JP5397711B2 - 電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池用電極を製造する方法に関し、特に電極活物質を含む電極合材層が集電体に保持された構成を有する電池用電極の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池その他の二次電池は、車両搭載用電源、或いはパソコンおよび携帯端末の電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウム二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。この種の二次電池の一つの典型的な構成では、リチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出し得る材料(電極活物質)が導電性部材(電極集電体)に保持された構成の電極を備える。例えば、正極に用いられる電極活物質(正極活物質)の代表例としては、リチウムと一種または二種以上の遷移金属元素とを構成金属元素として含む酸化物が例示される。また、正極に用いられる電極集電体(正極集電体)の代表例としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金を主体とするシート状または箔状の部材が挙げられる。
かかる構成を有する正極を製造するにあたって正極集電体に正極活物質を保持させる代表的な方法の一つとして、正極活物質の粉末とバインダ(結着材)とを適当な媒体に分散させたペースト状またはスラリー状活物質層形成用材料(以下、活物質層形成用ペーストという。)を正極集電体に塗布し、これを熱風乾燥機等に通過させて乾燥させることにより正極活物質を含む層(正極活物質層)を形成する方法が挙げられる。正極活物質層中に含まれるバインダは、例えばポリマー材から構成され、正極活物質層中に含まれる正極活物質同士や、正極活物質層と正極集電体とを結着する役割を果たしている。この種の電極製造に関する従来技術としては特許文献1が挙げられる。
日本国特許出願公開平11−176423号公報
ところで、上記電極を製造するにあたって活物質とバインダとを含有する合剤層形成用ペーストを集電体に塗布して熱風を当てて乾燥させると、乾燥中に対流が発生し、集電体近傍のバインダがペースト塗布物の表層部(集電体の反対側)に浮き上がるため、集電体近傍のバインダ量が少なくなり、結果として、集電体と合材層の密着性(接着強度)が低下するという問題がある。
特許文献1には、集電体と合材層の密着性を高めるため、集電体と活物質層との間にバインダを含有する結着層を設ける技術が記載されている。特許文献1では、集電体の表面に結着層を塗設し、この塗設された結着層が湿潤状態にあるうちに、この結着層の上に活物質層が重層塗設される。この方法を用いれば、結着層と活物質層の間の接着が強固なものとなり、これらの層間剥離が防止できる。
しかしながら、特許文献1のように集電体と活物質層との間にバインダ(ポリマー材)を含有する結着層を設けると、該結着層は電気伝導性が低いため、集電体と活物質層との間の電気抵抗が増大する可能性がある。集電体と活物質層との間の電気抵抗が増大すると電池の内部抵抗が大きくなるので、かかる結着層を有する電極を用いて構築された電池の電池性能は当該結着層が形成されてないものと比較して著しく低下し得る。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、集電体上にバインダ層と活物質層とが順次積層された構成の電池用電極において、集電体と活物質層の界面抵抗を下げることができる電池用電極の製造方法を提供することである。
本発明によると、集電体上に、バインダを含むバインダ層と、活物質を含む活物質層とが順次積層された構成の電池用電極製造する方法が提供される。この方法は、バインダを含むバインダ溶液にマイクロバブルを混入する工程と、上記バブル入りバインダ溶液を集電体に付与してバインダ溶液層を形成する工程と、上記バインダ溶液層の上から、活物質を含む活物質層形成用ペーストを付与することによって、上記バインダ溶液層とペースト層とを集電体上に堆積する工程と、上記堆積したバインダ溶液層とペースト層とを共に乾燥させることによって、上記集電体上にバインダ層および活物質層が形成された電極を得る工程と、を包含する。
ここで、本明細書でいうマイクロバブルとは、直径がマイクロメートルオーダー又はそれ以下のサイズ(即ち直径が1μm以下であるナノオーダー)である微細な気泡のことであり、例えば50μm以下(特に好ましくは10μm以下)の気泡径を有する。マイクロバブルは非常に細かい気泡であり、一般に帯電作用がある(典型的にはマイクロバブルの表面がマイナスに帯電している)ため、気泡同士が結び付いて成長することが抑制され、液体中での浮遊速度が遅く、したがって液中に長期間滞留する。
