライン上に停止表示される図柄の組み合わせについて説明する。
図２に示すように、内部で決定される当選役に基づき入賞ライン上に停止表示可能となる図柄の組み合わせ（停止結果）と、該図柄の組み合わせに対応する賞とが定められている。

具体的に、図２に示す当選役に基づき停止表示可能となる図柄の組み合わせの何れも入賞ライン上に停止表示されない場合、賞メダルの遊技者への付与が行われない（１枚以上の賞メダルを付与しない）。以下の説明で、図２に示す何れにも対応しない図柄の組み合わせにより入賞ラインを形成する場合の図柄の組み合わせを「はずれ停止目」という。

また、［赤セブン・赤セブン・赤セブン］が入賞ライン上に停止表示される場合には、ボーナス遊技（以下、「ＢＮ遊技」という）を付与（生起）することを定めている。以下の説明で、［赤セブン・赤セブン・赤セブン］により入賞ラインを形成する賞態様（図柄の組み合わせ）を「ＢＮ停止目」という。このＢＮ停止目は、当選役として「ＢＮ役」の決定により入賞可能（停止表示可能）とされている。本実施形態において、ＢＮ役は、遊技状態としてＢＮ遊技を開始（作動）させる契機となる特別入賞の発生を許容する当選役（ボーナス役）である。

また、［チェリー・ＡＮＹ・ＡＮＹ］が入賞ライン上に停止表示される場合には、２枚の賞メダルを払い出すことを定めている。なお、入賞ラインを形成する中リール１３Ｃ及び右リール１３Ｒの停止位置に停止表示される図柄は何れの図柄（「ＡＮＹ」）でもよい。以下の説明で、［チェリー・ＡＮＹ・ＡＮＹ］により入賞ラインを形成する賞態様（図柄の組み合わせ）を「チェリー停止目」という。このチェリー停止目は、当選役として「チェリー役」の決定により入賞可能（停止表示可能）とされている。

また、［スイカ・スイカ・スイカ］が入賞ライン上に停止表示される場合には、６枚の賞メダルを払い出すことを定めている。以下の説明で、［スイカ・スイカ・スイカ］により入賞ラインを形成する賞態様（図柄の組み合わせ）を「スイカ停止目」という。このスイカ停止目は、当選役として「スイカ役」の決定により入賞可能（停止表示可能）とされている。

また、［ＡＮＹ・ベル・ＡＮＹ］が入賞ライン上に停止表示される場合には、１２枚の賞メダルを払い出すことを定めている。なお、入賞ラインを形成する左リール１３Ｌ及び右リール１３Ｒの停止位置に停止表示される図柄は何れの図柄（「ＡＮＹ」）でもよい。以下の説明で、［ＡＮＹ・ベル・ＡＮＹ］により入賞ラインを形成する賞態様（図柄の組み合わせ）を「ベル停止目」という。このベル停止目は、当選役として「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、「右正解ベル役」の何れかの決定により入賞可能（停止表示可能）とされている。

本実施形態において、これら「チェリー役」、「スイカ役」、「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、「右正解ベル役」は、入賞に基づいて賞メダルの払い出しを定めた当選役（払出役）となる。以下の説明で、単に「ベル役」という場合には、「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、及び「右正解ベル役」を区別しないで纏めて指すものとする。

また、［リプレイ・リプレイ・リプレイ］が入賞ライン上に停止表示される場合には、遊技者がベット数をベットすることなく内部で自動的にベット数が設定されることで次の変動ゲームを行う再遊技を付与することを定めている。以下、［リプレイ・リプレイ・リプレイ］により入賞ラインを形成する賞態様（図柄の組み合わせ）を「リプレイ停止目」という。このリプレイ停止目は、当選役として「通常リプレイ役Ｒ１」〜「通常リプレイ役Ｒ３」の３種類の何れかの決定により入賞可能（停止表示可能）とされている。

また、［リプレイ・リプレイ・スイカ］が入賞ライン上に停止表示される場合には、上述した再遊技を付与することを定めている。以下、［リプレイ・リプレイ・スイカ］により入賞ラインを形成する賞態様（図柄の組み合わせ）を「第１移行停止目」という。この第１移行停止目は、当選役として「第１移行リプレイ役Ｒ１１」及び「第１移行リプレイ役Ｒ１２」の２種類の何れかの決定により入賞可能（停止表示可能）とされている。

また、［白セブン・白セブン・白セブン］が入賞ライン上に停止表示される場合には、上述した再遊技を付与することを定めている。以下、［白セブン・白セブン・白セブン］により入賞ラインを形成する賞態様（図柄の組み合わせ）を「第２移行停止目」という。この第２移行停止目は、当選役として「第２移行リプレイ役Ｒ２１」及び「第２移行リプレイ役Ｒ２２」の２種類の何れかの決定により入賞可能（停止表示可能）とされている。本実施形態では、この第２移行リプレイ役Ｒ２１、及び第２移行リプレイ役Ｒ２２が特別役となる。

また、［バー・バー・バー］が入賞ライン上に停止表示される場合には、上述した再遊技を付与することを定めている。以下、［バー・バー・バー］により入賞ラインを形成する賞態様（図柄の組み合わせ）を「特殊停止目」という。この特殊停止目は、当選役として「特殊リプレイ役Ｒ３１」及び「特殊リプレイ役Ｒ３２」の２種類の何れかの決定により入賞可能（停止表示可能）とされている。本実施形態では、この特殊リプレイ役Ｒ３１、及び特殊リプレイ役Ｒ３２が特殊役となる。

また、［白セブン・バー・バー］が入賞ライン上に停止表示される場合には、上述した再遊技を付与することを定めている。以下、［白セブン・バー・バー］により入賞ラインを形成する賞態様（図柄の組み合わせ）を「転落停止目」という。この転落停止目は、当選役として「転落リプレイ役Ｒ４１」及び「転落リプレイ役Ｒ４２」の２種類の何れかの決定により入賞可能（停止表示可能）とされている。

本実施形態において、これら「通常リプレイ役Ｒ１」〜「通常リプレイ役Ｒ３」、「第１移行リプレイ役Ｒ１１」、「第１移行リプレイ役Ｒ１２」、「第２移行リプレイ役Ｒ２１」、「第２移行リプレイ役Ｒ２２」、「特殊リプレイ役Ｒ３１」、「特殊リプレイ役Ｒ３２」、「転落リプレイ役Ｒ４１」、及び「転落リプレイ役Ｒ４２」は、入賞に基づいて上述した再遊技の付与を定めた再遊技役（以下、「リプレイ役」という）となる。

以下の説明で、単に「第１移行リプレイ役」という場合には、「第１リプレイ役Ｒ１１」及び「第１移行リプレイ役Ｒ１２」を区別しないで纏めて指すものとする。また、「第２移行リプレイ役」という場合には、「第２移行リプレイ役Ｒ２１」及び「第２移行リプレイ役Ｒ２２」を区別しないで纏めて指すものとする。以下の説明で、「特殊リプレイ役」という場合には、「特殊リプレイ役Ｒ３１」及び「特殊リプレイ役Ｒ３２」を区別しないで纏めて指すものとする。また、「通常リプレイ役」という場合には、「通常リプレイ役Ｒ１」〜「通常リプレイ役Ｒ３」を区別しないで纏めて指すものとする。また、単に「移行リプレイ役」という場合には、「第１移行リプレイ役」、及び「第２移行リプレイ役」を区別しないで纏めて指すものとする。また、単に「リプレイ役」という場合には、「通常リプレイ役」、「第１移行リプレイ役」、「第２移行リプレイ役」、「特殊リプレイ役」、及び「転落リプレイ役」を区別しないで纏めて指すものとする。

なお、上述した再遊技では、遊技者がベット数をベットすることなく変動ゲームを行うことができるのであって、賞メダルの遊技者への付与が行われない（１枚以上の賞メダルを付与しない）。すなわち、リプレイ役の入賞に基づいて遊技者は賞メダルの払い出しを得ることはない。

本実施形態において、ＢＮ遊技を作動（開始）させる契機となるボーナス入賞の発生を許容する「ＢＮ役」以外の「チェリー役」、「スイカ役」、「ベル役」「リプレイ役」といった当選役が小役となる。

また、本実施形態のパチスロ１０は、リプレイ役の当選確率を変動させて、一般遊技を制御するＲＴ機能（再遊技役確率変動機能）が搭載されている。本実施形態における一般遊技は、ＲＴ機能の作動態様に応じた状態に制御されるとともに、ＲＴ機能の作動中にはその種類に応じた状態に制御される。

そして、ＲＴ機能により一般遊技では、ＲＴ機能の非作動の状態であってリプレイ役の合算の当選確率が低確率抽選状態（低確率）に設定された低確ＲＴ遊技に制御される場合がある。また、ＲＴ機能により一般遊技では、ＲＴ機能の作動の状態であってリプレイ役の合算の当選確率が低確率抽選状態から高確率抽選状態（高確率）へ変動（向上）される第１高確ＲＴ遊技又は第２高確ＲＴ遊技に制御される場合がある。

以下の説明で、低確ＲＴ遊技に制御される一般遊技を「低確ＲＴ遊技」といい、第１高確ＲＴ遊技に制御される一般遊技を「第１高確ＲＴ遊技」といい、第２高確ＲＴ遊技に制御される一般遊技を「第２高確ＲＴ遊技」という。また、以下の説明で「高確ＲＴ遊技」という場合は、第１高確ＲＴ遊技、及び第２高確ＲＴ遊技を区別せずに纏めて指すものとする。本実施形態では、低確ＲＴ遊技が通常遊技状態となり、高確ＲＴ遊技が、遊技者にとって有利な有利遊技状態となる。また、本実施形態では、第１高確ＲＴ遊技が第１有利遊技状態となり、第２高確ＲＴ遊技が第２有利遊技状態となる。

次に、パチスロ１０の電気的構成を図３にしたがって説明する。
パチスロ１０の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板４０が装着されている。主制御基板４０は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号（制御コマンド）を演算処理し、該制御信号を出力する。また、機裏側には、遊技状態に応じた演出制御等を実行するサブ制御基板４１が装着されている。サブ制御基板４１は、主制御基板４０が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき演出表示装置１４、ランプＬ、及びスピーカＳＰの制御を実行する。

以下、主制御基板４０について説明する。
主制御基板４０は、制御動作を所定の手順で実行する主制御手段としての主制御用ＣＰＵ４０ａと、主制御用ＣＰＵ４０ａの制御プログラムを格納する主制御用ＲＯＭ４０ｂと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用ＲＡＭ４０ｃが設けられている。そして、主制御用ＣＰＵ４０ａには、ドラムユニット１３を構成する各リール（左リール１３Ｌ、中リール１３Ｃ、及び右リール１３Ｒ）、リールセンサＳＥ１〜ＳＥ３、メダルセンサＳＥ４が接続されている。また、主制御用ＣＰＵ４０ａには、各種情報表示部１７が接続されている。また、主制御用ＣＰＵ４０ａには、ＢＥＴボタン１９と、ＭＡＸＢＥＴボタン２０と、精算スイッチ２１と、スタートレバー２２と、各ストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒと、ホッパー２６とが接続されている。

主制御用ＣＰＵ４０ａには、接続されるリールセンサＳＥ１〜ＳＥ３から透視窓１６で表示されている図柄（回転中の各リールの回転位置）に応じて第１〜第３の位置信号が入力されるようになっている。第１の位置信号には左リール１３Ｌが対応し、第２の位置信号には中リール１３Ｃが対応し、第３の位置信号には右リール１３Ｒが対応するようになっている。そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、第１〜第３の位置信号により各リールの回転位置及び停止位置を把握し、該第１〜第３の位置信号に基づき各リールの回転及び停止の制御を行う。また、主制御用ＣＰＵ４０ａには、接続されるメダルセンサＳＥ４から該メダルセンサＳＥ４でメダルを検知する毎に、メダルを検知したことを示すメダル検知信号が入力されるようになっている。また、主制御用ＣＰＵ４０ａには、接続されるＢＥＴボタン１９、ＭＡＸＢＥＴボタン２０、精算スイッチ２１、スタートレバー２２及びストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒが操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種操作信号が入力されるようになっている。

また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、各種抽選で用いる当選役決定乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理（乱数生成処理）を実行する。なお、当選役決定乱数は、主制御用ＣＰＵ４０ａが当選役決定テーブルにしたがい役（当選役）を決定する際に使用する乱数である。

また、主制御用ＲＯＭ４０ｂには、メイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ＲＯＭ４０ｂには、遊技状態別、並びに当選役別の内部当選確率が、当選役決定乱数の値の割り当て範囲として定められた複数の当選役決定テーブルが記憶されている。また、主制御用ＲＯＭ４０ｂには、役毎に図柄の組み合わせの停止テーブルが予め定められている。停止テーブルとは、各ストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒを遊技者が操作した時の操作のタイミングによって停止表示させる図柄を役毎に定めたものである。また、主制御用ＲＡＭ４０ｃには、パチスロ１０の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶（設定）されるようになっている。

次に、主制御用ＲＯＭ４０ｂに記憶される当選役決定テーブルＴ１，Ｔ２，Ｔ３，Ｔ４について、図４（ａ）〜図４（ｃ）にしたがって説明する。
主制御用ＲＯＭ４０ｂには、抽選対象となる当選役の種類と、抽選対象となる各当選役の当選確率（抽選対象となる各当選役に振分けられる乱数値（乱数の値の範囲に基づく個数））を遊技状態毎にテーブル化したものが記憶されている。そして、各当選役決定テーブルは、遊技状態に応じて主制御用ＣＰＵ４０ａにより用いられる。一般遊技において、低確ＲＴ遊技に当選役決定テーブルＴ１が、第１高確ＲＴ遊技に当選役決定テーブルＴ２が、第２高確ＲＴ遊技に当選役決定テーブルＴ３が、ＢＮ遊技に当選役決定テーブルＴ４がそれぞれ対応付けられている。

すなわち、図４（ａ）に示すように、当選役決定テーブルＴ１〜Ｔ３では、ＢＮ役、チェリー役、スイカ役、ベル役、及びリプレイ役の各当選確率が規定されている。そして、一般遊技では、リプレイ役の当選確率が第１高確ＲＴ遊技及び第２高確ＲＴ遊技（１／１．５）で、低確ＲＴ遊技（１／７．３）に比べて大きく高まるように当選役決定乱数が振分けられている。また、一般遊技では、第１高確ＲＴ遊技と第２高確ＲＴ遊技とでリプレイ役の当選確率が同一確率となるように当選役決定乱数が振分けられているとともに、リプレイ役以外の各当選役の当選確率が低確ＲＴ遊技と高確ＲＴ遊技とで同一確率となるように当選役決定乱数が振分けられている。

