本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、図1に示すように、正面側(遊技者と対向する前面側)に開口部を有する方形の筐体Bと、この筐体Bの開口部を塞ぐ前扉Dを備えている。
筺体Bの内部には、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1、外周面に複数の図柄が付された3個の回転リール61,62,63を有するリールユニット2、メダルを貯留するとともに貯留されているメダルを払い出すためのホッパーユニット3、スロットマシンSに備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置4等が設置されている。
前扉Dには、図1に示すように、3個の回転リール61〜63の図柄を視認可能な図柄表示窓Wが形成されている。そして、この図柄表示窓Wの下方であってスロットマシンSの高さ方向略中央部は、スロットマシンSを作動させるための操作スイッチが設けられたカウンター状の操作部Cとなっている。操作部Cの上面右端にはメダル投入口5が設けられ、操作部Cの上面左側には、スロットマシンSに電子的に貯留されているメダルであるクレジットメダルを、遊技を開始するためのベットメダルに代えるための投入操作手段としてのベットスイッチ10が設けられている。また、操作部Cの上面であってメダル投入口5とベットスイッチ10の間には、遊技者がスロットマシンSの報知モードを選択することができる選択スイッチ50が設けられている。
また、操作部Cの正面左側には、回転リール61〜63を回転開始させるためのスタートスイッチ20が設けられ、操作部Cの正面中央部には、3個の回転リール61〜63を個々に停止させるための3個の停止スイッチ31,32,33が設けられている。具体的には、左側に位置する停止スイッチ31は左側に位置する回転リール61を停止させるものであり、中央に位置する停止スイッチ32は中央に位置する回転リール62を停止させるものであり、右側に位置する停止スイッチ33は右側に位置する回転リール63を停止させるものである。操作部Cの正面左端には、クレジットを払い戻すための精算スイッチ40が設けられている。
前記ベットスイッチ10は、上下方向に移動可能なボタンスイッチであって、ベットスイッチ10の筐体内部側には、ボタンの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がベットスイッチ10の操作信号として扱われるようになっている。
スタートスイッチ20は、上下方向に揺動可能なレバースイッチであって、スタートスイッチ200の筐体内部側には、押下操作によるレバーの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がスタートスイッチ20の操作信号として扱われるようになっている。
停止スイッチ31〜33は、前後方向に移動可能なボタンスイッチであって、各停止スイッチ31〜33の筐体内部側には、特に図示しないが、押圧操作によるボタンの位置移動を検出する検知部がそれぞれ設けられており、検知部の検出信号が各停止スイッチ31〜33の操作信号として扱われるようになっている。
前記選択スイッチ50は、垂直軸を中心に回転可能なドーナツ状のダイヤル52と、ダイヤル52の中央に設けられた上下方向に移動可能なプッシュボタン51とからなる(図13参照)。選択スイッチ50の筐体内部側には、回転操作によるダイヤル52の位置移動、及び押圧操作によるプッシュボタン51の位置移動を検出する検知部がそれぞれ設けられており、検知部の検出信号が選択スイッチ50の各操作に対応する操作信号として扱われるようになっている。本実施の形態では、報知演出の態様が異なる複数の報知モードが設けられており、遊技者が選択スイッチ50を操作することにより、任意の報知モードを選択することができるようになっている。
前扉Dにおいて図柄表示窓Wの上方には、液晶表示装置を備えた画像表示部70が設けられ、図柄表示窓Wの両側に位置する前扉Dの側部及び前扉Dの上端部には、電飾ランプ80が設けられている。また、前扉Dの下部には、メダルを貯留可能な下皿6が設けられているとともに、下皿6の奥壁には、ホッパーユニット3から払い出されたメダルを下皿6に排出するためのメダル排出口8と、メダル排出口8の両側に配置されたスピーカ90が設けられている。そして、メダル投入口5の下方であって前扉Dの裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター7が設けられている。
リールユニット2は、図示しない枠体に固定された3個のリールモータM1,M2,M3(図2参照)と、各リールモータM1〜M3の駆動軸にそれぞれ固定された3個の回転リール61〜63(図1参照)とを備えている。なお、図示しないが、リールモータM1には回転リール61が固定され、リールモータM2には回転リール62が固定され、リールモータM3には回転リール63が固定されている。
リールモータM1〜M3は、ステッピングモータであって、図示しないが、駆動軸に連結されたロータと4相のコイルを備えており、コイルが順次励磁されることにより、ロータが回転して駆動軸が回転し、駆動軸に固定された回転リール61〜63が回転するようになっている。4相のコイルは、所定の駆動パルスが供給されることにより励磁し、駆動パルスのパルス数やパルス幅などが制御されることによって、回転リール61〜63に付されている図柄が図柄表示窓Wを上側から下側へ向けて通過するように回転リール61〜63を回転(正回転)させることができるとともに、回転リール61〜63を図柄単位で停止させることができるようになっている。
各回転リール61〜63の外周面には、図3に示すように、赤7図柄、黒BAR図柄、白BAR図柄、リプレイA図柄及びリプレイB図柄(あわせてリプレイ図柄という)、スイカ図柄、ベルA図柄及びベルB図柄(あわせてベル図柄という)、チェリーA図柄及びチェリーB図柄(あわせてチェリー図柄という)などの図柄が、1つの回転リールにつき21個ずつ付されている。ここで、回転リールに表示されている1図柄分の領域を1コマと称し、回転リール61〜63はそれぞれ、21個の図柄に対応して等分割された21コマを有している。そして、各回転リール61〜63の外周面に連続して配置されている3つの図柄が、図柄表示窓Wから視認可能となっている。
ここで、図柄表示窓Wを通して図柄を視認するための表示位置として、各回転リール61〜63について上段、中段、下段が設けられており、各回転リール61〜63の表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。有効ラインとは、3個の回転リール61〜63の各表示位置にある縦3個横3個合計9個の図柄を1個ずつ繋いでできるライン(入賞ライン)のうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインである。入賞ラインは、規定数のメダルをベットすることにより有効ラインになる。ここで、規定数とは、1回の遊技に掛ける(ベットする)ことができるメダル数であって、本実施の形態においては、規定数が3に設定されており、3枚掛け遊技のみ行うことができるようになっている。また、本実施の形態においては、図1に示すように、左側の回転リール61の中段に位置する図柄、中央の回転リール62の下段に位置する図柄、右側の回転リール63の中段に位置する図柄を繋いでできるV字ラインLが入賞ラインとして設定されている。
そして、スロットマシンSは、スタートスイッチ20の操作によって回転開始し停止スイッチ31〜33の操作によって回転停止した回転リール61〜63の停止図柄により、役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示される(以下、このことを入賞という)と、役に応じた利益が付与されるようになっている。
(制御装置1)
制御装置1は、図示しないメイン基板ケースにメイン基板を収納したメイン基板ユニットと、図示しないサブ基板ケースにサブ基板を収納したサブ基板ユニットとから構成される。メイン基板及びサブ基板は、IC等の各種電子部品を搭載した制御基板であり、メイン基板はスロットマシンSの遊技に関する制御を行うメイン制御装置100(図2参照)を構成し、サブ基板は演出や報知に関する制御を行うサブ制御装置200(図2参照)を構成する。また、メイン制御装置100とサブ制御装置200との間では、メイン制御装置100からサブ制御装置200への一方へ向けてのみコマンドやデータが出力され、サブ制御装置200からメイン制御装置100へ向けてはコマンドやデータが出力されないようになっている。
(メイン制御装置100)
メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作に基づき、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するものである。
メイン制御装置100の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ7A、リールセンサ2A、払い出しセンサ3A、ベットスイッチ10、スタートスイッチ20、停止スイッチ31〜33、精算スイッチ40及び選択スイッチ50が接続されている。ここで、メダルセンサ7Aは、図1に示すように、メダルセレクター7に設けられた検知部であって、メダル投入口5から投入されホッパーユニット3に移送されるメダルを検出するためのものである。リールセンサ2Aは、図示しないが、リールユニット2の枠体に設けられた検知部であって、回転リール61〜63に設けられたスタートインデックスを検出して回転リール61〜63の回転を検知するためのものである。払い出しセンサ3Aは、図示しないが、ホッパーユニット3に設けられた検知部であって、メダル払出装置から払い出されるメダルを検出するためのものである。
一方、メイン制御装置100の出力側には、図2に示すように、リールモータM1〜M3、ホッパーモータ3B、ブロッカー7B、ベット表示部11、クレジット表示部12、払出表示部13及びモード表示部14が接続されている。ホッパーモータ3Bは、図示しないが、ホッパーユニット3に貯留されているメダルを1枚ずつ排出するメダル払出装置を駆動させるためのものである。ブロッカー7Bは、図示しないが、メダルセレクター7の内部を通過するメダルを、メダルセンサ7Aで検出される前にメダルセレクター7の外部に排出するためのメダルキャンセル装置である。排出されたメダルは、下皿6に払い戻される。ベット表示部11は、図1に示すように、図柄表示窓Wの下方に設けられた発光表示部であって、発光する発光領域の数により1回の遊技を行うために掛けた(ベットした)メダル数を表示するものである。クレジット表示部12は、同じく図柄表示窓Wの下方に設けられた7セグメント表示器であり、クレジットされているメダル数を数字で表示するものである。
払出表示部13は、図1に示すように、図柄表示窓Wの下方に設けられた7セグメント表示器であり、入賞により払い出されるメダル数を表示するものである。ここで、本実施の形態においては、この払出表示部13は、遊技中においてメダルが払い出されない期間、具体的には、遊技終了後(回転リール61〜63の全停止後又はメダルの払い出し終了後)から次遊技における回転リール61〜63の全停止までの間は、スロットマシンSの内部状態に関する表示を行うための状態表示部15、及び操作態様表示部16として機能するようになっているが、これについては後述する。モード表示部14は、図柄表示窓Wの右斜め下方に設けられた発光表示部であって、発光領域の発光により対応する報知モードを告知するためのものである。報知モードについては後述する。
メイン制御装置100を構成するメイン基板には、図示しないが、遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPU、読み書き可能であって遊技の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRAM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130、遊技結果判定手段140、払出制御手段150、遊技状態移行手段160、AT制御手段170、メイン演出制御手段180及び報知モード決定手段190の各手段として機能する。
(投入制御手段110)
投入制御手段110は、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作(以下投入操作という)と、遊技結果判定手段140の判定結果に基づいて、1回の遊技を行うためのメダルが掛けられた状態(ベット状態)を設定するためのものである。
具体的には、投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、規定数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。
なお、投入されたメダル数に応じて、ベット表示部11にはベット表示が行われる。また、規定数のベット状態が設定されることにより、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の回転開始が許容される。
また、投入制御手段110は、規定数を超えてメダルが投入された場合には、最大貯留可能数(50)を限度として、投入されたメダルがスロットマシンSに電子的に貯留(クレジット)されたものとして取り扱う。クレジット数はクレジット表示部12に表示される。なお、クレジット数が最大貯留可能数に達した場合には、ブロッカー7Bが作動してメダル投入口5から投入されたメダルがキャンセルされるようになっている。
また、投入制御手段110は、クレジットがされている状態でベットスイッチ10が操作されベットスイッチ10の操作信号が入力されることに伴って、規定数を限度として、クレジットされたメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。すなわち、ベットスイッチ10の操作信号の入力に基づいて、クレジット表示部12に表示されている数値を所定の数だけ減じて表示させるとともに、ベット表示部11にクレジット表示部から減じた数のベット数を表示させる。本実施の形態では、ベットスイッチ10は、1回操作するごとに最大規定数である3枚のメダルがベットされるマックスベットスイッチとして機能する。クレジットが規定数に満たない場合には、ベットスイッチ10の操作によりクレジットされている分だけのメダルがベットされる。この場合には、メダル投入口5からメダルが投入されることにより規定数のベット状態を設定する。規定数のベット状態が設定されないとスタートスイッチ20の操作が有効にならない。
なお、ベットスイッチ10を1回操作するごとに1枚のメダルがベットされるシングルベットスイッチのみを設けてもよい。あるいは、マックスベットスイッチとは別に、シングルベットスイッチを設けてもよい。
さらに、投入制御手段110は、遊技結果判定手段140が後述するリプレイの入賞を判定した場合には、前回の遊技のベット数と同一のベット数で自動的にベット状態を設定する。投入制御手段110によって自動的にベット状態が設定されること(自動ベットされること)を、再遊技の作動という。
なお、再遊技の作動中にメダル投入口5からメダルが投入された場合には、クレジットが最大貯留可能数未満であることを条件として、投入されたメダルをクレジットに移行させるようにしてもよい。
(役抽選手段120)
役抽選手段120は、回転リール61〜63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた複数種類の役を対象として行う役抽選により、1又は複数の役の当選又は不当選のいずれかの抽選結果を導出するものである。役抽選手段120は、図示しないが、乱数発生手段、乱数抽出手段、役抽選テーブル、判定手段及び当選状態設定手段を備えている。乱数発生手段は、一定時間に所定(例えば0から65535)の数字を繰り返してカウントするループカウンタであり、乱数抽出手段は、スタートスイッチ20の操作信号を入力したタイミングで、ループカウンタのカウント値を読み取って記憶するものである。ループカウンタは乱数を発生しているわけではないが、ループカウンタのカウント値を乱数抽出手段が読み取ることにより、ランダムな数値を抽出できるので、便宜上乱数発生手段というものとする。役抽選テーブルは、ループカウンタがカウントする数値(乱数発生手段の発生可能な全乱数値)を全領域として所定の当選領域を規定したものである。判定手段は、カウント値抽出手段の読み取ったカウント値と役抽選テーブルの当選領域とを照合し、カウント値が所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウント値がいずれの不当選の領域に属する場合には、「ハズレ」の決定をするものである。当選状態設定手段は、判定手段が当選を決定した場合に、当該当選に対応する当選フラグを成立させることにより当選状態を設定するものである。
前記役としては、入賞すると所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞すると次遊技において投入操作を行うことなく再度の遊技を行えるリプレイと、入賞すると次遊技から特別遊技が行われるボーナスとを備えている。
本実施の形態においては、図4に示すように、ボーナスとして、「赤7・黒BAR・赤7」の図柄組合せが対応付けられたBB(ビッグボーナス)が設けられている。BBが入賞すると、次の遊技から、小役の当選確率を高くすることにより小役を入賞し易くした特別遊技が、特別遊技を開始させるための図柄組合せの表示なしに連続して行われるようになっている。BBの入賞に基づく特別遊技は、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数、例えば29枚を超えた場合に終了する。
前記小役としては、特殊1〜特殊11までの11個の特殊役と、ベル1〜ベル3までの3個のベル役と、チャンス役とが設けられている。図4に示すように、特殊1〜特殊4には、リプレイ図柄、ベル図柄、赤7図柄、スイカ図柄、チェリーB図柄のいずれかを組み合わせて構成される図柄組合せが対応付けられている。特殊5〜特殊11には、白BAR図柄、黒BAR図柄、リプレイ図柄、ベル図柄、スイカ図柄、チェリー図柄のいずれかを組み合わせて構成される図柄組合せが対応付けられている。特殊1〜特殊11は入賞により1枚のメダルが払い出されるようになっている。
また、ベル1には、「ベルA・チェリーA・ベル(AorB)」の図柄組合せが対応付けられており、ベル2には、「スイカ・チェリーA・スイカ」「チェリーA・チェリーA・チェリーB」など4個の図柄組合せが対応付けられており、ベル3には、「リプレイ(AorB)・チェリーA・リプレイA」の図柄組合せが対応付けられている。なお、ベル1に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に揃うと、有効ラインにならない入賞ラインである無効ラインのうち、回転リール61〜63の中段位置を結ぶ中段ラインにベル図柄が揃うようになっている。また、ベル2に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に揃うと、回転リール61の下段位置、回転リール62の中段位置、回転リール63の上段位置を結ぶ無効ラインである右上りラインにベル図柄が揃い、ベル3に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に揃うと、回転リール61の上段位置、回転リール62の中段位置、回転リール63の下段位置を結ぶ無効ラインである右下りラインにベル図柄が揃うようになっている。そして、ベル1〜ベル3は入賞により15枚のメダルが払い出されるようになっている。
