JP6296472B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、BBに当選する前の通常モードのゲームで、払い出されたメダルの枚数よりも投入されたメダルの枚数が多く、かつ、その差枚数が所定枚数を越えた場合には、リプレイ低確率抽選テーブル40bを用いて当選役抽選を行い、差枚数が所定
枚数に達していない場合には、リプレイ高確率抽選テーブル40aを用いて当選役抽選を行うことにより、投入されたメダルの枚数が払い出されたメダルの枚数よりも多くなったときには、BBが入賞しやすくなることが記載されている。
このほか、市場においては、払い出されたメダルの枚数よりも投入されたメダルの枚数が多い場合のいわゆる吸い込み枚数に基づいてATなどの有利状態への移行が決定されたり、特定遊技期間中の払い出しメダル数に基づいて特典を付与すること等が行われている。
本願発明は、上記した従来技術を踏まえた上で、遊技者の特典付与に対する期待感を維持させることができ、遊技者の遊技意欲を増大させることができる遊技機を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る遊技機(スロットマシンS)は、遊技媒体の投入に基づいて1回の遊技を開始可能となり、操作手段の操作に基づいて所定の遊技結果を得られた場合に入賞となり、入賞により遊技媒体が払い出されるものである。例えば、表面に複数の図柄が表示された複数の回転リール61〜63を備え、遊技媒体としてのメダルを投入することにより遊技を開始可能となり、スタートスイッチ20の操作に基づき回転リール61〜63を回転させ、停止スイッチ31〜33の操作に基づき回転している回転リール61〜63を停止させ、全ての回転リール61〜63が停止したときに所定の図柄組合せが表示されると入賞となり、遊技媒体としてのメダルが払い出されるスロットマシンSが含まれる。
ここで、前記第1の特典は、前記払出数計測手段により計測された累積値に応じた内容としてもよい。また、前記特典付与手段は、前記払出数計測手段により計測された累積値が、あらかじめ定められた所定値となった場合に、第1の特典を付与可能に形成してもよい。また、前記遊技機は、前記払出数計測手段により計測された累積値が、あらかじめ定められた所定値となった場合に、新たな所定値を決定する所定値決定手段(払出枚数管理手段190)を備えてもよい。
また、本発明に係る遊技機は、遊技媒体の投入に基づいて1回の遊技を開始可能となり、小役を含む複数種類の役について当選か否かの役抽選が行われ、当該役抽選によりいずれかの役に当選しかつ操作手段の操作に基づいて当該役に対応付けられた図柄組合せが表示された場合に入賞となり、小役の入賞により遊技媒体が払い出されるものであって、払い出された遊技媒体の数の累積値を計測する払出数計測手段と、遊技媒体の払い出しに関し遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、を少なくとも備え、小役には、入賞により払い出される遊技媒体の数が異なる複数種類の小役が含まれており、前記特典付与手段は、前記払出数計測手段により計測された累積値が、あらかじめ定められた所定値となった場合に、第1の特典を付与し、役抽選により前記複数種類の役のうちの所定の役に当選した場合に、第2の特典を付与可能に形成してもよい。
また、本発明に係る遊技機は、遊技媒体の投入に基づいて1回の遊技を開始可能となり、小役を含む複数種類の役について当選か否かの役抽選が行われ、当該役抽選によりいずれかの役に当選しかつ操作手段の操作に基づいて当該役に対応付けられた図柄組合せが表示された場合に入賞となり、小役の入賞により遊技媒体が払い出されるものであって、投入された遊技媒体の数と払い出された遊技媒体の数との差数の累積値を計測する差数計測手段と、前記遊技媒体の払い出しに関し遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、を少なくとも備え、小役には、入賞により払い出される遊技媒体の数が異なる複数種類の小役が含まれており、前記特典付与手段は、前記差数計測手段により計測された累積値が、あらかじめ定められた所定値となった場合に、第1の特典を付与し、役抽選により前記複数種類の役のうちの所定の役に当選した場合に、第2の特典を付与可能に形成してもよい。
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、図1に示すように、正面側(遊技者と対向する前面側)に開口部を有する方形の筐体Bと、この筐体Bの開口部を塞ぐ前扉Dを備えている。
筺体Bの内部には、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1、外周面に複数の図柄が付された3個の回転リール61,62,63を有するリールユニット2、メダルを貯留するとともに貯留されているメダルを払い出すためのホッパーユニット3、スロットマシンSに備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置4等が設置されている。
スタートスイッチ20は、上下方向に揺動可能なレバースイッチであって、スタートスイッチ20の筐体内部側には、押下操作によるレバーの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がスタートスイッチ20の操作信号として扱われるようになっている。
停止スイッチ31〜33は、前後方向に移動可能なボタンスイッチであって、各停止スイッチ31〜33の筐体内部側には、特に図示しないが、押圧操作によるボタンの位置移動を検出する検知部がそれぞれ設けられており、検知部の検出信号が各停止スイッチ31〜33の操作信号として扱われるようになっている。
そして、スロットマシンSは、スタートスイッチ20の操作によって回転開始し停止スイッチ31〜33の操作によって回転停止した回転リール61〜63の停止図柄により、役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示される(以下、このことを入賞という)と、役に応じた利益が付与されるようになっている。
制御装置1は、図示しないメイン基板ケースにメイン基板を収納したメイン基板ユニットと、図示しないサブ基板ケースにサブ基板を収納したサブ基板ユニットとから構成される。メイン基板及びサブ基板は、IC等の各種電子部品を搭載した制御基板であり、メイン基板はスロットマシンSの遊技に関する制御を行うメイン制御装置100(図2参照)を構成し、サブ基板は演出や報知に関する制御を行うサブ制御装置200(図2参照)を構成する。また、メイン制御装置100とサブ制御装置200との間では、メイン制御装置100からサブ制御装置200への一方へ向けてのみコマンドやデータが出力され、サブ制御装置200からメイン制御装置100へ向けてはコマンドやデータが出力されないようになっている。
メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作に基づき、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するものである。
メイン制御装置100の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ7A、リールセンサ2A、払い出しセンサ3A、ベットスイッチ10、スタートスイッチ20、停止スイッチ31〜33及び精算スイッチ40が接続されている。ここで、メダルセンサ7Aは、図1に示すように、メダルセレクター7に設けられた検知部であって、メダル投入口5から投入されホッパーユニット3に移送されるメダルを検出するためのものである。リールセンサ2Aは、図示しないが、リールユニット2の枠体に設けられた検知部であって、回転リール61〜63に設けられたスタートインデックスを検出して回転リール61〜63の回転を検知するためのものである。払い出しセンサ3Aは、図示しないが、ホッパーユニット3に設けられた検知部であって、メダル払出装置から払い出されるメダルを検出するためのものである。
投入制御手段110は、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作(以下投入操作という)と、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、遊技を行うためにメダルが掛けられた(ベットされた)状態を設定するベット処理を行うためのものである。
具体的には、投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出した場合には、規定数(3)の範囲内で、メダルがベットされた状態を設定する。すなわち、メダルの検出数をベット数として記憶する。ベット数はベット表示部11の発光領域の点灯数によって表示される。規定数のメダルがベットされた状態が設定されることにより、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の回転開始が許容される(スタートスイッチ20の操作が有効化される)。
なお、再遊技の作動中にメダル投入口5からメダルが投入された場合には、クレジットが最大貯留可能数未満であることを条件として、投入されたメダルをクレジットに移行させるようにしてもよい。
役抽選手段120は、回転リール61〜63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた複数種類の役を対象として行う役抽選により、1又は複数の役の当選又は不当選のいずれかの抽選結果を導出するものである。役抽選手段120は、図示しないが、乱数発生手段、乱数抽出手段、役抽選テーブル、判定手段及び当選状態設定手段を備えている。乱数発生手段は、一定時間に所定(例えば0から65535)の数字を繰り返してカウントするループカウンタであり、乱数抽出手段は、スタートスイッチ20の操作信号を入力したタイミングで、ループカウンタのカウント値を読み取って記憶するものである。ループカウンタは乱数を発生しているわけではないが、ループカウンタのカウント値を乱数抽出手段が読み取ることにより、ランダムな数値を抽出できるので、便宜上乱数発生手段というものとする。役抽選テーブルは、ループカウンタがカウントする数値(乱数発生手段の発生可能な全乱数値)を全領域として所定の当選領域を規定したものである。判定手段は、カウント値抽出手段の読み取ったカウント値と役抽選テーブルの当選領域とを照合し、カウント値が所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウント値がいずれの不当選の領域に属する場合には、「ハズレ」の決定をするものである。当選状態設定手段は、判定手段が当選を決定した場合に、当該当選に対応する当選フラグを成立させることにより当選状態を設定するものである。
本実施の形態においては、図4に示すように、ボーナスとして、「BAR・BAR・スイカ」の図柄組合せが対応付けられたBB(ビッグボーナス)が設けられている。ボーナスが入賞すると、次の遊技から、小役の当選確率を高くすることにより小役を入賞し易くした特別遊技が、特別遊技を開始させるための図柄組合せの表示なしに連続して行われるようになっている。ボーナスの入賞に基づく特別遊技は、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数、例えば30枚を超えた場合に終了する。
図示した各役抽選テーブルは、0〜65535の数値を全領域として、複数の当選項目の占める領域(当選領域)を規定したものであり、各当選領域の全領域に対する割合が、当該当選項目の当選確率を表すものとなっている。
役抽選テーブルとしては、通常状態において行われる通常遊技で用いられる通常テーブル(図6(A)参照)、ボーナス成立状態において行われるボーナス成立遊技で用いられるボーナス内部中テーブル(図6(B)参照)、及びボーナス作動状態において行われる特別遊技で用いられるボーナステーブル(図6(C)参照)が設けられている。
ここで、通常状態、ボーナス成立状態(以下ボーナス内部中という)及びボーナス作動状態(以下ボーナス作動中という)は、それぞれ、役抽選手段120の抽選態様の違いに基づく遊技状態を示すものである。通常状態は、スロットマシンSの初期状態(工場出荷時又は設定変更時)の遊技状態であり、ボーナス内部中は、BBの当選状態が持ち越されている遊技状態であり、ボーナス作動中は、BBの入賞に基づく特別遊技が行われる遊技状態である。
一方、「打順ベル」「打順3枚役」「3枚役」「全1枚役」及び「全小役」の当選領域は、複数の小役の重複当選領域となっている。「打順ベル」の当選領域は、図7(A)に示すように、「左中1」〜「右中4」の24個の当選領域から構成されている。そして、これらの各当選領域は、複数の特殊役(特殊1〜12のいずれか複数)と1つのベル役(ベル1〜ベル5のいずれか1つ)の重複当選領域となっている。「打順3枚役」の当選領域は、図7(B)に示すように、「左1」〜「中右8」の8個の当選領域から構成されている。そして、これらの各当選領域は、1又は複数の特殊役(特殊1〜12のいずれか1又は複数)と1つの3枚ベル役(3枚ベル1又は3枚ベル2のいずれか1つ)の重複当選領域となっている。「3枚役」は、3つの3枚ベル役(3枚ベル1〜3枚ベル3)の重複当選領域であり、「全1枚役」は13の特殊役(特殊1〜特殊13)の重複当選領域であり、「全小役」は、全ての小役の重複当選領域である。
