JP2015123281A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本来の遊技が完了していないフリーズ中に遊技者が勘違いして遊技をやめてしまうのを防ぐことが可能な遊技機の提供。
【解決手段】フリーズ中において、スタートスイッチの操作信号の入力に伴い回転リールを擬似回転させ、停止スイッチの操作信号の入力に伴い本来の遊技と同等の引き込み及び蹴飛ばし処理を用いて回転リールを擬似停止させ、有効ラインに所定のリプレイに対応する図柄組合せが擬似停止された場合に、ATの初期遊技回数を加算する。擬似停止では、回転リールの停止時の態様又は停止後の態様のうち少なくとも一方が、本来の遊技における態様と異なっている。
【選択図】図8

Description

この発明は、停止操作によって停止する回転リールを備えた遊技機に関するものである。
この種の遊技機、例えばスロットマシンにおいては、所定の図柄組合せが対応付けられた役について当選か否かを決定する役抽選の抽選結果について、様々な方法で遊技者に報知する演出が行われるように形成されている。そして、演出の態様として、遊技の進行が一時的に停止するフリーズや、フリーズ中に回転リールを通常と異なる態様で作動させる回胴演出が広く知られている。例えば、特許文献1には、フリーズ中に、遊技者の操作に応じて回転リールを回転させ、ストップスイッチの操作に基づいて回転中の回転リールを停止させる擬似遊技を実行可能な遊技機が開示されている。
また、特許文献2には、遊技者がフリーズ中にストップスイッチなどの操作手段を操作することにより、フリーズ時間が変更されるようにした遊技機が記載されている。
特開2011−194146号公報 特開2013−27778号公報
上記したような擬似遊技は、あくまでも演出の一態様なので、擬似遊技において本来の遊技では実現できない回転リールの挙動を実行することも可能である。例えば、本来の遊技の役抽選の結果に関係なく所定の図柄組合せを表示させることができ、遊技に変化を持たせることができるという利点がある。
その一方、本来の遊技と擬似遊技が外見上全く同一であると、遊技者が不利益を被る場合がある。例えば、擬似遊技における遊技結果(有効ラインに表示される図柄組合せ)を見た遊技者が本来の遊技結果と勘違いして、本来の遊技が完了していないにもかかわらず、遊技をやめてしまうおそれがある。その結果、本来の遊技によって付与されるべき利益を享受できなくなる場合がある。
本発明は、このような事情に鑑み、擬似遊技によって新たな遊技性の提供を可能としつつ、本来の遊技がまだ完了していない状態で遊技者が遊技をやめてしまうのを回避させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成を有する。
すなわち、本発明に係る遊技機(スロットマシンS)は、外周面に複数の図柄が付された複数の回転リール61〜63と、前記複数の回転リール61〜63を回転させるスタートスイッチ20と、回転中の前記回転リール61〜63を個々に停止させる複数の停止スイッチ31〜33と、前記スタートスイッチ20の操作信号の入力に基づき前記回転リール61〜63の回転を制御し、前記停止スイッチ31〜33の操作信号の入力に基づき回転中の前記回転リール61〜63の停止を制御するリール制御手段130と、遊技の結果を判定する遊技結果判定手段140と、所定条件に該当することを契機に、遊技の進行が停止した状態となるフリーズ状態を設定するフリーズ設定手段182と、を少なくとも備え、前記スタートスイッチ20の操作により回転開始した前記複数の回転リール61〜63が、前記停止スイッチ31〜33の操作により全て停止したときに、前記遊技結果判定手段140により前記各回転リール61〜63に付されている図柄があらかじめ定められた表示態様で表示されたと判定された場合に、遊技結果に応じた利益が付与されるようになっている。
前記フリーズ設定手段182は、前記スタートスイッチ20が操作されてから前記停止スイッチ31〜33の操作が有効とされるまでの間に、前記フリーズ状態を設定可能であり、前記フリーズ状態が設定されている間に、前記停止スイッチ31〜33の操作信号を受け付け、前記停止スイッチ31〜33の操作信号の入力に伴い回転中の前記回転リール61〜63を停止させることにより、擬似的に遊技を進行させることができ、擬似的に進行している遊技である擬似遊技においては、前記回転リール61〜63の停止時の態様又は停止後の態様のうち少なくとも一方が、擬似遊技ではない本来の遊技における態様と異なるように形成され、前記擬似遊技の結果、前記回転リール61〜63の図柄の表示態様が所定の態様となった場合に、前記遊技結果に応じた利益とは異なる特典が付与されるように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、擬似遊技が行われるフリーズ中には、回転リール61〜63が停止するときの態様、停止するとき及び停止した後の態様、又は停止した後の態様が、本来の遊技と異なっているので、遊技者は、擬似遊技が実行されていることに気づくことができ、本来の遊技が完了していないのに遊技をやめてしまうことを防止できる。
ここで、前記回転リール61〜63は、複数のステッピングモータ(リールモータM1〜M3)の駆動軸にそれぞれ固定されているものであり、リール制御手段130は、前記スタートスイッチ20の操作により前記複数のステッピングモータを駆動させて前記複数の回転リール61〜63を回転させ、前記停止スイッチ31〜33の操作により駆動中のステッピングモータの駆動を個々に停止させて回転中の前記回転リール61〜63を個々に停止させることができる。そして、前記擬似遊技においては、前記回転リール61〜63の停止後における前記ステッピングモータの励磁態様が、前記擬似遊技ではない本来の遊技における励磁態様と異なるように形成することができる。
また、遊技機は、遊技媒体(例えばメダル)の投入により、前記スタートスイッチ20の操作に基づく本来の遊技を開始可能であり、所定の図柄組合せが対応付けられた役について当選か否かの役抽選を行う役抽選手段120を備え、前記スタートスイッチ20の操作により回転開始した前記複数の回転リール61〜63が、前記停止スイッチ31〜33の操作により全て停止したときに、役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示された場合に、役に対応する遊技結果に応じた利益が付与されるように形成されている。前記役には、対応する図柄組合せが有効ラインに表示された場合に、遊技結果に応じた利益として、遊技媒体の投入なしに次の遊技を開始できる利益が付与されるリプレイを含んでいる。そして、擬似遊技においては、前記リプレイに対応する図柄組合せが、本来の遊技において有効ラインとなるラインを含む所定のラインに表示されるように形成することができる。
このように、擬似遊技中においてリプレイに対応する図柄組合せを表示させることにより、遊技者は次遊技を遊技媒体の投入なしに行うことができると認識できる。これにより、例えば回転リール61〜63の停止時及び/又は停止後の態様が本来の遊技と異なっていたが遊技者がこれを確認できなかった場合や、回転リール61〜63の停止後におけるステッピングモータの励磁態様は異なるが、外見上回転リール61〜63が停止したように見える場合であっても、遊技者が遊技をやめてしまうことを防止できる。
さらに、本発明は、前記フリーズ状態が設定されている間に、前記スタートスイッチ20の操作信号を受け付け、前記スタートスイッチ20の操作信号の入力に伴い前記回転リール61〜63を回転開始させ、前記停止スイッチ31〜33の操作信号の入力に伴い回転中の前記回転リール61〜63を停止させることにより、複数回の擬似遊技を連続して発生可能に形成することができる。このように形成することにより、回転リール61〜63の図柄による所定の表示態様(出目)を連続して又は頻繁に表示させることができ、所定の表示態様に対応する特典を連続的に又は頻繁に付与することができるものとなる。
本発明は、以上のように構成されているので、擬似遊技によって新たな遊技性の提供を可能としつつ、本来の遊技がまだ完了していない状態で遊技者が遊技をやめてしまうのを回避させることが可能な遊技機を提供することができる。
本発明の実施の形態であって、スロットマシンの外観正面図である。 本発明の実施の形態であって、スロットマシンの入力、出力及び制御装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態であって、回転リールの図柄配列の一部を示す図である。 本発明の実施の形態であって、(A)当選役に対応する図柄組合せを示す表、(B)役抽選テーブルの概念図である。 本発明の実施の形態であって、リールモータの概念図である。 本発明の実施の形態であって、コイルの励磁パターンを示す図である。 本発明の実施の形態であって、擬似役抽選テーブルの概念図である。 本発明の実施の形態であって、回転リールの挙動を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態であって、メイン制御装置の制御に基づく1遊技における遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 本発明の第一の実施の形態であって、1遊技における遊技制御処理のうちの擬似遊技実行決定処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態であって、1遊技における遊技制御処理のうちの回転リールの回転開始処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態であって、回転リールの回転開始処理のうちの擬似遊技実行処理を示すフローチャートである。 図12の続きを示すフローチャートである。 本発明の第一の実施の形態であって、サブ制御装置の制御に基づく擬似遊技開始コマンド入力時の処理を示すフローチャートである。 本発明の第二の実施の形態であって、メイン制御装置の制御に基づく(A)AT決定処理、(B)擬似遊技実行決定処理を示すフローチャートである。 第二の実施の形態におけるメイン制御装置の制御に基づくAT中の処理を示すフローチャートである。
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(第一の実施の形態)
図1乃至図14は本発明の第一の実施の形態を示す。
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、図1に示すように、正面側(遊技者と対向する前面側)に開口部を有する方形の筐体Bと、この筐体Bの開口部を塞ぐ前扉Dを備えている。
筺体Bの内部には、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1、外周面に複数の図柄が付された3個の回転リール61,62,63を有するリールユニット2、メダルを貯留するとともに貯留されているメダルを払い出すためのホッパーユニット3、スロットマシンSに備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置4等が設置されている。
前扉Dには、図1に示すように、3個の回転リール61〜63の図柄を視認可能な図柄表示窓Wが形成されている。そして、この図柄表示窓Wの下方であってスロットマシンSの高さ方向略中央部は、スロットマシンSを作動させるための操作スイッチが設けられたカウンター状の操作部Cとなっている。操作部Cの上面右端にはメダル投入口5が設けられ、操作部Cの上面左側には、スロットマシンSに電子的に貯留されているメダルであるクレジットメダルを、遊技を行うためのメダルのベットに代えるためのベットスイッチ10が設けられている。
また、操作部Cの正面左側には、回転リール61〜63を回転開始させるためのスタートスイッチ20が設けられ、操作部Cの正面中央部には、3個の回転リール61〜63を個々に停止させるための3個の停止スイッチ31,32,33が設けられている。具体的には、左側に位置する停止スイッチ31は左側に位置する回転リール61を停止させるものであり、中央に位置する停止スイッチ32は中央に位置する回転リール62を停止させるものであり、右側に位置する停止スイッチ33は右側に位置する回転リール63を停止させるものである。操作部Cの正面左端には、クレジットを払い戻すための精算スイッチ40が設けられている。
前記ベットスイッチ10は、上下方向に移動可能なボタンスイッチであって、ベットスイッチ10の筐体内部側には、ボタンの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がベットスイッチ10の操作信号として扱われるようになっている。
スタートスイッチ20は、上下方向に揺動可能なレバースイッチであって、スタートスイッチ200の筐体内部側には、押下操作によるレバーの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がスタートスイッチ20の操作信号として扱われるようになっている。
停止スイッチ31〜33は、前後方向に移動可能なボタンスイッチであって、各停止スイッチ31〜33の筐体内部側には、特に図示しないが、押圧操作によるボタンの位置移動を検出する検知部がそれぞれ設けられており、検知部の検出信号が各停止スイッチ31〜33の操作信号として扱われるようになっている。
なお、操作部Cに設けられる操作スイッチとして、遊技者が演出内容を選択することができる演出スイッチを設けてもよい。
前扉Dにおいて図柄表示窓Wの上方には、液晶表示装置などの画像表示部70が設けられ、図柄表示窓Wの両側に位置する前扉Dの側部及び前扉Dの上端部には、ランプ80が設けられている。また、前扉Dの下部には、メダルを貯留可能な下皿6が設けられているとともに、下皿6の奥壁には、ホッパーユニット3から払い出されたメダルを下皿6に排出するためのメダル排出口8と、メダル排出口8の両側に配置されたスピーカ90が設けられている。そして、メダル投入口5の下方であって前扉Dの裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター7が設けられている。
リールユニット2は、図示しない枠体に固定された3個のリールモータM1,M2,M3(図2参照)と、各リールモータM1〜M3の駆動軸にそれぞれ固定された3個の回転リール61〜63と、リールモータM1〜M3を駆動させるためのモータ駆動回路2B(図2参照)を備えている。なお、図示しないが、リールモータM1には回転リール61が固定され、リールモータM2には回転リール62が固定され、リールモータM3には回転リール63が固定されている。
