JP5399136B2 - カメラモジュールのバレルまたはホルダ - Google Patents

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Description

本発明は、テレフタル酸単位を主成分とするジカルボン酸単位と1,9−ジアミノノナン単位および/または2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位を主成分とするジアミン単位とを有するポリアミドを含むポリアミド組成物を成形してなり、リフロー耐熱性に優れ、低異方性であるとともに、表面が平滑で低埃性に優れ、ポリアミド組成物が細部にまで確実に充填されていて、光遮蔽性にも優れるカメラモジュールのバレルまたはホルダ、および当該バレルまたはホルダを成形するために使用されるポリアミド組成物に関する。
CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化物半導体)などを撮像素子(イメージセンサー)としたカメラモジュールは携帯電話、ゲーム機、パソコン、車載カメラ等に使用されている。カメラモジュールは通常、撮像素子に光学画像を結像するための1つまたは2つ以上のレンズ、当該レンズを保持するためのバレル、当該バレルを保持するためのホルダ、上記撮像素子を保持するための基板などの部材から構成される。
近年、携帯電子機器の小型化や、電子機器の実装工程の低コスト化のための作業または工程時間短縮の要求に応えるべく、リフロー方式によるハンダ付けが浸透していて、カメラモジュールについてもこのリフロー方式によって実装されるようになりつつある。そのため、リフロー工程におけるより高いハンダ付け温度(例えば、最高260℃程度)に晒された場合であっても、寸法や外観、物性などに有意な変化が生じない程度の耐熱性がカメラモジュールを構成する各部材に求められるようになった。
上記のような観点から、カメラモジュールを構成するバレルやホルダ等の部材の耐熱性を向上させる技術が知られている。例えば、バレルおよびホルダが一体化されたレンズホルダを構成する材料として、ポリアミド、ポリフタルアミド、液晶ポリマー等の高い耐熱温度を有する樹脂材料を用いる方法が知られている(特許文献1および2参照)。
また、充填材を配合すると得られる樹脂組成物の強度や耐熱性、寸法安定性等が向上することから、充填剤が配合された樹脂組成物から構成されたカメラモジュールの部材が知られており、例えば、レンズユニットのレンズを保持するためのプラスチック保持部材に繊維状充填剤、板状充填剤、粉粒状充填剤等を含有させたもの(特許文献3参照)や、液晶性高分子と繊維状フィラーとを含む特定の樹脂成形体からなるカメラモジュール用部品(特許文献4参照)が知られている。
ところで、カメラモジュールを構成するバレルやホルダ等の部材を充填剤が配合された樹脂組成物を用いて製造した際には、成形された成形品の表面や射出成形時のゲート切断面から埃(パーティクル)が発生しやすく、樹脂材料として液晶ポリマーを用いた場合にはそれが顕著である。また、充填剤が配合された樹脂組成物からなるバレルやホルダは表面が荒れやすく、カメラモジュール製造時や使用時に荒れた表面から剥がれ落ちたバレルやホルダの破片が生じやすい。上記のような埃がカメラモジュールに持ち込まれたり、あるいはカメラモジュール製造時や使用時にバレルやホルダの破片が生じると、それらが撮像素子表面やレンズ表面に付着して黒傷やシミを生じカメラ性能が低下する。そのため、カメラモジュールを構成するバレルやホルダ等の部材には、高い低埃性(埃や破片等の持ち込みや発生が少ない性能)が求められる。特に多くのカメラモジュールは、外周面に螺子山が設けられた略円筒状のバレルと、内周面に螺子山が設けられた窪みを有するホルダとが回転可能に螺合した構造を有しており、バレルを回転させることにより撮像素子とレンズとの距離が調節できるようになっているが、このようなタイプのカメラモジュールでは、回転によりバレルとホルダとの摺動面、中でも上記螺子山の頂部から破片等が発生しやすく、黒傷やシミを生じたりあるいはバレルの回転が困難となり誤作動を生じやすいため、より高度の低埃性が要求される。
また携帯電子機器用のカメラモジュールはより小型化され、そのバレルやホルダの薄肉部は100μm前後になることもあるが、そのようなバレルやホルダを充填剤が配合された樹脂組成物を用いて製造した際には、流動性の不足等により樹脂組成物が薄肉部や螺子山の頂部にまで充填されずに欠陥品が生じやすくなる。そのため、樹脂組成物が細部まで確実に充填されたカメラモジュールのバレルやホルダが求められている。
さらにカメラモジュールを構成するバレルにはレンズが装着され、ホルダはバレルと螺子により螺合することも多いことから、バレルおよびホルダの双方とも、その製造時に高い寸法精度が求められるとともに、温度や湿度等の影響によって生じる寸法変化が方向によって大きく変わらない低異方性も要求される。加えて、バレルやホルダは周囲の光の透過を防ぐために、特に可視光付近の波長を持つ光を遮蔽することも要求される。
