JP2019030558A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
Description
(スロットマシンS)
まずは、スロットマシンSの全体の構成について図1及び図2を参照しつつ説明する。
スロットマシンSは、図1に示すように、正面側(遊技者と対向する前面側)に開口部を有する方形の筐体Bと、この筐体Bの開口部を塞ぐ前扉Dとを備えている。
筺体Bの内部には、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1、外周面に複数の図柄が付された3個の回転リール61〜63を有するリールユニット2、メダルを貯留するとともに貯留されているメダルを払い出すためのホッパーユニット3、スロットマシンSに備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置4などが設置されている。また、本実施の形態では、制御装置1が本発明の制御手段を構成している。
スタートスイッチ20は、上下方向に揺動可能なレバー20a、及びスタートスイッチ20の筐体内部側に設けられ、押下操作によるレバー20aが上方向又は下方向に移動したのを検出する検知部(不図示)を備えており、前記検知部の検出信号がスタートスイッチ20の操作信号として扱われるようになっている。
停止スイッチ31〜33は、前後方向に移動可能なプッシュボタン部31a〜33a、及び各停止スイッチ31〜33の筐体内部側に設けられ、押圧操作によるプッシュボタン部31a〜33aが移動したのを検出する検知部(不図示)を備えており、前記検知部の検出信号が各停止スイッチ31〜33の操作信号として扱われるようになっている。
次いで、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1について説明する。
制御装置1は、図示しないメイン基板ケースにメイン基板を収納したメイン基板ユニットと、図示しないサブ基板ケースにサブ基板を収納したサブ基板ユニットとから構成されている。メイン基板及びサブ基板は、IC等の各種電子部品を搭載した制御基板であり、メイン基板はスロットマシンSの遊技に関する制御を行うメイン制御装置100(図2参照)を構成し、サブ基板は演出や報知に関する制御を行うサブ制御装置200(図2参照)を構成している。また、メイン制御装置100とサブ制御装置200との間では、メイン制御装置100からサブ制御装置200への一方へ向けてのみ信号が出力され、サブ制御装置200からメイン制御装置100へ向けては信号が出力されないようになっている。
メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作に基づき、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するものである。
メイン制御装置100の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ7A、リールセンサ2A、払い出しセンサ3A、ベットスイッチ10、スタートスイッチ20、停止スイッチ31〜33、精算スイッチ40が接続されている。ここで、メダルセンサ7Aは、図1に示すように、メダルセレクター7に設けられた検知部であって、メダル投入口5から投入されホッパーユニット3に移送されるメダルを検出するためのものである。リールセンサ2Aは、図示しないが、リールユニット2の枠体に設けられた検知部であって、回転リール61〜63に設けられたスタートインデックスを検出して回転リール61〜63の回転を検知するためのものである。払い出しセンサ3Aは、図示しないが、ホッパーユニット3に設けられた検知部であって、ホッパーユニット3のメダル払出装置から払い出されるメダルを検出するためのものである。
サブ制御装置200は、メイン制御装置100から出力されるコマンドやデータ(遊技制御情報)に基づいて、遊技に付随するサブ演出を制御する演出制御手段である。メイン制御装置100がサブ制御装置200に出力する遊技制御情報としては、例えば、スタートスイッチ20のレバー20a押下等の操作に関する情報や、役抽選の抽選結果に関する情報や、回転リール61〜63の回転及び停止などのリールユニット2の作動情報や、停止図柄の表示態様などの遊技結果に関する情報や、AT(ここでATとは、アシストタイムと称され、遊技の進行に伴い行われる演出の一態様であり、当選役に関する情報を遊技者に報知する演出のことである。)に関する情報や、メイン制御装置100の状態(ここでメイン制御装置100の状態とは、スロットマシンSの制御状態のうちの、役抽選手段120によって行われる役抽選の抽選態様の違いに基づくメイン制御装置100の内部状態(以下、メイン遊技状態という)のことである。)の移行に関する情報などがある。