リールモータM1〜M3は、ステッピングモータであって、図5に示すように、ロータRと4相のコイルC1,C2,C3,C4を備えており、コイルC1〜C4が順次励磁されることにより、ロータRが回転するものである。なお、図5ではリールモータM2〜M3の記載を省略している。ロータRは駆動軸に連結されており、ロータRが回転することにより駆動軸が回転し、駆動軸に固定された回転リール61〜63が回転するようになっている。4相のコイルC1〜C4は、モータ駆動回路2Bに所定の駆動パルスが供給されることにより励磁し、駆動パルスのパルス数やパルス幅などが制御されることによって、回転リール61〜63に付されている図柄が図柄表示窓Wを上側から下側へ向けて通過するように回転リール61〜63を回転(正回転)させることができるとともに、回転リール61〜63をコマ単位で停止させることができる。さらに、後述する擬似遊技中においては、擬似遊技中ではない本来の遊技中とは異なる態様で回転リールを作動させることができるようになっている。
各回転リール61〜63の外周面には、図3に示すように、「赤7」、「青7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカA」、「スイカB」、「ベル」、「チェリー」、「ダミーA」、「ダミーB」などの図柄が、1つの回転リールにつき21個ずつ付されている。ここで、回転リールに表示されている1図柄分の領域を1コマと称し、回転リール61〜63はそれぞれ、21個の図柄に対応して等分割された21コマを有している。そして、各回転リール61〜63の外周面に連続して配置されている3つの図柄が、図柄表示窓Wから視認可能となっている。
ここで、図柄表示窓Wを通して図柄を視認するための表示位置として、各回転リール61〜63について上段、中段、下段が設けられており、各回転リール61〜63の表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。有効ラインとは、3個の回転リール61〜63の各表示位置にある縦3個横3個合計9個の図柄を1個ずつ繋いでできるライン(入賞ライン)のうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインである。本実施の形態においては、図1に示すように、各回転リール61〜63の中段に位置する図柄を結ぶ中段ラインLが入賞ラインとして設定されている。また、本実施の形態では、1回の遊技を行うために、メダルを3枚又は2枚ベットする(掛ける)ことが可能となっており、3枚のメダルをベットした場合も、2枚のメダルをベットした場合も、入賞ラインLが有効になり、有効ラインとなるものである。そして、スロットマシンSは、スタートスイッチ20の操作によって回転開始し停止スイッチ31〜33の操作によって回転停止した回転リール61〜63の停止図柄により、役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示される(以下、このことを入賞という)と、役に応じた利益が付与されるようになっている。
(制御装置1)
制御装置1は、図示しないメイン基板ケースにメイン基板を収納したメイン基板ユニットと、図示しないサブ基板ケースにサブ基板を収納したサブ基板ユニットとから構成される。メイン基板及びサブ基板は、IC等の各種電子部品を搭載した制御基板であり、メイン基板はスロットマシンSの遊技に関する制御を行うメイン制御装置100(図2参照)を構成し、サブ基板は演出や報知に関する制御を行うサブ制御装置200(図2参照)を構成する。また、メイン制御装置100とサブ制御装置200との間では、メイン制御装置100からサブ制御装置200への一方へ向けてのみコマンドやデータが出力され、サブ制御装置200からメイン制御装置100へ向けてはコマンドやデータが出力されないようになっている。
(メイン制御装置100)
メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作に基づき、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するものである。
メイン制御装置100の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ7A、リールセンサ2A、払い出しセンサ3A、ベットスイッチ10、スタートスイッチ20、停止スイッチ61〜63及び精算スイッチ40が接続されている。ここで、メダルセンサ7Aは、図1に示すように、メダルセレクター7に設けられた検知部であって、メダル投入口5から投入されホッパーユニット3に移送されるメダルを検出するためのものである。リールセンサ2Aは、図示しないが、リールユニット2の枠体に設けられた検知部であって、回転リール61〜63に設けられたスタートインデックスを検出して回転リール61〜63の回転を検知するためのものである。払い出しセンサ3Aは、図示しないが、ホッパーユニット3に設けられた検知部であって、メダル払出装置から払い出されるメダルを検出するためのものである。
一方、メイン制御装置100の出力側には、図2に示すように、リールモータM1〜M3、モータ駆動回路2B、ホッパーモータ3B、ブロッカー7B、ベット表示部11及びクレジット表示部12が接続されている。ホッパーモータ3Bは、図示しないが、ホッパーユニット3に貯留されているメダルを1枚ずつ排出するメダル払出装置を駆動させるためのものである。ブロッカー7Bは、図示しないが、メダルセレクター4の内部を通過するメダルを、メダルセンサ7Aで検出される前にメダルセレクター4の外部に排出するためのメダルキャンセル装置である。排出されたメダルは、下皿6に払い戻される。ベット表示部11は、図1に示すように、図柄表示窓Wの下方に設けられた発光表示部であって、1回の遊技を行うために掛けた(ベットした)メダル数を発光する発光領域の数により表示するものである。クレジット表示部12は、同じく図柄表示窓Wの下方に設けられた7セグメント表示部であり、クレジットされているメダル数を数字で表示するものである。
メイン制御装置100を構成するメイン基板には、図示しないが、遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPU、読み書き可能であって遊技の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRWM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130、遊技結果判定手段140、払出制御手段150、内部抽選状態移行手段160、及び擬似遊技制御手段180の各手段として機能する。
(投入制御手段110)
投入制御手段110は、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作(以下投入操作という)と、遊技結果判定手段140の判定結果に基づいて、1回の遊技を行うためのメダルが掛けられた状態(ベット状態)を設定するためのものである。
具体的には、投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、規定数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。ベット数はベット表示部11に表示される。規定数とは、1回の遊技に掛けることができるメダルの数であり、本実施の形態においては、規定数が3である場合と2である場合が存在する。また、規定数を超えてメダルが投入された場合には、所定数(50)を限度として、投入されたメダルがスロットマシンSに電子的に貯留(クレジット)されたものとして取り扱う。クレジット数はクレジット表示部12に表示される。なお、クレジット数が所定数に達した場合には、ブロッカー7Bが作動してメダル投入口5から投入されたメダルがキャンセルされるようになっている。
そして、投入制御手段110は、クレジットがされている状態でベットスイッチ10が操作されベットスイッチ10の操作信号が入力されることに伴って、規定数を限度として、クレジットされたメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。すなわち、ベットスイッチ10の操作信号の入力に伴い、クレジット表示部12に表示されている数値を規定数分だけ減じて表示するとともに、ベット表示部11に規定数のベット数を表示する。本実施の形態では、ベットスイッチ10を1回操作するごとに規定数のメダル(規定数が3の場合には3枚、規定数が2の場合には2枚)がベットされるように形成されているが、ベットスイッチ10を1回操作するごとに1枚のメダルがベットされるようにしてもよい。あるいは、1回操作するごとに1枚のメダルがベットされるシングルベットスイッチを別に設けてもよい。
さらに、投入制御手段110は、遊技結果判定手段140が後述するリプレイの入賞を判定した場合には、前回の遊技と同一のベット数で自動的にベット状態を設定する。投入制御手段110によって自動的にベット状態が設定されることを、再遊技の作動という。
(役抽選手段120)
役抽選手段120は、回転リール61〜63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた「役」について、当選か否かの役抽選を行うものであり、図示しないが、ループカウンタ、カウント値抽出手段、役抽選テーブル、判定手段及び当選状態設定手段を備えている。ループカウンタは、一定時間に所定(例えば0から65535)の数字を繰り返してカウントするカウンタであり、カウント値抽出手段は、スタートスイッチ20の操作信号を入力したタイミングで、ループカウンタのカウント値を読み取って記憶するものである。役抽選テーブルは、ループカウンタがカウントする数値を全領域として各役についての当選領域を規定したものである。判定手段は、カウント値抽出手段の読み取ったカウント値と役抽選テーブルの当選領域とを照合し、カウント値が所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウント値がいずれの不当選の領域に属する場合には、「ハズレ」の決定をするものである。当選状態設定手段は、判定手段が当選を決定した場合に、当該当選に対応する当選フラグを成立させることにより当選状態を設定するものである。なお、当選状態設定手段は、判定手段の判定結果に関わらず当選状態を設定する場合があるがこれについては後述する。
前記役としては、入賞により所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞により次遊技において投入操作を行うことなく再度の遊技を行えるリプレイと、入賞により次遊技からボーナス遊技が行われるボーナスとを備えている。
本実施の形態においては、図4(A)に示すように、ボーナスとして、「スイカB・ダミーB・ダミーA」の図柄組合せが対応付けられたBB(ビッグボーナス)が設けられている。BBが入賞すると、次の遊技からボーナス遊技が開始される。ボーナス遊技では、役抽選の抽選結果に関わらず小役が当選状態になるとともに、少なくとも1個の回転リールについて、後述するスベリコマ数が最大スベリコマ数よりも少ないコマ数以下となる。また、本実施の形態では、ボーナス遊技以外の遊技では、規定数が3に設定されており、ボーナス遊技中は、規定数が2に変更される。ボーナス遊技中は、図4(A)に示すように、小役が入賞しても1回の遊技で投入枚数以下のメダルしか払い出されない。ボーナス遊技は、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数、例えば26枚を超えた場合に終了する。
前記小役としては、ベル1〜ベル10までの10個のベル役と、チェリー役が設けられている。各ベル役には、ベル図柄、リプレイ図柄、BAR図柄、スイカA図柄、スイカB図柄、チェリー図柄、赤7図柄、青7図柄、ダミーA図柄、ダミーB図柄を組み合わせて構成される図柄組合せが対応付けられている。例えばベル1は「ベル・ベル・ベル」の図柄組合せが対応付けられており、ベル2は「青7・ベル・リプレイ」など6個の図柄組合せが対応付けられている。また、チェリー役には、「チェリー・ANY・ANY」(ANYは何の図柄でもよい意味)の図柄組合せが対応付けられている。小役の入賞により払い出されるメダル数は、規定数に応じて設定されている。すなわち、規定数が2の場合には、全ての小役は入賞により2枚以下のメダルが払い出される。一方、規定数が3の場合には、ベル1については入賞により9枚のメダルが払い出され、その他のベル役は入賞により1枚のメダルが払い出されるように形成されている。
前記リプレイとしては、リプレイ1〜リプレイ4の4個が設けられている。リプレイ1〜リプレイ4のそれぞれには、リプレイ図柄、ベル図柄、スイカA図柄、スイカB図柄、赤7図柄を組み合わせて構成される図柄組合せが対応付けられている。例えば、リプレイ1には、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられており、リプレイ3には、「赤7・赤7・赤7」「赤7・赤7・ベル」などの8個の図柄組合せが対応付けられており、リプレイ4には「リプレイ・スイカA・ベル」などの8個の図柄組合せが対応付けられている。リプレイ1〜リプレイ4のいずれかが入賞すると、再遊技が作動し、当該遊技終了後の次遊技において、投入操作を行うことなくスタートスイッチ20が操作可能となる。
本実施の形態における役抽選テーブルの概念図を図4(B)に示す。ここで、図4(B)は、複数の役抽選テーブルに設定されている当選領域の有無を示したものであり、左欄に示した当選領域が含まれていることを丸印で表している。当選領域には不当選(ハズレ)も含まれる。
役抽選テーブルとしては、図4(B)に示すように、通常状態において用いられる通常テーブルと、ボーナス内部中において用いられる内部中テーブルと、ボーナス作動中において用いられるボーナステーブルとが設けられている。
ここで、通常状態、ボーナス内部中、ボーナス作動中は、それぞれ、役抽選手段120の抽選態様の違いによるスロットマシンSの内部抽選状態を表すものである。ボーナス作動中とはボーナス遊技が行われる内部抽選状態のことであり、ボーナス内部中とは、後述するボーナスフラグ(BBフラグ)が持ち越されている内部抽選状態のことであり、通常状態とは、それらのいずれでもない内部抽選状態のことである。通常テーブルには、図4(B)に示すように、単独又は複数の所定の役から構成される当選領域と、不当選領域とが設けられている。内部中テーブルには、BBの当選領域と不当選領域が設けられていない。ボーナステーブルは、不当選の領域のみが設けられている。