このため、本実施形態では、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態に設定される第１高確ＲＴ遊技又は第２高確ＲＴ遊技において、再遊技が付与され易い分、遊技者の保有するメダルの消費（投入）を減少させることができるといった利益を遊技者に付与することができる。このような第１高確ＲＴ遊技又は第２高確ＲＴ遊技は、遊技者にとって有利な状態である。

また、図４（ｂ）に示すように、リプレイ役の当選確率は、低確ＲＴ遊技（当選役決定テーブルＴ１）において、通常リプレイ役の単独当選（非重複当選）の当選確率、及び通常リプレイ役と第１移行リプレイ役との重複当選の当選確率を合算した当選確率を規定している。なお、第１移行リプレイ役と通常リプレイ役の重複当選の関係は、第１移行リプレイ役Ｒ１１と通常リプレイ役Ｒ１、第１移行リプレイ役Ｒ１２と通常リプレイ役Ｒ２のそれぞれの組み合わせで重複当選する。

リプレイ役の当選確率は、第１高確ＲＴ遊技（当選役決定テーブルＴ２）において、通常リプレイ役の単独当選の当選確率、通常リプレイ役と第２移行リプレイ役との重複当選の当選確率、及び特殊リプレイ役と転落リプレイ役との重複当選の当選確率を合算した当選確率を規定している。なお、第２移行リプレイ役と通常リプレイ役の重複当選の関係は、第２移行リプレイ役Ｒ２１と通常リプレイ役Ｒ１、第２移行リプレイ役Ｒ２２と通常リプレイ役Ｒ２のそれぞれの組み合わせで重複当選する。また、特殊リプレイ役と転落リプレイ役の重複当選の関係は、特殊リプレイ役Ｒ３１と転落リプレイ役Ｒ４１、特殊リプレイ役Ｒ３２と転落リプレイ役Ｒ４２のそれぞれの組み合わせで重複当選する。

また、リプレイ役の当選確率は、第２高確ＲＴ遊技（当選役決定テーブルＴ３）において、通常リプレイ役の単独当選の当選確率、及び特殊リプレイ役と転落リプレイ役との重複当選の当選確率を合算した当選確率を規定している。以下の説明で、「第１移行リプレイ役の当選」、及び「第２移行リプレイ役の当選」という場合には、組み合わせの対象となる「通常リプレイ役の当選」も意味する。また、「特殊リプレイ役の当選」という場合には、組み合わせの対象となる「転落リプレイ役の当選」も意味する。

そして、図４（ｃ）に示すように、本実施形態では、当選役決定テーブルＴ１〜Ｔ３において、低確ＲＴ遊技、第１高確ＲＴ遊技、第２高確ＲＴ遊技のうち、低確ＲＴ遊技においてのみ第１移行リプレイ役に当選し、第１，第２高確ＲＴ遊技において第１移行リプレイ役に当選しないように、当選役決定乱数が振分けられている。

また、本実施形態では、当選役決定テーブルＴ１〜Ｔ３において、低確ＲＴ遊技、第１高確ＲＴ遊技、第２高確ＲＴ遊技のうち、第１高確ＲＴ遊技においてのみ第２移行リプレイ役に当選し、低確ＲＴ遊技、及び第２高確ＲＴ遊技において第２移行リプレイ役に当選しないように、当選役決定乱数が振分けられている。

また、本実施形態では、当選役決定テーブルＴ１〜Ｔ３において、低確ＲＴ遊技、第１高確ＲＴ遊技、第２高確ＲＴ遊技のうち、第１，第２高確ＲＴ遊技において特殊リプレイ役に当選し、低確ＲＴ遊技において特殊リプレイ役に当選しないように当選役決定乱数が振分けられている。

また、本実施形態では、第１高確ＲＴ遊技用の当選役決定テーブルＴ２において、複数種類の当選役の中から最も低い確率（１／２０００）で特殊リプレイ役に当選するように当選役決定乱数が振分けられている。すなわち、主制御用ＣＰＵ４０ａは、第１高確ＲＴ遊技中、複数種類の当選役の中から最も低い確率で特殊リプレイ役を決定することになる。

そして、第２高確ＲＴ遊技における特殊リプレイ役の当選確率（１／２）が、第１高確ＲＴ遊技における特殊リプレイ役の当選確率（１／２０００）と比べて飛躍的に高まるように当選役決定乱数が振分けられている。このため、本実施形態では、第１高確ＲＴ遊技中、特殊リプレイ役の当選が殆ど発生しない一方で、第２高確ＲＴ遊技中、特殊リプレイ役の当選が頻繁に発生するようになる。すなわち、第２高確ＲＴ遊技は、主制御用ＣＰＵ４０ａが第１高確ＲＴ遊技と比較して特殊リプレイ役を高確率で決定する遊技状態となる。

また、図４（ａ）に示すように、ＢＮ遊技用の当選役決定テーブルＴ４では、チェリー役、スイカ役、ベル役の各当選確率が規定されている。なお、当選役決定テーブルＴ４では、ＢＮ役、及びリプレイ役を抽選対象としないように当選役決定乱数が振分けられている。また、ボーナス遊技では、ベル役の当選確率が一般遊技に比べて大きく高まるように当選役決定乱数が振分けられている。

このため、本実施形態では、ベル役の当選確率が一般遊技に比して大きく高まるＢＮ遊技において、ベル役に当選し易く賞メダルを獲得し易い分、遊技者の保有するメダルを増加させることができる。このようなＢＮ遊技では、遊技者にとって有利な状態である。

なお、一般遊技では、後述するボーナス待機状態における当選役決定テーブルにおいて、小役の当選確率を所定確率に定めている。このようなボーナス待機状態におけるＢＮ役の当選時には、その当選を他の当選役（小役又ははずれ役）の当選に置き換える（書き換える）。

以下、サブ制御基板４１について説明する。
サブ制御基板４１は、制御動作を所定の手順で実行する副制御手段としてのサブ制御用ＣＰＵ４１ａと、サブ制御用ＣＰＵ４１ａの制御プログラムを格納するサブ制御用ＲＯＭ４１ｂと、必要なデータの書き込み及び読み出しができるサブ制御用ＲＡＭ４１ｃが設けられている。そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａには、演出表示装置１４、スピーカＳＰ、及びランプＬが接続されている。

サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、各種抽選で用いる各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理（乱数生成処理）を実行する。また、サブ制御用ＲＯＭ４１ｂには、サブ制御プログラムが記憶されている。また、サブ制御用ＲＯＭ４１ｂには、演出表示装置１４の表示演出態様が示される表示演出パターンや、スピーカＳＰの音声出力態様が示される音声演出パターンや、ランプＬの発光態様が示される発光演出パターンが記憶されている。また、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃには、パチスロ１０の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶（設定）されるようになっている。具体的に、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃには、遊技状態に係るサブ用状態情報（フラグなど）がサブ制御用ＣＰＵ４１ａにより記憶（設定）されるようになっている。

以下、主制御用ＣＰＵ４０ａがメイン制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
主制御用ＣＰＵ４０ａは、各種操作信号を入力すると、各種操作信号に定める所定の制御を実行する。そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、各種操作信号の入力や各種制御により、各種情報表示部１７の表示制御をその都度実行する。また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、賞態様の入賞に基づいて賞メダルを払い出す場合、クレジット上限枚数（本実施形態では、「５０（枚）」）を超えるとき、駆動信号をホッパー２６に出力して、駆動信号を１回出力する毎に賞メダルを１枚払い出させるように制御する。なお、主制御用ＣＰＵ４０ａは、クレジットの清算時、駆動信号をホッパー２６に出力して、クレジット分のメダルを遊技者に払い出させるように制御する。

そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、メダル投入口１８よりメダルが投入される、又は各ＢＥＴボタン１９，２０の操作信号を入力すると、ベット数を設定する。また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、各ＢＥＴボタン１９，２０の操作毎に、クレジット数を更新する。また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、メダルの投入によりクレジット数を増加させる場合、クレジット数を更新させる。そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、３ベットのベット数を設定するときに変動ゲームを行うことができるゲーム開始可能な状態を生起する。

続いて、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ゲーム開始可能な状態において、スタートレバー２２の操作信号を入力すると、役抽選（内部抽選）を行う。そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、主制御用ＲＡＭ４０ｃから当選役決定乱数の値を取得し、該値が主制御用ＲＯＭ４０ｂに記憶されている当選役決定テーブルの各当選役の値の範囲に属しているか否かを判定する役抽選を行う。役抽選において、主制御用ＣＰＵ４０ａは、遊技状態に応じた当選役決定テーブルを用いて当選とする当選役を決定する。なお、主制御用ＣＰＵ４０ａは、遊技状態を示す状態情報（フラグなど）を主制御用ＲＡＭ４０ｃに設定して遊技状態を把握している。このように、本実施形態では、主制御用ＣＰＵ４０ａが停止操作に基づく入賞が許容される当選役として特殊リプレイ役を含み複数種類ある当選役の中から当選役を決定する当選役決定手段として機能する。

そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、当選役を決定すると、決定した当選役の種類を示す役情報（フラグなど）を主制御用ＲＡＭ４０ｃに記憶（設定）する。すなわち、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ＢＮ役の当選を決定すると、ＢＮ役の入賞の発生までの間、主制御用ＲＡＭ４０ｃのＢＮ役の役情報を持ち越すようになっている。このようにＢＮ役の役情報が持ち越されている状態は、ＢＮ役の入賞の発生を許容しているが、該発生を待機しているボーナス待機状態となる。一方、主制御用ＣＰＵ４０ａは、小役の当選を決定すると、該小役の入賞の発生の有無に関係なく役抽選の対象とする変動ゲーム（１回）の終了により、主制御用ＲＡＭ４０ｃの小役の役情報を消去（クリア）する。

このため、ＢＮ役は、当選の決定を入賞が発生するまでの変動ゲームに跨って持越可能な当選役となる。一方、小役は、当選の決定を入賞が発生するか否かに関係なく次以後の変動ゲームに跨って持越不可能な当選役となる。

また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、遊技者によるスタートレバー２２の操作を検出したタイミング（役抽選等の所定の処理を行った後）で、変動ゲームの開始を指示するとともに、役抽選の抽選結果及び変動ゲームが行われる遊技状態を示した変動ゲーム開始コマンドをサブ制御基板４１（サブ制御用ＣＰＵ４１ａ）に出力する。この変動ゲーム開始コマンドは、持ち越されているＢＮ役があればその役情報も合わせて指示する。なお、主制御用ＣＰＵ４０ａは、遊技者によるスタートレバー２２の操作を検出して直前の変動ゲームの終了からウェイトタイムが経過している状態において、各リールの回転動作を開始させるように各リールを制御する。また、サブ制御基板４１（サブ制御用ＣＰＵ４１ａ）への変動ゲーム開始コマンドは、各リールの回転動作の開始に合わせて出力するようにもできる。

続いて、主制御用ＣＰＵ４０ａは、遊技者の操作に基づくストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒの各種操作信号を入力すると、各種操作信号に対応するリールを停止させるための制御（停止制御）を行う。また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、各リールに対応するリールセンサからの位置信号により、各リールの変動又は停止の情報を把握する。すなわち、各リールセンサからの位置信号は、各リールの変動中に各リールの変動状況を主制御用ＣＰＵ４０ａに把握させる一方、各リールの停止中に各リールの停止状況を主制御用ＣＰＵ４０ａに把握させる。なお、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒからの各種操作信号が入力されるまでの間、回転中のリールについて停止制御を行わないで回転動作を維持させる。

また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒの各種操作信号を入力すると、各種操作信号をサブ制御用ＣＰＵ４１ａに出力する。このストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒの各種操作信号は、ストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒの遊技者による操作状況、すなわち何れのストップボタンが操作されたかやストップボタンが操作された順番をサブ制御基板４１（サブ制御用ＣＰＵ４１ａ）に把握させる。

次に、主制御用ＣＰＵ４０ａが行う停止制御について説明する。
主制御用ＣＰＵ４０ａは、決定した当選役に基づき各ストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒが遊技者により操作されるタイミングから所定の範囲内（最大で４図柄分）で各リールを停止させて、任意の図柄の組み合わせを停止表示させる。主制御用ＣＰＵ４０ａは、回転中の各リールを停止させる場合、当選している当選役と各ストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒの操作タイミングから主制御用ＲＯＭ４０ｂに記憶される停止テーブルに基づく図柄の組み合わせを停止表示させる停止制御を行う。このため、各リールは、ストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒの遊技者による停止操作のタイミングで停止するとは限らず、遊技者による停止操作のタイミングと各リールの停止するタイミングとが一致しない場合（所謂、「すべり」）がある。例えば、「すべり」を伴う制御では、停止させる図柄に対する遊技者による停止操作のタイミングが早いとき、各リールを各リールの変動方向に強制的にすべらせて該停止させる図柄を入賞ライン上に停止させる。

このため、各リールでは、停止させたい種類の図柄の間に挟む他の種類の図柄が５つ以上の部分を有していない場合、すべり制御を伴う結果、何れかの入賞ライン上に停止させたい種類の図柄を停止表示させることができる。一方、各リールでは、停止させたい種類の図柄の間に挟む他の種類の図柄が５つ以上の部分を有している場合、すべり制御を伴っても、何れの入賞ラインにも停止させたい種類の図柄を停止表示させることができない場合がある。

そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ＢＮ役の当選（当選の持ち越し）時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、ＢＮ停止目を停止表示させる。また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ＢＮ役の当選（当選の持ち越し）時、小役に合わせて当選する場合、該小役に対応する停止目（図柄の組み合わせ）を優先して停止表示させる。

一方、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ＢＮ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない、さらに小役にも当選していない又は小役にも当選しているが該小役に対応する停止目も停止表示させることができない場合、ＢＮ役の当選の可能性が有ることを示す「チャンス目」を停止させる。なお、この「チャンス目」は、はずれ役の当選時には停止表示されない一方、チェリー役やスイカ役の取りこぼし時に停止表示可能になっている。この場合には、ＢＮ役の取りこぼし（役情報の持ち越し）を発生させる。

また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、チェリー役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、チェリー停止目を停止表示させる。一方、主制御用ＣＰＵ４０ａは、チェリー役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合、はずれ停止目やチャンス目を停止表示させる。この場合には、チェリー役の取りこぼしを発生させる。

