JP5396743B2 - ヘッド用制御部、及び、ヘッドユニット - Google Patents

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Description

本発明は、ヘッド用制御部、及び、ヘッドユニットに関する。
インクジェットプリンタのような液体吐出装置には、ノズル毎の制御データを用いて液体滴の吐出を制御するものがある(例えば特許文献1を参照)。この液体吐出装置では、メインコントローラ及びヘッドユニットが専用品として設計されている。このため、メインコントローラからヘッドユニットへ送信される制御データは、そのヘッドユニットに適したデータ量(ビット数)に定められている。
特開2008−12732号公報
専用品であったヘッドユニットを汎用品にしたいという要望がある。しかし、ヘッドユニットを汎用品にする場合、データ量の異なる制御データでも使用できるようにしなければならない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、データ量の異なる制御データであっても使用できるようにすることにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
(A)第1入力部及び第2入力部を有し、液体の吐出を制御する際に用いられる制御データが入力される入力部と、
(B)第1ノズル群用の第1制御データを記憶する第1制御データ記憶部、及び、第2ノズル群用の第2制御データを記憶する第2制御データ記憶部を有する制御データ記憶部と、
(C)前記第1制御データ及び前記第2制御データ及びを前記制御データ記憶部へ記憶させるための処理を行う処理部であって、
前記第1入力部と前記第2入力部の1つから入力された、前記第1制御データを前記第1制御データ記憶部に記憶させ、前記第2制御データを前記第2制御データ記憶部に記憶させる第1処理と、
前記第1入力部から入力された前記第1制御データを前記第1制御データ記憶部に記憶させ、前記第2入力部から入力された前記第2制御データを前記第2制御データ制御部に記憶させる第2処理とを、選択して行う処理部と、
(D)を有するヘッド用制御部である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
すなわち、(A)液体の吐出を制御する際に用いられる制御データが入力される第1入力部及び第2入力部と、前記制御データのデータ量に応じた動作モードに関する情報が入力されるモード入力部と、からなる入力部と、(B)第1ノズル群用の第1制御データを記憶する第1制御データ記憶部、及び、第2ノズル群用の第2制御データを記憶する第2制御データ記憶部を有する制御データ記憶部と、(C)前記第1制御データ及び前記第2制御データを前記制御データ記憶部へ記憶させるための処理を行う処理部であって、前記第1入力部と前記第2入力部の1つから入力された、前記第1制御データを前記第1制御データ記憶部に記憶させ、前記第2制御データを前記第2制御データ記憶部に記憶させる第1処理と、前記第1入力部から入力された前記第1制御データを前記第1制御データ記憶部に記憶させ、前記第2入力部から入力された前記第2制御データを前記第2制御データ記憶部に記憶させる第2処理とを、前記動作モードに関する情報に基づき選択して行う処理部と、(D)を有するヘッド用制御部を実現できることが明らかにされる。
このようなヘッド用制御部によれば、受信すべき制御データのデータ量に応じて適切な処理を選択でき、データ量の異なる制御データであっても使用できる。
かかるヘッド用制御部であって、モード情報を記憶するモード情報記憶部を有し、前記処理部は、前記モード情報記憶部に記憶された前記モード情報を参照することで、前記第1処理と前記第2処理の何れかを選択することが好ましい。
このようなヘッド用制御部によれば、モード情報記憶部に記憶させるモード情報に基づいて適切な処理を選択できる。
かかるヘッド用制御部であって、前記モード情報記憶部は、前記第1処理に対応した第1モード情報と前記第2処理に対応した第2モード情報の少なくとも一方を記憶し、前記処理部は、参照したモード情報が前記第1モード情報であった場合に前記第1処理を行い、前記参照したモード情報が前記第2モード情報であった場合に前記第2処理を行うことが好ましい。
このようなヘッド用制御部によれば、モード情報記憶部に記憶させるモード情報に基づいて適切な処理を選択できる。
かかるヘッド用制御部であって、前記第1制御データ記憶部は、前記第1ノズル群に属するノズル毎に液体滴の吐出に関する情報を記憶する第1シフトレジスタ群であり、前記第2制御データ記憶部は、前記第2ノズル群に属するノズル毎に液体滴の吐出に関する情報を記憶する第2シフトレジスタ群であることが好ましい。
このようなヘッド用制御部によれば、多数のノズルについての制御データを少ない配線で扱うことができる。
かかるヘッド用制御部であって、前記処理部は、前記第1処理を選択した場合に、入力された前記第1制御データ及び前記第2制御データを、前記第1シフトレジスタ群及び前記第2シフトレジスタ群の一方から他方へ伝送させ、かつ、前記第2処理を選択した場合に、前記第1入力部からの前記制御データを前記第1シフトレジスタ群に入力し、前記第2入力部からの前記制御データを前記第2シフトレジスタ群に入力する、マルチプレクサを有することが好ましい。
このようなヘッド用制御部によれば、制御データの入力先を容易に切り替えることができる。
かかるヘッド用制御部であって、モード情報を記憶するモード情報記憶部を有し、前記マルチプレクサは、前記モード情報に基づいて動作をすることが好ましい。
このようなヘッド用制御部によれば、制御データの入力先を容易に切り替えることができる。
かかるヘッド用制御部であって、前記モード情報記憶部は、前記モード情報を書き換え可能な状態で記憶することが好ましい。
このようなヘッド用制御部によれば、データ量の異なる複数種類の制御データについて容易に対応できる。
また、次のヘッドユニットを実現できることも明らかにされる。
すなわち、液体を吐出するヘッドと、前記ヘッドを制御するためのヘッド用制御部と、を有するヘッドユニットであって、前記ヘッド用制御部は、第1入力部及び第2入力部を有し、液体の吐出を制御する際に用いられる制御データが入力される入力部と、前記ヘッドが有する第1ノズル群用の第1制御データを記憶する第1制御データ記憶部、及び、前記ヘッドが有する第2ノズル群用の第2制御データを記憶する第2制御データ記憶部を有する制御データ記憶部と、前記制御データを前記制御データ記憶部へ記憶させるための処理を行う処理部であって、前記第1入力部と前記第2入力部の1つから入力された、前記第1制御データを前記第1制御データ記憶部に記憶させ、前記第2制御データを前記第2制御データ記憶部に記憶させる第1処理、及び、前記第1入力部から入力された前記第1制御データを前記第1制御データ記憶部に記憶させ、前記第2入力部から入力された前記第2制御データを前記第2制御データ制御部に記憶させる第2処理のうち、予め定められた方の処理を行う処理部と、を有するヘッドユニットを実現できることも明らかにされる。
===第1実施形態===
<印刷システムについて>
図1に例示した印刷システムは、プリンタ1と、コンピュータCPとを有する。プリンタ1は液体吐出装置に相当し、用紙、布、フィルム等の媒体に向けて、液体の一種であるインクを吐出する。なお、インクには水性インクの他、油性インクも含まれる。媒体は、液体が吐出される対象となる対象物である。コンピュータCPは、プリンタ1と通信可能に接続されている。プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータCPは、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に送信する。
<プリンタ1の概要>
プリンタ1は、用紙搬送機構10、キャリッジ移動機構20、駆動信号生成回路30、ヘッドユニット40、各種のセンサ50、及び、プリンタ側コントローラ60を有する。
用紙搬送機構10は、用紙を搬送方向に搬送させる。キャリッジ移動機構20は、ヘッドユニット40を所定の移動方向(例えば紙幅方向)に移動させる。駆動信号生成回路30は、ヘッドユニット40が有するピエゾ素子431(図3を参照)を動作させるための駆動信号COMを生成する。ヘッドユニット40は、ヘッドHDとヘッド制御部HCを有する。ヘッドHDは、インクを用紙に向けて吐出させる。ヘッド制御部HCは、プリンタ側コントローラ60からのヘッド制御信号に基づいてヘッドHDを制御する。例えば、駆動信号COMにおける必要な部分をピエゾ素子431へ印加する。各センサ50は、プリンタ1の状況を監視する。各センサ50による検出結果は、プリンタ側コントローラ60に出力される。プリンタ側コントローラ60は主制御部に相当し、プリンタ1における全体的な制御を行う。このため、プリンタ側コントローラ60は、インクの吐出を制御する際に用いられる各種の情報を、ヘッド制御部HCへ送信する。プリンタ側コントローラ60は、ASIC61と本体側メモリ62とを有する(後述する)。そして、ASIC61、本体側メモリ62、及び、駆動信号生成回路30は、本体側基板CBに実装されている。また、本体側基板CBとヘッドユニット40とは、可撓性を有するフラットケーブルFCによって電気的に接続されている。