また、図4(B)に示す「中ベル1」〜「右ベル6」の12個の当選領域に対しては、3個の停止スイッチ31〜33に基づく6通りの操作順序(打順)のうち、左側に位置する停止スイッチ31を最初に操作する打順(左押し)以外の打順が、それぞれ割り当てられている。具体的には、「中ベル1」〜「中ベル3」の各当選領域に対しては、停止スイッチ32、停止スイッチ31、停止スイッチ33の順で操作する打順(中→左→右)が、「中ベル4」〜「中ベル6」の各当選領域に対しては、停止スイッチ32、停止スイッチ33、停止スイッチ31の順で操作する打順(中→右→左)が、「右ベル1」〜「右ベル3」の各当選領域に対しては、停止スイッチ33、停止スイッチ31、停止スイッチ32の順で操作する打順(右→左→中)が、「右ベル4」〜「右ベル6」の各当選領域に対しては、停止スイッチ33、停止スイッチ32、停止スイッチ31の順で操作する打順(右→中→左)が、それぞれ割り当てられている。割り当てられている打順が、各当選領域の当選に対する正解の打順となる。そして、「中ベル1」〜「右ベル6」のいずれかが当選した場合、正解の打順で停止スイッチ31〜33が操作されたか否かによって、入賞し得るベル役が変化するようになっているが、これについては後述する。上記したように打順が設定されている当選領域「中ベル1」〜「右ベル6」を総称して「打順ベル」というものとする。
なお、「リプレイB」〜「リプレイD」の3個の当選領域が当選した場合には、どのような打順で停止スイッチ31〜33が操作(停止操作)されたかにより、入賞するリプレイ(リプレイ)が変化するようになっているが、この詳細についても後述する。
さて、図4(B)では明記していないが、各役抽選テーブルにおける全ての小役の当選領域の全領域に対する割合(当選確率)は、通常テーブル及び内部中テーブルにおいて、同等に設定されている。また、ボーナステーブル以外の役抽選テーブルにおけるリプレイの当選確率(合算値)は、通常テーブルよりも内部中テーブルの方が高くなるように設定されている。例えば、通常テーブルでは、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されており、内部中テーブルでは、リプレイの当選確率が約1/3.5に設定されている。これにより、内部抽選状態がボーナス内部中である遊技状態では、遊技メダルを新たに投入することなく遊技を行える再遊技の回数が増えるとともに、小役の当選確率は変化しないので、手持ちのメダルの目減りが少なくなる。
また、「リプレイA」〜「リプレイD」の当選確率は、「リプレイC」「リプレイD」は「リプレイA」「リプレイB」よりも低く設定されている。すなわち、「リプレイA」「リプレイB」は比較的頻繁に当選するが、「リプレイC」「リプレイD」は希にしか当選しないようになっている。
なお、上記した役抽選テーブルの構成や当選確率は一例であって、上記した態様や数値に限られるものではない。例えば、ボーナステーブルに小役やリプレイや不当選の当選領域が設けられていてもよい。
上記した当選状態設定手段は、ボーナス作動中でない場合において、前記役抽選手段120による役抽選の結果、小役が当選した場合には小役フラグ(ベル1フラグ、チェリーフラグなど)を成立させ、ボーナスが当選した場合にはボーナスフラグ(BBフラグ)を成立させ、リプレイが当選した場合にはリプレイフラグ(リプレイ1フラグなど)を成立させる。また、複数の役から構成される当選領域が当選した場合には、当該領域に含まれる全ての役に対応する当選フラグを成立させる。小役フラグ及びリプレイフラグは1回の遊技限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナスが入賞するまでリセットされない。すなわち、ボーナス当選の場合には、当選状態が次の遊技以降に持ち越されるようになっている。さらに、当選状態設定手段は、ボーナス作動中においては、役抽選の結果に関わらず、全ての小役フラグを成立させるようになっている。すなわち、ボーナス作動中は、役抽選の結果が不当選であっても、全ての小役(ベル1〜10、チェリー)の当選フラグを成立させる。これにより、ボーナス作動中は全ての小役が当選状態に設定され、小役の入賞が容易な状態となる。ただし、ボーナス作動中は小役が入賞しても規定数を超えるメダルは払い出されないので、メダルの獲得に関してはボーナス内部中よりも不利な状態となる。
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号に基づいて、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するためのものである。以下、リール制御手段130による回転リール61〜63の回転制御及び停止制御について説明する。
(回転制御)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20の有効な操作信号を入力した場合に、リールモータM1〜M3を駆動させて回転リール61〜63を回転させるものである。すなわち、規定数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール61〜63の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、全ての回転リール61〜63を一斉に、あるいは所定の順番で回転開始させる。そして、全ての回転リール61〜63の回転速度が、停止操作を可能とするためにあらかじめ設定された定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度を維持する定常回転を行わせるものとなっている。
具体的には、リール制御手段130は、リールユニット2のモータ駆動基板2Bに、所定の間隔で駆動パルスを出力することにより、リールモータM1〜M3を駆動させる。本実施の形態では、4相のコイルC1〜C4(図5参照)のうち、いずれか1つが励磁した状態となる1相励磁といずれか2つが励磁した状態となる2相励磁を交互に繰り返す1−2相励磁方式を採用している。回転リール61〜63を回転させる場合には、あらかじめ定められたタイマーの割り込みタイミングに応じて、4相のコイルC1〜C4をC1→C2→C3→C4の順に、図6(A)に示すパターンで励磁させる。なお、図6(A)(B)に示す丸印は当該コイルを励磁させることを示しており、上欄の数字は説明の都合上付した励磁パターン番号である。本実施の形態では、回転リール61〜63を1回転させるのに504回(504ステップ)の駆動パルスを出力するものとなっており、24ステップ分駆動パルスを出力すると、回転リール61〜63が1図柄分回転移動するものとなっている。そして、各励磁パターンは、駆動パルスを1回出力したときにコイルC1〜C4のうちのいずれが励磁するかを表したものとなる。
図6(A)において、パターン1、パターン2の順にコイルC1〜C4を励磁させることによりロータRが回転開始する。励磁パターン1〜8を繰り返すことにより、ロータRが回転を継続し、励磁パターンを次のパターン(例えばパターン1からパターン2、パターン2からパターン3)に切り替えるまでの時間(つまり1ステップでの励磁時間)が徐々に時間が短くなるように駆動パルスを出力することにより、ロータRの回転速度を徐々に速くして回転リール61〜63を加速回転させることができる。また、所定の速度(例えば定常回転速度)まで加速した状態で各励磁パターンの励磁時間が同一となるよう等間隔で駆動パルスを出力することにより、ロータRの回転速度を一定に保ち回転リール61〜63を一定速度(定常回転速度)で回転させることができる。リールモータM1〜M3を駆動させるために出力される駆動パルスを駆動信号というものとする。
そして、パターン9に示すように、4相のコイルC1〜C4全てを一定時間励磁させることにより、ロータRの回転にブレーキがかかり、回転リール61〜63を停止させることができる。4相のコイルC1〜C4を全て励磁させる駆動パルスを、停止信号というものとする。停止信号の出力後は、パターン10に示すように、4相のコイルC1〜C4を励磁させない(開放する)ことにより、回転リール61〜63の停止状態が保たれる。なお、4相のコイルC1〜C4をC4→C3→C2→C1の順に励磁させた場合には、回転リール61〜63が逆回転(図柄が図柄表示窓Wを下側から上側へ向けて通過するように回転)する。
(停止制御)
リール制御手段130は、リールセンサ2A(図2参照)の検出信号に基づき回転リール61〜63の回転角度を把握しつつ、停止スイッチ31〜33の作動時点(停止スイッチ31〜33の操作が検出された時点=停止操作のタイミング)での回転リール61〜63の回転角度から、有効ライン上に位置している図柄を特定すること(以下図柄参照という)ができるようになっている。そして、リール制御手段130は、停止操作がされた時点において所定位置(例えば上段位置)にある回転リール61〜63の図柄を基準図柄として、回転リール61〜63の回転角度が前記基準図柄をあらかじめ定められたコマ数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)だけ回転方向に移動させたコマ数(引き込み可能コマ数、例えば5コマ)の範囲内となるように、回転リール61〜63を停止させることができる。
具体的には、前記基準図柄を所定位置(上段位置)に停止させてもよい場合には、停止操作のタイミングで、停止信号を出力してそのまま回転リール61〜63を停止させる。また、基準図柄を所定位置に停止させることによって有効ライン上に停止させてはいけない図柄が停止することとなる場合には、停止信号を出力するタイミングを遅らせて、有効ライン上からその図柄を蹴飛ばす蹴飛ばし処理を行う。また、前記引き込み可能コマ数の範囲内に、当選した役に対応付けられた図柄組合せを構成する図柄(当選図柄)が含まれている場合には、停止信号を出力するタイミングを遅らせて、有効ライン上にその当選図柄を引き込む引き込み処理を行う。
リール制御手段130は、これらの処理を、回転リール61〜63の停止位置候補を特定するためのあらかじめ定められた優先順位に基づいて、ロジック演算により停止位置を決定するロジック演算処理と、基準図柄から何コマ分回転させて回転リール61〜63を停止させるかを役抽選の結果及び停止操作のタイミングに応じて図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルに基づいて、停止テーブルを参照して停止位置を決定するテーブル参照処理とにより行う。
まずロジック演算処理では、役ごとに定められた優先順位データに従って引き込み可能コマ数の範囲内に存在する5コマ分の停止位置候補に対して優先度を求める。そして各停止位置候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置候補を実際の停止位置として決定する。本実施の形態では、役についての優先順位が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められており、ロジック演算処理では、2種類以上の役が同時に当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役に対応する図柄組合せを構成する図柄を含む停止位置候補について優先順位が低い役に対応する図柄組合せを構成する図柄を含む停止位置候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。つまり、ボーナスと小役が同時に当選している場合(ボーナス内部中に小役が当選した場合)には小役に対応付けられた小役図柄の停止位置候補が優先的に停止位置として決定され、ボーナスとリプレイが同時に当選している場合(ボーナス内部中にリプレイが当選した場合)にはリプレイに対応付けられたリプレイ図柄の停止位置候補が優先的に停止位置として決定される。
このように、ボーナス内部中において、ボーナスに対応付けられたボーナス図柄の停止位置候補が優先的に停止位置として決定されるのは、役抽選の結果がハズレの場合のみとなるが、本実施の形態においては、内部中テーブルにはハズレの領域が設けられていないので、ボーナス当選に係る遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、ボーナスが入賞する場合はないものとなる。
そこで、本実施の形態では、ボーナス内部中において、打順の設けられていない特定役の当選時に特定の打順で停止操作した場合や、「打順ベル」の当選時に特定の不正解の打順で停止操作した場合に、ボーナスが入賞し得るようになっている。
なお、内部中テーブルにハズレの領域を極めて低い確率、例えば1/65536で設けて、極めて希にボーナスが入賞する場合があるようにしてもよい。
また、役抽選で複数の役から構成される当選領域が当選した場合において、当選状態に設定されている役(当選役)に対応する図柄組合せが有効ライン上に複数成立する可能性がある場合に前記回転リール61〜63を停止させる際の優先度判定方法として、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種類に応じて優先度を求める組合せ優先判定と、小役の配当(入賞したとき払い出されるメダル数)に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める払出優先判定とが存在する。組合せ優先判定により停止位置候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの種類が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置候補についての優先度が求められ、払出優先判定により停止位置候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先度が求められる。ただし、払出優先判定により停止位置候補についての優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。
さらにロジック演算処理では、上記した引き込み処理と蹴飛ばし処理とを回転リール60〜63の停止位置候補を求める処理として行っている。すなわち、当選状態が設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転リール60〜63の停止位置候補を求めるとともに、当選状態が設定されていない役を入賞させることができないように回転リール60〜63の停止位置候補を求めるようになっている。このようにリール制御手段130は、当選役に係る図柄を入賞の形態で停止可能にし、当選していない役に係る図柄が入賞の形態で停止しないように回転リール60〜63の停止位置候補を求めるロジック演算処理を行っているものである。