また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、スイカ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、スイカ停止目を停止表示させる。一方、主制御用ＣＰＵ４０ａは、スイカ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合、はずれ停止目やチャンス目を停止表示させる。この場合には、スイカ役の取りこぼしを発生させる。

そして、ＢＮ役及び小役の何れの当選役も決定しない、すなわちはずれ役の当選時、主制御用ＣＰＵ４０ａは、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくはずれ停止目を停止表示させる。

次に、ベル役（左正解ベル役、中正解ベル役、右正解ベル役）の当選時における停止制御について説明する。
本実施形態のパチスロ１０では、「左正解ベル役」、「中正解ベル役」、「右正解ベル役」の当選時、３つのストップボタンのうち最初に操作されるストップボタンに基づいて行う制御が異なる。本実施形態では、何れかのベル役の当選に基づいてそれぞれに対応する正解の押し順が選択されることになる。

そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ベル役の当選に基づき押し順正解となる場合、入賞ラインに跨るように［ＡＮＹ・ベル・ＡＮＹ］を停止表示させる。なお、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ベル役の当選に基づき押し順正解となる場合、左リール１３Ｌ及び右リール１３Ｒを［ＡＮＹ］と定めているが、［ベル・ベル・ベル］により入賞ラインを形成するように各リールを停止表示させる。

一方、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ベル役の当選に基づき押し順不正解となる場合、はずれ停止目（ベルこぼし目）により入賞ラインを形成するように各リールを停止表示させる。以下の説明で、「ベル役の取りこぼし」又は「ベルこぼし」という場合には、ベル役に基づくはずれ停止目（ベルこぼし目）による入賞ラインの停止表示を意味する。なお、本実施形態では、ベルこぼし目として、予め定めた専用の図柄の組み合わせが対応付けられている。

すなわち、左正解ベル役の当選時には、左リール１３Ｌを停止指示するストップボタン２３Ｌが最初に操作されることを、押し順正解としてベル入賞となるベル停止目が停止表示される。一方、左正解ベル役の当選時には、左リール１３Ｌ以外を停止指示するストップボタン２３Ｃ，２３Ｒの何れかが最初に操作されることを、押し順不正解としてベルこぼしとなるはずれ停止目が停止表示される。

また、中正解ベル役の当選時には、中リール１３Ｃを停止指示するストップボタン２３Ｃが最初に操作されることを、押し順正解としてベル入賞となるベル停止目が停止表示される。一方、中正解ベル役の当選時には、中リール１３Ｃ以外を停止指示するストップボタン２３Ｌ，２３Ｒの何れかが最初に操作されることを、押し順不正解としてベルこぼしとなるはずれ停止目が停止表示される。

また、右正解ベル役の当選時には、右リール１３Ｒを停止指示するストップボタン２３Ｒが最初に操作されることを、押し順正解としてベル入賞となるベル停止目が停止表示される。一方、右正解ベル役の当選時には、右リール１３Ｒ以外を停止指示するストップボタン２３Ｌ，２３Ｃの何れかが最初に操作されることを、押し順不正解としてベルこぼしとなるはずれ停止目が停止表示される。

そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ベル役の当選時、押し順正解であれば、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくベル入賞となるベル停止目を停止表示させる。また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ベル役の当選時、押し順不正解であれば、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくベルこぼしとなるはずれ停止目を停止表示させる。

次に、リプレイ役の当選時における停止制御について説明する。
図５に示すように、本実施形態のパチスロ１０では、リプレイ役のうち「移行リプレイ役」の当選時、すなわち重複当選となる「通常リプレイ役」の当選時、３つのストップボタンを操作する押し順に基づいて行う制御が異なる。

そして、本実施形態では、移行リプレイ役毎に各移行停止目を停止表示させるための押し順がそれぞれ定められている。また、これに対応するように、それぞれの移行リプレイ役と重複当選の関係にある通常リプレイ役毎にリプレイ停止目を停止表示させるための押し順がそれぞれ定められている。以下の説明で、「正解の押し順」又は「押し順正解」という場合には、当選役に定められた停止目を停止表示させるための押し順（停止操作の態様）を意味する。一方、「不正解の押し順」又は「押し順不正解」という場合には、当選役に定められた停止目とは異なる停止目を停止表示させるための押し順（停止操作の態様）を意味する。

このため、移行リプレイ役の押し順正解は、該移行リプレイ役と重複当選の関係にある通常リプレイ役にとっての押し順不正解となる。一方、移行リプレイ役の押し順不正解は、該移行リプレイ役と重複当選の関係にある通常リプレイ役にとっての押し順正解となる。そして本実施形態では、何れかの移行リプレイ役の当選に基づいてそれぞれに対応する正解の押し順が選択されることになる。

なお、図５において、［中第１］、及び［右第１］は、最初に停止させるリール、すなわち最初に操作するストップボタンを表記している。［中第１］の表記は、ストップボタン２３Ｃを最初に操作する停止操作（中第１）であって、［中左右］又は［中右左］の停止操作を意味する。［右第１］の表記は、ストップボタン２３Ｒを最初に操作する停止操作（右第１）であって、［右中左］又は［右左中］の停止操作を意味する。

そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、第１移行リプレイ役の当選に基づき押し順正解となる場合、図２に示すように、入賞ラインに［リプレイ・リプレイ・スイカ］、すなわち第１移行停止目を停止表示させる。以下の説明で、「第１移行リプレイ役の入賞」又は「第１移行入賞」という場合には、第１移行リプレイ役に基づく第１移行停止目の停止表示を意味する。また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、第２移行リプレイ役の当選に基づき押し順正解となる場合、入賞ラインに［白セブン・白セブン・白セブン］、すなわち第２移行停止目を停止表示させる。以下の説明で、「第２移行リプレイ役の入賞」又は「第２移行入賞」という場合には、第２移行リプレイ役に基づく第２移行停止目の停止表示を意味する。

一方、主制御用ＣＰＵ４０ａは、移行リプレイ役の当選に基づき押し順不正解となる場合、入賞ラインに［リプレイ・リプレイ・リプレイ］、すなわちリプレイ停止目を停止表示させる。以下の説明で、「通常リプレイ役の入賞」又は「通常入賞」という場合には、通常リプレイ役に基づくリプレイ停止目の停止表示を意味する。

すなわち、図５に示すように、例えば、第１移行リプレイ役Ｒ１１（第１移行リプＲ１１）には、［中第１］の押し順正解が定められている。このため、第１移行リプレイ役Ｒ１１の当選時には、［中左右］又は［中右左］の停止操作により第１移行入賞となる第１移行停止目が停止表示される。一方、第１移行リプレイ役Ｒ１１の当選時には、［中左右］及び［中右左］以外の停止操作により該第１移行リプレイ役Ｒ１１と重複当選の関係にある通常リプレイ役Ｒ１に基づく通常入賞となるリプレイ停止目が停止表示される。

また、例えば、第２移行リプレイ役Ｒ２２（第２移行リプＲ２２）には、［右第１］の押し順正解が定められている。このため、第２移行リプレイ役Ｒ２２の当選時には、［右左中］又は［右中左］の停止操作により第２移行入賞となる第２移行停止目が停止表示される。一方、第２移行リプレイ役Ｒ２２の当選時には、［右左中］及び［右中左］以外の停止操作により該第２移行リプレイ役Ｒ２２と重複当選の関係にある通常リプレイ役Ｒ２に基づく通常入賞となるリプレイ停止目が停止表示される。

また、本実施形態のパチスロ１０では、リプレイ役のうち「特殊リプレイ役」の当選時、すなわち重複当選となる「転落リプレイ役」の当選時、３つのストップボタンを操作する押し順に基づいて行う制御が異なる。

そして、本実施形態では、特殊リプレイ役毎に特殊停止目を停止表示させるための押し順がそれぞれ定められている。また、これに対応するように、それぞれの特殊リプレイ役と重複当選の関係にある転落リプレイ役毎に転落停止目を停止表示させるための押し順がそれぞれ定められている。

特殊リプレイ役の押し順正解は、該特殊リプレイ役と重複当選の関係にある転落リプレイ役にとっての押し順不正解となる。一方、特殊リプレイ役の押し順不正解は、該特殊リプレイ役と重複当選の関係にある転落リプレイ役にとっての押し順正解となる。本実施形態では、何れかの特殊リプレイ役の当選に基づいてそれぞれに対応する正解の押し順が選択されることになる。

そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、特殊リプレイ役の当選に基づき押し順正解となる場合、図２に示すように、入賞ラインに［バー・バー・バー］、すなわち特殊停止目を停止表示させる。以下の説明で、「特殊リプレイ役の入賞」又は「特殊入賞」という場合には、特殊リプレイ役に基づく特殊停止目の停止表示を意味する。

一方、主制御用ＣＰＵ４０ａは、特殊リプレイ役の当選に基づき押し順不正解となる場合、入賞ラインに［白セブン・バー・バー］、すなわち転落停止目を停止表示させる。以下の説明で、「転落リプレイ役の入賞」又は「転落入賞」という場合には、転落リプレイ役に基づく転落停止目の停止表示を意味する。

すなわち、図５に示すように、例えば、特殊リプレイ役Ｒ３１（特殊リプＲ３１）には、［中第１］の押し順正解が定められている。このため、特殊リプレイ役Ｒ３１の当選時には、［中左右］又は［中右左］の停止操作により特殊入賞となる特殊停止目が停止表示される。一方、特殊リプレイ役Ｒ３１の当選時には、［中左右］及び［中右左］以外の停止操作により該特殊リプレイ役Ｒ３１と重複当選の関係にある転落リプレイ役Ｒ４１に基づく転落入賞となる転落停止目が停止表示される。

また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、「通常リプレイ役」の中でも通常リプレイ役Ｒ３に当選する場合、押し順に関係なく（押し順不問で）、入賞ラインに［リプレイ・リプレイ・リプレイ］、すなわちリプレイ停止目を停止表示させる。すなわち、本実施形態では、「通常リプレイ役」の中でも通常リプレイ役Ｒ３には、全ての押し順が押し順正解に定められている。このため、通常リプレイ役Ｒ３の当選時には、３つのストップボタンを操作する押し順に関係なく（押し順不問で）、通常リプレイ役に基づく通常入賞となるリプレイ停止目が停止表示される。

続いて、主制御用ＣＰＵ４０ａは、各リールの全てを停止させて図柄の組み合わせを停止表示させると入賞判定を行う。この場合に主制御用ＣＰＵ４０ａは、主制御用ＲＡＭ４０ｃから役情報を読み出し、読み出した役情報（当選役）に対応する図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止表示されているかを判定する入賞判定を行う。また、入賞判定において主制御用ＣＰＵ４０ａは、各リールの停止に伴って入力する位置信号から入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせがどのような組み合わせであるかを特定し、その組み合わせが役情報（当選役）に対応する賞態様であるか否かを判定する。なお、主制御用ＣＰＵ４０ａは、入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせが役情報（当選役）に対応する賞態様である場合、該役情報に基づく当選役の入賞（肯定）を判定する。一方、主制御用ＣＰＵ４０ａは、入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせが役情報（当選役）に対応する賞態様でない場合、該役情報に基づく当選役の非入賞（否定）、すなわち該役情報に基づく当選役の取りこぼしを判定する。

そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、入賞判定で入賞と判定する場合、該入賞と判定した賞態様に応じた制御を行う。すなわち、主制御用ＣＰＵ４０ａは、賞態様に応じて遊技状態を移行させる制御や賞メダルを払い出す制御を行う。また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、入賞判定で入賞と判定する場合、該入賞と判定した旨を示す入賞指示コマンドをサブ制御基板４１（サブ制御用ＣＰＵ４１ａ）に出力する。この入賞指示コマンドは、変動ゲーム開始コマンドで指示される当選役の入賞をサブ制御基板４１（サブ制御用ＣＰＵ４１ａ）に把握させる。

具体的に、ＢＮ役の入賞を判定する場合、主制御用ＣＰＵ４０ａは、次の変動ゲームからＢＮ遊技に移行させるための遊技状態の制御としてＢＮ遊技制御を行う。このＢＮ遊技制御において、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ＢＮ遊技の開始後、１回目の変動ゲームから遊技者に付与した（払い出した）賞メダルのＢＮ払出枚数のカウントを開始する。また、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ＢＮ払出枚数が最大払出数を超える変動ゲームの終了に伴ってＢＮ遊技を終了させる。なお、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ＢＮ役の入賞の発生に基づくＢＮ遊技制御において、最大払出数として「３６０」を超える変動ゲームの終了に伴ってＢＮ遊技を終了させる。

また、チェリー役の入賞を判定する場合、主制御用ＣＰＵ４０ａは、２枚の賞メダルを払い出す制御を行う。なお、主制御用ＣＰＵ４０ａは、チェリー役の当選時、チェリー役の取りこぼしを判定する場合、１枚以上の賞メダルを払い出さないように制御する。

また、スイカ役の入賞を判定する場合、主制御用ＣＰＵ４０ａは、６枚の賞メダルを払い出す制御を行う。なお、主制御用ＣＰＵ４０ａは、スイカ役の当選時、スイカ役の取りこぼしを判定する場合、１枚以上の賞メダルを払い出さないように制御する。

また、ベル役の入賞を判定する場合、主制御用ＣＰＵ４０ａは、１２枚の賞メダルを払い出す制御を行う。
また、リプレイ役の入賞を判定する場合、主制御用ＣＰＵ４０ａは、次の変動ゲームを再遊技させるための制御を行う。このような制御として主制御用ＣＰＵ４０ａは、入賞を判定した変動ゲームと同一のベット数を設定することになる。さらに、主制御用ＣＰＵ４０ａは、移行リプレイ役、又は転落リプレイ役の入賞を判定する場合、後述する遊技状態の移行に関する制御を行う場合もある。

次に、主制御用ＣＰＵ４０ａが遊技状態に応じた変動ゲームに基づいて制御する遊技状態の移行の態様を図６にしたがって説明する。
主制御用ＣＰＵ４０ａは、遊技状態を移行させる場合、移行先の遊技状態を示す状態指示コマンドをサブ制御基板４１（サブ制御用ＣＰＵ４１ａ）に出力する。この状態指示コマンドは、主制御用ＣＰＵ４０ａで管理している遊技状態をサブ制御基板４１（サブ制御用ＣＰＵ４１ａ）に把握させる。

そして、主制御用ＣＰＵ４０ａは、一般遊技で当選したＢＮ役の入賞（ＢＮ入賞）の発生、すなわちＢＮ停止目の停止表示を契機に、ＢＮ遊技に移行させる。この場合に主制御用ＣＰＵ４０ａは、ＢＮ遊技の終了を契機に、当選時の遊技状態に関係なく次の変動ゲームから低確ＲＴ遊技に移行させる。