具体的には、「打順ベル」のうち、「左中1」〜「左中4」の各当選領域に対しては、停止スイッチ31、32、33の順で操作する打順「左中右」が割り当てられており、「左右1」〜「左右4」の各当選領域に対しては、停止スイッチ31、33、32の順で操作する打順「左右中」が割り当てられている。また、「中左1」〜「中左4」の各当選領域に対しては、停止スイッチ32、31、33の順で操作する打順「中左右」が割り当てられており、「中右1」〜「中右4」の各当選領域に対しては、停止スイッチ32、33、31の順で操作する打順「中右左」が割り当てられている。また、「右左1」〜「右左4」の各当選領域に対しては、停止スイッチ33、31、32の順で操作する打順「右左中」が割り当てられており、「右中1」〜「右中4」の各当選領域に対しては、停止スイッチ33、32、31の順で操作する打順「右中左」が割り当てられている。
そして、割り当てられている打順が、各当選領域の当選に対する正解の打順となっており、「打順ベル」のいずれかが当選した場合、正解の打順で停止スイッチ31〜33が操作されたか否かによって、入賞し得る役が変化するようになっている(図8(A)参照)。
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号に基づいて、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するためのものである。以下、リール制御手段130による回転リール61〜63の回転制御及び停止制御について説明する。
(回転制御)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20の有効な操作信号を入力した場合に、リールユニット2のモータ駆動回路に、所定の間隔で駆動パルス(駆動信号)を出力することにより、リールモータM1〜M3を駆動させて回転リール61〜63を回転させるものである。すなわち、規定数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール61〜63の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、全ての回転リール61〜63を一斉に、あるいは所定の順番で回転開始させる。そして、全ての回転リール61〜63の回転速度が、停止操作を可能とするためにあらかじめ設定された定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度を維持する定常回転を行わせるものとなっている。
リール制御手段130は、リールセンサ2A(図2参照)の検出信号に基づき回転リール61〜63の回転角度を把握し、回転リール61〜63の回転角度から、所定位置(例えば上段位置)にある図柄を特定すること(図柄参照)ができるようになっている。そして、リール制御手段130は、停止スイッチ31〜33の作動時点(停止スイッチ31〜33の操作が検出された時点=停止操作のタイミング)において所定位置にある回転リール61〜63の図柄を基準図柄として、回転リール61〜63の回転角度が前記基準図柄をあらかじめ定められたコマ数(最大スベリコマ数、例えば3コマ)だけ回転方向に移動させたコマ数(引き込み可能コマ数、例えば4コマ)の範囲内となるように、回転リール61〜63を停止させることができる。
本実施の形態では、役についての優先順位が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められており、停止テーブルでは、ボーナス(BB1、BB2)と小役が同時に当選している場合(ボーナスフラグが持ち越されている状態において小役が当選した場合)には小役に対応付けられた図柄を優先的に有効ライン上に引き込み、ボーナスとリプレイが同時に当選している場合(ボーナスフラグが持ち越されている状態においてリプレイが当選した場合)にはリプレイに対応付けられた図柄を優先的に有効ライン上に引き込むように形成されている。したがって、ボーナス内部中において、ボーナスに対応付けられた図柄が優先的に引き込まれるのは、役抽選の結果が不当選の場合のみとなる。しかし、本実施の形態においては、ボーナス内部中テーブルには不当選の領域が無いので、ボーナスが当選したその遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、ボーナスが入賞する場合はない。
次に、「打順ベル」のいずれか、すなわち図7(A)に示す「左中1」〜「右中4」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について、図8(A)に基づき説明する。
まず、リール制御手段130は、役抽選により「左中1」「左中2」「左右1」「左右2」が当選した場合において、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の打順で停止操作された場合には、ベル1の図柄組合せを構成する図柄(ベル1に対応する図柄)を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、停止操作のタイミングにかかわらずベル1が入賞し、8枚のメダルが払い出される。また、「左中3」「左中4」「左右3」「左右4」が当選した場合において正解の打順で停止操作された場合には、ベル4に対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行い、この場合には停止操作のタイミングにかかわらずベル4が入賞し、8枚のメダルが払い出される。同様にして、「中左1」「中左2」「中右1」「中右2」が当選した場合において正解の打順で停止操作された場合にはベル2に対応する図柄、「中左3」「中左4」「中右3」「中右4」が当選した場合において正解の打順で停止操作された場合にはベル5に対応する図柄を、それぞれ有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行い、これにより、停止操作のタイミングにかかわらずベル2又はベル5が入賞する。また、「右左1」「右左2」「右中1」「右中2」が当選した場合において正解の打順で停止操作された場合にはベル3に対応する図柄、「右左3」「右左4」「右中3」「右中4」が当選した場合において正解の打順で停止操作された場合にはベル4に対応する図柄を、それぞれ有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行い、これにより、停止操作のタイミングにかかわらずベル3又はベル4が入賞し、いずれも8枚のメダルが払い出される。
以上のように、「打順ベル」の当選時において、正解の打順で停止操作すると必ず8枚のメダルが払い出され、不正解の打順で停止操作すると1枚のメダルが払い出される場合があるようになっている。正解の打順で停止操作した場合に入賞するベル1、ベル2、ベル3、ベル4及びベル5をあわせて正解ベルというものとする。そして、後述する演出実行状態がAT状態である場合には、正解ベルの正解の打順が報知され、報知に従って停止操作を行った場合には、必ず正解ベルが入賞するように形成されている。
