JP2009184142A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線材を省略することで、組立性や保守性を確保し、装置の小型化が可能な液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体噴射ヘッド2を複数配設し、各液体噴射ヘッド2には、液体を噴射するためのノズルを複数形成すると共に各ノズルにノズルアクチュエータ22を配設し、各液体噴射ヘッド2の各ノズルアクチュエータを駆動信号COMで駆動することにより該当するノズルから印刷媒体1に向けて液体を噴射するにあたり、液体噴射ヘッド2の夫々にノズルアクチュエータ22を駆動するための駆動回路を設けると共に、各液体噴射ヘッド2に制御装置からの制御信号及びノズルアクチュエータ駆動用電力の入力及び出力のための接続部13i,13o,14i,14oを設け、それら複数の液体噴射ヘッド2をディジーチェーン(数珠)接続する。
【選択図】図8
【解決手段】液体噴射ヘッド2を複数配設し、各液体噴射ヘッド2には、液体を噴射するためのノズルを複数形成すると共に各ノズルにノズルアクチュエータ22を配設し、各液体噴射ヘッド2の各ノズルアクチュエータを駆動信号COMで駆動することにより該当するノズルから印刷媒体1に向けて液体を噴射するにあたり、液体噴射ヘッド2の夫々にノズルアクチュエータ22を駆動するための駆動回路を設けると共に、各液体噴射ヘッド2に制御装置からの制御信号及びノズルアクチュエータ駆動用電力の入力及び出力のための接続部13i,13o,14i,14oを設け、それら複数の液体噴射ヘッド2をディジーチェーン(数珠)接続する。
【選択図】図8
Description
本発明は、微小な液体を複数のノズルから噴射して、その微粒子(ドット)を印刷媒体上に形成することにより、所定の文字や画像等を印刷するようにした液体噴射装置に関するものである。
このような液体噴射装置の1つである液体噴射型印刷装置は、一般に安価で且つ高品質なカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このような液体噴射型印刷装置のうち、液体噴射ノズルの形成された液体噴射ヘッドをキャリッジと呼ばれる移動体に載せて印刷媒体の搬送方向と交差する方向に移動させるものを一般に「マルチパス型印刷装置」と呼んでいる。これに対し、印刷媒体の搬送方向と交差する方向に長尺な液体噴射ヘッドを配置して、所謂1パスでの印刷が可能なものを一般に「ラインヘッド型印刷装置」と呼んでいる。ラインヘッド型の液体噴射ヘッドを構成する場合には、例えば下記特許文献1に記載されるように、複数のノズルが列状に形成されたブロック状の液体噴射ヘッドを印刷媒体搬送方向と交差する方向に複数配設してラインヘッド型の液体噴射ヘッドを構成する場合がある。
このような液体噴射型印刷装置のうち、液体噴射ノズルの形成された液体噴射ヘッドをキャリッジと呼ばれる移動体に載せて印刷媒体の搬送方向と交差する方向に移動させるものを一般に「マルチパス型印刷装置」と呼んでいる。これに対し、印刷媒体の搬送方向と交差する方向に長尺な液体噴射ヘッドを配置して、所謂1パスでの印刷が可能なものを一般に「ラインヘッド型印刷装置」と呼んでいる。ラインヘッド型の液体噴射ヘッドを構成する場合には、例えば下記特許文献1に記載されるように、複数のノズルが列状に形成されたブロック状の液体噴射ヘッドを印刷媒体搬送方向と交差する方向に複数配設してラインヘッド型の液体噴射ヘッドを構成する場合がある。
ところで、この種の液体噴射型印刷装置では、より一層高い階調が要求されている。階調とは、液体のドットで表される所謂画素に含まれる各色の濃度の状態であり、各画素の色の濃度に応じたドットの大きさを階調度といい、ドットで表現できる階調度の数を階調数と呼ぶ。高い階調とは、階調数が大きいことを意味する。階調度を変えるには、例えば液体噴射ヘッドに設けられたノズルアクチュエータへの駆動信号を変える必要がある。例えば、ノズルアクチュエータが圧電素子である場合には、圧電素子に印加される電圧値が大きくなると圧電素子(正確には振動板)の変位量(歪み)が大きくなるので、これを用いてインクドットの階調度を変えることができる。
そこで、以下に挙げる特許文献1では、例えば電圧波高値が異なる複数の駆動パルスを組合せて連結して駆動信号を生成し、これを液体噴射ヘッドに設けられた同じ色のノズルのノズルアクチュエータに共通して出力しておき、この駆動信号から、形成すべきドットの階調度に応じた駆動パルスをノズル毎に選択し、その選択された駆動パルスを該当するノズルアクチュエータに供給して液体を噴射するようにすることで、要求されるドットの階調度を達成すると共に、印刷装置本体の制御装置と液体噴射ヘッドを接続するFFC(Flexible Flat Cable)中の信号線数を低減できるようにしている。
特開2002−103598号公報
特開2003−1824号公報
しかしながら、前記特許文献2では、液体噴射ヘッドと印刷装置本体の制御装置とをFFCで接続しているので、前記特許文献1のように複数の液体噴射ヘッドを配設する場合、FFCの接続が非常に煩雑となり、組立性や保守性の低下、装置の大型化を招くという問題が生じる。
本発明は、これらの諸問題に着目して開発されたものであり、組立性や保守性を確保し、装置の小型化が可能な液体噴射装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、これらの諸問題に着目して開発されたものであり、組立性や保守性を確保し、装置の小型化が可能な液体噴射装置を提供することを目的とするものである。