本発明の方法によれば、上記マイクロバブルをバインダ溶液に混入したうえで集電体に付与するので、その後に乾燥されるまでの期間、マイクロバブルがバインダ溶液層(即ち湿潤状態のバインダ層)内に滞留し続ける。その状態でバインダ溶液層を乾燥すると、マイクロバブルが内部空間を維持したまま外部に抜けるので、乾燥後に得られたバインダ層中にマイクロバブルの抜け跡(空孔)が多数形成される。このマイクロバブルの抜け跡(空孔)を通じて(典型的には空孔に充填された活物質や導電材を介して)集電体と活物質層との間の導電パスが確保され、集電体と活物質層の界面抵抗を下げることができる。即ち、本発明の方法によれば、マイクロバブルの抜け跡(空孔)によって集電体と活物質層の界面抵抗の上昇を抑えつつ、バインダ層によって集電体と活物質層との密着性(接着強度)を高めることができ、集電性能と密着性を両立させた高性能な電池用電極を製造することができる。
ここに開示される好ましい製造方法の一態様では、上記マイクロバブルとして、前記バインダ溶液層の厚みよりも小さいバブルを混入する。ここに開示される好ましい技術では、バインダ溶液層の厚みを、5μm〜100μmの厚みに形成する。例えば、バインダ溶液層の厚みを凡そ10μmに形成する場合、直径10μm未満(典型的には1μm〜10μm、特に好ましい態様では2μm〜10μm)のバブルを混入することが好ましい。形成しようとするバインダ溶液層の厚みを超える径のマイクロバブルを使用すると、該バブルがバインダ溶液層から抜けやすくなり、バインダ層に適切な抜け跡(集電体−活物質層間の導電パスを確保するために好適なサイズの空孔)を形成することができない場合がある。
バブル径の下限は特に制限されないが、例えば1μm程度である。この径よりも小さすぎると、マイクロバブルがバインダ溶液層中で徐々に縮小して最終的に(バインダ溶液層の乾燥前に)溶解してしまい、バインダ層に適切なサイズの抜け跡(空孔)を形成できない場合がある。したがって、マイクロバブルのバブル径は、概ね1μm以上(好ましくは5μm以上)で、かつ、形成しようとするバインダ溶液層の厚み未満(例えば、10μm未満)とすることが好ましい。例えば1μm〜20μm、特に2μm〜10μmの気泡は、液体中での浮遊速度が遅く長期間存在するため、バインダ層に所望の抜け跡(空孔)を安定して形成できる点で好ましい。
ここに開示される好ましい一態様では、上記マイクロバブルとして、上記バインダ溶液の溶媒よりも比熱が小さいガスで構成されたバブルを混入する。例えば、バインダ溶液の溶媒として水(比熱4.271J/g・K)を用いる場合、水よりも比熱が小さいガスで構成されたバブルを混入する。ここに開示される好ましい技術では、Arガス(比熱0.523J/g・K)で構成されたバブルを混入する。このようにバインダ溶液の溶媒よりも比熱が小さいガスを内包させることによって、バインダ溶液層が一層乾きやすくなり、乾燥効率(延いては電極の生産性)を高めることができる。
なお、上記バインダ溶液は、上記バインダ及びマイクロバブル以外に、他のバインダ層形成成分を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、導電材が挙げられる。該導電材としてはカーボンブラック、例えばアセチレンブラック(AB)、或いはカーボンファイバー等の炭素系材料が好ましく用いられる。あるいは、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いてもよい。導電材を含むバインダ溶液を用いることにより、絶縁質なバインダ層に導電性を付与することができ、集電体と活物質層の界面抵抗をさらに下げることができる。
ここに開示される好ましい一態様では、上記マイクロバブルは、所定極性に帯電しており、上記バインダ溶液は、上記マイクロバブルの極性とは逆極性に帯電し得る導電材を含有する。例えば、マイクロバブルがマイナスに帯電している場合は、上記導電材をプラスに帯電させることが好ましい。このように導電材をプラス(マイクロバブルの極性とは逆極性)に帯電させると、電気的引力(静電引力)によって導電材がマイクロバブルの周辺に集まる。そのため、乾燥により生じたマイクロバブルの抜け跡(空孔)に導電材が選択的に配置される。このことによって、集電体と活物質層の界面抵抗を効果的に下げることができる。