本実施の形態では、左押し、中押し、右押しの各当選領域が同等の数(各8個)だけ設けられているが(図7(A)参照)、各当選領域の個数を異ならせて値数の合計が同等となるように設定し、出玉率の下限が55%を下回らないようにしてもよい。
まず、リール制御手段130は、役抽選により「左1」〜「左4」が当選した場合において、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の打順(左押し)で停止操作された場合には、3枚ベル1に対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、停止操作のタイミングにかかわらず3枚ベル1が入賞し、3枚のメダルが払い出される。また、役抽選により「中右5」〜「中右8」が当選した場合において、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の打順(中右押し)で停止操作された場合には、3枚ベル2に対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、停止操作のタイミングにかかわらず3枚ベル2が入賞し、3枚のメダルが払い出される。
入賞判定手段140は、停止スイッチ31〜33の操作によって回転リール61〜63が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、回転リール61〜63が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、その判定結果情報を、払出制御手段150及び遊技状態移行手段160に送信する。
払出制御手段150は、入賞判定手段140の判定結果及び精算スイッチ40の操作に基づいて、ホッパーモータ3Bを作動させてホッパーユニット3からメダルを払い出させるものである。すなわち、入賞判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ40の操作信号を入力したときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出させるようになっている。
なお、入賞により払い出されるメダルを、クレジットに電子的に貯留し、クレジットを超過する払い出し分をホッパーユニット3から払い出させるようにしてもよい。
状態移行手段160は、スロットマシンSの制御状態の移行に関する制御を行うものである。スロットマシンSの制御状態としては、役抽選の抽選態様の違いに基づく遊技状態と、サブ制御装置200の制御による演出態様の違いに基づく演出実行状態と、メイン制御装置100の制御による演出に関する抽選態様の違いに基づく演出抽選状態とが設けられている。そして、状態移行手段160は、図2に示すように、遊技状態決定手段161と、演出状態決定手段162と、演出抽選状態決定手段163とを備えている。
遊技状態決定手段161は、遊技状態を複数の遊技状態間で移行させる決定を行うものである。本実施の形態では、前述したように、遊技状態として、通常状態と、ボーナス内部中と、ボーナス作動中とが設けられている(図9参照)。スロットマシンSの遊技状態は、初期状態(工場出荷時又は設定変更時)において通常状態に設定されており、遊技状態決定手段161は、通常状態において行われる通常遊技でボーナスが当選し当該遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、遊技状態をボーナス内部中に移行させる決定を行う。また、ボーナスが当選し当該遊技でボーナスが入賞した場合には、遊技状態をボーナス作動中に移行させる決定を行う。ボーナスが入賞した場合には、次遊技から特別遊技が開始される。そして、所定のボーナス終了条件(所定枚数を超える払い出し)に該当した場合には、遊技状態を通常状態に移行させる決定を行う。そして、遊技状態決定手段161により決定された遊技状態に応じて役抽選手段120が役抽選テーブルを取得し役抽選を行うことにより、通常状態、ボーナス内部中、ボーナス作動中の各遊技状態が発動する。
ここで、既述したように、本実施の形態においては、ボーナス内部中にボーナスを入賞させることができない仕様となっている。したがって、本実施の形態における遊技状態は、一旦BBが当選し当該遊技でBBが入賞しなかった場合には、遊技状態が常にボーナス内部中に滞在することとなる。
演出実行状態決定手段162は、演出実行状態を複数の演出実行状態間で移行させる決定を行うものである。本実施の形態においては、演出実行状態として、図10(A)に示すように、通常演出状態と、AT状態と、チャンス状態と、ジャッジ状態とが設けられている。AT状態は、サブ制御装置200の制御に基づき、特定の小役の入賞を補助する補助演出(打順ナビ)が行われる演出実行状態(アシストタイム)であり、チャンス状態及びジャッジ状態は、AT状態に移行するか否かを決定するための演出実行状態であり、通常演出状態はそれ以外の演出実行状態である。そして、演出実行状態決定手段162は、役抽選の結果、及び、後述するAT制御手段170と吸込枚数管理手段180の制御結果に基づいて、演出実行状態を決定する。演出実行状態決定手段162の決定は所定の記憶部に記憶されるとともに、当該決定に関する情報がサブ制御装置200に出力される。そして、演出実行状態決定手段162の決定に基づき、サブ制御装置200が演出実行状態に応じた演出実行処理を行うことにより、AT状態や、チャンス状態や、ジャッジ状態などの所定の演出実行状態が発動する。
演出抽選状態決定手段163は、演出抽選状態を複数の演出抽選状態間で移行させる決定を行うものである。本実施の形態においては、演出抽選状態として、図10(B)に示すように、通常抽選状態と、特殊抽選状態とが設けられている。特殊抽選状態は、上記したチャンス状態及びジャッジ状態において、通常抽選状態よりもAT状態へ移行しやすくなる演出抽選状態である。そして、演出抽選状態決定手段163は、後述する払出枚数管理手段190の制御結果に基づいて、演出抽選状態を決定するようになっている。
AT制御手段170は、AT状態の開始及び終了を制御する手段であり、図示しないが、AT抽選手段及び遊技回数管理手段を備えている。
(AT抽選手段)
AT抽選手段は、ATに関する抽選を行うものである。本実施の形態においては、AT抽選手段は、AT移行抽選と上乗せ抽選を行う。AT抽選は、AT抽選用の乱数と、AT抽選用の抽選テーブル(AT移行抽選テーブル、上乗せ抽選テーブル)を用いて、役抽選と同様の手法で行われる。