サブ制御装置200を構成するサブ基板には、図示しないが、演出に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて演出の進行に関する制御を行うサブCPU、読み書き可能であって演出の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRAM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、サブ演出状態移行手段210及び演出実行制御手段220として機能する。
メイン制御装置100は、上述のように、投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、メイン遊技状態移行手段160、AT制御手段170の各手段として機能するようになっている。
投入制御手段110は、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作(以下投入操作という)と、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、1ゲームを行うためのメダルが掛けられた状態(ベット状態)を設定するためのものである。
具体的には、投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入され、メダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、規定数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。そしてベット数はベット表示部11に表示される。ここで規定数とは、1回のゲームで掛けることができるメダルの数であり、本実施の形態におけるスロットマシンSは規定数が3に設定されたいわゆる3枚掛け専用機である。また、規定数を超えてメダルが投入された場合には、所定数(50)を限度として、投入されたメダルがスロットマシンSに電子的に貯留(クレジット)されたものとして取り扱う。クレジット数はクレジット表示部12に表示される。なお、クレジット数が所定数に達した場合には、ブロッカー7Bが作動してメダル投入口5から投入されたメダルがキャンセルされるようになっている。
さらに、投入制御手段110は、入賞判定手段140が後述するリプレイの入賞を判定した場合には、前ゲームと同一のベット数で自動的にベット状態を設定する。投入制御手段110によって自動的にベット状態が設定されることを、再遊技の作動という。
役抽選手段120は、図3および図4に示すように、例えば「リプレイA」役であれば、これに対応付けられた所定の図柄組合せとして、回転リール61に付された図柄の「リプレイ」と、回転リール62に付された図柄の「リプレイ」と、回転リール63に付された図柄の「リプレイ」とが設定されているというように、回転リール61〜63に付されている各図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた役について、当選か否かの役抽選を行うものであり、役抽選の結果、図4に示す役のいずれか、あるいは「ハズレ」といった所定の抽選結果を導出するものである。
そして、役抽選手段120は、図示しないが、乱数発生手段、乱数抽出手段、役抽選テーブル、判定手段及び当選状態設定手段を備えている。
乱数発生手段は、一定時間に所定(例えば0から65535)の数字を繰り返してカウントするループカウンタであり、乱数抽出手段は、スタートスイッチ20の操作信号を入力したタイミングで、ループカウンタのカウント値を読み取って記憶するものである。ループカウンタは乱数を発生しているわけではないが、ループカウンタのカウント値を乱数抽出手段が読み取ることにより、ランダムな数値を抽出できるので、便宜上乱数発生手段というものとする。役抽選テーブルは、ループカウンタがカウントする数値(乱数発生手段の発生可能な全乱数値)を全領域として各役についての当選領域を規定したものである。
判定手段は、乱数抽出手段の読み取ったカウント値と役抽選テーブルの当選領域とを照合し、カウント値が図4に示す各種役といった所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定(当選の抽選結果を導出)し、カウント値が不当選の領域に属する場合には、「ハズレ」を決定(ハズレの抽選結果を導出)するものである。当選状態設定手段は、判定手段が当選を決定した場合に、当該当選に対応する当選フラグ(例えば、ボーナス当選に伴うボーナスフラグや、小役当選に伴う小役フラグ等)を成立させることにより当選状態を設定するものである。