<ヘッドユニット40について>
図2及び図3に示すように、ヘッドユニット40は、ヘッドHDと、ヘッド制御部HCと、ヘッド側ケーブル46と、中継基板47を有する。本実施形態のヘッドユニット40は、種々のプリンタ1に取り付けられるように汎用性を持たせている。なお、この点については後述する。
ヘッドHDは、ケース41と、流路ユニット42と、ピエゾ素子群43を有する。ケース41は、ピエゾ素子群43を収容空部411に収容して固定する。また、収容空部411には、ヘッド制御部HCやヘッド側ケーブル46も収容されている。ケース41の先端面には、流路ユニット42が接合される。流路ユニット42には、共通インク室421からインク供給路422及び圧力室423を通ってノズル424に至る一連のインク流路(液体流路に相当する。)が設けられている。プリンタ1の使用時において、インク流路はインクで満たされている。そして、圧力室423で与えられるインクの圧力変化により、ノズル424からはインク滴が吐出される。ノズル424は、所定方向に所定ピッチで設けられており、ノズル列を構成している。インク流路はノズル424毎に設けられている。例示したヘッドHDでは、368個のノズル424でノズル列が構成されている。これらのノズル424のうち、1番目から4番目のノズル424、及び、365番目から368番目のノズル424はダミーノズル群を構成する。また、5番目から184番目の各ノズル424が第1ノズル群を構成し、185番目から364番目の各ノズル424が第2ノズル群を構成する。各ピエゾ素子431は、駆動信号COMの印加によって変形し、対応する圧力室423の容積を変化させる。これにより、圧力室423内のインクに圧力変化が与えられる。
ヘッド制御部HCは、ヘッドHDを制御する部分である。具体的には、ピエゾ素子431の変形を制御する部分である。ヘッド制御部HCは、制御IC44とメモリIC45とを有し、ヘッド側ケーブル46に実装されている。ヘッド側ケーブル46は、ヘッドHDが有する各ピエゾ素子431と中継基板47とを電気的に接続する。このヘッド側ケーブル46は、可撓性を有するフィルム状の配線部材、例えば電気的な絶縁性を有するフィルムで芯線を挟んだ配線部材によって構成されている。なお、ヘッド側ケーブル46が有する各芯線は、ヘッド制御部HC(制御IC44,メモリIC45)にも接続されている。中継基板47は、ヘッド側ケーブル46とフラットケーブルFCとの間に設けられており、ヘッド側ケーブル46とフラットケーブルFCを電気的に接続する。これにより、プリンタ側コントローラ60及び駆動信号生成回路30とヘッド制御部HC及び各ピエゾ素子431との間は、電気的に接続されている。
<ヘッド制御部HCについて>
図4、図5A及び図5Bに示すように、ヘッド制御部HCが有する制御IC44は、制御ロジック441と、シフトレジスタ群442と、ラッチ回路群443と、デコーダ群444と、スイッチ群445を有する。制御ロジック441は、スイッチ群445が有する各スイッチ445aの動作を定めるためのスイッチ動作データSPを記憶する。このスイッチ動作データSPは、ドット形成データSIに続けてプリンタ側コントローラ60から送信される。このプリンタ1におけるスイッチ動作データSPは、例えば4種類のデータq0〜q3によって構成される。これらのデータq0〜q3は、デコーダ群444が有する各デコーダ444aへ出力される。そして、デコーダ444aで選択されたデータが、対応するスイッチ445aへ出力される。
シフトレジスタ群442には、ノズル424毎に定められるドット形成データSIがセットされる。ドット形成データSIは、インク滴の吐出量をノズル424毎に定めるためのデータであり、液体の吐出を制御する際に用いられる制御データの一種である。このプリンタ1において、ドット形成データSIは2ビットデータで構成されている。このため、インク滴の吐出量を4段階で定めることができる。例えば、データ[00]はインク滴の非吐出を示し、データ[01]は小ドットの形成に適した量のインク滴を吐出させることを示す。同様に、データ[10]は中ドットの形成に適した量、データ[11]は大ドットの形成に適した量のインク滴を吐出させることをそれぞれ示す。そして、シフトレジスタ群442は、ドット形成データSIの上位ビットを記憶する上位側シフトレジスタ442aとドット形成データSIの下位ビットを記憶する下位側シフトレジスタ442bの組を、複数のノズル424のそれぞれについて有する。なお、ドット形成データSIが制御データの一種であることから、シフトレジスタ群442は、制御データを記憶する制御データ記憶部の一種である。このシフトレジスタ群442の構成については後述する。
ラッチ回路群443は、複数のラッチ回路を有しており、シフトレジスタ群442が有する各シフトレジスタにセットされたドット形成データSIをラッチする。このラッチ回路群443は、シフトレジスタ群442と同様に、上位側ラッチ回路443aと下位側ラッチ回路443bの組を、複数のノズル424のそれぞれについて有している。そして、上位側ラッチ回路443aは、上位側シフトレジスタ442aにセットされたドット形成データSIの上位ビットを、プリンタ側コントローラ60から送られるラッチ信号で規定されるタイミングでラッチする。下位側ラッチ回路443bは、下位側シフトレジスタ442bにセットされたドット形成データSIの下位ビットをラッチ信号で規定されるタイミングでラッチする。これらの上位側ラッチ回路443a及び下位側ラッチ回路443bでラッチされることにより、シフトレジスタ群442にセットされたドット形成データSIはノズル424毎の組とされる。そして、ラッチされたドット形成データSIは、各デコーダ444aに入力される。
デコーダ群444は複数のデコーダ444aを有する。デコーダ444aは、ノズル424毎に設けられており、制御ロジック441からのスイッチ動作データSP(q0〜q3)を、対応するラッチ回路の組443a,443bでラッチされたドット形成データSIに基づいて選択する。例えば図5Bに示すように、デコーダ444aは、ドット形成データSIがデータ[00]のときにスイッチ動作データSPとしてデータq0を選択し、ドット形成データSIがデータ[01]のときにスイッチ動作データSPとしてデータq1を選択する。同様に、ドット形成データSIがデータ[10]のときにスイッチ動作データSPとしてデータq2を、ドット形成データSIがデータ[11]のときにスイッチ動作データSPとしてデータq3をそれぞれ選択する。そして、デコーダ444aは、選択したスイッチ動作データSPを対応するスイッチ445aに出力する。このため、デコーダ444aは、スイッチ動作データ出力部の一種である。
スイッチ群445もノズル424毎に設けられた複数のスイッチ445aを有する。各スイッチ445aは、スイッチ動作データSPに基づいてオンオフが制御される。そして、スイッチ445aがオン状態のとき、駆動信号COMはピエゾ素子431に印加される。また、スイッチ445aがオフ状態のとき、駆動信号COMはピエゾ素子431に印加されない。これにより、駆動信号COMにおける必要な部分がピエゾ素子431に印加されることになる。そして、ピエゾ素子431は、印加された駆動信号COMの電位に応じて変形し、圧力室423内のインクに圧力変化を与える。その結果、ドット形成データSIの内容に応じてインク滴の吐出制御が行われる。
また、ヘッド制御部HCが有するメモリIC45は、ヘッド側メモリとして機能するものであり、ヘッド側ケーブル46を介して制御IC44と通信可能に接続されている。このメモリIC45は、モード情報記憶部の一種であり、ヘッドHDの動作モードに関する情報(以下、モード情報ともいう。)を記憶する。このメモリIC45は、ヘッド側ケーブル46、中継基板47、及び、フラットケーブルFC等を通じてプリンタ側コントローラ60と電気的に接続されている。そして、図4に符号RWで示すように、記憶された情報の読み出しや情報の書き込みが、プリンタ側コントローラ60からもできるように構成されている。
<プリンタ側コントローラ60について>