チャンス役には、「リプレイA・チェリーA・スイカ」の図柄組合せが対応付けられており、入賞により15枚のメダルが払い出されるようになっている。
リプレイには、「リプレイ(AorB)・ベル(AorB)・リプレイA」の図柄組合せが対応付けられている。リプレイに対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に揃うと、中段ラインにリプレイ図柄が揃うようになっている。
上記した当選状態設定手段は、役抽選の結果、小役が当選した場合には小役フラグ(特殊1フラグ、ベル2フラグ、チャンスフラグなど)を成立させ、BBが当選した場合にはボーナスフラグ(BBフラグ)を成立させ、リプレイが当選した場合にはリプレイフラグを成立させる。また、複数の役が同時に当選する重複当選領域が当選した場合には、当該領域に含まれる全ての役に対応する当選フラグを成立させる。小役フラグ及びリプレイフラグは1回の遊技限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナスが入賞するまでリセットされない。すなわち、小役、リプレイが当選した場合には当選状態が次遊技に持ち越されないが、BBが当選した場合には、当選状態が次遊技以降に持ち越されるようになっている。
本実施の形態における役抽選テーブルの概念図を図5に示す。図示した役抽選テーブルは、0〜65535の数値を全領域として、複数の当選項目の占める領域(当選領域)を規定したものであり、各当選領域の全領域に対する割合が、当該当選項目の当選確率を表すものとなっている。ここで、当選領域には、不当選(ハズレ)も含まれる。また、当選領域には、単独の役のみから構成される当選領域と、複数の役から構成される当選領域がある。具体的には、「BB」「リプレイ」「チャンス」の当選領域は、それぞれ、BB、リプレイ、チャンス役の単独当選領域である。一方、「1枚役」「打順ベル」及び「全小役」は、複数の小役の重複当選領域となっている。「1枚役」は、入賞により1枚のメダルが払い出される小役(1枚役)である特殊1〜11の重複当選領域であり、「全小役」は、全ての小役の重複当選領域である。「打順ベル」の当選領域は、図4(B)に示すように、「中段ベル1」〜「右下りベル4」の12個の当選領域から構成されている。そして、これらの各当選領域は、複数の特殊役(特殊1〜11のいずれか複数)とベル役(ベル1〜3のいずれか1つ)の重複当選領域となっている。
役抽選テーブルとしては、通常状態において行われる通常遊技で用いられる通常テーブル(図5(A)参照)、BB内部中において行われるBB内部中遊技で用いられるBB内部中テーブル(図5(B)参照)、及びBB作動中において行われる特別遊技で用いられるBBテーブル(図5(C)参照)が設けられている。
ここで、通常状態、BB内部中及びBB作動中は、それぞれ、役抽選手段120の抽選態様の違いに基づく遊技状態を示すものである。通常状態は、スロットマシンSの初期状態(工場出荷時又は設定変更後)の遊技状態であり、BB内部中は、BBの当選状態が持ち越されている遊技状態であり、BB作動中は、BBの入賞に基づく特別遊技が行われる遊技状態である。
図5に示す役抽選テーブルの括弧内の数値は、分母を65536とした場合の各領域の抽選置数を示している。通常テーブルは、「BB」が4116/65536(約1/15.9)、「リプレイ」が8978/65536(約1/7.3)、「1枚役」が30800/65536(約1/2.1)、「打順ベル」が21600/65536(約1/3.0)、「チャンス」が42/65536(約1/1560.3)の確率で、それぞれ当選するように設定されている。BB内部中テーブルは、小役の当選項目の種類及び小役の当選確率が通常テーブルと同等に設定されているとともに、「リプレイ」が13094/65536(約1/5.0)の確率で当選するように設定されている。BBテーブルは、「不当選」が約1/5.0の確率で当選し、全ての小役の当選確率(合算値)が通常テーブルよりも高くなるように設定されているとともに、個々の小役の当選確率が、通常テーブルにおける個々の小役の当選確率以上となるように設定されている。BBテーブルには「リプレイ」の領域が無く、通常テーブル及びBB内部中テーブルには「不当選」の領域が無い(不当選の確率が0である)。
ここで、BBテーブルの小役の当選確率について説明する。BBテーブルにおける「全小役」の抽選置数は7200であり、「1枚役」の抽選置数は45243である。通常テーブル又はBB内部中テーブル(以下BB非作動中テーブルという)における小役の抽選置数の合算値は52442であり、BBテーブルにおける小役の抽選置数の合算値は52443である。すなわち、BBテーブルは、BB非作動中テーブルよりも小役の当選確率(合算値)が、僅かながら高くなるように形成されている。
また、通常テーブルにおける特殊1〜特殊4及び特殊6のそれぞれの抽選置数は37500{30800+(1800×4)}であり、特殊5、特殊7〜特殊11のそれぞれの抽選置数は33900{30800+(1800×2)}である。また、通常テーブルにおけるチャンス役の抽選置数は42である。そして、BB非作動中テーブルにおけるベル1〜ベル3の抽選置数は7200(1800×4)である。一方、BBテーブルにおいては、1枚役である特殊1〜11の抽選値数が52443(45243+7200)となっているので、これらの役の当選確率はいずれもBB非作動中テーブルよりも高くなっている。また、BBテーブルにおいては、入賞により15枚のメダルが払い出されるベル1〜ベル4及びチャンス役の抽選値数が7200となっているので、チャンス役についてはBB非作動中テーブルよりも当選確率が高く、ベル1〜ベル3についてはBB非作動中テーブル同等の当選確率となっている。すなわち、BBテーブルにおいては、全ての小役のそれぞれの当選確率が、BB非作動中テーブルにおける各小役の当選確率を下回らないように設定されている。
ただし、BBテーブルでは、入賞により15枚のメダルが払い出されるベル1〜ベル3及びチャンス役が同時に当選するようになっている(当選領域「全小役」)。このため、BB非作動中テーブルでは、ベル1〜ベル3及びチャンス役のうちのいずれかが当選する確率が21600+42/65536(約1/3.0)であるのに対し、BBテーブルでは、ベル1〜ベル3及びチャンス役それぞれの当選する確率が7200/65536(約1/9.1)となっている。すなわち、通常状態又はBB内部中(以下BB非作動中という)において「打順ベル」が当選した場合、及びBB作動中において「全小役」が当選した場合に必ず15枚払い出しのベル役(ベル1〜ベル3のいずれか)が入賞したとすると、BBテーブルでは、小役の入賞により15枚のメダルが払い出される確率が、BB非作動中テーブルよりも低くなる。また、BB内部中の特定時(後述するAT作動状態)においては、「打順ベル」の当選時に、ベル1〜ベル3のいずれかを入賞させるための打順が報知され、報知に従って停止操作すれば、必ずベル1〜ベル3のいずれかが入賞して15枚のメダルが払い出されるようになっている。これにより、BB作動中は、小役全体の当選確率がBB非作動中よりも高く、かつ個々の小役の当選確率はBB非作動中を下回らないようになっているものの、BB内部中の特定時(AT作動状態)と比べると、遊技者の手持ちのメダルを増やしにくい状態となっている。
なお、上記した役抽選テーブルの構成や当選確率は一例であって、図示した内容に限定されるものではない。例えば、通常テーブルやBB内部中テーブルに不当選の領域を設けてもよいし、BBテーブルにリプレイの当選領域を設けてもよい。
ところで、上記した「打順ベル」の12個の重複当選領域に対しては、3個の停止スイッチ31〜33に基づく6通りの操作順(打順)のうち、左側の停止スイッチ31、中央の停止スイッチ32、右側の停止スイッチ33の順で停止スイッチ31〜33を操作(停止操作)する打順「左中右」、及び左側の停止スイッチ31、右側の停止スイッチ33、中央の停止スイッチ32の順で停止操作する打順「左右中」(あわせて左押しという)以外の打順が割り当てられている。
具体的には、「打順ベル」のうち、「中段ベル1」「右上りベル1」「右下りベル1」の各当選領域に対しては「中左右」が割り当てられており、「中段ベル2」「右上りベル2」「右下りベル2」の各当選領域に対しては「中右左」が割り当てられている。また、「中段ベル3」「右上りベル3」「右下りベル3」の各当選領域に対しては「右左中」が割り当てられており、「中段ベル4」「右上りベル4」「右下りベル4」の各当選領域に対しては「右中左」が割り当てられている。
そして、割り当てられている打順が、各当選領域の当選に対する正解の打順となっており、「打順ベル」のいずれかが当選した場合、正解の打順で停止スイッチ31〜33が操作されたか否かによって、入賞し得る役が変化するようになっている。
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号に基づいて、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するためのものである。以下、リール制御手段130による回転リール61〜63の回転制御及び停止制御について説明する。
(回転制御)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20の有効な操作信号を入力した場合に、リールユニット2のモータ駆動回路に、所定の間隔で駆動パルス(駆動信号)を出力することにより、リールモータM1〜M3を駆動させて回転リール61〜63を回転させるものである。すなわち、規定数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール61〜63の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、全ての回転リール61〜63を一斉に、あるいは所定の順番で回転開始させる。そして、全ての回転リール61〜63の回転速度が、停止操作を可能とするためにあらかじめ設定された定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度を維持する定常回転を行わせるものとなっている。
ここで、リール制御手段130は、リールモータM1〜M3の駆動速度を制御するための制御データ(加速度データ)に基づいて、回転リール61〜63の回転を制御する。加速度データは、リールモータM1〜M3を励磁させるための駆動パルス(駆動信号)の出力態様をテーブル上に規定したものであり、加速度データに基づいて所定の駆動信号がモータ駆動回路に出力されることにより、回転リール61〜63を回転開始させ、回転速度を加速又は減速させ、あるいは一定速度(定常回転速度)を保って回転させることができるようになっている。
本実施の形態では、加速度データとして、回転リール61〜63の作動態様による演出である回胴演出が行われない場合(すなわち通常の回転時)の回転リール61〜63の挙動を制御するための通常回転データと、前記通常回転データとは異なる挙動で回転リール61〜63を作動させることができる回胴演出回転データとを備えている。通常回転データは、当該データを参照して駆動信号の出力処理を行う通常回転制御により、停止している回転リール61〜63が回転開始し、所定の加速度で加速し、一定時間後に定常回転速度に達するように設定されたものである。回胴演出回転データは、当該データを参照して駆動信号の出力又は出力停止処理を行う回胴演出制御により、回転リール61〜63が種々の態様で作動するように設定されたものである。そして、通常回転制御により、スタートスイッチ20の操作(以下スタート操作という)から停止操作が許可されるまでの間、回転リール61〜63はあらかじめ定められた通常の態様で回転し、回胴演出制御により、スタート操作から停止操作が許可されるまでの間、通常の態様とは異なる態様で回転リール61〜63がどうする回胴演出が行われることとなる。回胴演出は、メイン制御装置100の制御に基づくメイン演出の一つとして位置づけられる。
また、本実施の形態においては、回胴演出回転データとして、リールモータM1〜M3を逆転駆動させて回転リール61〜63を逆回転(回転リール61〜63に表示されている図柄が正面視して下側から上側に移動する方向に回転)させるための逆回転データと、回転リール61〜63の特定の図柄(例えば赤7図柄、白BAR図柄など)を所定の並びに揃えるように回転リール61〜63を回転させるための図柄揃え回転データとが少なくとも設けられている。本実施の形態では、逆回転データと図柄揃え回転データとを用いて、回転リール61〜63についての所定位置(例えば有効ライン上)にある停止図柄から特定の図柄までの逆転方向のコマ数に基づいて、所定の回転速度でリールモータM1〜M3を所定コマ数分だけ逆転駆動させ、特定の図柄が所定の並び(例えば横並びや斜め並び)となった後に、全ての回転リール61〜63を所定回数逆回転させて駆動停止させることができるようになっている。そして、逆回転した回転リール61〜63が停止したときに、特定の図柄が所定の並びで図柄表示窓Wに表示されるようになっている。
なお、回胴演出回転データとしては、図柄揃え回転データや逆回転データに限られず、リールモータM1〜M3の正転逆転を繰り返して回転リール61〜63を振動させる制御を行わせるデータや、回転リール61〜63を定常回転速度よりも遅い速度で回転させる低速回転データや、回転リール61〜63を定常回転速度よりも遅い速度で回転させる高速回転データなどを設けてもよい。
そして、本実施の形態においては、リール制御手段130は、後述するフリーズ設定手段181がフリーズを設定している間に、前記した回胴演出回転データに基づき回転リール61〜63の作動を制御することができるように形成されている。
(停止制御)
リール制御手段130は、リールセンサ2A(図2参照)の検出信号に基づき回転リール61〜63の回転角度を把握し、回転リール61〜63の回転角度から、所定位置(例えば上段位置)にある図柄を特定すること(図柄参照)ができるようになっている。そして、リール制御手段130は、停止スイッチ31〜33の作動時点(停止スイッチ31〜33の操作が検出された時点=停止操作のタイミング)において所定位置にある回転リール61〜63の図柄を基準図柄として、回転リール61〜63の回転角度が前記基準図柄をあらかじめ定められたコマ数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)だけ回転方向に移動させたコマ数(引き込み可能コマ数、例えば5コマ)の範囲内となるように、回転リール61〜63を停止させることができる。
具体的には、前記基準図柄を所定位置(例えば上段位置)に停止させてもよい場合には、停止操作のタイミングで、停止信号を出力してそのまま回転リール61〜63を停止させる。また、基準図柄を所定位置に停止させることによって有効ライン上に停止させてはいけない図柄が停止することとなる場合には、リールモータM1〜M3の駆動を停止させるための駆動パルス(停止信号)を出力するタイミングを遅らせて、有効ライン上からその図柄を蹴飛ばす蹴飛ばし処理を行う。また、前記引き込み可能コマ数の範囲内に、当選した役に対応付けられた図柄組合せを構成する図柄(当選図柄)が含まれている場合には、停止信号を出力するタイミングを遅らせて、有効ライン上にその当選図柄を引き込む引き込み処理を行う。
リール制御手段130は、これらの処理を、回転リール61〜63の停止位置候補を特定するためのあらかじめ定められた優先順位に基づいて、基準図柄から何コマ分回転させて回転リール61〜63を停止させるかを役抽選の結果及び停止操作のタイミングに応じて図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルを用いて行う。
本実施の形態では、役についての優先順位が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められており、停止テーブルでは、ボーナス(BB)と小役が同時に当選している場合(ボーナスフラグが持ち越されている状態において小役が当選した場合)には小役に対応付けられた図柄を優先的に有効ライン上に引き込み、ボーナスとリプレイが同時に当選している場合(ボーナスフラグが持ち越されている状態においてリプレイが当選した場合)にはリプレイに対応付けられた図柄を優先的に有効ライン上に引き込むように形成されている。したがって、BB内部中において、BBに対応付けられた図柄が優先的に引き込まれるのは、役抽選の結果が不当選の場合のみとなる。しかし、本実施の形態においては、BB内部中テーブルには不当選の領域が無いので、BB当選に係る遊技でBBが入賞しなかった場合には、BBが入賞する場合はない。
また、停止テーブルとしては、引き込み可能コマ数の範囲内で当選図柄を有効ライン上に引き込み、当選図柄以外の図柄を有効ライン上から蹴飛ばすように、回転リール61〜63の停止位置が規定された当選図柄引き込みテーブルと、引き込み可能コマ数の範囲内で、いかなる役に対応する図柄組合せも有効ライン上に揃わないように、回転リール61〜63の停止位置が規定されたハズレテーブルとが設けられている。停止テーブルは、3個の回転リール61〜63にそれぞれ対応して設けられており、先に停止した回転リールの停止図柄に応じて、未停止の回転リールの停止テーブルが選択されるようになっている。
(打順ベル当選時の停止制御)
次に、「打順ベル」のいずれか、すなわち図4(B)に示す「中段ベル1」〜「右下りベル4」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について、図6に基づき説明する。
まず、リール制御手段130は、役抽選により「中段ベル1」〜「中段ベル4」が当選した場合において、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の打順(図6参照)で停止操作された場合には、ベル1の図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、停止操作のタイミングにかかわらずベル1が入賞し、15枚のメダルが払い出される。同様にして、「右上りベル1」〜「右上りベル4」が当選した場合において正解の打順で停止操作された場合には、ベル2の図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行い、「右下りベル1」〜「右下りベル4」が当選した場合において正解の打順で停止操作された場合には、ベル3の図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、停止操作のタイミングにかかわらずベル2又はベル3が入賞し、いずれも15枚のメダルが払い出される。
一方、「中段ベル1」〜「右下りベル4」のいずれかの当選時に、左押し以外の不正解の打順で停止操作された場合には、各当選領域に含まれる特殊5〜特殊11のいずれかの図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。具体的には、「中段ベル1」「中段ベル2」の当選時には特殊5又は特殊6、「中段ベル3」「中段ベル4」の当選時には特殊9、「右上りベル1」「右上りベル2」の当選時には特殊6又は特殊7、「右上りベル3」「右上りベル4」の当選時には特殊10、「右下りベル1」「右下りベル2」の当選時には特殊8、「右下りベル3」「右下りベル4」の当選時には特殊11の図柄組合せを構成する図柄を、それぞれ有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、停止操作のタイミングにかかわらず特殊5〜特殊11のいずれかが入賞し、いずれも1枚のメダルが払い出される。
