JP2018175549A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
Description
(スロットマシンS)
まずは、スロットマシンSの全体の構成について図1及び図2を参照しつつ説明する。
スロットマシンSは、図1に示すように、正面側(遊技者と対向する前面側)に開口部を有する方形の筐体Bと、この筐体Bの開口部を塞ぐ前扉Dとを備えている。
筺体Bの内部には、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1、外周面に複数の図柄が付された3個の回転リール61,62,63を有するリールユニット2、メダルを貯留するとともに貯留されているメダルを払い出すためのホッパーユニット3、スロットマシンSに備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置4などが設置されている。そして、本実施の形態では、制御装置1が遊技の進行を制御する本発明の制御手段を構成している。
スタートスイッチ20は、上下方向に揺動可能なレバー20a、及びスタートスイッチ20の筐体内部側に設けられ、押下操作によるレバー20aが上方向又は下方向に移動したのを検出する検知部(不図示)を備えており、前記検知部の検出信号がスタートスイッチ20の操作信号として扱われるようになっている。
停止スイッチ31〜33は、前後方向に移動可能なプッシュボタン部31a〜33a、及び各停止スイッチ31〜33の筐体内部側に設けられ、押圧操作によるプッシュボタン部31a〜33aが移動したのを検出する検知部(不図示)を備えており、前記検知部の検出信号が各停止スイッチ31〜33の操作信号として扱われるようになっている。
次いで、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1について説明する。
制御装置1は、図示しないメイン基板ケースにメイン基板を収納したメイン基板ユニットと、図示しないサブ基板ケースにサブ基板を収納したサブ基板ユニットとから構成されている。メイン基板及びサブ基板は、IC等の各種電子部品を搭載した制御基板であり、メイン基板はスロットマシンSの遊技に関する制御を行うメイン制御装置100(図2参照)を構成し、サブ基板は演出や報知に関する制御を行うサブ制御装置200(図2参照)を構成している。また、メイン制御装置100とサブ制御装置200との間では、メイン制御装置100からサブ制御装置200への一方へ向けてのみコマンドやデータが出力され、サブ制御装置200からメイン制御装置100へ向けてはコマンドやデータが出力されないようになっている。
メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作に基づき、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するものである。
メイン制御装置100の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ7A、リールセンサ2A、払い出しセンサ3A、ベットスイッチ10、スタートスイッチ20、停止スイッチ31〜33、精算スイッチ40が接続されている。ここで、メダルセンサ7Aは、図1に示すように、メダルセレクター7に設けられた検知部であって、メダル投入口5から投入されホッパーユニット3に移送されるメダルを検出するためのものである。リールセンサ2Aは、図示しないが、リールユニット2の枠体に設けられた検知部であって、回転リール61〜63に設けられたスタートインデックスを検出して回転リール61〜63の回転を検知するためのものである。払い出しセンサ3Aは、図示しないが、ホッパーユニット3に設けられた検知部であって、ホッパーユニット3のメダル払出装置から払い出されるメダルを検出するためのものである。
サブ制御装置200は、メイン制御装置100から出力されるコマンドやデータ(遊技制御情報)に基づいて、遊技に付随するサブ演出を制御する演出制御手段である。メイン制御装置100がサブ制御装置200に出力する遊技制御情報としては、例えば、スタートスイッチ20のレバー20a押下等の操作に関する情報や、役抽選の抽選結果に関する情報や、回転リール61〜63の回転及び停止などのリールユニット2の作動情報や、停止図柄の表示態様などの遊技結果に関する情報や、AT(ここでATとは、アシストタイムと称され、遊技の進行に伴い行われる演出の一態様であり、当選役に関する情報を遊技者に報知する演出のことである。)に関する情報や、メイン制御装置100の状態(ここでメイン制御装置100の状態とは、スロットマシンSの制御状態のうちの、役抽選手段120によって行われる役抽選の抽選態様の違いに基づくメイン制御装置100の状態(以下、遊技状態という)のことである。)の移行に関する情報などがある。
サブ制御装置200を構成するサブ基板には、図示しないが、演出に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて演出の進行に関する制御を行うサブCPU、読み書き可能であって演出の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRAM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、演出状態移行手段210及び演出実行制御手段220として機能する。
メイン制御装置100は、上述のように、投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、遊技状態移行手段160、AT制御手段170、及び有利区間抽選手段180の各手段として機能するようになっている。
(投入制御手段110)