そして、リール制御手段130は、ロジック演算処理において、最も優先度の高い停止位置候補が複数ある場合には、停止テーブルを用いたテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。停止テーブルとしては、引き込み可能コマ数の範囲内で当選図柄を有効ライン上に引き込み、当選図柄以外の図柄を有効ライン上から蹴飛ばすように、回転リール60〜63の停止位置候補が規定された当選図柄引き込みテーブルと、引き込み可能コマ数の範囲内で、いかなる役に対応する図柄組合せも有効ライン上に揃わないように、回転リール60〜63の停止位置候補が規定されたハズレテーブルとが設けられている。停止テーブルは、3個の回転リール60〜63にそれぞれ対応して設けられており、先に停止した回転リールの停止図柄に応じて、未停止の回転リールの停止テーブルが選択されるようになっている。
ここで、ボーナス作動中においては、全ての小役フラグが成立している状態に対応したロジック演算処理が行われ、そのような状態に設定対応する停止テーブルが用いられる。これにより、停止操作のタイミングによって、いずれの小役図柄でも、有効ライン上に引き込み可能となっている。また、ボーナス作動中においては、あらかじめ設定された少なくとも1個の回転リール(例えば左リール61)に対応するものについて、スベリコマ数が1コマ以下(1コマ又は0コマ)となるようにロジック演算処理が行われ、そのようなスベリコマ数に対応する停止テーブルが用いられる。これにより、ボーナス作動中においては、少なくとも1個の回転リールについては、当選図柄の引き込みコマ数が最大1コマとなる。
(打順ベル当選時の停止制御)
次に、打順が設定された当選領域が当選した場合の停止制御について詳述する。
まず、「打順ベル」のいずれか、すなわち図4(B)に示す「中ベル1」〜「右ベル6」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態においては、「打順ベル」の領域に共通して含まれるベル1の図柄組合せを構成する図柄(ベル図柄)は、全ての回転リール61〜63において通常状態及びボーナス内部中における最大スベリコマ数(4コマ)を超える間隔をあけずに配置されている。また、「中ベル1」〜「中ベル6」の領域に共通して含まれるベル2の図柄組合せを構成する図柄と、「右ベル1」〜「右ベル6」の領域に共通して含まれるベル3の図柄組合せを構成する図柄は、個々の図柄組合せについてみると全ての回転リール61〜63において4コマを超える間隔をあけずに配置されているわけではないが、複数の図柄組合せを合わせると、全ての回転リール61〜63において4コマを超える間隔をあけずに配置されているものとなっている。つまり、ベル1〜3は、最大スベリコマ数が4コマに設定されている制御中(ボーナス作動中以外)においては、停止操作のタイミングに関わらず入賞可能な設定となっている。一方、各「打順ベル」に含まれる、ベル4〜9のベル役の図柄組合せを構成する図柄には、回転リール61〜63のいずれかにおいて4コマを超える間隔をあけて配置されている図柄が含まれており、ベル4〜9が単独で当選したとしても目押しをしないと入賞できない設定となっている。そして、リール制御手段130は、ボーナス作動中以外の状態において、役抽選により、いずれかの「打順ベル」が当選した場合には、停止操作の態様に応じて、当該領域に含まれるベル1〜3のいずれかのベル役に対応する図柄組合せを有効ライン上に停止表示させるように、停止制御を行う。
具体的には、役抽選により「打順ベル」が当選した場合に、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の打順で各停止スイッチ31〜33が操作された場合には、払出優先判定により停止位置候補についての優先度を求め、停止操作のタイミングに関わらず、ベル1の図柄組合せを構成する図柄を、他のベル役の図柄組合せを構成する図柄に優先して、有効ライン上に引き込んで、ベル1を入賞させる。ベル1が入賞した場合には、9枚(ボーナス作動中は2枚)のメダルが払い出される。一方、その正解の打順以外の打順(不正解の打順)で各停止スイッチ31〜33が操作された場合には、組合せ優先判定により停止位置候補についての優先度を求め、ベル2乃至ベル9のいずれかの図柄組合せを構成する図柄を、ベル1の図柄組合せを構成する図柄に優先して、有効ライン上に引き込む制御を行う。ベル2乃至ベル9のいずれかが入賞した場合には、1枚のメダルが払い出される。すなわち、ベル1は正解の打順で停止操作したときに入賞する正解役であり、それ以外のベル役は不正解の打順で停止操作したときに入賞する不正解役として位置づけられている。
具体例を挙げると、図4(B)に示す「中ベル1」の当選時に、中→左→右の順で停止操作された場合には、全ての回転リール61〜63で他の図柄に優先してベル図柄を引き込んでベル1を入賞させ、右→左→中の順で停止操作された場合には、右側の回転リール63でベル図柄に優先してスイカA図柄を引き込み、左側の回転リール61で赤7図柄、リプレイ図柄のいずれかを引き込んでベル4が入賞し得るように、停止制御を行う。
(リプレイ当選時の停止制御)
次に、図4(B)に示す「リプレイB」〜「リプレイD」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。リール制御手段130は、役抽選により上記した「リプレイB」〜「リプレイD」のいずれかが当選した場合には、停止操作の態様に応じて、有効ライン上に停止表示させるリプレイに対応する図柄組合せが異なるものとなるように停止制御を行う。これらの制御は、停止スイッチ31〜33の打順に応じて設けられている停止テーブルを参照して行われる。
具体的には、「リプレイB」〜「リプレイD」の当選時に、左押しで停止操作された場合には、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイ1に対応する「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せ(以下リプレイ揃いという)を有効ライン上に停止させる制御を行う。
一方、「リプレイB」の当選時に、中央に位置する停止スイッチ32を最初に操作する打順(中押し)、あるいは右側に位置する停止スイッチ33を最初に操作する打順(右押し)で停止操作された場合には、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイ2に対応する「リプレイ・リプレイ・ベル」又は「リプレイ・ベル・ベル」の図柄組合せを有効ライン上に停止させる制御を行う。
また、「リプレイC」の当選時に、中押し又は右押しで停止操作された場合には、回転リール61、63ではベル図柄、回転リール62ではリプレイ図柄に優先して、赤7図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、リプレイ3に対応する「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せ(以下赤7揃いという)を表示させることができる。停止操作のタイミングで赤7図柄を有効ライン上に引き込めない場合には、リプレイ図柄を引き込んで、「リプレイ・リプレイ・赤7」のような、リプレイ3に対応する図柄組合せのうち赤7揃い以外の図柄組合せを有効ライン上に停止させる制御を行う。
また、「リプレイD」の当選時に、中押し又は右押しで停止操作された場合には、回転リール62ではリプレイ図柄、スイカA図柄、スイカB図柄及びダミーA図柄、回転リール63ではリプレイ図柄及びベル図柄に優先して、赤7図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、リプレイ4に対応する「リプレイ・赤7・赤7」の図柄組合せ(以下赤7リーチ揃いという)を表示させることができる。停止操作のタイミングで赤7図柄を有効ライン上に引き込めない場合には、回転リール62ではスイカA図柄又はスイカB図柄又はダミーA図柄、回転リール63ではベル図柄を引き込んで、「リプレイ・スイカ(A又はB)・赤7」「リプレイ・赤7・ベル」のような、リプレイ4に対応する図柄組合せのうち赤7リーチ揃い以外の図柄組合せを有効ライン上に停止させる制御を行う。
ところで、本実施の形態においては、後述する擬似遊技発生抽選に当選した場合に、スタートスイッチ20の操作信号に基づき回転リール61〜63を擬似的に回転させ、停止スイッチ30〜33の操作信号に基づき回転リール61〜63を擬似的に停止させる擬似遊技が行われるものとなっている。上記した回転制御及び停止制御は、本来の遊技中において行われるものである。そして、リール制御手段130は、擬似遊技中においては、回転リール61〜63の擬似的な回転及び擬似的な停止を制御する擬似停止制御を行うものとなっているが、この詳細については後述する。
(遊技結果判定手段140)
遊技結果判定手段140は、停止スイッチ31〜33の操作によって回転リール61〜63が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、回転リール61〜63が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、その判定結果情報を、払出制御手段150及び内部抽選状態移行手段160に送信する。前述したように、入賞によるメダルの払い出し枚数は、規定数によって異なっており、内部抽選状態がボーナス作動中である場合には、規定数が2の場合に対応する払い出しを決定し、ボーナス作動中でない場合には、規定数が3の場合に対応する払い出しを決定する(図4参照)。小役が入賞した判定結果情報を受信した払出制御手段150は、ホッパーユニット3を作動させて入賞メダルの払い出し処理を行う。リプレイが入賞した判定結果情報を受信した投入制御手段110は自動ベット処理を行い、ボーナスが入賞した判定結果を受信した内部抽選状態移行手段160は、ボーナス作動中への移行準備処理を行う。
(払出制御手段150)
払出制御手段150は、遊技結果判定手段140の判定結果及び精算スイッチ40の操作に基づいて、ホッパーモータ3Bを作動させてホッパーユニット3からメダルを払い出させるものである。すなわち、遊技結果判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ40の操作信号を入力したときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出させるようになっている。
なお、入賞により払い出されるメダルを、クレジットに電子的に貯留し、クレジットを超過する払い出し分をホッパーユニット3から払い出させるようにしてもよい。
(内部抽選状態移行手段160)
内部抽選状態移行手段160は、内部抽選状態の移行を制御するものである。本実施の形態では、前述したように、内部抽選状態として、通常状態と、ボーナス内部中と、ボーナス作動中とが設けられている。スロットマシンSの内部抽選状態は、初期状態(工場出荷時又は設定変更時)において通常状態に設定されており、内部抽選状態移行手段160は、通常状態中にボーナス(BB)が当選すると、内部抽選状態をボーナス内部中に移行させる。また、ボーナス内部中においてボーナスが入賞すると、内部抽選状態をボーナス作動中に移行させる。そして、所定のボーナス終了条件(所定枚数を超える払い出し)に該当した場合には、内部抽選状態を通常状態に移行させる。そして、役抽選手段120が内部抽選状態に応じた役抽選テーブルを取得し役抽選を行うことにより、通常状態、ボーナス内部中、ボーナス作動中の各内部抽選状態が発動する。
ここで、既述したように、本実施の形態においては、ボーナスが当選し、当該遊技でボーナスを入賞させられなかった場合には、ボーナス内部中にボーナスを入賞させることができない仕様となっている。したがって、本実施の形態における内部抽選状態は、いったんボーナスが当選し当該遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、常にボーナス内部中に滞在することとなる。
(擬似遊技制御手段180)
擬似遊技制御手段180は、擬似遊技の実行を制御するものである。擬似遊技は、後述するフリーズ状態が設定されているときに擬似的に進行される遊技であって、スタートスイッチ20の操作に基づき回転リール61〜63を擬似的に回転させ、擬似的に回転している回転リール61〜63を、それぞれに対応する停止スイッチ31〜33の操作に基づき擬似的に停止させ、回転リール61〜63が擬似的に停止したことに伴って、本来の遊技の結果に応じた利益とは異なる特典が付与されるように設定されたものである。そして、擬似遊技制御手段180は、図2に示すように、発生抽選手段181、フリーズ設定手段182、擬似役抽選手段183の各手段を備えている。
ここで、本実施の形態における擬似遊技の概略を説明すると、発生抽選手段181の行う擬似遊技発生抽選に当選することに伴って、フリーズ設定手段182がフリーズ状態を設定する。フリーズ状態の設定は、擬似遊技の発生又は開始として位置づけられる。そして、フリーズ状態が設定されると、擬似役抽選手段183が擬似役抽選を行い、リール制御手段130は回転リール61〜63を回転開始させる。この際、本来の遊技と同様の制御ロジックで回転処理や図柄参照が行われるが、フリーズ状態が設定されている間(フリーズ中)に回転リール61〜63を回転させることを、本来の遊技の回転リール61〜63の回転と区別して擬似回転というものとする。また、回転リール61〜63が擬似回転しているときに、停止スイッチ30〜33の操作信号の入力に伴いリール制御手段130が回転リール61〜63を停止させる。この際、擬似役抽選の結果に応じて本来の遊技と同様の引き込み処理や蹴飛ばし処理が行われるが、フリーズ中に回転リール61〜63を停止させることを、本来の遊技の回転リール61〜63の停止と区別して擬似停止というものとする。そして、3個の回転リール61〜63を擬似停止させると、擬似遊技の1回が終了したものとなる。そして、フリーズ中に、この擬似遊技が複数回実行され得るようになっている。
なお本実施の形態では、擬似停止により、所定のリプレイに対応付けられた図柄組合せが表示されるようになっている。ただし、フリーズ中は遊技結果判定手段140が遊技結果の判定を行わないので、リプレイに対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されても、そのことによって再遊技が作動することはない。