そして、役抽選により「中段ベル1」〜「右下りベル4」が当選した場合において、不正解の打順のうちの左押しで停止操作された場合には、各当選領域に含まれる特殊1〜特殊4のいずれかの図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。具体的には、「中段ベル1」「右上りベル1」の当選時には特殊1、「中段ベル2」「右上りベル2」の当選時には特殊2、「中段ベル3」「右上りベル3」の当選時には特殊3、「中段ベル4」「右上りベル4」の当選時には特殊4、「右下りベル1」「右下りベル3」の当選時には特殊1又は特殊4、「右下りベル2」「右下りベル4」の当選時には特殊2又は特殊3の図柄組合せを構成する図柄を、それぞれ有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。この場合には、停止操作のタイミングによって特殊1〜特殊4のいずれかが入賞し1枚のメダルが払い出される場合があるが、特殊1〜特殊4を取りこぼした場合には何の役も入賞しない。
以上のように、「打順ベル」の当選時において、正解の打順で停止操作すると必ず15枚のメダルが払い出され、左押し以外の不正解の打順で停止操作すると必ず1枚のメダルが払い出され、左押しで停止操作すると1枚のメダルが払い出される場合があるようになっている。正解の打順で停止操作した場合に入賞するベル1、ベル2、ベル3をあわせて正解ベルというものとする。
なお、リール制御手段130は、「1枚役」の当選時には、打順及び停止操作のタイミングに関わらず、特殊5〜特殊11のいずれかに対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。いずれの図柄を有効ライン上に引き込むかは、停止スイッチ31〜33の操作タイミングに応じて停止テーブルに規定されている。また、リール制御手段130は、「全小役」の当選時には、打順及び停止操作のタイミングに関わらず、ベル1〜ベル3のいずれかに対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。いずれの図柄を有効ライン上に引き込むかは、停止スイッチ31〜33の操作タイミングに応じて停止テーブルに規定されている。
ところで、本実施の形態においては、フリーズ設定手段181がフリーズを設定している場合に、スタートスイッチ20の操作信号に基づき回転リール61〜63を擬似的に回転させ、停止スイッチ30〜33の操作信号に基づき回転リール61〜63を擬似的に停止させる擬似遊技を実行可能に形成されている。上記した通常回転データに基づく回転制御及び停止制御は、本来の遊技中において行われるものである。そして、リール制御手段130は、擬似遊技中において、回転リール61〜63の擬似的な回転及び擬似的な停止を制御することができるものとなっている。擬似遊技は、フリーズ中における所定の操作スイッチの操作信号入力に基づいて行われる回胴演出の一態様として位置づけられるものである。本実施の形態では、回胴演出のうち、回胴演出回転データを用いてリール制御手段130が回転リール61〜63の作動を制御する回胴演出をリール回転演出といい、上記した擬似遊技と区別するものとする。擬似遊技及びリール回転演出の詳細については後述する。
(遊技結果判定手段140)
遊技結果判定手段140は、停止スイッチ31〜33の操作によって回転リール61〜63が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、回転リール61〜63が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、その判定結果情報を、払出制御手段150及び遊技状態移行手段160に送信する。
(払出制御手段150)
払出制御手段150は、遊技結果判定手段140の判定結果及び精算スイッチ40の操作に基づいて、ホッパーモータ3Bを作動させてホッパーユニット3からメダルを払い出させるものである。すなわち、遊技結果判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ40の操作信号を入力したときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出させるようになっている。
なお、入賞により払い出されるメダルを、クレジットに電子的に貯留し、クレジットを超過する払い出し分をホッパーユニット3から払い出させるようにしてもよい。
(遊技状態移行手段160)
遊技状態移行手段160は、遊技状態の移行を制御するものである。本実施の形態では、前述したように、遊技状態として、通常状態と、BB内部中と、BB作動中とが設けられている(図7(A)参照)。スロットマシンSの遊技状態は、初期状態(工場出荷時又は設定変更時)において通常状態に設定されており、遊技状態移行手段160は、通常状態において行われる通常遊技でBBが当選し当該遊技でBBが入賞しなかった場合には、遊技状態をBB内部中に移行させる。また、BBが当選し当該遊技でBBが入賞した場合、及びBB内部中において行われるBB内部中遊技でBBが入賞した場合には、遊技状態をBB作動中に移行させる。BBが入賞した場合には、次遊技から特別遊技が開始される。そして、所定のBB終了条件(所定枚数を超える払い出し)に該当した場合には、遊技状態を通常状態に移行させる。そして、役抽選手段120が遊技状態に応じた役抽選テーブルを取得し役抽選を行うことにより、通常状態、BB内部中、BB作動中の各遊技状態が発動する。
ここで、既述したように、本実施の形態においては、BB内部中にBBを入賞させることができない仕様となっている。したがって、本実施の形態における遊技状態は、一旦BBが当選し当該遊技でBBが入賞しなかった場合には、常にBB内部中に滞在することとなる。
(AT制御手段170)
AT制御手段170は、当選役に関する情報が報知されるAT(アシストタイム)の開始及び終了を制御する手段であり、図示しないが、演出状態決定手段、AT移行モード決定手段、AT抽選手段及び遊技回数管理手段を備えている。
(演出状態決定手段)
演出状態決定手段は、サブ制御装置200の制御に基づく演出状態(図7(B)参照)を、正解ベルの入賞を補助する補助演出(打順ナビ)が行われるAT作動状態と、AT作動状態への移行が内部的に確定しているAT準備状態と、それ以外の通常演出状態との間で移行させる決定を行うものである。演出状態決定手段の決定は所定の記憶部に記憶されるとともに、当該決定に関する情報がサブ制御装置200に出力される。そして、演出状態決定手段の決定に基づき、サブ制御装置200が演出状態に応じた演出実行制御を行うことにより、所定の演出状態が発動する。
スロットマシンSの演出状態は、初期状態(工場出荷時等)においては、通常演出状態となっている。演出状態決定手段は、通常演出状態中において、後述するAT移行抽選に当選した場合には、演出状態をAT作動状態又はAT準備状態のいずれかに移行させる決定を行う。演出状態をAT作動状態、AT準備状態のいずれに移行させるかは、AT移行抽選の結果に基づいて決定される。なお、AT準備状態とAT作動状態をあわせて、AT状態というものとする。
AT準備状態中(以下AT準備中という)においては、サブ制御装置200の制御に基づくAT作動状態への移行を示唆する演出が行われる場合がある。AT準備中に行われる遊技をAT準備中遊技という。そして、演出状態決定手段は、所定回数のAT準備中遊技が終了した場合には、演出状態をAT作動状態に移行させる決定を行う。
AT作動状態中(以下AT作動中という)においては、サブ制御装置200により、「打順ベル」の当選時に正解ベルを入賞させるための打順ナビ(ベルナビ)が行われる。AT作動中に行われる遊技をAT遊技という。そして、AT作動状態において、所定回数のAT遊技が終了した場合には、後述する継続抽選に当選しなかったことを条件に、演出状態を通常演出状態に移行させる決定を行う。継続抽選に当選した場合には、通常演出状態に移行させる決定を行わない。通常演出状態に移行させる決定を行わない場合には、AT作動状態を維持するか、AT準備状態に移行させるかのいずれかの決定を行う。
(AT移行モード決定手段)
AT移行モード決定手段は、AT状態への移行のし易さがそれぞれ異なる複数種類のAT移行モードの中から、適用すべきAT移行モードを決定するものである。AT移行モードとしては、相対的にAT状態に移行し難い低確率モードと、低確率モードよりもAT状態に移行し易い高確率モードと、高確率モードよりもさらにAT状態に移行し易い天国モードとが設けられている。これらのAT移行モードは、以下に述べるAT移行抽選の契機となる役抽選の抽選結果(特定抽選結果)の種類及びAT移行抽選で当選する確率(AT移行確率)が異なるものとなっている(図8(A)参照)。なお、スロットマシンSの初期状態におけるAT移行モードは、いずれかのモードに固定されていてもよいし、スロットマシンSの出玉の設定の変更時に抽選により決定してもよいし、スロットマシンSの出玉の設定に応じてあらかじめ定められていてもよい。
そして、AT移行モード決定手段は、AT状態への移行が決定された場合(AT移行抽選に当選した場合)や、AT状態の終了が決定された場合(継続抽選に当選しなかった場合)に、当該AT作動状態が終了した後の通常演出状態のAT移行モードを、モード抽選により決定する。あるいは、AT作動中において特定の抽選結果(例えば「チャンス」の当選)が発生した場合や、特定の遊技履歴(例えば特定の小役の入賞回数等)が達成された場合に、AT作動状態が終了した後のAT移行モードを、高確率モードにするか天国モードにするかのモード抽選を行うようにしてもよい。
(AT抽選手段)
AT抽選手段は、ATに関する抽選を行うものである。本実施の形態においては、AT抽選手段は、AT移行抽選、上乗せ抽選及び継続抽選を行う。AT抽選は、AT抽選用の乱数と、AT抽選用の抽選テーブル(AT移行抽選テーブル、上乗せ抽選テーブル、継続抽選テーブル)を用いて、役抽選と同様の手法で行われる。
AT移行抽選は、BB内部中の通常演出状態中において、AT状態に移行させるか否かを抽選により決定するものである。本実施の形態では、AT移行抽選の契機となる特定抽選結果が発生した場合に、AT移行モードに応じて、AT移行抽選が行われる。
具体的には、AT抽選手段は、図8(A)に示すように、低確率モードにおいては、「チャンス」及び「中段ベル1」の当選時にAT移行抽選を行い、高確率モードにおいては、「チャンス」「中段ベル1」及び「リプレイ」の当選時にAT移行抽選を行い、天国モードにおいては、「チャンス」「中段ベル1」「リプレイ」及び「中段ベル1」以外の「打順ベル」の当選時にAT移行抽選を行う。
ここで、「チャンス」が当選した場合には、AT移行モードに関わらず、100%の確率でAT移行抽選に当選する(そのような抽選テーブルを用いてAT移行抽選が行われる)。すなわち、「チャンス」は、当該役が当選した場合には必ずAT状態への移行が確定するAT移行確定役として位置付けられる。また、高確率モードにおいては、「チャンス」に加え「中段ベル1」が当選した場合に100%の確率でAT移行抽選に当選する。すなわち、「チャンス」「中段ベル1」は、高確率モードにおけるAT移行確定役として位置付けられる。さらに、天国モードにおいては、「チャンス」「中段ベル1」に加え「リプレイ」が当選した場合に100%の確率でAT移行抽選に当選する。すなわち、「チャンス」「中段ベル1」「リプレイ」は、天国モードにおけるAT移行確定役として位置付けられる。
なお、図8(A)に示すように、低確率モードにおいては「中段ベル1」の当選時に5%の確率でAT移行抽選に当選し、高確率モードにおいては「リプレイ」の当選時に50%の確率でAT移行抽選に当選し、天国モードにおいては「中段ベル1」以外の「打順ベル」の当選時に50%の確率でAT移行抽選に当選する。
さらに、AT抽選手段は、AT移行抽選に当選した場合には、ただちにATを開始する(AT作動状態に移行する)か、ただちにATを開始させないで所定回数のAT準備中遊技の終了後(AT準備状態の期間の経過後)にAT遊技を開始させる(ATを潜伏させる)かについて、抽選により決定する。あるいは、AT移行抽選の抽選対象として、ただちに開始されるATと、ただちに開始されないATとを設定してもよい。なお、AT抽選手段は、「チャンス」の当選によりAT状態への移行が確定した場合には、100%の確率でただちにAT遊技の開始を決定するものとする。ATの開始が決定(又はただちに開始されるATが選択)された場合には、演出状態移行手段が演出状態をAT作動状態に移行させる決定を行う。ATの潜伏が決定(又は潜伏するATが選択)された場合には、演出状態移行手段は、演出状態をAT準備中に移行させる決定を行うとともに、AT準備中の期間としてN回(Nは1以上の自然数)を設定する。N回は、所定回数(例えば4回)にあらかじめ定められていてもよいし、抽選により決定してもよい。そして、演出状態移行手段は、所定の記憶部にN値を記憶するとともに、遊技終了(回転リール61〜63の全停止)ごとに記憶値を減算し、記憶値が0になったら(すなわちN回のAT準備中遊技が行われたら)、演出状態をAT作動状態に移行させる決定を行う。なお、N値が0になったか否かの判定は遊技終了時に行う。
上乗せ抽選は、AT中(AT準備中又はAT作動中)において、設定されているAT遊技回数を増加させるか否か及び増加させる回数を、抽選により決定するものである。本実施の形態では、AT抽選手段は、図8(B)に示すように、「チャンス」「打順ベル」「リプレイ」の当選時に、上乗せ抽選を行う。
具体的には、「チャンス」の当選時には、100%の確率で100〜300回の上乗せが決定される。すなわち、AT抽選手段は、「チャンス」が当選した場合には、上乗せ回数を100〜300回のうちのいずれにするかの上乗せ抽選を行う。また、「打順ベル」の当選時には、1%の確率で10〜30回の上乗せが決定される。
また、上乗せ抽選には、役抽選の結果に関わらず上乗せの可否を決定し、複数回の遊技において連続して上乗せ抽選を可能とする上乗せループ抽選が設けられている。上乗せループ抽選に当選した場合には、次遊技において、例えば66%の当選確率で上乗せの可否を決定するループ抽選が行われ、ループ抽選に当選した場合には上乗せ回数が回数抽選により決定される。そして、その次の遊技においてもループ抽選が行われ、ループ抽選が不当選となるまで繰り返される。なお、ループ抽選に当選するごとに、あらかじめ定められた上乗せ回数が決定されるようにしてもよい。ループ抽選が不当選となった場合には、AT抽選手段は上乗せループの終了を決定する。本実施の形態では、「打順ベル」の当選時に1%の確率で、「リプレイ」の当選時に1%の確率で、上乗せループ抽選に当選するように形成されている。
なお、AT移行抽選及び上乗せ抽選の契機となる特定抽選結果や当選確率は一例であって、上記内容に限定されるものではない。
継続抽選は、AT作動状態の期間として設定された所定回数のAT遊技の終了時に、AT状態を継続させるか否かを抽選により決定するものである。具体的には、AT抽選手段は、ただちに次のAT遊技を開始させてAT状態を継続させる(続行)か、AT状態を継続させるがATを潜伏させるか、AT状態を継続させない(終了)か、のいずれかを抽選により決定する。終了が決定された場合には演出状態決定手段が通常演出状態への移行を決定し、AT状態が終了する。また、続行が決定された場合にはAT作動状態が維持され、潜伏が決定された場合には演出状態決定手段がAT準備状態への移行を決定する。AT準備状態に移行した場合には、所定回数(N回)のAT準備中遊技の実行後に、AT作動状態に移行する。
なお、継続抽選は、所定回数のAT遊技の終了後、複数回(例えば3回)の遊技において行われるようにしてもよい。この場合、所定回数のAT遊技の終了後からAT状態の継続の可否が決定されるまでの間は、「打順ベル」の当選時にベルナビを行わせるようにしてもよい。
(遊技回数管理手段)
遊技回数管理手段は、AT作動状態の期間となるAT遊技回数の設定や設定されているAT遊技回数の上乗せを管理するものであり、図示しないATカウンタを備えている。ATカウンタは、AT遊技回数をカウントするものである。
具体的には、遊技回数管理手段は、AT移行抽選に当選した場合、又は継続抽選に当選(続行又は潜伏が決定)した場合には、ATカウンタにAT遊技回数を最低保障回数(例えば40回)分だけ設定して記憶し、AT作動状態への移行が決定されることを契機に、ATカウンタの記憶値を、遊技開始ごとに1ずつ減算する。なお、AT準備中やAT作動中に上乗せ抽選に当選した場合には、ATカウンタの記憶値に抽選で決定された数値を加算する。これにより、AT遊技回数が上乗せされ、AT作動状態の期間が延長される。
そして、ATカウンタの記憶値が、遊技消化に基づく減算によって0になり、かつ継続抽選に当選しなかった場合には、演出状態決定手段が通常演出状態への移行を決定し、ATが終了する。ATカウンタの記憶値が0になったか否かの判定は遊技終了時に行う。
なお、ATの終了条件を、入賞によるメダルの払い出し枚数や、投入したメダルと払い出されたメダルの差枚数としてもよい。例えば、払い出し枚数や差枚数が所定数(例えば100枚)を超えた場合に継続抽選が行われ、継続しない場合にはATが終了するように設定することができる。この場合には、遊技回数管理手段の代わりに枚数管理手段を設け、ATカウンタはAT作動中のメダルの払い出し数や差枚数をカウントする。また、上乗せ抽選では、AT作動状態の終了条件となる枚数の上乗せを決定する。
ところで、本実施の形態においては、AT作動状態でないときに、停止スイッチ31〜33が左押し以外の打順で操作(いわゆる変則押し)されたことに基づいて、所定のペナルティを設定するようになっており、AT制御手段170は、このペナルティに関する制御をも行うものである。具体的には、AT制御手段170は、図示しないペナルティカウンタを備えており、ペナルティの設定条件に該当すると、ペナルティカウンタに所定の遊技回数がセットされる。ペナルティ遊技回数は、遊技消化ごとに減算されるが、ペナルティカウンタが遊技回数を有している間は、AT移行抽選や上乗せ抽選を行わない等のペナルティが実行される。また、ペナルティに該当する行為(変則押し)が行われた場合には、所定の警告表示がなされ、遊技者に適正な操作を促すようになっている。このようなペナルティを課すことにより、AT状態でないときに変則押しにより正解ベルを入賞させて出玉を増やす行為を効果的に禁止することができる。
なお、本実施の形態では、正解打順が左押し以外の打順に設定されているが、左押しを正解打順として設定してもよい。そして、左押しの正解打順を設けて、中押し(「中左右」「中右左」)や右押し(「右左中」「右中左」)の打順と均等にした場合には、ペナルティを設けなくてもよい。
また、ATは正解打順をナビするものに限られず、当選している役の種類や停止スイッチの操作タイミングをナビするものであってもよい。そして、ナビの対象となっている小役(正解ベル)が複数あり、通常状態ではそれらの正解ベルは同時に当選せず、ボーナス作動中ではそれらの正解ベルが同時に当選し、ボーナス作動中における各正解ベルのそれぞれの当選確率は通常状態よりも高いが、複数の正解ベルが同時に当選する確率が通常状態において各正解ベルのいずれかが当選する確率よりも低くなるように設定されていればよい。