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号に基づいて、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するためのものである。リール制御手段130による回転リール61〜63の回転制御及び停止制御については後述する。
入賞判定手段140は、停止スイッチ31〜33の操作によって回転リール61〜63が全て停止したときに、当該ゲームの結果(例えば、図4に示すベル、スイカA〜D、チェリーのように、入賞により、その役に対応した枚数(配当)のメダルが払い出される小役が入賞したか否か等)を判定するためのものである。
具体的には、回転リール61〜63が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ラインL1〜L5上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ラインL1〜L5上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、その判定結果情報を、払出制御手段150に送信する。
また、入賞判定手段140は、メイン制御装置100の内部状態であるメイン遊技状態を通常状態(ここで通常状態とは、例えば、工場出荷時や設定変更時のスロットマシンSの初期状態である)からRT状態(ここでRT状態とは、リプレイタイムと称され、役抽選でのリプレイの当選確率が、その基準となる前記通常状態と比して高くなっていたり、あるいは低くなっていたりというように通常状態とは異なっている状態であり、本実施の形態では通常状態よりもリプレイの当選確率が高い状態である)に移行させる契機として設定されている、メイン遊技状態の移行契機役(本実施の形態では「リプレイC」「リプレイD」)が入賞したと判定した場合には、その判定結果情報をメイン遊技状態移行手段160に送信するようになっている。
払出制御手段150は、入賞判定手段140の判定結果及び精算スイッチ40の操作に基づいて、ホッパーモータ3Bを作動させてホッパーユニット3からメダルを払い出させるものである。すなわち、入賞判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、クレジットメダルが1以上ある場合に精算スイッチ40の操作信号を入力したときには、クレジットメダルとして貯留されているメダルを払い出させるようになっている。なお、入賞により払い出されるメダルを、クレジットメダルとして電子的に貯留し、クレジットを超過する払い出し分をホッパーユニット3から払い出させるようにしてもよい。
メイン遊技状態移行手段160は、メイン制御装置100の内部状態について、通常状態やRT状態等といった、予め設定された複数の状態間の移行を制御するものである。そして、メイン遊技状態移行手段160の制御に基づき、役抽選手段120がメイン遊技状態に応じた役抽選テーブルを取得して役抽選を行うことにより、例えば、メイン遊技状態として設定されたRT状態が発動するようになっている。そして、本実施の形態では、メイン遊技状態として前記の通常状態、RT状態の他に、ボーナス当選が持ち越されているボーナス成立状態(ボーナス内部中状態)及びボーナス遊技が行われているボーナス作動状態が設定されている。そして、本実施の形態では、この通常状態が本発明の第1遊技状態を構成し、RT状態が第2遊技状態を構成している。なお、本実施の形態では、説明の簡易化のため、図6に示すように、メイン遊技状態として、通常状態、RT状態、ボーナス成立状態、及びボーナス作動状態を設けたがこれに限定されない。特に、RT状態にあっては、機種仕様に応じて、例えば、通常状態よりもリプレイ確率が低いものや、通常状態とさほど変わらないリプレイ確率のものなど、複数のRT状態などを設けるようにしても良いことは言うまでもない。
AT制御手段170は、後述するリプレイの正解の打順(押し順)などといった内部抽選結果であって遊技者に有利になる情報の報知を行うATの開始及び終了等を制御する手段であり、ATに関する抽選について行うAT抽選手段171や、ゲーム数などについてカウントする回数管理手段172を備えている。
次いで、上述の役抽選手段120によって抽選される「役」について図4を参照しつつ説明する。
