JP2015195990A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フリーズ中において、スタートスイッチ20の操作信号の入力に伴い回転リール61〜63を本来の遊技と同じ態様で回転させ、停止スイッチ31〜33の操作信号の入力に伴い、保存されている前回の抽選結果に基づいて本来の遊技と同等の引き込み及び蹴飛ばし処理を用いて回転リール61〜63を停止させる擬似遊技を行わせる。擬似遊技は、擬似遊技のストック数(所定の記憶部の記憶値)が所定値以上ある場合に、遊技者がベットスイッチ10の長押し(所定操作)を行うことで実行可能であり、擬似遊技が行われると、擬似遊技のストック数が所定数だけ減じられる。
【選択図】図11
Description
本発明は、上記した従来技術を踏まえた上で、遊技者が任意に擬似遊技を行うことができ、擬似遊技を用いた新たな遊技性を生み出すことができる遊技機を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る遊技機(スロットマシンS)は、外周面に複数の図柄が付された複数の回転リール61〜63と、複数の回転リール61〜63を回転させるためのスタートスイッチ20と、回転中の回転リール61〜63を個々に停止させるための複数の停止スイッチ31〜33と、所定の図柄組合せが対応付けられた役について、遊技毎に、当選か否かの役抽選を行う役抽選手段120と、スタートスイッチ20の操作に基づいて回転リール61〜63を回転させ、役抽選手段120による役抽選の結果及び停止スイッチ31〜33の操作に基づいて回転リール61〜63を停止させる制御を行うリール制御手段130と、スタートスイッチ20が操作されてから、停止スイッチ31〜33の操作が有効とされるまでの間に、遊技の進行が停止した状態となるフリーズを設定するフリーズ設定手段183と、所定の記憶部に記憶されている記憶値に対して加減算を行う加減算手段(ストックカウンタ182)と、を少なくとも備え、フリーズ設定手段183がフリーズを設定している間に、リール制御手段130が回転リール61〜63を回転させ、停止スイッチ31〜33の操作に基づいて回転している回転リール61〜63を停止させることにより、擬似的に遊技が進行する擬似遊技を行わせることができる遊技機に係る。
そして、フリーズ設定手段183は、所定の記憶部に記憶されている記憶値が所定値以上である場合において、遊技者により、擬似遊技の実行契機となるあらかじめ定められた所定操作が行われた場合に、擬似遊技を実行可能なフリーズを設定し、加減算手段は、遊技中の所定条件該当を契機に、所定の記憶部の記憶値に所定の加算値を加算し、遊技者の所定操作に基づき擬似遊技が実行される場合には、所定の記憶部の記憶値から所定の減算値を減算するように形成されていることを特徴とする。
このように形成した場合には、前回以前の遊技における役抽選の抽選結果を擬似遊技で再現することができる。そして、擬似遊技では本来の遊技と同様に停止制御が行われるので、擬似遊技において、前回以前の遊技をやり直すことができる。
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、図1に示すように、正面側(遊技者と対向する前面側)に開口部を有する方形の筐体Bと、この筐体Bの開口部を塞ぐ前扉Dを備えている。
筺体Bの内部には、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1、外周面に複数の図柄が付された3個の回転リール61、62、63を有するリールユニット2、メダルを貯留するとともに貯留されているメダルを払い出すためのホッパーユニット3、スロットマシンSに備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置4等が設置されている。
スタートスイッチ20は、上下方向に揺動可能なレバースイッチであって、スタートスイッチ20の筐体内部側には、押下操作によるレバーの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がスタートスイッチ20の操作信号として扱われるようになっている。
演出スイッチ50は、その操作によりスロットマシンSにより行われる演出のパターンを選択したり、操作に同期して演出表示を変化させるような演出の進行に関わる操作を行ったりするためのものである。