ところで、本実施の形態においては、BB内部中においてのみAT抽選が行われる仕様となっているので、遊技店において、店員等が開店前にボーナスが当選するまで遊技を行い、遊技状態を通常状態からBB内部中に移行させておき、遊技者に遊技を行わせるようにする措置をとることが想定される。しかし、BBの当選確率はあまり高くなく、BBが当選するまでにある程度の期間を有し、間違ってBBが入賞してしまうと、既述したように、BB作動中はメダルを増やし難いので、BBが終了して通常状態に戻るまでに相当の時間を費やしてしまうおそれがある。そこで、BB作動中に設定変更を行った場合には、遊技状態が初期化(通常状態に設定)され、BB非作動中に設定変更を行った場合には、当該遊技状態が維持されるように形成してもよい。このように形成した場合には、BB内部中を維持したまま設定変更ができ、通常状態からBB内部中に移行させるための手間が省けるとともに、BB当選時にうっかりBBを入賞させてしまった場合でも、設定変更により通常状態に戻すことができるので、BB内部中の設定に無駄な時間を費やさなくてすむものとなる。
(メイン演出制御手段180)
メイン演出制御手段180は、メイン制御装置100の制御に基づくメイン演出、具体的には、遊技の進行を停止させているフリーズ中に擬似的に遊技を進行させる擬似遊技及び回転リール61〜63を利用したリール回転演出などの回胴演出や、状態表示部15及び操作態様表示部16の表示を制御するものであり、図2に示すように、フリーズ設定手段181、回胴演出制御手段182及び表示制御手段183を備えている。
(フリーズ設定手段181)
フリーズ設定手段181は、所定の契機で本来の遊技の進行が停止した状態となるフリーズの発生及び終了を制御するものである。
具体的には、フリーズ設定手段181は、所定のフリーズ開始条件に該当した場合に、スタートスイッチ20の操作を契機としてフリーズを設定する。フリーズ設定手段181がフリーズを設定することにより、本来の遊技の進行が停止するフリーズが発生する。また、フリーズ設定手段181は、所定のフリーズ終了条件に該当した場合には、フリーズの設定を解除する。フリーズ設定手段181がフリーズの設定を解除することにより、フリーズが終了する。
ここで、メイン制御装置100は、基本的に、回転リール61〜63の回転中や入賞によるメダルの払い出し中、あるいは再遊技の作動中には、ベット操作(メダルの投入又はベットスイッチ10の操作)を無効としている。すなわち、メダルセレクター7をメダルキャンセル状態にし、ベットスイッチ10の操作を無効としている(操作信号を受け付けない、あるいは受け付けても無視する。以下同様)。また、回転リール61〜63の回転中はもちろんのこと、回転リール61〜63が停止していてもベットがされていない状態では、スタートスイッチ20の操作を無効とし、所定のウエイト時間が経過するまでは、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の回転開始を保留する。すなわち、ウエイト時間の経過前にスタートスイッチ20の操作信号を入力しても、ウエイト時間が経過するまではリールモータM1〜M3に駆動信号が出力されないようになっている。ただし、スタートスイッチ20の操作信号に基づく役抽選処理は行われ、ウエイト時間の経過後、回転リール61〜63は再度のスタートスイッチ20の操作なしに回転開始する。また、回転リール61〜63が停止している場合はもちろんのこと、回転リール61〜63の回転開始後、回転速度が定常回転速度に達し、かつ全ての回転リール61〜63についてスタートインデックスが検知されて図柄参照が可能な状態となるまでは、停止スイッチ31〜33の操作を無効としている。
一方、メイン制御装置100は、フリーズ設定手段181がフリーズを設定した場合には、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の本来の回転開始を保留する。また、メイン制御装置100は、フリーズ設定手段181がフリーズの設定をしている間(フリーズ中)において、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号を受け付け、これらの操作信号入力に基づき後述する擬似遊技が行われるようになっている。
そして、フリーズ設定手段181によりフリーズの設定が解除されると、メイン制御装置100は回転リール61〜63の本来の回転開始の保留を解除する。これにより、フリーズ終了後、再度スタートスイッチ20が操作されなくても、回転リール61〜63は本来の回転を開始する。
本実施の形態においては、フリーズ設定手段181は、以下に述べる回胴演出制御手段182が回胴演出の実行を決定した場合に、所定のフリーズ開始条件に該当したものとしてフリーズを設定し、回胴演出制御手段182が回胴演出の終了を決定した場合に、所定のフリーズ終了条件に該当したものとしてフリーズの設定を解除するようになっている。
なお、フリーズ中であってもブロッカー7Aを作動させずにメダル投入口5から投入されたメダルを受け付け可能とし、クレジットが満杯でないことを条件に、投入されたメダルをクレジットに回すようにしてもよい。
さらに、フリーズ設定手段181は、上記以外のフリーズを設定可能であってもよい。例えば、所定の場合に、停止スイッチ31〜33の操作が無効とされるフリーズや、ベットスイッチ10の操作が無効とされるフリーズを設定可能に形成してもよい。
(回胴演出制御手段182)
回胴演出制御手段182は、回胴演出、すなわち擬似遊技又はリール回転演出の開始及び終了を制御するものである。本実施の形態においては、回胴演出制御手段182は、後述する報知モードが擬似遊技報知モード又はリール回転演出モードであることを条件として、AT制御手段170によってAT作動状態への移行が決定された場合、及び上乗せが決定された場合に、それらを報知するための回胴演出の実行を決定する。そして、あらかじめ設定された回数の回胴演出が実行された場合に、回胴演出の終了を決定するものとなっている。
また、本実施の形態では、回胴演出によって、所定の図柄組合せが所定の態様で表示され得るようになっている。この、回胴演出によって所定の態様で表示され得る図柄組合せ(回胴演出表示態様)は、回胴演出が実行される契機、換言すると、回胴演出による報知の対象となる内容に応じて、あらかじめ定められている。例えば、図9に示すように、AT状態への移行を報知する回胴演出では「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せ(赤7揃い)を表示可能である。また、上乗せループに当選し上乗せされた合計数を報知する回胴演出では、「白BAR・白BAR・白BAR」の図柄組合せ(白BAR揃い)を表示可能である。また、上乗せ抽選で30回の上乗せが決定されたことを報知する回胴演出では「チェリー(AorB)・チェリー(AorB)・チェリー(AorB)」の図柄組合せ(3連チェリー)、上乗せ抽選で20回の上乗せが決定されたことを報知する回胴演出では「チェリー(AorB)・チェリー(AorB)・チェリー以外」の図柄組合せ(2連チェリー)、上乗せ抽選で10回の上乗せが決定されたことを報知する回胴演出では「スイカ・スイカ・スイカ」の図柄組合せ(スイカ揃い)を、それぞれ表示可能である。
なお、上乗せ抽選で所定数の上乗せが決定されたことを報知する場合には、上乗せされた回数に関係なく、上記した3連チェリー、2連チェリー、スイカ揃いのいずれかが表示されるようにしてもよい。また、回胴演出表示態様は図9に示した態様に限定されるものではなく、「ベル(AorB)・ベル(AorB)・ベル(AorB)」の図柄組合せ(ベル揃い)や、「リプレイA・リプレイ(AorB)・リプレイA」の図柄組合せ(リプレイ揃い)が表示されるようにしてもよい。
(回胴演出の概要)
ここで、回胴演出としての擬似遊技及びリール回転演出の概要を説明する。
(擬似遊技)
擬似遊技は、前述したフリーズが設定されているときに擬似的に進行される遊技であって、スタートスイッチ20の操作信号の入力に基づき回転リール61〜63を擬似的に回転させ、擬似的に回転している回転リール61〜63を、それぞれに対応する停止スイッチ31〜33の操作信号の入力に基づき擬似的に停止させるように設定された回胴演出である。
まず、スタートスイッチ20の操作を契機にフリーズ設定手段181がフリーズを設定すると、リール制御手段130が回転リール61〜63を回転開始させる。この際、リール制御手段130が通常回転データを参照することにより、本来の遊技と同様の制御ロジックで回転処理や図柄参照が行われるが、フリーズが設定されている間に回転リール61〜63を回転させることを、本来の遊技の回転リール61〜63の回転と区別して擬似回転というものとする。また、回転リール61〜63が擬似回転しているときに、停止スイッチ30〜33の操作信号を入力すると、リール制御手段130が回転リール61〜63を停止させる。この際、リール制御手段130が、擬似遊技において停止制御に用いられる停止テーブルを参照することにより、本来の遊技と同様の引き込み処理や蹴飛ばし処理が行われるが、フリーズ中に回転リール61〜63を停止させることを、本来の遊技の回転リール61〜63の停止と区別して擬似停止というものとする。そして、3個の回転リール61〜63を擬似停止させると、1回の擬似遊技が終了したものとなる。
また、擬似遊技においては、前述の回胴演出表示態様が本来の遊技においては無効ラインとなる所定のライン(例えば中段ライン)上に表示されるものとなっており、遊技結果判定手段140は、このあらかじめ定められた図柄組合せが所定のライン上に表示されたか否か、すなわち、所定の回胴演出表示態様が表示されたか否かについて、判定を行うことができる。この判定は、擬似的な遊技結果判定として位置づけられる。しかし、擬似遊技の結果、所定の回胴演出表示態様が表示されても、そのことによって入賞に応じた利益が付与されることはない。すなわち、メダルが払い出されたり再遊技が作動したりボーナス遊技が開始されるといったことは一切行われない。
さらに、本実施の形態では、メイン制御装置100は、リール制御手段130が回転リール61〜63を擬似停止させた後、スタートスイッチ20の操作信号を受け付け、回転リール61〜63が擬似停止しているときにスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、リール制御手段130が回転リール61〜63を擬似回転させる。このようにして、フリーズ中に複数回の擬似遊技を実行させることができるようになっている。ただし、フリーズ中にスタートスイッチ20の操作信号を入力しても役抽選手段120は役抽選を行わない。
擬似遊技中において、リール制御手段130は、停止スイッチ31〜33の操作に基づいて、複数の回胴演出表示態様のうちのいずれかの回胴演出表示態様を表示させるために、各回胴演出表示態様に対応した擬似遊技用の停止テーブルを用いて、停止制御を行う。擬似遊技用の停止テーブルは、中段ライン、各回転リール61〜63の上段位置を結ぶ無効ラインである上段ライン、各回転リール61〜63の下段位置を結ぶ無効ラインである下段ライン、右上りライン、右下りラインの5本のラインのいずれかに、前記各回胴演出表示態様を表示させることができるよう、停止スイッチ31〜33の操作タイミングに応じた停止位置が規定されている。また、上記した5本のラインのうちのいずれのライン上にも各回胴演出表示態様に係る図柄を引き込めない場合には、当該停止テーブルの回胴演出表示態様以外の回胴演出表示態様がいずれのライン上にも表示されないように、停止位置が規定されている。
なお、擬似遊技は、所定の回胴演出表示態様が表示されるまで繰り返し実行されるようにしてもよい。また、所定の回胴演出表示態様を表示できない回数が所定回数に達した場合には、強制的に所定の回胴演出表示態様を揃える(引き込みコマ数の制限をなくす)制御を採用するようにしてもよい。
本実施の形態では、擬似遊技において回転リール61〜63が全て停止した状態で擬似遊技の終了が決定され、擬似遊技の終了が決定されると、フリーズ設定手段181は、スタートスイッチ20の操作信号の入力に伴いフリーズの設定を解除するようになっている。その後、フリーズの設定により保留されていた本来の遊技のスタートスイッチ20の操作に基づく駆動信号の出力開始により、回転リール61〜63が本来の回転を開始する。これにより、フリーズの設定の解除契機となったスタートスイッチ20の操作に基づいて回転リール61〜63が回転し次の遊技が開始されたように見えるが、実際には、フリーズにより進行が停止していた本来の遊技が再開されるものである。
ところで、擬似遊技中は、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の回転及び停止スイッチ31〜33の操作に基づく回転リール61〜63の停止が擬似遊技であることを遊技者に知らしめ、遊技者が擬似遊技を本来の遊技と勘違いするのを防止するよう対処されている。
例えば、回転リール61〜63の擬似回転態様及び擬似停止態様が、本来の遊技と同様の態様となるように制御する場合には、画像表示部70の表示画面に「フリープレイ」と明示したり、擬似遊技中においてのみ点灯する報知ランプによって、擬似遊技であることを遊技者に告知することができる。
あるいは、本来の遊技とは明らかに異なる態様で回転リール61〜63を作動させるようにしてもよい。例えば、回転リール61〜63の擬似停止時に、リールモータM1〜M3を逆転駆動して、回転リール61〜63を振動(バウンド)又は微振動(ブルリ)させたり、回転リール61〜63の擬似停止中に、リールモータM1〜M3の正転駆動・逆転駆動を繰り返して、回転リール61〜63を振動(ふわふわ)させたり、リールモータM1〜M3の正転逆転を小刻みに繰り返して微振動(ブルブル)させるようにしてもよい。あるいは所定時間(例えば500ms以内の所定時間)ごとに、数ステップ(例えば4ステップ)分ずつ、逆転方向の励磁と正転方向の励磁を行い、回転リール61〜63が停止した後所定時間ごとにピクッと上下動する挙動とさせてもよい。バウンドさせてからふわふわさせたりブルブルさせたりピクッとさせるようにしてもよい。
要は、上記したフリープレイの報知、回転リール61〜63の挙動のうちのいずれかにより、又はそれらの組合せにより、遊技者が擬似遊技中に遊技をやめて帰ってしまうのを防止できるようになっていればよい。
(リール回転演出)
リール回転演出は、フリーズ中において、リール制御手段130が、図柄揃え回転データに基づき所定の回胴演出表示態様を所定のライン上に揃えた後、逆回転データに基づき回転リール61〜63を一斉に逆回転させてから停止させる回胴演出である。
本実施の形態では、リール制御手段130は、前述した逆回転データと図柄揃え回転データとを用いて、回転リール61〜63についての所定位置(例えば有効ライン上)にある停止図柄から特定の図柄(回胴演出表示態様を構成する図柄)までの逆転方向のコマ数に基づいて、所定の回転速度でリールモータM1〜M3を所定コマ数分だけ逆転駆動させ、特定の図柄が所定の並び(例えば横並びや斜め並び)となった後に、全ての回転リール61〜63を所定回数逆回転させて駆動停止させることができるようになっている。そして、逆回転した回転リール61〜63が停止したときに、特定の図柄を所定の並びで図柄表示窓Wに表示させるようになっている。特定の図柄が所定の並びで停止表示されると、1回のリール回転演出が終了する。
ところで、本実施の形態では、リール回転演出において、遊技者の停止操作に基づかず特定の図柄組合せ(回胴演出表示態様)をメイン制御装置100の制御で恣意的に表示させているので、リール回転演出後、遊技者の意思による遊技結果に基づかないで遊技が開始されることとなり、好ましくない。そこで、リール回転演出の終了後に、リール回転演出で表示された回胴演出表示態様をランダムにばらけさせる処理(ランダム再配置処理)を行うようにしている。例えば、本来の遊技での回転リール61〜63を回転させる際、各リールモータM1〜M3に駆動信号を出力するタイミングを異ならせたり、加速度を異ならせたりして、図柄揃え回転データによって揃えた図柄の並びをばらけさせてから、定常回転に移行させる。あるいは、リール回転演出の開始前に停止していた図柄組合せを再現するようにしてもよい。また、図柄の並びをばらけさせた状態、又は元の図柄組合せを再現した状態で回転リール61〜63を停止させ、ウエイト時間が経過していることを条件に、本来の遊技の回転リール61〜63の回転を開始させるようにしてもよい。
(回胴演出の決定)
次に、回胴演出制御手段182による回胴演出の実行決定について詳述する。
回胴演出制御手段182は、上述したAT制御手段170によって、AT移行モードに応じたAT移行確定役(図8(A)参照)の当選に基づきAT状態への移行が決定された場合に、当該決定後に回胴演出の実行を決定する。具体的には、AT移行確定役が当選した遊技でAT作動状態への移行が決定された場合、すなわち、ただちにATが開始される場合には、当該遊技において、赤7図柄を揃える回胴演出の実行を決定する。この場合には、当該遊技において停止操作が有効となるまでの間に回胴演出が実行される(図10(A)参照)。また、AT移行確定役が当選しAT準備状態への移行が決定された場合、すなわち、ATが潜伏する場合には、AT準備状態に移行後、N回の遊技終了後においてAT作動状態への移行が決定されたときに回胴演出の実行を決定する。この場合には、実行を決定した次遊技(N+1回目の遊技)のスタート操作を契機に回胴演出が実行される(図10(B)参照)。
このように形成することにより、AT移行確定役が当選した場合には、その後、赤7図柄が揃うリール回転演出又は赤7図柄を揃え得る擬似遊技が行われることとなる。これらの、AT作動状態への移行が決定された場合に行われる回胴演出(AT移行報知回胴演出)は、直接的には、AT移行確定役の当選を事後的に報知しているのであるが、赤7図柄が揃った場合にはATが開始されるので、間接的に、回胴演出で赤7が揃うとATが開始される、という印象を遊技者に与えることとなる。
なお、AT移行確定役以外の特定抽選結果に基づいてAT状態への移行が決定された場合には、回胴演出は行わないようにしてもよいし、所定の確率(例えばAT移行モードに応じた確率)で行うようにしてもよい。逆に、AT移行確定役が当選した場合に、所定の確率(例えば1/65536)で回胴演出を行わない場合があってもよい。
また、回胴演出制御手段182は、AT制御手段170によってAT遊技の遊技回数の上乗せが決定された場合には、当該遊技で1回の回胴遊技を実行させるか、n回後(nは1以上の整数)の遊技で1回の擬似遊技を実行させるかを、抽選により決定する。回胴演出制御手段182による抽選は、回胴演出に関する抽選用の乱数と、所定の抽選テーブルを用いて、役抽選と同様の手法で行われる(以下同様)。n回は、所定回数(例えば3回)にあらかじめ設定されていてもよいし、抽選により決定してもよい。当該遊技における回胴演出の実行を決定した場合には、当該遊技で回胴演出が実行される。n回後の遊技における回胴演出の実行を決定した場合には、回胴演出制御手段182は、所定の記憶部にn値を記憶し、遊技終了ごとに記憶値を減算し、記憶値が0になったら、回胴演出の実行を決定する。この場合には、n+1回目の遊技で回胴演出が実行される(図10(C)参照)。
なお、記憶部の記憶値nが0になる前に、他の役抽選結果に基づいてn回後の遊技で擬似遊技を実行させることが決定された場合には、別の記憶部にn値を記憶し、遊技ごとに減算する。この場合、先にn値が記憶される一の記憶部のn値と後にn値が記憶される他の記憶部のn値が同時に0にならないよう(回胴演出の実行時期が重複しないよう)、他の記憶部のn値の初期値を調整するようにしてもよい。あるいは、一の記憶部のn値と他の記憶部のn値が同時に0となった場合には、それぞれの回胴演出を1回の遊技中に連続して実行させるようにしてもよいし、2回の遊技に分けて実行させるようにしてもよい。