図1に示すように、プリンタ側コントローラ60は、ASIC61と本体側メモリ62を有している。ASIC61は、プリンタ1を動作させるために必要なパーツを組み込んだ集積回路である。また、本体側メモリ62には、プリンタ1を制御するための各種のプログラムやデータが記憶される。ASIC61は、CPU63、I/F64、及び、制御ユニット65を備えている。CPU63は、本体側メモリ62に記憶されたコンピュータプログラムに従って動作し、プリンタ1の動作を統括的に制御する。例えば、CPU63は、制御ユニット65を通じて制御の対象部(用紙搬送機構10,キャリッジ移動機構20等)を制御することで、用紙に画像を印刷させる。I/F64は、コンピュータCPとの通信を制御する。制御ユニット65は、CPU63からの命令に基づいて各種の制御を行う。図6に示すように、制御ユニット65は、DACデータ出力部651、モータドライバ652、及び、データ送信部653を有する。DACデータ出力部651は、駆動信号生成回路30で用いられる制御信号としてDACデータを出力する。このDACデータは、駆動信号COMの電位を定める。従って、DACデータの与え方次第で所望の電位波形を有する駆動信号COMを生成できる。モータドライバ652は、モータを制御するためのモータ制御信号を出力する。このモータ制御信号は、例えば用紙搬送機構10が有するモータやキャリッジ移動機構20が有するモータへ出力される。データ送信部653は、ドット形成データSIやスイッチ動作データSPのヘッドユニット40への送信を制御する。このデータ送信部653は、例えば図6に示すように、書込送信制御部653aと出力バッファ653bを有する。書込送信制御部653aは、ドット形成データSIやスイッチ動作データSPを本体側メモリ62から読み出したり、読み出したドット形成データSIやスイッチ動作データSPを出力バッファ653bに書き込んだりする。また、書込送信制御部653aは、出力バッファ653bに書き込んだドット形成データSIを所定のデータ量毎に送信したりする。
<ドット形成データSI等について>
ドット形成データSIのデータ量(ビット数,data length)は、出力バッファ653bの構成に応じて定められる。図7は、出力バッファ653bを説明するための概念図である。出力バッファ653bは、例えばMワード×16ビットの記憶容量を有している。そして、各ワードが1つのノズル424に対応しており、1つのドットあたり2ビットが割り当てられている。符号X1で示す2ビットのデータ(1番目のワードにおける最上位ビット及び上位から2番目のビット)は、1番目のノズル424(先頭ノズル)で形成されるドットであって、キャリッジ移動方向のn番目に形成されるドットのデータである。そして、符号X2で示す2ビットのデータ(1番目のワードにおける最下位ビット及び下位から2番目のビット)は、1番目のノズル424で形成されるドットであって、キャリッジ移動方向の(n+8)番目に形成されるドットのデータである。同様に、符号X3で示す2ビットのデータ(N番目のワードにおける最上位ビット及び2番目のビット)は、N番目のノズル424(最終ノズル)で形成されるドットであって、キャリッジ移動方向のn番目に形成されるドットのデータである。そして、N+1ワード以降の領域には、スイッチ動作データSPが記憶される。
そして、データ送信部653の書込送信制御部653aは、ドット形成データSIを出力バッファ653bで定められる単位毎に読み出して送信する。図7の例において書込送信制御部653aは、まず最上位ビットのドット形成データSIを送信する。すなわち、n番目に形成されるドットについて、ドット形成データSIにおける上位ビットのデータを、1番目からN番目まで読み出して送信する。次に上位から2番目のビットのデータを1番目からN番目まで読み出して送信する。すなわち、n番目に形成されるドットについて、ドット形成データSIにおける下位ビットのデータを、1番目からN番目まで読み出して送信する。その後、スイッチ動作データSPを読み出して送信する。
n番目に形成されるドットについて、ドット形成データSI及びスイッチ動作データSPを送信したならば、書込送信制御部653aは、n+1番目に形成されるドットについて、ドット形成データSI及びスイッチ動作データSPを送信する。この場合、上位から3番目のビットのデータを1番目からN番目まで読み出して、ドット形成データSIにおける上位ビットのデータとして送信し、上位から4番目のビットのデータを1番目からN番目まで読み出して、ドット形成データSIにおける下位ビットのデータとして送信する。その後、スイッチ動作データSPを読み出して送信する。
図8Aに示すように、ヘッドユニット40への送信データは、Nビット分のドット形成データSIの上位ビットのデータと、同じくNビット分のドット形成データSIの下位ビットのデータと、所定ビット数のスイッチ動作データSPが、ひとまとまりの単位(送信単位)となる。そして、ドット形成データSIにおける上位ビットのデータ及び下位ビットのデータのデータ量は、出力バッファ653bのワードの数に応じて定まる。すなわち、データ送信部653の仕様によって定まる。例えば、出力バッファ653bが184ワード(#N=184)の場合、図8Bに示すように、ドット形成データSIは、上位ビットのデータ群と下位ビットのデータ群とを合わせて368ビットになる。ここで、本実施形態のヘッドHDは、1つのノズル列に属するノズル424の数が368個であるので、1つのノズル列に対し、書込送信制御部653aと出力バッファ653bの組を2組用意する必要がある。一方、出力バッファ653bが368ワード(#N=368)の場合、図8Cに示すように、ドット形成データSIは、上位ビットのデータ群と下位ビットのデータ群とを合わせて736ビットになる。このため、本実施形態のヘッドHDについては、1つのノズル列に対して書込送信制御部653aと出力バッファ653bの組を1組用意すればよい。
ここで、ヘッドユニット40及びデータ送信部653がそれぞれ専用設計であれば、ヘッドユニット40の仕様に適合するようにデータ送信部653を設計したり、データ送信部653の仕様に適合するようにヘッドユニット40を設計したりすることができる。しかし、前述したように、本実施形態のヘッドユニット40は、種々のプリンタ1に取り付けられるようにしている。このため、データ送信部653の仕様が異なっていても対応できるように汎用性を持たせている。すなわち、ヘッドユニット40への送信データのデータ量(ビット数)が異なっていても動作できるように、ヘッド制御部HCを作製している。以下、この点について説明する。
<シフトレジスタ群442とその周辺部について>
図9は、シフトレジスタ群442及びその周辺部を説明するための図である。図9に示すように、シフトレジスタ群442は、番号の小さい前半側のノズル群(後述する第1グループのノズル群)についてドット形成データSIを記憶する前半側シフトレジスタ群442Aと、番号の大きい後半側のノズル群(後述する第2グループのノズル群)についてドット形成データSIを記憶する後半側シフトレジスタ群442Bとを有する。
前半側シフトレジスタ群442Aは、1番目から184番目のノズル用のドット形成データSIを記憶する。すなわち、前半側ダミーノズル群と第1ノズル群用のドット形成データSIを記憶する。この前半側シフトレジスタ群442Aは、前半側ダミーノズル群用のドット形成データSIを記憶するグループと第1ノズル群用のドット形成データSIを記憶するグループとに分けられている。さらに、ドット形成データSIの上位ビットを記憶するグループと下位ビットを記憶するグループにも分けられている。従って、前半側シフトレジスタ群442Aは、4つのグループに分けられている。
便宜上、前半側シフトレジスタ群442Aの各グループについては、第1上位グループSH1、第1下位グループSL1、第1ダミー上位グループDH1、及び、第1ダミー下位グループDL1ということにする。すなわち、第1上位グループSH1は、第1ノズル群用のドット形成データSIにおける上位ビットを記憶するためのグループを意味し、第1下位グループSL1は、第1ノズル群用のドット形成データSIにおける下位ビットを記憶するためのグループを意味する。第1ダミー上位グループDH1は、前半側ダミーノズル群用のドット形成データSIにおける上位ビットを記憶するためのグループを意味し、第1ダミー下位グループDL1は、前半側ダミーノズル群用のドット形成データSIにおける下位ビットを記憶するためのグループを意味する。
後半側シフトレジスタ群442Bは、185番目から368番目のノズル用のドット形成データSIを記憶する。すなわち、第2ノズル群と後半側ダミーノズル群用のドット形成データSIを記憶する。後半側シフトレジスタ群442Bも、ドット形成データSIの上位ビットを記憶するグループと、下位ビットを記憶するグループとに分けられ、かつ、ドット形成データSIの上位ビットを記憶するグループと下位ビットを記憶するグループとに分けられている。従って、後半側シフトレジスタ群442Bもまた、4つのグループに分けられている。便宜上、後半側シフトレジスタ群442Bの各グループについては、第2上位グループSH2、第2下位グループSL2、第2ダミー上位グループDH2、及び、第2ダミー下位グループDL2ということにする。すなわち、第2上位グループSH2は、第2ノズル群用のドット形成データSIにおける上位ビットを記憶するためのグループを意味し、第2下位グループSL2は、第2ノズル群用のドット形成データSIにおける下位ビットを記憶するためのグループを意味する。第2ダミー上位グループDH2は、後半側ダミーノズル群用のドット形成データSIにおける上位ビットを記憶するためのグループを意味し、第2ダミー下位グループDL2は、後半側ダミーノズル群用のドット形成データSIにおける下位ビットを記憶するためのグループを意味する。