前記役としては、入賞により所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞により次ゲームにおいて投入操作を行うことなく再度の遊技を行えるリプレイと、入賞により次ゲームからボーナス遊技が行われるボーナスとを備えている。前記リプレイとしては、図4に示すように、「リプレイA」〜「リプレイD」の4個が設けられている。各リプレイには、回転リール61〜63に付されている、いずれかの図柄を組み合わせて構成される図柄組合せが対応付けられている。例えば、「リプレイA」には、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられている。また、「リプレイC」には、「リプレイ・リプレイ・赤7」の図柄組合せが対応付けられており、「リプレイD」には、「リプレイ・リプレイ・BAR」の図柄組合せが対応付けられている。このように、「リプレイC」及び「リプレイD」には、ボーナス図柄(赤7及びBAR)を含む図柄組合せが対応付けられている。そして、4個のうちのいずれかのリプレイが入賞すると、次ゲームにおいて、投入操作を行うことなくスタートスイッチ20が操作可能となる。
上記CBB遊技は、役抽選の抽選結果にかかわらず、小役が当選状態になると共に、少なくとも1個の回転リールについて、後述するスベリコマ数が最大スベリコマ数よりも少ないコマ数以下となる特別遊技としてのCB遊技が連続して行われるものである。CB遊技は、1ゲーム消化で終了するものであり、CBB遊技では、CB遊技が無条件で開始され、1回のCB遊技が終了すると、再び無条件で次のCB遊技が開始される。そして、CBB遊技は、払い出しメダルの総数が予め定められた枚数を超えた場合に終了するようになっている。
次いで、上述の役抽選手段120が備える役抽選テーブルについて図5を参照しつつ説明する。
本実施の形態における役抽選テーブルの概念図が図5に示してある。図5は、複数の役抽選テーブルに設定されている当選領域の有無を示したものであり、左欄に示した当選領域が含まれていることを丸印で表し、その当選領域が含まれていない場合には無印で表している。当選領域には不当選(ハズレ)も含まれる。
役抽選テーブルは、メイン遊技状態(図6参照)に応じて、複数種類が設けられている。具体的には、図5に示すように、通常状態において用いられる通常テーブルと、RT状態において用いられるRTテーブルと、ボーナス成立状態において用いられる内部中テーブルと、ボーナス作動状態に用いられるボーナステーブルとが設けられている。
また、上述した「リプレイ2」、「リプレイ3」、及び「リプレイ4」については、当該重複当選領域のいずれかが当選した場合、前記した3通りの打順(右第一停止の他、中央の停止スイッチ32を最初に操作する打順(中第一停止)、左側の停止スイッチ31を最初に操作する打順(左第一停止))のうち、いずれの打順で停止スイッチ31〜33が操作されたかによって、入賞し得るリプレイが変化するようになっているが(以下、打順リプレイという)、これについての詳細も後述する。
また、上記した当選状態設定手段は、前記役抽選手段120による役抽選の結果、小役が当選した場合には小役フラグ(例えば、ベルフラグ、スイカフラグなど)を成立させ、ボーナスが当選した場合にはボーナスフラグ(CBBフラグ)を成立させ、リプレイが当選した場合にはリプレイフラグを成立させる。また、複数の役から構成される重複当選領域が当選した場合には、当該領域に含まれる全ての役に対応する当選フラグを成立させる。小役フラグ及びリプレイフラグは当該フラグが成立した成立ゲームの1回限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナスが入賞するまでリセットされない。即ち、小役、リプレイが当選した場合には当選状態(小役フラグやリプレイフラグ)が次ゲームに持ち越されないが、ボーナスが当選した場合には、当選状態(ボーナスフラグ)が次ゲーム以降に持ち越されるようになっている。
なお、上記した役抽選テーブルの構成や当選確率等は一例であって、上記した態様や数値に限定されるものではない。
次いで、リール制御手段130による回転リール61〜63の回転制御及び停止制御について説明する。