1回の擬似遊技が終了した場合には、擬似役抽選の結果に応じて、フリーズ状態が継続するか否が決定付けられる。フリーズ状態が継続する抽選結果(後述する「継続」「逆転継続」)の場合には、スタートスイッチ20の操作待ち状態となり、スタートスイッチ20の操作信号の入力に伴い擬似役抽選が行われるとともに回転リール61〜63が擬似回転し、停止スイッチ30〜33の操作信号の入力に伴い回転リール61〜63が擬似停止する。一方、フリーズ状態が継続しない抽選結果(後述する「非継続」)の場合には、フリーズ状態が解除される。
このように、擬似遊技では、本来の遊技と同様の操作手順で本来の遊技と同様の回転リール61〜63の挙動が実現されるが、あくまでも、フリーズ中に操作スイッチの操作信号に基づいて行われる演出の一態様として位置づけられる。そして、本実施の形態においては、擬似遊技発生抽選に当選すると、後述するAT制御手段230の制御に基づくAT(アシストタイム)の実行が確定し、擬似遊技の結果に応じて、ATの初期遊技回数の加算が決定される(ATの初期遊技回数の設定がされる)という特典が付与されるものとなっている。
本実施の形態では、発生抽選手段181は、本来の遊技中のスタートスイッチ20の操作を契機に、擬似遊技を発生させるか否かの擬似遊技発生抽選を行う。また発生抽選手段181は、内部抽選状態がボーナス内部中である場合に、毎遊技、役抽選の結果に関わらず、擬似遊技発生抽選を行うものとなっている。そして、上記したように、擬似遊技の結果に応じてATの初期遊技回数が設定されるので、擬似遊技発生抽選は、実質的には、ATを開始するか否かを決定するAT抽選として機能するものとなっている。
フリーズ設定手段182は、擬似遊技発生抽選に当選した場合に、本来の遊技の進行が停止するフリーズ状態を設定する。
ここで、メイン制御装置100は、基本的には、回転リール61〜63の回転中や入賞によるメダルの払い出し中、あるいは再遊技の作動中には、ベット操作を無効としている。すなわち、メダルセレクター4をメダルキャンセル状態にし、ベットスイッチ10の操作を無効としている(操作信号を受け付けない、あるいは受け付けても無視する。以下同様)。また、回転リール61〜63の回転中はもちろんのこと、回転リール61〜63が停止していてもベットがされていない状態では、スタートスイッチ20の操作を無効とし、所定のウエイト時間が経過するまでは、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の回転開始を保留する。すなわち、ウエイト時間の経過前にスタートスイッチ20の操作信号を入力しても、ウエイト時間が経過するまではリールモータM1〜M3に駆動信号が出力されないようになっている。ただし、スタートスイッチ20の操作信号に基づく役抽選処理は行われ、ウエイト時間の経過後、回転リール61〜63は再度のスタートスイッチ20の操作なしに回転開始する。また、回転リール61〜63が停止している場合はもちろんのこと、回転リール61〜63の回転開始後、回転速度が定常回転速度に達し、かつ全ての回転リール61〜63についてスタートインデックスが検知されて図柄参照が可能な状態となるまでは、停止スイッチ31〜33の操作を無効としている。
一方、フリーズ設定手段182によってフリーズ状態が設定されている場合には、メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号を受け付けるものの、それらの信号に基づく本来的な遊技の進行を停止した状態とする。具体的には、回転リール61〜63の擬似停止中には、スタートスイッチ20の操作信号を受け付け、これに基づきリール制御手段130はリールモータM1〜M3に駆動信号を出力するが、役抽選手段120は役抽選を行わない。代わりに擬似役抽選手段183が擬似役抽選を行う。また、回転リール61〜63の擬似回転中には、回転速度が定常回転速度に達し、かつ全ての回転リール61〜63について図柄参照が可能な状態になることを条件に停止スイッチ31〜33の操作信号を受け付けるが、リール制御手段130は擬似役抽選の結果に基づいて引き込み処理や蹴飛ばし処理を行い、回転リール61〜63を擬似停止させる。そして、回転リール61〜63が擬似停止しても、遊技結果判定手段140は遊技結果の判定を行わない。なお、擬似遊技発生抽選は、ベット後の本来のスタートスイッチ20の操作を契機に行われるので、フリーズ状態の設定中(フリーズ中)は、フリーズ状態であるか否かに関わらずベット操作は無効である。
また、フリーズ設定手段182は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作待ち時間を計時するフリーズタイマー(図示せず)を備えている。フリーズタイマーは、フリーズ状態が設定されることに伴い所定時間(例えば60秒)の計時を開始し、フリーズ中にスタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号を入力した場合には、フリーズタイマーの計時時間が所定時間(例えば10秒)上書きされる。また、フリーズ状態が解除される場合には計時を終了する。なお、フリーズタイマーがタイムアップした場合(操作待ち時間内に操作信号を入力しない場合)の処理については後述する。
擬似役抽選手段183は、フリーズ状態が設定されることを契機に、またフリーズ中においてスタートスイッチ20の操作信号を入力したこと契機に、擬似役抽選テーブルを用いて擬似役抽選を行う。本実施の形態では、擬似役抽選により、フリーズ状態の継続、非継続も同時に決定されるようになっており、擬似役抽選テーブルには、図7に示すように、「継続」「逆転継続」「非継続」の3つの当選領域が設けられている。各領域は、例えば2:1:1の割合で設けられており、擬似役抽選テーブルには不当選領域は設けられていない。また、「継続」は、リプレイ1及びリプレイ3から構成され、「逆転継続」及び「非継続」は、リプレイ1及びリプレイ4から構成されている。擬似役抽選は、役抽選手段120の行う役抽選と同様の手法で行われ、フリーズ中の所定契機(例えばフリーズ状態の設定時やスタートスイッチ20の操作信号の入力時)に取得したループカウンタのカウント値と擬似役抽選テーブルとを照合して、いずれかの当選領域の当選を決定する。
(フリーズ中のリール制御)
ここで、フリーズ中におけるリール制御手段130のリール制御について、図6及び図8(A)(B)を参照しつつ説明する。図8は、回転リール61〜63の回転開始から停止までの挙動を表したタイムチャートであり、図8(A)は本来の遊技における回転リール61〜63の挙動、図8(B)はフリーズ中(擬似遊技中)における回転リール61〜63の挙動を示す。なお、プラスの速度は正回転、マイナスの速度は逆回転を表すものである。
既述したように、リール制御手段130は、フリーズ中には、本来の遊技と同様の制御ロジックで回転リール61〜63の擬似回転制御を行う。すなわち、フリーズ状態が設定されたときには、停止している回転リール61〜63を本来の遊技と同様の挙動で擬似回転させ、フリーズ中であって回転リール61〜63を擬似停止させているときにスタートスイッチ20の操作信号が入力された場合には、擬似停止させている回転リール61〜63を本来の遊技と同様の挙動で擬似回転させる。具体的には、停止又は擬似停止している回転リール61〜63が回転開始後、所定時間T(図8(A)参照)で定常回転速度に達するようにリールモータM1〜M3を加速駆動させ、回転リール61〜63の回転速度が定常回転速度に達したら、図柄参照を行いつつ、定常回転速度を維持するようにリールモータM1〜M3を駆動させる。そして、回転リール61〜63を擬似回転させている間に停止スイッチ31〜33の操作信号を入力した場合には、擬似役抽選の抽選結果に応じて、本来の遊技と同様の制御ロジックで引き込み処理及び蹴飛ばし処理を行うとともに、本来の遊技とは異なる制御ロジックで擬似停止処理を行う。
擬似停止処理は、図6(B)のパターン9に示すように、4相のコイルC1〜C4のうち特定の1相(コイルC1)を励磁させてロータRの回転を停止させるものである。また、これに先立って、例えばパターン5〜8の範囲で、1ステップでの励磁時間が徐々に長くなるように駆動パルスを出力することにより、ロータRの回転速度を徐々に遅くして回転リール61〜63の回転速度を減速させるようにしている(図8(B)参照)。そして、コイルC1のみを励磁状態にしてロータRの回転を停止させた後は、図6(B)のパターン10〜14に示すように、コイルC1について、1ステップごとに、開放、励磁を繰り返すようにしている。かかる励磁パターンではロータRは回転せず、外見上は回転リール61〜63が停止しているように見えるが、内部的には本来の遊技における停止状態とは異なる擬似停止状態となる。
ここで、擬似停止状態で励磁させるコイルはC1に限られず、1つに限られるものではない。また擬似停止状態での励磁パターンは、ロータRが回転しない励磁パターンであれば、図6(B)に示したパターンに限られるものではない。さらに、擬似停止処理においても、本来の遊技の停止処理と同様に、4相のコイルC1〜C4を全相励磁状態にしてロータRの回転を停止させるようにしてもよい。
例えば、図8(C)に示すように、4相のコイルC1〜C4を全相励磁状態にして、あるいは1相励磁状態にしてロータRの回転を停止させた後、数ステップ(例えば2ステップ)分ずつ、正転方向の励磁と逆転方向の励磁を繰り返すようにしてもよい。このように形成した場合には、回転リール61〜63が停止した後上下に振動しているように見える挙動で擬似停止状態となる。励磁させるステップ数を多くすれば、回転リール61〜63の上下動の振り幅が大きくなって、ゆらゆら揺れているような挙動で擬似停止状態となる。また、図8(D)に示すように、4相のコイルC1〜C4を全相励磁状態にして、あるいは1相励磁状態にしてロータRの回転を停止させた後、所定時間(例えば500ms以内の所定時間)ごとに、数ステップ(例えば4ステップ)分ずつ、逆転方向の励磁と正転方向の励磁を行うようにしてもよい。このように形成した場合には、回転リール61〜63が停止した後所定時間ごとにピクッと上下動する挙動で擬似停止状態となる。
さらに、回転リール61〜63が停止する時の態様が、本来の遊技とは異なるようにしてもよい。例えば、図8(E)に示すように、停止位置から数ステップ逆転方向に励磁させた後に正転方向に励磁させて停止位置に戻すことにより、回転リール61〜63がバウンドして停止する挙動とすることができる。このような挙動は、回転リール61〜63を停止位置より数ステップ分正転させた後に逆転させて停止位置に戻すようにしても実行できる。また、停止時の励磁方法を変化させることにより、回転リール61〜63を逆転させずに振動させるようにしてもよい。停止後は、本来の遊技の場合と同様に4相のコイルC1〜C4を開放状態にしてもよいし、特定の1相を励磁状態にしてもよい。
そして、リール制御手段130は、上記した停止処理を用いて、当該停止スイッチ31〜33の打順に応じて、擬似役抽選により当選した当選領域に含まれるいずれかのリプレイに対応つけられた図柄組合せを、中段ラインL上に擬似停止させる擬似停止制御を行う。
具体的には、「継続」「逆転継続」「非継続」の当選時に左押しされた場合には、リプレイ1に対応するリプレイ図柄を中段ラインL上に擬似停止させて、リプレイ揃いを表示させる。また、「継続」の当選時に中押し又は右押しされた場合には、リプレイ3に対応する赤7図柄が中段ラインL上に擬似停止され得るように引き込み処理を行い、赤7揃いを表示させることができる。赤7図柄を中段ラインL上に引き込めない場合には、リプレイ3に対応するいずれかの図柄を中段ラインL上に擬似停止させて、リプレイ3に対応するいずれかの図柄組合せを表示させる。
また、「非継続」の当選時に中押し又は右押しされた場合には、リプレイ4に対応する赤7図柄を中段ラインL上に擬似停止され得るように引き込み処理を行い、赤7リーチ揃いを表示させることができる。赤7図柄を中段ラインL上に引き込めない場合には、リプレイ4に対応するいずれかの図柄を中段ラインL上に擬似停止させて、リプレイ4に対応するいずれかの図柄組合せを表示させる。
一方、「逆転継続」の当選時に中押し又は右押しされた場合においては、「非継続」の当選時と同様に、リプレイ4に対応する赤7リーチ揃いあるいはリプレイ4に対応するいずれかの図柄組合せを中段ラインL上に表示させるものの、全ての回転リール61〜63を擬似停止させた後、所定の契機(所定時間の経過)で回転リール61〜63を擬似回転させるとともに、リプレイ揃いを中段ラインL上に表示させる処理を行うようになっている。
さらに、リール制御手段130は、回転リール61〜63を擬似回転させているときに、フリーズタイマーがタイムアップした場合には、自動的に1回の擬似遊技を終了させる。具体的には、タイムアップしたタイミングで停止スイッチ31〜33が操作されたものとして、擬似回転中の回転リール61〜63を自動的に擬似停止させる処理を行うとともに、回転リール61〜63を自動的に擬似回転させて、擬似役抽選の結果に応じた図柄組合せを中段ラインL上に表示させる処理を行う。すなわち、「継続」が当選している場合は、赤7揃いを表示させ、「逆転継続」が当選している場合は、赤7リーチ揃いを表示させた後にリプレイ揃いを表示させる。また、「非継続」が当選している場合は、赤7リーチ揃いを表示させるように形成されている。
なお、擬似回転中の回転リール61〜63を自動的に擬似停止させる際に、赤7揃いや赤7リーチ揃いを表示させる処理を平行して行うようにしてもよい。
停止スイッチ31〜33が操作されることに伴って1回の擬似遊技が終了した後、及び、上記したように自動的に1回の遊技が終了した後は、擬似役抽選の結果が「継続」又は「逆転継続」である場合には、フリーズタイマーがスタートスイッチ20の操作待ち時間の計測を開始して、フリーズ状態(擬似遊技)が継続する。また、擬似役抽選の結果が「非継続」である場合には、フリーズ設定手段182はフリーズ状態を解除して、擬似遊技が終了するものとなる。
一方、回転リール61〜63を擬似停止させているときに、フリーズタイマーがタイムアップした場合(操作待ち時間内にスタートスイッチ20が操作されなかった場合)には、リール制御手段130は、擬似停止状態を終了させる。この場合には、擬似役抽選が行われていないので、フリーズ設定手段182はフリーズ状態を解除して、擬似遊技が終了するものとなる。
(サブ制御装置200)