本発明によると、また、ここに開示される上記何れかの方法により得られた電極を用いて構築された電池(例えばリチウム二次電池)が提供される。かかる電池は、上記電極を少なくとも一方の電極に用いて構築されていることから、優れた電池性能を示すものである。例えば、上記電極を用いて電池を構築することにより、出力特性に優れる、サイクル耐久性が高い、生産性が良い、のうちの少なくとも一つを満たす電池を提供することができる。
このような電池は、例えば自動車等の車両に搭載される電池として好適である。したがって本発明によると、ここに開示されるいずれかの電池(複数の電池が接続された組電池の形態であり得る。)を備える車両が提供される。特に、高出力が得られることから、上記電池がリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン電池)であって、該リチウム二次電池を動力源(典型的には、ハイブリッド車両または電気車両の動力源)として備える車両(例えば自動車)が好適である。
図1は、本発明の一実施形態に係る正極を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るバインダ溶液を模式的に示す図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る正極の製造工程を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る正極の製造工程を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る正極の製造工程を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る電池を模式的に示す図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る電池を搭載した車両の側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、正極および負極を備えた電極体の構成および製法、セパレータや電解質の構成および製法、電池その他の電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
特に限定することを意図したものではないが、以下では主としてリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン電池)用の正極(正極シート)を例として、本実施形態に係る電池用電極の製造方法について説明する。
ここに開示される電極製造方法は、図1に示すように、正極集電体10上に、バインダを含むバインダ層20と、正極活物質32を含む正極活物質層30とが順次積層された構成を有する電池用正極40を製造する方法である。
この電極製造方法では、まず、図2に示すように、バインダ(図示せず)を所定の溶媒(例えば水)に分散させたバインダ溶液50を調製し、該バインダ溶液にマイクロバブル52を混入する。次いで、図3に示すように、バブル52入りバインダ溶液50を集電体10に付与してバインダ溶液層(即ち湿潤状態のバインダ層)56を形成する。次いで、図4に示すように、バインダ溶液層56の上から、正極活物質32を含む活物質層形成用ペーストを付与することによって、バインダ溶液層56とペースト層(即ち湿潤状態の活物質層)36とを正極集電体10上に堆積し、そして、図5に示すように、堆積したバインダ溶液層56とペースト層36とを共に乾燥させることによって、正極集電体10上にバインダ層20および正極活物質層30が形成された正極40を得る。
ここで、マイクロバブル52とは、直径がマイクロメートルオーダー又はそれ以下のサイズ(即ち直径が1μm以下であるナノオーダー)である微細な気泡のことであり、例えば概ね50μm以下(特に好ましくは10μm以下)の気泡径を有する。マイクロバブル52は非常に細かい気泡であり、一般に帯電作用がある(典型的には図2に示すようにバブル52の表面がマイナスに帯電している)ため、気泡同士が結び付いて成長することが抑制され、液体中での浮遊速度が遅く、したがって液中に長期間滞留する。
本実施形態の方法によれば、図3及び図4に示すように、マイクロバブル52をバインダ溶液50に混入したうえで集電体10に付与するので、その後に乾燥されるまでの期間、マイクロバブル52がバインダ溶液層56内に滞留し続ける。その状態でバインダ溶液層56を乾燥すると、マイクロバブル52が内部空間を維持したまま外部に抜けるので、図5に示すように、乾燥後に得られたバインダ層20中にマイクロバブルの抜け跡(空孔)22が多数形成される。このマイクロバブルの抜け跡(空孔)22を通じて(典型的には空孔22に充填された活物質や後述する導電材54を介して)集電体10と活物質層30との間の導電パスが確保され、集電体10と活物質層30の界面抵抗を下げることができる。即ち、本実施形態の方法によれば、マイクロバブルの抜け跡(空孔)22によって集電体10と活物質層30の界面抵抗の上昇を抑えつつ、バインダ層20によって集電体10と活物質層30との密着性(接着強度)を高めることができ、集電性能と密着性を両立させた高性能な電池用電極40を製造することができる。