特開2007−208793号公報 特開2006−246461号公報 特開2006−235123号公報 特開2008−239950号公報
本発明は、リフロー耐熱性に優れ、低異方性であるとともに、表面が平滑で低埃性に優れ、ポリアミド組成物が細部にまで確実に充填されていて、光遮蔽性にも優れるカメラモジュールのバレルまたはホルダ、および当該バレルまたはホルダを成形するために使用されるポリアミド組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定のポリアミドおよび特定の繊維状強化材を溶融混練してなるポリアミド組成物を成形してなるカメラモジュールのバレルやホルダが、リフロー耐熱性、低異方性、低埃性、細部充填性(細部にまで確実に充填されていること)および光遮蔽性のいずれにも優れることを見出し、当該知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位と1,9−ジアミノノナン単位および/または2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とを有するポリアミド(A)および繊維状強化材(B)を溶融混練してなりポリアミド(A)の含有率が50〜80質量%であり繊維状強化材(B)の含有率が20〜50質量%であるポリアミド組成物を成形してなるカメラモジュールのバレルまたはホルダであって、上記繊維状強化材(B)の溶融混練前における平均長さが300μm以下であるカメラモジュールのバレルまたはホルダ、
[2]前記繊維状強化材(B)がワラストナイト、チタン酸カリウムウィスカーおよびミルドファイバーからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[1]のカメラモジュールのバレルまたはホルダ、
[3]前記ポリアミド(A)の濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が0.6〜1.0dl/gである上記[1]または[2]のカメラモジュールのバレルまたはホルダ、
[4]前記ポリアミド組成物がさらにカーボンブラックを0.5〜3.0質量%含む上記[1]〜[3]のいずれか1つのカメラモジュールのバレルまたはホルダ、
[5]テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位と1,9−ジアミノノナン単位および/または2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とを有するポリアミド(A)および繊維状強化材(B)を溶融混練してなりポリアミド(A)の含有率が50〜80質量%であり繊維状強化材(B)の含有率が20〜50質量%である、カメラモジュールのバレルまたはホルダ成形用ポリアミド組成物であって、上記繊維状強化材(B)の溶融混練前における平均長さが300μm以下であるカメラモジュールのバレルまたはホルダ成形用ポリアミド組成物、
[6]前記繊維状強化材(B)がワラストナイト、チタン酸カリウムウィスカーおよびミルドファイバーからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[5]のカメラモジュールのバレルまたはホルダ成形用ポリアミド組成物、
[7]前記ポリアミド(A)の濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が0.6〜1.0dl/gである上記[5]または[6]のカメラモジュールのバレルまたはホルダ成形用ポリアミド組成物、
[8]前記ポリアミド組成物がさらにカーボンブラックを0.5〜3.0質量%含む上記[5]〜[7]のいずれか1つのカメラモジュールのバレルまたはホルダ成形用ポリアミド組成物、
に関する。
本発明のカメラモジュールのバレルまたはホルダは、リフロー耐熱性に優れ、低異方性であるとともに、表面が平滑で低埃性に優れ、ポリアミド組成物が細部にまで確実に充填されていて、光遮蔽性にも優れる。
本発明の実施の一例としてのバレルおよび/またはホルダが使用されたカメラモジュールの断面の概略図である。
本発明のカメラモジュールのバレルまたはホルダ[以下、「カメラモジュールのバレルまたはホルダ」を単に「バレルまたはホルダ」と略称する場合がある]はポリアミド組成物を成形してなる。ここで、当該ポリアミド組成物はポリアミド(A)および繊維状強化材(B)を溶融混練してなる。また当該ポリアミド組成物はポリアミド(A)を50〜80質量%および繊維状強化材(B)を20〜50質量%含有する。
本発明において使用されるポリアミド(A)は、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位と、1,9−ジアミノノナン単位および/または2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とを有する。