サブ制御装置200は、メイン制御装置100から出力されるコマンドやデータ(遊技制御情報)に基づいて、画像表示部70やランプ80やスピーカ90等を制御するためのものである。メイン制御装置100がサブ制御装置200に出力する遊技制御情報としては、スタートスイッチ20等の操作スイッチの操作に関する情報や、役抽選の抽選結果に関する情報や、回転リール61〜63の回転及び停止に関する情報や、リールユニット2の作動情報や、停止図柄の表示態様などの遊技結果に関する情報がある。また、内部抽選状態の移行に関する情報や、擬似遊技に関する情報がある。擬似遊技に関する情報には、擬似遊技を開始する際に出力する擬似遊技開始コマンドと、擬似遊技を終了する際に出力する擬似遊技終了コマンドとがある。
サブ制御装置200を構成するサブ基板には、図示しないが、演出に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて演出の進行に関する制御を行うメインCPU、読み書き可能であって遊技の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRWM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、少なくとも、演出状態移行手段210、演出実行制御手段220、AT制御手段230として機能する。
(演出状態移行手段210)
演出状態移行手段210は、サブ制御装置200の制御に基づく演出状態の移行を制御するためのものである。
演出状態としては、ATが実行される演出状態であるAT状態と、AT状態以外の演出状態である非AT状態とが設けられている。AT状態には、通常のATが行われる通常AT状態と、特別ATが行われる特別AT状態が設けられている。
スロットマシンSは、初期状態(工場出荷時等)においては、演出状態は非AT状態となっている。そして、演出状態移行手段210は、非AT状態中(以下非AT中と省略)において、メイン制御装置100から擬似遊技開始コマンドを入力した場合には、演出状態を通常AT状態に移行させる。擬似遊技発生抽選は、ボーナス内部中において行われるので、通常AT状態へは、内部抽選状態がボーナス内部中の場合にのみ移行し得る。
通常AT状態は、例えば最低5回の遊技が保証されており、上述した擬似遊技の結果に応じて、通常ATの遊技回数が設定される。後述する上乗せ抽選で当選した場合には、さらに所定の遊技回数が上乗せされる。通常AT状態中(以下通常AT中と省略)においては、「打順ベル」の当選時に、ベル1を入賞させるための正解の打順が報知される打順ナビ(ベルナビ)が行われる。そして、設定された回数の遊技が終了すると、演出状態移行手段210は、演出状態を通常AT状態から非AT状態に移行させる。
また、演出状態移行手段210は、通常AT中に、後述する特別AT移行抽選に当選し特定の打順で停止操作されたことに伴って、演出状態を特別AT状態に移行させる。特別AT状態中(以下特別AT中と省略)においては、遊技ごとにATの遊技回数の上乗せが行われる。そして、所定回数(例えば5〜10回)の遊技を終了した場合には演出状態を通常AT状態に移行させる。
(演出実行制御手段220)
演出実行制御手段220は、画像表示部70やランプ80やスピーカ90等の演出装置の作動を制御するためのものであり、以下に述べるAT制御手段230や、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、AT中の打順ナビや、その他の演出を行わせる。また、擬似遊技制御手段180によってフリーズ状態が設定されている間には擬似遊技が行われるが、この擬似遊技に対応する擬似遊技対応演出を行わせる。
打順ナビは、画像表示部70に、正解打順や特定の図柄組合せを表示させるための打順を矢印で示したり、停止操作すべき停止スイッチ31〜33の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、それらをスピーカ90から音声により指示したり、停止スイッチ31〜33のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させて、最初に操作すべき停止スイッチ31〜33を示すことなどにより行われる。
擬似遊技対応演出は、非AT中にメイン制御装置100から擬似遊技開始コマンドを入力した場合に行われる演出である。例えば、画像表示部70としての液晶表示装置を用いて、擬似遊技の進行にあわせた所定のナビ(停止操作指示、スタート操作指示)や、後述する遊技回数抽選の結果に関する演出画像を表示させ、メイン制御装置100から擬似遊技終了コマンドを入力した場合には、擬似遊技中に設定されたATの初期遊技回数を表示する。
(AT制御手段230)
AT制御手段230は、当選役に関する情報が報知されるAT(アシストタイム)を制御する手段であり、図示しないが、AT抽選手段、遊技回数管理手段、報知実行手段を備え、メイン制御装置100から出力される遊技制御情報や演出状態等に基づき、ATの開始及び終了を制御する。
AT抽選手段は、ATに関する抽選を行うものである。本実施の形態においては、AT抽選手段は、加算遊技回数抽選、上乗せ抽選、及び特別AT移行抽選を行う。
加算遊技回数抽選は、擬似遊技中に、メイン制御装置100から入力する擬似役抽選の結果に基づいて、ATの最低保障遊技回数(例えば5回)に加算する遊技回数を、抽選により決定するものである。具体的には、擬似役抽選の結果が「継続」である場合に、例えば5〜10の中から遊技回数を選択して決定する。
上乗せ抽選は、通常AT中に、特定抽選結果が発生したこと(例えば「リプレイD」や「チェリー」などの当選)に伴って、ATの遊技回数の上乗せの有無及び上乗せ回数を、抽選により決定するものである。
特別AT移行抽選は、通常AT中に、赤7揃いを表示可能な抽選結果(「リプレイC」)が発生したこと伴って、特別AT状態に移行するか否かを抽選により決定するものである。
遊技回数管理手段は、ATの遊技回数の設定や上乗せを管理するものであり、図示しないATカウンタを備えている。ATカウンタは、ATの遊技回数をカウントするものである。具体的には、遊技回数管理手段は、擬似遊技が開始されてAT状態への移行が確定すると、ATカウンタにATの遊技回数を最低保障回数分だけ設定して記憶するとともに、上記した加算遊技回数抽選により決定された遊技回数を、ATカウンタの記憶値に加算する。擬似遊技が終了した時点でのATカウンタの記憶値が、ATの初期設定遊技回数となる。そして、AT状態への移行後は、ATカウンタの記憶値を、1遊技終了ごとに1ずつ減算する。また、通常AT中に上乗せ抽選に当選した場合には、ATカウンタの記憶値に抽選で決定された数値を加算する。これにより、ATの遊技回数が上乗せされる。
また、遊技回数管理手段は、「リプレイC」の当選時に特別AT移行抽選に当選し、かつ赤7揃いを表示可能とする所定の打順で停止操作がされて演出状態が特別AT状態に移行すると、遊技開始ごとに、あらかじめ定められた回数又は抽選により決定した回数をATカウンタの記憶値に加算する。そして、遊技回数管理手段は、特別AT中は、ATカウンタの記憶値の減算を行わない。これにより、特別AT中は、ATの遊技回数を増大させることができるものとなる。
報知実行手段は、演出実行制御手段220に打順ナビを実行させるためのものである。打順ナビには、役抽選の結果「打順ベル」が当選した場合に行われるベルナビと、役抽選の結果、所定の「リプレイ」が当選した場合に行われるリプレイナビとが設けられている。ベルナビは、「打順ベル」が当選した場合に正解の打順を報知するものである。リプレイナビには、特別AT状態への移行が確定(「リプレイC」の当選時に特別AT移行抽選に当選)した場合に、赤7揃いを表示可能とする打順(中押し又は右押し)を報知するものがある。ナビに従って停止操作された場合には、赤7揃いの表示の有無に関わらず、次の遊技から特別AT状態に移行するようになっている。なお、ナビに従わない場合には、特別AT移行抽選の当選を取り消してもよいし、特別AT状態への移行が確定した状態を保持してもよい。また、リプレイナビには、AT中の「リプレイD」の当選時に、赤7リーチ揃いを表示可能とする打順(中押し又は右押し)を報知するものがある。
ところで、本実施の形態においては、AT状態でないとき(ナビが行われない状態)に、停止スイッチ31〜33が左押し以外の打順で操作(いわゆる変則押し)されたことに基づいて、所定のペナルティを設定するようになっており、AT制御手段230は、このペナルティに関する制御をも行うものである。具体的には、AT制御手段230は、図示しないペナルティカウンタを備えており、ペナルティの設定条件に該当すると、ペナルティカウンタに所定の遊技回数がセットされる。ペナルティ遊技回数は、遊技消化ごとに減算されるが、ペナルティカウンタが遊技回数を有している間(ペナルティ中)は、特別AT移行抽選や上乗せ抽選を行わない、所定のナビ(リプレイナビ、擬似遊技中の停止操作指示、スタート操作指示)を行わない等のペナルティが実行される。また、ペナルティ中である場合には、擬似遊技が実行されてもATの初期遊技回数を付与せず、ATを開始させないというペナルティが実行される。そして、ペナルティに該当する行為(変則押し)が行われた場合には、所定の警告表示がなされ、遊技者に適正な操作を促すようになっている。
(スロットマシンSの作動)
上記構成を有するスロットマシンSの、1回の遊技における作動の概略を、図9及び図10のフローに基づき説明する。
スロットマシンSは、規定数のメダルがベットされることによりスタートスイッチ20の操作を有効化し、スタートスイッチ20がONとなる(操作信号を入力する)ことに伴って、役抽選処理を行うとともに、擬似遊技実行決定処理を行う(S100〜S103)。擬似遊技実行決定処理は、内部抽選状態がボーナス内部中である場合に擬似遊技発生抽選を行い(図10のS200、S201)、抽選結果を保存するものである(S202)。
その後、回転リール61〜63の回転開始処理を行い(図11のS104)、いずれかの停止スイッチ31〜33がONとなった場合には、対応する回転リール61〜63について回転停止処理を行う(S105、S106)。全ての回転リール61〜63が停止するまでS105〜106が繰り返され(S105〜S107)、全ての回転リール61〜63が停止した場合には、遊技結果判定処理を行い(S108)、判定結果に応じた処理を行う(S109)。具体的には、小役が入賞したと判定された場合には対応するメダルの払い出し処理を行い、ボーナスが入賞したと判定された場合にはボーナス作動中に移行するための準備処理(ボーナステーブルの取得等)を行う。また、リプレイが入賞したと判定された場合には、再遊技の作動の処理を行う。そして、1回の遊技を終了する。
次に、図9のステップ104における回転リール回転開始処理について、図11のフローに基づき説明する。
まず、保存されている擬似遊技発生抽選の抽選結果に基づき擬似遊技発生抽選に当選しているか否かを判断し(S300)、擬似遊技発生抽選に当選している場合に、サブ制御装置200に擬似遊技開始コマンドを出力する(S301)。そして、擬似遊技実行処理を行い(S302)、擬似遊技実行処理の終了に伴いサブ制御装置200に擬似遊技終了コマンドを出力する(S303)。なお、擬似遊技の終了時には、全ての回転リール61〜63は停止状態になっている。その後、ウエイト時間が経過しているか否かを判断する(S303)。一方。擬似遊技発生抽選に当選していない場合には、S301〜S303の処理を行わずにS304に進む。
S304でウエイト時間が経過していると判断した場合には、リールモータM1〜M3に駆動信号を出力して(S305)、回転リール61〜63の回転を開始させる。その後、所定の停止可能要件が満たされたことを条件に、停止スイッチ31〜33の操作無効状態を解除する(S306〜S307)。ここでの停止可能要件とは、回転リール61〜63の回転速度が定常回転速度に達し、全ての回転リール61〜63についてスタートインデックスが検知されることにより、図柄参照が可能な状態となっていることである。そして、回転リール回転開始処理を終了する。
なお、本実施の形態では、ウエイト時間が経過していないと駆動信号を出力しない構成としてあるが、ベット操作後、スタートスイッチ20が操作された場合は、ウエイト時間が経過しているか否か関わらず、駆動信号を出力するように形成してもよい。この場合は、S306の停止可能要件に、ウエイト時間が経過していることが含まれるものとなる。
また、擬似遊技終了後に回転リール61〜63を回転させる際に、各リールモータM1〜M3に駆動信号を出力するタイミングを異ならせたり、加速度を異ならせたりして、擬似遊技の結果表示された図柄組合せをランダムにばらけさせるのが好ましい。あるいは、擬似遊技終了後、擬似遊技開始前の図柄組合せを再現させる処理を行うようにしてもよい。
続いて、図11のS302おける擬似遊技実行処理について、サブ制御装置200の制御に基づく非AT中擬似遊技開始コマンド入力時の処理を示す図14のフローを参照しつつ、図12及び図13のフローに基づき説明する。
まず、図11のS301でサブ制御装置200に擬似遊技開始コマンドを出力した後、フリーズ状態を設定して、フリーズタイマーの計時を開始させる(図12のS400)。なお、擬似遊技開始コマンドを入力したサブ制御装置200は、演出状態を通常AT状態に設定するとともに、ATカウンタに最低保障遊技回数をセットする(図14のS500、S501)。
次に、擬似役抽選処理を行うとともに、回転リール61〜63の擬似回転処理を行い(図12のS401、S402)、回転リール61〜63の擬似回転を開始させる。なお、図示していないが、擬似役抽選の抽選結果情報はサブ制御装置200に出力される。また、回転リール61〜63が擬似回転を開始したのに伴って、赤7揃い又は赤7リーチ揃いを表示可能とする打順(中押し又は右押し)で7図柄を狙って停止操作することを促す停止操作指示実行処理が行われる(図14のS502)。
回転リール61〜63の擬似回転を開始させた後、フリーズタイマーがタイムアップするまで、いずれかの停止スイッチ31〜33がONとなったか否かを監視する(図12のS403、S404)。すなわち、停止スイッチ31〜33の操作待ち状態とする。停止スイッチ31〜33の操作待ち状態であるとき(フリーズタイマーがタイムアップする前)にいずれかの停止スイッチ31〜33がONとなった場合には、フリーズタイマーを上書きして、次の操作の操作待ち時間を設定するともに、回転リール61〜63のうちの停止操作されたものについて擬似停止処理を行う(S405、406)。そして、全ての回転リール61〜63が擬似停止するまで、S403〜S407の処理を繰り返す。なお、図示していないが、いずれかの回転リール61〜63が擬似停止するごとにその情報をサブ制御装置200に出力する。