また、低確ＲＴ遊技の制御中、主制御用ＣＰＵ４０ａは、第１移行リプレイ役に当選（通常リプレイ役に重複当選）して押し順正解の結果、第１移行入賞の発生を契機に、第１高確ＲＴ遊技に移行（昇格）させる。すなわち、低確ＲＴ遊技では、第１移行リプレイ役に当選して第１移行入賞となる第１移行停止目が停止表示される場合、第１高確ＲＴ遊技への移行条件（第１開始条件）が成立する。一方、主制御用ＣＰＵ４０ａは、低確ＲＴ遊技の制御中、第１移行リプレイ役に当選して押し順不正解の結果、通常入賞となるリプレイ停止目が停止表示される場合、第１高確ＲＴ遊技への移行条件が成立しないことから、次の変動ゲームからも低確ＲＴ遊技を継続させる。

また、第１高確ＲＴ遊技の制御中、主制御用ＣＰＵ４０ａは、ベル役に当選して押し順不正解の結果、ベルこぼしの発生を契機に、低確ＲＴ遊技に移行（転落）させる。すなわち、第１高確ＲＴ遊技では、ベル役に当選してベルこぼしとなるはずれ停止目が停止表示される場合、低確ＲＴ遊技への移行条件（第１高確ＲＴ遊技の終了条件）が成立する。一方、主制御用ＣＰＵ４０ａは、第１高確ＲＴ遊技の制御中、ベル役に当選して押し順正解の結果、ベル入賞となるベル停止目が停止表示される場合、低確ＲＴ遊技への移行条件が成立しないことから、次の変動ゲームからも第１高確ＲＴ遊技を継続させる。

また、第１高確ＲＴ遊技の制御中、主制御用ＣＰＵ４０ａは、第２移行リプレイ役に当選（通常リプレイ役に重複当選）して押し順正解の結果、第２移行入賞の発生を契機に、高確ＲＴ２遊技に移行（昇格）させる。すなわち、第１高確ＲＴ遊技では、特別役となる第２移行リプレイ役に当選して第２移行入賞となる第２移行停止目が停止表示される場合、第２高確ＲＴ遊技への移行条件（第２開始条件）が成立する。一方、主制御用ＣＰＵ４０ａは、第１高確ＲＴ遊技の制御中、第２移行リプレイ役に当選して押し順不正解の結果、通常入賞となるリプレイ停止目が停止表示される場合、第２高確ＲＴ遊技への移行条件が成立しないことから、次の変動ゲームからも第１高確ＲＴ遊技を継続させる。

なお、主制御用ＣＰＵ４０ａは、第１高確ＲＴ遊技の制御中、特殊リプレイ役に当選（転落リプレイ役に重複当選）して押し順不正解の結果、転落入賞となる転落停止目が停止表示される場合であっても、低確ＲＴ遊技、及び第２高確ＲＴ遊技への移行条件が成立しないことから、次の変動ゲームからも第１高確ＲＴ遊技を継続させる。

また、第２高確ＲＴ遊技の制御中、主制御用ＣＰＵ４０ａは、特殊リプレイ役に当選（転落リプレイ役に重複当選）し、且つ押し順不正解の結果、転落入賞の発生を契機に、第１高確ＲＴ遊技に移行（転落）させる。すなわち、第２高確ＲＴ遊技では、特殊リプレイ役に当選して転落入賞となる転落停止目が停止表示される場合、第１高確ＲＴ遊技への移行条件（第２高確ＲＴ遊技の終了条件）が成立する。一方、主制御用ＣＰＵ４０ａは、第２高確ＲＴ遊技の制御中、特殊リプレイ役に当選して押し順正解の結果、特殊入賞となる特殊停止目が停止表示される場合、第１高確ＲＴ遊技への移行条件が成立しないことから、次の変動ゲームからも第２高確ＲＴ遊技を継続させる。したがって、本実施形態では、遊技状態の移行に関する制御を行う主制御用ＣＰＵ４０ａが有利遊技制御手段として機能する。

次に、サブ制御用ＣＰＵ４１ａがサブ制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、変動ゲーム開始コマンドや入賞指示コマンドの各種コマンドを入力すると、該コマンドに指示される内容に基づいて各種演出を実行させるように演出表示装置１４の表示内容、スピーカＳＰの音声出力内容、ランプＬの発光態様を制御する。なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、入賞指示コマンドを入力しない場合、変動ゲーム開始コマンドで指示される当選役の取りこぼし（非入賞）を把握する。また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、各リールの停止状況も把握可能なことから、この停止状況から当選役の取りこぼしを把握することもできる。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、状態指示コマンドを入力すると、遊技状態が何れの遊技状態に制御されているかを示すサブ用状態情報をサブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶（設定）する。また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、変動ゲーム開始コマンドが入力される毎に各種演出を行わせるための制御を行う。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、演出表示装置１４の演出状態を、主制御用ＣＰＵ４０ａが制御している遊技状態に応じて制御する。これにより、遊技者は演出表示装置１４の演出状態に応じて変動ゲームを行うことになる。このような演出状態では、その種類から遊技状態が遊技者に把握され、さらに遊技者が遊技を有利に行うことができるような演出が行われる。本実施形態における演出状態は、図７に示すように、複数種類に分類されている。

具体的に、演出状態には、遊技状態が高確ＲＴ遊技である場合に行われるＡＲＴモードがある。この場合に演出表示装置１４では、ＡＲＴモード用の表示画面が画像表示される。このＡＲＴモードは、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態であるとともに、各種当選役の入賞を補助（アシスト）する演出を行う状態である。本実施形態では、ＡＲＴモードとして、遊技状態が第１高確ＲＴ遊技である場合に行われる通常ＡＲＴモード及び準備ＡＲＴモードと、遊技状態が第２高確ＲＴ遊技である場合に行われる特別ＡＲＴモード及び予備ＡＲＴモードとがある。以下の説明で、単に「ＡＲＴモード」という場合には、通常ＡＲＴモード、準備ＡＲＴモード、特別ＡＲＴモード、及び特別ＡＲＴモードを区別せずに纏めて指すものとする。

通常ＡＲＴモードは、各種当選役の入賞を補助する演出のうち、ベル入賞（ベルこぼしの回避）を補助する演出が行われる状態である。また、準備ＡＲＴモードは、各種当選役の入賞を補助する演出のうち、ベル入賞を補助する演出、及び第２移行入賞（通常入賞の回避）を補助する演出を行う状態である。また、特別ＡＲＴモードは、各種当選役の入賞を補助する演出のうち、ベル入賞を補助する演出、及び特殊入賞（転落入賞の回避）を補助する演出を行う状態である。また、予備ＡＲＴモードは、各種当選役の入賞を補助する演出のうち、ベル入賞を補助する演出、及び転落入賞（特殊入賞の回避）を補助（誘導）する演出を行う状態である。

また、演出状態には、遊技状態が第１高確ＲＴ遊技である場合に行われる終了報知モードがある。終了報知モードの場合に演出表示装置１４では、終了報知モード用の表示画面が画像表示される。この終了報知モードは、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態であるとともに、ベル入賞を補助（アシスト）する演出を含めて、各種当選役の入賞を補助する演出を行わない状態である。

また、演出状態には、遊技状態が低確ＲＴ遊技である場合に行われる準備モードがある。準備モードの場合に演出表示装置１４では、準備モード用の表示画面が画像表示される。この準備モードは、リプレイ役の当選確率が低確率抽選状態である一方、各種当選役の入賞を補助する演出のうち、第１移行入賞（通常入賞の回避）を補助する演出、及びベル入賞を補助する演出を行う状態である。

また、演出状態には、遊技状態が低確ＲＴ遊技である場合に行われる通常モードがある。通常モードの場合に演出表示装置１４では、通常モード用の表示画面が画像表示される。この通常モードは、リプレイ役の当選確率が低確率抽選状態であるとともに、各種当選役の入賞を補助する演出を行わない状態である。

また、演出状態には、遊技状態がＢＮ遊技である場合に行われるＢＮモードがある。ＢＮモードの場合に演出表示装置１４では、ＢＮモード用の表示画面が画像表示される。このＢＮモードは、ベル役に高確率で当選可能であるとともに、各種当選役の入賞を補助する演出のうち、ベル入賞を補助する演出を行う状態である。

本実施形態において、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに演出状態（モード）の種類を示す演出フラグ（情報）を設定することで、制御している演出状態（モード）を把握する。そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、演出フラグに対応する背景画像用の画像表示用データを選択するとともに、この選択した画像表示用データをもとに演出表示装置１４の表示内容（表示画面）を制御する。

以下、各演出状態（モード）における制御内容について、演出表示装置１４における表示演出と合わせて説明する。
サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、以下に説明する各演出状態での制御を行う結果、図７に示す態様で演出状態を移行させるように制御する。

最初に、通常モードに関する制御について説明する。
サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、遊技状態が低確ＲＴ遊技である場合、演出状態を通常モードに制御する。そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常モード中（通常モードの制御中）、当選役の当選及び入賞の指示に基づいた処理を行う。なお、通常モード中は、ＢＮ役、チェリー役、スイカ役、ベル役、及びリプレイ役（通常リプレイ役及び第１移行リプレイ役）の当選及び入賞（取りこぼし）が指示される。

具体的に、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＢＮ役の入賞が指示される場合、ＢＮモードに移行させるように演出状態を制御する。これに合わせて遊技状態は、ＢＮ遊技に移行している。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化するベル役の当選が指示される場合、押し順正解（ベル入賞）を補助するような演出を行わせないように演出表示装置１４の表示内容を制御する。すなわち、通常モード中には、ベル入賞を困難とするように演出が行われる。なお、通常モード中、ベル役の当選時にたまたま遊技者が押し順正解する場面でベル入賞が発生する。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化する第１移行リプレイ役の当選が指示される場合、第１移行入賞を補助するような演出を行わせないように演出表示装置１４の表示内容を制御する。すなわち、通常モード中には、第１移行入賞を困難とするように演出が行われる。なお、通常モード中、第１移行リプレイ役の当選時にたまたま遊技者が押し順正解する場面で第１移行入賞が発生する。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、小役の当選が指示される場合、ＡＲＴ突入抽選を行う。このＡＲＴ突入抽選は、当選が指示される当選役に基づいて所定の当選確率となるように、「当選」、及び「非当選」に乱数を振分けて行われる。なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ突入抽選で「当選」の結果を導出する場合（ＡＲＴ突入抽選に当選する場合）、通常ＡＲＴモードへの移行権利を発生させる一方、ＡＲＴ突入抽選で「非当選」の結果を導出する場合（ＡＲＴ突入抽選に当選しない場合）、通常ＡＲＴモードの移行権利を発生させない。

なお、ＡＲＴ突入抽選や後述する各種抽選に用いる乱数は、所定の周期毎に更新され、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶されている。そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、各種抽選を行う際にその抽選で用いる乱数をサブ制御用ＲＡＭ４１ｃから取得し、該取得した乱数に基づき乱数抽選を行う。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードへの移行権利を発生させる場合、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃの所定の記憶領域に記憶しているＡＲＴモードへの移行権利の発生を示す情報としてＡＲＴフラグに［１］を設定する。すなわち、ＡＲＴフラグに［１］が設定される場合には、通常ＡＲＴモードの発生が保障される。なお、ＡＲＴフラグに［２］が設定されている場合には、特別ＡＲＴモードへの移行権利が発生していることを特定可能である一方で、ＡＲＴフラグに［０］が設定されている場合には、ＡＲＴモードへの移行権利が発生していないことを特定できる。また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＢＮモード等、他のモードへの移行を伴ってもＡＲＴフラグの設定内容を継続して保持する。以下の説明で、「ＡＲＴフラグあり」という場合には、ＡＲＴモードへの移行権利の発生、すなわちＡＲＴフラグが［１］又は［２］の場合を意味する。また、「ＡＲＴフラグなし」という場合には、ＡＲＴモードへの移行権利の未発生、すなわちＡＲＴフラグが［１］又は［２］でない［０（零）］の場合を意味する。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ突入抽選で「当選」の結果を導出し、ＡＲＴフラグありとなる場合、その変動ゲーム又は所定回数経過後の変動ゲームから、ＡＲＴモードへの移行権利の発生を報知する準備モードに移行させるように演出状態を制御する。この場合に遊技状態は、低確ＲＴ遊技が継続されている。なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ突入抽選で「非当選」の結果を導出する場合、通常モードを継続させるように演出状態を制御する。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、各変動ゲームにてストップボタン２３Ｌが最初に操作されなければ、遊技者にとって不利な状態となるペナルティを付与する。例えば、ペナルティとしては、第１移行入賞の指示時にＡＲＴモードの制御を開始させないようにしたり、ＡＲＴ突入抽選を行わなかったり、ＡＲＴ突入抽選を行うが必ず「非当選」の結果が導出されるようにしたりする。また、本実施形態では、ストップボタン２３Ｌの最初の操作時に第１移行入賞が発生しえないように構成している。これにより、通常モード中には、ＡＲＴ突入抽選によりＡＲＴモードの移行権利を獲得していなければＡＲＴモードに移行されない。

次に、準備モードに関する制御について説明する。
サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、遊技状態が低確ＲＴ遊技であって、該低確ＲＴ遊技中にＡＲＴフラグありとなった後（所定回数経過後の場合もあり）、該ＡＲＴフラグありの間、演出状態を準備モードに制御する。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、準備モード中（準備モードの制御中）、当選役の当選及び入賞の指示に基づいた処理を行う。なお、準備モード中は、ＢＮ役、チェリー役、スイカ役、ベル役、及びリプレイ役の当選及び入賞（取りこぼし）が指示される。ここで、本実施形態では、遊技状態が低確ＲＴ遊技の場合、リプレイ役として通常リプレイ役、及び第１移行リプレイ役（通常リプレイ）の当選及び入賞（取りこぼし）が指示される。

具体的に、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＢＮ役の入賞が指示される場合、ＢＮモードに移行させるように演出状態を制御する。これに合わせて遊技状態は、ＢＮ遊技に移行している。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化するベル役の当選が指示される場合、押し順正解（ベル入賞）を補助する「ベルナビ演出」を行わせるように演出表示装置１４の表示内容を制御する。すなわち、準備モード中、ベル入賞が補助されるように演出が行われる。なお、準備モード中、ベル役の当選時に遊技者がベルナビ演出にしたがうことでベル入賞が発生する。