シフトレジスタ群442に関連して、第1データ入力部SI_1、第2データ入力部SI_2、及び、複数のマルチプレクサMX1〜MX13が設けられている。第1データ入力部SI_1及び第2データ入力部SI_2は、例えば、ドット形成データSIが入力される端子によって構成される。なお、第1データ入力部SI_1及び第2データ入力部SI_2に入力されるドット形成データSIは、それぞれ制御ロジック441を通じて送られてくるものである。各マルチプレクサMX1〜MX13は、第1データ入力部SI_1や第2データ入力部SI_2に入力されたドット形成データSIの伝送経路を定める。言い換えれば、各マルチプレクサMX1〜MX13は、第1データ入力部SI_1に入力されたドット形成データSIや第2データ入力部SI_2に入力されたドット形成データSIを、前半側シフトレジスタ群442Aや後半側シフトレジスタ群442Bに記憶させるための処理を行う。このため、各マルチプレクサMX1〜MX13は処理部の一種に相当し、制御データとしてのドット形成データSIを、制御データ記憶部としてのシフトレジスタ群442に記憶させるための処理を行う。
この場合において、各マルチプレクサMX1〜MX13は、メモリIC45に記憶されたモード情報CI、すなわちヘッドHDの動作モードに関する情報に基づき、ドット形成データSIの伝送経路を定める。この実施形態では、モード情報CIとして2ビットのデータが用いられている。このため、4種類のモード情報CIを定めることができる。例えば、図10に示すように、ドット形成データSIのビット数に関連付けて4種類のモード情報CIが定められている。具体的には、データ[00],[01],[10],[11]の4種類がモード情報CIとして定められる。便宜上、以下の説明では、或るデータのモード情報を表す場合に、モード情報[00]のように記載する。
モード情報[00]は、ドット形成データSIが184ビット単位で扱われることを示す。すなわち、図6のデータ送信部653は、図8Bで説明したように、184ノズル分の上位ビット群と184ノズル分の下位ビット群とを有する368ビットのドット形成データSIを繰り返し送信する。また、モード情報[01]は、ドット形成データSIが180ビット単位で扱われることを示す。この場合、データ送信部653は、180ノズル分の上位ビット群と180ノズル分の下位ビット群とを有する360ビットのドット形成データSIを繰り返し送信する。モード情報[10]は、ドット形成データSIが360ビット単位で扱われることを示す。すなわち、データ送信部653は、360ノズル分の上位ビット群と360ノズル分の下位ビット群とを有する720ビットのドット形成データSIを繰り返し送信する。また、モード情報[11]は、ドット形成データSIが368ビット単位で扱われることを示す。この場合、データ送信部653は、図8Cで説明したように、368ノズル分の上位ビット群と368ノズル分の下位ビット群とを有する736ビットのドット形成データSIを繰り返し送信する。
ヘッドユニット40は、360個のノズル424と8個のダミー用のノズル424とを有している。このため、モード情報[00]やモード情報[01]が設定されたとき、2つのデータ送信部653から送信されたドット形成データSIをそれぞれ受信する。また、モード情報[10]やモード情報[11]が設定されたとき、1つのデータ送信部653から送信されたドット形成データSIを受信する。そして、各マルチプレクサMX1〜MX13は、メモリIC45に記憶されたモード情報CIに基づいて動作し、第1データ入力部SI_1や第2データ入力部SI_2から入力されたドット形成データSIを所定の経路で伝送させる。これにより、各ノズル424のドット形成データSIは、対応するシフトレジスタにセットされる。従って、メモリIC45に記憶させるモード情報CIの内容次第で、複数種類の処理の中から選択した所望の処理を、各マルチプレクサMX1〜MX13に行わせることができる。
===記憶処理の具体例について===
<モード情報[00]の場合>
次に、ドット形成データSIのシフトレジスタ群442への記憶処理について、具体例に基づいて説明する。図11A及び図11Bは、モード情報[00]の場合における処理を説明するための図である。すなわち、図11Aは、ドット形成データSIの伝送経路を説明する図である。図11Bは、制御上認識されるノズル424を説明する図である。
モード情報[00]の場合、プリンタ側コントローラ60(データ送信部653)は、ドット形成データSIを184ビット単位で扱う。すなわち、図7で説明した出力バッファ653bは、ドット形成データSI用のワード数が184(N=184)のものが用いられている。1つのノズル列に属するノズル424の数は184個であるので、このノズル列の吐出制御を行うために2組のデータ送信部653が用いられる。この場合、ダミーノズル群を含む全てのノズル424(#1〜#368のノズル424)が制御上認識され、ドット形成データSIがセットされる。そして、制御上認識される1番目から184番目の各ノズル424が第1グループを構成し、前半側シフトレジスタ群442Aによってインク滴の吐出が制御される。また、制御上認識される185番目から368番目の各ノズル424が第2グループを構成し、後半側シフトレジスタ群442Bによってインク滴の吐出が制御される。
一方のデータ送信部653から送信されたドット形成データSI、すなわち1番目から184番目の各ノズル424に対応するドット形成データSIは、制御ロジック441を経由して第1データ入力部SI_1に入力される。また、他方のデータ送信部653から送信されたドット形成データSI、すなわち185番目から368番目の各ノズル424に対応するドット形成データSIは、制御ロジック441を経由して第2データ入力部SI_2に入力される。そして、入力された各ドット形成データSIは、それぞれ異なる経路で伝送される。
図11Aに太い実線で示すように、第1データ入力部SI_1に入力されたドット形成データSIは、前半側シフトレジスタ群442Aの第1下位グループSL1、第1ダミー下位グループDL1、第1上位グループSH1、第1ダミー上位グループDH1の順に伝送される。このため、メモリIC45に記憶されたモード情報[00]に基づき、第1マルチプレクサMX1は、第1データ入力部SI_1に入力されたドット形成データSIを第1下位グループSL1に入力する。また、第3マルチプレクサMX3及び第6マルチプレクサMX6は、第1ダミー下位グループDL1からシフトされたドット形成データSIを第1上位グループSH1に入力する。
一方、第2データ入力部SI_2に入力されたドット形成データSIは、後半側シフトレジスタ群442Bの第2ダミー下位グループDL2、第2下位グループSL2、第2ダミー上位グループDH2、第2上位グループSH2の順に伝送される。このため、モード情報[00]に基づき、第7マルチプレクサMX7は、第2データ入力部SI_2に入力されたドット形成データSIを、第2ダミー下位グループDL2に入力する。また、第9マルチプレクサMX9は、第2ダミー下位グループDL2からシフトされたドット形成データSIを第2下位グループSL2に入力する。第11マルチプレクサMX11は、第2下位グループSL2からシフトされたドット形成データSIを第2ダミー上位グループDH2に入力し、第13マルチプレクサMX13は、第2ダミー上位グループDH2からシフトされたドット形成データSIを第2上位グループSH2に入力する。
このとき、各ドット形成データSIは、クロックに基づき、互いに同期した状態で後段のシフトレジスタにシフトされる。このため、1番目から184番目の各ノズル424に対応するドット形成データSIが対応するシフトレジスタにセットされたタイミングで、185番目から368番目の各ノズル424に対応するドット形成データSIも対応するシフトレジスタにセットされる。
以上の説明から判るように、モード情報[00]の処理では、第1データ入力部SI_1から入力された第1グループ用のドット形成データSI(第1制御データに相当する。)を前半側シフトレジスタ群442Aに記憶させている。また、第2データ入力部SI_2から入力された第2グループ用のドット形成データSI(第2制御データに相当する。)を後半側シフトレジスタ群442Bに記憶させている。そして、第1グループには第1ノズル群が含まれ、第2グループには第2ノズル群が含まれている。このため、この処理は、第1入力部から入力された第1制御データを第1制御データ記憶部に記憶させ、第2入力部から入力された第2制御データを第2制御データ制御部に記憶させる第2処理の一種に相当する。そして、モード情報[00]は第2処理に対応した第2モード情報CIの一種である。
<モード情報[01]の場合>
モード情報[01]の場合、プリンタ側コントローラ60は、ドット形成データSIを180ビット単位で扱う。すなわち、出力バッファ653bは、ドット形成データSI用のワード数が180のものが用いられる。従って、1つのノズル列の吐出制御を行うために2組のデータ送信部653が用いられ、ダミーノズル群を除く各ノズル424(#1〜#360のノズル424)にドット形成データSIがセットされる。具体的には、図12Bに示すように、ノズル列の両端部分に位置するダミー用の各ノズル424が制御上認識されず、残りのノズル424が制御上認識される。そして、制御上認識される1番目から180番目の各ノズル424が第1グループを構成し、前半側シフトレジスタ群442Aによってインク滴の吐出が制御される。また、制御上認識される181番目から360番目の各ノズル424が第2グループを構成し、後半側シフトレジスタ群442Bによってインク滴の吐出が制御される。