制御装置1は、図示しないメイン基板ケースにメイン基板を収納したメイン基板ユニットと、図示しないサブ基板ケースにサブ基板を収納したサブ基板ユニットとから構成される。メイン基板及びサブ基板は、IC等の各種電子部品を搭載した制御基板であり、メイン基板はスロットマシンSの遊技に関する制御を行うメイン制御装置100(図2参照)を構成し、サブ基板は演出や報知に関する制御を行うサブ制御装置200(図2参照)を構成する。また、メイン制御装置100とサブ制御装置200との間では、メイン制御装置100からサブ制御装置200への一方へ向けてのみコマンドやデータが出力され、サブ制御装置200からメイン制御装置100へ向けてはコマンドやデータが出力されないようになっている。
メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作に基づき、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するものである。
メイン制御装置100の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ7A、リールセンサ2A、払い出しセンサ3A、ベットスイッチ10、スタートスイッチ20、停止スイッチ61〜63、精算スイッチ40及び演出スイッチ50が接続されている。ここで、メダルセンサ7Aは、図1に示すように、メダルセレクター7に設けられた検知部であって、メダル投入口5から投入されホッパーユニット3に移送されるメダルを検出するためのものである。リールセンサ2Aは、図示しないが、リールユニット2の枠体に設けられた検知部であって、回転リール61〜63に設けられたスタートインデックスを検出して回転リール61〜63の回転を検知するためのものである。払い出しセンサ3Aは、図示しないが、ホッパーユニット3に設けられた検知部であって、メダル払出装置から払い出されるメダルを検出するためのものである。
投入制御手段110は、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作(以下投入操作という)と、遊技結果判定手段140の判定結果に基づいて、1回の遊技を行うためのメダルが掛けられた状態(ベット状態)を設定するためのものである。
さらに、投入制御手段110は、遊技結果判定手段140が後述するリプレイの入賞を判定した場合には、前回の遊技と同一のベット数で自動的にベット状態を設定する。投入制御手段110によって自動的にベット状態が設定されることを、再遊技の作動という。
役抽選手段120は、回転リール61〜63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた「役」について、当選か否かの役抽選を行うものであり、図示しないが、ループカウンタ、カウント値抽出手段、役抽選テーブル、判定手段及び当選状態設定手段を備えている。ループカウンタは、一定時間に所定(例えば0から65535)の数字を繰り返してカウントするカウンタであり、カウント値抽出手段は、スタートスイッチ20の操作信号を入力したタイミングで、ループカウンタのカウント値を読み取って記憶するものである。役抽選テーブルは、ループカウンタがカウントする数値を全領域として各役についての当選領域を規定したものである。判定手段は、カウント値抽出手段の読み取ったカウント値と役抽選テーブルの当選領域とを照合し、カウント値が所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウント値がいずれの不当選の領域に属する場合には、「ハズレ」の決定をするものである。当選状態設定手段は、判定手段が当選を決定した場合に、当該当選に対応する当選フラグを成立させることにより当選状態を設定するものである。なお、当選状態設定手段は、判定手段の判定結果に関わらず当選状態を設定する場合があるがこれについては後述する。
本実施の形態においては、図4に示すように、ボーナスとして、「スイカB・ダミーB・ダミーA」の図柄組合せが対応付けられたBB(ビッグボーナス)が設けられている。BBが入賞すると、次の遊技からボーナス遊技が開始される。ボーナス遊技では、役抽選の抽選結果に関わらず小役が当選状態になるとともに、少なくとも1個の回転リールについて、後述するスベリコマ数が最大スベリコマ数よりも少ないコマ数以下となる。また、本実施の形態では、ボーナス遊技以外の遊技では、規定数が3に設定されており、ボーナス遊技中は、規定数が2に変更される。ボーナス遊技中は、図4に示すように、小役が入賞しても1回の遊技で投入枚数以下のメダルしか払い出されない。ボーナス遊技は、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数、例えば28枚を超えた場合に終了する。
