JP2019022613A - 遊技機 - Google Patents

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武史 雪江
Takeshi Yukie
武史 雪江
将郎 平河
Masao Hirakawa
将郎 平河
大輔 河江
Daisuke Kawae
大輔 河江
裕史 山下
Yasushi Yamashita
裕史 山下
彰 石井
Akira Ishii
彰 石井
前原 正典
Masanori Maehara
正典 前原
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Abstract

【課題】ATやARTに関しての遊技性を向上できる新たな遊技機を提供する。【解決手段】複数段階の設定値に対応して遊技媒体の投入数に対する払出数の割合である出玉率が異なる役抽選テーブルにより役抽選を行い、役抽選テーブルは、単数又は複数の役が当選役として含まれている複数の当選領域で構成され、複数の当選領域には、設定値によっても当選確率が同一である設定差の無い当選領域と、設定値によって当選確率が異なる設定差の有る当選領域とがあり、特定状態における役抽選手段による抽選の結果、ボーナスを含む当選領域に当選した場合、当選した当選領域の設定差の有無にかかわらず、ボーナス終了後、特定状態の開始条件に基づいて特定状態を開始する場合と同様に特定状態を開始する。【選択図】図7

Description

本発明は、停止操作によって停止する回転リールを備えた遊技機に関する。
この種の遊技機、例えばスロットマシンにおいては、役抽選の結果に基づくボーナスとは別の有利状態として、サブ制御装置の制御に基づき小役の入賞を補助する演出を行い、通常時よりも獲得利益を増やすようにした、アシストタイム(AT)やアシストリプレイタイム(ART)を搭載している機種が多い。例えば、ARTは、一般的に、所定の終了条件、例えば所定回数の遊技実行によって終了するように形成されており、ARTで所定条件に該当すると、ARTの遊技回数が上乗せされるなどして、ART期間が延長されるようになっている。例えば、特許文献1には、ARTのチャンス目の表示に基づきARTの延長を決定し、決定された延長期間の遊技が行われると、延長期間が開始する直前まで報知していた遊技実行回数に関する情報を再び表示する遊技機が開示されている。
特開2012−45426号公報
例えば、特許文献1に記載されているような遊技機によれば、延長期間の遊技の終了後に、予め定められたARTの遊技期間(例えば、遊技回数)の残りの遊技期間を実行することができるので、取得したARTの遊技期間を最大限度まで得ることができる。しかしながら、このような従来の遊技機は、延長期間の遊技の終了後に、予め定められたARTの遊技期間(例えば、遊技回数)の残りの遊技期間を実行できるにすぎない。そのため、延長期間の遊技の終了時における期待感を維持することは困難であり、ARTに関しての遊技性が低下してしまうおそれがあった。また、スロットマシンでは、ボーナスや小役の確率を設定値ごとに異ならせることで設定値に応じた出玉率を設定し、小役の入賞を補助する補助演出を行うATの当選確率は設定値が異なっても同一とすることが社会的要請としてあった。しかし、単にATの当選確率が画一的であると、ATに関しての遊技性が低下してしまうおそれがあった。
本発明は、上記の問題に鑑み、ATやARTに関しての遊技性を向上できる新たな遊技機を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を有する。すなわち、本発明は、外周面に複数の図柄が付された複数の回転リールと、複数の回転リールを回転させるスタートスイッチと、回転中の回転リールを個々に停止させる複数の停止スイッチと、小役とボーナスとを含む複数種類の役について当選か否かの役抽選を行う役抽選手段と、スタートスイッチの操作信号の入力に基づき回転リールの回転を制御し、停止スイッチの操作信号の入力に基づき回転中の回転リールの停止を制御するリール制御手段と、スタートスイッチの操作により回転開始した複数の回転リールが、停止スイッチの操作により全て停止したときに、役抽選により当選した役に対応付けられた図柄組合せが有効ラインに表示されたか否かを判定する判定手段と、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態制御手段と、小役の入賞を補助する補助演出を行うATの遷移に関連するAT関連状態を制御し、AT関連状態に含まれる特定状態の開始条件が成立すると特定状態を開始し、特定状態の終了条件が成立すると特定状態を終了するAT関連状態制御手段と、を備える遊技機であって、役抽選手段は、複数段階の設定値に対応して遊技媒体の投入数に対する払出数の割合である出玉率が異なる役抽選テーブルにより役抽選を行い、役抽選テーブルは、単数又は複数の役が当選役として含まれている複数の当選領域で構成され、複数の当選領域には、設定値によっても当選確率が同一である設定差の無い当選領域と、設定値によって当選確率が異なる設定差の有る当選領域とがあり、AT関連状態制御手段は、特定状態における役抽選手段による抽選の結果、ボーナスを含む当選領域に当選した場合、当選した当選領域の設定差の有無にかかわらず、ボーナス終了後、特定状態の開始条件に基づいて特定状態を開始する場合と同様に特定状態を開始する。
本発明に係る遊技機によれば、特定状態でボーナスを含む当選領域に当選した場合、当選した当選領域の設定差の有無にかかわらず、ボーナス終了後、特定状態の開始条件に基づいて特定状態を開始する場合と同様に特定状態を開始する。そのため、特定状態をボーナス当選時の状態で再開する場合と比較して、特定状態を長い期間遊技することができる。換言すると、特定状態をボーナス当選時の状態で再開する場合と比較して、特定状態が延長(上乗せ)されることになるので、特定状態で当選したボーナスの終了時の期待感を向上できる。
本発明に係る遊技機によれば、ATやARTに関しての遊技性を向上できる。
図1は、第1実施形態に係るスロットマシンの外観正面図である。 図2は、第1実施形態に係るスロットマシンの入力、出力及び制御装置を示すブロック図である。 図3は、第1実施形態に係るスロットマシンの回転リールの図柄配列を示す図である。 図4は、第1実施形態に係るスロットマシンの当選役に対応する図柄組合せを示す表である。 図5は、第1実施形態に係るスロットマシンの役抽選テーブルの概念図である。 図6は、第1実施形態に係るスロットマシンの遊技状態の遷移図を示す図である。 図7は、第1実施形態に係るスロットマシンのAT関連状態と、通常区間・有利区間との関係を示す図である。 図8は、第1実施形態に係るスロットマシンのメイン制御装置の制御に基づくスロットマシンの1遊技における遊技制御処理を示すフローチャートである。
次に、本発明に係る遊技機について、スロットマシンを例に、図面に基づいて説明する。以下の説明は例示であり、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
<第1実施形態>
<スロットマシンの構成>
図1に示すように、第1実施形態に係るスロットマシンSは、正面側(遊技者と対向する前面側)に開口部を有する方形の筐体Bと、この筐体Bの開口部を塞ぐ前扉Dを備えている。筺体Bの内部には、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1、外周面に複数の図柄が付された3個の回転リール61,62,63を有するリールユニット2、メダルを貯留するとともに貯留されているメダルを払い出すためのホッパーユニット3、スロットマシンSに備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置4等が設置されている。
前扉Dには、3個の回転リール61〜63の図柄を視認可能な図柄表示窓Wが形成されている。そして、この図柄表示窓Wの下方であってスロットマシンSの高さ方向略中央部は、スロットマシンSを作動させるための操作スイッチが設けられた操作部Cとなっている。操作部Cの上面右端(遊技者から見て右側)にはメダル投入口5が設けられ、操作部Cの上面左側(遊技者から見て左側)には、スロットマシンSに電子的に貯留されているメダルであるクレジットメダルを、遊技を行うためのメダルのベットに代えるためのベットスイッチ10が設けられている。
また、操作部Cの正面左側には、回転リール61〜63を回転開始させるためのスタートスイッチ20が設けられ、操作部Cの正面中央部には、3個の回転リール61〜63を個々に停止させるための3個の停止スイッチ31,32,33が設けられている。具体的には、左側に位置する停止スイッチ31は左側に位置する回転リール61を停止させ、中央に位置する停止スイッチ32は中央に位置する回転リール62を停止させ、右側に位置する停止スイッチ33は右側に位置する回転リール63を停止させる。操作部Cの正面左端には、クレジットメダルを払い戻すための精算スイッチ40が設けられている。
ベットスイッチ10は、上下方向に移動可能なボタンスイッチであって、ベットスイッチ10の筐体内部側には、ボタンの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がベットスイッチ10の操作信号として扱われるようになっている。
スタートスイッチ20は、上下方向に揺動可能なレバースイッチであって、スタートスイッチ20の筐体内部側には、押下操作によるレバーの位置移動を検出する検知部(図示せず)が設けられており、検知部の検出信号がスタートスイッチ20の操作信号として扱われるようになっている。
停止スイッチ31〜33は、前後方向に移動可能なボタンスイッチであって、各停止スイッチ31〜33の筐体内部側には、押圧操作によるボタンの位置移動を検出する検知部(図示せず)がそれぞれ設けられており、検知部の検出信号が各停止スイッチ31〜33の操作信号として扱われるようになっている。なお、操作部Cに設けられる操作スイッチとして、遊技者が演出内容を選択することができる演出スイッチを設けてもよい。
前扉Dにおいて図柄表示窓Wの上方には、液晶表示装置などの画像表示部70が設けられ、図柄表示窓Wの両側に位置する前扉Dの側部及び前扉Dの上端部には、ランプ80が設けられている。また、前扉Dの下部には、メダルを貯留可能な下皿6が設けられているとともに、下皿6の奥壁には、ホッパーユニット3から払い出されたメダルを下皿6に排出するためのメダル排出口8と、メダル排出口8の両側に配置されたスピーカ90が設けられている。そして、メダル投入口5の下方であって前扉Dの裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター7が設けられている。