ベルナビ演出は、演出表示装置１４で行われる。演出表示装置１４では、ストップボタンを模したボタン画像を３つ並べて表示させるとともに、３つのうちの一つに対して「１」の数字を付す態様で行われる。例えば、３つのうち真ん中のボタン画像に「１」が付されている場合には、ストップボタン２３Ｃを最初に操作すべきことを遊技者に把握させる。

すなわち、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ベル役の当選が指示される場合、変動ゲームの開始に伴ってベルナビ演出を行わせるように演出表示装置１４の表示内容を制御する。また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、当選が指示されるベル役の種類に応じて、押し順正解を報知する内容でベルナビ演出を行わせる。例えば、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、中正解ベル役の当選が指示される場合、ストップボタン２３Ｃを最初に操作を報知する内容でベルナビ演出を行わせる。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化しうるリプレイ役の当選が指示される場合、遊技者に推奨する停止操作の押し順を報知する「リプナビ演出」を行わせるように演出表示装置１４の表示内容を制御する。サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、このようなリプナビ演出として、当選が指示される状況と、指示されるリプレイ役の種類とに応じたリプナビ演出を行わせる。

リプナビ演出は、演出表示装置１４で行われる。演出表示装置１４では、ストップボタンを模したボタン画像を３つ並べて表示させるとともに、３つのうちの一つに対して「１」の数字を付す態様で行われる。例えば、３つのうち左のボタン画像に「１」が付されている場合には、ストップボタン２３Ｌを最初に操作すべきことを遊技者に把握させる。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、準備モードの制御中、第１移行リプレイ役の当選（通常リプレイ役の重複当選）が指示される場合、第１移行リプレイ役の正解の押し順（第１移行入賞）を報知する内容のリプナビ演出（以下、「第１移行ナビ演出」という）を行わせるように演出表示装置１４の表示内容を制御する。すなわち、準備モード中には、通常入賞の回避が補助され、第１移行入賞が補助されるように演出が行われる。そして、準備モード中、第１移行リプレイ役の当選時に遊技者が第１移行ナビ演出にしたがうことで第１移行入賞が発生し、これに伴って通常入賞が回避される。このため、準備モード中、第１移行ナビ演出により第１移行リプレイ役の当選も積極的に報知されることになる。

このように本実施形態では、ＡＲＴフラグありであることから、ＡＲＴモードへの移行権利が発生している場合、第１高確ＲＴ遊技（通常ＡＲＴモード）への移行の契機となる第１移行リプレイ役の当選情報と第１移行入賞に導く情報とを報知し、遊技者を第１高確ＲＴ遊技（通常ＡＲＴモード）へと導くことになる。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴフラグに［１］又は［２］が設定されている状態において、第１移行入賞が指示される場合、通常ＡＲＴモードに移行するように演出状態を制御する。これに合わせて遊技状態は、第１高確ＲＴ遊技に移行している。

次に、ＡＲＴモード（通常ＡＲＴモード、準備ＡＲＴモード、特別ＡＲＴモード、及び予備ＡＲＴモード）に関する制御について説明する。
サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、遊技状態が高確ＲＴ遊技である場合、原則として演出状態をＡＲＴモードに制御する。なお、ＡＲＴモードの制御の開始は、第１移行入賞を契機とすることから、遊技状態の第１高確ＲＴ遊技の開始と同期する。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴモード中（ＡＲＴモードの制御中）、当選役の当選及び入賞（取りこぼし）の指示に基づいた処理を行う。なお、ＡＲＴモード中は、ＢＮ役、チェリー役、スイカ役、ベル役、及びリプレイ役の当選及び入賞（取りこぼし）が指示される。なお、本実施形態では、遊技状態が第１高確ＲＴ遊技（通常ＡＲＴモード、及び準備ＡＲＴモード）の場合、リプレイ役として通常リプレイ役、第２移行リプレイ役（通常リプレイ）、及び特殊リプレイ役（転落リプレイ役）の当選及び入賞（取りこぼし）が指示される。また、本実施形態では、遊技状態が第２高確ＲＴ遊技の場合、リプレイ役として通常リプレイ役、及び特殊リプレイ役（転落リプレイ役）の当選及び入賞（取りこぼし）が指示される。

サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴモード中、ＢＮ役の入賞が指示される場合、ＢＮモードに移行させるように演出状態を制御する。これに合わせて遊技状態は、ＢＮ遊技に移行している。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化するベル役の当選が指示される場合、準備モード同様に「ベルナビ演出」を行わせるように演出表示装置１４の表示内容を制御する。すなわち、ＡＲＴモード中、ベルこぼしの回避が補助され、ベル入賞が補助されるように演出が行われる。なお、ＡＲＴモード中、ベル役の当選時に遊技者がベルナビ演出にしたがうことでベル入賞が発生する。

また、ＡＲＴモードの制御中、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化しうるリプレイ役の当選が指示される場合、「リプナビ演出」を行わせるように演出表示装置１４の表示内容を制御する。サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、このようなリプナビ演出として、当選が指示される時点の演出状態（モード）と、指示されるリプレイ役の種類とに応じたリプナビ演出を行わせる。なお、ＡＲＴモード毎に行われるリプナビ演出の詳細については後述する。

次に、通常ＡＲＴモード、準備ＡＲＴモード、特別ＡＲＴモード、及び予備ＡＲＴモード毎に異なる制御について説明する。
最初に、通常ＡＲＴモードについて説明する。

サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードの制御中、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化する特殊リプレイ役の当選（転落リプレイ役の重複当選）が指示される場合、該特殊リプレイ役の正解の押し順（特殊入賞）を報知する内容のリプナビ演出（以下、「特殊ナビ演出」という）を行わせないように演出表示装置１４の表示内容を制御する。すなわち、通常ＡＲＴモード中には、特殊入賞を困難とするように演出が行われる。なお、通常ＡＲＴモード中、特殊リプレイ役の当選時にたまたま遊技者が押し順正解する場面で転落入賞が回避され、特殊入賞（転落リプレイ役の取りこぼし）が発生する。この場合、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、演出状態を通常ＡＲＴモードに維持するとともに、後述する通常ＡＲＴモードを延長するための処理を行わないようになっている。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードの制御中、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化する第２移行リプレイ役の当選（通常リプレイ役の重複当選）が指示される場合、該第２移行リプレイ役の正解の押し順を報知する内容のリプナビ演出（以下、「第２移行ナビ演出」という）を行わせないように演出表示装置１４の表示内容を制御する。すなわち、通常ＡＲＴモード中には、第２移行入賞（通常入賞の回避）を困難とするように演出が行われる。

なお、通常ＡＲＴモード中、第２移行リプレイ役の当選時にたまたま遊技者が押し順正解する場面（所謂、変則打ちする場面）で第２移行入賞（通常リプレイ役の取りこぼし）が発生する。この場合、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードから特別ＡＲＴモードへ移行させないように演出表示装置１４の表示内容を制御するとともに、例外的に滞在する第２高確ＲＴ遊技中、特殊ナビ演出を行わせないように演出表示装置１４の表示内容を制御する。すなわち、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードの制御中、第２高確ＲＴ遊技へ移行される場合であっても、特殊入賞を困難とする演出を継続させるようになっている。このため、本実施形態では、通常ＡＲＴモード中、遊技状態が第２高確ＲＴ遊技へ移行されても、特殊リプレイ役の取りこぼし、すなわち重複当選する転落リプレイ役の入賞を契機として第１高確ＲＴ遊技へ再移行されることになる。なお、このとき遊技者は、通常ＡＲＴモードが継続されていることから、第２高確ＲＴ遊技へ移行したことや、第１高確ＲＴ遊技へ再移行されたことを認識し難い。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードの制御中、ＡＲＴモードで行うことができる変動ゲームの回数を示す通常残回数Ｇａを、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃの所定の記憶領域に記憶する。この通常残回数Ｇａは、通常ＡＲＴモードとしてベルナビ演出等により遊技者の遊技の補助を行うことができる変動ゲームの回数でもある。なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＢＮモード等、他のモードへの移行を伴っても通常残回数Ｇａを継続して保持する。以下の説明で、通常残回数Ｇａが「０（零）」の場合を通常残回数Ｇａの非設定中、又は通常残回数Ｇａが設定されていないという。また、通常残回数Ｇａが「０（零）」以外（≧１）の場合を通常残回数Ｇａの設定中、又は通常残回数Ｇａが設定されているという。

本実施形態において、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常残回数Ｇａの非設定中から通常ＡＲＴモードに移行させる場合、通常残回数Ｇａとして［３０（回）］を加算する。また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードで変動ゲームの開始が指示される毎に、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶されている通常残回数Ｇａを「１」減算する。このようにサブ制御用ＣＰＵ４１ａは、変動ゲームに基づいて、通常ＡＲＴモードで行うことができる変動ゲームの回数、すなわち通常ＡＲＴモードの開始後、経過した変動ゲームの回数を計数する。

なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶している通常残回数Ｇａを演出表示装置１４で遊技者に報知する。これにより、通常ＡＲＴモードで行なわれる変動ゲームの回数を遊技者に把握させうる。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常残回数Ｇａの設定中から通常ＡＲＴモードに移行させる場合、設定中の通常残回数Ｇａにより通常ＡＲＴモードを開始させる。このような通常残回数Ｇａの設定中からの通常ＡＲＴモードへの移行は、ＡＲＴモード中に入賞するＢＮモードからのＡＲＴモードへの移行（復帰）により発生する。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードの制御中、小役の当選が指示される場合、特別ＡＲＴモードへの移行を許容するか否かのＡＲＴ昇格抽選（ＡＲＴ昇格判定）を行う。このＡＲＴ昇格抽選は、当選が指示される当選役毎に所定の当選確率となるように、「当選」、及び「非当選」に乱数を振分けて行われる。なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ昇格抽選で「当選」の結果を導出する場合（ＡＲＴ昇格抽選に当選する場合）、特別ＡＲＴモードへの移行権利を発生させる一方、ＡＲＴ昇格抽選で「非当選」の結果を導出する場合（ＡＲＴ昇格抽選に当選しない場合）、特別ＡＲＴモードの移行権利を発生させない。サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、特別ＡＲＴモードへの移行権利を発生させる場合、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶しているＡＲＴフラグに［２］を設定する。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードの制御中、ＡＲＴフラグに［２］が設定されている状態で変動ゲームの開始が指示されると、特別ＡＲＴモードへの移行権利の発生を報知する準備ＡＲＴモードに移行させるように演出状態を制御する。この場合に遊技状態は、低確ＲＴ遊技が継続されている。なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ昇格抽選で「非当選」の結果を導出する場合、通常ＡＲＴモードを継続させるように演出状態を制御する。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶している通常残回数Ｇａが「０（零）」となる場合、通常ＡＲＴモードの継続条件の成立（継続）であれば、次の変動ゲームでも通常ＡＲＴモードを継続させるように演出状態を制御する。一方、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶している通常残回数Ｇａが「０（零）」となる場合、通常ＡＲＴモードの継続条件の非成立（非継続）であれば、通常ＡＲＴモードを終了し、次の変動ゲームからＡＲＴモードの終了を報知する終了報知モードへ移行させるように演出状態を制御する。本実施形態では、通常残回数Ｇａが「０（零）」となり、且つ通常ＡＲＴモードの継続条件が非成立となることで通常ＡＲＴモードの終了条件が成立する。

具体的に、本実施形態において、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードへの移行権利を発生させる場合、移行後の通常ＡＲＴモードのＡＲＴ継続抽選で用いる継続が達成される割合（確率）を示す継続率を決定する。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモード中、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶している通常残回数Ｇａが「０（零）」となる変動ゲームの開始が指示される場合、ＡＲＴ継続抽選を行う。このＡＲＴ継続抽選は、通常ＡＲＴモードへの移行権利の発生時に決定している継続率となるように、「当選（継続）」、及び「非当選（非継続）」に乱数を振分けて行われる。なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶している継続率を示す情報（フラグ等）からＡＲＴ継続抽選で用いる継続率を把握する。また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ継続抽選で「当選」の結果を導出する場合、通常ＡＲＴモードの継続権利を発生させる。一方、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ継続抽選で「非継続」の結果を導出する場合、通常ＡＲＴモードの継続権利を発生させない。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ継続抽選で［継続］を導出する場合（ＡＲＴ継続抽選に当選の場合）、継続条件の成立としてサブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶している通常残回数Ｇａとして［３０（回）］を再び加算（再加算）し、通常ＡＲＴモードを継続させるように演出状態を制御する。その一方で、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ継続抽選で「非継続」を導出する場合（ＡＲＴ継続抽選に非当選の場合）、継続条件の非成立として、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶されているＡＲＴフラグに［０］を設定する。
そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードの制御中、ＡＲＴフラグに［０］が設定されている状態で変動ゲームの開始が指示されると、終了報知モードに移行させるように演出状態を制御する。

本実施形態では、通常残回数Ｇａ（付与数）分の変動ゲームを１セットとする単位期間（単位回数）に区切ってＡＲＴモードに制御される。また、ＡＲＴモードの継続条件の成立によっては、１セット分のＡＲＴモードの経過（消化）後、１セット分のＡＲＴモードに再び制御される。また、ＡＲＴモードの継続条件の非成立によっては、１セット分のＡＲＴモードの経過（消化）を終了条件としてＡＲＴモードの制御が終了される。したがって、本実施形態では、ＡＲＴモードの継続条件の成立により、ＡＲＴモードの継続（ループ）、すなわち延長が実現される。

次に、準備ＡＲＴモードについて説明する。
サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、準備ＡＲＴモードの制御中、第２移行リプレイ役の当選（通常リプレイ役の重複当選）が指示される場合、第２移行ナビ演出を行わせるように演出表示装置１４の表示内容を制御する。すなわち、準備ＡＲＴモードでは、第２移行入賞が補助され、通常入賞の回避が補助されるように演出が行われる。そして、準備ＡＲＴモード中、第２移行リプレイ役の当選時に遊技者が第２移行ナビ演出にしたがうことで第２移行入賞が発生する。このため、準備ＡＲＴモード中、第２移行ナビ演出により第２移行リプレイ役の当選も積極的に報知されることになる。