投入制御手段110は、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作(以下投入操作という)と、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、1回の遊技を行うためのメダルが掛けられた状態(ベット状態)を設定するためのものである。
具体的には、投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、規定数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。ベット数はベット表示部11に表示される。規定数とは、1回の遊技に掛けることができるメダルの数であり、本実施の形態におけるスロットマシンSは規定数が3に設定されたいわゆる3枚掛け専用機である。また、規定数を超えてメダルが投入された場合には、所定数(50)を限度として、投入されたメダルがスロットマシンSに電子的に貯留(クレジット)されたものとして取り扱う。クレジット数はクレジット表示部12に表示される。なお、クレジット数が所定数に達した場合には、ブロッカー7Bが作動してメダル投入口5から投入されたメダルがキャンセルされるようになっている。
さらに、投入制御手段110は、入賞判定手段140が後述するリプレイの入賞を判定した場合には、前回の遊技と同一のベット数で自動的にベット状態を設定する。投入制御手段110によって自動的にベット状態が設定されることを、再遊技の作動という。
役抽選手段120は、図3および図4に示すように、例えば「リプレイ1」役であれば、これに対応付けられた所定の図柄組合せとして、回転リール61に付された図柄の「リプレイa」と「リプレイb」とのいずれか、回転リール62に付された図柄の「リプレイa」、回転リール63に付された図柄の「リプレイa」が設定されているというように、回転リール61〜63に付されている各図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた役について、当選か否かの役抽選を行うものであり、役抽選の結果、図4に示す役のいずれか、あるいは「ハズレ」といった所定の抽選結果を導出するものである。
そして、役抽選手段120は、図示しないが、乱数発生手段、乱数抽出手段、役抽選テーブル、判定手段及び当選状態設定手段を備えている。
乱数発生手段は、一定時間に所定(例えば0から65535)の数字を繰り返してカウントするループカウンタであり、乱数抽出手段は、スタートスイッチ20の操作信号を入力したタイミングで、ループカウンタのカウント値を読み取って記憶するものである。ループカウンタは乱数を発生しているわけではないが、ループカウンタのカウント値を乱数抽出手段が読み取ることにより、ランダムな数値を抽出できるので、便宜上乱数発生手段というものとする。役抽選テーブルは、ループカウンタがカウントする数値(乱数発生手段の発生可能な全乱数値)を全領域として各役についての当選領域を規定したものである。判定手段は、乱数抽出手段の読み取ったカウント値と役抽選テーブルの当選領域とを照合し、カウント値が図4に示す各種役といった所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定(当選の抽選結果を導出)し、カウント値が不当選の領域に属する場合には、「ハズレ」を決定(ハズレの抽選結果を導出)するものである。当選状態設定手段は、判定手段が当選を決定した場合に、当該当選に対応する当選フラグ(例えば、後述するボーナス当選に伴うボーナスフラグや、小役当選に伴う小役フラグ等)を成立させることにより当選状態を設定するものである。
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号に基づいて、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するためのものである。リール制御手段130による回転リール61〜63の回転制御及び停止制御については後述する。
入賞判定手段140は、停止スイッチ31〜33の操作によって回転リール61〜63が全て停止したときに、当該遊技の結果(例えば、図4に示す「ベル1〜9」、スイカ、チェリーのように、その入賞により、その役に対応した払い出し枚数(配当)のメダルが払い出される小役が入賞したか否か等)を判定するためのものである。
具体的には、回転リール61〜63が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ラインL1上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ラインL1上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、その判定結果情報を、払出制御手段150に送信する。
また、入賞判定手段140は、メイン制御装置100の遊技状態を通常状態(ここで通常状態とは、例えば、工場出荷時や設定変更時のスロットマシンSの初期状態である)やRT状態(ここでRT状態とは、リプレイタイムと称され、役抽選でのリプレイの当選確率が、その基準となる前記通常状態と比して高くなっていたり、あるいは低くなっていたりというように通常状態とは異なっている状態であり、本実施の形態では通常状態よりもリプレイの当選確率が高い状態である)に移行させる契機として設定された「リプレイ2」、「リプレイ3」(図4参照)といった、遊技状態の移行契機役が入賞したと判定した場合には、その判定結果情報を遊技状態移行手段160に送信するようになっている。
払出制御手段150は、入賞判定手段140の判定結果及び精算スイッチ40の操作に基づいて、ホッパーモータ3Bを作動させてホッパーユニット3からメダルを払い出させるものである。すなわち、入賞判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、クレジットメダルが1以上ある場合に精算スイッチ40の操作信号を入力したときには、クレジットメダルとして貯留されているメダルを払い出させるようになっている。なお、入賞により払い出されるメダルを、クレジットメダルとして電子的に貯留し、クレジットを超過する払い出し分をホッパーユニット3から払い出させるようにしてもよい。