リールユニット2は、図示しない枠体に固定された3個のリールモータM1,M2,M3(図2参照)と、各リールモータM1〜M3の駆動軸にそれぞれ固定された3個の回転リール61〜63と、リールモータM1〜M3を駆動させるためのモータ駆動基板(図示せず)を備えている。なお、図示しないが、リールモータM1には回転リール61が固定され、リールモータM2には回転リール62が固定され、リールモータM3には回転リール63が固定されている。
リールモータM1〜M3は、ステッピングモータであって、駆動軸に連結されたロータ(図示せず)と4相のコイルを備えており、コイルが順次励磁されることにより、ロータが回転して駆動軸が回転し、駆動軸に固定された回転リール61〜63が回転するようになっている。4相のコイルは、モータ駆動基板に所定の駆動パルスが供給されることにより励磁し、駆動パルスのパルス数やパルス幅などが制御されることによって、回転リール61〜63に付されている図柄が図柄表示窓Wを上側から下側へ向けて通過するように回転リール61〜63を回転(正回転)させることができるとともに、回転リール61〜63を図柄単位で停止させることができるようになっている。
各回転リール61〜63の外周面には、図3に示すように、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「ダミーA」、「ダミーB」、「ダミーC」、「ダミーD」の図柄が、1つの回転リールにつき20個ずつ付されている。ここで、回転リールに表示されている1図柄分の領域を1コマと称し、回転リール61〜63はそれぞれ、20個の図柄に対応して等分割された20コマを有している。そして、各回転リール61〜63の外周面に連続して配置されている3つの図柄が、図柄表示窓Wから視認可能となっている。
ここで、図柄表示窓Wを通して図柄を視認するための表示位置として、各回転リール61〜63について上段、中段、下段が設けられており、各回転リール61〜63の表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。有効ラインとは、3個の回転リール61〜63の各表示位置にある縦3個横3個合計9個の図柄を1個ずつ繋いでできるラインのうち、役抽選により当選した役に対応付けられた図柄組合せが表示されたか否かを判定する際の規定ラインである。第1実施形態に係る有効ラインLは、リール61の中段、リール62の中段、およびリール63の中段の組合せからなる。なお、有効ライン数や種類は、上記に限らず適宜設定可能である。また、第1実施形態では、1回の遊技を行うために、メダルを3枚ベットする(掛ける)ことが可能となっている。1回の遊技に掛けることができるメダルの数を規定投入枚数という。そして、スロットマシンSは、スタートスイッチ20の操作によって回転開始し停止スイッチ31〜33の操作によって回転停止した回転リール61〜63の停止図柄により、役に対応付けられた図柄組合せが有効ラインLに表示されると、役に応じた利益が付与されるようになっている。なお、メダルの規定投入枚数は、遊技状態に応じて変更することができる。また、規定投入枚数が複数種類設定されている場合、規定投入枚数に応じて有効ラインLの数や種類を異なるようにしてもよい。
<制御装置1>
制御装置1は、図示しないメイン基板ケースにメイン基板を収納したメイン基板ユニットと、図示しないサブ基板ケースにサブ基板を収納したサブ基板ユニットとから構成される。メイン基板及びサブ基板は、IC等の各種電子部品を搭載した制御基板であり、メイン基板はスロットマシンSの遊技に関する制御を行うメイン制御装置100(図2参照)を構成し、サブ基板は演出や報知に関する制御を行うサブ制御装置200(図2参照)を構成する。また、メイン制御装置100とサブ制御装置200との間では、メイン制御装置100からサブ制御装置200への一方へ向けてのみコマンドやデータが出力され、サブ制御装置200からメイン制御装置100へ向けてはコマンドやデータが出力されないようになっている。
<メイン制御装置>
メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作に基づき、回転リール61〜63の回転及び停止を制御する。メイン制御装置100の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ7A、リールセンサ2A、払い出しセンサ3A、ベットスイッチ10、スタートスイッチ20、停止スイッチ31〜63及び精算スイッチ40が接続されている。ここで、メダルセンサ7Aは、図1に示すように、メダルセレクター7に設けられた検知部であって、メダル投入口5から投入されホッパーユニット3に移送されるメダルを検出する。リールセンサ2Aは、図示しないが、リールユニット2の枠体に設けられた検知部であって、回転リール61〜63に設けられたスタートインデックスを検出して回転リール61〜63の回転を検知する。払い出しセンサ3Aは、図示しないが、ホッパーユニット3に設けられた検知部であって、メダル払出装置から払い出されるメダルを検出する。
一方、メイン制御装置100の出力側には、図2に示すように、リールモータM1〜M3、ホッパーモータ3B、ブロッカー7B、ベット表示部11、クレジット表示部12、及び区間表示器13が接続されている。ホッパーモータ3Bは、図示しないが、ホッパーユニット3に貯留されているメダルを1枚ずつ排出するメダル払出装置を駆動させる。ブロッカー7Bは、図示しないが、メダルセレクター7の内部を通過するメダルを、メダルセンサ7Aで検出される前にメダルセレクター7の外部に排出するためのメダルキャンセル装置である。排出されたメダルは、下皿6に払い戻される。ベット表示部11は、図1に示すように、図柄表示窓Wの下方に設けられた発光表示部であって、1回の遊技を行うために掛けた(ベットした)メダル数を発光する発光領域の数により表示する。クレジット表示部12は、同じく図柄表示窓Wの下方に設けられた7セグメント表示部であり、クレジットメダルの数を数字で表示する。区間表示器13は、同じく図柄表示窓Wの下方に設けられたランプであり、有利区間であることを示すため、有利区間中点灯する。有利区間とは、小役の入賞を補助する補助演出が実行可能な区間である。有利区間については、後述する。なお、区間表示器13は、例えば、クレジット表示部12の一部(7セグメントのドット部分)を用いるなど、他の表示方法でもよい。
メイン制御装置100を構成するメイン基板には、図示しないが、遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPU、読み書き可能であって遊技の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRWM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130、判定手段140、払出制御手段150、遊技状態制御手段160、AT関連状態制御手段170、及び区間制御手段180の各手段として機能する。
<投入制御手段110>
投入制御手段110は、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作(以下投入操作という)と、判定手段140の判定結果に基づいて、1回の遊技を行うためのメダルが掛けられた状態(ベット状態)を設定する。
具体的には、投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、規定投入枚数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。ベット数はベット表示部11に表示される。また、規定投入枚数を超えてメダルが投入された場合には、所定数(50)を限度として、投入されたメダルがスロットマシンSに電子的に貯留されたものとして取り扱う(投入されたメダルがスロットマシンSに電子的に貯留されることを、以下、クレジットともいう)。スロットマシンSに電子的に貯留されたクレジットメダルの数はクレジット表示部12に表示される。なお、クレジットメダルの数が所定数に達した場合には、ブロッカー7Bが作動してメダル投入口5から投入されたメダルがキャンセルされるようになっている。
そして、投入制御手段110は、クレジットされている状態でベットスイッチ10が操作されベットスイッチ10の操作信号が入力されることに伴って、規定投入枚数を限度として、クレジットされたメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。すなわち、ベットスイッチ10の操作信号の入力に伴い、クレジット表示部12に表示されている数値を規定投入枚数分だけ減じて表示するとともに、ベット表示部11に規定投入枚数のベット数を表示する。第1実施形態では、ベットスイッチ10を1回操作するごとに規定投入枚数のメダルがベットされるように形成されているが、ベットスイッチ10を1回操作するごとに1枚のメダルがベットされるようにしてもよい。あるいは、1回操作するごとに1枚のメダルがベットされるシングルベットスイッチを別に設けてもよい。さらに、投入制御手段110は、判定手段140にて、リプレイ(再遊技の作動に係る図柄組み合わせ)が有効ラインLに表示されたと判定された場合には、前回の遊技と同一のベット数で自動的にベット状態を設定する。再遊技の作動とは、投入制御手段110によって自動的にベット状態が設定されることを意味する。
<役抽選手段120>
役抽選手段120は、回転リール61〜63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた複数種類の「役」について、当選か否かの役抽選を行う。役抽選手段120は、図示しない、乱数発生手段、乱数抽出手段、役抽選テーブル、当選判定手段及び当選状態設定手段を備えている。乱数発生手段は、一定時間に所定(例えば0から65535)の数字を繰り返してカウントするループカウンタであり、乱数抽出手段は、スタートスイッチ20の操作信号を入力したタイミングで、ループカウンタのカウント値を読み取って記憶するものである。ループカウンタは乱数を発生しているわけではないが、ループカウンタのカウント値を乱数抽出手段が読み取ることにより、ランダムな数値を抽出できるので、便宜上乱数発生手段というものとする。役抽選テーブルは、ループカウンタがカウントする数値(乱数発生手段の発生可能な全乱数値)を全領域として各役についての当選領域(当選エリア)を規定したものである。当選判定手段は、乱数抽出手段の読み取ったカウント値と役抽選テーブルの当選領域とを照合し、カウント値が所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウント値がいずれの不当選の領域に属する場合には、「ハズレ」の決定をする。当選状態設定手段は、判定手段が当選を決定した場合に、当該当選に対応する当選フラグを成立させることにより当選状態を設定する。