一方のデータ送信部653から送信されたドット形成データSI、すなわち1番目から180番目の各ノズル424に対応するドット形成データSIは、制御ロジック441を経由して第1データ入力部SI_1に入力される。また、他方のデータ送信部653から送信されたドット形成データSI、すなわち181番目から360番目の各ノズル424に対応するドット形成データSIは、制御ロジック441を経由して第2データ入力部SI_2に入力される。そして、入力された各ドット形成データSIは、それぞれ異なる経路で伝送される。
図12Aに太い実線で示すように、第1データ入力部SI_1に入力されたドット形成データSIは、前半側シフトレジスタ群442Aの第1下位グループSL1、第1上位グループSH1の順に伝送される。このため、メモリIC45に記憶されたモード情報[01]に基づき、第1マルチプレクサMX1は、第1データ入力部SI_1に入力されたドット形成データSIを第1下位グループSL1に入力する。また、第3マルチプレクサMX3及び第6マルチプレクサMX6は、第1下位グループSL1からシフトされたドット形成データSIを第1上位グループSH1に入力する。
一方、第2データ入力部SI_2に入力されたドット形成データSIは、後半側シフトレジスタ群442Bの第2下位グループSL2、第2上位グループSH2の順に伝送される。このため、モード情報[01]に基づき、第9マルチプレクサMX9は、第2データ入力部SI_2に入力されたドット形成データSIを第2下位グループSL2に入力する。第11マルチプレクサMX11及び第13マルチプレクサMX13は、第2下位グループSL2からシフトされたドット形成データSIを第2上位グループSH2に入力する。
このときも、各ドット形成データSIは、クロックに基づき、互いに同期した状態で後段のシフトレジスタにシフトされる。このため、1番目から180番目の各ノズル424に対応するドット形成データSIが対応するシフトレジスタにセットされたタイミングで、181番目から360番目の各ノズル424に対応するドット形成データSIも対応するシフトレジスタにセットされる。
以上の説明から判るように、モード情報[01]の処理では、第1データ入力部SI_1から入力された第1グループ用のドット形成データSIを前半側シフトレジスタ群442Aに記憶させ、第2データ入力部SI_2から入力された第2グループ用のドット形成データSIを後半側シフトレジスタ群442Bに記憶させている。そして、第1グループは第1ノズル群によって構成され、第2グループは第2ノズル群によって構成されている。このため、この処理も第2処理の一種に相当する。そして、モード情報[01]は第2モード情報CIの一種である。
<モード情報[10]の場合>
モード情報[10]の場合、プリンタ側コントローラ60は、ドット形成データSIを360ビット単位で扱う。すなわち、出力バッファ653bは、ドット形成データSI用のワード数が360のものが用いられる。従って、1つのノズル列の吐出制御を行うために1組のデータ送信部653が用いられ、図13Bに示すように、ダミーノズル群を除く各ノズル424にドット形成データSIがセットされる。この場合も、制御上認識される1番目から180番目の各ノズル424が第1グループを構成し、前半側シフトレジスタ群442Aによってインク滴の吐出が制御される。また、制御上認識される181番目から360番目の各ノズル424が第2グループを構成し、後半側シフトレジスタ群442Bによってインク滴の吐出が制御される。
データ送信部653から送信された1番目から360番目の各ノズル424に対応するドット形成データSIは、制御ロジック441を経由して第1データ入力部SI_1に入力される。入力された各ドット形成データSIは、図13Aに太い実線で示すように、第2下位グループSL2、第1下位グループSL1、第2上位グループSH2、第1上位グループSH1の順に伝送される。このため、メモリIC45に記憶されたモード情報[10]に基づき、第7マルチプレクサMX7及び第9マルチプレクサMX9は、第1データ入力部SI_1に入力されたドット形成データSIを第2下位グループSL2に入力する。そして、第1マルチプレクサMX1は、第2下位グループSL2からシフトされたドット形成データSIを第1下位グループSL1に入力する。また、第3マルチプレクサMX3及び第11マルチプレクサMX11は、第1下位グループSL1からシフトされたドット形成データSIを第2上位グループSH2に入力し、第6マルチプレクサMX6は、第2上位グループSH2からシフトされたドット形成データSIを、第1上位グループSH1に入力する。
以上の説明から判るように、モード情報[10]の処理では、第1データ入力部SI_1から入力された第1グループ用のドット形成データSI及び第2グループ用のドット形成データSIを、前半側シフトレジスタ群442A及び後半側シフトレジスタ群442Bに記憶させている。そして、第1グループは第1ノズル群によって構成され、第2グループは第2ノズル群によって構成されている。このため、この処理は、第1入力部から入力された第1制御データ及び第2制御データを第1制御データ記憶部及び第2制御データ記憶部に記憶させる第1処理の一種に相当する。そして、モード情報[10]は第1処理に対応した第1モード情報CIの一種である。
<モード情報[11]の場合>
モード情報[11]の場合、プリンタ側コントローラ60は、ドット形成データSIを368ビット単位で扱う。すなわち、出力バッファ653bは、ドット形成データSI用のワード数が368のものが用いられる。従って、1つのノズル列の吐出制御を行うために1組のデータ送信部653が用いられ、図14Bに示すように、ダミーノズル群を含む各ノズル424にドット形成データSIがセットされる。この場合、制御上認識される1番目から184番目の各ノズル424が第1グループを構成し、前半側シフトレジスタ群442Aによってインク滴の吐出が制御される。また、制御上認識される185番目から368番目の各ノズル424が第2グループを構成し、後半側シフトレジスタ群442Bによってインク滴の吐出が制御される。
データ送信部653から送信された1番目から368番目の各ノズル424に対応するドット形成データSIは、制御ロジック441を経由して第1データ入力部SI_1に入力される。入力された各ドット形成データSIは、図14Aに太い実線で示すように、第2ダミー下位グループDL2、第2下位グループSL2、第1下位グループSL1、第1ダミー下位グループDL1、第2ダミー上位グループDH2、第2上位グループSH2、第1上位グループSH1、第1ダミー上位グループDH1の順に伝送される。このため、メモリIC45に記憶されたモード情報[11]に基づき、第7マルチプレクサMX7は、第1データ入力部SI_1に入力されたドット形成データSIを第2ダミー下位グループDL2に入力し、第9マルチプレクサMX9は、第2ダミー下位グループDL2からシフトされたドット形成データSIを第2下位グループSL2に入力する。そして、第1マルチプレクサMX1は、第2下位グループSL2からシフトされたドット形成データSIを第1下位グループSL1に入力する。また、第3マルチプレクサMX3及び第11マルチプレクサMX11は、第1ダミー下位グループDL1からシフトされたドット形成データSIを第2ダミー上位グループDH2に入力し、第13マルチプレクサMX13は、第2ダミー上位グループDH2からシフトされたドット形成データSIを第2上位グループSH2に入力する。さらに、第6マルチプレクサMX6は、第2上位グループSH2からシフトされたドット形成データSIを、第1上位グループSH1に入力する。
以上の説明から判るように、モード情報[11]の処理では、第1データ入力部SI_1から入力された第1グループ用のドット形成データSI及び第2グループ用のドット形成データSIを、前半側シフトレジスタ群442A及び後半側シフトレジスタ群442Bに記憶させている。このため、この処理も第1処理の一種に相当する。そして、モード情報[11]は第1モード情報CIの一種である。
<まとめ>
以上説明したように、ヘッドユニット40が有するヘッド制御部HC(制御IC44)は、メモリIC45に記憶されたモード情報CIを参照し、複数のモードの中からモード情報CIに応じたモードを選択し、選択したモードで動作する。このため、メモリIC45に記憶させるモード情報CIに応じて、ヘッド制御部HCの動作モードを容易に定めることができる。
このヘッド制御部HCは、第1データ入力部SI_1と第2データ入力部SI_2とを有する。そして、制御データとしてのドット形成データSIをシフトレジスタ群442に記憶させる際に、プリンタ側コントローラ60(データ送信部653)から送信されるドット形成データSIのデータ量に応じて処理を選択する。すなわち、処理部として動作する各マルチプレクサMX1〜MX13は、モード情報記憶部として動作するメモリIC45に記憶されたモード情報CIを参照する。そして、モード情報CIに応じて動作し、ドット形成データSIの伝送経路を定める。その結果、プリンタ側コントローラ60から送信されるドット形成データSIに関し、データ量が異なっていても扱うことができ、インク滴の吐出制御が行える。