上乗せ抽選は、AT中において、AT状態の期間となるAT遊技回数を増加させるか否か及び増加させる回数を、抽選により決定するものである。本実施の形態では、AT抽選手段は、上乗せ抽選の契機となる特定役が当選した場合に、上乗せ抽選を行う。例えば、役抽選で「リプレイ2」「リプレイ3」「特殊13」「3枚役」などが当選した場合に、上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選の当選確率や最大上乗せ数は、当選した特定役の種類に応じて定められている。
遊技回数管理手段は、AT遊技回数の設定や設定されているAT遊技回数の上乗せを管理するものであり、図示しないATカウンタを備えている。ATカウンタは、AT遊技回数をカウントするものである。
具体的には、遊技回数管理手段は、AT移行抽選に当選した場合には、ATカウンタにAT遊技回数を最低保障回数(例えば40回)分だけ設定して記憶し、AT状態への移行が決定された次遊技から、ATカウンタの記憶値を、遊技開始ごとに1ずつ減算する。また、AT中に上乗せ抽選に当選した場合には、ATカウンタの記憶値に抽選で決定された数値を加算する。これにより、AT遊技回数が上乗せされ、AT状態の期間が延長される。そして、ATカウンタの記憶値が、遊技消化に基づく減算によって0になった場合には、演出実行状態決定手段162によって通常演出状態への移行が決定される(AT状態が終了する)。ATカウンタの記憶値が0になったか否かの判定は遊技終了時に行う。
吸込枚数管理手段180は、ジャッジ状態への移行契機となる吸込閾値に関する制御を行うものであり、図2に示すように、吸込枚数設定手段181と、吸込枚数カウンタ182とを備えている。吸込枚数設定手段181は、吸込枚数周期テーブルを用いて吸込閾値を設定するものであり、吸込枚数カウンタ182は、吸い込み枚数をカウントするものである。ここで、吸い込み枚数とは、投入メダル数と払い出しメダル数の差枚数であって、1回の遊技において払い出されたメダル数よりも当該遊技で投入したメダル数が多い場合の枚数である。メイン制御装置100は、1回の遊技における差枚数(投入枚数−払い出し枚数)を判定する差枚数判定手段(図示せず)を備えており、吸込枚数カウンタ182は、差枚数判定手段の判定が1以上になった場合に、カウント値を更新するようになっている。
なお、AT状態の終了後に、吸込枚数周期テーブルの次の数値や次の吸込枚数周期テーブルを参照せずに、吸込枚数記憶部に記憶されている数値を維持する(更新しない)場合を設けてもよい。
なお、吸込枚数設定手段181は、初期状態の電源投入時や、ジャッジ状態又はAT状態が終了するごとに、例えば1〜250の数値の中から、次のジャッジ状態への移行契機となる吸込閾値を抽選により決定するようにしてもよい。
また、吸込枚数カウンタ182は、演出実行状態が通常演出状態である場合に加え、チャンス状態においても吸い込み枚数をカウントするようにしてもよい。
また、演出実行状態決定手段162は、遊技状態がボーナス内部中である場合において特定役が当選した場合に、演出実行状態をチャンス状態へ移行させるようになっている。すなわち、AT移行抽選が行われるチャンス状態へも、遊技状態がボーナス内部中である場合のみ移行するものとなる。
移行モード設定手段185は、移行モード周期テーブルを用いて、ジャッジ状態におけるAT移行抽選の当選確率(AT当選確率)の高低に関するモードを設定するものであり、移行モード抽選手段を少なくとも備えている。
図11(B)は、移行モード周期テーブルの概念図である。移行モード周期テーブルは、ジャッジ状態におけるAT状態への移行モードを複数個(例えば3個)規定したテーブルであり、このような移行モード周期テーブルが複数個設けられている。移行モードには、「低」「中」「高」の3種類があり、それぞれ、AT当選確率が異なるものとなっている。例えば、移行モードの「低」では、AT当選確率が20%に設定され、「中」では30%に設定され、「高」では40%に設定されるようになっている。移行モード周期テーブルとしては、例えば、「低、中、高」の移行モードが規定された移行モード周期テーブルa、「高、低、高」の移行モードが規定された移行モード周期テーブルbなどが設けられている。移行モード抽選手段は、初期状態(電源投入時)において、複数の移行モード周期テーブルの中から1の移行モード周期テーブルを抽選により選択する。移行モード設定手段185は、選択された移行モード周期テーブルに規定されている移行モードのうち、最初(例えば左側)の移行モードを参照し、所定のモード記憶部に記憶する。そして、ジャッジ状態に移行した場合に、AT抽選手段が、モード記憶部に記憶されている移行モードに応じたAT移行抽選テーブルを用いてAT移行抽選を行うようになっている。
一方、チャンス状態又はジャッジ状態中にAT移行抽選に当選し、演出実行状態がAT状態に移行した場合には、移行モード設定手段185は、当該ATの終了後に、移行モード周期テーブルに規定されている次の移行モード、又は、新たに移行モード抽選手段によって選択された移行モード周期テーブルの最初の移行モードをモード記憶部に記憶する。
なお、AT状態の終了後に、移行モード周期テーブルの次のモードや次の移行モード周期テーブルを参照せずに、モード記憶部に記憶されているモードを維持する(更新しない)場合を設けてもよい。
払出枚数管理手段190は、特殊抽選状態への移行契機となる払い出し枚数の累積値に関する制御を行うものであり、図2に示すように、払出枚数設定手段191と、払出枚数カウンタ192とを備えている。払出枚数設定手段191は、払出枚数周期テーブルを用いて払出閾値を設定するものであり、払出枚数カウンタ192は、入賞により払い出されたメダル数をカウントするものである。
なお、払出枚数設定手段191が、初期状態において、又はAT状態が終了するごとに、例えば1〜250の数値の中から、特殊抽選状態への移行契機となる払出閾値を抽選により決定するようにしてもよい。
また、払出枚数カウンタ192は、吸込枚数カウンタ182がリセットされることによってはリセットされない。すなわち、払い出し枚数の累積値が閾値に達したか否かの判定と、払い出し枚数の累積値が閾値に達したか否かの判定は、それぞれ別個独立して行われる。
また、払出枚数カウンタ192は、遊技状態がボーナス内部中である場合に、払い出し枚数のカウントを行う。これは、チャンス状態及びジャッジ状態へはボーナス内部中においてのみ移行可能であることに因るものである。
なお、特殊抽選状態への移行の権利がストックされた場合に、チャンス状態又はジャッジ状態に移行するごとにストックを消費する(高確率でのAT移行抽選を保障する)ようにしてもよい。また、特殊抽選状態への移行の権利がストックされている状態でチャンス状態又はジャッジ状態に移行した場合には、ストックされていないときよりもAT当選確率がさらに高くなるように設定してもよい。