リール制御手段130は、スタートスイッチ20の有効な操作信号を入力した場合に、リールモータM1〜M3を駆動させて回転リール61〜63を回転させるものである。すなわち、規定数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、前ゲームにおける回転リール61〜63の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、全ての回転リール61〜63を一斉に、あるいは所定の順番で回転開始させる。そして、全ての回転リール61〜63の回転速度が、停止スイッチ31〜33の操作を可能とするために予め設定された定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度を維持する定常回転を行わせるものとなっている。
リール制御手段130は、リールセンサ2A(図2参照)の検出信号に基づき回転リール61〜63の回転角度を把握しつつ、停止スイッチ31〜33の作動時点(停止スイッチ31〜33の操作が検出された時点=停止操作のタイミング)での回転リール61〜63の回転角度から、有効ラインL1〜L5上に位置している図柄を特定すること(以下図柄参照という)ができるようになっている。そして、リール制御手段130は、停止操作がされた時点において所定位置(例えば上段位置)にある回転リール61〜63の図柄を基準図柄として、回転リール61〜63の回転角度が前記基準図柄を予め定められたコマ数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)だけ回転方向に移動させたコマ数(引き込み可能コマ数、例えば5コマ)の範囲内となるように、回転リール61〜63を停止させることができる。
次に、打順が設定された当選領域を含む重複当選領域が当選した場合の停止制御について詳述する。まず、打順ベルのいずれか、すなわち図5に示す「ベル1」〜「ベル6」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態において、図3のリール図柄の配列のように、ベル役に対応する図柄組合せに含まれる図柄は、全ての回転リール61〜63において、最大スベリコマ数の範囲内で有効ライン上L1〜L5に引き込み可能な配置となっている。一方、スイカ役に対応するそれぞれの図柄組合せに含まれる図柄は、全ての回転リール61〜63において、最大スベリコマ数の範囲内であって、有効ライン上L1〜L5に引き込み可能となるように配置されているわけではない。つまり、停止操作のタイミングに応じて、有効ラインL1〜L5に引き込み可能な配置となっている。
そして、リール制御手段130は、役抽選により、「ベル1」などの所定の打順(「ベル1」は左第一停止)が設定されているベル役に関する重複当選領域に当選した場合には、停止スイッチ31〜33の操作態様に応じて、ベル役に対応する図柄の組合せか、スイカ役に対応する図柄の組合せか、他のいずれの役に対応付けられていない図柄の組合せであるブランクのいずれかを有効ラインL1〜L5上に停止表示させるように停止制御を行う。
また、本実施の形態では、後述するサブ演出状態がAT演出状態である場合には、打順ベルの当選時に正解の打順が報知されるようになっているが、これについては後述する。
リール制御手段130は、役抽選により上述した打順リプレイである「リプレイ2」、「リプレイ3」、又は「リプレイ4」のいずれかが当選した場合には、停止スイッチ31〜33の操作態様に応じて、有効ラインL1〜L5上に停止表示させるリプレイに対応する図柄組合せが異なるものとなるように停止制御を行うようになっている。そして、これらの制御は、停止スイッチ31〜33の操作順に応じて設けられている停止テーブルを用いて行われる。
次いで、メイン遊技状態移行手段160によるメイン遊技状態の移行について図6を参照しつつ説明する。
本実施の形態におけるメイン遊技状態は、図6に示すように、通常状態、RT状態、ボーナス成立状態、及びボーナス作動状態を有して構成されている。通常状態は、スロットマシンSの工場出荷時などにおける状態であり、RT状態は、上述のように、役抽選でのリプレイの当選確率が通常状態よりも高い状態である。また、ボーナス成立状態は、ボーナスフラグが持ち越されている状態であり、ボーナス作動状態はボーナス遊技が行われている状態である。
また、RT状態滞在時において、打順ベルの当選に基づきブランクが有効ラインL1〜L5に表示された場合には、メイン遊技状態移行手段160は、図6に示すように、メイン遊技状態を通常状態へ移行させるようになっており、メイン遊技状態はRT状態から通常状態に移行するようになっている。
なお、メイン遊技状態移行手段160によるメイン遊技状態の移行に伴い、役抽選手段120がメイン遊技状態に応じた役抽選テーブルを取得して役抽選を行うことにより、通常状態、RT状態、ボーナス成立状態、及びボーナス作動状態の各状態が発動するようになっている。また、メイン遊技状態移行手段160は、設定変更が行われた場合に、メイン遊技状態を通常状態へ移行させるようにしてもよく、設定変更によってはメイン遊技状態を移行させないようにしてもよい。