また、各マルチプレクサMX1〜MX13には、メモリIC45に記憶されたモード情報CIが入力される。そして、各マルチプレクサMX1〜MX13は、入力されたモード情報CIを参照して動作する。このため、適切な処理を容易に選択できる。また、複数のマルチプレクサMX1〜MX13の動作を、メモリIC45に記憶させるモード情報CIによってまとめて指定できる。これにより、処理の選択が容易になる。
さらに、このメモリIC45はモード情報CIを書き換え可能に記憶している。このため、プリンタ側コントローラ60がバージョンアップされ、送信されるドット形成データSIのデータ量が変更されたとしても、モード情報CIの更新によって容易に対応することができる。同様に、本体側基板CBが異なる種類のものに交換され、送信されるドット形成データSIのデータ量が変更されたとしても、容易に対応することができる。加えて、プリンタ側コントローラ60を介して、メモリIC45に対してデータを読み出したり書き込んだりできる。このため、モード情報CIを更新する際にヘッドユニット40を本体側基板CBから取り外さなくても済む。その結果、作業性の向上が図れる。
インク滴の吐出を制御するための制御データに関し、このプリンタ1ではインク滴の吐出量をノズル424毎に示すドット形成データSIを用いている。そして、このドット形成データSIをシフトレジスタ群442に記憶させ、ラッチ回路群443でラッチするようにしている。このように構成することで、プリンタ側コントローラ60とヘッドユニット40との間の信号線を少なくすることができ、構成の簡素化が図れる。
ドット形成データSIをシフトレジスタ群442に記憶させる処理を行う処理部に関し、このヘッドユニット40では、複数のマルチプレクサMX1〜MX13を用いている。このようにマルチプレクサを用いた場合、モード情報CIの与え方次第で信号の伝達経路を容易に定めることができる。すなわち、ドット形成データSIが入力されるシフトレジスタを容易に切り替えることができる。
制御IC44及びメモリIC45に関し、このヘッドユニット40では可撓性を有するヘッド側ケーブル46に実装されている。このヘッド側ケーブル46は、ヘッドHDが有する各ピエゾ素子431に駆動信号COMを印加するためのものである。このため、ヘッドHDと本体側基板CBとを電気的に接続する配線群の一部になっている。そして、このヘッド側ケーブル46に制御IC44及びメモリIC45を実装することで、ヘッド側ケーブル46が有する芯線の一部を制御IC44及びメモリIC45に用いることができ、構成の簡素化が図れる。また、ヘッド側ケーブル46の大部分は、ケース41内の収容空部411に配置されている。このため、装置の小型化にも寄与する。
===第2実施形態===
ヘッドユニット40に関し、図15に示すように、ヘッド制御部HC(ピエゾ素子群43)が背中合わせの状態で取り付けられる場合がある。この場合、一方のノズル列側のヘッド制御部HCと他方のノズル列側のヘッド制御部HCとで、ドット形成データSIを同じ順序で伝送すると、ノズル424の位置とドット形成データSIの整合が取れず、画像反転されてしまう。このような不具合を解決するためには、ドット形成データSIを構成する各データの順序を、一方のヘッド制御部HCと他方のヘッド制御部HCとで逆にすればよい。
以下、このように構成した第2実施形態について説明する。ここでは、代表的な具体例を3つ説明する。図16は、モード情報[00]の場合における具体例である。ここで、図16の下半部分に示すシフトレジスタ群442を有するヘッド制御部HCは、第1実施形態と同じ向きに取り付けられている。一方、図16の上半部分に示すシフトレジスタ群442を有するヘッド制御部HCは、下半部分のヘッド制御部HCに対して、背中合わせの向きに取り付けられている。便宜上、以下の説明では、下半部分の取り付け状態を正方向ともいい、上半部分の取り付け状態を反転方向ともいう。
なお、反転方向のヘッド制御部HCでは、第2データ入力部SI_2側の各シフトレジスタが前半側シフトレジスタ群442Aを構成し、第1データ入力部SI_1側の各シフトレジスタが後半側シフトレジスタ群442Bを構成する。従って、反転方向のヘッド制御部HCでは、第2データ入力部SI_2が第1制御データを入力するための第1入力部に相当し、第1データ入力部SI_1が第2制御データを入力するための第2入力部に相当する。そして、各マルチプレクサMX1〜MX13などの他の構成は、第1実施形態と同じであるので、説明は省略する。
図16の下半部分に示すように、正方向のヘッド制御部HCでは、第1実施形態と同じ順序でドット形成データSIが伝送される。このため、説明は省略する。一方、図16の上半部分に示すように、反転方向のヘッド制御部HCでは、第2データ入力部SI_2から入力されるドット形成データSIは、先頭ビットが184番目のノズル424(#184)用のデータであり、最終ビットが1番目のノズル424(#1)用のデータである。すなわち、データの伝送順序が、正方向のヘッド制御部HCに用いられるドット形成データSIとは逆になっている。第2データ入力部SI_2から入力されたドット形成データSIは、第7マルチプレクサMX7、第1ダミー下位グループDL1、第9マルチプレクサMX9、第1下位グループSL1、第11マルチプレクサMX11、第1ダミー上位グループDH1、第13マルチプレクサMX13、第1上位グループSH1の順に伝送される。また、第1データ入力部SI_1から入力されるドット形成データSIは、先頭ビットが368番目のノズル424(#368)用のデータであり、最終ビットが185番目のノズル424(#185)用のデータである。このドット形成データSIも、データの伝送順序が、正方向のヘッド制御部HCに用いられるドット形成データSIとは逆になっている。第1データ入力部SI_1から入力されたドット形成データSIは、第1マルチプレクサMX1、第2下位グループSL2、第2ダミー下位グループDL2、第3マルチプレクサMX3、第6マルチプレクサMX6、第2上位グループSH2、第2ダミー上位グループDH2の順に伝送される。
このように、正方向のヘッド制御部HCと反転方向のヘッド制御部HCとで、ドット形成データSIにおけるデータの順序を逆にしているので、ピエゾ素子群43が背中合わせの状態で取り付けられても、各ノズル424とドット形成データSIとの整合をとることができる。
図17は、モード情報[11]の場合における具体例であり、図18は、モード情報[01]の場合における具体例である。詳細な説明は省略するが、何れの具体例においても、反転方向のヘッド制御部HCで用いられるドット形成データSIに関し、データの順序が正方向のヘッド制御部HCで用いられるドット形成データSIと逆になっている。これにより、ピエゾ素子群43が背中合わせの状態で取り付けられても、各ノズル424とドット形成データSIとの整合をとることができる。
===第3実施形態===
ヘッド制御部HCが背中合わせの状態で取り付けられる場合において、第2実施形態では、正方向のヘッド制御部HCと反転方向のヘッド制御部HCとで、ドット形成データSIにおけるデータの順序を異ならせていた。ここで、ドット形成データSIの伝送経路を、正方向のヘッド制御部HCと反転方向のヘッド制御部HCとで異ならせてもよい。以下、このように構成した第3実施形態について説明する。
図19は、第3実施形態にてメモリIC45に記憶される情報を説明する図である。図19に示すように、第3実施形態では、メモリIC45に、モード情報CIと向き情報とを記憶させている。モード情報CIは、前述した第1実施形態と同じ情報である。向き情報は、ピエゾ素子群43の取り付け向きを示す情報である。第3実施形態では正方向でヘッド制御部HCが取り付けられている場合をデータ[0]とし、反転方向でヘッド制御部HCが取り付けられている場合をデータ[1]としている。
なお、反転方向のヘッド制御部HCにおいて、第2データ入力部SI_2側の各シフトレジスタが前半側シフトレジスタ群442Aを構成し、第1データ入力部SI_1側の各シフトレジスタが後半側シフトレジスタ群442Bを構成する。そして、各マルチプレクサMX1〜MX13などの他の構成は、第1実施形態と同じであるので、説明は省略する。
<記憶処理の具体例について>
以下、第3実施形態における記憶処理の具体例について説明する。ここでは、代表的な例を2つ説明する。
図20は、モード情報[00]の場合を説明する図である。この場合、正方向のヘッド制御部HCは、第1実施形態と同じ処理をする。簡単に説明すると、第1データ入力部SI_1に入力された1番目から184番目のドット形成データSIは、第1マルチプレクサMX1、第1下位グループSL1、第1ダミー下位グループDL1、第3マルチプレクサMX3、第6マルチプレクサMX6、第1上位グループSH1、第1ダミー上位グループDH1の順に伝送される。また、第2データ入力部SI_2に入力された185番目から368番目のドット形成データSIは、第7マルチプレクサMX7、第2ダミー下位グループDL2、第9マルチプレクサMX9、第2下位グループSL2、第11マルチプレクサMX11、第2ダミー上位グループDH2、第13マルチプレクサMX13、第2上位グループSH2の順に伝送される。