なお、ボーナス遊技では、役抽選の抽選結果に基づいて小役が当選状態となるように形成してもよい。
役抽選テーブルとしては、図5に示すように、通常状態において用いられる通常テーブルと、ボーナス内部中において用いられる内部中テーブルと、ボーナス作動中において用いられるBBテーブルとが設けられている。
なお、「リプレイB」〜「リプレイE」の4個の当選領域が当選した場合には、どのような打順で停止スイッチ31〜33が操作(停止操作)されたかにより、入賞するリプレイや表示される図柄組合せが変化するようになっているが、この詳細についても後述する。
また、「リプレイB」〜「リプレイE」の各当選確率は、「リプレイA」よりも低く設定されており、「リプレイF」よりも高く設定されている。すなわち、「リプレイA」は比較的頻繁に当選するが、「リプレイF」は希にしか当選せず、「リプレイB」〜「リプレイE」はそれぞれ、その中間程度で当選するようになっている。さらに、内部中テーブルにおける不当選の確率は、極めて低く(例えば1/65536)設定されている。
なお、上記した役抽選テーブルの構成や当選確率は一例であって、上記した態様や数値に限られるものではない。例えば、BBテーブルに小役やリプレイや不当選の当選領域が設けられていてもよい。BBテーブルにおいて、全ての小役が同時に当選する当選領域を設けた場合には、ボーナス遊技で、役抽選の抽選結果に基づいて小役が当選状態となるように形成することができる。
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号に基づいて、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するためのものである。以下、リール制御手段130による回転リール61〜63の回転制御及び停止制御について説明する。
(回転制御)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20の有効な操作信号を入力した場合に、リールモータM1〜M3を駆動させて回転リール61〜63を回転させるものである。すなわち、規定数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール61〜63の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、全ての回転リール61〜63を一斉に、あるいは所定の順番で回転開始させる。そして、全ての回転リール61〜63の回転速度が、停止操作を可能とするためにあらかじめ設定された定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度を維持する定常回転を行わせるものとなっている。
リール制御手段130は、リールセンサ2A(図2参照)の検出信号に基づき回転リール61〜63の回転角度を把握しつつ、停止スイッチ31〜33の作動時点(停止スイッチ31〜33の操作が検出された時点=停止操作のタイミング)での回転リール61〜63の回転角度から、有効ライン上に位置している図柄を特定すること(以下図柄参照という)ができるようになっている。そして、リール制御手段130は、停止操作がされた時点において所定位置(例えば上段位置)にある回転リール61〜63の図柄を基準図柄として、回転リール61〜63の回転角度が前記基準図柄をあらかじめ定められたコマ数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)だけ回転方向に移動させたコマ数(引き込み可能コマ数、例えば5コマ)の範囲内となるように、回転リール61〜63を停止させることができる。