また、記憶部のn値が0になる次遊技(上乗せを報知する回胴演出が実行される遊技)で、AT作動状態への移行が決定されることがあらかじめわかっている場合(AT準備中に上乗せ抽選に当選した場合であって前述したN値とn値が同時に0になる場合)には、n値の初期値を調整する(例えば後にずらす)ようにしてもよいし、AT作動状態への移行を報知する回胴演出と上乗せを報知する回胴演出を、1回の遊技中に連続して実行させるようにしてもよいし、2回の遊技に分けて実行させるようにしてもよい。
また、回胴演出制御手段182は、上乗せループが当選した場合であって、上乗せループの終了が決定された場合に、当該遊技で1回の回胴演出を実行させるか、当該遊技でM回(Mは2以上)の回胴演出を実行させるかを抽選により決定する。この場合のM回は、上乗せループでのループ回数(上乗せが行われた遊技回数)に設定される。1回の回胴演出を実行させることが決定された場合には、当該遊技で、それまでに上乗せが決定された遊技回数の合計値を報知する回胴演出が実行され(図10(E)参照)、M回の回胴演出を実行させることが決定された場合には、当該遊技で、上乗せされた遊技回数をそれぞれ報知するM回の回胴演出が実行される(図10(D)参照)。
このように、上乗せが決定された場合に行われる回胴演出(上乗せ報知回胴演出)は、単に、上乗せが決定されたことを事後的に報知しているにすぎないのであるが、回胴演出が行われることによって上乗せがされたかのように見せることができる。
さて、回胴演出制御手段182は、回胴演出の実行を決定した場合には、報知モードに応じた回胴演出実行フラグをセット(ON)して、その旨を記憶する。すなわち、報知モードが擬似遊技報知モードである場合には擬似遊技実行フラグ、報知モードがリール回転演出報知モードである場合にはリール回転演出実行フラグをONにする。フリーズ設定手段181は、本来の遊技におけるスタートスイッチ20の操作時に、回胴演出実行フラグ(擬似遊技実行フラグ又はリール回転演出実行フラグ)がONとなっている(又はONになった)場合に、フリーズ開始条件に該当したものとしてフリーズを設定する。フリーズが設定されると、リール制御手段130は、回転リール61〜63の作動を制御するためのデータを取得し、回転リール61〜63の回転を開始させる。すなわち、擬似遊技実行フラグがONである場合には、当該擬似遊技で表示させる回胴演出表示態様に応じた停止テーブルを取得し、通常回転データに基づき回転リール61〜63を通常の態様で回転開始させる。また、リール回転演出実行フラグがONである場合には、当該リール回転演出で表示させる回胴演出表示態様に対応する図柄揃え回転データを取得し、逆回転データに基づき回転リール61〜63の逆回転を開始させる。
そして、所定回数(1回又はM回)の回胴演出が実行された場合には、回胴演出制御手段182は、回胴演出の終了を決定し、回胴演出実行フラグをOFFにする。回胴演出実行フラグがOFFとなった場合には、フリーズ設定手段181は、フリーズ終了条件に該当したものとしてフリーズの設定を解除する。前述したように、回胴演出が擬似遊技の場合には、回胴演出実行フラグがOFFとなった後、スタートスイッチ20の操作信号の入力を契機にフリーズの設定を解除する。また、回胴演出がリール回転演出の場合には、フリーズの設定を解除した後、ランダム再配置処理が行われる。
なお、擬似遊技においても、上述のランダム再配置処理を行うようにしてもよい。
(表示制御手段183)
表示制御手段183は、メイン制御装置100の制御に基づき、スロットマシンSの内部状態を報知するためのものであり、払出表示部13を状態表示部15及び操作態様表示部16として機能させ、それらの表示を制御するものである。
状態表示部15は、スロットマシンSの内部状態を報知するためのものである。スロットマシンSの内部状態としては、遊技状態(通常状態、BB内部中、BB作動中)と、演出状態(通常演出状態、AT準備状態、AT作動状態)とがあるが、本実施の形態では、遊技状態がほぼ常にBB内部中となっている仕様であるので、状態表示部15による表示の対象となるスロットマシンSの内部状態は、主として、演出状態に係るものとなる。また、操作態様表示部16は、停止スイッチ31〜33の操作態様に関する表示を行うものである。本実施の形態では、「打順ベル」の当選時に、正解打順を表すとともに、停止操作のタイミングを表すこともできるようになっている。
ここで、払出表示部13は、図11(A)に示すように、2桁の数字を表示可能な7セグメント表示器であり、表示制御手段183は、既述したように、払出表示部13で払い出し枚数を表示する必要がない期間において、払出表示部13の1桁目を操作態様表示部16、2桁目を状態表示部15として機能させる。そして、状態表示部15によって、スロットマシンSの内部状態が、通常演出状態、AT準備状態、AT作動状態のいずれであるか、あるいは、AT抽選に当選したか否かに関する情報を表示するとともに、操作態様表示部16によって、正解打順を含む停止スイッチ31〜33の操作態様に関する情報を表示することができるようになっている。これは、後述するサブ制御装置200の制御に基づき行われる演出が、スロットマシンSの内部状態や遊技状況を正しく報知しない場合があることを考慮して、メイン制御装置100において、正確な情報の表示を行うことにより、そのような正しくない報知を担保できるようにしたものである。
また、本実施の形態では、7セグメントを構成する各セグメントa〜g(図11(A)参照)を用いて、文字や数字を構成しない表示態様の識別子を表示させることにより、上記した演出状態や停止スイッチ31〜33の操作態様に対応する表示を、一見してその内容を判別し難い(当該表示から演出状態や操作態様を一義的に導き出せない)ものとしている。このように、一見して内容を判別し難い表示態様を採用したのは、状態表示部15及び操作態様表示部16の表示は、遊技メダルが払い出されていない間、ほぼ表示されるものとなっているので、この表示により遊技機の内部状態が一見して判ってしまうと、サブ制御装置200の制御に基づく演出の興趣が甚だしく削がれることになるからである。
なお、表示する識別子を文字や数字を構成しない表示態様とすることで、7セグメントを構成する各セグメントa〜gの点灯を組み合わせてより多くの表示パターンを生成することができ、最小限の表示部で多くの情報を表示することが可能となる。また、状態表示部15及び操作態様表示部16を既存の7セグメント表示器と兼用にすることで、部品点数の削減を図ることができる。
各セグメントa〜gの点灯パターンとしては、図11(B)に示すように、「0」〜「20」の数字に対応した21パターンと「ANY」に対応する1パターンを設けることができる。例えば「0」に対応する点灯パターンは全てのセグメントa〜gが点灯しないパターンであり、「1」に対応する点灯パターンはセグメントaのみが点灯するパターンであり、「2」に対応する点灯パターンはセグメントbのみが点灯するパターンであり、「3」に対応する点灯パターンはセグメントa及びbのみが点灯するパターンである。そして、表示制御手段183は、これらの点灯パターンの中から所定の点灯パターンをそのまま用いて、あるいはこれらの点灯パターンに他の点灯パターンを組み合わせて、状態表示部15の及び操作態様表示部16に所定の表示を表示させる。
(状態表示部15による状態表示の一例)
例えば、図12(A)に示すように、演出状態が通常演出状態であることを示す表示として、図11(B)に示す「7」「8」の数字に対応する点灯パターン(通常1、通常2)を設定し、AT移行抽選に当選している状態、具体的には、AT移行抽選に当選したときや、AT準備中である場合を示す表示として、図11(B)に示す「9」「10」の数字に対応する点灯パターン(AT当選1、AT当選2)を設定し、AT作動中であること示す表示として、図11(B)に示す「11」「12」の数字に対応する点灯パターン(AT中1、AT中2)を設定する。そして、表示制御手段183は、通常演出状態においては、状態表示部15に、図12(A)に示す通常1又は通常2のいずれかの点灯パターン(以下通常パターンという)を表示させ、AT移行抽選に当選している状態においては、図12(A)に示すAT当選1又はAT当選2のいずれかの点灯パターン(以下AT当選パターンという)を表示させ、AT作動中においては、図12(A)に示すAT中1又はAT中2のいずれかの点灯パターン(以下AT中パターン)を表示させる。すなわち、状態表示部15に通常パターンが表示されている場合には、通常演出状態であることが正しく表示され、AT当選パターンが表示されている場合には、AT移行抽選に当選したこと又はAT移行抽選に当選している状態(AT準備状態)であることが正しく表示され、AT中パターンが表示されている場合には、AT作動状態であることが正しく表示されるものとなる。スロットマシンSの内部状態を正しく表示することを正当表示というものとする。
そして、表示制御手段183は、現在の演出状態及びAT制御手段170の決定に基づいて、状態表示部15に表示させる点灯パターンを決定し、決定した点灯パターンとなるように状態表示部15のセグメントを点灯させる。点灯パターンの決定は、遊技開始時(役抽選後)及び遊技終了時(遊技結果判定後又は入賞によるメダル払出終了後)に行われる。
具体的には、通常演出状態においては、遊技開始時において、通常パターンのいずれを表示させるかを決定することができる。いずれを表示させるかは、抽選により決定してもよいし、役抽選の結果に応じて決定してもよい。例えば「1枚役」の当選時は通常1、その他の抽選結果の場合には通常2を表示させるようにあらかじめ定めておくことができる。あるいは、通常1、通常2を所定回数の遊技ごとに順繰りに表示させるようにしてもよい。
また、AT移行抽選に当選した場合、及びAT移行抽選に当選している場合(AT準備中の場合)にはAT当選パターンを表示させることを決定することかでき、AT作動状態に移行した場合、及びAT作動中の場合には、AT中パターンを表示させることを決定することができる。2つの表示パターンのうちいずれを表示させるかは、抽選により決定してもよいし、表示の契機に該当するごとに順繰りに表示させるようにしてもよい。具体例を挙げると、AT移行抽選の当選時にAT作動状態への移行が決定されていた場合には、遊技開始のタイミングで、AT中パターンを表示させる。一方、AT移行抽選の当選時にAT準備状態への移行が決定されていた場合には、AT当選パターンを表示させ、遊技終了のタイミングでAT作動状態への移行が決定されることを契機にAT中パターンを表示させる。そして、ATが終了した場合(設定された回数のAT遊技が終了し継続抽選が不当選であった場合)には、当該遊技終了のタイミングで、通常パターンを表示させる。
さらに、表示制御手段183は、所定の場合には、上述したスロットマシンSの内部状態を正しく表示しない非正当表示を行わせることができるようになっている。これは、状態表示部15において常に正しい表示のみが行われることにより攻略性が生じるのを配慮したものであり、状態表示部15に非正当表示が行われても、そのときにサブ制御装置200による演出でスロットマシンSの内部状態や遊技状況が正しく報知されるのであれば問題ないことに基づく。ただし、非正当表示の発生頻度は低く設定し、状態表示部15の信頼性を損なわないようにすることが望ましい。
具体的には、表示制御手段183は、AT移行抽選の当選時にAT準備状態への移行が決定された場合に、AT移行抽選に当選したことを報知するAT当選パターンを表示させないとともに、AT作動状態への移行が決定されるまで、通常パターンを表示させることを、抽選により決定することができる。これにより、実際にはAT準備状態であるのに通常演出状態であるかのようにみせる非正当表示が行われるものとなる。なお、AT準備状態が終了(AT作動状態に移行)した場合には、AT作動状態の正当表示(AT中パターンの表示)を行わせる。
また、表示制御手段183は、上記とは逆に、通常演出状態においてAT移行抽選に当選していないときに、AT移行抽選に当選したことを報知するAT当選パターンを表示させ、所定回数の遊技にわたりAT当選パターンを表示させることを、抽選により決定することができる。これにより、実際には通常演出状態であるのにAT準備状態であるかのようにみせる非正当表示が行われるものとなる。この場合も、所定回数の終了後には、通常演出状態の正当表示(通常パターンの表示)を行わせる。
なお、通常演出状態において非正当表示を行わせている所定回数の遊技の最中にAT移行抽選に当選した場合には、AT制御手段170はAT準備状態への移行を決定することとし、AT準備状態からAT作動状態へ移行した場合に、AT作動状態の正当表示(AT中パターンの表示)を行わせるようにすればよい。
また、表示制御手段183は、AT制御手段170による継続抽選の当選時にAT準備状態への移行が決定された場合(潜伏が決定された場合)に、AT作動状態であることを報知するAT中パターンを表示させないとともに、AT作動状態への移行が決定されるまで、通常演出状態であることを報知する通常パターンを表示させることを、抽選により決定することができる。これにより、実際にはAT作動状態である(ATが終了していない)のに通常演出状態である(ATが終了した)かのようにみせる非正当表示が行われるものとなる。AT準備状態が終了(AT作動状態に移行)した場合には、AT作動状態の正当表示(AT中パターンの表示)を行わせる。
そして、上記とは逆に、継続抽選に当選しなかった場合(終了が決定された場合)に、所定回数の遊技にわたりAT作動状態であることを報知するAT中パターンを表示させることを、抽選により決定することができる。これにより、実際には通常演出状態である(ATが終了している)のにAT作動状態である(ATが終了していない)かのようにみせる非正当表示が行われるものとなる。所定回数の遊技の終了後には、通常演出状態の正当表示を行わせる。
なお、非正当表示には、図12(A)に示すいずれにも該当しない表示を表示させ、内部状態を不明にさせることも含まれる。例えば図11(B)に示す「ANY」に対応する点灯パターンを表示させてもよい。
(操作態様表示部16による操作態様表示の一例)
例えば、図12(B)に示すように、図11(B)のいずれの点灯パターンとも重複しない点灯パターンとして、左側の回転リール61に対応する点灯パターン(左リール)、中央の回転リール62に対応する点灯パターン(中リール)、右側の回転リール63に対応する点灯パターン(右リール)を設定する。そして、これらの点灯パターンと、図11(B)のいずれかの点灯パターンとを重ねた点灯パターンによって、正解打順や、停止操作のタイミングを知らせる操作態様表示を行わせることができる。ここで、図11(B)の「0」〜「20」は、各回転リール61〜63に付されている図柄の図柄番号に対応させている。すなわち、これらの点灯パターンを図12(B)の各点灯パターンと重ねた点灯パターンは、どの回転リール61〜63についてどの位置で停止操作すべきか(操作タイミング)の情報を表示するものとなる。また、図12(B)の各点灯パターンと「ANY」の点灯パターンを重ねた点灯パターンは、操作タイミングは問わず、どの回転リール61〜63を停止させるべきか(打順)の情報を表示するものとなる。
そして、表示制御手段183は、役抽選の結果に基づいて、操作態様表示部16に表示させる点灯パターンを決定し、その後、決定した点灯パターンとなるように操作態様表示部16のセグメントを点灯させる。そして、回転リール61〜63が全て停止したときには、操作態様表示部16のセグメントを消灯させる。
具体的には、AT作動中において、当選した「打順ベル」の正解打順が「中右左」であった場合、回転リール61〜63が全て回転しているときには、図12(C)に示すように、中リールに対応する点灯パターンに「ANY」の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させ、最初の停止スイッチ31〜33が操作された場合(回転リール61〜63が2個回転しているとき)には、右リールに対応する点灯パターンに「ANY」の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させる。そして、2番目の停止スイッチ31〜33が操作された場合(回転リール61〜63が1個回転しているとき)には、左リールに対応する点灯パターンに「ANY」の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させる。このように、一つの操作態様表示部16において、停止操作が行われるごとに表示内容を切り替えていくことで、正解打順の情報を表示することができる。なお、正解打順の表示は、正解打順で停止操作されたか否かに関わらず、停止操作が行われるごとに切り替えて表示させるようにすることができる。
また、AT作動中において、打順が設定されておらず目押しが必要ない抽選結果(例えば「リプレイ」や「1枚役」)が発生した場合には、最初(全回転リール61〜63の回転中)に表示させる点灯パターンとして、左リールや中リールや右リールに対応する点灯パターンに「ANY」のパターンを重ねた表示パターンを表示させる。最初に表示させる点灯パターンを左リール、中リール、右リールのいずれに対応したものにするかは、あらかじめ(例えば左リールに)設定しておいてもよいし、抽選によりその都度決定してもよい。
また、AT作動中において、打順が設定されておらず目押しが必要となる抽選結果(例えば「チャンス」)が発生した場合には、最初に表示させる表示パターンとして、左リールや中リールや右リールに対応する点灯パターンに、各回転リール61〜63における「チャンス」の図柄組合せ「リプレイA・チェリーA・スイカ」を構成する図柄の図柄番号に対応する点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させる。例えば、左リールに対応した点灯パターンには、回転リール61におけるリプレイA図柄の図柄番号(「1」「5」「15」「19」のいずれか)に対応する点灯パターンを重ねて表示させる。左リールの点灯パターンに上記した図柄番号のいずれの点灯パターンを重ねるかは、あらかじめ定めておいてもよいし、抽選によりその都度決定してもよい(中リール、右リールにおいて同じ)。なお、回転リール62ではチェリーA図柄が4コマを超える間隔を空けずに配置されている(どのタイミングで停止操作してもチェリーA図柄を引き込める)ので、中リールに対応する点灯パターンには「ANY」の点灯パターンを重ねるようにしてもよい。
そして、本実施の形態では、表示制御手段183は、AT作動中に操作態様表示部16に正解打順の表示をさせる場合には、必ず、正しい打順を示す表示(正当表示)を行わせるようになっている。一方、通常演出状態(非AT中)においては、「打順ベル」の当選時に正解打順を察知して不当に獲得メダルを増やす攻略性を防ぐため、正解打順の表示は行わせない。この場合には、抽選結果に関わらず、最初に表示させる点灯パターンとして、左リール対応する点灯パターンに「ANY」若しくは所定の図柄番号の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させることができる。二番目(最初の停止操作が行われた場合)に表示させる点灯パターンを中リールに対応させたものにするか右リールに対応させたものにするかは、あらかじめ設定しておいてもよいし、抽選によりその都度決定してもよい。
なお、通常演出状態においては、操作態様表示部16に何も表示しない(セグメントa〜gを全部消灯させる。図11(B)の「0」参照)ようにしてもよい。