以下、さらに本実施形態について詳細に説明する。本実施形態の製造方法では、まず、図2に示すように、バインダを含むバインダ溶液50を調製し、該バインダ溶液50にマイクロバブル52を混入する。
上記バインダ溶液の溶媒としては、環境負荷の軽減、材料費の低減、設備の簡略化、廃棄物の減量、取扱性の向上等の種々の観点から、水系溶媒の使用が好ましい。水系溶媒としては、水または水を主体とする混合溶媒が好ましく用いられる。かかる混合溶媒を構成する水以外の溶媒成分としては、水と均一に混合し得る有機溶媒(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。例えば、該水系溶媒の80質量%以上(より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上)が水である水系溶媒の使用が好ましい。特に好ましい例として、実質的に水からなる水系溶媒が挙げられる。あるいは、溶媒は水系溶媒に限定されず、非水系溶媒であってもよい。非水系溶媒としては、例えばN−メチルピロリドン(NMP)等を用いることができる。
上記マイクロバブルを構成するガスとしては、バインダ溶液の溶媒中に安定して滞留し得るものであれば特に限定されない。例えば、アルゴン(Ar)ガス、炭酸(CO)ガス、窒素(N)ガス、空気等を使用することができる。特に好ましい例として、Arガスが挙げられる。上述した構成ガスは、それぞれ単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を併用して用いてもよい。
ここに開示される好ましい一態様では、上記マイクロバブルとして、バインダ溶液の溶媒よりも比熱が小さいガスで構成されたバブルを混入する。例えば、バインダ溶液の溶媒として水(比熱4.271J/g・K)を用いる場合、水よりも比熱が小さいガスで構成されたバブルを混入する。ここに開示される好ましい技術では、Arガス(比熱0.523J/g・K)で構成されたバブルを混入する。このようにバインダ溶液の溶媒よりも比熱が小さいガスを内包させることによって、バインダ溶液層56が乾きやすくなり、乾燥効率(延いては電極の生産性)を高めることができる。
上記マイクロバブルのバブル径(直径)としては特に限定されないが、バインダ溶液層56の厚みよりも小さいバブルを混入することが好ましい。例えば、バインダ溶液層の厚みを凡そ10μmに形成する場合、直径10μm未満(典型的には1μm〜10μm、特に好ましい態様では2μm〜10μm)のバブルを混入することが好ましい。形成しようとするバインダ溶液層56の厚みを超える径のマイクロバブルを使用すると、該バブルがバインダ溶液層56から抜けやすくなり、バインダ層20に適切な抜け跡(集電体−活物質層間の導電パスを確保するために好適なサイズの空孔)22を形成することができない場合がある。
バブル径の下限は特に制限されないが、例えば1μm程度である。この径よりも小さすぎると、マイクロバブルがバインダ溶液層中で徐々に縮小して最終的に(バインダ溶液層の乾燥前に)溶解してしまい、バインダ層20に適切なサイズの抜け跡(空孔)22を形成できない場合がある。したがって、マイクロバブルのバブル径は、概ね1μm以上(好ましくは5μm以上)で、かつ、形成しようとするバインダ溶液層の厚み未満(例えば、10μm以下)とすることが好ましい。例えば1μm〜20μm、特に2μm〜10μmの気泡は、液体中での浮遊速度が遅く長期間存在するため、バインダ層に所望の抜け跡(空孔)を安定して形成できる点で好ましい。
特に限定されるものではないが、マイクロバブルを混入したバインダ溶液の1cm当たりに含まれる気泡の合計体積は、該溶液の集電体への塗工時において、0.1cm〜0.9cm程度、好ましくは0.6cm〜0.8cm程度である。この範囲よりも上記体積が小さすぎると、バインダ層中の抜け跡(空孔)量が減りすぎて、集電体−活物質層間に適切な導電パスを形成できない場合があり、この範囲よりも上記体積が大きすぎると、バインダ層中の抜け跡(空孔)量が増えすぎて、集電体−活物質層間の適切な密着性(接着強度)が得られない場合がある。なお、典型的には上記気泡のうち10体積%以上(好ましくは50体積%以上)がマイクロバブルとして溶液中に含まれていればよい。溶液中に含まれる気泡の実質的に全部がマイクロバブルであってもよい。