役としては、ボーナス、リプレイ、小役を備えている。ボーナスは、役抽選に当選し、ボーナスに対応付けられた図柄組み合わせ(例えば、赤7・赤7・赤7)が有効ラインLに表示されることで作動し、遊技メダルが規定払出枚数払い出されるまでボーナス状態にて遊技を実行することが可能となる。図柄組合せ(例えば、赤7・赤7・赤7)の説明における、図柄と図柄の間のドットは、回転リール61,62,63を区別するため便宜上付したものである。例えば、図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」は、「回転リール61の赤7図柄・回転リール62の赤7図柄、回転リール63の赤7図柄」を表す。リプレイは、役抽選に当選し、再遊技の作動に係る図柄組み合わせが有効ラインLに表示されることで作動し、次遊技において投入操作を行うことなく再度の遊技を行うことが可能となる。リプレイには、作動条件となる操作態様(ここでは操作順)で操作された場合に作動するものも含まれる。小役は、役抽選に当選し、遊技メダルを獲得するために必要な図柄組み合わせが有効ラインLに表示されることで入賞し、所定枚数のメダルが払い出される。小役には、入賞条件となる操作態様(ここでは操作順)で操作された場合に入賞するものも含まれる。
ここで、図4は、第1実施形態に係るスロットマシンの当選役に対応する図柄組合せを示す。第1実施形態では、ボーナスとして、「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せが対応付けられたRBB1(ビッグボーナス)、「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せが対応付けられたRBB2(ビッグボーナス)、「赤7・赤7・BAR」の図柄組合せが対応付けられたCBB1(ミドルボーナス、又はチャレンジビッグボーナスともいう)が設けられている。
RBB1、又はRBB2に当選し、RBB1、又はRBB2に夫々対応付けられた「赤7・赤7・赤7」、又は「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せが有効ラインLに表示されると、RBB1、又はRBB2が作動し、ボーナス遊技が開始される。また、CBB1に当選し、CBB1に対応付けられた「赤7・赤7・BAR」の図柄組合せが有効ラインLに表示されるとCBB1が作動し、次遊技からボーナス遊技が開始される。CBB1のボーナス遊技では、役抽選の抽選結果にかかわらず小役が当選状態になるとともに、少なくとも1個の回転リールについて、スベリコマ数が最大スベリコマ数よりも少ないコマ数以下となる特別遊技としてのCB遊技(チャレンジボーナス遊技)が連続して行われる。CB遊技は、1回の遊技消化で終了するものであり、CBB1のボーナス遊技では、CB遊技が無条件で開始され、1回のCB遊技が終了すると、再び無条件で次のCB遊技が開始される。ボーナス遊技は、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数を超えた場合に終了する。
リプレイとしては、リプレイ(REP1)、RT0遊技状態へ移行する契機となるRT0移行リプレイ(REP2)、RT2遊技状態へ移行する契機となるRT2移行リプレイ1(REP3)、RT2遊技状態へ移行する契機となるRT2移行リプレイ2(REP4)、RT3遊技状態へ移行する契機となるRT3移行リプレイ(REP5)、特殊リプレイ(REP6)の6個が設けられている。REP1〜REP6のそれぞれには、リプレイ図柄、ベル図柄、スイカ図柄、赤7図柄などを組み合わせて構成される図柄組合せが対応付けられている。例えば、REP1には、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられ、REP2には「リプレイ・ベル・赤7/スイカ/BAR」の図柄組合せが対応付けられ、REP3には、「リプレイ・ベル・ベル」の図柄組合せが対応付けられ、REP4には、「ベル・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられ、REP5には、「ベル・リプレイ・チェリー」の図柄組合せが対応付けられ、REP6には、「リプレイ・リプレイ・ベル」の図柄組合せが対応付けられている。役抽選に当選し、再遊技の作動に係る図柄組み合わせが有効ラインLに表示されることでリプレイが作動し、次遊技において投入操作を行うことなく再度の遊技を行うことが可能となる。なお、上述したように、図柄組合せ(例えば、リプレイ・ベル・赤7/スイカ/BAR)の説明における、図柄と図柄の間のドットは、回転リール61,62,63を区別するため便宜上付したものである。一方、図柄組合せの説明におけるスラッシュは、各回転リールの図柄の組合せを示すために便宜上付したものである。例えば、図柄組合せ「リプレイ・ベル・赤7/スイカ/BAR」は、「回転リール61のリプレイ図柄・回転リール62のベル図柄・回転リール63の赤7図柄、スイカ図柄、又はBAR図柄」を表す。
小役としては、14個のベル役(NML1〜14)と、スイカ役(NML15)と、チェリー役(NML16)とが設けられている。各ベル役には、ベル図柄、リプレイ図柄、ダミーA図柄、ダミーB図柄、ダミーC図柄、ダミーD図柄、チェリー図柄を組み合わせて構成される図柄組合せが対応付けられている。ベル役には、左用1〜4ベル、中用1〜4ベル、右用1〜4ベル、中段ベル、右下がりベルが含まれる。左用1〜4ベル、中用1〜4ベル、右用1〜4ベルにおける、「左」、「中」、「右」は、不正解打順を表す。正解打順については、後述する。左用1ベル(NML1)には、「リプレイ・ダミーD・チェリー/ベル」の図柄組合せが対応付けられ、左用2ベル(NML2)には「リプレイ・ダミーC・チェリー/ベル」の図柄組合せが対応付けられ、左用3ベル(NML3)には「リプレイ・ダミーA・チェリー/ベル」の図柄組合せが対応付けられ、左用4ベル(NML4)には「リプレイ・ダミーB・チェリー/ベル」の図柄組合せが対応付けられている。また、中用1ベル(NML5)には「ベル/ダミーB・リプレイ・ダミーD」の図柄組合せが対応付けられ、中用2ベル(NML6)には「ベル/ダミーB・リプレイ・ダミーC」の図柄組合せが対応付けられ、中用3ベル(NML7)には「ベル/ダミーB・リプレイ・ダミーA」の図柄組合せが対応付けられ、中用4ベル(NML8)には「ベル/ダミーB・リプレイ・ダミーB」の図柄組合せが対応付けられている。また、右用1ベル(NML9)には「ベル/ダミーB・ダミーD・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられ、右用2ベル(NML10)には「ベル/ダミーB・ダミーC・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられ、右用3ベル(NML11)には「ベル/ダミーB・ダミーA・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられ、右用4ベル(NML12)には「ベル/ダミーB・ダミーB・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられている。また、中段ベル(NML13)には、「ベル・ベル・ベル」の図柄組合せが対応付けられ、右下がりベル(NML14)には、「リプレイ・ベル・チェリー」の図柄組合せが対応付けられている。また、スイカ役(NML15)には、「ベル・スイカ・ダミーA/ダミーB/ダミーC/ダミーD」の図柄組合せが対応付けられ、チェリー役には「赤7/ダミーA/ダミーD/BAR・スイカ/ベル・リプレイ/ダミーB/ダミーC/スイカ/ベル/チェリー」の図柄組合せが対応付けられている。小役の入賞により払い出されるメダル数は、規定払出枚数に応じて設定されている。左用1〜4ベル、中用1〜4ベル、及び右用1〜4ベルについては、規定投入枚数3枚において、入賞により払い出されるメダル数が1枚に設定されている。また、中段ベル、右下がりベル、スイカ役、及びチェリー役については、規定投入枚数3枚において、入賞により払い出されるメダル数が9枚に設定されている。役抽選に当選し、各小役に対応付けられた図柄組み合わせが有効ラインLに表示されることで入賞し、所定枚数のメダルが払い出される。
また、上述した図柄組み合わせ以外の図柄組み合わせとして、「ハズレ」(不当選)に対応するブランク1〜3の図柄組み合わせが設定されている。ブランク1には、「リプレイ・リプレイ・チェリー/ベル」の図柄組合せが対応付けられ、ブランク2には、「ベル/ダミーB・リプレイ・ベル」の図柄組合せが対応付けられ、ブランク3には、「ベル/ダミーB・赤7/チェリー/BAR・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられている。
当選状態設定手段は、役抽選の結果、小役が当選した場合には小役フラグ(ベルフラグ、チェリーフラグ、スイカフラグなど)を成立させ、ボーナスが当選した場合にはボーナスフラグ(RBB1フラグ、RBB2フラグ、CBB1フラグ)を成立させ、リプレイが当選した場合にはリプレイフラグを成立させる。また、複数の役が同時に当選する重複当選領域が当選した場合には、当該領域に含まれる全ての役に対応する当選フラグを成立させる。小役フラグ及びリプレイフラグは1回の遊技限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナスが入賞するまでリセットされない。すなわち、小役、リプレイが当選した場合には当選状態が次遊技に持ち越されないが、RBB、又はCBB1が当選した場合には、当選状態が次遊技以降に持ち越されるようになっている。
ここで、図5は、第1実施形態に係るスロットマシンの当選エリアの概念図を示す。図5は、複数の役抽選テーブルに設定されている当選エリアの有無を示したものである。左欄に示した複数の当選エリアが役抽選テーブルに含まれていることを、二重の丸印、丸印、黒塗りの丸印で表し、その当選エリアが役抽選テーブルに含まれていない場合には無印で表している。また、二重の丸印は、設定差無し、かつ、有利区間移行抽選及び指示機能抽選(AT移行抽選)が可能であることを示す。有利区間は、小役の入賞を補助する補助演出が可能な遊技区間であり、有利区間移行抽選とは、有利区間へ移行するか否かの抽選である。AT移行抽選は、ATに移行するか否かの抽選である。丸印は、設定差無し、かつ、有利区間移行抽選が可能であることを示す。黒塗りの丸印は、設定差有り、有利区間移行抽選及び指示機能抽選(AT移行抽選)が不可であることを示す。当選エリアには不当選(ハズレ)も含まれる。当選エリアには、単独の役のみから構成される当選エリアと、複数の役から構成される当選エリアがある。例えば、当選エリア32の「RBB1」は、RBB1のみから構成されるが、当選エリア33「RBB1」は、RBB1、中段ベル(NML13)、右下がりベル(NML14)の3つの役から構成されている。単独の役のみから構成される当選エリアは、単独の役が当選する単独当選エリアを形成し、複数の役から構成される当選エリアは、複数の役が同時に当選する重複当選エリアを形成する。スロットマシンSは、0〜65535の数値を全領域として、複数の当選エリアの占める領域が規定された役抽選テーブルを有している。役抽選テーブルにおける、各当選エリアの全領域に対する割合が、当該当選エリアの当選確率として設定される。また、役抽選テーブルは、遊技状態に応じて、複数設けられている。例えば、後述のRT0遊技状態において用いられる通常テーブルと、RT1遊技状態において用いられるRT1テーブルと、RT2遊技状態において用いられるRT2テーブルと、RT3遊技状態において用いられるRT3テーブルと、ボーナス内部状態において用いられる内部中テーブルと、ボーナス(RBB1、RBB2)中に用いられるRBB中テーブルと、ボーナス(CBB1)中に用いられるCBB1中テーブルが設けられている。そして、これらの複数のテーブル群が、出玉の設定ごとに設けられている。