サブ制御装置200は、メイン制御装置100から出力されるコマンドやデータ(遊技制御情報)に基づいて、遊技に付随するサブ演出を制御する演出制御手段である。メイン制御装置100がサブ制御装置200に出力する遊技制御情報としては、スタートスイッチ20等の操作スイッチの操作に関する情報や、役抽選の抽選結果に関する情報や、回転リール61〜63の回転及び停止などのリールユニット2の作動情報や、停止図柄の表示態様などの遊技結果に関する情報や、遊技状態及び演出状態の移行に関する情報などがある。
サブ制御装置200を構成するサブ基板には、図示しないが、演出に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて演出の進行に関する制御を行うサブCPU、読み書き可能であって演出の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRAM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、少なくとも、演出実行制御手段220として機能する。
演出実行制御手段220は、画像表示部70や電飾ランプ80やスピーカ90等の演出装置の作動を制御するものであり、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、AT中に行われる打順ナビや、遊技結果に応じて所定の演出図柄を表示させる演出図柄表示演出、その他の演出状態に応じた演出を行わせる。
打順ナビは、画像表示部70の表示画面71に、特定の役(ベル1〜ベル5、3枚ベル1、3枚ベル2)を入賞させるための打順(正解の打順)を矢印で示したり、停止操作すべき停止スイッチ31〜33の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、それらをスピーカ90から音声により指示したり、停止スイッチ31〜33のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させて、操作すべき停止スイッチ31〜33を示したりすることなどにより行われる。
画像表示部70の表示画面71には、図12に示すように、演出図柄の組合せを表示させるための演出図柄表示部72が表示されるようになっている。演出図柄表示部72は、表示画面71の下部に表示される表示領域であり、回転リール61〜63にそれぞれ対応する3個の個別表示領域が設けられている。そして、演出実行制御手段220は、メイン制御装置100から入力するスタートスイッチ20の操作情報及び停止スイッチ31〜33の操作に基づく停止図柄の情報に基づいて、演出図柄表示部72の変動表示及び停止表示を制御する。
図12(A)、例えば役抽選で「左中1」が当選しベル1が入賞した場合の演出図柄表示演出を示す。最初に左の停止スイッチ31が操作されて回転リール61において有効ライン上にベル1に対応するプラム図柄が停止すると、演出実行制御手段220は、図12(A)に示すように、変動表示している演出図柄表示部72の回転リール61に対応する個別表示領域に、演出図柄YBを停止させる。演出図柄YBは、回転リール61〜63に付されているベル図柄とは形状が異なる黄色い2連ベル図柄である。そして、中央の停止スイッチ32、右の停止スイッチ33が操作されて回転リール62、63において有効ライン上にベル1に対応する札図柄が停止すると、演出実行制御手段220は、図11(B)に示すように、変動表示している演出図柄表示部72の回転リール62、63に対応する個別表示領域に、演出図柄YBを停止させる。
例えば、吸い込み枚数が設定された閾値に近づくにつれ、表示画面71に表示させる動画の内容を変化(例えばストーリーを発展)させて、ジャッジ状態への移行が近いことを示唆することができる。また、特殊抽選状態に移行した場合には、表示画面71の特定箇所に特定のキャラクタを表示してその旨を告知するようにし、払い出し枚数が設定された閾値に近づくと、特定のキャラクタを演出画面上に瞬時出現させて、特殊抽選状態への移行が近いことを示唆することができる。
上記構成を有するスロットマシンSの、メイン制御装置100の制御に基づく1遊技における遊技制御処理の概略を、図14のフローに基づき説明する。
まず、遊技を開始するためにメダルがベットされたか否かを判定するベット判定処理が行われ(S100)、スタートスイッチ20がONとなる(操作信号を入力する)ことに伴って、役抽選処理が行われる(S101、S102)。なお、役抽選の結果に関する情報がサブ制御装置200に出力される。その後、役抽選に伴う処理が行われ(S103)、回転リール61〜63の回転開始処理が行われる(S104)。そして、回転リール61〜63の回転中にいずれかの停止スイッチ31〜33がONとなった場合には、対応する回転リール61〜63についての回転停止処理が行われる(S105、S106)。全ての回転リール61〜63が停止するまでS105、S106が繰り返され(S105〜S107)、全ての回転リール61〜63が停止した場合(S107でYes)には、遊技結果判定処理が行われるとともに(S108)、演出抽選状態判定処理(S109)、及び演出実行状態判定処理が行われる(S110)。そして、1回の遊技が終了する。
まず、演出実行状態がAT状態である場合(S200でYes)には、AT中の処理が行われる(S201)。また、演出実行状態がチャンス状態である場合(S202でYes)には、チャンス状態中の処理が行われ(S203)、演出実行状態がジャッジ状態である場合(S204でYes)には、ジャッジ状態中の処理が行われる(S205)。
そして、演出実行状態がAT状態でもチャンス状態でもジャッジ状態でもない場合(S200、S202及びS204でNo)、すなわち、演出実行状態が通常演出状態である場合には、遊技状態がボーナス内部中でありかつ役抽選において特定役(「リプレイ2」「リプレイ3」「特殊13」)が当選したか否かが判断され、ボーナス内部中において特定役が当選した場合(S206でYes)には、チャンス状態の設定が行われる(S207)とともに、チャンス状態中の処理が行われる(S208)。チャンス状態の設定とは、演出実行状態がチャンス状態であることを所定の記憶部に記憶し、チャンス状態の遊技回数をカウントするカウンタ(図示せず)にチャンス状態の遊技回数を設定することである。そして、役抽選に伴う処理を終了する。演出実行状態が通常演出状態であり、遊技状態がボーナス内部中でありかつ特定役が当選していない場合(S206でNo)、すなわち、特定役が当選しているがボーナス内部中でない場合や、ボーナス内部であるが特定役が当選していない場合や、ボーナス内部中ではなく特定役も当選していない場合には、そのまま役抽選に伴う処理を終了する。
まず、ATカウンタの減算が行われ(S300)、役抽選で打順役、すなわち「打順ベル」又は「打順3枚役」が当選している場合(S301でYes)には正解の打順を報知する打順報知の決定が行われる(S302)。また、上乗せ抽選の契機となる特定役(「リプレイ2」「リプレイ3」「特殊13」「3枚役」など)が当選している場合(S303でYes)には、上乗せ抽選が行われ(S304)、上乗せ抽選で所定回数の上乗せが当選した場合(S305でYes)には、決定された遊技回数がATカウンタに加算される(S306)。そして、AT中の処理を終了する。