このようなマイクロバブルをバインダ溶液50に混入する操作としては特に限定されない。例えば、適当なバブル発生装置(例えば、気液せん断法を用いたバブル発生装置)を使用して、上記バインダ溶液に所定量のマイクロバブルを混入することにより行うとよい。
上記バインダとしては、従来の一般的なリチウム二次電池用正極に用いられているバインダ(結着材)と同じものであればよく特に制限されない。例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)、ポリアクリル酸(PAA)、等の水溶性または水分散性のポリマーを用いることができる。あるいは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、等の有機溶剤系のポリマーを用いることができる。
なお、上記バインダ溶液は、上記バインダ及びマイクロバブル以外に、他のバインダ層形成成分を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、導電材が挙げられる。該導電材としてはカーボンブラック、例えばアセチレンブラック(AB)、或いはカーボンファイバー等の炭素系材料が好ましく用いられる。あるいは、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いてもよい。導電材を含むバインダ溶液50を用いることにより、絶縁質なバインダ層20に導電性を付与することができ、集電体と活物質層の界面抵抗をさらに下げることができる。
ここに開示される好ましい一態様では、マイクロバブル52は、所定極性に帯電しており、バインダ溶液50は、マイクロバブル52の極性とは逆極性に帯電し得る導電材54を含有する。この実施形態では、図2に示すように、マイクロバブル52の表面がマイナスに帯電している。この場合、導電材54をプラスに帯電させることが好ましい。このように導電材54をプラス(マイクロバブル52の極性とは逆極性)に帯電させると、電気的引力(静電引力)によって導電材54がマイクロバブル42の周辺に集まる。そのため、図5に示すように、乾燥により生じたマイクロバブルの抜け跡(空孔)22に導電材54が選択的に配置される。このことによって、集電体と活物質層の界面抵抗を効果的に下げることができる。
導電材54をプラスに帯電させる方法としては、特に限定されない。例えば、材料自体がはじめからプラスに帯電し得る性質をもつ導電剤を使用することができる。そのような導電剤としては、カーボンブラック(例えばアセチレンブラック)、カーボンファイバー等の炭素系材料が挙げられる。あるいは、導電材をプラスに帯電させるような特別な処置を施してもよい。そのような処置として、電圧を印加した帯電部材を導電材に接触させる接触帯電方式が採用され得る。
特に限定されるものではないが、マイクロバブルの負電位の大きさは、通常は−10mV〜−50mV(例えば−30mV)程度である。この場合、導電材の正電位の大きさは、概ね10mV〜50mVにすることが好ましく、通常は20mV〜40mV程度にすることが好ましい。上記電位の大きさは、例えばゼータ電位計により把握することができる。
なお、特に限定されるものではないが、バインダ溶液50の固形分率は凡そ2質量%以上であることが好ましく、凡そ5質量%〜40質量%であることがより好ましい。また、バインダ溶液50の固形分中に含まれるバインダの割合は、凡そ15質量%以上であることが好ましく、凡そ15質量%〜30質量%であることがより好ましい。また、バインダ溶液50の固形分中に含まれる導電材の割合は、凡そ70質量%以上であることが好ましく、凡そ70質量%〜85質量%であることがより好ましい。
このようにしてバブル52入りバインダ溶液50を調整したら、次いで、図3に示すように、該バインダ溶液を集電体10に付与(典型的には塗布)してバインダ溶液層56を形成する。
上記バインダ溶液を集電体に付与(塗布)する操作としては、一般的な流体塗布技術、例えば、印刷方式(インクジェット法、凸版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等)やディスペンサ方式を採用することができる。ここに開示される技術において集電体10にバインダ溶液50を塗布する方法として、グラビア印刷法を用いて集電体の表面にバインダ溶液を層状に塗布する方法が挙げられる。これにより、均一な厚さのバインダ溶液層56を形成することができる。バインダ溶液層の厚みは、通常は2μm〜100μm(例えば5μm〜100μm)にすることができ、例えば2μm〜20μm(典型的には5μm〜20μm、例えば10μm程度)にすることが適当である。