次いで、AT制御手段170によって行われるATに関する制御について説明する。
上述のようにAT制御手段170は、AT抽選手段171及び回数管理手段172を備えており、AT抽選手段171は、ATに関する抽選(後述するAT移行抽選や上乗せ抽選など)を行うものである。そして、AT抽選は、AT抽選用の乱数と、AT抽選用の抽選テーブル(AT移行抽選テーブル及び上乗せ抽選テーブル)を用いて、役抽選と同様の手法で行われるようになっている。
回数管理手段172は、ATゲーム数の設定や、ATゲーム数の上乗せついて管理するものであり、回数管理手段172は、ATカウンタ172aを備えている。
ATカウンタ172aは、AT遊技区間でのゲーム数をカウントするものである。具体的には、本実施の形態においてAT移行抽選に当選した場合に、ATカウンタ172aは、ATゲーム数を最低保障回数(本実施の形態では50回)分だけ設定して記憶し、ART状態となってから(即ち、AT遊技区間においてメイン遊技状態がRT状態へ移行してから)、ATカウンタ172aの記憶値をゲーム開始ごとに1ずつ減算するようになっている。なお、ART状態での遊技中において、例えば、遊技者が誤ってブランクを表示させてメイン遊技状態をRT状態から通常状態に移行(転落)させてしまった場合でも、ATカウンタ172aは、ゲーム数の消化に伴ってその記憶値を減算するようになっている。即ち、RT状態からの転落によってART状態からAT状態での遊技となったとしても、ゲーム数の消化に伴い記憶値を減算するようになっている。
ところで、本実施の形態では、AT遊技区間中にボーナスが入賞した場合、ATカウンタ172aは、その記憶値を保持してボーナス遊技中にATゲーム数の減算を行わないようになっている。しかし、役抽選でボーナスが当選し、ボーナスフラグが持ち越されている状態では、ATカウンタ172aは記憶している記憶値を減算するようになっている。つまりは、メイン遊技状態がボーナス作動状態にあるときはATゲーム数について減算されないが、メイン遊技状態がボーナス成立状態にあるときは、1ゲーム消化する度にATゲーム数が1回ずつ減算されるようになっている。なお、ボーナス作動状態であってもATゲーム数が減算されるようにしてもよい。
サブ制御装置200は、上述のように、サブ演出状態移行手段210及び演出実行制御手段220の各手段として機能するようになっている。
(サブ演出状態移行手段210)
サブ演出状態移行手段210は、スロットマシンSの制御状態のうちの、演出の実行態様の違いに基づく演出状態について、複数の状態間の移行を制御するものである。そして、サブ演出状態移行手段210の制御に基づき、演出実行制御手段220がサブ演出状態に応じた演出実行処理を行うことにより、所定のサブ演出状態が発動するようになっている。
演出実行制御手段220は、画像表示部70や電飾ランプ80やスピーカ90等の演出装置の作動を制御するものである。そして、演出実行制御手段220は、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、演出装置を用いて遊技の進行に伴い様々な演出を実行するようになっている。演出実行制御手段220による制御に基づき行われる演出としては、例えば、遊技を盛り上げるための演出の他、所定の打順をナビするATとしてのナビ演出などがある。具体的には、「ベル1」などの打順ベルや、「リプレイ2」などの打順リプレイが役抽選で当選した際に、正解の打順(例えば、「ベル1」の当選時は「左−−」、「リプレイ2」の当選時は「−−右」などの画像)を画像表示部70に表示したり、正解の打順の音声をスピーカ90から出力したりすることで行うようになっている。
次いで、サブ演出状態移行手段210によるサブ演出状態の移行について図7を参照しつつ説明する。
本実施の形態におけるサブ演出状態は、図7に示すように、大きく分けて、通常演出状態、AT演出状態、転落待機状態、及びボーナス演出状態から構成されており、AT演出状態は、準備中演出状態、及びART演出状態に分けられる。
AT演出状態は、演出としてのATが実行されるサブ演出状態であり、そのうちART演出状態は、AT演出状態であってメイン遊技状態がRT状態又はボーナス成立状態である場合のサブ演出状態であり、準備中演出状態は、AT演出状態であってメイン遊技状態が通常状態又はボーナス成立状態である場合のサブ演出状態である。転落待機状態は、ART演出状態の終了後(ATカウンタ172aが「0」となった後)に滞在するサブ演出状態であって、メイン遊技状態がRT状態から通常状態へ移行するまでの待機期間としてのサブ演出状態である。そして、ボーナス演出状態は、メイン遊技状態がボーナス作動状態である場合のサブ演出状態であり、通常演出状態は、上記のいずれにも該当しないサブ演出状態である。