ポリアミド(A)を構成するジカルボン酸単位がテレフタル酸単位を60〜100モル%含有することにより、得られるバレルまたはホルダの耐熱性や寸法安定性が向上する。ジカルボン酸単位におけるテレフタル酸単位の含有率は75〜100モル%の範囲内であることが好ましく、90〜100モル%の範囲内であることがより好ましい。
上記のジカルボン酸単位は、テレフタル酸単位以外の他のジカルボン酸単位を含有していてもよい。当該他のジカルボン酸単位としては、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、スベリン酸、オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などから誘導される単位を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を含有することができる。ジカルボン酸単位におけるこれらの他のジカルボン酸単位の含有率は、40モル%以下であり、25モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。
ポリアミド(A)を構成するジアミン単位は、1,9−ジアミノノナン単位および/または2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位を60〜100モル%含有する。ジアミン単位における1,9−ジアミノノナン単位および/または2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位の含有率は、75〜100モル%の範囲内であることが好ましく、90〜100モル%の範囲内であることがさらに好ましい。1,9−ジアミノノナン単位および/または2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位を上記の割合で含有するポリアミド(A)を使用すると、リフロー耐熱性、寸法安定性などの諸物性に優れるバレルやホルダが得られる。
ジアミン単位において1,9−ジアミノノナン単位:2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位のモル比は、1,9−ジアミノノナン単位:2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位=60:40〜100:0の範囲内であることが好ましく、70:30〜90:10の範囲内であることがより好ましい。1,9−ジアミノノナン単位および2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位を上記の割合で含有するポリアミド(A)を用いると、耐熱性や寸法安定性により優れるバレルやホルダが得られる。
上記のジアミン単位は、1,9−ジアミノノナン単位および2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位以外の他のジアミン単位を含有していてもよい。当該他のジアミン単位としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン等の直鎖状脂肪族ジアミン;1,2−プロパンジアミン、1−ブチル−1,2−エタンジアミン、1,1−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1−エチル−1,4−ブタンジアミン、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,4−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、3,3−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,3−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,4−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,5−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、3−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、1,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,2−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の分岐鎖状脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を含有することができる。ジアミン単位におけるこれらの他のジアミン単位の含有率は40モル%以下であり、25モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。