まず、チャンス状態の遊技回数として設定された遊技回数の減算が行われ(S400)、演出抽選状態が特殊抽選状態か否かが判断される。演出抽選状態が特殊抽選状態でない場合(S401でNo)には、あらかじめ設定されている当選確率(30%)でAT移行抽選が行われる(S402)。また、演出抽選状態が特殊抽選状態である場合(S401でYes)には、設定されている当選確率よりも高い当選確率(60%)でAT移行抽選が行われる(S403)。そして、AT移行抽選に当選した場合(S404でYes)には、AT状態の設定が行われる(S405)。AT状態の設定とは、演出実行状態がAT状態であることを所定の記憶部に記憶し、ATカウンタにAT遊技回数の初期回数(最低保障回数)を設定することである。そして、チャンス状態中の処理を終了する。AT移行抽選に当選しなかった場合(S404でNo)には、そのままチャンス状態中の処理を終了する。
まず、ジャッジ状態の遊技回数として設定された遊技回数の減算が行われ(S500)、演出抽選状態が特殊抽選状態か否かが判断される。演出抽選状態が特殊抽選状態でない場合(S501でNo)には、移行モードに応じて設定されている当選確率(移行モードが「低」なら20%、「中」なら30%、「高」なら40%)でAT移行抽選が行われる(S502)。また、演出抽選状態が特殊抽選状態である場合(S501でYes)には、移行モードに基づき設定されている当選確率よりも高い当選確率(移行モードが「低」なら30%、「中」なら40%、「高」なら50%)でAT移行抽選が行われる(S503)。そして、AT移行抽選に当選した場合(S504でYes)には、AT状態の設定が行われる(S505)。そして、ジャッジ状態中の処理を終了する。AT移行抽選に当選しなかった場合(S404でNo)には、そのままジャッジ状態中の処理を終了する。
まず、ボーナスが当選している場合(S600でYes)において、ボーナスが入賞しなかった場合(S601でNo)には、ボーナス内部中の設定が行われる(S602)。ボーナス内部中の設定とは、遊技状態がボーナス内部中であることを所定の記憶部に記憶し、役抽選テーブルとして内部中テーブルを取得することである。一方、ボーナスが入賞した場合(S601でYes)には、ボーナス作動中の設定が行われる(S603)。ボーナス作動中の設定とは、遊技状態がボーナス作動中であることを所定の記憶部に記憶し、役抽選テーブルとしてボーナステーブルを取得することである。
また、リプレイが入賞した場合(S604でYes)には自動ベット処理が行われ(S605)、小役が入賞した場合(S606でYes)にはメダル払い出し処理が行われる(S607)。そして、メダル払い出し処理が行われた場合には、払出枚数計測処理が行われる(S608)とともに、吸込枚数計測処理が行われる(S609)。一方、メダル払い出し処理が行われない場合、すなわち、ボーナス内部中の設定又はボーナス作動中の設定が行われた場合や、自動ベット処理が行われた場合や、何の役も入賞しなかった場合(S606でNo)には、吸込枚数計測処理のみが行われる(S609)。そして、遊技結果判定処理を終了する。
上記したS609における吸込枚数計測処理について、図21のフローに基づき説明する。吸込枚数計測処理では、遊技状態がボーナス内部中であって(S800でYes)、演出実行状態が通常演出状態である場合(S801でNo)において、当該遊技で投入されたメダル数が払い出されたメダル数を超えている場合(S802でYes)、具体的には、差枚数判定手段の判定が1以上になった場合に、吸込枚数カウンタ182の更新(加算処理)が行われる(S803)。
まず、払い出し枚数の累積値が閾値に達した場合(S900でYes)、すなわち払出枚数カウンタ192のカウント値が払出枚数記憶部に記憶されている払出閾値に達した場合において、演出抽選状態が特殊抽選状態でない場合(S901でNo)には、特殊抽選状態の設定が行われる。特殊抽選状態の設定とは、演出抽選状態が特殊抽選状態であることを所定の記憶部に記憶することである。そして、払出閾値の設定が行われ(S903)、演出抽選状態判定処理を終了する。払出閾値の設定とは、払出枚数設定手段191が払出枚数周期テーブルに規定されている数値を払出枚数記憶部に記憶することである。また、演出抽選状態が特殊抽選状態である場合(S901でYes)には、特殊抽選状態がストックされる(S904)。例えば、特殊抽選状態がストックされた旨が所定の記憶部に記憶される。そして、演出抽選状態判定処理を終了する。
まず、特殊抽選状態がストックされている場合(S1000でYes)には、AT状態の設定が行われ(S1001)、演出実行状態判定処理を終了する。特殊抽選状態がストックされていない場合(S1000でNo)には、当該遊技でATカウンタが0になったか否かが判断され、当該遊技でATカウンタが0になった場合(S1002でYes)には、吸込閾値及び移行モードの設定が行われる(S1003)とともに、通常演出状態の設定が行われる(S1009)。吸込閾値の設定とは、吸込枚数設定手段181が吸込枚数周期テーブルに規定されている数値を吸込枚数記憶部に記憶することであり、移行モードの設定とは、移行モード設定手段185が移行モード周期テーブルに規定されている移行モードをモード記憶部に記憶することである。そして、演出実行状態判定処理を終了する。
以上のように、本実施の形態では、ボーナス内部中テーブルに不当選領域を設けないことにより、ボーナスの当選に係る遊技でボーナスを入賞させられない場合には、遊技状態が常にボーナス内部中に滞在するように形成されているとともに、ボーナス作動中は、通常状態及びボーナス内部中(ボーナス非作動中)よりもメダルの獲得率の期待値が低い(出玉を増やせない)仕様となっている。そして、ほぼ毎回の遊技において小役又はリプレイのいずれかが当選するボーナス内部中において、演出実行状態をAT状態(補助演出状態)へ移行させる機会を付与することにより、ベルナビ(補助演出)の実行によって正解ベルの入賞率を高めて遊技者にメダルを獲得させるようにしている。すなわち、遊技全体を通じてのメダルの獲得率の期待値を適正な範囲に収めつつ、ボーナス非作動中での小役の当選確率を高めに設定し、ATによるメダルの獲得性能を向上させることができる。
具体的には、本実施の形態では、ボーナス非作動中において5種類の正解ベルを互いに重複せずに当選させる態様を設けて役抽選を行い、ボーナス作動中において5種類の正解ベルを同時に当選させる態様を設けて内部抽選を行うことによって、ボーナス作動中において正解ベルを含む当選態様が得られる確率を、ボーナス非作動中において正解ベルを含む当選態様が得られる確率の約1/5に圧縮している。これにより、ボーナス非作動中における小役の当選確率をさらに上昇させることができ、ATによるメダルの獲得率をさらに増大させることができる。