さらに、表示制御手段183は、擬似遊技中において、操作態様表示部16に所定の表示を行わせることができる。
例えば、赤7揃いを表示させる擬似遊技においては、回転リール61〜63が全て回転しているときに、左リールの点灯パターンに回転リール61における赤7図柄の図柄番号である「2」の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させる(図12(D)参照)。そして、1番目の停止スイッチ31〜33が操作された場合には、中リールの点灯パターンに回転リール62における赤7図柄の図柄番号である「11」の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させ、2番目の停止スイッチ31〜33が操作された場合には、右リールの点灯パターンに回転リール63における赤7図柄の図柄番号である「17」の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させる。このようにして、「左中右」の打順で赤7図柄を狙って停止操作すること(左から赤7狙え)を示唆する表示を行うことができる。
なお、赤7揃いを表示させる擬似遊技において、「右から赤7狙え」を示唆するようにしてもよい。すなわち、最初に表示させる点灯パターンとして、右リールに対応する点灯パターンに「17」の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させ、1番目の停止操作が行われたら、中リールに対応する点灯パターンに「11」の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させ、2番目の停止操作が行われたら、左リールに対応する点灯パターンに「2」の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させるようにすることができる。
ちなみに、本実施の形態とは異なるが、特定の打順(例えば右押し)で停止操作した場合にのみ赤7揃いが表示され得る特定の抽選結果がある場合において、当該抽選結果の発生時に赤7揃いを表示させる場合に、上記した手法を適用できる。
ところで、操作態様表示部16には、いわゆるDDTポイント(小役をとりこぼさないための回転リール61〜63上の押下位置)の表示を行わせることができる。例えば、小役として、「チェリー・ANY・ANY」の図柄組合せが対応付けられたチェリー役と、「スイカ・スイカ・スイカ」の図柄組合せが対応付けられたスイカ役があるとする。そして、回転リール61において、特定の押下位置(特定の図柄番号の位置)で停止操作すると、チェリー役が当選している場合にはチェリー図柄を有効ライン上に引き込むことができ、スイカ役が当選している場合にはスイカ図柄を有効ライン上に引き込むことができるようになっているものとする。このような場合に、左リールに対応する点灯パターンに、前記特定の図柄番号に対応する点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させることにより、DDTポイントを知らせることができる。この表示は、AT作動中においても非AT中においても表示可能である。DDTポイントが複数ある場合には、いずれの図柄番号に対応する点灯パターンを重ねた表示を表示させるかあらかじめ定めておいてもよいし、抽選により決定してもよい。
正解打順の表示の他の例として、停止スイッチ31〜33の操作順を示す点灯パターンをあらかじめ設定しておいてもよい。例えば、図12(E)に示すように、停止スイッチ31〜33の6通りの操作順を示す点灯パターンとして、図11(B)に示す「1」〜「6」の数字に対応する点灯パターン(打順1〜打順6)、及び「ANY」に対応する点灯パターン(打順なし)を設定する。すなわち、「1」には打順1(左中右)、「2」には打順2(左右中)・・・を対応させる。そして、表示制御手段183は、AT作動中においては、「打順ベル」の当選時に当該領域に設定された正解打順(図6参照)に対応する点灯パターン(打順3〜6)を表示させ、打順が設定されていない抽選結果(「1枚役」や「リプレイ」や「不当選」や「BB」)の当選時には、打順なしに対応する点灯パターンや、打順1又は打順2(左押し)に対応する点灯パターンを表示させる。それらのいずれを表示させるかは抽選により決定してもよい。また、非AT中は、抽選結果に関わらず左押しに対応する点灯パターンを表示させるようにしてもよいし、他の表示(上述したDDTポイントの表示)を行わせるようにしてもよい。それらのいずれを表示させるかを抽選により決定してもよい。
なお、本実施の形態では、状態表示部15及び操作態様表示部16を、既存の7セグメント表示器(払出表示部13)と兼用にしていたが、状態表示部15や操作態様表示部16として機能する専用の7セグメント表示器を設けてもよい。この場合には、操作態様表示部16として機能する7セグメント表示器を複数設け、回転リール61〜63ごとに打順や操作タイミング(押下位置)を表示するようにしてもよい。また、状態表示部15として機能する専用の7セグメント表示器を複数設け、図11(B)に示す点灯パターンを用いて、状態表示部15に、上述した内容以外の情報、例えば役抽選の結果や当選役に関する情報を表示させるようにしてもよい。
また、状態表示部15や操作態様表示部16は7セグメント表示器に限定されるものでなく、図11(B)等に示す表示を表示可能な液晶表示器やドットマトリックス表示器であってもよい。あるいは、所定形状(例えば円形)に配列された複数の発光体(LED等)のうちどの位置の発光体が点灯するかによって、所定の内部状態等を表示するものであってもよい。要は、LEDや電球や液晶などの所定の表示単位を通電によって可視化させ所定の表示を行うことができるものであればよい。
(報知モード決定手段190)
報知モード決定手段190は、演出選択スイッチ50の操作信号に基づいて、スロットマシンSの内部状態を報知する場合の報知態様に関する報知モードを決定するものである。
報知モードとしては、液晶演出報知モード、リール回転演出報知モード、擬似遊技報知モードの3つが設けられている。液晶演出報知モードは、主として画像表示部70や電飾ランプ80やスピーカ90や後述する報知ランプ85を用いたサブ制御装置200の制御に基づくサブ演出が行われ、リール回転演出や擬似遊技などの回胴演出が行われない報知モードである。リール回転演出報知モードは、上記したサブ演出に加え、リール回転演出が行われ、擬似遊技が行われない報知モードである。擬似遊技報知モードは、サブ演出及び擬似遊技が行われ、リール回転演出が行われない報知モードである。なお、状態表示部15及び操作態様表示部16の表示は、報知モードに関わらず行われるようになっている。
このように、報知モードを設けることにより、回胴演出を鬱陶しいと思う遊技者が不快感を覚えること無く遊技を行うことができるようになる。また、回胴演出が実行されるとどうしても遊技時間が長くなるので、例えば遊技店の閉店時間が近いなど、迅速に遊技を進めたい場合には、回胴演出が行われない報知モードで遊技をするなど、状況に応じた遊技の仕方を遊技者自身が選択できる。
(報知モードの選択)
遊技者は、上記した3つの報知モードの中から、所望する報知モードを、選択スイッチ50を用いて選択できるようになっている。報知モードの選択は、遊技終了後、スタートスイッチ20が操作される前において可能である。
以下、報知モードの選択について、図13に基づき説明する。
スロットマシンSの初期状態において、報知モードは液晶演出報知モードに設定されている。また、現在設定されている報知モードは、モード表示部14で告知されるようになっている。モード表示部14は、図13(A)に示すように、「液晶演出」「リール回転演出」「擬似遊技」の3つの発光領域からなり、各領域はそれぞれ、液晶演出報知モード、リール回転演出報知モード、擬似遊技報知モードに対応している。そして、現在設定されている報知モードに対応する発光領域が点灯表示されている。
そして、遊技開始前にプッシュボタン51の押下操作が行われた場合には、図13(B)に示すように、モード表示部14において点灯表示されている発光領域(図示した例では「液晶演出」)が点滅表示される。この状態で、選択スイッチ50のダイヤル52を回転させることにより、点滅表示されている発光領域を変更することができ、プッシュボタン51の押下によって、選択された発光領域に対応する報知モードが設定されるようになっている。
具体的には、「液晶演出」の発光領域が点滅表示されているときにダイヤル52を所定方向(例えば右回り)に所定角度回すと、図13(C)に示すように、「液晶演出」の発光領域が消灯されて「リール回転演出」の発光領域が点滅表示される。点滅表示されている発光領域に対応する報知モードが、設定する報知モードの候補として選択されている扱いとなる。「リール回転演出」の発光領域が点滅表示されているときにダイヤル52をさらに右回りに所定角度回すと、「リール回転演出」の発光領域が消灯されて「擬似遊技」の発光領域が点滅表示される。なお、「擬似遊技」の発光領域が点滅表示されているときに、ダイヤル52をさらに右回りに所定角度回すと「液晶演出」の発光領域が点滅表示され、ダイヤル52を所定方向と逆方向(左回り)に所定角度回すと「リール回転演出」の発光領域が点滅表示される。
そして、いずれかの発光領域が点滅表示されているときにプッシュボタン51を押下すると、点滅表示されている発光領域が点灯表示に変わり(図13(D)参照)、報知モード決定手段190は、点灯表示されている発光領域に対応する報知モードを所定の記憶部に記憶する。これにより、点灯表示されている発光領域に対応する報知モードが設定されたものとなり、その後の遊技において、設定された報知モードに基づく演出が行われるようになる。
なお、プッシュボタン51が押下されないでスタートスイッチ20が操作された場合には、報知モードが変更されないまま遊技が開始されることとなる。すなわち、初期状態の場合には初期設定(液晶演出報知モード)のまま遊技が開始され、初期状態でない場合には、すでに設定されている報知モードの遊技が開始される。
また、モード表示部14のいずれかの発光領域が点滅表示されているとき(報知モードの設定が確定する前)に、遊技開始のための操作(メダルの投入やベットスイッチ10の操作やスタートスイッチ20の操作)が行われた場合には、報知モードの選択はキャンセルされる。すなわち、モード表示部14の点滅表示は終了して、プッシュボタン51が押下された時点で点灯表示されていた発光領域が点灯表示され、報知モードの変更は行われない。
(サブ制御装置200)
サブ制御装置200は、メイン制御装置100から出力されるコマンドやデータ(遊技制御情報)に基づいて、遊技に付随するサブ演出を制御する演出制御手段である。メイン制御装置100がサブ制御装置200に出力する遊技制御情報としては、スタートスイッチ20等の操作スイッチの操作に関する情報や、役抽選の抽選結果に関する情報や、回転リール61〜63の回転及び停止などのリールユニット2の作動情報や、停止図柄の表示態様などの遊技結果に関する情報や、遊技状態及び演出状態の移行に関する情報や、メイン演出(擬似遊技、リール回転演出、状態表示)の実行に関する情報などがある。
サブ制御装置200の出力側には、図2に示すように、画像表示部70、電飾ランプ80、報知ランプ85及びスピーカ90が接続されている。
ここで、報知ランプ85は、図2に示すように、図柄表示窓Wの右側に設けられた複数の発光体からなる発光表示部であって、発光体の発光態様によって、現在の演出状態に関する報知を行うためのものである。
サブ制御装置200を構成するサブ基板には、図示しないが、演出に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて演出の進行に関する制御を行うサブCPU、読み書き可能であって演出の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRAM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、少なくとも、演出実行制御手段220として機能する。
(演出実行制御手段220)
演出実行制御手段220は、画像表示部70や電飾ランプ80や報知ランプ85やスピーカ90等の演出装置の作動を制御するものであり、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、AT中に行われる打順ナビや、その他の演出状態に応じた演出を行わせる。
打順ナビは、画像表示部70に、特定の役(ベル1〜ベル3)を入賞させるための打順を矢印で示したり、停止操作すべき停止スイッチ31〜33の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、それらをスピーカ90から音声により指示したり、停止スイッチ31〜33のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させて、操作すべき停止スイッチ31〜33を示したりすることなどにより行われる。
演出状態に応じた演出には、報知ランプ85によって演出状態を報知する演出や、画像表示部70の液晶画面に表示させる動画等によって、演出状態が通常演出状態やAT準備状態であるときにAT状態への移行を期待させたり、演出がAT作動状態であるときにAT作動中の遊技を盛り上げたりする演出(液晶演出)が含まれる。
(発光報知演出)
ここで、報知ランプ85を用いた演出状態の報知(発光報知演出)について詳述する。
報知ランプ85には、図14に示すように、例えば赤色LEDからなる3個の発光体L1〜L3が設けられている。そして、発光体L1〜L3の発光態様として、図14(A)〜(C)が設定されている。
図14(A)は、演出状態が通常演出状態であることを示す発光態様(通常報知パターン)であり、発光体L1のみが点灯するパターン1と、発光体L2のみが点灯するパターン2と、発光体L3のみが点灯するパターン3が設けられている。すなわち、報知ランプ85にパターン1〜3のいずれかが表示される場合には、通常演出状態であることを正しく報知する正当報知が行われるものとなる。
また、図14(B)は、演出状態がAT状態であることを示す発光態様(AT報知パターン)であり、発光体L2、L3が点灯する当選パターンと、全ての発光体L1〜L3が点灯する作動中パターンとが設けられている。すなわち、報知ランプ85に当選パターンが表示される場合には、AT移行抽選に当選したこと又は当選していること(AT準備中)の正当報知が行われ、作動中パターンが表示されている場合には、AT作動中の正当報知が行われるものとなる。
さらに、発光態様として、図14(C)に示すように、全ての発光体L1〜L3を発光させない(消灯させる)非報知パターンが設けられている。
そして、演出実行制御手段220は、メイン制御装置100から入力する演出状態に関する情報に基づいて、報知ランプ85の点灯態様を決定し、決定した発光態様となるように発光体L1〜L3の点灯及び消灯を制御する。さらに本実施の形態では、演出実行制御手段220は、通常報知パターン又はAT報知パターンの発光報知演出を行わせる場合には、必ず、正当報知が行われるように報知ランプ85の発光態様を決定するものとなっている。
具体的には、演出実行制御手段220は、遊技開始時及び遊技終了時に、発光報知演出の実行の有無を決定し、発光報知演出を実行しないと決定した場合には、図14(C)に示す非報知パターンの表示を決定する。一方、発光報知演出を実行すると決定した場合には、演出状態に応じて、報知ランプ85の発光態様を決定する。すなわち、通常演出状態においては、図14(A)に示す通常報知パターンのうちのいずれを表示させるかを決定する。いずれを表示させるかは、抽選により決定してもよいし、役抽選の結果に応じて決定してもよい。あるいは、パターン1〜3を所定回数の遊技ごとに順繰りに表示させるようにしてもよい。また、AT移行抽選に当選した場合、及びAT移行抽選に当選している場合(AT準備中の場合)には、図14(B)に示すAT報知パターンのうちの当選パターンの表示を決定し、AT作動状態に移行した場合、及びAT作動中の場合には、作動中パターンを表示させることを決定する。
(液晶演出)
液晶演出の態様としては、1回の遊技ごとに独立して行われる単発演出と、複数回の遊技にわたりストーリー性のある内容を連続して行わせる連続演出とがある。
連続演出は、例えば、液晶画面上で主人公が敵キャラクタとバトルを繰り広げるようなものであり、バトルの結果(勝ち負け)によって、AT作動状態への移行や上乗せの有無を報知するものとなっている。具体例を挙げると、AT移行抽選に当選し、当該遊技を含めて4回の遊技終了後にAT作動状態に移行することが決定された(AT準備中遊技の回数が4回に決定された)場合には、演出実行制御手段220は、次遊技から3回の遊技にわたる連続演出(いわゆる前兆演出)を行わせることができる(図10(B)参照)。また、演出実行制御手段220は、回胴演出制御手段182が、n回の遊技後の上乗せ報知回胴演出の実行を決定した場合には、次遊技からn回の遊技にわたる連続演出を行わせることができる(図10(C)参照)。連続演出においては、遊技ごとに行われる演出内容をあらかじめ設定しておく(シナリオを決めておく)こともできるし、遊技ごとに演出内容を抽選により決定することもできる。
また、液晶演出の態様として、メイン制御装置100から入力する遊技制御情報に基づきスロットマシンSの実際の内部状態に関する正しい情報を報知する正当演出と、実際の内部状態に関する正しい情報とは異なる情報を報知する非正当演出と、内部状態に関する情報の報知を特に行わない通常演出とがある。正当演出には、AT状態への移行が決定されている場合にその旨を示唆する(例えば画面上の特定の場面で普段は出現しない特定のアイテムや特定のキャラクタが登場する、画面上でバトルが始まり主人公が敵に勝利する)演出や、AT状態への移行が決定されていない場合にその旨を示唆する(特定の場面で特定のアイテムや特定のキャラクタが出現しない、バトルが始まり主人公が敵に敗北する)演出や、AT状態への移行が確定したことを報知する演出(AT確定画面)や、ATの開始を報知する演出(スタート画面)や、AT状態が終了したことを報知する演出(終了画面)などが含まれる。非正当演出には、AT状態への移行が決定されている場合にAT状態への移行が決定されていない旨を示唆する(特定のアイテムや特定のキャラクタが出現しない、画面上でバトルが始まり主人公が敵に敗北する)演出や、ATの継続が決定されているのにAT状態が終了することを示唆する(通常画面に戻る)演出などが含まれる。通常演出には、内部状態に関係なく行われるあらかじめ定められた演出(所定の演出ステージに応じた通常画面を表示)が含まれる。
ここで、非正当演出が行われた場合には、その後の所定のタイミングで正当演出を行い、正しい内部状態を報知するようになっている。
例えば、AT作動状態への移行を示唆する連続演出の最終回(例えば図10(B)の7回目の遊技)において、AT移行抽選の結果を正しく報知しない演出内容(バトルで主人公が敵に負けたことを表す画像)が表示された場合でも、次遊技(図10(B)の8回目の遊技)において、AT遊技が開始されることを報知する正当演出(主人公が逆転勝利してATの開始を報知)が行われる。なおこの際には、報知モードに応じて、擬似遊技やリール回転演出が行われるが、それらの回胴演出と平行して、逆転勝利の演出を行わせることができる。このように、正当演出の実行によって報知内容が置き換えられる非正当演出を逆転演出という。