一方、反転方向のヘッド制御部HCでは、この処理とは異なる処理をする。すなわち、1番目から184番目のドット形成データSIは第2データ入力部SI_2から入力される。そして、入力されたドット形成データSIは、第8マルチプレクサMX8、第1下位グループSL1、第1ダミー下位グループDL1、第10マルチプレクサMX10、第12マルチプレクサMX12、第1上位グループSH1、第1ダミー上位グループDH1の順に伝送される。また、185番目から368番目のドット形成データSIは第1データ入力部SI_1から入力される。そして、入力されたドット形成データSIは、第2ダミー下位グループDL2、第2マルチプレクサMX2、第2下位グループSL2、第4マルチプレクサMX4、第2ダミー上位グループDH2、第5マルチプレクサMX5、第2上位グループSH2の順に伝送される。
この説明から判るように、正方向のヘッド制御部HC(ピエゾ素子群43)と反転方向のヘッド制御部HC(ピエゾ素子群43)とが組になっていても、第1実施形態と同じようにドット形成データSIの記憶処理(第2処理に相当する)を行うことができる。
図21は、モード情報[11]の場合を説明する図である。この場合も、正方向のヘッド制御部HCは、第1実施形態と同じ処理をする。簡単に説明すると、第1データ入力部SI_1に入力されたドット形成データSIは、第7マルチプレクサMX7、第2ダミー下位グループDL2、第9マルチプレクサMX9、第2下位グループSL2、第1マルチプレクサMX1、第1下位グループSL1、第1ダミー下位グループDL1、第3マルチプレクサMX3、第11マルチプレクサMX11、第2ダミー上位グループDH2、第13マルチプレクサMX13、第2上位グループSH2、第6マルチプレクサMX6、第1上位グループSH1、第1ダミー上位グループDH1の順に伝送される。
一方、反転方向のヘッド制御部HCでは、この処理とは異なる処理をする。すなわち、第1データ入力部SI_1に入力されたドット形成データSIは、第2ダミー下位グループDL2、第2マルチプレクサMX2、第2下位グループSL2、第8マルチプレクサMX8、第1下位グループSL1、第1ダミー下位グループDL1、第10マルチプレクサMX10、第4マルチプレクサMX4、第2ダミー上位グループDH2、第5マルチプレクサMX5、第2上位グループSH2、第12マルチプレクサMX12、第1上位グループSH1、第1ダミー上位グループDH1の順に伝送される。
この説明から判るように、正方向のヘッド制御部HCと反転方向のヘッド制御部HCとが組になっていても、ドット形成データSIが有するデータの順序を揃えた状態で、ドット形成データSIの記憶処理(第1処理に相当する)を行うことができる。
<変形例について>
ところで、前述した第3実施形態では、ドット形成データSIは、先頭ビット側ほど小さいノズル番号のデータであった。しかし、例示したヘッド制御部HCでは、先頭ビット側ほど大きいノズル番号であるドット形成データSIでも対応できる。
この場合、メモリIC45は、モード情報CIや向き情報に加えて、データ順情報を記憶する。データ順情報は、ドット形成データSIにおける各データの並び順を示す情報である。この例では、ドット形成データSIに関し、先頭ビット側ほど小さいノズル番号のデータである場合に、データ[0]としている。反対に、先頭ビット側ほど大きいノズル番号のデータである場合に、データ[1]としている。
次に、変形例の記憶処理について説明する。なお、データ順情報がデータ[0]の場合については第3実施形態と同じであるので、説明は省略する。ここでは、データ順情報がデータ[1]の例を説明することにする。
図22は、モード情報CIがデータ[01]であってデータ順情報がデータ[1]の例を説明するための図である。この図に示すように、ドット形成データSIにおけるデータの並び順が前述の各実施形態とは異なっていることから、伝送経路も各実施形態も異なっている。すなわち、正方向のヘッド制御部HCにて、第1データ入力部SI_1に入力された180番目から1番目のドット形成データSIは、第2マルチプレクサMX2、第1下位グループSL1、第4マルチプレクサMX4、第5マルチプレクサMX5、第1上位グループSH1の順に伝送される。また、第2データ入力部SI_2に入力された360番目から181番目のドット形成データSIは、第8マルチプレクサMX8、第2下位グループSL2、第10マルチプレクサMX10、第12マルチプレクサMX12、第2上位グループSH2の順に伝送される。
一方、反転方向のヘッド制御部HCでは、この処理とは異なる処理をする。すなわち、第2データ入力部SI_2から入力された180番目から1番目のドット形成データSIは、第7マルチプレクサMX7、第9マルチプレクサMX9、第1下位グループSL1、第11マルチプレクサMX11、第13マルチプレクサMX13、第1上位グループSH1の順に伝送される。また、第1データ入力部SI_1から入力された360番目から181番目のドット形成データSIは、第1マルチプレクサMX1、第3マルチプレクサMX3、第6マルチプレクサMX6、第2上位グループSH2の順に伝送される。
この説明から判るように、ドット形成データSIにおけるデータの並び順が異なっていても、かつ、正方向のヘッド制御部HCと反転方向のヘッド制御部HCとが組になっていても、各実施形態と同じようにドット形成データSIの記憶処理を行うことができる。
===その他の実施形態について===
前述した実施形態は、主として、液体吐出装置としてのプリンタ1、及び、このプリンタ1に用いられるヘッドユニット40について説明されている。そして、この説明の中には、ヘッドを制御するためのヘッド用制御部、ヘッド用制御部の制御方法、ヘッドユニットの制御方法、データの送信方法、データの記憶方法、各種の制御プログラム及びコード等の開示が含まれている。また、この実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<制御データについて>
前述の各実施形態では、制御データとして2ビットのドット形成データSIを例示したが、これに限定されない。液体の吐出を制御する際に用いられるものであれば、制御データとして用いることができる。例えば、液体の吐出と非吐出の何れかを示す1ビットのデータであってもよい。また、3ビット以上のデータであってもよい。3ビットの場合、最大で8種類の吐出制御が行える。また、制御データとして2ビットの場合は、2つのビットに対応して上位側と下位側の2つのシフトレジスタを設けることとしたが、1ビット、あるいは3以上ビットの場合は、各ビットに対応して、ビット数分のシフトレジスタを設けることとしても良い。
<データ入力部について>
ドット形成データSIが入力されるデータ入力部に関し、前述の各実施形態では、1つのノズル列あたり2つ(第1データ入力部SI_1、第2データ入力部SI_2)設けられていた。ここで、データ入力部の数は3以上であってもよい。データ入力部の数は、1つのノズル列に属するノズルの数に応じて適宜定められる。そして、データ入力部の数を3つにした場合には、データ入力部とシフトレジスタ群の組を3つ設ければよい。この場合、図示は省略するが、第1データ入力部と前半側シフトレジスタ群の組、第2データ入力部と中間シフトレジスタ群の組、及び、第3データ入力部と後半側シフトレジスタ群の組を設ける。そして、ドット形成データSIが所望の経路で伝送されるように、複数のマルチプレクサを配置する。
また、ドット形成データSIのビット数とデータ入力部の数とを揃えるようしてもよい。例えば、ドット形成データが2ビットであった場合にはデータ入力部を2つ設け、3ビットであった場合にはデータ入力部を3つ設けるようにしてもよい。
<ノズル列について>
前述の各実施形態にて1つのノズル列は368個のノズル424を有していた。1つのノズル列を構成するノズル424の数は、368個に限らず種々定められる。また、ノズル列は直線上に各ノズル424が並ぶものに限られない。例えば、各ノズル424が千鳥状に並ぶものであってもよい。また、1つのヘッドHDが有するノズル列の数も適宜定められる。例えば、4列や6列であってもよい。4列の場合、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを、対応するノズル列から吐出させることができる。6列の場合、例えば、前述の4色に加え、ライトシアンインクやライトマゼンタインクを、対応するノズル列から吐出させることができる。
<メモリIC45について>
メモリIC45には、前述のモード情報CIの他、種々の情報を記憶させることもできる。例えば、そのヘッドユニット40に固有の情報を記憶させるようにしてもよい。このようにすると、メモリIC45の記憶内容をプリンタ側コントローラ60から読み出すことができるので、ヘッドユニット40毎に固有の制御を容易に行うことができる。また、メモリIC45に代えて、ジャンパスイッチを適宜操作することでモード情報CIを出力する素子を用いてもよい。