本実施の形態では、役についての優先順位が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められており、停止テーブルでは、ボーナスと小役が同時に当選している場合(ボーナス内部中に小役が当選した場合)には小役に対応付けられた小役図柄を優先的に有効ライン上に引き込み、ボーナスとリプレイが同時に当選している場合(ボーナス内部中にリプレイが当選した場合)にはリプレイに対応付けられたリプレイ図柄を優先的に有効ライン上に引き込むように形成されている。したがって、ボーナス内部中において、ボーナスに対応付けられたボーナス図柄が優先的に引き込まれるのは、役抽選の結果がハズレの場合のみとなるが、本実施の形態においては、内部中テーブルのハズレの領域が極めて少ないので、ボーナス当選に係る遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、ボーナスが入賞するのは極めて希なこととなる。
次に、「打順ベル」のいずれか、すなわち図5に示す「中ベル1」〜「右ベル6」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態においては、「打順ベル」の領域に共通して含まれるベル1の図柄組合せを構成する図柄(ベル図柄)は、全ての回転リール61〜63において通常状態及びボーナス内部中における最大スベリコマ数(4コマ)を超える間隔をあけずに配置されている。また、「中ベル1」〜「中ベル6」の領域に共通して含まれるベル2の図柄組合せを構成する図柄と、「右ベル1」〜「右ベル6」の領域に共通して含まれるベル3の図柄組合せを構成する図柄は、個々の図柄組合せについてみると全ての回転リール61〜63において4コマを超える間隔をあけずに配置されているわけではないが、複数の図柄組合せを合わせると、全ての回転リール61〜63において4コマを超える間隔をあけずに配置されているものとなっている。つまり、ベル1〜3は、最大スベリコマ数が4コマに設定されている制御中(ボーナス作動中以外)においては、停止操作のタイミングに関わらず入賞可能な設定となっている。一方、各「打順ベル」に含まれる、ベル4〜9のベル役の図柄組合せを構成する図柄には、回転リール61〜63のいずれかにおいて4コマを超える間隔をあけて配置されている図柄が含まれており、ベル4〜9が単独で当選したとしても目押しをしないと入賞できない設定となっている。そして、リール制御手段130は、ボーナス作動中以外において、役抽選により、いずれかの「打順ベル」が当選した場合には、停止操作の態様に応じて、当該領域に含まれるベル1〜9のいずれかのベル役に対応する図柄組合せを有効ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。これらの制御は、停止スイッチ31〜33の打順に応じて設けられている停止テーブルを参照して行われる。
次に、図5に示す「リプレイB」〜「リプレイE」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。リール制御手段130は、役抽選により上記した「リプレイB」〜「リプレイD」のいずれかが当選した場合には、停止操作の態様に応じて、有効ライン上に停止表示させるリプレイに対応する図柄組合せが異なるものとなるように停止制御を行う。これらの制御は、停止スイッチ31〜33の打順に応じて設けられている停止テーブルを参照して行われる。
なお、赤7揃いを有効ライン上に表示させることができる打順、すなわち、「リプレイB」当選時の「右→中→左」、「リプレイC」当選時の「右→左→中」、「リプレイD」当選時の「中→右→左」及び「リプレイE」当選時の「中→左→右」は、赤7揃いを表示させるための正解打順として位置づけられる。
遊技結果判定手段140は、停止スイッチ31〜33の操作によって回転リール61〜63が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、回転リール61〜63が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、その判定結果情報を、払出制御手段150及び内部抽選状態移行手段160に送信する。前述したように、入賞によるメダルの払い出し枚数は、規定数によって異なっており、内部抽選状態がボーナス作動中である場合には、規定数が2の場合に対応する払い出しを決定し、ボーナス作動中でない場合には、規定数が3の場合に対応する払い出しを決定する(図4参照)。小役が入賞した判定結果情報を受信した払出制御手段150は、ホッパーユニット3を作動させて入賞メダルの払い出し処理を行う。リプレイが入賞した判定結果情報を受信した投入制御手段110は自動ベット処理を行い、ボーナスが入賞した判定結果を受信した内部抽選状態移行手段160は、ボーナス作動中への移行準備処理を行い、ボーナスが当選した遊技でボーナスが入賞しなかった判定結果を受信した内部抽選状態移行手段160は、ボーナス内部中への移行準備処理を行う。