また、スロットマシンSは、遊技媒体の投入数に対する払出数の割合である出玉率の設定値が設定1から設定6まで段階分けされており、設定値の違いにより、役の当選確率が異なるようになっている。例えば、設定1よりも設定6の方が、役が当選する確率が大きくなるように形成されており、当選確率が高ければ、当然入賞の可能性も増えるので、設定値を調整することにより、その台の想定払い出しメダル量が変わってくる。そして、役抽選テーブルは、設定1〜6のそれぞれに対応して設けられており、設定が変更されたときには、設定値ごとに設けられた複数の抽選テーブル一群が変更されることになる。
また、図5の備考に記載されているように、移行リプレイや打順ベルの重複当選エリアに対しては、3個の停止スイッチ31〜33に基づく複数の操作順序(打順)が、それぞれ割り当てられている。例えば、当選エリア2(RT2移行リプレイ1」に対しては、左側の停止スイッチ31、中央の停止スイッチ32、右側の停止スイッチ33の順に操作する打順1「左中右」がRT2遊技状態へ移行する正解打順として割り当てられ、打順2「左右中」、打順3「中左右」、打順4「中右左」、打順5「右左中」、及び打順6「右中左」が遊技状態を維持する打順として割り当てられている。また、例えば、当選エリア3(RT2移行リプレイ2」に対しては、打順2「左右中」がRT2遊技状態へ移行する正解打順として割り当てられ、当選エリア4(RT2移行リプレイ3」に対しては、打順3「中左右」がRT2遊技状態へ移行する正解打順として割り当てられ、当選エリア5(RT2移行リプレイ4」に対しては、打順4「中右左」がRT2遊技状態へ移行する正解打順として割り当てられ、当選エリア6(RT2移行リプレイ5」に対しては、打順5「右左中」がRT2遊技状態へ移行する正解打順として割り当てられ、当選エリア7(RT2移行リプレイ6」に対しては、打順6「右中左」がRT2遊技状態へ移行する正解打順として割り当てられ、各当選エリアにおいて正解打順以外の打順は、遊技状態を維持する打順として割り当てられている。なお、打順1「左中右」、打順2「左右中」を総称して左押しという。また、打順3「中左右」、打順4「中右左」を総称して中押し、打順5「右左中」、打順6「右中左」を総称して右押しというものとする。また、当選エリア8(RT3移行リプレイ1」に対しては、左押しがRT3へ移行する正解打順として割り当てられ、中押し、及び右押しがRT0へ移行する打順として割り当てられている。また、当選エリア9(RT3移行リプレイ2」に対しては、中押しがRT3へ移行する正解打順として割り当てられ、左押し、及び右押しがRT0へ移行する打順として割り当てられ、当選エリア10(RT3移行リプレイ3」に対しては、右押しがRT3へ移行する正解打順として割り当てられ、左押し、及び中押しがRT0へ移行する打順として割り当てられている。
また、例えば、当選エリア20,21,22、23(打順ベル1−1,1−2,1−3,1−4)には、左押しが9枚の払出しとなる正解打順として割り当てられ、中押し、及び右押しが1枚の払出しとなる不正解打順として割り当てられている。また、当選エリア24,25,26、27(打順ベル2−1,2−2,2−3,2−4)には、中押しが9枚の払出しとなる正解打順として割り当てられ、左押し、及び右押しが1枚の払出しとなる不正解打順として割り当てられている。また、当選エリア28,29,30、31(打順ベル3−1,3−2,3−3,3−4)には、右押しが9枚の払出しとなる正解打順として割り当てられ、左押し、及び中押しが1枚の払出しとなる不正解打順として割り当てられている。
<リール制御手段130>
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号に基づいて、回転リール61〜63の回転及び停止を制御する。以下、リール制御手段130による回転リール61〜63の回転制御及び停止制御について説明する。
<回転制御>
リール制御手段130は、スタートスイッチ20の有効な操作信号を入力した場合に、リールモータM1〜M3を駆動させて回転リール61〜63を回転させるものである。すなわち、規定投入枚数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール61〜63の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、全ての回転リール61〜63を一斉に、あるいは所定の順番で回転開始させる。そして、全ての回転リール61〜63の回転速度が、停止スイッチ31〜33の操作を可能とするためにあらかじめ設定された定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度を維持する定常回転を行わせるものとなっている。
<停止制御>
リール制御手段130は、リールセンサ2A(図2参照)の検出信号に基づき回転リール61〜63の回転角度を把握しつつ、停止スイッチ31〜33の作動時点(停止スイッチ31〜33の操作が検出された時点=停止操作のタイミング)での回転リール61〜63の回転角度から、有効ラインLに位置している図柄を特定すること(以下図柄参照という)ができるようになっている。停止操作とは、停止スイッチ31〜33を操作して、回転リール61〜63の回転を停止させ、特定の図柄組合せを有効ラインLに表示させる操作である。リール制御手段130は、停止操作がされた時点において所定位置(例えば上段位置)にある回転リール61〜63の図柄を基準図柄として、回転リール61〜63の回転角度が前記基準図柄をあらかじめ定められたコマ数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)だけ回転方向に移動させたコマ数(引き込み可能コマ数、例えば5コマ)の範囲内となるように、回転リール61〜63を停止させることができる。
具体的には、前記基準図柄を所定位置(上段位置)に停止させてもよい場合には、停止操作のタイミングで、リールモータM1〜M3の駆動を停止させるための停止信号を出力してそのまま回転リール61〜63を停止させる。また、基準図柄を所定位置に停止させることによって有効ラインLに停止させてはいけない図柄が停止することとなる場合には、停止信号を出力するタイミングを遅らせて、有効ラインLからその図柄を蹴飛ばす蹴飛ばし処理を行う。また、前記引き込み可能コマ数の範囲内に、当選した役に対応付けられた図柄組合せを構成する図柄(当選図柄)が含まれている場合には、停止信号を出力するタイミングを遅らせて、有効ラインLにその当選図柄を引き込む引き込み処理を行う。
リール制御手段130は、これらの処理を、回転リール61〜63の停止位置候補を特定するためのあらかじめ定められた優先順位に基づいて、基準図柄から何コマ分回転させて回転リール61〜63を停止させるかを役抽選の結果及び停止操作のタイミングに応じて図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルを用いて行う。第1実施形態では、役についての優先順位が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められており、停止テーブルでは、ボーナスと小役が同時に当選している場合(ボーナス内部状態に小役が当選した場合)には小役に対応付けられた図柄を優先的に有効ラインLに引き込み、ボーナスとリプレイが同時に当選している場合(ボーナス内部状態にリプレイが当選した場合)にはリプレイに対応付けられた図柄を優先的に有効ラインLに引き込むように形成されている。
また、停止テーブルとしては、引き込み可能コマ数の範囲内で当選図柄を有効ラインLに引き込み、当選図柄以外の図柄を有効ラインLから蹴飛ばすように、回転リール61〜63の停止位置が規定された当選図柄引き込みテーブルと、引き込み可能コマ数の範囲内で、いかなる役に対応する図柄組合せも有効ラインLに揃わないように、回転リール61〜63の停止位置が規定されたハズレテーブルとが設けられている。停止テーブルは、3個の回転リール61〜63にそれぞれ対応して設けられており、先に停止した回転リール61〜63の停止図柄に応じて、未停止の回転リール61〜63の停止テーブルが選択されるようになっている。
<打順ベル当選時の停止制御>
第1実施形態において、スベリコマ数が最大スベリコマ数である4コマに設定されている制御中においては、例えば、RBB1中ベル1は、停止操作のタイミングにかかわらず入賞可能な設定となっている。そして、リール制御手段130は、役抽選により、いずれかの「打順ベル」が当選した場合には、停止操作の態様に応じて、当該領域に含まれる「打順ベル」のいずれかのベル役に対応する図柄組合せを有効ラインLに停止表示させるように停止制御を行う。具体的には、役抽選により打順ベルの当選エリアが当選した場合において、当選した当選エリアに対して割り当てられている正解打順で各停止スイッチ31〜33が操作された場合には、リール制御手段130は、図4に示すように、入賞により9枚のメダルが払い出される中段ベル又は右下がりベルの図柄組合せを構成する図柄を有効ラインLに引き込んで停止させる制御を行う。これにより、停止操作のタイミングにかかわらず中段ベル又は右下がりベルが入賞する。一方、その正解打順以外の打順(不正解打順)で各停止スイッチ31〜33が操作された場合には、リール制御手段130は、中段ベル又は右下がりベル以外の、入賞により1枚のメダルが払い出されるいずれかのベル役に対応する図柄組合せを構成する図柄を有効ラインLに引き込んで停止させる制御を行う。なお、不正解の打順で停止操作した場合は、停止操作のタイミングによっては、1枚のメダルが払い出されるベル役に対応する図柄組合せを構成する図柄を有効ラインLに引き込んで停止させることはできない。この場合、ブランク1〜3の何れかの図柄組合せが有効ラインLに停止することになる。このブランク1〜3の図柄組合せの表示は、RT0遊技状態への移行契機となっている。