擬似抽選の結果「逆転継続」が当選している場合には、停止スイッチ31〜33の操作によって全ての回転リール61〜63が擬似停止した後、回転リール61〜63を自動的に擬似回転させてリプレイ揃いを表示させる処理を行う(S408、S409)。ここで、赤7リーチ揃いを表示可能な打順(中押し又は右押し)で停止操作されていた場合には、赤7リーチ揃いが表示されていなくても、リプレイ揃いを表示させる。赤7リーチ揃いを表示不能な打順(左押し)で停止操作されていた場合には、すでにリプレイ揃いが表示されているので、回転リール61〜63を擬似回転させる処理は行わない。そして、フリーズタイマーがタイムアップするまで、スタートスイッチ20がONとなったか否かを監視する(S413、414)。すなわち、スタートスイッチ20の操作待ち状態として、擬似遊技を続行する。
また、擬似抽選の結果「継続」が当選している場合には、停止スイッチ31〜33の操作によって全ての回転リール61〜63が擬似停止した後、上記と同様にスタートスイッチ20の操作待ち状態とする(図12のS410、S413)。ここで、赤7揃いを表示可能な打順(中押し又は右押し)で停止操作されていた場合には、赤7揃いが表示されていなくても、擬似遊技を続行する。この場合には、サブ制御装置200において、加算遊技回数抽選処理が行われ、抽選により決定された遊技回数がATカウンタに加算される(図14のS505〜S508)。一方、赤7揃いを表示可能な打順で停止操作されていなかった場合には、S507、508の処理が行われないので遊技回数が加算されない。なお、スタートスイッチ20の操作待ち状態においては、スタートスイッチ20の操作を促すスタート操作指示実行処理が行われる(S504、S509)。
スタートスイッチ20の操作待ち状態であるときに、スタートスイッチ20がONとなった場合には、フリーズタイマーを上書きして、擬似役抽選処理を行うとともに、回転リール61〜63の擬似回転処理を行う(S415〜S417)。そして、停止スイッチ31〜33の操作待ち状態(S403、S404)とする。停止スイッチ31〜33の操作待ち状態においては、停止操作指示実行処理が行われる(図14のS510、502)。
さて、停止スイッチ31〜33の操作待ち状態であるときに、フリーズタイマーがタイムアップした場合(S403でYes)には、回転リール61〜63の擬似停止を自動的に行うことにより、擬似役抽選の結果が「逆転継続」である場合(S421でYes)には、赤7リーチ揃いを表示させた後にリプレイ揃いを表示させる処理を行い(S422)、擬似役抽選の結果が「継続」である場合(S423でYes)には、赤7揃いを表示させる処理を行う(S424)。そして、フリーズタイマーにスタートスイッチ20の操作待ち時間をセットして計時を開始させ(S425)、スタートスイッチの操作待ち状態(図12のS413、414)に戻る。
一方、擬似役抽選の結果が「非継続」の場合(S423でNo)には、赤7リーチ揃いを表示させる処理を行い(S426)、その後、擬似停止状態を解除する(図12のS411)。
また、スタートスイッチ20の操作待ち状態であるときに、フリーズタイマーがタイムアップした場合(S413でYes)、及び、擬似役抽選の結果が「非継続」の場合(S410でNo)にも、擬似停止状態が解除される(S411)。そして、擬似役抽選の結果が「非継続」の場合において、フリーズタイマーが計時中である場合には、フリーズタイマーをリセットするとともにフリーズ状態を解除し(S412)、フリーズタイマーがタイムアップしている場合にはそのままフリーズ状態を解除する。そして、擬似遊技実行処理を終了する。
擬似遊技実行処理が終了し、擬似遊技終了コマンドが出力されると(図11のS303)、これを入力したサブ制御装置200では、AT開始表示処理が行われる(図14のS511)。具体的には、画像表示部70等を用いて、ATの開始が告知されるとともに、最低保障遊技回数に擬似遊技によって加算された遊技回数を加算した遊技回数が報知される。擬似遊技終了後には、ウエイト時間が経過していることを条件に回転リール61〜63が本来の回転を開始する。また、当該遊技で「打順ベル」が当選している場合にはベルナビが行われ、当該遊技が終了するとATカウンタの減算が行われる。
なお、サブ制御装置200がAT中(通常AT中及び特別AT中)に擬似遊技開始コマンドを入力した場合には、図14のS500、501の処理を省略し、加算遊技回数抽選により決定された遊技回数を、ATの上乗せ遊技回数として扱う。この場合には、S512で上乗せ遊技回数の合計値の表示を行う。
また、擬似遊技中においてスタートスイッチ20の操作待ち状態であるときに、フリーズタイマーがタイムアップして擬似遊技が強制的に終了した場合には、ある程度の遊技回数(例えば加算遊技回数抽選で付与される回数よりも少ない回数)を保証するようにしてもよい。
(まとめ)
以上のように、本実施の形態によれば、ATの開始時に、擬似遊技によってATの遊技回数を決定する遊技区間を作り出すことができる。
また、本実施の形態における擬似遊技は、本来の遊技のスタートスイッチ20の操作を契機に、本来の遊技と同様の挙動で回転リール61〜63を擬似回転させるとともに、本来の遊技と同様の挙動で回転している回転リール61〜63を停止スイッチ31〜33の操作に基づいて擬似停止させるようにしている。
これにより、スタートスイッチ20の操作から、回転リール61〜63を停止させるまでの回転リール61〜63の挙動について、本来の遊技とほとんど見分けがつかないようにすることができ、遊技者に違和感を抱かせずにあたかも1回の遊技を消化したかのように思わせることができる。
また、擬似遊技では、回転リール61〜63の回転を本来の遊技と同等の制御ロジックを用いて行い、本来の遊技で用いる役抽選テーブルとは異なる構成の擬似役抽選テーブルを用いて擬似役抽選を行うものの、本来の遊技において設定されている役を抽選対象とする擬似役抽選の結果に基づいて、本来の遊技と同様の手法で引き込み処理及び蹴飛ばし処理を行わせている。このように、擬似遊技での抽選対象、回転リール61〜63の回転制御、停止制御の制御ロジックを共通化することで、設計コストや制御装置1の処理負荷を低減することができる。
また、回転リール61〜63を擬似停止状態にしておく場合、図6(B)及び図8(B)のような、本来の遊技でリールモータM1〜M3を駆動停止させておく励磁状態とは異なる励磁状態を生成させる手法を採用すれば、擬似停止状態を本来の停止状態と見かけ上同等にすることができる。この場合に、リールモータM1〜M3を駆動停止させる前に減速期間を設けることで、本来の遊技で回転リール61〜63が停止するまでの挙動と若干異なる挙動により、擬似遊技であることを遊技者に対して控え目に知らせることができる。なお、回転リール61〜63の停止態様は、注意して観察すれば違いが判る程度にするのが好ましい。一方、図8(C)(D)のように、回転リール61〜63を本来の遊技の停止状態とは異なる挙動で作動(上下に振動)させておけば、擬似遊技であることを遊技者に対して明確に知らせることができる。これにより、擬似遊技中であることを認識できた遊技者に、遊技をやめることを思い止まらせることができる。
そして、本実施の形態では、擬似遊技の遊技結果として、リプレイ(リプレイ1、リプレイ3、リプレイ4)を、本来の遊技で有効ラインとなる中段ラインLに表示させるようにしているので、遊技者が擬似遊技を本来の遊技と勘違いしても、リプレイが表示されることでベット操作なしにもう1回遊技を行うことができると認識できる。これにより、回転リール61〜63の擬似停止の態様を、図8(B)に示すような本来の遊技とほぼ見分けがつかない態様に設定した場合や、よく見れば本来の遊技の停止態様や停止後の態様と見分けがつく態様であるが遊技者が見落として擬似遊技中であることを認識できない場合であっても、途中で遊技をやめてしまうのを防ぐことができる。
さらに、擬似遊技で表示され得るリプレイに対応付けられた図柄組合せ(赤7揃い、赤7リーチ揃い)は、本来の遊技では当選確率が低い設定となっているところ、擬似役抽選テーブルに基づく停止制御を採用したことにより、普段はあまり出現しない図柄組合せを擬似遊技中には頻繁に出現させることができるようになる。これにより、あたかも内部抽選状態が変化したかのように見せることができ、特に、内部抽選状態がほぼボーナス内部中に滞在している仕様において、遊技に変化を持たせることができる。また、上記した赤7揃いのような特定の出目が表示されることと、ATの遊技回数などの特典付与とを関連付けている場合、本実施の形態のような内部抽選状態が変動しにくい仕様においては、特定の出目を表示可能な役が当選しないと特典が付与されないので、短期間に特典の付与を頻発させたり、連続して特典を付与したりすることは困難であった。この点、本実施の形態によれば、短期間で特典を付与したり、連続して特典を付与したりすることが可能である。
なお、上記した実施の形態では、ATの開始時(擬似遊技の開始時)に、ATカウンタに最低保障遊技回数をセットしていたが、擬似遊技の終了時にATカウンタが0(つまり最初の擬似役抽選の結果が「非継続」)である場合に、最低保障遊技回数をセットするようにしてもよい。また、擬似遊技の終了時に、ATカウンタが0の場合には、AT状態の設定を解除(ATの確定を取り消し)するようにしてもよい。あるいは、擬似役抽選の結果が「継続」となったときに、AT状態の設定をするようにしてもよい。
また、上記した実施の形態では、擬似遊技発生抽選を遊技ごとに行い、当該抽選に当選した場合に擬似遊技を発生させるようにしていたが、特定役の当選時に擬似遊技発生抽選を行うようにしてもよい。
また、初期状態(設定変更後)又はAT終了後、次回ATを開始するまでの遊技回数を、例えば50回、200回、600回、1000回の中から所定契機で決定するとともに、決定された遊技回数をカウントするカウンタを設け、このカウンタのカウント値が次回ATを開始するまでの遊技回数に達した場合に、擬似遊技発生抽選の抽選結果に関わらず、擬似遊技を発生させるようにしてもよい。あるいは、擬似遊技発生抽選を行わず、次回ATを開始するまでの遊技回数のみに基づいて擬似遊技を発生させるようにしてもよい。
(第二の実施の形態)
図15及び図16は、本発明の第二の実施の形態を示す。なお、第一の実施の形態を示す図のうち、図1乃至図9、及び図11乃至図13は、第二の実施の形態にも共通しており、第二の実施の形態における符号は、第一の実施の形態の構成と同一の構成については同一の符号を用いている。以下、第一の実施の形態と共通する部分の説明は省略し、第二の実施の形態の特徴点のみ説明する。
第二の実施の形態は、擬似遊技の結果付与される特典を、ATの上乗せ遊技回数としたものである。
第二の実施の形態では、ATの開始及び終了の管理を、メイン制御装置100(図2参照)において行っている。また、サブ制御装置200の制御に基づく演出状態としては、ATが行われるAT状態と、非AT状態がある。演出状態移行手段210は、非AT中にメイン制御装置100からAT開始コマンドを入力することに伴って、演出状態をAT状態に移行させ、AT中に、メイン制御装置100からAT終了コマンドを入力することに伴って、演出状態を非AT状態に移行させる。AT制御手段230は、AT中、役抽選の結果に基づいて打順ナビを行わせる。
図示しないが、メイン制御装置100は、AT抽選手段と、遊技回数管理手段とを有している。AT抽選手段は、図15(A)に示すように、ボーナス内部中に「リプレイC」などの特定役が当選した場合に、ATを開始するか否かのAT抽選を行う(S600〜602)。そして、AT抽選に当選した場合には、ATカウンタに最低保障遊技回数(例えば40回)をセットしてAT中の設定を行うとともに、サブ制御装置200にAT開始コマンドを出力する(S603、604)。AT開始コマンドを入力したサブ制御装置200では、演出状態がAT状態に移行し、ベルナビやリプレイナビを実行可能な状態となる。例えば、特定役が「リプレイC」の場合、赤7揃いを表示可能とする打順がナビされる。ナビに従って停止操作された場合は、赤7揃いが表示されなくても、画像表示部70等によりAT開始の告知がされる。ナビに従って停止操作されなかった場合は、AT開始を保留してもよいし取り消してもよい。
また、第二の実施の形態では、発生抽選手段181は、図15(B)に示すように、AT中(AT中の設定がされているとき)に擬似遊技発生抽選を行う。そして、AT抽選手段は、図16に示すように、擬似遊技中に擬似役抽選の結果「継続」が当選している場合に、例えば50〜100の中から上乗せ遊技回数を抽選する上乗せ遊技回数抽選処理を行い、遊技回数管理手段は、抽選で決定された数値をATカウンタの記憶値に加算する(S801〜804)。これにより、ATの遊技回数が上乗せされる。なお、AT抽選手段は、擬似遊技中以外であっても、「チェリー」などの特定役の当選時に上乗せ抽選を行ってもよい。
そして、遊技回数管理手段は、AT状態の設定後、ATカウンタの記憶値を1遊技終了ごとに減算し(S805、806)、ATカウンタの記憶値が0となった場合は、メイン制御装置100はAT中の設定を解除し、サブ制御装置200にAT終了コマンドを出力する(S807、808)。
第二の実施の形態によれば、擬似遊技によってAT中の上乗せ特化ゾーン(第一の実施の形態における特別AT状態に該当するもの)を作り出すことができる。
また、第二の実施の形態では、ATに関する管理をメイン制御装置100において行っていたが、メイン制御装置100において、演出状態がAT状態か否かを判断可能とすることにより、ATの開始及び終了はサブ制御装置200で管理させるようにしてもよい。例えば、メイン制御装置100は、特定役の当選時の停止スイッチ31〜33の操作態様に基づいて演出状態がAT状態であると判断し、AT中の設定を行う。具体的には、打順の設定されていない抽選結果の発生時(「打順ベル」や「打順リプレイ」の当選時以外)に、メイン制御装置100で決定した打順(当該打順で停止操作してもしなくても遊技結果に影響を及ぼさない打順)をサブ制御装置200に出力し、サブ制御装置200に出力した打順で停止操作されることが複数回連続して発生したらAT中の設定を行う。一方、AT中の設定を行っているときに、正解役(ベル1)の取りこぼしが複数回連続して発生したらAT中の設定を解除する。そして、AT中の設定を行っている場合に、擬似遊技発生抽選を行うことにより、演出状態がAT状態であるときに、擬似遊技を実行させ、擬似遊技の遊技結果としてAT遊技回数の上乗せをさせることができる。
(変形例)