払出制御手段150は、遊技結果判定手段140の判定結果及び精算スイッチ40の操作に基づいて、ホッパーモータ3Bを作動させてホッパーユニット3からメダルを払い出させるものである。すなわち、遊技結果判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ40の操作信号を入力したときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出させるようになっている。
なお、入賞により払い出されるメダルを、クレジットに電子的に貯留し、クレジットを超過する払い出し分をホッパーユニット3から払い出させるようにしてもよい。
内部抽選状態移行手段160は、内部抽選状態の移行を制御するものである。本実施の形態では、前述したように、内部抽選状態として、通常状態と、ボーナス内部中と、ボーナス作動中とが設けられている(図7(A)参照)。スロットマシンSの内部抽選状態は、初期状態(工場出荷時又は設定変更時)において通常状態に設定されており、内部抽選状態移行手段160は、通常状態中にボーナス(BB)が当選し当該遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、内部抽選状態をボーナス内部中に移行させる。また、ボーナス内部中においてボーナスが入賞すると、内部抽選状態をボーナス作動中に移行させる。そして、所定のボーナス終了条件(所定枚数を超える払い出し)に該当した場合には、内部抽選状態を通常状態に移行させる。そして、役抽選手段120が内部抽選状態に応じた役抽選テーブルを取得し役抽選を行うことにより、通常状態、ボーナス内部中、ボーナス作動中の各内部抽選状態が発動する。
ここで、既述したように、本実施の形態においては、ボーナス内部中にボーナスを入賞させることが極めて希な仕様となっている。したがって、本実施の形態における内部抽選状態は、いったんボーナスが当選し当該遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、ほぼ常にボーナス内部中に滞在することとなる。
擬似遊技制御手段180は、擬似遊技の実行を制御するものである。擬似遊技は、後述するフリーズが設定されているときに擬似的に進行される遊技であって、スタートスイッチ20の操作に基づき回転リール61〜63を擬似的に回転させ、擬似的に回転している回転リール61〜63を、それぞれに対応する停止スイッチ31〜33の操作に基づき擬似的に停止させるように設定されたものである。そして、擬似遊技制御手段180は、図2に示すように、抽選結果保存手段181、ストックカウンタ182、フリーズ設定手段183の各手段を備えている。抽選結果保存手段181は、前回の遊技における役抽選の結果を保存(記憶)するものである。ストックカウンタ182は、擬似遊技の実行の権利のストック及び消費を管理するためのものである。フリーズ設定手段183は、所定の契機で、遊技の進行が停止した状態となるフリーズを設定するものである。
以上のように、擬似遊技では、本来の遊技と同様の操作手順で本来の遊技と同様の回転リール61〜63の挙動が実現されるが、擬似遊技は、あくまでも、フリーズ中に操作スイッチの操作信号に基づいて行われる、メイン制御装置100の制御に基づく演出の一態様として位置づけられる。
また、前記ストックカウンタ182は、擬似遊技を実行するために必要となる数値(ストック数)を、図示しない所定の記憶部に記憶するものであり、記憶値の初期値は0である。ストックカウンタ182は、遊技中に所定のストック加算条件に該当した場合には、所定の記憶部の記憶値を所定数加算する。後述するが、ストックカウンタ182が所定数の記憶値を有している場合には、遊技終了後に遊技者が擬似遊技の実行契機となる所定操作を行うことにより、次遊技で擬似遊技を実行することができるようになっている。すなわち、ストックカウンタ182が所定の記憶値を有することにより、擬似遊技を実行する権利が保障されるものとなっている。