第1実施形態では、「打順ベル」の当選時において、正解打順で停止操作すると9枚のメダルが払い出され、不正解打順で停止操作すると、停止操作のタイミングによっては1枚のメダルが払い出される。正解打順で停止操作した場合に入賞する中段ベル又は右下がりベルを正解ベルというものとする。そして、後述するAT関連状態がATである場合には、「打順ベル」の当選時に正解ベルが入賞する正解打順が報知され、報知に従って停止操作を行った場合には、正解ベルが入賞して必ず9枚のメダルを獲得できるようになっている。
<打順リプレイ当選時の停止制御>
リール制御手段130は、例えば、「RT2移行リプレイ1」の当選時に、正解打順で停止操作された場合には、「RT2移行リプ1」に対応付けられた「リプレイ・ベル・ベル」の図柄組合せを構成する図柄を有効ラインLに引き込んで停止させる制御を行う。これにより、停止操作のタイミングにかかわらず、「リプレイ・ベル・ベル」の図柄組合せが有効ラインLに揃う。一方、「RT2移行リプレイ1」の当選時に、不正解打順で停止操作された場合には、リール制御手段130は、リプレイに対応付けられた「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せを構成する図柄を有効ラインLに引き込んで停止させる制御を行う。
RT2リプレイ1〜6、RT3リプレイ1〜3は、正解の打順で停止操作され、対応付けられた図柄組合せが表示されることに伴い、後述する遊技状態制御手段160の制御に基づき遊技状態が移行する契機となる移行契機役に設定されている。例えば、RT2移行リプレイ1〜6は、RT2遊技状態への移行契機役、RT3移行リプレイ1〜3はRT3遊技状態への移行契機役に設定されている。したがって、移行契機役としてのリプレイが有効ラインLに表示された場合には、それぞれ、現在滞在している遊技状態から所定の遊技状態へと移行するものとなる。
(判定手段140)
判定手段140は、停止スイッチ31〜33の操作によって回転リール61〜63が全て停止したときに、当該遊技の結果(入賞したか否か、及び特定の図柄組合せが表示されたか)を判定する。具体的には、回転リール61〜63が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ラインLに揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断する。
<払出制御手段150>
払出制御手段150は、判定手段140の判定結果及び精算スイッチ40の操作に基づいて、ホッパーモータ3Bを作動させてホッパーユニット3からメダルを払い出させるものである。すなわち、判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、クレジットメダルが1以上ある場合に精算スイッチ40の操作信号を入力したときには、クレジットメダルを払い出させるようになっている。なお、入賞により払い出されるメダルを、クレジットメダルとして電子的に貯留し、クレジットメダルを超過する払い出し分をホッパーユニット3から払い出させるようにしてもよい。
ここで、遊技状態制御手段160、AT関連状態制御手段170、区間制御手段180を説明する前に、第1実施形態に係るスロットマシンにおける遊技状態の遷移、及びATに関係するAT関連状態の遷移と、通常区間・有利区間との関係について説明する。
<遊技状態の遷移>
図6に、第1実施形態に係るスロットマシンの遊技状態の遷移図を示す。RT遊技状態(RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態)は、リプレイの抽選態様がRT0遊技状態とそれぞれ異なる遊技状態であって、いわゆるリプレイタイムと呼ばれるものである。RT1遊技状態は、ボーナス状態(RBB1作動中、RBB2作動中、CBB作動中)の終了後に移行する区間であり、リプレイ確率が低く設定されている。RT1遊技状態において、打順ベルの当選エリアに当選し、不正解の打順で停止操作され、RT終了図柄(ブランク1〜3)が有効ラインLに表示されると、RT0遊技状態へ移行する。RT0遊技状態は、リプレイ確率がRT1遊技状態と同じであるが、非RT遊技状態であり、かつ、ボーナス状態、又はボーナス内部状態の何れでもない状態である。RT0遊技状態は、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態において、RT遊技状態Tを終了するRT終了図柄(ブランク1〜3)が有効ラインLに表示されるか、RT2遊技状態においてRT0移行リプレイに対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されると移行する。RT2遊技状態は、RT3遊技状態へ移行する準備区間であり、リプレイ確率がRT0遊技状態よりも高く設定されている。第1実施形態に係るスロットマシンSでは、RT2遊技状態において、打順ベルの当選エリアに当選し、不正解の打順で停止操作され、RT終了図柄(ブランク1〜3)が表示されると、RT0遊技状態へ移行し、RT0遊技状態で、当選エリア2〜7の何れかに当選し、正解打順で停止操作され、RT2開始図柄(RT2移行リプ1(REP3)、又はRT2移行リプ2(REP4)に対応する図柄組み合わせ)が表示されることで、RT2遊技状態へ移行する。RT3遊技状態は、リプレイ確率がRT0遊技状態よりも高く設定されている。第1実施形態に係るスロットマシンSでは、RT2遊技状態において、当選エリア8〜10の何れかに当選し、正解打順で停止操作され、RT3開始図柄(RT3移行リプ(REP5)に対応する図柄組み合わせ)が表示されることで、RT3遊技状態へ移行する。また、RT3遊技状態において、打順ベルの当選エリアに当選し、不正解の打順で停止操作され、RT終了図柄(ブランク1〜3)に対応する図柄組み合わせが表示されると、RT0遊技状態へ移行する。RT2遊技状態においてATが実行される状態をART準備といい、RT3遊技状態においてATが実行される状態をARTという。RT2遊技状態、及びRT3遊技状態で、ATが実行されると、遊技者が正解打順に対応付けられた図柄組み合わせを有効ラインLに表示させるための正解打順を報知するナビに従うことで、メダルを獲得することができる。
ボーナス状態(RBB1作動中、RBB2作動中、CBB作動中)とは、役抽選で何れかのボーナス(RBB1、RBB2、CBB)に当選し、ボーナス(RBB1、RBB2、CBB1)に対応付けられた図柄組み合わせが有効ラインLに表示されることで作動する遊技状態である。ボーナス内部状態(RBB1内部中、RBB2内部中、CBB内部中)とは、ボーナスフラグが持ち越されている遊技状態である。
<AT関連状態の遷移と通常区間・有利区間との関係>
図7に、第1実施形態に係るスロットマシンにおけるATに関係するAT関連状態の遷移と、通常区間・有利区間との関係を示す。AT関連状態は、小役の入賞を補助する補助演出を行うアシストタイム(AT)の遷移に関係する状態を広く含み、図6に示すスロットマシンSの遊技状態の遷移とは独立して遷移する。AT関連状態は、ATへ移行するためのAT移行抽選、高確状態へ移行するための高確移行抽選、チャンスゾーンへ移行するためのチャンスゾーン移行抽選を行うことが可能な一般状態、チャンスゾーン状態(CZ中)、高確状態(高確中)、ATを含む。また、AT関連状態は、アシストタイム(AT)の遷移に関係する状態を広く含むため、AT移行抽選、高確移行抽選、チャンスゾーン移行抽選を行わない状態も含む。また、内部中(ボーナス内部状態)、及びボーナス状態は、AT関連状態の状態(例えば、AT中か、AT移行抽選が可能か否かなど)によって、区別される。チャンスゾーン状態とは、ATへ移行するためのAT移行抽選を一般状態よりも高確率で行うAT関連状態である。高確状態とは、チャンスゾーン移行抽選やAT移行抽選を一般状態よりも高確率で行うAT関連状態である。ATには、ART準備中、ART、特化ゾーン(特化Z)が含まれる。ART準備中は、RT2遊技状態においてATが実行されるAT関連状態である。ARTは、RT3遊技状態においてATが実行されるAT関連状態である。特化ゾーンは、ARTの遊技回数を上乗せする上乗せ抽選を行うAT関連状態である。
通常区間(非有利区間)は、小役の入賞を補助する補助演出を行うことができない区間である。有利区間は、小役の入賞を補助する補助演出が可能な遊技区間である。第1実施形態に係るスロットマシンSは、AT関連状態のうち、ATが、有利区間でのみ実行できる仕様となっている。具体的には、図7における通常区間について、一般状態は、通常区間における内部中A、ボーナス状態の何れでもない状態であるが、ATではないもののAT移行抽選を行うことが可能なAT関連状態である。また、一般状態では、高確移行抽選、及びチャンスゾーン移行抽選を行うことができる。一般状態において、高確移行抽選に当選すると高確状態へ移行するとともに有利区間に移行し、チャンスゾーン移行抽選に当選するとチャンスゾーンへ移行するとともに有利区間に移行し、AT移行抽選に当選するとATに移行するとともに有利区間に移行する。また、図7における通常区間について、一般状態から移行する内部中Aは、RBB2を含む設定差の有る当選エリア(設定差の有る当選領域)36,38,40,42に当選した場合の内部中であり、図6におけるRBB2内部中の際に移行するAT関連状態である。また、図7における通常区間について、内部中Aから移行するボーナス状態は、RBB2を含む設定差の有る当選エリア36,38,40,42に当選した場合のボーナス状態であり、図6におけるRBB2作動中の際に移行するAT関連状態である。なお、通常区間の一般状態において、RBB2を含む設定差の無い当選エリア(設定差の無い当選領域)37,39,41に当選した場合、RBB1を含む設定差の無い当選エリア32〜35に当選した場合、及びCBBを含む設定差の無い当選エリア43〜48に当選した場合には、有利区間の内部中B、又は有利区間のボーナス状態に移行する。また、第1実施形態に係るスロットマシンSは、通常区間の内部中A、及び通常区間のボーナス状態では、AT移行抽選、高確移行抽選、及びチャンスゾーン移行抽選を行うことができない。設定差の有る当選エリア(設定差の有る当選領域)とは、設定値が異なると当選確率が変わることを意味し、設定差の無い当選エリア(設定差の無い当選領域)とは、設定値が異なっても当選確率が変わらないことを意味する。