遊技状態移行手段160は、メイン制御装置100の遊技状態について、通常状態やRT状態等といった、予め設定された複数の遊技状態間の移行を制御するものである。そして、遊技状態移行手段160の制御に基づき、役抽選手段120が遊技状態に応じた役抽選テーブルを取得して役抽選を行うことにより、例えば、遊技状態として設定されたRT状態が発動するようになっている。そして、本実施の形態では、遊技状態として前記の通常状態、RT状態の他に、ボーナス当選が持ち越されているボーナス成立状態(ボーナス内部中状態)及びボーナス遊技が行われているボーナス作動状態が設定されている。なお、本実施の形態では、説明の簡易化のため、図6に示すように、遊技状態として、通常状態、RT状態、ボーナス成立状態、及びボーナス作動状態を設けたがこれに限定されない。特に、RT状態にあっては、機種仕様に応じて、例えば、通常状態よりもリプレイ確率が低いものや、通常状態とさほど変わらないリプレイ確率のもの等、複数のRT状態などを設けるようにしても良いことは言うまでもない。
AT制御手段170は、後述するベルの正解の打順やRT状態に移行させるリプレイの打順等といった内部抽選結果であって遊技者に有利になる情報の報知を行うATの開始及び終了等を制御する手段であり、ATに関する抽選について行うAT抽選手段171、遊技回数などについてカウントする回数管理手段172を備えている。そして、本実施の形態では、ATが実行されている状態で行う遊技が遊技者に有利な本発明の有利遊技を構成し、ATが実行されていない状態であって、後述するボーナス遊技以外の遊技が本発明の通常遊技を構成している。
有利区間抽選手段180は、遊技を通常区間から有利区間へ移行させるか、否かを抽選で決定するものである。本実施の形態において、有利区間とは、ATに関する抽選(後述するAT移行抽選や上乗せ抽選)や演出としてのATを実行し得る遊技区間であり、通常区間とは、ATに関する抽選やATを実行することができない遊技区間であって、本実施の形態では、通常区間又は有利区間のいずれかで遊技が行われるようになっている。そして、本実施の形態では、スイカが役抽選で当選したのを契機として有利区間移行抽選を行うようになっており、当該抽選に当選すると、所定の遊技回数に亘って有利区間で遊技が行われるようになっている。
また、本実施の形態では、有利区間移行抽選に当選すると有利区間を設定するため、有利区間における遊技回数が抽選で決定されるようになっており(例えば、200回や500回など)、当該抽選によって決定された遊技回数が有利区間として設定されるようになっている。ただし、本実施の形態では、当該抽選で決定される遊技回数は、1500回を超えないようになっている。即ち、1回の当選に伴い行われる有利区間での最大遊技回数が1500回となっている。なお、有利区間での遊技回数を抽選で決めるのではなく、予め設定した遊技回数(例えば、700回を固定値とする)としてもよい。
次いで、上述の役抽選手段120によって抽選される「役」について図4を参照しつつ説明する。
前記役としては、入賞により所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞により次遊技において投入操作を行うことなく再度の遊技を行えるリプレイと、入賞により次遊技からボーナス遊技が行われる特定役であるボーナス役(以下、単にボーナスという)とを備えている。前記リプレイとしては、図4に示すように、「リプレイ1」〜「リプレイ3」の3個が設けられている。各リプレイには、回転リール61〜63に付されているいずれかの図柄を組み合わせて構成される図柄組合せが対応付けられている。例えば、「リプレイ1」には、「リプレイ(a又はb)・リプレイa・リプレイa」の図柄組合せが対応付けられており、「リプレイ3」には「白BAR・白BAR・白BAR」の図柄組合せが対応付けられている。そして、3個のうちのいずれかのリプレイが入賞すると、再遊技が作動し、当該再遊技終了後の次遊技において、投入操作を行うことなくスタートスイッチ20が操作可能となる。
また、スイカ役には、「スイカa・スイカa・スイカb」の図柄組合せが対応付けられており、チェリー役には、「チェリー・ANY・ANY」の図柄組合せが対応付けられている(ここでANYとはいずれの図柄でもよい意味である)。そして、ベル役(以下、単にベルという)は入賞により9枚のメダルが払い出され、スイカ役及びチェリー役(以下、それぞれ、単にスイカ、チェリーという)は入賞により2枚のメダルが払い出されるようになっている。
上記CBB遊技は、役抽選の抽選結果にかかわらず、小役が当選状態になると共に、少なくとも1個の回転リールについて、後述するスベリコマ数が最大スベリコマ数よりも少ないコマ数以下となる特別遊技としてのCB遊技が連続して行われるものである。CB遊技は、1回の遊技消化で終了するものであり、CBB遊技では、CB遊技が無条件で開始され、1回のCB遊技が終了すると、再び無条件で次のCB遊技が開始される。そして、CBB遊技は、払い出しメダルの総数が予め定められた枚数を超えた場合に終了するようになっている。
次いで、上述の役抽選手段120が備える役抽選テーブルについて図5を参照しつつ説明する。
本実施の形態における役抽選テーブルの概念図が図5に示してある。図5は、複数の役抽選テーブルに設定されている当選領域の有無を示したものであり、左欄に示した当選領域が含まれていることを丸印で表し、その当選領域が含まれていない場合には無印で表している。当選領域には不当選(ハズレ)も含まれる。