サブ制御装置200は、メイン制御装置100から出力されるコマンドやデータ(遊技制御情報)に基づいて、画像表示部70やランプ80やスピーカ90等を制御するためのものである。メイン制御装置100がサブ制御装置200に出力する遊技制御情報としては、スタートスイッチ20等の操作スイッチの操作に関する情報や、役抽選の抽選結果に関する情報や、回転リール61〜63の回転及び停止に関するリールユニット2の作動情報や、停止図柄の表示態様などの遊技結果又は擬似遊技結果に関する情報(遊技結果状態、擬似遊技結果情報)や、内部抽選状態の移行に関する情報や、擬似遊技のストック数に関する情報(加算情報、減算情報)がある。
演出状態移行手段210は、サブ制御装置200の制御に基づく演出状態の移行を制御するためのものである。
演出状態としては、図7(B)に示すように、大きく分けて、役抽選の結果に関する情報が遊技者に報知されるAT(アシストタイム)が実行される演出状態であるAT状態と、AT状態以外の演出状態である非AT状態とが設けられている。非AT状態には、サブ通常状態と、通常状態よりもAT状態に移行しやすい一定期間のAT高確率状態が設けられており、AT状態には、通常のATが行われる通常AT状態と、特別ATが行われる一定期間の特別AT状態が設けられている。
特別AT状態中(以下特別AT中と省略)においては、ベルナビが行われるとともに、ATの遊技回数の上乗せ抽選が通常AT中よりも高確率で行われる。さらに、特別AT中においては、所定のミッション(達成条件)達成によっても上乗せが行われるようになっているが、これについては後述する。演出状態移行手段210は、特別AT状態に設定されている遊技回数(例えば30回)が消化された場合には、演出状態を通常AT状態に移行させる。
演出実行制御手段220は、画像表示部70やランプ80やスピーカ90等の演出装置の作動を制御するためのものであり、以下に述べるAT制御手段230や、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、AT中の打順ナビや、正解操作指示演出やその他の演出を行わせる。さらに、演出実行制御手段220は、現時点でストックされている擬似遊技のストック数を所定のストック数表示部72(図8参照)に表示させる制御を行うとともに、前回以前の遊技に係る遊技結果(遊技結果の履歴)を所定の履歴表示部73に表示させる制御を行う。
そして、例えば、「リプレイB」の当選時に「右→中→左」で停止操作された場合には、赤7揃いが表示可能であるため、有効ライン上に赤7揃いが停止しなくても、遊技結果の履歴は赤7揃いとなり、履歴表示部73には赤色の丸印が表示される。一方、「リプレイB」の当選時に「右→左→中」で停止操作された場合には、リプレイ2に対応するハズレの出目(「ベル・リプレイ・赤7」など)が表示されるので、遊技結果の履歴はハズレ(ただし、実際の遊技結果はリプレイ2の入賞)となり、履歴表示部73には無色の丸印が表示される。また、「リプレイF」の当選時には、右下りラインにスイカ揃いが表示可能であるため、右下りラインにスイカ揃いが停止しなくても、遊技結果の履歴はスイカ揃いとなり、履歴表示部73には緑色の丸印が表示される。
AT制御手段230は、ATを制御する手段であり、図示しないが、AT抽選手段、遊技回数管理手段、報知実行手段を備え、メイン制御装置100から出力される遊技制御情報や演出状態等に基づき、ATの開始及び終了を制御する。
AT抽選手段は、ATに関する抽選を行うものである。本実施の形態においては、AT抽選手段は、メイン制御装置100から出力される遊技結果情報及び擬似遊技結果情報に基づいて、AT移行抽選、AT高確率移行抽選、上乗せ抽選、及び特別AT移行抽選を行う。
特別AT移行抽選は、通常AT中に、赤7揃いを表示可能な抽選結果(「リプレイB」〜「リプレイE」の当選)が発生したこと伴って、特別AT状態に移行させるか否かを決定するものである。
また、特別AT中において、上述したミッションを達成するために擬似遊技のストックを利用できる旨を、特に遊技者に報知する必要はないが、ストック数表示部72の数値が青色点灯している場合にはいつでも擬似遊技を発生させることができる旨を、説明書などにより遊技者に告知しておくことが望ましい。
上記構成を有するスロットマシンSの、1回の遊技における作動の概略(1遊技における遊技制御処理)を、図10のフローに基づき説明する。