ポリアミド(A)において、後述する末端封止剤に由来する構造以外の部分は、上記したジカルボン酸単位とジアミン単位のみから構成されていてもよいが、それ以外の単位を有していてもよい。このような単位としては、例えば、アミノカルボン酸単位が挙げられる。該アミノカルボン酸単位としては、例えば、カプロラクタム、ラウリルラクタム等のラクタム;11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸などから誘導される単位を挙げることができる。
さらにポリアミド(A)は、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸から誘導される単位を溶融成形が可能な範囲内で含んでいてもよい。
ポリアミド(A)において、末端封止剤に由来する構造以外の部分におけるジカルボン酸単位およびジアミン単位の合計の質量の占める割合としては、当該末端封止剤に由来する構造以外の部分の質量に基づいて、50〜100質量%の範囲内であることが好ましく、80〜100質量%の範囲内であることがより好ましく、95〜100質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
ポリアミド(A)は、その分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されていることが好ましい。分子鎖の末端基が末端封止剤により封止されている割合(末端封止率)は、40%以上であることがより好ましい。末端封止率が10%以上のポリアミド(A)を用いると、溶融成形性などの物性がより優れる。
なお、末端封止率は、ポリアミド(A)に存在しているカルボキシル基末端およびアミノ基末端の数と、末端封止剤によって封止された末端基の数をそれぞれ測定し、下記計算式に従って求めることができる。各末端基の数は例えばH−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値に基づいて求めることができる。
末端封止率(%)=[(Y−Z)/Y]×100
[式中、Yはポリアミド(A)の分子鎖の末端基の総数(これは通常、ポリアミド分子の数の2倍に等しい)を表し、Zは封止されずに残ったカルボキシル基末端およびアミノ基末端の合計数を表す。]
末端封止剤としては、末端アミノ基または末端カルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物を用いることができる。具体的には、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などが挙げられるが、反応性および封止末端の安定性などの点から、末端アミノ基に対する末端封止剤としては、モノカルボン酸が好ましく、末端カルボキシル基に対する末端封止剤としては、モノアミンが好ましい。また、取り扱いの容易さなどの観点から末端封止剤としてはモノカルボン酸がより好ましい。
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;これらの任意の混合物などを挙げることができる。これらのなかでも、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が好ましい。
末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン;これらの任意の混合物などを挙げることができる。これらのなかでも、反応性、高沸点、封止末端の安定性および価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましい。
本発明において使用されるポリアミド(A)は、ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。例えば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法または界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、固相重合法、溶融押出重合法などの方法により製造することができる。
本発明において使用されるポリアミド(A)は、例えば、最初にジアミン、ジカルボン酸、および必要に応じて末端封止剤や触媒を一括して添加してナイロン塩を製造した後、200〜250℃の温度において加熱重合して濃硫酸中30℃における極限粘度[η]が0.1〜0.6dl/gのプレポリマーとし、さらに固相重合するか、あるいは溶融押出機を用いて重合することにより製造することができる。プレポリマーの極限粘度[η]が0.1〜0.6dl/gの範囲内であると、後重合の段階においてカルボキシル基とアミノ基のモルバランスのずれや重合速度の低下が少なく、さらに分子量分布の小さな、各種物性や成形性に優れたポリアミド(A)が得られる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧下または不活性ガス流動下に行うのが好ましく、重合温度が200〜280℃の範囲内であれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に抑制することができる。重合の最終段階を溶融押出機により行う場合の重合温度としては、370℃以下であるのが好ましく、かかる条件で重合すると、ポリアミドの分解がほとんどなく、劣化の少ないポリアミド(A)が得られる。