このように本実施形態では、特別ＡＲＴモードへの移行権利が発生している場合、第２高確ＲＴ遊技（特別ＡＲＴモード）への移行の契機となる第２移行リプレイ役の当選情報と第２移行入賞に導く情報とを報知し、遊技者を第２高確ＲＴ遊技（特別ＡＲＴモード）へと導くことになる。本実施形態では、第２移行ナビ演出が、特別役となる第２移行リプレイ役の入賞を可能にする停止操作の態様を報知する特別報知演出となり、第２移行ナビ演出を実行する演出表示装置１４は、特別演出実行手段として機能する。そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ昇格抽選で［当選］の結果を導出している場合であって、主制御用ＣＰＵ４０ａが第２リプレイ役を決定しているときに、第２移行ナビ演出を実行するように演出表示装置１４を制御する特別演出制御手段として機能する。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、準備ＡＲＴモードの制御中、特殊リプレイ役の当選（転落リプレイ役の重複当選）が指示される場合、通常ＡＲＴモードと同様に「特殊ナビ演出」を行わせないように演出表示装置１４の表示内容を制御する。すなわち、準備ＡＲＴモード中には、特殊入賞を困難とするように演出が行われる。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、準備ＡＲＴモードの制御中、変動ゲームの開始が指示される場合に通常残回数Ｇａを「１」減算せず、通常ＡＲＴモード中から設定されている通常残回数Ｇａを維持する。すなわち、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、準備ＡＲＴモードの制御中、通常ＡＲＴモードで行うことができる変動ゲームの回数、すなわち通常ＡＲＴモードの開始後、経過した変動ゲームの回数の計数を中断するようになっている。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴフラグに［２］が設定されている状態において、第２移行入賞が指示される場合、特別ＡＲＴモードに移行するように演出状態を制御する。これに合わせて遊技状態は、第２高確ＲＴ遊技に移行している。このように、本実施形態では、ＡＲＴ昇格抽選で［当選］の結果が導出されており、且つ第２移行入賞が発生することにより、特別ＡＲＴモードの移行条件（特定開始条件）が成立する。

次に、特別ＡＲＴモードについて説明する。
サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、特別ＡＲＴモードの制御中、特殊リプレイ役の当選（転落リプレイ役の重複当選）が指示される場合、特殊ナビ演出を行わせるように演出表示装置１４の表示内容を制御する。換言すれば、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、特別ＡＲＴモードの制御中、特殊リプレイ役の不正解の押し順を報知する内容のリプナビ演出（以下、「転落ナビ演出」という）を行わせないように演出表示装置１４の表示内容を制御する。このため、特別ＡＲＴモードでは、特殊入賞が補助され、転落入賞の回避が補助されるように演出が行われる。そして、特別ＡＲＴモード中、特殊リプレイ役の当選時に遊技者が特殊ナビ演出にしたがうことで特殊入賞が発生し、これに伴って転落入賞が回避される。このため、特別ＡＲＴモード中、特殊ナビ演出により特殊リプレイ役の当選も積極的に報知されることになる。このように、本実施形態において「特殊ナビ演出」は、主制御用ＣＰＵ４０ａが決定する特殊リプレイ役の入賞を可能にする停止操作の態様を報知する特殊報知演出となる。また、特殊ナビ演出を実行する演出表示装置１４は、特殊演出実行手段として機能する。また、本実施形態において「転落ナビ演出」は、主制御用ＣＰＵ４０ａが決定する特殊リプレイ役の入賞（転落リプレイ役の取りこぼし）を不能（又は困難）にする停止操作の態様を報知する特定報知演出となる。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、特別ＡＲＴモードの制御中、特殊入賞が指示される場合、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶されている通常残回数Ｇａの上乗せを発生させることを決定する。サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常残回数Ｇａの上乗せの発生を決定すると、通常残回数Ｇａに加算して上乗せする変動ゲームの回数（以下、「上乗せ回数」という）を決定するための上乗せ抽選を行う。この上乗せ抽選は、［５０］、及び［１００］の上乗せ回数に乱数を振分けて行われる。

サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、上乗せ回数抽選で上乗せ回数を決定すると、該決定した上乗せ回数を通常残回数Ｇａに加算する。本実施形態では、特別ＡＲＴモード中、特殊リプレイ役の入賞（特殊入賞）が発生することを契機として、通常残回数Ｇａの上乗せ、すなわち通常ＡＲＴモードの延長が実現される。したがって、本実施形態では、サブ制御用ＣＰＵ４１ａが期間延長手段として機能することなる。そして、本実施形態の特別ＡＲＴモードは、通常残回数Ｇａの上乗せの発生（上乗せ抽選）を容易に受けることができる上乗せモードとしても位置付けられる。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常残回数Ｇａの上乗せ回数を決定する場合、該決定をする変動ゲーム中に該上乗せ回数を遊技者に報知する上乗せ回数報知演出を演出表示装置１４で行わせるとともに、演出表示装置１４で報知している通常残回数Ｇａに該上乗せ回数を加算して更新するように制御する。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、特別ＡＲＴモードの制御中、特別ＡＲＴモードで行う変動ゲームの最低回数（保証回数）を示す特別残回数Ｇｂを、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃの所定の記憶領域に記憶する。なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＢＮモード等、他のモードへの移行を伴っても特別残回数Ｇｂを継続して保持する。以下の説明で、特別残回数Ｇｂが「０（零）」の場合を特別残回数Ｇｂの非設定中、特別残回数Ｇｂが設定されていないという。また、特別残回数Ｇｂが「０（零）」以外（≧１）の場合を特別残回数Ｇｂの設定中、特別残回数Ｇｂが設定されているという。

本実施形態において、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、特別残回数Ｇｂの非設定中から特別ＡＲＴモードに移行させる場合、特別残回数Ｇｂとして［２０（回）］を加算する。また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、特別ＡＲＴモードで変動ゲームの開始が指示される毎に、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶されている特別残回数Ｇｂを「１」減算する。このようにサブ制御用ＣＰＵ４１ａは、変動ゲームに基づいて、特別ＡＲＴモードの開始後、経過した変動ゲームの回数を計数する。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、変動ゲームの開始が指示されたときに、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶している特別残回数Ｇｂが「０（零）」である場合、特別ＡＲＴモードから通常ＡＲＴモードへ転落（移行）させるか否かのＡＲＴ転落抽選を行う。このＡＲＴ転落抽選は、所定の転落率（例えば１／２）となるように、「当選（転落）」、及び「非当選（非転落）」に乱数を振分けて行われる。なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ転落抽選で「当選」の結果を導出する場合（ＡＲＴ転落抽選に当選の場合）、通常ＡＲＴモードへの転落（移行）を決定する。

サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードへの転落を決定した場合、次の変動ゲームから、予備ＡＲＴモードに移行させるように演出状態を制御する。なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ転落抽選で「非当選」の結果を導出する場合（ＡＲＴ転落抽選に非当選の場合）、特別ＡＲＴモードに演出状態を維持する。

このように、本実施形態では、第２移行入賞が発生することを契機として特別残回数Ｇｂが設定されてから、該特別残回数Ｇｂ分の変動ゲームの終了後、ＡＲＴ転落抽選に当選する迄の期間が「特殊ナビ演出」の実行を許容する演出期間となる。すなわち、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、特定開始条件となる第２移行入賞の発生を契機として演出期間を設定し、特定終了条件となるＡＲＴ転落抽選の当選を契機として演出期間の設定を解除することになる。したがって、本実施形態では、サブ制御用ＣＰＵ４１ａが期間設定手段として機能する。

また、ＡＲＴ昇格抽選は、演出期間の設定を許容するか否かの設定許容判定となり、ＡＲＴ昇格抽選を実行するサブ制御用ＣＰＵ４１ａは、許容判定手段として機能する。さらに、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴフラグに［２］が設定されている状態において第２移行入賞が発生してから、ＡＲＴ転落抽選に当選する迄の間に、特殊ナビ演出を実行するように演出表示装置１４を制御する特殊演出制御手段として機能する。

次に、予備ＡＲＴモードについて説明する。
サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、予備ＡＲＴモードの制御中、特殊リプレイ役の当選（転落リプレイ役の重複当選）が指示される場合、転落ナビ演出を行わせるように演出表示装置１４の表示内容を制御する。換言すれば、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、予備ＡＲＴモード中、特殊ナビ演出を行わせないように演出表示装置１４の表示内容を制御する。このため、通常ＡＲＴモードでは、特殊入賞の回避が補助され、転落入賞が補助（誘導）されるように演出が行われる。そして、予備ＡＲＴモード中、特殊リプレイ役の当選（転落リプレイ役の重複当選）時に遊技者が特殊ナビ演出にしたがうことで転落入賞が発生し、これに伴って特殊入賞が回避される。

なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、予備ＡＲＴモードと、特別ＡＲＴモードとで同一の表示画面（背景画像）が表示されるように演出表示装置１４の表示内容を制御する。また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、予備ＡＲＴモードにおける転落ナビ演出と、特別ＡＲＴモードにおける特殊ナビ演出とを、同一（又は略同一）の演出態様により実行する。具体的に、転落ナビ演出は、演出表示装置１４において、ストップボタンを模したボタン画像を３つ並べて表示させるとともに、該３つのボタン画像のうち、特殊リプレイ役の不正解の押し順に対応するボタン画像の何れかに対して「１」の数字を付す態様で行われる。一方、特殊ナビ演出は、演出表示装置１４において、ストップボタンを模したボタン画像を３つ並べて表示させるとともに、該３つのボタン画像のうち、特殊リプレイ役の正解の押し順に対応する１つに対して「１」の数字を付す態様で行われる。このため、本実施形態では、特別ＡＲＴモードから予備ＡＲＴモードへ移行されたことを把握し難いとともに、転落ナビ演出と特殊ナビ演出の何れが行われているのかを把握し難くなっている。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、予備ＡＲＴモードの制御中、転落入賞が指示されると、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶されているＡＲＴフラグに［１］を設定する。これに合わせて遊技状態は、第１高確ＲＴ遊技に移行している。そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、予備ＡＲＴモードの制御中、ＡＲＴフラグに［１］が設定されている状態において、変動ゲームの開始が指示されると、通常ＡＲＴモードに移行させるように演出状態を制御する。

なお、本実施形態では、ＡＲＴモード中、ベルこぼしや転落入賞を契機として遊技状態が不利な遊技状態へ移行してしまう場合には、有利な遊技状態への復帰を補助するようになっている。

具体的に、通常ＡＲＴモード中、又は準備ＡＲＴモード中には、ベルこぼしにより遊技状態が低確ＲＴ遊技に移行してしまう場合がある。この場合、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、準備モードへ移行させるように演出状態を制御し、該準備モードの制御中の第１移行リプレイ役の当選の指示時に第１移行ナビ演出を行わせて遊技状態の高確ＲＴ遊技への復帰を補助する。

また、特別ＡＲＴモード中には、転落入賞（特殊リプレイ役の取りこぼし）により遊技状態が第１高確ＲＴ遊技に移行してしまう場合がある。この場合、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、準備ＡＲＴモードへ移行させるように演出状態を制御し、該準備ＡＲＴモードの制御中の第２移行リプレイ役の当選の指示時に第２移行ナビ演出を行わせて遊技状態の第２高確ＲＴ遊技への復帰を補助する。

次に、終了報知モードに関する制御について説明する。
サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、終了報知モードの制御中、各種リプナビ演出を行わせないように演出表示装置１４の表示内容を制御する。また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、終了報知モードの制御中、ベル役の当選が指示される場合、ベルナビ演出を行わせないように演出表示装置１４の表示内容を制御する。すなわち、終了報知モード中には、ベル入賞を困難とするように演出が行われる。なお、終了報知モード中、ベル役の当選時にたまたま遊技者が押し順正解する場面でベルこぼしの発生が回避され、ベル入賞が発生する。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、終了報知モードの制御中、ベルこぼしの発生が指示されると、サブ制御用ＲＡＭ４１ｃに記憶されているＡＲＴフラグに［０］を設定する。これに合わせて遊技状態は、低確ＲＴ遊技に移行している。また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、終了報知モードの制御中、ＡＲＴフラグに［０］が設定されている状態において、変動ゲームの開始が指示されると、通常モードに移行させるように演出状態を制御する。

このように、通常ＡＲＴモードから移行した終了報知モードでは、通常モードと同様にベルナビ演出が行われないことから、頻繁に当選するベル役の押し順に正解し続けることが困難となる。一方、本実施形態のパチスロ１０では、遊技者がＡＲＴモード中に行われるベルナビ演出にしたがうことで、ベルこぼしに伴う低確ＲＴ遊技への移行が回避され、遊技状態を高確ＲＴ遊技に維持させることが可能となる。すなわち、本実施形態では、通常残回数Ｇａの設定中（ＡＲＴモード中）であることを条件として、実質的に高確ＲＴ遊技に制御することが許容されることになる。したがって、本実施形態において、通常ＡＲＴモードの通常残回数Ｇａが設定されている期間は、高確ＲＴ遊技に制御することを許容する期間（許容期間）となる。

次に、ＢＮモードにおける制御内容について説明する。
サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、遊技状態がＢＮ遊技である場合、演出状態をＢＮモードに制御する。なお、ＢＮモードの制御の開始は、ＢＮ役の入賞（ＢＮ入賞）を契機とすることから、遊技状態のＢＮ遊技の開始と同期する。

なお、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＢＮモード中、主制御用ＣＰＵ４０ａが管理するＢＮ払出枚数に対応する枚数を報知するように演出表示装置１４の表示内容を制御する。サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、各種コマンドで指示された入賞結果に基づき、ＢＮ払出枚数に対応する枚数を把握しうる。

そして、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＢＮモード中（ＢＮモードの制御中）、当選役の当選及び入賞の指示に基づいた処理を行う。なお、ＢＮモード中は、主にベル役の当選及び入賞が指示される。また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、このようなベル役の当選が指示される場合、ＡＲＴモード等と同様に「ベルナビ演出」を行わせるように演出表示装置１４の表示内容を制御する。すなわち、ＢＮモード中、主に当選するベル入賞が補助されるように演出が行われる。なお、ＢＮモード中、ベル役の当選時に遊技者がベルナビ演出にしたがうことでベル入賞が発生する。

また、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＢＮ遊技の終了が指示される場合、ＡＲＴフラグの設定状況に基づき、次の変動ゲームから通常モード又は準備モードに移行するように演出状態を制御する。この場合には、遊技状態が低確ＲＴ遊技に移行されている。

すなわち、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＢＮモードの終了（ＢＮ終了）を契機に、ＡＲＴフラグなしであれば、通常モードに移行するように演出状態を制御する。一方、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＢＮモードの終了（ＢＮ終了）を契機に、ＡＲＴフラグありであれば、準備モードに移行するように演出状態を制御する。なお、このようにして移行する準備モード中、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴフラグありであることから、ＡＲＴモードへの移行権利を獲得していることとなり、高確ＲＴ遊技、すなわちＡＲＴモードへと遊技者を導くことになる。