まず、規定数のメダルがベットされることを条件として、スタートスイッチ20がONとなる(操作信号を入力する)ことに伴って、役抽選処理が行われるともに、遊技結果保存処理が行われる(S100〜S103)。また、役抽選の結果に基づいて、擬似遊技ストック処理が行われる(S104)。擬似遊技ストック処理は、所定のストック加算条件(特定抽選結果の発生など)に該当した場合に、ストックカウンタ182の記憶値を、抽選結果に応じた所定数だけ加算する処理である。
まず、スタートスイッチ20がONとなる前にベットスイッチ10がONとなった場合において、擬似遊技ストック判定処理が行われる(S300〜302)。ここで、ストック判定処理は、ストックカウンタ182の記憶値が、抽選結果保存手段181により保存されている抽選結果に応じた消費ストック数以上あるか否かを判断する処理である。ストックカウンタ182の記憶値が保存されている抽選結果に応じた消費ストック数以上ある場合には、擬似遊技ストックがあると判断され(S303でYes)、ベットスイッチ10の押下時間を計測するためのタイマー(図示せず)が計時を開始する(S304)。
遊技又は擬似遊技においてスタートスイッチ20が操作されている場合(S300でYes)や、擬似遊技ストック数がない場合(S303でNo)には、そのまま擬似遊技実行判定処理を終了する。すなわち、これらの場合には、ベットスイッチ10の長押しの判断(S304〜S306)を行わず、擬似遊技の実行が決定されることはない(擬似遊技実行フラグがONとならない)。
なお、擬似遊技実行判定処理は、規定数のメダルがベットされたか否かとは無関係に行われる。したがって、例えば、メダル投入口5からメダルが投入されることにより規定数のメダルがベットされている場合や、ベットスイッチ10によってすでに規定数のメダルがベットされている場合でも、スタートスイッチ20の操作前にベットスイッチ10が長押しされれば、上記処理が行われるものとなる。
まず、擬似遊技実行フラグがONとなっている場合(S400でYes)には、擬似遊技実行処理が行われる(S401)。なお、擬似遊技の終了時には、全ての回転リール61〜63は停止状態になっている。その後、ウエイト時間が経過していることを条件に、リールモータM1〜M3に駆動信号を出力する(S402、S403)。なお、擬似遊技実行フラグがONとなっていない場合(S400でNo)には、擬似遊技実行処理は行われない。回転リール61〜63の回転開始後、所定の停止可能要件が満たされたことを条件に、停止スイッチ31〜33の操作無効状態を解除する(S404、S405)。ここでの停止可能要件とは、回転リール61〜63の回転速度が定常回転速度に達し、全ての回転リール61〜63についてスタートインデックスが検知されることにより、図柄参照が可能な状態となっていることである。そして、回転リール回転開始処理を終了する。
また、擬似遊技終了後に回転リール61〜63を回転させる際に、各リールモータM1〜M3に駆動信号を出力するタイミングを異ならせたり、加速度を異ならせたりして、擬似遊技の結果表示された図柄組合せをランダムにばらけさせるようにしてもよい。あるいは、擬似遊技終了後、擬似遊技開始前の図柄組合せを再現させる処理を行うようにしてもよい。
まず、フリーズ設定手段183によりフリーズが設定され(S500)、保存抽選結果(抽選結果保存手段181が保存している抽選結果)が、役抽選の結果としてサブ制御装置200に出力される(S501)。保存抽選結果を入力したサブ制御装置200では、本来の遊技と同様に、抽選結果に応じた演出の決定を行う。例えば、演出状態がAT状態であり、保存抽選結果がいずれかの「打順ベル」の当選である場合には、ベルナビを実行させ、演出状態がAT高確率状態であり、保存抽選結果が「リプレイB」〜「リプレイE」のいずれかの当選である場合には、図8(A)に示す正解操作指示演出を行わせる。
なお、上記したS606において、スタートスイッチ20が一定時間ONにならない場合には、擬似遊技の継続を決定しないまま処理を終了するようにしてもよい。この場合にも、フリーズが解除されることに伴って回転リール61〜63が回転開始する。