ポリアミド(A)を製造するに際して使用することができる触媒としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、それらの塩またはエステルが挙げられる。上記の塩またはエステルとしては、リン酸、亜リン酸または次亜リン酸とカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモン等の金属との塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のアンモニウム塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のエチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどを挙げることができる。
本発明において使用されるポリアミド(A)は、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が0.6〜2.0dl/gの範囲内であることが好ましく、0.6〜1.0dl/gの範囲内であることがより好ましく、0.6〜0.9dl/gの範囲内であることがさらに好ましい。極限粘度[η]が上記の範囲内のポリアミド(A)を使用すると、流動性が高くて成形性に優れたポリアミド組成物が得られ、そして表面平滑性などにより優れたバレルやホルダが得られる。
本発明のバレルまたはホルダの成形に使用されるポリアミド組成物における上記ポリアミド(A)の含有率は強度や耐熱性、寸法安定性に優れたバレルやホルダが得られることから50〜80質量%の範囲内であり、55〜75質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明において使用される繊維状強化材(B)は、溶融混練前における平均長さが300μm以下である。当該平均長さが300μm以下であると、得られるバレルやホルダは、低異方性、表面平滑性、低埃性、細部充填性に優れる。繊維状強化材(B)の溶融混練前における平均長さは、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。また当該平均長さの下限値に特に制限はないが、例えば、0.1μmを挙げることができる。なお、本発明の繊維状強化材(B)の平均長さは、実施例の項目において後述する方法により測定することができる。
上記の繊維状強化材(B)としては、ワラストナイト、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、セピオライト、ゾノトライト、酸化亜鉛ウィスカー、ミルドファイバー、カットファイバーなどが挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ワラストナイト、チタン酸カリウムウィスカーおよびミルドファイバーからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明のバレルまたはホルダの成形に使用されるポリアミド組成物における上記繊維状強化材(B)の含有率は、リフロー耐熱性、低異方性に優れるとともに、表面が平滑で低埃性に優れ、ポリアミド組成物が細部にまで確実に充填されていて、光遮蔽性にも優れるバレルまたはホルダが得られることから20〜50質量%の範囲内であり、25〜45質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明のバレルまたはホルダの成形に使用されるポリアミド組成物はカーボンブラックを含むことが好ましい。ポリアミド組成物におけるカーボンブラックの含有率は0.5〜3.0質量%の範囲内であることが好ましく、0.8〜2.0質量%の範囲内であることがより好ましい。カーボンブラックを上記の範囲で含むと、光遮蔽性に一層優れたバレルまたはホルダを得ることができ、外部の光がバレルやホルダを通してカメラモジュールの撮像素子へ漏れ込むのを防ぐことができる。なお、カーボンブラックの含有率があまりに高いとポリアミド組成物の成形性が低下したり、バレルやホルダの絶縁性や機械的特性等が低下したりする場合がある。
ポリアミド(A)および繊維状強化材(B)を溶融混練して上記のポリアミド組成物を得るに当たっては、上記した繊維状強化材(B)以外の他の充填材をさらに溶融混練してもよい。他の充填材としては、繊維状(針状を含む)、平板状、粉末状、クロス状などの各種形態を有するものを使用することができる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、液晶ポリマー(LCP)繊維、金属繊維等の繊維状充填材(ただし、上記した繊維状強化材(B)の平均長さの規定を満たさないもの);マイカ、タルク等の平板状充填材;シリカアルミナ、窒化ホウ素、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、硫酸マグネシウム、アスベスト、ガラスビーズ、グラファイト、二硫化モリブデン、フェノール樹脂粒子、架橋スチレン系樹脂粒子、架橋アクリル系樹脂粒子等の粉末状充填材などが挙げられる。これらの他の充填材は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの他の充填材の表面は、ポリアミド(A)中への分散性を高める目的で、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、その他の高分子または低分子の化合物によって表面処理されていることが好ましい。