役抽選テーブルは、遊技状態(図6参照)に応じて、複数種類が設けられている。具体的には、図5に示すように、通常状態において用いられる通常テーブルと、RT状態において用いられるRTテーブルと、ボーナス成立状態において用いられる内部中テーブルと、ボーナス作動状態に用いられるボーナステーブルとが設けられている。
また、上述した「リプレイC」、「リプレイD」については、当該重複当選領域のいずれかが当選した場合、前記した3通りの打順(「右押し」、「中押し」、「左押し」)のうち、いずれの打順で停止スイッチ31〜33が操作されたかによって、入賞し得るリプレイが変化するようになっているが、これについての詳細も後述する。
また、設定値は、設定値変更手段(不図示)によって変更し得るようになっており、本実施の形態では、設定値が変更されたときに、通常テーブル、RTテーブル、及び内部中テーブルにおける設定値に対応して設けられた複数の役抽選テーブル群がまるごと変更されることになるようになっている。
また、上記した当選状態設定手段は、前記役抽選手段120による役抽選の結果、小役が当選した場合には小役フラグ(例えば、ベル1フラグ、スイカフラグなど)を成立させ、ボーナスが当選した場合にはボーナスフラグ(CBBフラグ)を成立させ、リプレイが当選した場合にはリプレイフラグ(例えば、リプレイ1フラグなど)を成立させる。また、複数の役から構成される重複当選領域が当選した場合には、当該領域に含まれる全ての役に対応する当選フラグを成立させる。小役フラグ及びリプレイフラグは当該フラグが成立した成立遊技の1回限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナスが入賞するまでリセットされない。即ち、小役、リプレイが当選した場合には当選状態(小役フラグやリプレイフラグ)が次遊技に持ち越されないが、ボーナスが当選した場合には、当選状態(ボーナスフラグ)が次遊技以降に持ち越されるようになっている。
なお、上記した役抽選テーブルの構成や当選確率等は一例であって、上記した態様や数値に限定されるものではない。
次いで、リール制御手段130による回転リール61〜63の回転制御及び停止制御について説明する。
リール制御手段130は、スタートスイッチ20の有効な操作信号を入力した場合に、リールモータM1〜M3を駆動させて回転リール61〜63を回転させるものである。すなわち、規定数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール61〜63の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、全ての回転リール61〜63を一斉に、あるいは所定の順番で回転開始させる。そして、全ての回転リール61〜63の回転速度が、停止スイッチ31〜33の操作を可能とするために予め設定された定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度を維持する定常回転を行わせるものとなっている。
リール制御手段130は、リールセンサ2A(図2参照)の検出信号に基づき回転リール61〜63の回転角度を把握しつつ、停止スイッチ31〜33の作動時点(停止スイッチ31〜33の操作が検出された時点=停止操作のタイミング)での回転リール61〜63の回転角度から、有効ラインL1上に位置している図柄を特定すること(以下図柄参照という)ができるようになっている。そして、リール制御手段130は、停止操作がされた時点において所定位置(例えば上段位置)にある回転リール61〜63の図柄を基準図柄として、回転リール61〜63の回転角度が前記基準図柄を予め定められたコマ数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)だけ回転方向に移動させたコマ数(引き込み可能コマ数、例えば5コマ)の範囲内となるように、回転リール61〜63を停止させることができる。
具体的には、前記基準図柄を所定位置(上段位置)に停止させてもよい場合には、停止操作のタイミングで、リールモータM1〜M3の駆動を停止させるための停止信号を出力してそのまま回転リール61〜63を停止させる。また、基準図柄を所定位置に停止させることによって有効ラインL1上に停止させてはいけない図柄が停止することとなる場合には、停止信号を出力するタイミングを遅らせて、有効ラインL1上からその図柄を蹴飛ばす蹴飛ばし処理を行う。また、前記引き込み可能コマ数の範囲内に、当選した役に対応付けられた図柄組合せを構成する図柄(当選図柄)が含まれている場合には、停止信号を出力するタイミングを遅らせて、有効ラインL1上にその当選図柄を引き込む引き込み処理を行う。
次に、打順が設定された当選領域を含む重複当選領域が当選した場合の停止制御について詳述する。
まず、図5に示す「リプレイC」の当選時に左押しで停止操作された場合、及び、「リプレイD」の当選時に中押し又は右押しで停止操作された場合には、全ての回転リール61〜63においてリプレイ図柄(リプレイa図柄又はリプレイb図柄)を有効ラインL1上に引き込んで停止させる制御を行う。すなわち、そのような停止位置が規定されている停止テーブルを用いて停止位置を決定し、決定した停止位置で回転リール61〜63が停止するタイミングで停止信号を出力する(以下同様)。これにより、停止スイッチ31〜33の操作タイミングにかかわらず、「リプレイa・リプレイa・リプレイa」又は「リプレイb・リプレイa・リプレイa」(リプレイ揃いという)が有効ラインL1上に揃い、「リプレイ1」が入賞する。一方、「リプレイC」の当選時に中押し又は右押しで停止操作された場合、及び、「リプレイD」の当選時に左押しで停止操作された場合には、左側の回転リール61及び中央の回転リール62でリプレイ図柄を有効ラインL1上に引き込むとともに、右側の回転リール63でベルa図柄を有効ラインL1上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、停止スイッチ31〜33の操作タイミングにかかわらず、「リプレイa・リプレイa・ベルa」又は「リプレイb・リプレイa・ベルa」が有効ラインL1上に揃い、「リプレイ2」が入賞する。このように、「リプレイC」又は「リプレイD」が当選した場合には、「リプレイ1」か「リプレイ2」のいずれかが入賞するものとなる。