そして、ART演出状態において、設定されたATゲーム数が消化された場合(ATカウンタ172aの記憶値が「0」になった場合)には、サブ演出状態移行手段210は、サブ演出状態を転落待機状態へ移行させるようになっている。なお、サブ演出状態が転落待機状態へ移行した際には、メイン遊技状態はRT状態のままとなっている。即ち、ART状態での遊技が終了し、メイン遊技状態がRT状態で通常の遊技が行われることになる。
上記構成を有するスロットマシンSの、メイン制御装置100の制御に基づく処理について説明する。
ここで、メイン制御装置100は、基本的に、回転リール61〜63の回転中や入賞によるメダルの払い出し中、あるいは再遊技の作動中には、ベット操作(メダルの投入又はベットスイッチ10の操作)を無効としている。すなわち、メダルセレクター7をメダルキャンセル状態にし、ベットスイッチ10の操作を無効としている(操作信号を受け付けない、あるいは受け付けても無視する。以下同様)。また、回転リール61〜63の回転中はもちろんのこと、回転リール61〜63が停止していてもベットがされていない状態では、スタートスイッチ20の操作を無効とし、所定のウエイト時間が経過するまでは、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の回転開始を保留する。すなわち、ウエイト時間の経過前にスタートスイッチ20の操作信号を入力しても、ウエイト時間が経過するまではリールモータM1〜M3に駆動信号が出力されないようになっている。ただし、スタートスイッチ20の操作信号に基づく役抽選処理は行われ、ウエイト時間の経過後、回転リール61〜63は再度のスタートスイッチ20の操作なしに回転開始する。また、回転リール61〜63が停止している場合はもちろんのこと、回転リール61〜63の回転開始後、回転速度が定常回転速度に達し、かつ全ての回転リール61〜63についてスタートインデックスが検知されて図柄参照が可能な状態となるまでは、停止スイッチ31〜33の操作を無効としている。
スロットマシンSは、規定数のメダルがベットされ(Step(以下、単にSという)100でYes)、スタートスイッチ20がONとなると(S101)、役抽選が行われるようになっている(S102)。なお、図示はしていないが、スタートスイッチ20がONとなったときの遊技がART状態である場合には、ATカウンタ172aに記憶されているATゲーム数についての記憶値を1つ減算するATカウンタ減算処理が行われるようになっている。また、役抽選において、AT移行抽選や上乗せ抽選の抽選契機役であるチェリーが当選すると、各種抽選が行われるようになっている。AT移行抽選に当選した場合には、演出としてのATが実行されるようになっており、上乗せ抽選に当選した場合には、ATゲーム数が上乗せされるようになっている。
その後、回転リール61〜63の回転開始処理が行われ(S103)、いずれかの停止スイッチ31〜33がONとなった場合には(S104でYes)、対応する回転リール61〜63について回転停止処理が行われる(S105)。
「リプレイC」「リプレイD」については、上述のように、「リプレイ3」「リプレイ4」の当選時に右第一停止で停止スイッチ33を操作するとともに、赤7図柄、BAR図柄を有効ラインL1〜L5に引き込めるタイミングで停止操作しなければ入賞することはないようになっている。つまりは、本実施の形態においてメイン遊技状態をRT状態に移行させるためには、役抽選で「リプレイ3」又は「リプレイ4」が当選した時に、左第一停止か、中第一停止か、右第一停止かの打順を選択する(正解の打順は右第一停止)とともに、右第一停止で停止スイッチ33を操作する際には、2つのボーナス図柄のうちから、赤7図柄か、BAR図柄かの選択を行い、さらには、赤7図柄又はBAR図柄を有効ラインL1〜L5上に引き込めるタイミングで停止スイッチ33を目押し操作する必要がある。このように、メイン遊技状態をRT状態に移行させるためには、3択(左、中、右)の打順から右第一停止で停止スイッチ31を操作するとともに、2択(赤7図柄又はBAR図柄)のボーナス図柄のうちから何れかの図柄を有効ラインL1〜L5に引き込み可能なタイミングで、停止スイッチ33を目押し操作しなければならないようになっている。