また上記のポリアミド組成物を得るに当たっては、靭性を改良するための変性エラストマー(無水マレイン酸変性エチレンプロピレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレンブテン共重合体、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン/ブテン−スチレンブロック共重合体等)、脂肪族ポリアミド(PA612、PA11、PA12、PA66、PA6等)、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、シンジオタクチックポリスチレン等のポリアミド(A)以外の他種ポリマーをさらに溶融混練してもよい。得られるポリアミド組成物におけるこれらの他種ポリマーの含有率は0〜30質量%の範囲内であることが好ましい。
また上記のポリアミド組成物を得るに当たっては、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の反射材をさらに溶融混練してもよい。得られるポリアミド組成物における反射材の含有率は0〜20質量%の範囲内であることが好ましい。
さらに上記のポリアミド組成物を得るに当たっては、着色剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系等の光安定剤;亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸やこれらのエステル等の熱安定剤;ヒンダードフェノール系、チオ系、リン系、ヒンダードアミン系等の酸化防止剤;帯電防止剤;結晶核剤;可塑剤;ポリオレフィンワックス、高級脂肪酸エステル等のワックス類;シリコーンオイル等の離型剤;滑剤などの他の成分をさらに溶融混練することもできる。得られるポリアミド組成物における他の成分の含有率は0〜1質量%であることが好ましい。
上記のポリアミド組成物は、ポリアミド(A)、繊維状強化材(B)および所望によりさらに上記した各種成分を溶融混練することにより得ることができる。溶融混練に使用される装置の種類や、溶融混練条件等は特に限定されないが、装置としては単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、ミキシングロール、バンバリーミキサー、射出成形機等を例示することができる。また溶融混練条件としては、例えば、約280〜350℃の範囲内の温度で1〜30分間混練する条件を例示することができる。なお、本明細書において溶融混練とは、混練される成分の少なくとも1成分、好ましくは少なくともポリアミド(A)が溶融する条件で行う混練を意味する。
得られたポリアミド組成物は、そのままバレルまたはホルダに成形しても、一旦ペレットとし、当該ペレットを用いてバレルやホルダを成形してもよい。
上記のポリアミド組成物をバレルまたはホルダに成形する方法に特に制限はなく、例えば、上記のようにして得られたペレットを射出成形機により成形することができる。また上記のポリアミド組成物を得るための溶融混練を射出成形機を用いて行い、そのままバレルやホルダに成形することも可能である。
本発明のバレルまたはホルダの使用態様に特に制限はないが、例えば、図1にその断面の概略図を示したカメラモジュールのバレルまたはホルダとして使用することができる。当該図1において、レンズ3が取り付けられた円筒状のバレル4がホルダ5の上部の螺旋と回転可能に螺合している。また、CCDやCMOS等の撮像素子2が基板1上に設置されている。レンズ3と撮像素子2との間にはIRカットフィルタ6が設置されている。レンズ3を通過した光は、IRフィルタ6を通って撮像素子2に届く。ここで、バレル4が回転することによりレンズ3と撮像素子2との距離が変化し、カメラモジュールのフォーカスを調整することができる。
カメラモジュールは、バレルおよびホルダの両方ともが本発明の規定を満たすものであっても、バレルおよびホルダのうちの一方が本発明の規定を満たすものであり他方が本発明の規定を満たさないものであってもよい。なお、バレルおよびホルダが一体化され、当該バレルおよびホルダが一体化された一体化物が上記したポリアミド組成物を成形して得られる場合にも、当該一体化物は本発明の範囲に包含されるものとする。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例において採用された、ポリアミドの極限粘度[η]、繊維状強化材の平均長さ、寸法異方性、表面平滑性、流動性、光透過性の各測定または評価方法を以下に示す。