次に、打順ベルのいずれか、すなわち図5に示す「左ベル1」〜「右ベル4」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態において、最大スベリコマ数が4コマに設定されている制御中においては、「ベル1」は、停止操作のタイミングに関わらず入賞可能な設定となっている。一方、「ベル2」〜「ベル9」は、それらの役が単独で当選したとしても所謂目押しをしないと入賞できない設定となっている。そして、リール制御手段130は、役抽選により、いずれかの打順ベルが当選した場合には、停止操作の態様に応じて、当該領域に含まれる「ベル1」、又は「ベル2〜ベル9」のいずれかのベル役に対応する図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示させるように停止制御を行う。
停止操作のタイミングによって、いずれかの失敗役に対応付けられた図柄組合せを有効ラインL1上に引き込めた場合には、有効ラインL1上に揃った図柄組合せを対応付けた失敗役が入賞し、9枚のメダルが払い出される。これに対し、停止操作のタイミングにより、失敗役を構成する図柄のうち4コマを超える間隔をあけて配置されている図柄(リプレイb図柄、ベルb図柄、スイカb図柄)を有効ラインL1上に引き込めない場合には、いずれかの役に対応付けられた図柄組合せを表示することとなる図柄を蹴飛ばして、何の役にも対応付けられていないハズレの出目を表示させる制御を行う。これにより、何の役も入賞せずメダルが払い出されない遊技結果となる。
以上のように、打順ベルの当選時において、正解の打順で停止操作すると必ず9枚のメダルが払い出され、不正解の打順で停止操作すると9枚のメダルが払い出されるか何の役も入賞しないように形成されている。
また、本実施の形態では、後述する演出状態がART演出状態である場合には、打順ベルの当選時に正解の打順が報知され、報知に従って停止操作を行った場合には、「ベル1」が入賞して必ず9枚のメダルを獲得できるようになっているが、これについては後述する。
次いで、遊技状態移行手段160による遊技状態の移行について図6を参照しつつ説明する。
本実施の形態における遊技状態は、図6に示すように、通常状態、RT状態、ボーナス成立状態、及びボーナス作動状態を有して構成されている。通常状態は、スロットマシンSの工場出荷時などにおける状態であり、RT状態は、上述のように、役抽選でのリプレイの当選確率が通常状態よりも高い状態である。また、ボーナス成立状態は、ボーナスフラグが持ち越されている状態であり、ボーナス作動状態はボーナス遊技が行われている状態である。
そして、例えば、ART状態での遊技のときに(遊技状態がRT状態にあるときに)役抽選によってボーナスが当選し、ボーナスが当選した当選遊技で当該ボーナスが入賞すると、遊技状態移行手段160は、遊技状態をRT状態からボーナス作動状態に移行させるようになっている。その一方で、当選したボーナスが入賞しなかった場合には、図6に示すように、遊技状態をRT状態からボーナス成立状態へと移行させ、その後、ボーナスが入賞したのに伴って遊技状態をボーナス成立状態からボーナス作動状態へ移行させるようになっている。このように、ART状態でボーナスが当選すると、遊技状態がRT状態以外の状態に移行することになり、それに伴いART状態での遊技が中断されることになる(つまりはART状態が解除されることになる)。また、遊技状態が通常状態にあるときに、ボーナスが当選したときも上述と同様に、遊技状態移行手段160は、ボーナスが当選した当選遊技でボーナスが入賞したときは、通常状態からボーナス作動状態へ遊技状態を移行させ、ボーナスが入賞しなかったときはボーナス成立状態に移行させた後、ボーナスが入賞したときにボーナス成立状態からボーナス作動状態に遊技状態を移行させるようになっている。
また、RT状態滞在時において、「リプレイC」又は「リプレイD」が役抽選で当選したときに、遊技者による停止スイッチ31〜33の停止操作により「リプレイ2」が入賞した場合には、遊技状態移行手段160は、遊技状態を通常状態へ移行させるようになっており、遊技状態はRT状態から通常状態に移行するようになっている。
なお、遊技状態移行手段160による遊技状態の移行に伴い、役抽選手段120が遊技状態に応じた役抽選テーブルを取得して役抽選を行うことにより、通常状態、RT状態、ボーナス成立状態、及びボーナス作動状態の各遊技状態が発動するようになっている。また、遊技状態移行手段160は、設定変更が行われた場合に、遊技状態を通常状態へ移行させるようにしてもよく、設定変更によっては遊技状態の移行させないようにしてもよい。
次いで、AT制御手段170によって行われるATに関する制御について説明する。
上述のようにAT制御手段170は、AT抽選手段171及び回数管理手段172を備えており、AT抽選手段171は、ATに関する抽選を行うものである。本実施の形態において、AT抽選手段171は、AT移行抽選と上乗せ抽選とを行うようになっているが、AT移行抽選及び上乗せ抽選は、上述の有利区間で遊技が行われている場合に限り当該抽選を行うようになっている。そして、AT抽選は、AT抽選用の乱数と、AT抽選用の抽選テーブル(AT移行抽選テーブル及び上乗せ抽選テーブル)を用いて、役抽選と同様の手法で行われるようになっている。なお、本実施の形態では、AT移行抽選に当選する確率(AT当選確率という)及び上乗せ抽選に当選する確率(上乗せ確率という)が上述の各設定値全てにおいて同一の確率に設定されている。