このように構成された本実施形態において、ＡＲＴモード中は、遊技状態が高確ＲＴ遊技であるだけでなく、変動ゲームを遊技者が遊技を有利に行うための演出（ベルナビ演出、リプナビ演出）が行われる状態である。これにより、ＡＲＴモードでは、遊技者の保有するメダルの消費（投入）する場面を減少させるとともに、ベルこぼしの回避が補助され、ベル入賞に基づく賞メダルの獲得が補助される。したがって、ＡＲＴモードは、遊技者にとって有利な状態となる。

特に、準備ＡＲＴモード中は、遊技状態が第１高確ＲＴ遊技であり、ベル入賞の補助に加えて、さらに第２移行入賞（通常入賞の回避）の補助、すなわち第２高確ＲＴ遊技への移行が補助される。また、特別ＡＲＴモード中は、遊技状態が第２高確ＲＴ遊技であり、ベル入賞の補助に加えて、さらに特殊入賞（転落入賞の回避）の補助、すなわち通常残回数Ｇａの上乗せを発生させるための上乗せ抽選の契機獲得が補助される。

また、通常モード中は、ＡＲＴ突入抽選により第１高確ＲＴ遊技へと繋がるチャンスを手に入れることができる状態であるが、変動ゲームを遊技者が遊技を有利に行うための演出（ベルナビ演出やリプナビ演出）が行われない状態である。これにより、通常モードでは、各種リプレイ役の入賞や、ベル入賞が補助されない。このため、通常モード中は、遊技者にとって有利な状態へと遊技者を導きえない状態となる。

また、準備モード中は、遊技状態が低確ＲＴ遊技である一方、遊技者が遊技を有利に行うための演出（ベルナビ演出や第１移行ナビ演出）が行われる状態である。これにより、準備モードでは、第１移行入賞、すなわち第１高確ＲＴ遊技への移行が補助されるとともに、ベル入賞に基づく賞メダルの獲得が補助される。このため、準備モード中は、通常モードに比べて遊技者にとって有利な状態となる。また、準備モード中は、遊技者にとって有利な状態へと遊技者を導きうる状態となる。

また、終了報知モード中は、遊技者が遊技を有利に行うための演出（ベルナビ演出や各種リプナビ演出）が行われないが、遊技状態が第１高確ＲＴ遊技であることから、通常モードに比べて遊技者にとって有利な状態となる。

また、ＢＮモード中は、遊技状態がＢＮ遊技であって、遊技者が遊技を有利に行うための演出（ベルナビ演出）が行われる状態である。これにより、ＢＮモードでは、ベル入賞に基づく賞メダルの入賞が補助される。このため、ＢＮモード中は、遊技者がベル役の当選に基づく賞メダルを連続的に獲得可能にする遊技者にとって有利な状態となる。

次に、上記のように構成したパチスロ１０における遊技状態、及び演出状態（モード）の具体的な移行態様の一例について、図８にしたがって説明する。
図８に示すように、演出表示装置１４では、遊技状態が低確ＲＴ遊技であり、且つＡＲＴフラグなしである場合、通常モード用の表示画面（背景画像）が表示され、通常モード中であることが報知される（期間ｔ１）。この通常モード（期間ｔ１）中、演出表示装置１４では、各種ナビ演出が行われない。また、この場合、通常モードに滞在する期間ｔ１では、低確ＲＴ遊技用の当選役決定テーブルＴ１を用いて当選役が決定される。

次に、演出表示装置１４では、ＡＲＴ突入抽選で［当選］の結果が導出される場合、ＡＲＴモードへの移行権利の発生に伴って、準備モード用の表示画面（背景画像）が表示され、準備モードに移行される（期間ｔ２）。準備モード（期間ｔ２）中、演出表示装置１４では、各種ナビ演出のうち、ベルナビ演出と、第１移行ナビ演出とが行われる。この場合、準備モードに滞在する期間ｔ２では、低確ＲＴ遊技用の当選役決定テーブルＴ１を用いて当選役が決定される。

次に、演出表示装置１４では、準備モード（期間ｔ２）中、第１移行リプレイ役に当選（通常リプレイ役に重複当選）し、且つ第１移行入賞（通常リプレイ役の取りこぼし）が発生すると、通常ＡＲＴモード用の表示画面（背景画像）が表示され、通常ＡＲＴモードへ移行される（期間ｔ３〜ｔ５）。通常ＡＲＴモード（期間ｔ３〜ｔ５）中、演出表示装置１４では、各種ナビ演出のうち、ベルナビ演出が行われる。

この場合、遊技状態は、通常ＡＲＴモードへの移行に併せて、低確ＲＴ遊技から第１高確ＲＴ遊技へ移行される。このため、通常ＡＲＴモードに滞在する期間ｔ３〜ｔ５では、原則として第１高確ＲＴ遊技用の当選役決定テーブルＴ２を用いて当選役が決定されることになる。

前述のように、当選役決定テーブルＴ２を用いた役抽選（当選役の決定）では、１／１９の確率で第２移行リプレイ役（重複当選する通常リプレイ役）に当選し、当選役（又はリプレイ役）の中で最も低い１／２０００の確率で特殊リプレイ役（重複当選する転落リプレイ役）に当選するようになっている。したがって、遊技状態が第１高確ＲＴ遊技である通常ＡＲＴモード中、特殊リプレイ役に当選する確率が極めて低く設定される。

ここで、１つの高確ＲＴ遊技のもとで特別ＡＲＴモード、及び通常ＡＲＴモードに制御する従来の構成では、特別ＡＲＴモード中に通常残回数Ｇａの上乗せ（上乗せ抽選）を容易に受けられるようにすべく、高確ＲＴ遊技中の特殊リプレイ役の当選確率を高確率（例えば１／２）に設定すると、同時に通常ＡＲＴモードにおける特殊リプレイ役の当選確率も高くなってしまう。

この場合には、通常ＡＲＴモード中、特殊入賞（転落入賞の回避）を補助する特殊ナビ演出を行わない構成であっても、たまたま押し順正解となる可能性が高くなる。このため、通常ＡＲＴモード中、特殊入賞を契機として通常残回数Ｇａの上乗せを行わない場合には、比較的頻繁に特殊停止目が停止表示されるにもかかわらず通常残回数Ｇａの上乗せが行われないことで、却って遊技者の興趣を低下させる虞がある。また、通常ＡＲＴモード中、特殊入賞が頻繁に発生する場合には、特殊入賞を発生させ易い特別な演出状態として特別ＡＲＴモードを位置付けることが難しくなる。

また、通常ＡＲＴモード中、特殊入賞を契機として通常残回数Ｇａの上乗せを行う場合には、通常ＡＲＴモードであるにもかかわらず通常残回数Ｇａの上乗せが発生し易くなり、上乗せを容易に受けられる特別な演出状態として特別ＡＲＴモードを位置付け難くなる。このような問題を回避するためには、通常ＡＲＴモード中、特殊入賞を不能（又は困難）にする操作態様を報知する転落ナビ演出を実行し、特殊入賞（転落リプレイ役の取りこぼし）を困難にさせることも考えられる。しかしながら、このような構成を採用する場合には、通常ＡＲＴモード中、転落ナビ演出が、特別ＡＲＴモードにおける特殊ナビ演出と同じ頻度で行われ得る。このため、通常ＡＲＴモードにおいて、遊技者に煩わしさを感じさせ、却って興趣を低下させる虞がある。

これに対して、本実施形態では、特別ＡＲＴモードに対応する第２高確ＲＴ遊技（当選役決定テーブルＴ３）とは別に、通常ＡＲＴモードに対応する第１高確ＲＴ遊技（当選役決定テーブルＴ２）を設けることで、このような問題を好適に解決している。すなわち、通常ＡＲＴモードに対応する第１高確ＲＴ遊技では、当選役決定テーブルＴ２を用いて役抽選が行われることで、特殊リプレイ役の当選確率が低く（極めて低く）抑えられている。このため、本実施形態のように、通常ＡＲＴモード中、特殊リプレイ役の入賞を回避する転落ナビ演出を実行しない構成であっても、特殊入賞が発生する可能性を低く抑え、特別ＡＲＴモードを特殊入賞が発生し易い特別な演出状態（モード）として位置付けることを可能にしている。

図８の説明に戻り、通常ＡＲＴモード中、ＡＲＴ昇格抽選に当選していないにもかかわらず、第２移行リプレイ役に当選し、且つたまたま第２移行リプレイ役の押し順正解（所謂、変則打ち）となる場合には、遊技状態が第２高確ＲＴ遊技に移行される（期間ｔ４）。この場合、演出表示装置１４では、通常ＡＲＴモード用の表示画面（背景画像）の表示が継続され、通常ＡＲＴモードに維持される。

そして、演出表示装置１４では、第２高確ＲＴ遊技である期間ｔ４中、特殊ナビ演出が行われない。このため、高確率で当選する特殊リプレイ役の押し順に正解し続けることは困難であり、特殊リプレイ役の取りこぼし（転落入賞）が発生することを契機として遊技状態が第１高確ＲＴ遊技へ再移行されることになる（期間ｔ５）。また、演出表示装置１４では、第２高確ＲＴ遊技である期間ｔ４中、転落ナビ演出が行われない。このため、本実施形態では、通常ＡＲＴモード中、例外的に第２高確ＲＴ遊技に移行されたときに、転落ナビ演出が頻繁に実行されることに起因して、遊技者に煩わしさを感じさせてしまうことを抑制している。

次に、演出表示装置１４では、ＡＲＴ昇格抽選で［当選］の結果が導出される場合、特別ＡＲＴモードへの移行権利の発生に伴って、準備ＡＲＴモード用の表示画面（背景画像）が表示され、準備ＡＲＴモードに移行される（期間ｔ６）。準備ＡＲＴモード（期間ｔ６）中、演出表示装置１４では、各種ナビ演出のうちベルナビ演出と、第２移行ナビ演出とが行われる。この場合、準備ＡＲＴモードに滞在する期間ｔ６では、第１高確ＲＴ遊技用の当選役決定テーブルＴ２を用いて当選役が決定される。

次に、演出表示装置１４では、準備ＡＲＴモード（期間ｔ６）中、第２移行リプレイ役に当選（通常リプレイ役に重複当選）し、且つ第２移行入賞（通常リプレイ役の取りこぼし）が発生すると、特別ＡＲＴモード用の表示画面（背景画像）が表示され、特別ＡＲＴモードへ移行される（期間ｔ７）。

特別ＡＲＴモード（期間ｔ７）中、演出表示装置１４では、各種ナビ演出のうち、ベルナビ演出と、特殊ナビ演出とが行われる。また、特別ＡＲＴモード中には、特殊リプレイ役の入賞（転落リプレイ役の取りこぼし）が発生することを契機として、通常残回数Ｇａの上乗せ抽選が行われ、該抽選結果に基づいて通常残回数Ｇａの上乗せが発生する。

また、この場合、遊技状態は、特別ＡＲＴモードへの移行に併せて、第１高確ＲＴ遊技から第２高確ＲＴ遊技へ移行される。このため、特別ＡＲＴモードに滞在する期間ｔ７では、第２高確ＲＴ遊技用の当選役決定テーブルＴ３を用いて当選役が決定されることになる。

前述のように、第２高確ＲＴ遊技中、当選役決定テーブルＴ３を用いた役抽選では、第１高確ＲＴ遊技における特殊リプレイ役の当選確率と比較して、高確率（１／２）で特殊リプレイ役に当選する。したがって、特別ＡＲＴモードでは、高確率で特殊リプレイ役に当選し、且つ特殊ナビ演出が行われることから、該特殊ナビ演出で報知される押し順（操作態様）にしたがうことで特殊入賞が頻繁に発生し、これに伴って通常残回数Ｇａの上乗せが発生し易くなる。このため、本実施形態の特別ＡＲＴモードでは、通常残回数Ｇａの上乗せ、すなわちＡＲＴモード（高確ＲＴ遊技）の継続に期待する遊技者の興趣が向上される。

そして、演出表示装置１４では、特別ＡＲＴモード（期間ｔ７）中、該特別ＡＲＴモードに移行してから特別残回数Ｇｂ（本実施形態では２０回）の変動ゲームが終了してから行われるＡＲＴ転落抽選で［当選］の結果が導出される場合、予備ＡＲＴモード用の表示画面（背景画像）が表示され、予備ＡＲＴモードに移行される（期間ｔ８）。なお、本実施形態の予備ＡＲＴモード用の表示画面は、特別ＡＲＴモード用の表示画面と同一（又は略同一）であることから、遊技者は予備ＡＲＴモードへ移行されたことを認識し難い。また、予備ＡＲＴモード（期間ｔ８）中、演出表示装置１４では、各種ナビ演出のうち、ベルナビ演出と、転落ナビ演出とが行われる。すなわち、予備ＡＲＴモードに移行する場合には、該予備ＡＲＴモードへの移行に伴って、特殊ナビ演出に代えて転落ナビ演出が行われるようになる。

なお、本実施形態では、特別ＡＲＴモード中、特殊リプレイ役の当選時に特殊ナビ演出で報知される押し順にしたがわない場合、転落入賞が発生して遊技状態が第１高確ＲＴ遊技へ移行されてしまう。このため、遊技者は、特別ＡＲＴモード中、基本的に特殊ナビ演出にしたがって遊技を行うことになる。そして、本実施形態では、予備ＡＲＴモードが特別ＡＲＴモードと同一（又は略同一）の表示画面を用いて行われるとともに、転落ナビ演出が特殊ナビ演出と同一（又は略同一）の態様で行われる。このため、遊技者は、予備ＡＲＴモードへ移行していることを把握し難く、該予備ＡＲＴモードに移行していることを認識しないまま転落ナビ演出に従うようになる。

そして、予備ＡＲＴモードに滞在する期間ｔ８では、第２高確ＲＴ遊技用の当選役決定テーブルＴ３を用いて当選役が決定される。したがって、予備ＡＲＴモードでは、高確率で特殊リプレイ役に当選し、且つ転落ナビ演出が行われることから、該転落ナビ演出で報知される押し順（操作態様）にしたがうことで転落入賞が発生し易くなる。

また、演出表示装置１４では、予備ＡＲＴモード（期間ｔ８）中、特殊リプレイ役に当選（転落リプレイ役に重複当選）し、且つ転落入賞（特殊リプレイ役の取りこぼし）が発生すると、通常ＡＲＴモード用の表示画面（背景画像）が表示され、通常ＡＲＴモードへ移行される（期間ｔ８）。転落停止目が停止表示され、通常ＡＲＴモードへ移行された状況から、遊技者は、特別ＡＲＴモードが終了したことを認識できる。また、この場合、遊技状態は、通常ＡＲＴモードへの移行に併せて、第２高確ＲＴ遊技から第１高確ＲＴ遊技へ移行される。

したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
（１）第２高確ＲＴ遊技では、第１高確ＲＴ遊技と比較して高確率で特殊リプレイ役が決定され得るとともに、該第２高確ＲＴ遊技に制御されている間に特別ＡＲＴモードの演出期間が設定される。そして、特別ＡＲＴモードでは、特殊リプレイ役の入賞を可能にする停止操作の態様を報知する特殊ナビ演出が行われる。このため、第２高確ＲＴ遊技へ移行し、且つ特殊ナビ演出が行われることで、高確ＲＴ遊技に制御することを許容する通常残回数Ｇａが上乗せされ易くなり、これにより遊技者の興趣が向上される。その一方で、第１高確ＲＴ遊技では、特殊リプレイ役の決定確率が第２高確ＲＴ遊技と比較して低確率とされている。このため、第１高確ＲＴ遊技（通常ＡＲＴモード）中、特殊リプレイ役の入賞を不能にする停止操作の態様を報知する転落ナビ演出を実行することなく、第２高確ＲＴ遊技（特別ＡＲＴモード）を、通常残回数Ｇａが上乗せされ易いより有利な遊技状態として位置付けたり、第１高確ＲＴ遊技（通常ＡＲＴモード）における転落ナビ演出の出現頻度を低減したりできる。したがって、遊技者に煩わしさを感じさせることを低減し、高確ＲＴ遊技における遊技者の興趣が低下することを抑制できる。

（２）特別ＡＲＴモードの非実行中、すなわち特別ＡＲＴモードの演出期間の設定が解除された状態では、特殊ナビ演出が実行されないことから、特殊リプレイ役が決定されている場合に、該特殊リプレイ役を入賞させることが困難となる。このため、特別ＡＲＴモードの演出期間が設定されていないにもかかわらず、たまたま第２移行リプレイ役の入賞を契機に第２高確ＲＴ遊技へ移行した場合であっても、転落ナビ演出を実行させることなく第１高確ＲＴ遊技へ再移行させることができる。

（３）サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ昇格抽選で［当選］の結果を導出している場合、第２移行リプレイ役（特別役）が決定されると、第２移行ナビ演出を実行するように演出表示装置１４を制御する。したがって、サブ制御基板４１側で行うＡＲＴ昇格抽選の抽選結果をもとに第２移行ナビ演出を行わせ、これにより、主制御基板４０側で制御する遊技状態を第２高確ＲＴ遊技へ移行させるように誘導できる。そして、第２高確ＲＴ遊技への移行条件は、第１高確ＲＴ遊技において第２移行入賞が発生することにより成立する一方で、特別ＡＲＴモードへの移行条件は、ＡＲＴ移行抽選で［当選］の結果を導出しており、且つ第２移行入賞が発生することにより成立する。これにより、特別ＡＲＴモードの開始と、第２高確ＲＴ遊技の開始とを好適に同期させ得る。

（４）主制御用ＣＰＵ４０ａは、第１高確ＲＴ遊技において複数種類の当選役の中から最も低い確率で特殊リプレイ役を決定する。このため、第１高確ＲＴ遊技（通常ＡＲＴモード）において特殊リプレイ役の決定確率（当選確率）を低く抑え、これにより、本実施形態のように転落ナビ演出の出現頻度を「０（零）」にしたり、低減したりすることが可能となる。したがって、高確ＲＴ遊技における遊技者の興趣が低下することを抑制できる。

（５）通常ＡＲＴモード中、特別ＡＲＴモードへの移行権利が発生していないにもかかわらず、第２高確ＲＴ遊技へ移行される場合、通常ＡＲＴモードに維持するとともに、特殊ナビ演出だけでなく、転落ナビ演出も行わないようにした。このため、通常ＡＲＴモード中、例外的に第２高確ＲＴ遊技へ移行される場合であっても、高確率で特殊リプレイ役に当選することに伴って、転落ナビ演出が頻繁に出現しないようにし、高確ＲＴ遊技中における遊技者の興趣が低下することを抑制できる。また、このように構成しても、特殊ナビ演出が行われないことから、いずれ転落入賞が発生し、該転落入賞の発生に伴って遊技状態が第１高確ＲＴ遊技へ移行される。

なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態（別例）にて具体化できる。
・ 第１高確ＲＴ遊技（通常ＡＲＴモード）中、通常残回数Ｇａの上乗せを発生させてもよい。この場合、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、通常ＡＲＴモードの制御中、特殊入賞が指示される場合に通常残回数Ｇａの上乗せを決定し、上乗せ回数を決定するための上乗せ抽選を行うようにするとよい。

・ 転落ナビ演出は、予備ＡＲＴモード以外の演出状態（モード）中に実行してもよい。例えば、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、第１高確ＲＴ遊技（通常ＡＲＴモード）において特殊リプレイ役が決定された場合、該特殊リプレイ役の入賞を不能（又は困難）にする停止操作の態様を報知する特定報知演出として転落ナビ演出を実行するように演出表示装置１４を制御してもよい。これによれば、第１高確ＲＴ遊技（通常ＡＲＴモード）中、転落ナビ演出を実行して特定リプレイ役の入賞を困難にし、通常残回数Ｇａの上乗せがされ易い有利な遊技状態として特別ＡＲＴモードを位置付けることができる。そして、本別例の構成であっても、転落ナビ演出の出現頻度を低減し、高確ＲＴ遊技における遊技者の興趣が低下することを抑制できる。

・ 各遊技状態における当選役の当選確率を変更してもよい。例えば、第１高確ＲＴ遊技における特殊リプレイ役の当選確率が「０（零）」となるように当選役決定乱数を振分けてもよい。すなわち、主制御用ＣＰＵ４０ａは、第１高確ＲＴ遊技において特殊リプレイ役（特殊役）を決定不能に構成されていてもよい。これによれば、第１高確ＲＴ遊技において特殊リプレイ役が決定され得ないことから、転落ナビ演出の出現頻度を低減し、高確ＲＴ遊技における遊技者の興趣が低下することを抑制できる。

・ 上乗せ抽選で決定する上乗せ回数を変更してもよい。
・ 通常残回数Ｇａの上乗せの決定、及び上乗せ抽選の契機として、特殊リプレイ役とは異なる当選役（特殊役）の入賞を設定してもよい。また、特殊入賞とは異なる条件が成立したことを契機として通常残回数Ｇａの上乗せを発生させてもよい。例えば、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、リプレイ役以外の当選役（例えば、ＢＮ役など）の指示がされたときに通常残回数Ｇａの上乗せを発生させるか否かの抽選を行い、該抽選に当選することを条件として上乗せ抽選を行ってもよい。

・ ベルナビ演出、及びリプナビ演出（第１移行ナビ演出、第２移行ナビ演出、特殊ナビ演出、転落ナビ演出）の実行態様を変更してもよい。例えば、ベルナビ演出、及びリプナビ演出は、演出表示装置１４による表示演出に加えて、又は代えてスピーカＳＰによる音声演出や、ランプＬによる発光演出により行ってもよい。

・ 予備ＡＲＴモードを省略してもよい。この場合、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ転落抽選で［当選］の結果を導出すると、特別ＡＲＴモードから通常ＡＲＴモードへ移行するように演出表示装置１４の表示内容を制御すればよい。

・ 予備ＡＲＴモード中、転落ナビ演出を実行しないようにしてもよい。
・ 終了報知モードを省略してもよい。この場合、サブ制御用ＣＰＵ４１ａは、ＡＲＴ継続抽選で［非当選］の結果を導出すると、通常ＡＲＴモードから通常モードへ移行するように演出表示装置１４の表示内容を制御すればよい。

・本実施形態では、通常リプレイ役に関して押し順正解と不正解とで導出される停止目（図柄の組み合わせ）を異ならせることもできる。
・ ＡＲＴモード中、リプナビ演出で報知される押し順（操作態様）とは異なる押し順でストップボタン２３Ｌ，２３Ｃ，２３Ｒが操作された場合、遊技者にペナルティを付与してもよい。このようなＡＲＴモード中のペナルティとしては、例えば所定回数の変動ゲームが終了する迄の間、ベルナビ演出に限らずリプナビ演出を行わないようにできる。

・ 通常ＡＲＴモードや特別ＡＲＴモードに制御する期間を時間により定めることもできる。
・ ＡＲＴモードの突入までの演出状態の移行の仕様を変更してもよく、例えば、通常モードにおける規定回数の変動ゲームの経過を条件に、準備モードに移行することで、ＡＲＴモードへの移行を許容する状態を生起し、その後の第１移行入賞を契機に通常ＡＲＴモードに移行される仕様にすることもできる。また、ＡＲＴモードの仕様は、ＡＲＴモードをセット単位で管理するストック型にて実現することもできる。

・ 遊技状態の移行の仕様を変更してもよい。例えば、低確ＲＴ遊技から第１高確ＲＴ遊技への移行や、第１高確ＲＴ遊技から第２高確ＲＴ遊技への移行は、第１移行入賞や第２移行入賞ではなく、例えばシングルボーナス役など別の当選役の入賞又は取りこぼしを条件として行ってもよい。

・ 第１高確ＲＴ遊技、及び第２高確ＲＴ遊技は、リプレイ役の合算の当選確率を変更してもよい。例えば、第２高確ＲＴ遊技は、第１高確ＲＴ遊技よりもリプレイ役の合算の当選確率が低くてもよい。ただし、第２高確ＲＴ遊技における特殊リプレイ役の当選確率を、第１高確ＲＴ遊技における特殊リプレイ役の当選確率と比べて高く設定する。

・ 遊技状態の構成を任意に変更してもよく、ＲＴ性能の異なる一般遊技の種類を３つ以上に増やすこともできる。
・ 低確ＲＴ遊技及び高確ＲＴ遊技間の移行の契機として賞メダルの払い出しを定める図柄の組み合わせを設定することもできる。

・ ランプＬの発光演出により演出状態を遊技者に報知したり、各演出状態用の専用ランプを設けてこれらを点灯させて演出状態を遊技者に報知したり、スピーカＳＰの音声演出により演出状態を遊技者に報知したりしてもよい。また、この場合には、ランプＬやスピーカＳＰなどによりナビ等の各種演出を行わせてもよい。

・ ＢＮ遊技の終了を、入賞回数のみで規定することもできるし、実行回数のみで規定することもできる。また、ＢＮ役の種類を増やすこともできるし、ＢＮ役としてチャレンジタイム（所謂、「ＣＴ」）としてもよい。

・ リプレイ役やベル役における停止目が変化しうる要素として、ストップボタンを操作するタイミングにしてもよい。この場合には、各リール（一つ又は全て）における特定の部分（図柄）を狙うような仕様が考えられる。そして、各種ナビ演出では、ストップボタンを操作するタイミング（特定の部分（図柄））を報知したりする。

・ 遊技媒体として遊技球（パチンコ球）を用いるパチンコ式スロット機（パチスロ機）に具体化してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。

（イ）前記当選役決定手段は、前記第１有利遊技状態において前記複数種類の当選役の中から最も低い確率で前記特殊役を決定する。
（ロ）前記演出制御手段は、前記第１有利遊技状態において前記当選役決定手段が前記特殊役を決定した場合には、該特殊役の入賞を不能にする停止操作の態様を報知する特定報知演出を実行するように前記報知演出実行手段を制御する。

（ハ）前記当選役決定手段は、前記第１有利遊技状態において前記特殊役を決定不能に構成された。

１０…パチンコ式スロットマシン（遊技機）、１３…ドラムユニット（図柄表示手段）、１４…演出表示装置（特殊演出実行手段、特別演出実行手段）、４０…主制御基板（主制御手段）、４０ａ…主制御用ＣＰＵ（当選役決定手段、有利遊技制御手段）、４１…サブ制御基板（副制御手段）、４１ａ…サブ制御用ＣＰＵ（期間設定手段、特殊演出制御手段、期間延長手段、許容判定手段、特別演出制御手段）。

Claims (1)

1. 開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う遊技が図柄表示手段で開始され、遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、停止操作に基づいて対応する列の図柄が停止され、通常遊技状態と該通常遊技状態と比較して遊技者にとって有利な有利遊技状態とに制御可能な遊技機において、
   特殊賞を含む複数種類の賞のうち１又は複数の賞について発生を許容することが定められた複数種類の役の中から、当選役を決定する当選役決定手段と、
   前記通常遊技状態における第１開始条件の成立を契機として前記有利遊技状態のうち第１有利遊技状態に制御し、前記第１有利遊技状態における第２開始条件の成立を契機として、前記有利遊技状態のうち前記当選役決定手段が前記第１有利遊技状態と比較して前記特殊賞の発生を許容する役である特殊役を高確率で決定する第２有利遊技状態に制御する有利遊技制御手段と、
   前記特殊賞の発生を可能にする停止操作の態様を報知する特殊報知演出を実行する特殊演出実行手段と、
   前記第２有利遊技状態に制御されている間に、前記特殊報知演出の実行を許容する演出期間を設定する期間設定手段と、
   前記演出期間の設定中に、前記特殊報知演出を実行するように前記特殊演出実行手段を制御する特殊演出制御手段と、
   前記特殊賞の発生を契機として、前記有利遊技状態に制御することを許容する許容期間を延長する期間延長手段と、
   前記第１有利遊技状態から前記第２有利遊技状態への移行を許容する所定条件が成立している場合であって、前記当選役決定手段が前記複数種類の役のうち特別賞の発生を許容する特別役を決定しているときに、前記特別賞の発生を可能にする停止操作の態様を報知する特別報知演出を実行するように特別演出実行手段を制御する特別演出制御手段と、を備え、
   前記第２開始条件は、前記所定条件が成立しており、且つ前記第１有利遊技状態において前記特別賞が発生することにより成立する一方、前記第２開始条件は、前記所定条件が成立していなければ、前記第１有利遊技状態において前記特別賞が発生しても成立せず、
   前記特別賞の発生を契機に、前記期間設定手段が前記演出期間を設定するようになっており、
   前記有利遊技制御手段は、前記第２有利遊技状態における終了条件の成立を契機として、前記第２有利遊技状態が終了するように制御し、
   前記終了条件は、予め定めた終了抽選に当選することにより成立し、当該終了抽選は、前記第２有利遊技状態に制御されてから所定回数の変動ゲームが実行されて前記終了抽選の開始条件が成立するまでの間には行われないことを特徴とする遊技機。

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