また、図7における有利区間について、チャンスゾーン状態又は高確状態は、ATではないもののAT移行抽選を行うことが可能なAT関連状態である。また、図7における有利区間について、内部中Cは、チャンスゾーン状態又は高確状態において、RBB1を含む設定差の無い当選エリア32〜35に当選した場合、RBB2を含む設定差の無い当選エリア37、39,41に当選した場合、及びCBBを含む設定差の無い当選エリア43〜48に当選した場合に移行する内部中C1(図示せず)と、RBB2を含む設定差の有る当選エリア36、38,40,42に当選した場合に移行する内部中C2(図示せず)とに区別される。内部中C1から移行するボーナス状態は、AT移行抽選を行うことが可能であるが、内部中C2から移行するボーナス状態は、AT移行抽選を行うことができないAT関連状態である。なお、内部中C1、内部中C2は、図6におけるRBB1内部中、RBB2内部中、CBB内部中の際に移行するAT関連状態であるが、AT移行抽選を行うことができないAT関連状態である。
また、図7における有利区間について、内部中Dは、ATにおいて、RBB1を含む設定差の無い当選エリア32〜35に当選した場合、RBB2を含む設定差の無い当選エリア37、39,41に当選した場合、及びCBBを含む設定差の無い当選エリア43〜48に当選した場合に移行する内部中D1(図示せず)と、RBB2を含む設定差の有る当選エリア36、38,40,42に当選した場合に移行する内部中D2(図示せず)とに区別される。内部中D1、内部中D2は、図6におけるRBB1内部中、RBB2内部中、CBB内部中の際に移行するAT関連状態であるが、AT移行抽選を行うことができないAT関連状態である。
また、図7における有利区間について、ボーナス状態は、図6におけるRBB1作動中、RBB2作動中、CBB作動中の際に移行するAT関連状態である。ボーナス状態は、RBB1を含む設定差の無い当選エリア32〜35に当選した場合、RBB2を含む設定差の無い当選エリア37、39,41に当選した場合、及びCBBを含む設定差の無い当選エリア43〜48に当選した場合に移行するボーナス状態Aと、RBB2を含む設定差の有る当選エリア36、38,40,42に当選した場合に移行するボーナス状態Bに区別される。また、ボーナス状態Aは、内部中B、又は内部中C1から移行するボーナス状態A1(図示せず)と、内部中D1から移行するボーナス状態A2(図示せず)とに更に区別される。ボーナス状態A1は、AT移行抽選を行うことが可能であり、図6におけるRBB1作動中、RBB2作動中、CBB作動中の際に移行するAT関連状態である。内部中D1から移行するボーナス状態A2もAT移行抽選を行うことが可能なAT関連状態である。また、ボーナス状態Bは、内部中C2から移行するボーナス状態B1と、内部中D2から移行するボーナス状態B2とに更に区別される。ボーナス状態B1、及びボーナス状態B2は、AT移行抽選を行うことができないAT関連状態である。なお、第1実施形態に係るスロットマシンSは、AT中にボーナスに当選した場合、ATが終了する。但し、ATの遊技回数が残っている場合、残りのATの遊技回数が保持(ATカウンタの記憶値が記憶)され、ボーナス終了後に、残りのATの遊技回数でATが再開される。
また、第1実施形態に係るスロットマシンSは、有利区間において、有利区間が規定の遊技数継続した場合(例えば、1500ゲーム)、通常区間に移行する。また、第1実施形態に係るスロットマシンSは、有利区間において、ATが終了すると、有利区間が、未だ規定の遊技数継続していない場合(有利区間の残りゲーム数がある場合)、高確状態へ移行する。
<遊技状態制御手段160>
遊技状態制御手段160は、スロットマシンSの制御状態のうちの、役抽選の抽選態様の違いに基づく遊技状態について、複数の遊技状態間の移行を制御する。そして、遊技状態制御手段160の決定に基づき、役抽選手段120が遊技状態に応じた役抽選テーブルを取得し役抽選を行うことにより、所定の遊技状態での遊技が行われる。
遊技状態制御手段160は、RT1遊技状態において、当選エリア20〜31(打順ベル1−1〜3−4)の当選時に、不正解打順で停止操作され、RT終了図柄(ブランク1〜3)が有効ラインLに表示されると、遊技状態をRT0遊技状態へ移行させる。また、遊技状態制御手段160は、RT0遊技状態において、当選エリア2〜7(RT2移行リプレイ1〜6)の当選時に正解打順で停止操作され、正解打順に対応付けられた図柄組み合わせ(REP3、REP4)が有効ラインLに表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態へ移行させる。また、遊技状態制御手段160は、RT2遊技状態において、当選エリア8〜10(RT3移行リプレイ1〜3)の当選時に正解打順で停止操作され、正解打順に対応付けられた図柄組み合わせ(REP5)が有効ラインLに表示された場合には、遊技状態をRT3遊技状態へ移行させる決定を行い、不正解打順で停止操作され、不正解打順に対応付けられた図柄組合せ(REP2)が有効ラインLに表示された場合にはRT0遊技状態へ移行させる。また、遊技状態制御手段160は、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態において、当選エリア20〜31(打順ベル1−1〜3−4)の当選時に、不正解打順で停止操作され、RT終了図柄(ブランク1〜3)が有効ラインLに表示されると、遊技状態をRT0遊技状態へ移行させる。なお、当選エリア2〜7(RT2移行リプレイ1〜6)、及び当選エリア8〜10(RT3移行リプレイ1〜3)の当選の際に、有利区間において正解の打順を報知することが可能だが、通常区間においては正解の打順を報知することはできない。
また、遊技状態制御手段160は、遊技状態がRT3遊技状態であり、AT関連状態がARTにおいて、特化ゾーンへ移行するか否かの抽選を行い、抽選に当選した場合には、遊技状態を特化ゾーンへ移行させる。
遊技状態制御手段160は、何れかのボーナス(RBB1、RBB2、CBB1)を含む当選エリア32〜46に当選し、当該遊技でボーナスに対応付けられた図柄組み合わせが有効ラインLに表示されなかった場合には、遊技状態をボーナス内部状態へ移行させる。また、遊技状態制御手段160は、何れかのボーナス(RBB1、RBB2、CBB1)を含む当選エリア32〜46に当選し、当該遊技でボーナスに対応付けられた図柄組み合わせが有効ラインLに表示された場合には、遊技状態をボーナス状態へ移行させる。遊技状態制御手段160は、ボーナス(RBB1、RBB2、CBB1)のボーナス終了条件(所定枚数を超える払い出し)に該当した場合には、RT1遊技状態へ移行させる。
<AT関連状態制御手段170>
AT関連状態制御手段170は、AT関連状態を制御する手段であり、図示しない、高確移行抽選手段、高確制御手段、チャンスゾーン移行抽選手段、チャンスゾーン制御手段、AT移行抽選手段、AT制御手段、特化ゾーン移行抽選手段、特化ゾーン制御手段、AT回数管理手段を含む。
高確移行抽選手段は、高確状態へ移行するための高確移行抽選を行う。高確制御手段は、高確状態へ移行するための高確移行抽選に当選すると、高確状態に移行する決定を行う。例えば、高確制御手段は、通常区間の一般状態において、高確状態へ移行するための高確移行抽選に当選すると、AT関連状態を高確状態へ移行させる。これに伴い、後述する区間制御手段180により、通常区間から有利区間に移行する。また、高確制御手段は、有利区間において、ATが終了し、有利区間が未だ規定の遊技数継続していない場合(有利区間の残りゲーム数がある場合)、高確状態へ移行させる。
チャンスゾーン移行抽選手段は、チャンスゾーン状態へ移行するためのチャンスゾーン移行抽選を行う。チャンスゾーン制御手段は、チャンスゾーン状態へ移行するためのチャンスゾーン移行抽選に当選すると、チャンスゾーン状態に移行する決定を行う。例えば、チャンスゾーン制御手段は、通常区間の一般状態において、チャンスゾーン状態へ移行するためのチャンスゾーン移行抽選に当選すると、AT関連状態をチャンスゾーン状態へ移行させる。これに伴い、後述する区間制御手段180により、通常区間から有利区間に移行する。また、高確制御手段は、有利区間の高確状態において、チャンスゾーン状態へ移行するためのチャンスゾーン移行抽選に当選すると、AT関連状態をチャンスゾーン状態へ移行させる。
AT移行抽選手段は、ATへ移行するためのAT移行抽選を行う。AT制御手段は、ATへ移行するためのAT移行抽選に当選すると、ATに移行する決定を行う。具体的には、AT制御手段は、通常区間の一般状態において、ATへ移行するためのAT移行抽選に当選すると、AT関連状態をATへ移行させる決定を行う。これに伴い、後述する区間制御手段180により、通常区間から有利区間に移行する。また、AT制御手段は、有利区間の高確状態やチャンスゾーン状態において、ATへ移行するためのAT移行抽選に当選し、かつ、遊技状態がRT2遊技状態であれば、AT関連状態をART準備中(状態)へ移行させる。また、AT制御手段は、AT関連状態がATであり、かつ、遊技状態がRT3遊技状態であれば、AT関連状態をARTへ移行させる。
より詳細には、RT0遊技状態でAT移行抽選に当選した場合、RT2開始図柄(RT2移行リプ1(REP3)、又はRT2移行リプ2(REP4)に対応する図柄組み合わせ)を表示させて遊技状態をRT2遊技状態へ移行させるための移行ナビが行われる。更に、RT2遊技状態へ移行後、RT3開始図柄(RT3移行リプ(REP5)に対応する図柄組み合わせ)を表示させて遊技状態をRT3遊技状態へ移行させるための移行ナビが行われる。RT1遊技状態でAT移行抽選に当選した場合、RT終了図柄(ブランク1〜3)を表示させて遊技状態をRT0遊技状態へ移行させるため、打順ベルの正解打順のナビが行われない。遊技状態がRT0遊技状態へ移行すると、上述した、遊技状態をRT2遊技状態へ移行させるための移行ナビ、遊技状態をRT3遊技状態へ移行させるための移行ナビが行われる。また、RT2遊技状態でAT移行抽選に当選した場合、上述した、遊技状態をRT3遊技状態へ移行させるための移行ナビが行われる。なお、RT0遊技状態やRT2遊技状態において移行ナビが行われるが、ATは、遊技状態がRT3遊技状態へ移行することで開始される。また、ATの遊技回数の減算は、RT3遊技状態、かつATが開始されることで開始される
特化ゾーン移行抽選手段は、特化ゾーンへ移行するための特化ゾーン移行抽選を行う。特化ゾーン制御手段は、特化ゾーンへ移行するための特化ゾーン移行抽選に当選すると、特化ゾーンに移行させる。具体的には、特化ゾーン制御手段は、遊技状態がRT3遊技状態であり、AT関連状態がART中において、特化ゾーンへ移行するための特化ゾーン移行抽選に当選すると、特化ゾーンに移行させる。また、特化ゾーン制御手段は、遊技状態がRT3遊技状態であり、AT関連状態が特化ゾーンでボーナスに当選した場合、ボーナス終了後、AT関連状態を特化ゾーンに戻す処理を実行する。特化ゾーンでボーナスに当選した場合、特化ゾーンが終了し、ボーナス終了後、遊技状態がRT3遊技状態に復帰し、遊技状態がRT3遊技状態に復帰した後、AT関連状態が特化ゾーンで再開する。特化ゾーンでボーナスに当選しなかった場合、特化ゾーンの初期ゲーム数(10ゲーム)が消化すると、ARTが再開する。また、特化ゾーン制御手段は、上乗せ抽選を行い、ATの遊技回数を増加させるか否か、及び増加させる回数を、抽選により決定する。第1実施形態に係るスロットマシンSでは、特化ゾーンの初期ゲーム数が10ゲームに設定されており、特化ゾーンでは、上乗せ抽選が毎回行われ、当選するとATの遊技回数が5ゲーム上乗せされる。