そして、AT移行抽選に当選すると、AT演出状態の終了条件として、つまりは、ATが実行される遊技区間(以下、AT遊技区間という)としての遊技回数が決定されるようになっており、本実施の形態では、AT遊技区間として、50回がAT遊技区間の遊技回数(以下、AT遊技回数という)として設定されるようになっている。例えば、AT遊技回数が上乗せされることなく、設定された50回のAT遊技回数が消化されると、AT遊技区間が終了し、AT演出状態が終了するようになっている。なお、本実施の形態でのAT遊技区間では、主に、遊技状態がRT状態にあるARTの状態で遊技が行われるようになっており、主に、このART状態で行われる遊技において出玉を増やしていく仕様になっている。
回数管理手段172は、AT遊技回数の設定や、AT遊技回数の上乗せや、AT遊技区間中の遊技回数の消化について管理するものであり、回数管理手段172は、ATカウンタ172a及び遊技回数カウンタ172bを備えている。そして、本実施の形態では回数管理手段172が所定の値を累積して記憶する本発明の累積値記憶手段を構成している。
ATカウンタ172aは、AT遊技区間での遊技回数をカウントするものである。具体的には、AT移行抽選に当選した場合に、ATカウンタ172aは、AT遊技回数を最低保障回数(本実施の形態では50回)分だけ設定して記憶し、ART状態となってから(即ち、AT遊技区間において遊技状態がRT状態へ移行してから)、ATカウンタ172aの記憶値を遊技開始ごとに1ずつ減算するようになっている。なお、ART状態での遊技中において、例えば、遊技者が誤って「リプレイ2」を入賞させて遊技状態をRT状態から通常状態に移行(転落)させてしまった場合でも、ATカウンタ172aは、遊技消化に伴ってその記憶値を減算するようになっている。即ち、RT状態からの転落によってART状態からAT状態での遊技となったとしても、遊技回数の消化に伴い記憶値を減算するようになっている。
また、AT遊技区間中に上乗せ抽選に当選した場合には、ATカウンタ172aの記憶値に上乗せされる遊技回数についての数値を加算する。これにより、AT遊技回数が上乗せされ、ART状態での遊技区間が延長される。そして、ATカウンタ172aの記憶値が、遊技回数の消化に基づく減算によって「0」になった場合には、後述する演出状態移行手段210によって通常演出状態への移行が決定される。即ち、AT遊技区間が終了する。なお、ATカウンタ172aの記憶値が「0」になったか否かの判定は1遊技終了時に行うようになっている。
ところで、本実施の形態では、AT遊技区間中にボーナスが入賞した場合、ATカウンタ172aは、その記憶値を保持してボーナス遊技中にAT遊技回数の減算を行わないようになっている。しかし、役抽選でボーナスが当選し、ボーナスフラグが持ち越されている状態では、ATカウンタ172aは記憶している記憶値を減算するようになっている。つまりは、遊技状態がボーナス作動状態にあるときはAT遊技回数について減算されないが、遊技状態がボーナス成立状態にあるときは、1遊技実行する度にAT遊技回数が1回ずつ減算されるようになっている。なお、ボーナス作動状態であってもAT遊技回数が減算されるようにしてもよい。
遊技回数カウンタ172bは、AT遊技区間のうち、演出状態が後述する準備中演出状態に滞在してときに行われる遊技回数についてカウントするものであり、その詳細については後述する。
サブ制御装置200は、上述のように、演出状態移行手段210及び演出実行制御手段220の各手段として機能するようになっている。
(演出状態移行手段210)
演出状態移行手段210は、スロットマシンSの制御状態のうちの、演出の実行態様の違いに基づく演出状態について、複数の演出状態間の移行を制御するものである。そして、演出状態移行手段210の制御に基づき、演出実行制御手段220が演出状態に応じた演出実行処理を行うことにより、所定の演出状態が発動するようになっている。
演出実行制御手段220は、画像表示部70や電飾ランプ80やスピーカ90等の演出装置の作動を制御するものであり、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、AT遊技区間において行われる演出としてのナビ演出や、その他の演出状態に応じた演出を行わせる。前記ナビ演出には、所定の打順をナビする打順ナビ、及び特定の図柄を狙って停止操作すべきことを示唆する図柄ナビなどが含まれる。
次いで、演出状態移行手段210による演出状態の移行について図7を参照しつつ説明する。
本実施の形態における演出状態は、図7に示すように、大きく分けて、通常演出状態、AT演出状態、及びボーナス演出状態から構成されており、AT演出状態は、準備中演出状態、ART演出状態、及び転落待機状態に分けられる。
AT演出状態は、演出としてのATが実行される演出状態であり、そのうちART演出状態は、AT演出状態であって遊技状態がRT状態又はボーナス成立状態である場合の演出状態であり、準備中演出状態は、AT演出状態であって遊技状態が通常状態又はボーナス成立状態である場合の演出状態である。転落待機状態は、ART演出状態の終了後(ATカウンタ172aが「0」となった後)に滞在する演出状態であって、AT演出状態が終了するまで(遊技状態がRT状態から通常状態へ移行するまで)の待機期間としての演出状態である。
そして、ボーナス演出状態は、遊技状態がボーナス作動状態である場合の演出状態であり、通常演出状態は、上記のいずれにも該当しない演出状態である。そして、本実施の形態では、演出状態がこの準備中演出状態にあるときに行われる遊技区間が本発明の第1遊技区間を構成し、ART演出状態にあるときに行われる遊技区間が本発明の第2遊技区間を構成し、これらの準備中演出状態及びART演出状態での遊技区間が本発明の有利遊技を構成している。