このようにしてバインダ溶液層56を形成したら、次に、図4に示すように、該バインダ溶液層56の上から、活物質を含む活物質層形成用ペーストを付与することによって、バインダ溶液層56とペースト層(湿潤状態の活物質層)36とを集電体10上に堆積する。
ここで、活物質層形成用ペーストは、正極活物質(典型的には粉末状)32と、必要に応じて使用される他の正極活物質層形成成分とを適当な溶媒中で混合することにより調製され得る。
上記正極活物質(典型的には粉末状)32としては、典型的なリチウムイオン二次電池に用いられるものと同じであればよく特に限定されない。正極に用いられる正極活物質32の代表例としては、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムマンガン酸化物(LiMn)等の、リチウムと一種または二種以上の遷移金属元素とを構成金属元素として含む酸化物(リチウム含有複合酸化物)を主成分とする正極活物質が挙げられる。このようなリチウム含有複合酸化物としては、例えば、従来公知の方法で調製されるリチウム含有複合酸化物粉末をそのまま使用することができる。例えば、平均粒径が凡そ1μm〜25μmの範囲にある二次粒子によって実質的に構成されたリチウム含有複合酸化物粉末を正極活物質として好ましく用いることができる。
上記活物質層形成用ペーストに用いられる溶媒の好適例としては、水または水を主体とする混合溶媒(水系溶媒)が挙げられる。かかる混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶媒(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。溶媒は水系溶媒に限定されず、非水系溶媒であってもよい。非水系溶媒としては、例えばN−メチルピロリドン(NMP)等を用いることができる。
上記活物質層形成用ペーストには、一般的なリチウム二次電池において正極活物質層の構成成分として使用され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、導電材が挙げられる。該導電材は、バインダ層30に含まれる導電材54と同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。その他、正極活物質層の成分として使用され得る材料としては、上記構成材料のバインダ(結着剤)として機能し得る各種のポリマー材料が挙げられる。このバインダは、バインダ層30に含まれるバインダと同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
このような活物質層形成用ペーストを集電体10に付与(典型的には塗布)する操作は、該集電体として上述のように表面にバインダ溶液層56が形成されたものを用いる点以外は従来の一般的なリチウム二次電池用正極の作製と同様にして行うことができる。例えば、適当な塗布装置(ダイコーター等)を使用して、上記バインダ溶液層56の上から上記集電体10に所定量の上記活物質層形成用ペースト36を塗布することにより、ペースト層36が形成され得る。
このようにしてバインダ溶液層56及びペースト層36を集電体上に堆積したら、次に、図5に示すように、堆積したバインダ溶液層56とペースト層36とを共に乾燥させることによって、集電体10上にバインダ層20および活物質層30が順次形成された正極40を得る。
バインダ溶液層及びペースト層の乾燥方法としては、従来の一般的なリチウム二次電池用正極の作製と同様にして行うことができる。例えば、適当な乾燥炉に上記集電体10を通過させ、該集電体10の両面から熱風を当てることにより、バインダ溶液層及びペースト層を乾燥することができる。
特に限定するものではないが、ここに開示される技術では、上記ペースト層中の溶媒を液面面積1m当たり3.0ml/s以上(すなわち3.0ml/s・m以上)、例えば3.2ml/s・m〜5.0ml/s・m(好ましくは4.0ml/s・m〜5.0ml/s・m)の速度で揮発させることができる。本実施形態の方法によれば、ペーストの乾燥速度を設定するにあたってバインダのマイグレーション(偏在)を考慮しなくてもよいため、ペースト層中の溶媒を3.0ml/s・m以上(好ましくは4.0ml/s・m以上)の高速で乾燥でき、生産性が飛躍的に向上する。
このようにして、正極集電体10上に、バインダを含むバインダ層20と、正極活物質32を含む活物質層30とが順次積層された構成を有する電池用正極40を製造することができる。なお、乾燥後、必要に応じて適当なプレス処理(例えば、ロールプレス法、平板プレス法等の従来公知の各種プレス方法を採用することができる。)を施すことによって、正極活物質層30の厚みや密度を適宜調整することもできる。