AT回数管理手段は、ATや特化ゾーンの遊技回数の設定や設定されている遊技回数の上乗せを管理するものであり、図示しないATカウンタを備えている。ARTを例に説明すると、ATカウンタは、ATの遊技回数をカウントする。具体的には、AT回数管理手段は、AT移行抽選に当選した場合、ATカウンタにATの遊技回数を最低保障回数(例えば40回)分だけ設定して記憶し、ATが開始された遊技(RT3遊技状態へ移行した遊技)から、ATカウンタの記憶値を、遊技開始ごとに1ずつ減算する。また、特化ゾーンで上乗せ抽選に当選した場合には、ATカウンタの記憶値に抽選で決定された数値を加算する。これにより、AT遊技の遊技回数が上乗せされ、ATの遊技回数が延長される。また、ARTでボーナスに当選した場合には、ボーナス状態はATの遊技回数の減算は行われない。そして、ATカウンタの記憶値が、遊技消化に基づく減算によって0になった場合には、ATが終了する。ATカウンタの記憶値が0になったか否かの判定は遊技終了時に行う。
<区間制御手段180>
区間制御手段180は、小役の入賞を補助する補助演出を実行することができない通常区間の開始及び終了と、小役の入賞を補助する補助演出を実行可能な有利区間の開始及び終了とを制御する。区間制御手段180は、有利区間の終了条件が成立した場合(例えば、有利区間が規定の遊技数継続した場合(例えば、1500ゲーム))、通常区間を開始する。
また、区間制御手段180は、通常区間中において、設定差の無い当選エリア(設定差の無い当選領域)に当選した際に行われる、チャンスゾーン移行抽選、又は高確抽選に当選すると、次遊技から有利区間を開始する。また、区間制御手段180は、ボーナスを含む設定差の無い当選エリア(例えば、当選エリア37)に当選した場合、次遊技から有利区間を開始する。また、区間制御手段180は、図示しない有利区間の遊技数をカウントする有利区間カウンタを備えており、有利区間の遊技数が規定の遊技数継続した場合(例えば、1500ゲーム)、有利区間を終了する。また、区間制御手段180は、有利区間を開始する場合、区間表示器13を点灯させる。また、区間制御手段180は、有利区間を終了する場合、区間表示器13を消灯する。また、区間制御手段180は、有利区間を終了する場合、AT関連状態に関する値を初期化する。具体的には、AT関連状態の遊技回数(例えば、ATの遊技回数)、有利区間の遊技数等の全てのATに関連する値が初期化される。
<サブ制御装置200>
サブ制御装置200は、メイン制御装置100から出力されるコマンドやデータ(遊技制御情報)に基づいて、遊技に付随するサブ演出を制御する演出制御手段である。メイン制御装置100がサブ制御装置200に出力する遊技制御情報としては、スタートスイッチ20等の操作スイッチの操作に関する情報や、役抽選の抽選結果に関する情報や、回転リール61〜63の回転及び停止などのリールユニット2の作動情報や、停止図柄の表示態様などの遊技結果に関する情報や、遊技状態の移行に関する情報や、AT関連状態に関する情報などがある。
サブ制御装置200の出力側には、図2に示すように、画像表示部70、ランプ80及びスピーカ90が接続されている。サブ制御装置200を構成するサブ基板には、図示しないが、演出に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて演出の進行に関する制御を行うサブCPU、読み書き可能であって演出の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRAM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUが遊技制御情報(スタートスイッチ20等の操作スイッチの操作に関する情報や、役抽選の抽選結果に関する情報や、回転リール61〜63の回転及び停止などのリールユニット2の作動情報や、停止図柄の表示態様などの遊技結果に関する情報や、遊技状態の移行に関する情報や、AT関連状態に関する情報)とROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、遊技に付随する所定の演出が実行される。具体的には、ROMに記憶されている演出データをもとに、ATで行われるナビ演出や、その他の演出状態に応じた演出が実行される。ナビ演出には、正解打順をナビする打順ナビと、特定の図柄を狙って停止操作すべきことを示唆する図柄ナビとが含まれる。演出状態に応じた演出には、画像表示部70の表示画面71に表示させる動画等によって、演出状態が通常演出状態であるときにATへの移行を期待させる演出や、演出状態がARTやボーナス演出状態であるときにそれらの遊技を盛り上げる演出が含まれる。
打順ナビは、画像表示部70の表示画面71に、特定の役を入賞させるための打順を矢印で示したり、停止操作すべき停止スイッチ31〜33の順番を1,2,3などの数字で表示させたり、停止操作すべき停止スイッチ31〜33の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、それらをスピーカ90から音声により指示したり、停止スイッチ31〜33のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させて、操作すべき停止スイッチ31〜33を示したりすることなどにより行われる。図柄ナビは、画像表示部70の表示画面71に、停止させるべき図柄を表示することなどにより行われる。
打順ナビには、RT0遊技状態、RT2遊技状態で行われる移行ナビ、ART、特化ゾーンで行われるベルナビが含まれる。移行ナビは、RT0遊技状態、RT2遊技状態において、遊技状態を移行させるため、「打順リプレイ」の当選時にリプレイを入賞させるための正解打順を報知するものである。ベルナビは、ARTや特化ゾーンにおいて、「打順ベル」の当選時にベルを入賞させるための正解打順を報知するものである。
<スロットマシンSの作動>
上記構成を有するスロットマシンSの、メイン制御装置100の制御に基づく処理について説明する。ここで、メイン制御装置100は、基本的に、回転リール61〜63の回転中や入賞によるメダルの払い出し中には、あるいは再遊技の作動中には、ベット操作(メダルの投入又はベットスイッチ10の操作)を無効としている。すなわち、メダルセレクター7をメダルキャンセル状態にし、ベットスイッチ10の操作を無効としている(操作信号を受け付けない、あるいは受け付けても無視する。以下同様)。また、回転リール61〜63の回転中はもちろんのこと、回転リール61〜63が停止していてもベットがされていない状態では、スタートスイッチ20の操作を無効とし、所定のウエイト時間が経過するまでは、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の回転開始を保留する。すなわち、ウエイト時間の経過前にスタートスイッチ20の操作信号を入力しても、ウエイト時間が経過するまではリールモータM1〜M3に駆動信号が出力されないようになっている。ただし、スタートスイッチ20の操作信号に基づく役抽選処理は行われ、ウエイト時間の経過後、回転リール61〜63は再度のスタートスイッチ20の操作なしに回転開始する。また、回転リール61〜63が停止している場合はもちろんのこと、回転リール61〜63の回転開始後、回転速度が定常回転速度に達し、かつ全ての回転リール61〜63についてスタートインデックスが検知されて図柄参照が可能な状態となるまでは、停止スイッチ31〜33の操作を無効としている。
図8は、メイン制御装置100の制御に基づく1遊技における遊技制御処理を示す。スロットマシンSは、規定投入枚数のメダルがベットされ(S100でYes)、スタートスイッチ20がONとなること(S101でYes)に伴って、役抽選処理が行われる(S102)とともに、役抽選に伴う処理が行われる(S103)。役抽選に伴う処理には、AT移行抽選処理や、AT移行抽選に当選した場合に行われるATへの移行処理や、特化ゾーンで行われる上乗せ抽選処理や、ARTや特化ゾーンの遊技回数をカウントするカウンタの減算処理などが含まれる。その後、回転リール61〜63の回転開始処理が行われ(S104)、いずれかの停止スイッチ31〜33がONとなった場合には、対応する回転リール61〜63について回転停止処理が行われる(S105、S106)。
全ての回転リール61〜63が停止するまでS105〜106が繰り返され(S105〜S107)、全ての回転リール61〜63が停止した場合(S107でYes)には、判定処理及び判定結果に応じた処理が行われる(S108)。具体的には、小役が入賞したと判定された場合には対応するメダルの払い出し処理が行われ、ボーナスに対応付けられた図柄組み合わせが有効ラインに表示されたと判定された場合にはボーナス状態に移行するための処理(ボーナステーブルの取得等)が行われる。また、リプレイに対応付けられた図柄組み合わせが有効ラインLに表示されたと判定された場合には、再遊技の作動の処理が行われ、ボーナス当選に係る遊技でボーナスに対応付けられた図柄組み合わせが有効ラインLに表示されなかった場合には、ボーナス内部状態に移行するための処理(内部中テーブルの取得等)が行われる。また、当該遊技でボーナス遊技が終了した場合や、遊技状態の移行契機となっている遊技結果(例えば、当選エリア8〜10の何れかに当選し、正解打順で停止操作され、RT3開始図柄(RT3移行リプ(REP5)に対応する図柄組み合わせ)が表示された場合や、打順ベルの当選エリアに当選し、不正解の打順で停止操作され、RT終了図柄(ブランク1〜3)に対応する図柄組み合わせが表示された場合など)が発生した場合には、遊技状態の移行処理が行われ、AT関連状態の移行契機に該当している場合には、AT関連状態の移行処理が行われる。また、通常区間や有利区間の移行契機に該当している場合には、通常区間や有利区間の移行処理が行われる。また、遊技状態の移行、AT関連状態の移行、及び通常区間や有利区間の移行に応じて、演出処理が行われる。更に、特化ゾーンにおいてボーナスに当選した場合、AT関連状態を特化ゾーンに戻す処理が行われる。
<AT関連状態を特化ゾーンに戻す処理>
AT関連状態を特化ゾーンに戻す処理は、特化ゾーンでボーナスに当選した場合、当選した当選エリアの設定差の有無にかかわらず、ボーナス終了後、ボーナスに当選した際の特化ゾーンに戻す処理、より詳細には、ARTにおいて特化ゾーン移行抽選に当選して特化ゾーンを開始する場合と同様に特化ゾーンを開始する処理である。