以上のように、本実施の形態によれば、擬似遊技の実行権を所定契機でストックし、遊技者の所定の操作(ベットスイッチ10の長押し)があった場合には、本来の遊技のスタートスイッチ20の操作を契機としてフリーズを発生させて、本来の遊技と同様の挙動で回転リール61〜63を擬似回転させるとともに、本来の遊技と同様の挙動で回転している回転リール61〜63を停止スイッチ31〜33の操作に基づいて擬似停止させる擬似遊技を実行可能とし、回転リール61〜63を擬似停止させる際には、保存されている前回の遊技の抽選結果に対応する停止制御が行われるように形成してある。これにより、遊技者自身が、前回の遊技の当選役の再現を選択することができるという新たな遊技性を生み出すことができる。そして、本実施の形態では、擬似遊技において、本来の遊技の回転リール61〜63の回転制御、停止制御の制御ロジックをそのまま用いているので、擬似遊技と本来の遊技とを見分けがつかないようにすることができ、遊技者に違和感を抱かせずにあたかも1回の遊技を消化したかのように思わせることができるとともに、設計コストや制御装置1の処理負荷を低減することができる。
上記した実施の形態では、ベットスイッチ10を長押しすると、スタートスイッチ20の操作を契機とするフリーズが発生して、擬似遊技が開始されるように形成されていたが、擬似遊技を開始させる契機となる所定操作は、ベットスイッチ10の長押しに限られない。例えば、スタートスイッチ20が一定時間連続して押下された場合や、通常とは異なる方向(例えば上方向)に操作された場合にフリーズを発生させてもよい。あるいは、演出スイッチ50を所定の態様で操作することにより擬似遊技を実行可能としたり、擬似遊技がストックされている場合のみ操作が有効となる擬似遊技を開始させるための専用のスイッチを設け、このスイッチが操作された場合に擬似遊技を実行可能としてもよい。
また、上記した実施の形態では、所定操作(ベットスイッチ10が長押しされること)を契機にストックカウンタ182が記憶値の減算(ストック減算処理)を行っていたが、1回の擬似遊技が終了することを契機にストック減算処理を行うようにしてもよい。
さらに本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
2 リールユニット
10 ベットスイッチ 20 スタートスイッチ
31〜33 停止スイッチ 61〜63 回転リール
100 メイン制御装置 120 役抽選手段
130 リール制御手段 181 抽選結果保存手段
182 ストックカウンタ(加減算手段)183 フリーズ設定手段
200 サブ制御装置 230 AT制御手段
Claims (2)
- 外周面に複数の図柄が付された複数の回転リールと、
複数の回転リールを回転させるためのスタートスイッチと、
回転中の回転リールを個々に停止させるための複数の停止スイッチと、
所定の図柄組合せが対応付けられた役について、遊技毎に、当選か否かの役抽選を行う役抽選手段と、
スタートスイッチの操作に基づいて回転リールを回転させ、役抽選手段による役抽選の結果及び停止スイッチの操作に基づいて回転リールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
スタートスイッチが操作されてから、停止スイッチの操作が有効とされるまでの間に、遊技の進行が停止した状態となるフリーズを設定するフリーズ設定手段と、
所定の記憶部に記憶されている記憶値に対して加減算を行う加減算手段と、を少なくとも備え、
フリーズ設定手段がフリーズを設定している間に、リール制御手段が回転リールを回転させ、停止スイッチの操作に基づいて回転している回転リールを停止させることにより、擬似的に遊技が進行する擬似遊技を行わせることができる遊技機であって、
フリーズ設定手段は、所定の記憶部に記憶されている記憶値が所定値以上である場合において、遊技者により、擬似遊技の実行契機となるあらかじめ定められた所定操作が行われた場合に、擬似遊技を実行可能なフリーズを設定し、
加減算手段は、遊技中の所定条件該当を契機に、所定の記憶部の記憶値に所定の加算値を加算し、遊技者の所定操作に基づき擬似遊技が実行される場合には、所定の記憶部の記憶値から所定の減算値を減算するように形成されていることを特徴とする遊技機。 - 前回以前の遊技における役抽選の結果を保存する抽選結果保存手段をさらに備え、
リール制御手段は、擬似遊技においては、抽選結果保存手段により保存されている前回以前の抽選結果に基づいて、停止スイッチの操作信号の入力に基づく回転リールの停止を制御するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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