なお、演出実行制御手段220は、AT移行抽選に当選していないときでも、演出実行抽選によって所定回数の連続演出の実行を決定することができる。そして、連続演出の過程において、バトルで主人公が敵よりも優勢となったことを表す場面を表示して、AT移行抽選に当選しているかもしれないと思わせるような非正当演出(思わせぶり演出)を行わせることができるが、この場合には、連続演出の最終回において、ATが開始されないことを報知する正当演出(主人公が敗北する)を行わせる。また、演出実行制御手段220は、AT移行抽選に当選していないときでも、AT状態への移行が決定されていると思わせるような非正当演出(特定の場面で特定のアイテムや特定のキャラクタが登場する)の実行を決定することができる。この場合には、結果的にAT状態に移行しないことにより、当該演出がいわゆるガセ演出であったことが事後的に判明する。
演出実行制御手段220は、状態表示部15の表示情報に基づいて、報知ランプ85による発光報知演出の態様を決定する。
具体的には、役抽選やAT抽選の結果に基づいて液晶演出の内容を抽選等により決定し、決定された内容が正当演出である場合には、報知ランプ85の発光報知パターンとして、非報知を含む発光報知パターンを決定する。すなわち、発光報知演出を行わない場合がある。一方、液晶演出の内容が非正当演出に決定された場合には、状態表示部15の表示が正当表示であれば、非報知を含む発光報知パターンを決定し、状態表示部15の表示が非正当表示であれば、非報知を含まない発光報知パターンを決定する。すなわち、後者の場合には、必ず正当報知が行われることとなる。
この結果、図15に示すように、状態表示部15による正当表示、報知ランプ85による正当報知のうちのいずれかが行われる場合にのみ、画像表示部70による非正当演出が実行され得るようになっている。このように形成することにより、スロットマシンSの内部状態に関する報知が行われる場合には、状態表示部15、報知ランプ85、画像表示部70のいずれかのデバイスによって正しい情報が表示又は報知されることとなり、上記した逆転演出や思わせぶり演出やガセ演出のような、遊技者が内部状態や遊技結果や遊技状況を誤認するおそれのある演出を行う場合の担保とすることができる。
さらに、本実施の形態では、AT中において、正解ベルの正解打順に対応する識別子を操作態様表示部16に表示させつつ、サブ制御装置200の制御に基づく正解打順の直接的な報知(ベルナビ)を行わせるようにしてある。これにより、サブ制御装置200における打順の報知を、操作態様表示部16の表示によって担保することができ、打順の報知を決定しているのはあくまでもメイン制御装置100であって、サブ制御装置200はそれに従って報知を行っているに過ぎない(サブ制御装置200が出玉に関与する制御を行っているのではない)ことを明確にすることができる。
一方、操作態様表示部16において、操作態様に関する正しい表示が行われていることを条件に、サブ制御装置200において、操作態様を正しく報知しない演出の実行が可能となる。例えば、メイン制御装置100(AT制御手段170)は、非AT中の所定契機で、「打順ベル」の当選時に操作態様表示部16に正解打順を表示させる特定期間を設定するとともに、この特定期間中において正解打順で停止操作された場合には、AT状態への移行を確定させることができるように形成する。そして、この特定期間中において、サブ制御装置200が、例えば画像表示部70の表示画面に「?・?・?」を表示して、停止スイッチ31〜33の操作順を遊技者に当てさせる打順当て演出を行わせることができる。あるいは、どのような打順で停止操作しても赤7揃いを表示させることができる擬似遊技において、操作態様表示部16に正しい操作態様(打順なし)に対応する表示が行われることを条件に、サブ制御装置200において、停止スイッチ31〜33を右押しで操作する旨を示唆する演出を行わせることができる。
(スロットマシンSの作動)
上記構成を有するスロットマシンSの、メイン制御装置100の制御に基づく1遊技における遊技制御処理の概略を、図16のフローに基づき説明する。
まず、規定数のメダルがベットされた場合には(S100でYes)、スタートスイッチ20がONとなる(操作信号を入力する)ことに伴って、役抽選処理が行われる(S101、S102)。なお、役抽選の結果に関する情報がサブ制御装置200に出力される。その後、役抽選に伴う処理が行われ(S103)、回転リール61〜63の回転開始処理が行われる(S104)。そして、回転リール61〜63の回転中にいずれかの停止スイッチ31〜33がONとなった場合には、対応する回転リール61〜63についての回転停止処理が行われる(S105、S106)。全ての回転リール61〜63が停止するまでS105、106が繰り返され(S105〜S107)、全ての回転リール61〜63が停止した場合(S107でYes)には、遊技結果判定処理及び判定結果に応じた処理が行われるとともに(S108、S109)、遊技終了時の処理が行われる(S110)。なお、判定結果に応じた処理とは、小役の入賞によるメダルの払い出し処理や、リプレイの入賞による自動ベット処理や、ボーナスの入賞又は非入賞による遊技状態の移行処理である。そして、1回の遊技が終了する。
次に、上記したS103の役抽選に伴う処理について、図17乃至図20のフローに基づき説明する。
まず、演出状態が通常演出状態である場合(図17のS200でYes)には、役抽選の結果、AT移行抽選の契機となる特定抽選結果(図8(A)参照)が発生したか否かが判断され、特定抽選結果が発生している場合には(S201でYes)、AT抽選モードに応じたAT移行抽選が行われる(S202)。そして、ただちにAT作動状態に移行する場合(S203でYes)には、AT作動中の設定が行われるとともに(S204)、AT移行報知回胴演出決定処理が行われる(S205)。なお、AT作動中の設定とは、演出状態がAT作動状態であることを所定の記憶部に記憶し、ATカウンタにAT遊技回数の初期回数(最低保障回数)を設定することである。また、AT移行報知回胴演出決定処理は、図20(A)に示すように、報知モードが液晶演出報知モードでないことを条件に(S300でNo)、報知モードに応じた回胴演出の実行を決定する(S301)処理である。すなわち、擬似遊技報知モードであれば擬似遊技実行フラグをONにし、リール回転演出報知モードであればリール回転演出実行フラグをONにする。
一方、ただちにAT作動状態に移行しない場合(S203でNo)には、AT準備状態への移行が決定されていれば(S206でYes)、AT準備中の設定を行う(S207)。AT準備中の設定とは、演出状態がAT準備状態であることを所定の記憶部に記憶するとともに、AT準備状態の期間(AT準備中遊技の回数)としてN値を設定することである。
S205、S207の後、及び、特定抽選結果が発生していない場合(S201でNo)やAT準備状態へ移行しない場合(S206でNo)つまりAT移行抽選に当選しなかった場合も、状態表示部15の表示態様が決定される(S208)。そして、遊技開始時決定情報、すなわち役抽選に伴う処理において決定された演出状態の移行や状態表示に関する決定情報が、サブ制御装置200に出力される(S209)。そして、役抽選に伴う処理が終了する。
演出状態が通常演出状態でなく(S200でNo)、AT作動中である場合(図18のS210でYes)には、ATカウンタの減算が行われ(S211)、役抽選で「打順ベル」が当選している場合(S212でYes)には正解打順を報知する打順報知の決定が行われる(S213)。打順報知の決定に基づき、操作態様表示部16には正解打順に対応する表示が行われる。また、前遊技以前に上乗せループが当選しており現在上乗せループ中である場合(S214でYes)にはループ抽選が行われ(S215)、ループが終了しない場合(S216でNo)、すなわちループ抽選に当選した場合には、所定の上乗せ回数がATカウンタに加算されるとともに、ループ回数を示すM値が1加算される(S217)。そして、図17のS208に進む。ループが終了する場合(S216でYes)、すなわちループ抽選に不当選の場合には、上乗せ報知回胴演出決定処理が行われ(S218)、図17のS208に進む。
また、AT作動中でない場合(S210でNo)、すなわち、演出状態がAT準備状態である場合には、AT準備中の処理が行われる(S219)。具体的には、図18のS214〜218、及び以下に述べる図19のS220〜226の処理が行われる。
現在上乗せループ中でない場合(S214でNo)には、上乗せ抽選の契機となる特定抽選結果(図8(A)参照)が発生していることを条件に(図19のS220でYes)、上乗せ抽選が行われる(S221)。上乗せ抽選で上乗せループが当選した場合(S222でYes)には、ループ中の設定が行われ(S223)、図17のS208に進む。ループ中の設定とは、上乗せループが当選し遊技ごとにループ抽選が行われる状態であることを所定の記憶部に記憶し、ループ回数(M値)のカウンタに初期値(0)を設定することである。また、上乗せ抽選で所定回数の上乗せが当選した場合(S224でYes)には、決定された遊技回数がATカウンタに加算されるとともに(S225)、上乗せ報知回胴演出決定処理が行われ(S226)、図17のS208に進む。
図18におけるS218及び前記S226の上乗せ報知回胴演出決定処理について、図20(B)のフローに基づき説明する。
まず、報知モードが液晶演出報知モードでないことを条件に(S400でNo)、実行時期抽選が行われる(S401)。すなわち、当該遊技で回胴演出を実行させるか、n回後の遊技で回胴演出を実行させるかを、抽選により決定する。当該遊技で回胴演出を実行させない場合(S401でNo)には所定の記憶部にn値を設定し(S403)、当該遊技で回胴演出を実行させる場合(S401でYes)には、報知モードに応じた回胴演出の実行を決定する(S404)。そして、上乗せ報知回胴演出決定処理が終了する。n値に関する決定情報は図17のS209においてサブ制御装置200に出力される。
図16におけるS104の回転リール回転開始処理について、図21のフローに基づき説明する。
まず、回胴演出の実行が決定されている場合(S500でYes)、具体的には、擬似遊技実行フラグ又はリール回転演出実行フラグがONとなっている場合には、回胴演出実行処理が行われる(S501)。回胴演出実行処理では、回胴演出実行コマンド(擬似遊技実行コマンド又はリール回転演出実行コマンド)がサブ制御装置200に出力されるとともに、回胴演出に応じた回転リール61〜63の作動処理が行われる。すなわち、擬似遊技実行フラグがONである場合には、回転リール61〜63を擬似回転させるとともに停止スイッチ31〜33の操作信号の入力に応じて回転リール61〜63を擬似停止させる処理が行われ、リール回転演出実行フラグがONである場合には図柄揃え回転データ及び逆回転データを用いて所定の回胴演出表示態様を表示させる処理が行われる。そして、あらかじめ設定された回数の回胴演出が終了した場合には、回胴演出終了コマンドがサブ制御装置200に出力される。なお、回胴演出がリール回転演出である場合には、回胴演出表示態様を揃えた後、ランダム再配置処理又は停止図柄を元の並びに戻す処理が行われる。
その後、ウエイト時間が経過していることを条件に(S502でYes)、通常回転データに基づきリールモータM1〜M3を駆動させる処理が行われる(S503)。そして、所定の停止可能要件を満たしていること(ここでは、全ての回転リール61〜63が定常回転速度に達しかつスタートインデックスが検知されること)を条件に(S504でYes)、停止スイッチ31〜33の無効状態が解除される(S505)。そして、回転リール回転開始処理が終了する。
なお、ランダム再配置処理を、回転リール61〜63を回転開始させてから定常回転に至るまでの間(S503)で行わせるようにしてもよい。また、ウエイト時間の経過を待たずに回転リール61〜63の通常回転処理を行い、S504において、他の停止可能要件及びウエイト時間が経過していることを条件に停止スイッチ31〜33の無効状態を解除するようにしてもよい。
図16におけるS110の遊技終了時の処理について、図22のフローに基づき説明する。
まず、N値が1以上ある場合(S600でYes)、すなわち、AT準備中である場合には、N値を1減算し(S601)、N値が0となった場合には(S602でYes)、AT作動状態の設定が行われる(S603)とともに、報知モードに応じたAT移行報知回胴演出の実行が決定される(S604)。すなわち、報知モードが擬似遊技報知モードであれば擬似遊技実行フラグがONとされ、リール回転演出報知モードであればリール回転演出実行フラグがONとされ、液晶演出報知モードであれば回胴演出の実行は決定されない。また、n値が1以上ある場合(S605でYes)、すなわち、n回後の回胴演出が決定されている場合には、n値を1減算し(S606)、n値が0となった場合には(S607でYes)、報知モードに応じた上乗せ報知回胴演出の実行が決定される(S608)。
また、当該遊技でATカウンタが0となった場合(S609でYes)、すなわち、AT作動状態における最後の遊技であった場合には、継続抽選が行われ、継続抽選に当選し、潜伏が決定された場合(S611、S612でYes)には、AT準備中の設定が行われ、N値が設定される(S613)。潜伏しない場合(S612でNo)にはAT作動状態が維持される。一方、継続抽選に当選しなかった場合(S611でNo)には、通常演出状態の設定が行われる(S614)。通常演出状態の設定とは、演出状態が通常演出状態であることを所定の記憶部に記憶することである。
そして、状態表示部15の表示を変更する場合(演出状態が移行した場合)には、状態表示部15の表示態様が決定される(S615)とともに、遊技終了時決定情報、すなわち遊技終了時の処理において決定された演出状態の移行や状態表示部15の表示に関する決定情報が、サブ制御装置200に出力される(S616)。そして、遊技終了時の処理が終了する。
次に、サブ制御装置200の制御に基づく1回の遊技での演出実行処理について、図23のフローに基づき説明する。
まず、メイン制御装置100から遊技開始時決定情報を入力すること(S700でYes)を契機に、遊技開始時の演出を決定する処理が行われる(S701)。遊技開始時の演出とは、スタートスイッチ20の操作後に行われる打順ナビや発光報知演出や液晶演出であり、回転リール61〜63の回転中や停止操作時の演出も含まれる。例えば、「打順ベル」の当選時にメイン制御装置100から打順報知の決定情報(S213)を入力している場合には、打順ナビの実行を決定し、AT作動状態に移行する決定情報(S204)を入力している場合には、AT作動状態への移行を告知する演出の実行を決定する。また、AT遊技の遊技回数の上乗せに関する情報(S217、S225)を入力している場合には、上乗せ数を報知する演出の実行を決定する。なお、報知モードが液晶演出報知モードの場合には、ATの遊技回数の上乗せの報知を行う時期について、演出実行制御手段220が適宜設定することができる。すなわち、上乗せが決定された当該遊技で報知してもよいし、所定回数の遊技終了後に報知するようにしてもよい。さらに、連続演出中の場合には、連続演出の所定回数目の演出の実行を決定する。
ここで、遊技開始時においてAT準備状態へ移行する決定情報(S205)を入力している場合には、次遊技からN回の遊技にわたる連続演出の実行を決定する。あるいは、n回後に回胴演出を行う決定情報(S403)を入力している場合や、AT移行抽選当選しなかった情報を入力している場合(S206でNo)にも、抽選により、連続演出の実行を決定することができる。また、連続演出を実行させる場合には、逆転演出にするか正当演出にするかをあらかじめ決定しておくことができる。連続演出の実行を決定した場合には、その旨を記憶しておき、当該遊技の終了後に、連続演出中の設定を行う。これにより、次遊技において連続演出の1回目が実行される。なお、当該遊技での発光報知演出や液晶演出の決定については後述する。
当該遊技で回胴演出が実行される場合(S702でYes)、すなわち、回胴演出実行コマンドを入力した場合には、回胴演出に対応する演出を実行させる(S703)。例えば、AT移行報知回胴演出としての擬似遊技において、赤7図柄を狙って停止操作することを指示する表示を行わせたり、赤7揃いが表示された場合に、AT作動状態への移行を告知する画面を表示させたりする。また、上乗せ報知回胴演出としてのリール回転出において、回胴演出表示態様が表示されるのにあわせて、「+30」のように上乗せ遊技回数を表示させる。回胴演出が終了した場合(S704でYes)すなわち回胴演出終了コマンドを入力した場合、又は、回胴演出が実行されない場合(S703でNo)には、S701で決定した遊技開始時の演出を実行させる(S705)。なお、報知モードが液晶演出モードの場合には、遊技開始時の演出において、AT作動状態への移行を告知したり、上乗せ回数を報知する演出が行われる。また、回胴演出によってAT作動状態への移行や上乗せが報知された場合には、遊技開始時の演出ではそれらを行わない。
その後、遊技終了時決定情報を入力すること(S706でYes)を契機に、遊技終了時の演出の決定及び実行処理が行われる(S707)。遊技終了時の演出とは、全回転リール61〜63の停止後に行われる発光報知演出や液晶演出であり、遊技終了時に決定された演出状態の移行を報知するものである。例えば、AT作動状態へ移行する決定情報(S603)を入力している場合に、ATの開始を報知する演出を決定し実行させることができ、通常演出状態へ移行する決定情報(S614)を入力している場合に、ATの終了を報知する演出を決定し実行させることができる。そして、1回の遊技における演出実行処理が終了する。
上述したS701の遊技開始時の演出決定処理、及びS707の遊技終了時の演出決定及び実行処理のうちの、発光報知演出及び液晶演出の決定処理について、図24のフローに基づき説明する。
まず、液晶演出の内容が決定される(S800)。液晶演出には、単発演出と、連続演出の所定回数目の演出が含まれ、演出内容を抽選により決定する場合と、あらかじめ設定されたシナリオに基づいて決定する場合が含まれる。そして、液晶演出の内容が正当演出でなく(S801でNo)、状態表示部15の表示が正当表示でない(S802でNo)場合には、報知ランプ85の発光態様を、非報知パターンを含まない、状態に応じた発光報知パターンに決定する(S803)。一方、液晶演出の内容が正当演出である場合(S801でYes)、又は液晶演出の内容は正当演出でないものの、状態表示部15の表示が正当表示である場合(S802でYes)には、報知ランプ85の発光態様を、非報知パターンを含む発光報知パターンに決定する(S804)。そして、発光報知演出及び液晶演出の決定処理が終了する。
なお、上記フローでは、液晶演出の内容を先に決定し、その内容に基づいて報知ランプ85の発光態様を決定しているが、先に報知ランプ85の発光態様を決定し、それに基づいて液晶演出の内容を決定するようにしてもよい。すなわち、報知ランプ85の発光態様が非報知パターンに決定された場合には、状態表示部15の表示が正当表示であることを条件に、液晶演出の内容として非正当演出を選択可能としてもよい。
(まとめ)