このようにして得られた電極40は、前述したように集電体10と活物質層30の界面抵抗が小さく、かつ、集電体10と活物質層30の密着性に優れることから、種々の形態の電池の構成要素または該電池に内蔵される電極体の構成要素(例えば正極)として好ましく利用され得る。
例えば、ここに開示されるいずれかの方法により得られた正極と、負極(本発明を適用して製造された負極であり得る。)と、該正負極間に配置される電解質と、典型的には正負極間を離隔するセパレータ(固体状またはゲル状の電解質を用いた電池では省略され得る。)と、を備えるリチウム二次電池の構成要素として好ましく使用され得る。かかる電池を構成する外容器の構造(例えば金属製の筐体やラミネートフィルム構造物)やサイズ、あるいは正負極集電体を主構成要素とする電極体の構造(例えば捲回構造や積層構造)等について特に制限はない。
このようにして構築された電池は、集電体10と活物質層30の密着性に優れ、かつ、集電体10と活物質層30との界面抵抗が小さい電極40を備えているため、優れた電池性能を示すものである。例えば、上記電極を用いて電池を構築することにより、出力特性に優れる、サイクル耐久性が高い、生産性が良い、のうちの少なくとも一つを満たす電池を提供することができる。
以下、上述した方法を適用して製造された正極(正極シート)40を用いて構築されるリチウム二次電池の一実施形態につき、図6に示す模式図を参照しつつ説明する。このリチウム二次電池100は、正極(正極シート)40として、上述したバブル入りバインダ溶液50を用いる方法を適用して製造された正極(正極シート)40が用いられている。
図示するように、本実施形態に係るリチウム二次電池100は、金属製(樹脂製又はラミネートフィルム製も好適である。)のケース82を備える。このケース(外容器)82は、上端が開放された扁平な直方体状のケース本体84と、その開口部を塞ぐ蓋体86とを備える。ケース82の上面(すなわち蓋体86)には、電極体80の正極40と電気的に接続する正極端子74および該電極体の負極70と電気的に接続する負極端子72が設けられている。ケース82の内部には、例えば長尺シート状の正極(正極シート)40および長尺シート状の負極(負極シート)70を計二枚の長尺シート状セパレータ(セパレータシート)76とともに積層して捲回し、次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって作製される扁平形状の捲回電極体80が収容される。
正極シート40は、上述したように、長尺シート状の正極集電体10の両面に正極活物質を主成分とする負極活物質層30がバインダ層20を介して設けられた構成を有する(図1参照)。正極集電体にはアルミニウム箔その他の正極に適する金属箔が好適に使用される。また、負極シート70も正極シートと同様に、長尺シート状の負極集電体の両面に負極活物質を主成分とする負極活物質層が設けられた構成を有する。なお、ここに開示される電極製造方法は、正極および負極のいずれの製造にも適用することができる。負極シート70も正極シート30と同様に、上述したバブル入りバインダ溶液50を用いる方法を適用して製造された負極シート70であってもよい。これらの電極シート30、70の幅方向の一端には、いずれの面にも上記電極活物質層が設けられていない電極活物質層非形成部分が形成されている。
上記積層の際には、正極シート40の正極活物質層非形成部分と負極シート70の負極活物質層非形成部分とがセパレータシート76の幅方向の両側からそれぞれはみ出すように、正極シート40と負極シート70とを幅方向にややずらして重ね合わせる。その結果、捲回電極体80の捲回方向に対する横方向において、正極シート40および負極シート70の電極活物質層非形成部分がそれぞれ捲回コア部分(すなわち正極シート40の正極活物質層形成部分と負極シート70の負極活物質層形成部分と二枚のセパレータシート76とが密に捲回された部分)から外方にはみ出ている。かかる正極側はみ出し部分(すなわち正極合材層の非形成部分)40Aおよび負極側はみ出し部分(すなわち負極活物質層の非形成部分)70Aには、正極リード端子79および負極リード端子78がそれぞれ付設されており、上述の正極端子74および負極端子72とそれぞれ電気的に接続される。
なお、捲回電極体80を構成する正極シート40以外の構成要素は、従来のリチウム二次電池の電極体と同様でよく、特に制限はない。例えば、負極シート70は、長尺状の負極集電体の上にリチウム二次電池用負極活物質を主成分とする負極活物質層が付与されて形成され得る。負極集電体には銅箔その他の負極に適する金属箔が好適に使用される。負極活物質は従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。好適例として、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料、リチウム遷移金属複合酸化物(リチウムチタン複合酸化物等)、リチウム遷移金属複合窒化物等が例示される。