また、演出状態移行手段210は、通常演出状態、AT演出状態においてボーナスが入賞した場合には、演出状態をボーナス演出状態へ移行させるようになっている。そして、演出状態移行手段210は、通常演出状態又は転落待機状態においてボーナスが入賞した場合に、ボーナス遊技終了後、演出状態を通常演出状態へ移行させるようになっている。また、演出状態移行手段210は、準備中演出状態又はART演出状態においてボーナスが入賞した場合に、ボーナス遊技終了後、演出状態を準備中演出状態へ移行させるようになっている。なお、本実施の形態では、ART演出状態での遊技においてボーナスが当選し、そのボーナス遊技の終了が本発明の第1遊技区間に遊技が移行するための所定の移行条件を構成している。
そして、ART演出状態において、設定されたAT遊技回数が消化された場合(ATカウンタ172aの記憶値が「0」になった場合)には、演出状態移行手段210は、演出状態を転落待機状態へ移行させるようになっている。なお、演出状態が転落待機状態へ移行した際には、遊技状態はRT状態のままとなっている。即ち、ART状態での遊技が終了し、遊技状態がRT状態で通常の遊技が行われることになる。
演出状態に応じた様々な演出が行われるようになっており、例えば、画像表示部70の表示画面71に表示させる動画等によって、演出状態が通常演出状態であるときにはAT演出状態への移行を期待させる演出や、演出状態がART演出状態であるときには遊技の進行を盛り上げるための演出が行われる。
また、打順ナビは、画像表示部70の表示画面71に、例えば、「左ベル1」〜「右ベル4」までの打順ベルを入賞させるための打順を矢印で示したり、停止操作すべき停止スイッチ31〜33の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、それらをスピーカ90から音声により指示したり、停止スイッチ31〜33のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させて、操作すべき停止スイッチ31〜33を示したりすることなどにより行われる。
上記構成を有するスロットマシンSの、メイン制御装置100の制御に基づく処理について説明する。
ここで、メイン制御装置100は、基本的に、回転リール61〜63の回転中や入賞によるメダルの払い出し中、あるいは再遊技の作動中には、ベット操作(メダルの投入又はベットスイッチ10の操作)を無効としている。すなわち、メダルセレクター7をメダルキャンセル状態にし、ベットスイッチ10の操作を無効としている(操作信号を受け付けない、あるいは受け付けても無視する。以下同様)。また、回転リール61〜63の回転中はもちろんのこと、回転リール61〜63が停止していてもベットがされていない状態では、スタートスイッチ20の操作を無効とし、所定のウエイト時間が経過するまでは、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の回転開始を保留する。すなわち、ウエイト時間の経過前にスタートスイッチ20の操作信号を入力しても、ウエイト時間が経過するまではリールモータM1〜M3に駆動信号が出力されないようになっている。ただし、スタートスイッチ20の操作信号に基づく役抽選処理は行われ、ウエイト時間の経過後、回転リール61〜63は再度のスタートスイッチ20の操作なしに回転開始する。また、回転リール61〜63が停止している場合はもちろんのこと、回転リール61〜63の回転開始後、回転速度が定常回転速度に達し、かつ全ての回転リール61〜63についてスタートインデックスが検知されて図柄参照が可能な状態となるまでは、停止スイッチ31〜33の操作を無効としている。
スロットマシンSは、規定数のメダルがベットされ(Step(以下、単にSという)100でYes)、スタートスイッチ20がONとなったときの演出状態が準備中演出状態である場合には(S101でYes,S102でYes)、遊技回数カウンタ172bに記憶されている記憶値を1つ加算する遊技回数カウンタ加算処理が行われるようになっている(S103)。一方で、演出状態がART演出状態である場合には(S102でNo,S104でYes)、ATカウンタ172aに記憶されているAT遊技回数の記憶値を1つ減算するATカウンタ減算処理が行われる(S105)。また、スタートスイッチ20がONとなったときの演出状態がART演出状態でなかった場合(S104でNo)、及びATカウンタ減算処理が行われると役抽選処理が行われる(S106)。なお、図8においては、説明の便宜上、ステップ(S102)〜ステップ(S105)の後のステップ(S106)で役抽選処理を行っているが、この役抽選処理をステップ(S101)とステップ(S102)との間にて行うようにしてもよいことは言うまでもない。
そして、役抽選において、上述のように各種抽選契機役として設定されたスイカが当選すると(S107でYes)、各種抽選が行われるようになっている。例えば、通常区間での遊技でスイカが当選した場合には(S108でYes)、有利区間移行抽選が行われるようになっている(S109)。一方で、有利区間での遊技でスイカが当選し(S108でNO)、スイカ当選時の演出状態がAT演出状態(即ち、ATが実行されている状態)でなかった場合には(S110でNO)、AT移行抽選が行われるようになっている(S111)。これに対し、スイカ当選時の演出状態がAT演出状態(準備中演出状態又はART演出状態)であった場合には(S110でYes)、上乗せ抽選が行われるようになっている(S112)。
また、役抽選でスイカが当選しなかったとしても(S107でNo)、遊技回数が準備中演出状態での遊技(以下、準備中遊技という)において20回目に該当する場合には(S113でYes)、上乗せ抽選が行われるようになっている(S108でNo,S110でYes,S112)。なお、20回目の準備中遊技でスイカが役抽選で当選する場合もあるが、その場合にAT抽選手段171は、スイカの当選に基づき上乗せ抽選を行うようになっている。