以上のように、本実施の形態では、ATをメイン制御装置100において管理するとともに、ATに関する情報をメイン制御装置100が管理する表示部(状態表示部15、操作態様表示部16)に表示させるようにしている。これにより、サブ制御装置200の管理において行われる、遊技状態や遊技結果等について遊技者が誤認するおそれがある演出の実行を担保することができる。例えば、状態表示部15による正しい情報に対応する表示を担保として、サブ制御装置200において逆転演出を行わせることができ、操作態様表示部16による正しい情報に対応する表示を担保として、サブ制御装置200において打順当て演出等を行わせることもできる。これにより、サブ制御装置200による演出の態様を多様化させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、状態表示部15の表示は、遊技者が一見して内部状態を把握することが困難な態様の識別子で表示されるものとなっている。これにより、遊技者は主としてサブ制御装置200の管理において行われる演出に基づいて内部状態等を認識するものとなり、サブ制御装置200による演出が無意味なものになることを防止でき、遊技者は演出を楽しみながら遊技を行うことができるものとなる。また、操作態様表示部16の表示は、遊技者が一見して正解打順(停止スイッチ31〜33の特定操作態様)を把握することが困難な態様の識別子で表示されるものとなっている。これにより、上記した打順当て演出などを可能にするとともに、打順が設定されていない場合に、操作態様表示部16で正しい操作態様(打順なし)が表示されていることを担保として、サブ制御装置200において特定の打順を報知するような演出を行う場合に、ナビに従わなくても結果は同じだということがあからさまにならないので、遊技の興趣を削ぐこともない。
また、サブ制御装置200が管理する演出実行部(演出装置を含む)として、報知を行う場合には必ずスロットマシンSの内部状態に関する正しい情報を報知する第1の演出実行部(報知ランプ85)と、正しい情報を報知しない場合がある第2の演出実行部(画像表示部70)とを設けてある。換言すると、演出実行制御手段210は、第1の演出実行部を用いて内部状態に関する情報を報知する演出を実行させる場合には、必ず前記メイン制御装置から入力した遊技機の内部状態に関する正しい情報を報知する正当演出を実行させ、第2の演出実行部を用いて内部状態に関する情報を報知を演出を実行せる場合には、正しい情報でない情報を報知する非正当演出を実行させることができ、第2の演出実行部において非正当演出を実行させる場合には、第1の演出実行部において必ず前記正当演出を実行させるようになっている。これにより、第1の演出実行部による正しい情報に対応する演出を担保として、第2の演出実行部による逆転演出等が可能となり、演出の態様を多様化させることができる。また、第1の演出実行部で報知が行われる場合には、第2の演出実行部により正しくない報知が行われるかもしれないという遊技性を作り出すこともでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施の形態においては、AT移行確定役が当選した場合にAT状態への移行が確定するとともに、AT移行確定役の当選を、赤7揃いのような特徴的な図柄組合せを揃える回胴演出によって報知している。これにより、実際には、特徴的な図柄組合せが表示されることに基づいてATが開始されるのではないけれども、そのような図柄組合せの表示に基づいてATが開始されたかのように見せることができる。
また、本実施の形態においては、AT制御手段170において、ATの遊技回数の上乗せが決定された場合に、所定の図柄組合せを揃える回胴演出によってそれを報知するようにしている。これにより、実際には、回胴演出の実行に起因して上乗せが決定されるのではないけれども、回胴演出における所定の図柄組合せの表示に基づいて上乗せがされたかのように見せることができる。
また、本実施の形態では、BBの当選に係る遊技でBBを入賞させられない場合には、遊技状態はほぼ常にBB内部中に滞在するように形成されているとともに、BB作動中は、通常状態及びBB内部中よりもメダルの獲得率の期待値が低い(出玉を増やせない)仕様となっている。そして、通常状態やBB作動中よりもリプレイの当選確率が高く、ほぼ毎回の遊技において小役又はリプレイのいずれかが当選するBB内部中において、演出状態をAT状態(補助演出状態)へ移行させる機会を付与することにより、ベルナビ(補助演出)の実行によって正解ベルの入賞率を高めて遊技者にメダルを獲得させるようにしている。すなわち、遊技全体を通じてのメダルの獲得率の期待値を適正な範囲に収めつつ、通常状態やBB内部中での小役の当選確率を高めに設定し、かつ、BB内部中でのリプレイ確率を通常状態よりも高くして、ATによるメダルの獲得性能を向上させることができる。
なお、上記した仕様では、遊技状態がほとんど変動せず、AT移行確定役やAT抽選の契機となる役の当選確率を変化させることができないという難点があるが、回胴演出(特に擬似遊技)によって、抽選結果に関わらず、特定の図柄組合せを表示させることにより、あたかも遊技状態が変化した(例えばAT移行確定役や上乗せ抽選の契機となる小役の当選確率が上昇した)かのように見せることもできる。換言すると、上記した仕様において、特定の図柄組合せを表示させるための回胴演出を意義あるものとすることができる。
ここで、ボーナス作動状態におけるメダルの獲得率の期待値を下げれば下げるほど、ボーナス成立状態におけるメダルの獲得率の期待値を上げた仕様を採用することができるようになる。すなわち、通常状態及びBB内部中においてN種類の正解ベルを互いに重複せずに当選させる態様を設けて役抽選を行い、BB作動中においてN種類の正解ベルを同時に当選させる態様を設けて内部抽選を行うことによって、BB作動中において正解ベルを含む当選態様が得られる確率を、通常状態及びBB内部中において正解ベルを含む当選態様が得られる確率の約1/Nに圧縮することができる。これにより、通常状態における小役の当選確率をさらに上昇させることができ、ATによるメダルの獲得率をさらに増大させることができる。
また、上記した実施の形態におけるボーナスは、小役が入賞し易くなる特別遊技が、特別遊技を開始させるための図柄組合せの表示なしに連続して行われるものであったが、特別遊技を開始させるための図柄組合せが表示された場合に、特別遊技が開始されるようにしてもよい。すなわち、BB作動中において、当選状態を次遊技以降に持ち越し可能な特別役(RB)の抽選を行い、特別役が入賞した場合には所定回数の特別遊技が行われる特別役作動状態(RB作動中)に移行する。そして、所定回数の特別遊技の終了後は、再び特別役の抽選が行われる特別役抽選状態(BB一般中)に戻る。そして、特別役抽選状態、特別役の当選状態が持ち越されている特別役成立状態(RB内部中)、特別役作動状態のいずれかの状態に滞在しているときに、BBの終了条件(所定数のメダルの払い出し終了)に該当した場合には、BBが終了するように形成する。この場合には、RB作動中が、上記した実施の形態におけるBB作動中に該当するものとなる。このように形成しても、上記した実施の形態と同様の効果を得られる。
(変形例)
上記した実施の形態では、メイン制御装置100によって内部状態に関する表示をさせるための表示部(状態表示部15)と、サブ制御装置200によって、メイン制御装置100からの入力に基づく情報を必ず正しく報知するための演出実行部(報知ランプ85)の双方を設けてあったが、これらのうちいずれか一方のみが設けられた構成としてもよい。そして、それらによってスロットマシンSの内部状態が正しく報知されることを条件として、サブ制御装置200において、スロットマシンSの内部状態を正しく報知しない演出を行い得るようにしてもよい。
また、上記した実施の形態では、メイン制御装置100からサブ制御装置200に正しい遊技情報が出力され、サブ制御装置200において虚偽報知が行われる場合があるものとなっていたが、サブ制御装置200が演出を行う場合には必ずメイン制御装置100からの出力信号に応じた演出を行うものの、メイン制御装置100が正しくない遊技情報を出力する場合があるように形成してもよい。
例えば、メイン制御装置100は、状態表示部15には内部状態に関する正しい情報(例えばAT準備中)を表示させ、サブ制御装置200に対しては、通常状態である旨の虚偽の情報に係る信号を出力する。そして、サブ制御装置200は、メイン制御装置100から入力した信号に基づいて、通常状態であることを報知する演出を行わせる。このように形成しても、メイン制御装置100の管理する表示部に正しい情報が表示されることを担保として、サブ制御装置200において、遊技状態や遊技結果等について遊技者が誤認するおそれがある演出が実行され得るものとなる。
また、上記した実施の形態では、メイン制御装置100からの入力に基づく情報を必ず正しく報知するための第1の演出実行部(報知ランプ85)と、メイン制御装置100からの入力に基づく情報を正しく報知しない(虚偽報知を行う)場合がある第2の演出実行部(画像表示部70)とを設けていたが、いずれの演出実行部も虚偽報知を行う場合があるものの、双方の演出実行部が同時に虚偽報知を行うことはなく、いずれか一方の演出実行部によって必ず正しい報知が行われるように形成してもよい。すなわち、第1の演出実行部又は第2の演出実行部のいずれか一方による正しい報知を担保として、他方により虚偽報知を実行するようにしてもよい。
また、上記した実施の形態では、第1の演出実行部(報知ランプ85)と、第2の演出実行部(画像表示部70)とは、機能が異なる異種類の演出装置により構成されていたが、第1の演出実行部と第2の演出実行部は、同種の演出装置により構成されていてもよい。例えば、画像表示部70としての液晶表示装置を複数設け、一方の液晶表示装置においてメイン制御装置100からの入力に基づく情報を必ず正しく報知し、他方の液晶表示装置において逆転演出等を行わせるようにしてもよい。
あるいは、第1の演出実行部と第2の演出実行部が、単一の演出装置により構成されていてもよい。例えば、画像表示部70としての液晶表示装置の表示領域を2つに分割し、第1の表示領域ではメイン制御装置100からの入力に基づく情報を必ず正しく報知し、第2の表示領域ではメイン制御装置100からの入力に基づく情報を正しく報知しない場合があるように形成することができる。ここで、第1の表示領域と第2の表示領域の、表示画面全体に対する割合は、均等にするのが好ましいが、第1の表示領域と第2の表示領域の割合を遊技者が選択できるようにしてもよい。例えば、遊技者が所定の操作手段を操作することにより、一方の表示領域を消去したり縮小したりすることができるようにする。なお、液晶表示装置を2つ設ける場合にも、遊技者の選択によって、一方の液晶表示装置の表示画面を消去したり表示領域を縮小させたりすることができるように形成してもよい。また、消去又は縮小できる表示領域は、第2の表示領域とするのが好ましい。
ここで、液晶表示装置の表示領域を複数設けた場合(液晶表示装置を複数設けた場合も含む)において、必ず正しい報知が行われる第1の表示領域と正しくない報知が行われる場合がある第2の表示領域を用いて、以下のような演出を行わせることができる。
例えば、所定の役(例えばベル)に対応付けられた図柄組合せの中には所定の役を表す図柄として一般的に知られている図柄(黄色いベル図柄)が含まれておらず、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に揃うと、所定の役が入賞した場合に表示される図柄組合せとして一般的に知られている図柄組合せ(ベル揃い)が、無効ラインに揃うようになっているとする(例えば上記した実施の形態のベル2役、ベル3役)。このような場合において、第2の表示領域で、ベル役の入賞を示唆する演出(例えばベル図柄を1つ表示、ベル図柄を3つ揃えて表示、ベル図柄の色を表示)を行う場合には、第1の表示領域において、有効ライン上にベル役に対応する図柄組合せが表示されたことを明示するような演出(例えば入賞したベル役に対応する図柄組合せを表示)を行うようにすることができる。
また、所定の役(例えばベル)に対応付けられた図柄組合せの中には所定の役を表す図柄として一般的に知られている図柄(黄色いベル図柄)が含まれているものの、それ以外の図柄も含まれており、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に揃うと、所定の役が入賞した場合に表示される図柄組合せとして一般的に知られている図柄組合せ(ベル揃い)が、無効ラインに揃うようになっているとする(例えば上記した実施の形態のベル1役)。このような場合において、第2の表示領域で、ベル図柄を3つ揃えて表示したり、ベル図柄の色を表示したりする演出を行う場合にも、上記と同様に、有効ライン上にベル役に対応する図柄組合せが表示されたことを明示するような演出(例えば入賞したベル役に対応する図柄組合せを表示)を行うようにすることができる。
すなわち、第1の表示領域による正しい報知を担保として、第2の表示領域で、虚偽報知に該当する演出を実行するようにしてもよい。
また、上記した実施の形態では、「チャンス」「打順ベル」など、入賞により特徴的な図柄組合せが表示されるものでない抽選結果をAT移行確定役として設定していたが、AT移行確定役として、例えば「黒BAR・黒BAR・黒BAR」(黒BAR揃い)が表示可能な抽選結果(「黒BAR」)を設定してもよい。この場合において、「黒BAR」の当選時に回胴演出が実行されると、回胴演出で赤7揃いが表示された後に、「黒BAR」の当選に係る遊技で黒BAR揃いが表示され得る。そうすると、実際には「黒BAR」の当選に基づきATが確定しているのに、遊技者は、赤7揃いでATが確定し、黒BAR揃いでAT開始1回目の遊技での上乗せを期待するかもしれないという懸念がある。そこで、入賞により表示され得る図柄組合せがそれぞれ異なる複数のAT移行確定役(全AT移行モードに共通する)を設け、いずれのAT移行確定役が当選したかに応じて、ATの初期遊技回数が異なるように形成し、その懸念点を遊技性に利用することができる。
例えば、AT移行確定役として、黒BAR揃いが表示され得る「黒BAR」と、「チェリー・チェリー・チェリー」(チェリー揃い)が表示され得る「チェリー」とを設け、「黒BAR」が当選した場合にはATの初期遊技回数が50回に設定され、「チェリー」が当選した場合にはATの初期遊技回数が100回に設定されるようにする。そして、「黒BAR」が当選した場合には、赤7揃いを表示させる回胴演出を行わないようにする。この場合には、回胴演出そのものを行わないようにしてもよいし、赤7揃い以外の図柄組合せ(例えばリプレイ揃い)を表示させる回胴演出を行わせてもよい。
そして、「黒BAR」が当選した場合には赤7揃いが表示されず、当該遊技で「黒BAR」が表示されて50回のATがスタートする。一方、「チェリー」が当選した場合には赤7揃いが表示され、当該遊技で「チェリー」が表示されて100回のATがスタートする。これにより、赤7揃いが表示された後に「チェリー」が表示されると、ATの遊技回数が50回上乗せされたように見せることができる。
なお、AT移行確定役の当選時に、赤7揃いのような特徴的な図柄組合せが表示され得る回胴演出を必ず行うようにする場合には、AT移行確定役に対応付けられる図柄組合せは特徴的な図柄組合せでないものとするのが好ましい。この場合でも、AT移行確定役である「チェリー」が当選した場合には、他の場合よりもATの初期遊技回数を多く設定することにより、AT遊技の1回目で「チェリー」が当選してATの遊技回数が上乗せされたように見せることができる。
さらに、上記した実施の形態では、AT移行モードごとに、AT移行確定役が異なるように設定していたが、報知モードとして、リール回転演出報知モードと擬似遊技報知モードを設けるとともに、回胴演出の実行確率がそれぞれ異なる回胴演出モードを設定し、回胴演出モードに応じて、AT移行確定役が異なるようにしてもよい。例えば、回胴演出モードとして、回胴演出(リール回転演出又は擬似遊技)がまったく行われない回胴演出なしモード(上記した実施の形態の液晶演出報知モードと同じ)と、回胴演出が所定の確率で行われる回胴演出実行モードと、回胴演出が所定の確率よりも高確率で行われる回胴演出高確率モードとを設ける。また、役として、「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せを表示し得る小役又はリプレイを設ける。そして、回胴演出なしモードでは、赤7揃いを表示し得る抽選結果(当選確率は極めて低い)をAT移行確定役に設定し、回胴演出実行モード及び回胴演出高確率モードでは特徴的な図柄組合せが表示されない抽選結果(上記した実施の形態の「チャンス」)をAT移行確定役に設定する。なお、回胴演出実行モードと回胴演出高確率モードでのAT移行確定役がそれぞれ異なっていてもよい。そして、回胴演出で赤7揃いを表示させるようにすれば、回胴演出なしモードでも、回胴演出が行われるモードでも、AT移行確定役の当選に基づいて赤7揃いを表示させてAT状態への移行を報知することができる。なお、回胴演出なしモードにおけるAT移行確定役を、特徴的な図柄組合せが表示されない抽選結果としてもよい。
ちなみに、上記した実施の形態の構成中、状態表示部15及び報知ランプ85は、ATを搭載せず、役抽選の結果としてのボーナスによって出玉を増やすスロットマシンにも応用可能である。例えば、状態表示部15や報知ランプ85に、役抽選の結果や遊技状態(ボーナスが当選しているか否か)などの遊技情報に関する正しい表示が行われていることを条件に、サブ制御装置200の演出によって、遊技情報(ボーナスが当選していること)について正しく報知しない演出を行わせるように形成することができる。
ところで、上記した実施の形態では、複数の図柄を変動表示及び停止表示可能な図柄表示手段として、リールモータM1〜M3により回転する回転リール61〜63のみを設けていたが、図柄表示手段として、回転リール61〜63(メインリール)の他に、液晶表示装置の表示画面上に3個の回転リールを模した画像を表示させて図柄の変動表示及び停止表示を行わせるいわゆる液晶リールや、演出用の回転リール(サブリール)を設けてもよい。液晶リールやサブリールは、メインリールの回転及び停止と同期して図柄の変動表示及び停止表示が行われ、液晶リールやサブリールが変動停止したときの停止図柄の組合せが、役抽選の結果に基づく遊技結果を表すものとなる。例えばベル役が入賞した場合には、液晶リールやサブリールにベル図柄が揃うようになっている。この場合、液晶リールやサブリールの表示に遊技者の意識を向けるために、メインリールで表示される所定の役に対応付けられた図柄組合せや、当該図柄組合せを構成する図柄は、あまり目立たないものとすることが考えられる。例えば、ベル役が入賞した場合にはメインリールの中段ラインにベル図柄ではない図柄(例えば紫色の丸図柄)が揃い、液晶リールでは右下がりラインにはベル図柄(黄色)が揃う。また、チェリー役が入賞した場合にはメインリールの中段ラインに紫色の丸図柄(ベル役入賞のときとは図柄番号が異なっている)が揃い、液晶リールでは左側の下段位置にチェリー図柄(赤色)が停止する。このように形成した場合、液晶リールやサブリールにおいて、メインリールにおける所定役に対応付けられた図柄組合せを連想できない図柄や色彩を表示するものとなり、そのような表示は、遊技者に誤認を与える演出であると解釈されるおそれがある。そこで、上記した実施の形態における状態表示部15(メイン制御装置100の管理する表示部)において、役抽選の結果に対応した表示を行うことを条件に、液晶リールやサブリールによる表示を実行するように形成することができる。
本発明は、上述した内容に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良なども含むものである。また、本発明は、矛盾を生じない範囲で、上述した実施の形態及び変形例に記載されている事項を適宜組み合わせ、あるいは組み替えてもよいものである。
さらに本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。