また、正負極シート40、70間に使用されるセパレータシート76の好適例としては、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。なお、電解質として固体電解質もしくはゲル状電解質を使用する場合には、セパレータが不要な場合(すなわちこの場合には電解質自体がセパレータとして機能し得る。)があり得る。
そして、ケース本体84の上端開口部から該本体84内に捲回電極体80を収容するとともに適当な電解質を含む電解液をケース本体84内に配置(注液)する。電解質は例えばLiPF等のリチウム塩である。例えば、適当量(例えば濃度1M)のLiPF等のリチウム塩をジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒(例えば質量比1:1)に溶解してなる非水電解液を使用することができる。
その後、上記開口部を蓋体86との溶接等により封止し、本実施形態に係るリチウム二次電池100の組み立てが完成する。ケース82の封止プロセスや電解質の配置(注液)プロセスは、従来のリチウム二次電池の製造で行われている手法と同様でよく、本発明を特徴付けるものではない。このようにして本実施形態に係るリチウム二次電池100の構築が完成する。
このようにして構築されたリチウム二次電池100は、上述したマイクロバブル入りバインダ溶液50を用いる方法を適用して製造された電極を少なくとも一方の電極に用いて構築されていることから、優れた電池性能を示すものである。例えば、上記電極を用いて電池を構築することにより、出力特性に優れる、サイクル耐久性が高い、生産性が良い、のうちの少なくとも一つを満たすリチウム二次電池100を提供することができる。
本発明によれば、集電体上にバインダ層と活物質層とが順次積層された構成の電池用電極において、集電体と活物質層の界面抵抗を下げることができる電池用電極の製造方法を提供することができる。
本発明に係る電池(例えばリチウム二次電池)は、上記のとおり電池性能に優れることから、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。したがって本発明は、図7に模式的に示すように、かかる電池(組電池の形態であり得る。)100を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)1を提供する。

Claims (8)

  1. 集電体上に、バインダを含むバインダ層と、活物質を含む活物質層とが順次積層された構成を有する電池用電極を製造する方法であって、
    バインダを含むバインダ溶液にマイクロバブルを混入する工程と、
    前記バブル入りバインダ溶液を集電体に付与してバインダ溶液層を形成する工程と、
    前記バインダ溶液層の上から、活物質を含む活物質層形成用ペーストを付与することによって、前記バインダ溶液層とペースト層とを集電体上に堆積する工程と、
    前記堆積したバインダ溶液層とペースト層とを共に乾燥させることによって、前記集電体上にバインダ層および活物質層が形成された電極を得る工程と
    を包含する、電池用電極の製造方法。
  2. 前記マイクロバブルとして、前記バインダ溶液層の厚みよりも小さいバブルを混入する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記バインダ溶液層を、5μm〜100μmの厚みに形成する、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記マイクロバブルとして、前記バインダ溶液の溶媒よりも比熱が小さいガスで構成されたバブルを混入する、請求項1から3の何れか一つに記載の製造方法。
  5. 前記マイクロバブルとして、Arガスで構成されたバブルを混入する、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記マイクロバブルは、所定極性に帯電しており、
    前記バインダ溶液は、前記マイクロバブルの極性とは逆極性に帯電し得る導電材を含有する、請求項1から5の何れか一つに記載の製造方法。
  7. 請求項1から6の何れか一つに記載の方法により得られた電極を備えるリチウム二次電池。
  8. 請求項7に記載の電池を備える車両。
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