その後、回転リール61〜63の回転開始処理が行われ(S114)、いずれかの停止スイッチ31〜33がONとなった場合には(S115)、対応する回転リール61〜63について回転停止処理が行われる(S116)。
上述のように、演出状態が準備中演出状態にあるときにスタートスイッチ20のレバー20aが押下され、1遊技が開始される度に、遊技回数カウンタ172bは準備中遊技の消化遊技回数をカウントする処理を行うようになっている(S200)。そして、当該カウント処理は、上述のように準備中演出状態が終了するまで行われるようになっており(S201でNO)、準備中遊技の消化遊技回数が20回に達する毎に上乗せ抽選が行われるようになっている。そして、遊技回数カウンタ127bは、準備中遊技の消化遊技回数が20回に達すると、その消化遊技回数についての記憶値を「0」にするようになっており、次遊技から消化される遊技回数について新たに「1」からカウントするようになっている。
また、「リプレイ3」の入賞によって、演出状態がART演出状態に移行し、準備中演出状態が終了すると(S201でYes)、それまでカウントした準備中遊技についての消化遊技回数の記憶値を保持する処理が行われるようになっている(S202)。そして、ART演出状態滞在時での遊技においてボーナスが当選し、そのボーナス遊技の終了に伴い演出状態が準備中演出状態に移行して、再度、準備中演出状態で遊技が再開される場合には(S203でYes)、再び準備中遊技の消化遊技回数が遊技回数カウンタ127bによってカウントされるようになっている。その際、遊技回数カウンタ127bは、記憶値保持処理によって保持した記憶値に新たに消化される遊技回数を加算するようになっている。そして、遊技回数カウンタ127bは、再び、準備中演出状態が終了するまで準備中遊技の消化遊技回数をカウントするようになっており、準備中演出状態が終了する際には、同じく、それまでカウントした消化遊技回数についての記憶値を保持するようになっている。遊技回数カウンタ127bは、演出状態が準備中演出状態に移行する度に、前述の処理を繰り返し行うようになっている。なお、本実施の形態では、「リプレイ3」の当選確率は、1/10程度に設定されていることから、例えば、ボーナス遊技終了後に行われる2度目の準備中演出状態での遊技において準備中遊技の消化遊技回数が20回に達しやすくなっている。
そして、ATカウンタ172aの記憶値が「0」となってAT遊技区間が終了するのに伴い(S204でYes)、遊技回数カウンタ172bは、保持している記憶値を「0」にするクリア処理を行うようになっており(S205)、遊技回数カウンタ172bが行う一連の処理が終了するようになっている。
以上のように、本実施の形態では、同一のAT遊技区間内にあっては準備中演出状態が終了すると、遊技回数カウンタ172bは、それまでにカウントした準備中遊技の消化遊技回数の記憶値を保持するとともに、ボーナスの当選を契機として、再び、準備中演出状態で遊技が行われるときには、新たにカウントする消化遊技回数を保持した記憶値に加算するようになっている。これにより、例えば、同一のAT遊技区間内にあっても、準備中演出状態での遊技が開始される毎に、準備中遊技の消化遊技回数について新たに「0」からカウントする場合と比して、上乗せ抽選契機として設定された規定遊技回数(準備中遊技を20回消化)に達し易くなっている。この結果、準備中遊技において上乗せ抽選が行われ易くなるので、遊技回数の上乗せがされる機会も増え、興趣性の向上を図ることができる。
なお、本発明は、上述した本実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形なども含むものである。以下、本実施の形態の変形例について説明する。ただし、以下に説明する変形例については、既に説明した本実施の形態と異なる点についてのみ説明するものとし、同一の構成については同一の符号を付してその説明は省略するものとする。
また、図6における通常状態に代えて、通常状態とはリプレイ確率の異なるボーナス終了RTを設け、このRT中にベルなどの所定の小役を取りこぼした際の図柄組合せ(とりこぼし出目)を契機に、このボーナス終了RTを終わらせて、通常状態や別のRTに移行するようにしてもよい。
1 制御装置(制御手段)
120 役抽選手段
171 AT抽選手段(特典付与決定手段)
172 回数管理手段(累積値記憶手段)
Claims (2)
- 遊技の進行を制御する制御手段を備え、
通常遊技と、前記通常遊技よりも遊技者に有利な有利遊技とを実行し得るように形成された遊技機であって、
前記有利遊技は、少なくとも、第1遊技区間と、前記第1遊技区間から移行する第2遊技区間とを有し、
前記制御手段は、前記第1遊技区間での遊技に関する所定の値を累積して記憶する累積値記憶手段と、
前記累積値記憶手段が記憶する前記所定の値についての累積値が予め設定した値になったのを契機として、所定の特典を遊技者に付与するか否を決定する特典付与決定手段と、を備え、
前記第2遊技区間では、所定の移行条件の成立を契機に、遊技が前記第1遊技区間に移行するようになっており、
前記累積値記憶手段は、前記第2遊技区間から前記第1遊技区間に遊技が移行した際、既に前記累積値を記憶している場合、新たに記憶する前記所定の値について、既に記憶している前記累積値に加算して記憶するように形成されている、
ことを特徴とする遊技機。 - 前記有利遊技に関する抽選の契機とならない特定役を含む複数種類の役について当選か否かの役抽選を行う役抽選手段を備え、
前記特定役は、前記役抽選での当選確率が複数段階に設定された出玉率を設定する設定値毎で異なっており、
前記制御手段は、前記第2遊技区間にて前記特定役が当選したことに基づいて遊技を前記第1遊技区間に移行させる制御を行う、
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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