ポリアミドの極限粘度[η]
濃度が0.05g/dl、0.1g/dl、0.2g/dlおよび0.4g/dlであるポリアミドの濃硫酸溶液を調製し、それぞれの濃硫酸溶液について、ウベローデ粘度計を使用して30℃における溶液粘度を測定した。得られた濃度と溶液粘度の関係から濃度0g/dlに外挿した際の溶液粘度を求めて、これを極限粘度[η]とした。
繊維状強化材の平均長さ
繊維状強化材を水に分散させ、光学顕微鏡(倍率:50倍)で任意の300本それぞれの繊維長(Li)を計測し、繊維長がLiである繊維の本数をqiとし、次式に基づいて重量平均長さ(Lw)を算出し、これを繊維状強化材の平均長さとした。
重量平均長さ(Lw)=(Σqi×Li)/(Σqi×Li)
寸法異方性
以下の実施例または比較例で得られたポリアミド組成物のペレットを用いて、使用したポリアミドの融点より10℃高い温度で射出成形(射出速度50mm/s、保圧300kg/cm、金型温度140℃、金型:厚み1mm、幅40mm、長さ100mmの直方体状の空間部を有し、一方の1mm×40mmの面にゲートを有する金型)して平板を得た。射出方向をMD、平板表面に平行かつ射出方向と垂直の方向をTDとし、以下の式により成形収縮率の寸法異方性を測定した。
成形収縮率(%)=(金型寸法−成形品寸法)×100/(金型寸法)
寸法異方性=(TDの成形収縮率)/(MDの成形収縮率)
表面平滑性
以下の実施例または比較例で得られたポリアミド組成物のペレットを用いて、使用したポリアミドの融点より10℃高い温度で射出成形(射出速度50mm/s、保圧200kg/cm、金型温度140℃、金型:厚み0.5mm、幅10mm、長さ30mmの直方体状の空間部を有し、一方の0.5mm×10mmの面にゲートを有する金型)して平板を得た。株式会社小坂研究所製表面粗さ測定機「SE−30D」を用いて、得られた平板表面の中心線(MD)表面粗さRaを求め、これを表面平滑性の指標とした。
流動性
以下の実施例または比較例で得られたポリアミド組成物のペレットを用いて、シリンダー温度320℃、射出圧力74MPa、金型温度140℃の条件下で、厚さ0.5mm、幅40mmの直方体状の空間部を有する金型内にポリアミド組成物の溶融物を射出成形したときの流動長を測定した。流動性が高い材料ほど高い値を示す。
光透過性
以下の実施例または比較例で得られたポリアミド組成物のペレットを用いて、使用したポリアミドの融点より10℃高い温度で射出成形(射出速度50mm/s、保圧200kg/cm、金型温度140℃、金型:厚み0.3mm、幅30mm、長さ30mmの直方体状の空間部を有し、一方の0.3mm×30mmの面にゲートを有する金型)して平板を得た。日立製分光光度計「U−4000」を用いて、得られた平板の波長1000nmでの光線透過率を測定した。
実施例および比較例では、下記のものを使用した。
〔ポリアミド〕
PA9T−1:
テレフタル酸4819.4g(29.01モル)、1,9−ジアミノノナンと2−メチル−1,8−ジアミノオクタンの混合物〔前者/後者=70/30(モル比)〕4772.4g(30.15モル)、安息香酸241.8g(1.98モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物9.8gおよび蒸留水2.5リットルを内容積20リットルのオートクレーブに入れ窒素置換した。この混合物を100℃で30分間攪拌し、2時間かけてオートクレーブ内部の温度を220℃に昇温した。このとき、オートクレーブ内部の圧力は2MPaまで昇圧した。そのまま2時間反応を続けた後、230℃に昇温し、次いで2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2MPaに保ちながら反応させた。次に、30分間かけて圧力を1MPaまで下げ、さらに1時間反応させて、極限粘度[η]が0.14dl/gのプレポリマーを得た。これを100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の粒径になるまで粉砕した。これを、230℃、13Pa(0.1mmHg)にて10時間固相重合し、融点が306℃、極限粘度[η]が0.78dl/gである白色のポリアミド(PA9T−1)を得た。
PA9T−2:
テレフタル酸4819.4g(29.01モル)に代えてテレフタル酸4871.8g(29.33モル)、安息香酸241.8g(1.98モル)に代えて安息香酸164.9g(1.35モル)を使用したこと以外は、上記PA9T−1の製造と同様にして、融点が306℃、極限粘度[η]が0.93dl/gである白色のポリアミド(PA9T−2)を得た。
PA9T−3:
テレフタル酸4819.4g(29.01モル)に代えてテレフタル酸4921.6g(29.62モル)、安息香酸241.8g(1.98モル)に代えて安息香酸91.6g(0.75モル)を使用したこと以外は、上記PA9T−1の製造と同様にして、融点が306℃、極限粘度[η]が1.2dl/gである白色のポリアミド(PA9T−3)を得た。