<他の応用例について>
また、前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
印刷システムを説明するブロック図である。 ヘッドユニットを説明するブロック図である。 ヘッドユニットの構成を説明する断面図である。 ヘッド制御部を説明するブロック図である。 図5Aは、ヘッド制御部の要部を説明するブロック図である。図5Bは、デコーダの動作を説明するブロック図である。 制御ユニットを説明するブロック図である。 出力バッファを説明する図である。 図8Aは、データ送信部が送信するドット形成データ等を説明する図である。図8Bは、出力バッファのワード数が184の場合におけるドット形成データを説明する図である。図8Cは、出力バッファのワード数が368の場合におけるドット形成データを説明する図である。 シフトレジスタ群及びその周辺部を説明するための図である。 モード情報を説明するための図である。 図11Aは、モード情報[00]でのドット形成データの伝送経路を説明する図である。図11Bは、モード情報[00]にて制御上認識されるノズルを説明する図である。 図12Aは、モード情報[01]でのドット形成データの伝送経路を説明する図である。図12Bは、モード情報[01]にて制御上認識されるノズルを説明する図である。 図13Aは、モード情報[10]でのドット形成データの伝送経路を説明する図である。図13Bは、モード情報[10]にて制御上認識されるノズルを説明する図である。 図14Aは、モード情報[11]でのドット形成データの伝送経路を説明する図である。図14Bは、モード情報[11]にて制御上認識されるノズルを説明する図である。 第2実施形態のヘッドユニットを説明する断面図である。 第2実施形態を説明する図であり、モード情報[00]の場合における具体例である。 第2実施形態を説明する図であり、モード情報[11]の場合における具体例である。 第2実施形態を説明する図であり、モード情報[01]の場合における具体例である。 第3実施形態におけるモード情報等を説明する図である。 第3実施形態を説明する図であり、モード情報[00]でのドット形成データの伝送経路を説明する図である。 第3実施形態を説明する図であり、モード情報[11]でのドット形成データの伝送経路を説明する図である。 変形例を説明する図であり、モード情報[01]でのドット形成データの伝送経路を説明する図である。
符号の説明
1 プリンタ,10 用紙搬送機構,20 キャリッジ移動機構,
30 駆動信号生成回路,40 ヘッドユニット,41 ケース,
411 収容空部,42 流路ユニット,421 共通インク室,
422 インク供給路,423 圧力室,424 ノズル,
43 ピエゾ素子群,44 制御IC,441 制御ロジック,
442 シフトレジスタ群,442a 上位側シフトレジスタ,
442b 下位側シフトレジスタ,443 ラッチ回路群,
443a 上位側ラッチ回路,443b 下位側ラッチ回路,
444 デコーダ群,445 スイッチ群,45 メモリIC,
46 ヘッド側ケーブル,47 中継基板,50 センサ,
60 プリンタ側コントローラ,61 ASIC,
62 本体側メモリ,63 CPU,64 I/F,
65 制御ユニット,651 DACデータ出力部,
652 モータドライバ,653 データ送信部,
653a 書込送信制御部,653b 出力バッファ,
CP コンピュータ,HD ヘッド,HC ヘッド制御部,
CB 本体側基板,FC フラットケーブル,
SP スイッチ動作データ,SI ドット形成データ,
SH1 第1上位グループ,SL1 第1下位グループ,
DH1 第1ダミー上位グループ,
DL1 第1ダミー下位グループ,
SI_1 第1データ入力部,SI_2 第2データ入力部,
MX1 第1マルチプレクサ,MX2 第2マルチプレクサ,
MX3 第3マルチプレクサ,MX4 第4マルチプレクサ,
MX5 第5マルチプレクサ,MX6 第6マルチプレクサ,
MX7 第7マルチプレクサ,MX8 第8マルチプレクサ,
MX9 第9マルチプレクサ,MX10 第10マルチプレクサ,
MX11 第11マルチプレクサ,
MX12 第12マルチプレクサ,
MX13 第13マルチプレクサ,
COM 駆動信号,CI モード情報

Claims (8)

  1. (A)液体の吐出を制御する際に用いられる制御データが入力される第1入力部及び第2入力部と、前記制御データのデータ量に応じた動作モードに関する情報が入力されるモード入力部と、からなる入力部と、
    (B)第1ノズル群用の第1制御データを記憶する第1制御データ記憶部、及び、第2ノズル群用の第2制御データを記憶する第2制御データ記憶部を有する制御データ記憶部と、
    (C)前記第1制御データ及び前記第2制御データを前記制御データ記憶部へ記憶させるための処理を行う処理部であって、
    前記第1入力部と前記第2入力部の1つから入力された、前記第1制御データを前記第1制御データ記憶部に記憶させ、前記第2制御データを前記第2制御データ記憶部に記憶させる第1処理と、
    前記第1入力部から入力された前記第1制御データを前記第1制御データ記憶部に記憶させ、前記第2入力部から入力された前記第2制御データを前記第2制御データ記憶部に記憶させる第2処理とを、前記動作モードに関する情報に基づき選択して行う処理部と、
    (D)を有するヘッド用制御部。
  2. 請求項1に記載のヘッド用制御部であって、
    モード情報を記憶するモード情報記憶部を有し、
    前記処理部は、
    前記モード情報記憶部に記憶された前記モード情報を参照することで、前記第1処理と前記第2処理の何れかを選択する、ヘッド用制御部。
  3. 請求項2に記載のヘッド用制御部であって、
    前記モード情報記憶部は、
    前記第1処理に対応した第1モード情報と前記第2処理に対応した第2モード情報の少なくとも一方を記憶し、
    前記処理部は、
    参照したモード情報が前記第1モード情報であった場合に前記第1処理を行い、前記参照したモード情報が前記第2モード情報であった場合に前記第2処理を行う、ヘッド用制御部。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のヘッド用制御部であって、
    前記第1制御データ記憶部は、
    前記第1ノズル群に属するノズル毎に液体滴の吐出に関する情報を記憶する第1シフトレジスタ群であり、
    前記第2制御データ記憶部は、
    前記第2ノズル群に属するノズル毎に液体滴の吐出に関する情報を記憶する第2シフトレジスタ群である、ヘッド用制御部。
  5. 請求項4に記載のヘッド用制御部であって、
    前記処理部は、
    前記第1処理を選択した場合に、入力された前記第1制御データ及び前記第2制御データを、前記第1シフトレジスタ群及び前記第2シフトレジスタ群の一方から他方へ伝送させ、かつ、前記第2処理を選択した場合に、前記第1入力部からの前記制御データを前記第1シフトレジスタ群に入力し、前記第2入力部からの前記制御データを前記第2シフトレジスタ群に入力する、マルチプレクサを有する、ヘッド用制御部。
  6. 請求項5に記載のヘッド用制御部であって、
    モード情報を記憶するモード情報記憶部を有し、
    前記マルチプレクサは、
    前記モード情報に基づいて動作をする、ヘッド用制御部。
  7. 請求項6に記載のヘッド用制御部であって、
    前記モード情報記憶部は、
    前記モード情報を書き換え可能な状態で記憶する、ヘッド用制御部。
  8. 液体を吐出するヘッドと、
    前記ヘッドを制御するためのヘッド用制御部と、
    を有するヘッドユニットであって、
    前記ヘッド用制御部は、
    液体の吐出を制御する際に用いられる制御データが入力される第1入力部及び第2入力部と、前記制御データのデータ量に応じた動作モードに関する情報が入力されるモード入力部と、からなる入力部と、
    前記ヘッドが有する第1ノズル群用の第1制御データを記憶する第1制御データ記憶部、及び、前記ヘッドが有する第2ノズル群用の第2制御データを記憶する第2制御データ記憶部を有する制御データ記憶部と、
    前記制御データを前記制御データ記憶部へ記憶させるための処理を行う処理部であって、前記第1入力部と前記第2入力部の1つから入力された、前記第1制御データを前記第1制御データ記憶部に記憶させ、前記第2制御データを前記第2制御データ記憶部に記憶させる第1処理、及び、前記第1入力部から入力された前記第1制御データを前記第1制御データ記憶部に記憶させ、前記第2入力部から入力された前記第2制御データを前記第2制御データ記憶部に記憶させる第2処理のうち、前記動作モードに関する情報に基づき予め定められた方の処理を行う処理部と、
    を有するヘッドユニット。
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