AT関連状態を特化ゾーンに戻す処理では、AT関連状態が少なくとも特化ゾーン中においてボーナスに当選した場合、ボーナス終了後、AT関連状態をボーナス当選時のAT関連状態に戻す「ボーナス当選時のAT関連状態に戻す処理」が行われる。特化ゾーンでは、ATの残りのゲーム数の減算は行われず、特化ゾーンが終了してARTに戻るとATの残りのゲーム数の減算が再開される。特化ゾーン中にボーナスに当選した場合、当該ボーナスに当選すると、特化ゾーン中に当選したことを示すフラグを立てて、特化ゾーンを終了する。「ボーナス当選時のAT関連状態に戻す処理」は、特化ゾーン中に当選したことを示すフラグが立っており、かつ、ATの残りのゲーム数がある場合に行われ、ATの残りのゲーム数がない場合には行われない。なお、特化ゾーン以外の他のAT関連状態から特化ゾーンに突入した場合、「特化ゾーン突入時処理」が行われる。「特化ゾーン突入時処理」は、ARTから特化ゾーン移行抽選に当選して特化ゾーンに移行する場合に行われるが、特化ゾーン中にボーナスに当選して当該ボーナスを消化して特化ゾーンに戻る場合にも行われる。「特化ゾーン突入時処理」では、特化ゾーンの初期ゲーム数(10ゲーム)を特化ゾーンの残りのゲーム数として設定する「初期ゲーム数設定処理」が行われる。AT関連状態を特化ゾーンに戻す処理が行われ、特化ゾーンに移行すると、特化ゾーン中に当選したことを示すフラグが下される。特化ゾーンでボーナスに当選し、ボーナス終了後に「ボーナス当選時のAT関連状態に戻す処理」が行われる場合には、特化ゾーンにおいて、RBB2を含む設定差の無い当選エリア37,39,41に当選した場合、RBB1を含む設定差の無い当選エリア32〜35に当選した場合、及びCBBを含む設定差の無い当選エリア43〜48に当選した場合、特化ゾーンにおいて、RBB2を含む設定差の有る当選エリア36,38,40,42に当選した場合が含まれる。
なお、ATの残りのゲーム数や特化ゾーンの残りのゲーム数の減算は、当該ゲームの終了時(入賞したか否かを判定する処理)に行われる。また、少なくとも特化ゾーンの最終ゲームでボーナスに当選した場合には、当該ボーナスの当選時に、特化ゾーン中に当選したことを示すフラグを立て、当該ゲームでボーナスに入賞してボーナスに移行した場合には、特化ゾーンの残りのゲーム数を減算して0にしてからボーナスに移行する。また、ボーナスに入賞せずに特化ゾーンの残りのゲーム数が0になった場合には、ATの残りのゲーム数がある場合にはARTに戻り、ART中にボーナスに入賞すると、特化ゾーン中にボーナスに当選したことを示す上記フラグを参照して、「ボーナス当選時のAT関連状態に戻す処理」が行われる。ATの残りのゲーム数が0になるまでにボーナスに入賞しなかった場合、ATが終了し、上記フラグを下して「ボーナス当選時のAT関連状態に戻す処理」も行われない。
<効果>
第1実施形態に係るスロットマシンSによれば、AT関連状態が少なくとも特化ゾーン中においてボーナスに当選した場合、当選した当選エリアの設定差の有無にかかわらず、ボーナス終了後、「ボーナス当選時のAT関連状態に戻す処理」が行われる。また、特化ゾーン中にボーナスに当選して当該ボーナスを消化して特化ゾーンに戻る場合、ARTから特化ゾーン移行抽選に当選して特化ゾーンに移行する場合には、「特化ゾーン突入時処理」が行われ、「特化ゾーン突入時処理」では、特化ゾーンの初期ゲーム数(10ゲーム)を残りのゲーム数として設定する「初期ゲーム数設定処理」が行われる。そのため、例えば、特化ゾーンをボーナス当選時の状態で再開し、残りのゲーム数のみ消化する場合と比較して、特化ゾーンを長い期間遊技することができる。換言すると、特化ゾーンをボーナス当選時の状態で再開する場合と比較して、特化ゾーンが延長(上乗せ)されることになるので、特化ゾーン中に当選したボーナスの終了時の期待感を向上でき、ATやARTに関しての遊技性を向上できる。
また、第1実施形態に係るスロットマシンSでは、当選した当選エリアの設定差の有無にかかわらず、換言すると、当選した当選エリアの設定値に関する情報を参照せずに、設定値に応じて、遊技者が消化する特化ゾーンのゲーム数に変化を与えることができる。具体的には、第1実施形態に係るスロットマシンSでは、特化ゾーンにおける処理(「ボーナス当選時のAT関連状態に戻す処理」、「特化ゾーン突入時処理」、「初期ゲーム数設定処理」)は、設定差に関係なく行われる。一方、第1実施形態に係るスロットマシンSでは、ボーナスを含む当選エリアのうち、RBB2を含む当選エリアに設定差が設けられており、設定値が高いほどRBB2に当選する確率が高くなっている。そのため、設定値が高いスロットマシンSは、RBB2に当選しやすく、RBB2に当選する回数が多いほど、特化ゾーンを再開して、特化ゾーンを延長(上乗せ)する回数が多くなる。そのため、当選した当選エリアの設定値に関する情報を参照せずに、設定値に応じて遊技者が消化する特化ゾーンのゲーム数に変化を与えることができる。
<その他の実施形態>
第1実施形態では、本発明の特定状態の一例として、特化ゾーンを例に説明したが、AT関連状態を特化ゾーンに戻す処理は、他のAT関連状態でボーナスに当選した場合でも実行することができる。「特定状態」は、遊技を進行させること自体で終了条件を満たす遊技状態である。例えば、「特定状態」は、遊技を進行させることで、遊技期間、遊技回数などの終了条件を満たす遊技状態である。「特定状態」は、例えば、ARTでもよい。また、例えば、有利区間のチャンスゾーン状態や高確状態において、AT関連状態を特化ゾーンに戻す処理をチャンスゾーン状態や高確状態でボーナスに当選した場合にチャンスゾーン状態や高確状態に復帰する際の処理に用いてもよい。
また、第1実施形態では、初期値として10ゲームを設定したが、初期値は適宜変更することができる。また、初期値は、ゲーム数に代えて、投入したメダルと払い出されたメダルの差枚数、セット数(例えば、1セット10ゲーム)、補助演出の回数などでもよい。
また、「ボーナス当選時のAT関連状態に戻す処理」に代えて、少なくとも特化ゾーン中にボーナスに当選、入賞し、ボーナスが終了すると、ボーナス入賞時のAT関連状態に戻す「ボーナス入賞時のAT関連状態に戻す処理」を行ってもよい。
また、「ボーナス当選時のAT関連状態に戻す処理」や「ボーナス入賞時のAT関連状態に戻す処理」では、ボーナス終了後、ART準備中を経て、特化ゾーンへ移行するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、特化ゾーンでボーナスに当選した場合、当選した当選エリアの設定差の有無にかかわらず、ボーナス終了後、本発明における特定状態の開始条件として、規定された初期ゲーム数(10ゲーム)を設定し、初期ゲーム数にて特化ゾーンが再開したが、特化ゾーンへ移行すると、規定された初期ゲーム数に代えて、任意に特化ゾーンの遊技回数を設定する遊技回数設定処理を更に行うようにしてもよい。遊技回数設定処理では、ボーナス当選時に保持していた特化ゾーンの残りゲーム数よりも多いゲーム数で特化ゾーンを再開することができる。これにより、例えば、特化ゾーンをボーナス当選時の状態で再開し、残りのゲーム数のみ消化する場合と比較して、特化ゾーンを長い期間遊技することができる。
また、有利区間の開始条件、換言すると通常区間から有利区間への移行契機は、第1実施形態で説明した内容に限定されない。例えば、通常区間の一般状態において、設定差の無い当選エリア(例えば、当選エリア16,18)の当選による、有利区間に移行するか否かを抽選する有利区間の移行抽選に当選した場合、有利区間へ移行するようにしてもよい。また、通常区間と有利区間との間に、待機区間を設けてもよい。待機区間は、通常区間および有利区間とは区別される区間であり、有利区間への移行を待機する区間である。
また、第1実施形態では、通常区間と有利区間を備え、補助演出(所謂ナビ)を有利区間でないと実行できないスロットマシンを例に説明したが、AT関連状態を特化ゾーンに戻す処理は、通常区間と有利区間を備えないスロットマシンに適用してもよい。
また、図7では、ボーナス状態に移行する場合について、いずれも内部中を経由する例についてのみ記載するが、ボーナスが当選した遊技でボーナスに入賞した場合には、内部中を経由せずにボーナスに移行する。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良なども含むものである。また、本発明は、矛盾を生じない範囲で、上述した実施の形態及び変形例に記載されている事項を適宜組み合わせ、あるいは組み替えてもよいものである。さらに本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
S スロットマシン 1 制御装置
10 ベットスイッチ 20 スタートスイッチ
31〜33 停止スイッチ31〜63 回転リール
100 メイン制御装置 120 役抽選手段
130 リール制御手段 140 判定手段
160 遊技状態制御手段 170 AT関連状態制御手段
180 区間制御手段
200 サブ制御装置

Claims (1)

  1. 外周面に複数の図柄が付された複数の回転リールと、
    複数の回転リールを回転させるスタートスイッチと、
    回転中の回転リールを個々に停止させる複数の停止スイッチと、
    小役とボーナスとを含む複数種類の役について当選か否かの役抽選を行う役抽選手段と、
    スタートスイッチの操作信号の入力に基づき回転リールの回転を制御し、停止スイッチの操作信号の入力に基づき回転中の回転リールの停止を制御するリール制御手段と、
    スタートスイッチの操作により回転開始した複数の回転リールが、停止スイッチの操作により全て停止したときに、役抽選により当選した役に対応付けられた図柄組合せが有効ラインに表示されたか否かを判定する判定手段と、
    複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態制御手段と、
    小役の入賞を補助する補助演出を行うATの遷移に関連するAT関連状態を制御し、AT関連状態に含まれる特定状態の開始条件が成立すると特定状態を開始し、特定状態の終了条件が成立すると特定状態を終了するAT関連状態制御手段と、を備える遊技機であって、
    役抽選手段は、複数段階の設定値に対応して遊技媒体の投入数に対する払出数の割合である出玉率が異なる役抽選テーブルにより役抽選を行い、
    役抽選テーブルは、単数又は複数の役が当選役として含まれている複数の当選領域で構成され、
    複数の当選領域には、設定値によっても当選確率が同一である設定差の無い当選領域と、設定値によって当選確率が異なる設定差の有る当選領域とがあり、
    AT関連状態制御手段は、特定状態における役抽選手段による抽選の結果、ボーナスを含む当選領域に当選した場合、当選した当選領域の設定差の有無にかかわらず、ボーナス終了後、特定状態の開始条件に基づいて特定状態を開始する場合と同様に特定状態を開始する、遊技機。
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