上記した実施の形態では、払い出し枚数の累積値が閾値に達した場合に付与される第2の特典を、AT当選確率の引き上げとしていたが、第2の特典はこれに限られない。例えば、払い出し枚数の累積値が閾値に達した場合に、第2の特典として、当該時点で設定されている吸い込み枚数の累積値の閾値を引き下げるようにしてもよい。具体例を挙げると、吸込閾値が150枚に設定されているときに払い出し枚数の累積値が閾値に達すると、吸込閾値が100枚に再設定される(吸込枚数記憶部の記憶値が書き換えられる)。この場合において、吸込枚数カウンタ182のカウント値がすでに100に達している場合には、ただちにジャッジ状態に突入することとなる。あるいは、払い出し枚数の累積値が閾値に達すると、吸込枚数カウンタ182のカウント値が所定数(例えばカウント値の1/2の数値)だけ加算されるようにしてもよい。例えば、払い出し枚数の累積値が閾値に達したときの吸込枚数カウンタ182のカウント値が100であった場合、吸込枚数カウンタ182のカウント値が50だけ加算される。加算された吸込枚数カウンタ182のカウント値が吸込閾値を超えた場合には、ただちにジャッジ状態に突入することとなる。このように形成した場合には、第2の特典(AT移行抽選の早期実行)は、第1の特典(AT移行抽選)を享受する条件(AT移行抽選が実行されるまでの期間)を緩和(短縮)して、第1の特典に関し遊技者に有利となる影響を与えるものとなる。
また、上記した実師の形態では、小役のみを払い出し枚数の計数の対象としていたが、払い出し枚数の計数の対象としてリプレイ(0枚払い出し)を加えるようにしてもよい。
上記した実施の形態では、ボーナス非作動中の通常演出状態(左押しでの遊技が推奨される状態)において、約1/5.3の割合で左押しが正解の打順の正解ベル(規定数よりも多い入賞メダルが払い出される小役)が入賞するようにして(図6、図7参照)、非AT中の出玉率の下限が55%を下回らないようにしていた。このため、払い出し枚数の増加によって吸い込み枚数の累積値が閾値に近づきにくい現象が生じることとなっていた。
一方、ボーナス非作動中において、規定数よりも少ない数(例えば1枚)のメダルが必ず払い出される第1の小役が頻繁に当選し、規定数よりも多い数(例えば15枚)のメダルが払い出される第2の小役(左押しが正解の打順の正解ベル)が希に当選するように設定することにより、非AT中のベースを高く維持することもできる。この場合には、第2の小役が入賞するまでの間は吸い込み枚数の累積値と払い出し枚数の累積値の双方が徐々に増加していくものとなるが、本発明は、このような仕様に適用しても、遊技の継続が特典付与につながるのでことで遊技者に期待感を与えることができ、スロットマシンSの稼働率を向上させることができる。
上記した実施の形態では、差枚数のうちの吸い込み枚数に基づいて特典を付与するように形成されていたが、投入枚数よりも払い出し枚数が多い場合のプラスの差枚数に基づいて特典を付与するようにしてもよい。例えばAT中に差枚数(プラス分)の累積値をカウントし、所定の閾値に達したら、上乗せ抽選が高確率で行われたり上乗せ遊技回数が多く設定される上乗せ特化ゾーンに移行させるように形成することができる。この場合、非AT中の払い出し枚数に応じてAT当選確率を異ならせたり、上乗せ特化ゾーンに移行可能となる差枚数の閾値を引き下げたりするようにしてもよい。また、上乗せ特化ゾーンに移行する前に払出閾値の達成がストックされた場合には、上乗せ特化ゾーンに移行した際の上乗せ確率を高くしたり、上乗せ特化ゾーンを連荘させるようにしてもよい。
さらに、吸い込み枚数とプラスの差枚数の双方を計数し、吸い込み枚数に基づいて特典(AT移行抽選)が付与される場合と、プラスの差枚数に基づいて特典(上乗せ特化ゾーン)が付与される場合の双方があるような設定としてもよい。
また、本発明は上述した内容に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良なども含むものである。また、本発明は、矛盾を生じない範囲で、上述した実施の形態及び変形例に記載されている事項を適宜組み合わせ、あるいは組み替えてもよいものである。
さらに本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
20 スタートスイッチ 31〜33 停止スイッチ(操作手段)
61〜63 回転リール 110 投入制御手段
120 役抽選手段 130 リール制御手段
140 入賞判定手段 162 演出実行状態決定手段(特典付与手段)
163 演出抽選状態決定手段(特典付与手段)
170 AT制御手段(特典付与手段)182 吸込枚数カウンタ(差数計測手段)
192 払出枚数カウンタ(払出数計測手段)
Claims (2)
- 遊技媒体の投入に基づいて1回の遊技を開始可能となり、
操作手段の操作に基づいて所定の遊技結果を得られた場合に入賞となり、
入賞により遊技媒体が払い出される遊技機において、
複数種類の役について当選か否かの役抽選を行う役抽選手段と、
払い出された遊技媒体の数の累積値を計測する払出数計測手段と、
遊技媒体の払い出しに関し遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、を少なくとも備え、
前記特典付与手段は、
前記払出数計測手段により計測された累積値に基づいて、第1の特典を付与し、前記役抽選手段の役抽選により前記複数種類の役のうちの所定の役に当選した場合に、第2の特典を付与可能に形成されているとともに、第1の特典及び第2の特典が付与された場合にはいずれも、第1の特典及び第2の特典とは異なる共通の特典を付与可能に形成されていることを特徴とする遊技機。 - 遊技媒体の投入に基づいて1回の遊技を開始可能となり、
操作手段の操作に基づいて所定の遊技結果を得られた場合に入賞となり、
入賞により遊技媒体が払い出される遊技機において、
複数種類の役について当選か否かの役抽選を行う役抽選手段と、
投入された遊技媒体の数と払い出された遊技媒体の数との差数の累積値を計測する差数計測手段と、
前記遊技媒体の払い出しに関し遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、を少なくとも備え、
前記特典付与手段は、
前記差数計測手段により計測された累積値に基づいて、第1の特典を付与し、前記役抽選手段の役抽選により前記複数種類の役のうちの所定の役に当選した場合に、第2の特典を付与可能に形成されているとともに、第1の特典及び第2の特典が付与された場合にはいずれも、第1の特典及び第2の特典とは異なる共通の特典を付与可能に形成されていることを特徴とする遊技機。
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