〔繊維状強化材〕
強化材−1:
キンセイマテック株式会社製ワラストナイト「SH1250」(平均長さ0.07mm)
強化材−2:
大塚化学株式会社製チタン酸カリウムウィスカー「ティスモD」(平均長さ0.02mm)
強化材−3:
セントラル硝子株式会社製ミルドファイバー(平均長さ0.1mm)
強化材−4:
日東紡績株式会社製ガラス繊維「CS−3G−225」(平均長さ3mm)
〔カーボンブラック〕
カーボンブラック:
三菱化学株式会社製「#980B」
〔他の成分〕
酸化防止剤:
住友化学株式会社製「スミライザー GA−80」
離型剤:
三井化学株式会社製「HI−WAX200P」
[実施例1〜7および比較例1]
表1に示す割合で、プラスチック工学研究所製二軸押出機(スクリュー径32mmφ、L/D=30、回転数150rpm、吐出量10kg/h)に繊維状強化材以外の成分を最上流部のホッパーより供給し、繊維状強化材をサイドフィーダーより供給して、溶融混練した。溶融混練されたポリアミド組成物をストランド状に押出し、冷却後切断して、ポリアミド組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて上記の方法で寸法異方性、表面平滑性、流動性および光透過性を評価した。結果を表1に示した。
本発明によれば、リフロー耐熱性に優れ、低異方性であるとともに、表面が平滑で低埃性に優れ、ポリアミド組成物が細部にまで確実に充填されていて、光遮蔽性にも優れたカメラモジュールのバレルまたはホルダが得られる。これらのバレルまたはホルダは、リフロー方式によるハンダ付けに対応したより小型のカメラモジュールを構成する部材として好適に使用することができる。
1 基板
2 撮像素子
3 レンズ
4 バレル
5 ホルダ
6 IRカットフィルタ

Claims (8)

  1. テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位と1,9−ジアミノノナン単位および/または2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とを有するポリアミド(A)および繊維状強化材(B)を溶融混練してなりポリアミド(A)の含有率が50〜80質量%であり繊維状強化材(B)の含有率が20〜50質量%であるポリアミド組成物を成形してなるカメラモジュールのバレルまたはホルダであって、上記繊維状強化材(B)の溶融混練前における平均長さが300μm以下であるカメラモジュールのバレルまたはホルダ。
  2. 前記繊維状強化材(B)がワラストナイト、チタン酸カリウムウィスカーおよびミルドファイバーからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のカメラモジュールのバレルまたはホルダ。
  3. 前記ポリアミド(A)の濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が0.6〜1.0dl/gである請求項1または2に記載のカメラモジュールのバレルまたはホルダ。
  4. 前記ポリアミド組成物がさらにカーボンブラックを0.5〜3.0質量%含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のカメラモジュールのバレルまたはホルダ。
  5. テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位と1,9−ジアミノノナン単位および/または2−メチル−1,8−ジアミノオクタン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とを有するポリアミド(A)および繊維状強化材(B)を溶融混練してなりポリアミド(A)の含有率が50〜80質量%であり繊維状強化材(B)の含有率が20〜50質量%である、カメラモジュールのバレルまたはホルダ成形用ポリアミド組成物であって、上記繊維状強化材(B)の溶融混練前における平均長さが300μm以下であるカメラモジュールのバレルまたはホルダ成形用ポリアミド組成物。
  6. 前記繊維状強化材(B)がワラストナイト、チタン酸カリウムウィスカーおよびミルドファイバーからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載のカメラモジュールのバレルまたはホルダ成形用ポリアミド組成物。
  7. 前記ポリアミド(A)の濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が0.6〜1.0dl/gである請求項5または6に記載のカメラモジュールのバレルまたはホルダ成形用ポリアミド組成物。
  8. 前記ポリアミド組成物がさらにカーボンブラックを0.5〜3.0質量%含む請求項5〜7のいずれか1項に記載のカメラモジュールのバレルまたはホルダ成形用ポリアミド組成物。
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