上記した第一及び第二の実施の形態では、回転リール61〜63が擬似回転しているときにフリーズタイマーがタイムアップした場合は、自動的に擬似役抽選の結果に応じた図柄組合せを表示させているが(図13参照)、かかる処理を行わないようにしてもよい。すなわち、擬似役抽選の結果が「継続」又は「逆転継続」の場合には、擬似回転中の回転リール61〜63を擬似停止させてスタートスイッチ20の操作待ち状態とし、「非継続」の場合には擬似回転中の回転リールを停止させ、擬似停止中の回転リールの擬似停止を解除して、擬似遊技を終了させるようにしてもよい。
また、上記した第一及び第二の実施の形態では、「継続」と「逆転継続」が当選し続ける限り、無制限に擬似遊技が行われる設定となっているが、「継続」「逆転継続」を合わせた連続当選回数が所定回数を超えた場合には、擬似遊技を終了させるようにしてもよい。所定回数は、あらかじめ設定されていてもよいし抽選で決定してもよい。あるいは、スタートスイッチ20、停止スイッチ31〜33の操作ごとのフリーズタイマーの上書きを実行する回数が所定回数に達した場合に、擬似遊技を終了させるようにしてもよい。この場合には、所定回数に達した後、全回転リール61〜63が停止スイッチ31〜33により擬似停止されてから(あるいは自動的に擬似停止させてから)擬似遊技を終了させるようにするのが好ましい。
さらに、擬似遊技に保証回数を設け、保証回数の範囲内なら、擬似役抽選の結果が「非継続」でも擬似遊技が終了しないようにしてもよい。あるいは、保証回数の範囲内(例えば最初の3回まで)は、「非継続」の抽選結果が発生しない擬似役抽選を行うようにしてもよい。
ここで、AT中における「リプレイC」の当選を契機に、上乗せ特化ゾーンとしての所定回数(例えば5回)の擬似遊技を実行するようにしてもよい。このように形成した場合には、第一の実施の形態における特別AT状態に比べて、出目と特典付与とを密接に関係付けることができる。例えば、当選役に関係なく遊技毎に特典(上乗せ)を付与することとすると、出目と特典との関係が希薄になってしまい、当選役に応じて特典を付与することとすると、特典が付与される役が役抽選でなかなか当たらなかったりして、特典を連続的に付与したり頻繁に付与したりすることができない。また、特典を連続的に付与可能とするためには、内部抽選状態を移行させる必要がある。しかし、当選役を契機に擬似遊技で特典を付与するようにすれば、内部抽選状態がほとんど移行しない遊技仕様であっても、出目と特典との関係付けができると同時に、特典を連続的に又は頻繁に付与することも可能となる。
また、上記した第一及び第二の実施の形態では、擬似遊技の結果として表示される図柄組合せを、リプレイに対応するものとしていたが、擬似遊技の結果、所定の小役に対応する図柄組合せが表示されるようにしてもよい。例えば、本来の遊技では当選確率が低く設定されているレア小役が高確率で当選する擬似役抽選テーブルを用いて、擬似遊技中にかかるレア小役を頻繁に出現させるようにすることができる。この場合には、全回転リール61〜63を擬似停止させているときに、ベットスイッチ10の操作信号を受け付け、ベットスイッチ10の操作信号を入力していることを条件に、スタートスイッチ20の操作信号を受け付けるようにすることができる。そして、ベットスイッチ10、スタートスイッチ20、停止スイッチ31〜33の操作信号を入力する度に、フリーズタイマーを上書きする。擬似遊技中に小役に対応する図柄組合せが表示されても、入賞によるメダルの払い出しは行わない。また、このように形成した場合において、ベットスイッチ10の操作信号の入力に伴い、ベット表示部11に擬似的にベット表示を行わせるようにしてもよい。擬似遊技中にメダル投入口5からメダルが投入された場合には、クレジットが満杯でないことを条件に、投入されたメダルをクレジットに回してもよい。なお、擬似遊技で小役に対応する図柄組合せを表示する場合には、画像表示部70や、擬似遊技中においてのみ点灯するランプなどにより、擬似遊技であることを遊技者に報知することが望ましい。
また、上記した第一及び第二の実施の形態では、本来の遊技で有効ラインとなる中段ラインL上に、擬似役抽選で当選した役に対応付けられた図柄組合せを表示させていたが、擬似遊技で図柄組合せを表示させるラインは、有効ラインに限られるものではない。例えば、各回転リール61〜63の上段に位置する図柄を繋いでできる上段ラインや、各回転リール61〜63の下段に位置する図柄を繋いでできる下段ラインや、左側の回転リール61の下段に位置する図柄、中央の回転リール62の中段に位置する図柄及び右側の回転リール63の上段に位置する図柄を繋いでできる右上がりラインや、回転リール61の上段に位置する図柄、回転リール62の中段に位置する図柄及び回転リール63の下段に位置する図柄を繋いでできる右下がりラインに、リプレイや小役に対応する所定の図柄組合せを表示させるようにしてもよい。
なお、擬似停止制御おいて、最大スベリコマ数を例えば20コマに増やして、各回転リール61〜63おいて4コマを超える間隔をあけて配置されている図柄を、停止操作のタイミングにかかわらず引き込み可能としてもよい。このよう形成した場合には、擬似遊技中線の結果「継続」が当選している場合に必ず赤7揃いを表示させることができ、「逆転継続」又は「非継続」が当選している場合に必ず赤7リーチ揃いを表示させることができるようなる。
また、擬似役抽選の抽選対象とする図柄組合せに、本来の遊技において抽選対象となっていないものを設定してもよい。例えば、上記した実施の形態では役に対応する図柄組合せに対応付けられていない「青7・青7・青7」や「BAR・BAR・BAR」などの図柄組合せを、擬似役抽選の対象としてもよい。第一の実施の形態に適用した場合には、「青7・青7・青7」(青7揃い)が表示され得る場合に通常ATが開始され、通常AT中に赤7揃いが表示され得る場合に特別ATが開始されるという遊技性を実現できる。このように形成した場合には、擬似遊技の期間中に、本来の遊技では表示し得ない遊技結果を出現させて突然役が増加したように見せることができ、興趣を高めることができる。加えて、本来の遊技において青7揃いが表示され得る役を設ける必要がないので、青7揃いが表示され得る役を設けた場合に比べてメイン制御装置100のメモリー容量を節約できる。
さらに、上記した第一及び第二の実施の形態では、擬似遊技の開始及び終了又は継続を、メイン制御装置100が管理するものとしていたが、これをサブ制御装置200の主導で管理してもよい。例えば、擬似遊技発生抽選に当選した遊技において、特定の打順で停止操作された場合には擬似遊技が開始され(フリーズ状態が設定され)、その特定の打順以外の打順で停止操作された場合には擬似遊技を開始しないように形成し、擬似遊技中においては、擬似役抽選の結果に応じた特定の打順で停止操作された場合には擬似遊技を継続し、その特定の打順以外の打順で停止操作された場合は、擬似遊技機を終了させるように形成する。そして、擬似遊技発生抽選の当選時、あるいは擬似遊技中おいて、擬似遊技を開始又は継続させるための打順、あるいは擬似遊技を開始せず又は終了させるための打順を、サブ制御装置200が所定条件(演出状態やサブ制御装置200における抽選結果)に応じてナビするようにしてもよい。このように形成した場合、ナビを行っていないのに擬似遊技が発生したときには、特典を付与しないようにする。
そして、上記した第一及び第二の実施の形態では、擬似遊技中の回転リール61〜63の擬似回転処理については、本来の遊技と全く同様の制御ロジックを用いたが、リールモータM1〜M3の励磁パターンを異ならせることにより、本来の遊技とは回転開始の挙動を異ならせるようにしてもよい。例えば、擬似回転処理では、2相励磁方式を採用するようにしたり、リールモータM1〜M3の駆動開始後、定常回転速度に達するまでの時間(加速度)を異ならせるようにしたりすることができる。
なお、擬似遊技の結果付与される特典は、ATに関するものに限られない。例えば、擬似遊技の結果に応じて所定のポイントが付与されるようにし、ポイントが所定値に達すると、普段は出現しない特別な演出が実行可能になるように形成することができる。また、遊技開始時やAT開始時などに、所定の操作手段の操作(例えば演出スイッチの操作)に基づいて遊技者が演出内容(演出モードや演出に登場するキャラクタ)を選択可能に形成されている場合に、擬似遊技で取得したポイント数に応じて、選択可能な演出内容が変化するように形成してもよい。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良なども含むものである。また、本発明は、矛盾を生じない範囲で、上述した実施の形態及び変形例に記載されている事項を適宜組み合わせ、あるいは組み替えてもよいものである。
さらに本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
S スロットマシン 1 制御装置
2 リールユニット 2B リールモータ(ステッピングモータ)
3 ホッパーユニット 4 電源装置
5 メダル投入口 7 メダルセレクター
10 ベットスイッチ 20 スタートスイッチ
31〜33 停止スイッチ 61〜63 回転リール
100 メイン制御装置 120 役抽選手段
130 リール制御手段 182 フリーズ設定手段
200 サブ制御装置 230 AT制御手段

Claims (4)

  1. 外周面に複数の図柄が付された複数の回転リールと、
    前記複数の回転リールを回転させるスタートスイッチと、
    回転中の前記回転リールを個々に停止させる複数の停止スイッチと、
    前記スタートスイッチの操作信号の入力に基づき前記回転リールの回転を制御し、前記停止スイッチの操作信号の入力に基づき回転中の前記回転リールの停止を制御するリール制御手段と、
    遊技の結果を判定する遊技結果判定手段と、
    所定条件に該当することを契機に、遊技の進行が停止した状態となるフリーズ状態を設定するフリーズ設定手段と、を少なくとも備え、
    前記スタートスイッチの操作により回転開始した前記複数の回転リールが、前記停止スイッチの操作により全て停止したときに、前記遊技結果判定手段によって前記各回転リールに付されている図柄があらかじめ定められた表示態様で表示されたと判定された場合に、遊技結果に応じた利益が付与される遊技機において、
    前記フリーズ設定手段は、前記スタートスイッチが操作されてから前記停止スイッチの操作が有効とされるまでの間に、前記フリーズ状態を設定可能であり、
    前記フリーズ状態が設定されているフリーズ中に、前記停止スイッチの操作信号を受け付け、前記停止スイッチの操作信号の入力に伴い回転中の前記回転リールを停止させることにより、擬似的に遊技を進行させることができ、
    擬似的に進行している遊技である擬似遊技においては、前記回転リールの停止時の態様又は停止後の態様のうち少なくとも一方が、擬似遊技ではない本来の遊技における態様と異なるように形成され、
    前記擬似遊技の結果、前記回転リールの図柄の表示態様が所定の態様となった場合に、前記遊技結果に応じた利益とは異なる特典が付与されるように形成されていることを特徴とする遊技機。
  2. 複数のステッピングモータの駆動軸にそれぞれ固定され外周面に複数の図柄が付された複数の回転リールと、
    前記複数の回転リールを回転させるスタートスイッチと、
    回転中の前記回転リールを個々に停止させる複数の停止スイッチと、
    前記スタートスイッチの操作信号の入力に基づき前記複数のステッピングモータを駆動させて前記回転リールの回転を制御し、前記停止スイッチの操作信号の入力に基づき駆動中の前記ステッピングモータを個々に駆動停止させて回転中の回転リールの停止を制御するリール制御手段と、
    遊技の結果を判定する遊技結果判定手段と、
    所定条件に該当することを契機に、遊技の進行が停止した状態となるフリーズ状態を設定するフリーズ設定手段と、を少なくとも備え、
    前記スタートスイッチの操作により回転開始した前記複数の回転リールが、前記停止スイッチの操作により全て停止したときに、前記遊技結果判定手段によって前記各回転リールに付されている図柄があらかじめ定められた表示態様で表示されたと判定された場合に、遊技結果に応じた利益が付与される遊技機において、
    前記フリーズ設定手段は、前記スタートスイッチが操作されてから前記停止スイッチの操作が有効とされるまでの間に、前記フリーズ状態を設定可能であり、
    前記フリーズ状態が設定されている間に、前記停止スイッチの操作信号を受け付け、前記停止スイッチの操作信号の入力に伴い回転中の前記回転リールを停止させることにより、擬似的に遊技を進行させることができ、
    擬似的に進行している遊技である擬似遊技においては、前記回転リールの停止後における前記ステッピングモータの励磁態様が、前記擬似遊技ではない本来の遊技における励磁態様と異なるように形成され、
    前記擬似遊技の結果、前記回転リールの図柄の表示態様が所定の態様となった場合に、前記遊技結果に応じた利益とは異なる特典が付与されるように形成されていることを特徴とする遊技機。
  3. 遊技媒体の投入により、前記スタートスイッチの操作に基づく本来の遊技を開始可能であり、
    所定の図柄組合せが対応付けられた役について当選か否かの役抽選を行う役抽選手段を備え、
    前記スタートスイッチの操作により回転開始した前記複数の回転リールが、前記停止スイッチの操作により全て停止したときに、役に対応する図柄組合せが所定の有効ラインに表示されると、役に対応する遊技結果に応じた利益が付与されるように形成され、
    前記役には、対応する図柄組合せが所定の有効ラインに表示された場合に、遊技結果に応じた利益として、遊技媒体の投入なしに次の遊技を開始させる利益が付与されるリプレイを含み、
    前記擬似遊技においては、前記リプレイに対応する図柄組合せが、本来の遊技において有効ラインとなるラインを含む所定のラインに表示されるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
  4. 前記フリーズ状態が設定されている間に、前記スタートスイッチの操作信号を受け付け、前記スタートスイッチの操作信号の入力に伴い前記回転リールを回転開始させ、前記停止スイッチの操作信号の入力に伴い回転中の前記回転リールを停止させることにより、複数回の擬似遊技を連続して発生可能に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。
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