以上のように、本実施の形態では、役抽選で「リプレイ3」、又は「リプレイ4」が当選した際に、3択の打順に正解するとともに、2択の図柄選択を行い、さらには、選択図柄である赤7図柄やBAR図柄を有効ラインL1〜L5上に引き込めるタイミングで停止スイッチ33を目押し操作を行うと、「リプレイC」、「リプレイD」が入賞して、メイン遊技状態がRT状態に移行するようになっている。換言すれば、打順や図柄選択に正解するだけでなく、赤7図柄やBAR図柄を有効ラインL1〜L5に引き込めるタイミングで、停止スイッチ33を目押し操作することで移行契機役(「リプレイC」「リプレイD」)が入賞するようになっている。従って、例えば、打順が正解するだけで(目押しを必要としないで)入賞する役がRT状態への移行契機役に設定されている場合と比して、通常時の遊技における、メイン遊技状態が通常状態からRT状態へ移行してしまう確率を抑えることができる。
これにより、例えば、打順が正解するだけで入賞する役がメイン遊技状態の移行契機役として設定されているため、メイン遊技状態が本RT状態(ART遊技を行う際に滞在するRT状態)に頻繁に移行するのを防止すべく複数のRT状態が設けられ、さらには、通常状態から本RT状態へ移行するまでに、複数のRT状態を段階的に移行する(例えば、通常→RT1→RT2(本RT))ように設定されたスロットマシンと比して、通常状態から本RT状態へ移行するまでに経由するRT状態の数を少なくすることができる(本実施の形態では本RT状態のみである)。この結果、メイン遊技状態が本RT状態に移行するまでの移行期間を抑えることができる。即ち、AT移行抽選に当選してから、実際にART状態で遊技が開始されるまでの期間(メイン遊技状態がRT状態に移行するまでの移行待ち期間(準備中期間))を短くすることができる。
なお、本発明は、上述した本実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形も含むものである。以下、本実施の形態の変形例について説明する。ただし、以下に説明する変形例については、既に説明した本実施の形態と異なる点についてのみ説明するものとし、同一の構成については同一の符号を付してその説明は省略するものとする。
このように、メイン遊技状態の移行契機役を入賞させるために必要な目押しの回数や、打順の選択数や、目押しを行う際に狙う図柄の選択数について自由に変更して組み合わせることができる。そして、例えば、打順6択で図柄選択4択、更には、各停止スイッチ31、32、33において図柄4択の目押しが必要(即ち、目押しを3回)とするなど、それらの数を増やすことで、移行契機役(「リプレイC」「リプレイD」)が入賞する確率を変えることができる。つまりは、打順選択数、図柄選択数、目押し回数を多くするほどメイン遊技状態を通常状態からRT状態に移行する確率をより抑える(移行し難くする)ことが可能となる。
Claims (1)
- 外周面に複数の図柄が付された複数の回転リールと、
複数の前記回転リールを回転させるスタートスイッチと、
回転中の前記回転リールを停止させる複数の停止スイッチと、
遊技の進行を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
所定の図柄組合せが対応付けられた、リプレイを含む複数の役について当選か否かの役抽選を行う役抽選手段と、
前記スタートスイッチの操作信号の入力に基づき前記回転リールの回転を制御し、前記停止スイッチの操作信号の入力に基づき回転中の前記回転リールの停止を制御するリール制御手段と、
前記役抽選手段の抽選態様の違いに基づく複数の遊技状態間で前記遊技状態を移行させる制御を行う遊技状態移行手段と、を備え、
前記遊技状態としては、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態と前記役抽選での前記リプレイの当選確率が異なる第2遊技状態とが設定されており、
前記リール制御手段は、複数の前記役のうち特定の役が前記役抽選で当選した際に、特定の順序で、且つ、所定のタイミングで前記停止スイッチが操作された場合に、前記特定の役に対応付けられた図柄組合せを有効ライン上に表示させるようになっており、
前記遊技状態移行手段は、前記遊技状態が前記第1遊技状態に滞在している時に、前記特定の役に対応付けられた図柄組合せが前記有効ライン上に表示されると、前記遊技状態を前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行させる、
ことを特徴とする遊技機。
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