上記諸問題を解決するため、本発明の液体噴射装置は、液体噴射ヘッドを複数配設し、各液体噴射ヘッドには、液体を噴射するためのノズルを複数形成すると共に各ノズルにノズルアクチュエータを配設し、各液体噴射ヘッドの各ノズルアクチュエータを駆動信号で駆動することにより該当するノズルから印刷媒体に向けて液体を噴射する液体噴射装置であって、前記液体噴射ヘッドの夫々にノズルアクチュエータを駆動するための駆動回路を設けると共に、各液体噴射ヘッドに制御装置からの制御信号及びノズルアクチュエータ駆動用電力の入力及び出力のための接続部を設け、それら複数の液体噴射ヘッドをディジーチェーン接続したことを特徴とするものである。
而して、本発明の液体噴射装置によれば、例えば印刷装置本体の制御装置と複数の液体噴射ヘッドを個別のFFCで接続する必要がなくなるため、組立性や保守性を確保すると共に、装置の小型化が可能となる。また、液体噴射ヘッド個々に駆動回路を設けたことにより、液体噴射ヘッドの接続位置に応じてノズルアクチュエータを駆動したり、その駆動信号を補正したりすることが可能となる。
また、本発明の液体噴射装置は、前記複数の液体噴射ヘッドを列毎にディジーチェーン接続したことを特徴とするものである。
本発明の液体噴射装置によれば、液体噴射ヘッド間のディジーチェーン接続を金属板片で行うことが可能となると共に、液体噴射ヘッドの列毎に液体噴射タイミングを設定することが可能となる。
本発明の液体噴射装置によれば、液体噴射ヘッド間のディジーチェーン接続を金属板片で行うことが可能となると共に、液体噴射ヘッドの列毎に液体噴射タイミングを設定することが可能となる。
また、本発明の液体噴射装置は、前記各液体噴射ヘッドに設けられた接続部のうち、ノズルアクチュエータ駆動用電力の入力及び出力のための接続部同士を金属板片で接続したことを特徴とするものである。
本発明の液体噴射装置によれば、抵抗の小さい金属板片で液体噴射ヘッドのノズルアクチュエータ駆動用電力の入力及び出力のための接続部同士を接続することにより、駆動信号特性の変化を抑制することが可能となる。
本発明の液体噴射装置によれば、抵抗の小さい金属板片で液体噴射ヘッドのノズルアクチュエータ駆動用電力の入力及び出力のための接続部同士を接続することにより、駆動信号特性の変化を抑制することが可能となる。
また、本発明の液体噴射装置は、前記各液体噴射ヘッドの駆動回路が、自身の液体噴射ヘッドの接続位置を検出するための接続位置検出手段を、各液体噴射ヘッドに設けたことを特徴とするものである。
本発明の液体噴射装置によれば、各液体噴射ヘッドの駆動回路が自身の接続位置を検出することができるので、その接続位置に応じてノズルアクチュエータを駆動したり、その駆動信号を補正したりすることができる。
本発明の液体噴射装置によれば、各液体噴射ヘッドの駆動回路が自身の接続位置を検出することができるので、その接続位置に応じてノズルアクチュエータを駆動したり、その駆動信号を補正したりすることができる。
また、本発明の液体噴射装置は、前記制御信号に液体噴射ヘッドの接続位置を規定する接続位置情報を設け、前記駆動回路は、前記接続位置検出手段によって検出された自身の液体噴射ヘッドの接続位置と前記制御信号に設けられた接続位置情報とに基づいてノズルアクチュエータを駆動することを特徴とするものである。
本発明の液体噴射装置によれば、時系列的に連結された制御信号の中から自身の液体噴射ヘッドに関する制御信号を選択してノズルアクチュエータを駆動することが可能となり、その結果、制御信号を送受する信号線数を低減することが可能となる。
本発明の液体噴射装置によれば、時系列的に連結された制御信号の中から自身の液体噴射ヘッドに関する制御信号を選択してノズルアクチュエータを駆動することが可能となり、その結果、制御信号を送受する信号線数を低減することが可能となる。
また、複数の液体噴射ヘッドの印刷内容が同じ場合には、それらの液体噴射ヘッドの接続位置情報を連結し、その連結された接続位置情報に印刷情報を接続して送信することを特徴とするものである。
本発明の液体噴射装置によれば、制御信号中の印刷情報の多重化を回避して制御信号の送信所要時間を短縮化することができ、ひいては印刷時間そのものを短縮することが可能となる。
本発明の液体噴射装置によれば、制御信号中の印刷情報の多重化を回避して制御信号の送信所要時間を短縮化することができ、ひいては印刷時間そのものを短縮することが可能となる。
また、本発明の液体噴射装置は、前記駆動回路は、前記接続位置検出手段によって検出された自身の液体噴射ヘッドの接続位置に基づいてノズルアクチュエータを駆動するための駆動信号を補正することを特徴とするものである。
本発明の液体噴射装置によれば、シリアル接続で回避できない駆動信号の電圧降下分を補正することが可能となり、駆動信号特性を一定にすることができる。
本発明の液体噴射装置によれば、シリアル接続で回避できない駆動信号の電圧降下分を補正することが可能となり、駆動信号特性を一定にすることができる。
次に、本発明の印刷装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の印刷装置の概略構成図であり、図において、印刷媒体1は、図の左から右に向けて矢印方向に搬送され、その搬送途中の印字領域で印字される、ラインヘッド型印刷装置である。
図1中の符号2は、印刷媒体1の搬送ライン上方に設けられた6つの液体噴射ヘッドであり、印刷媒体搬送方向に2列になるように且つ印刷媒体搬送方向と交差する方向に並べて配設されて、夫々、ヘッド固定プレート11に固定されている。図2は、液体噴射ヘッド2付近の平面図である。これらの液体噴射ヘッド2は、例えば図に示すように、千鳥配列されている。各液体噴射ヘッド2の最下面を示す図の内側の四角形の内側部分には、多数のノズルが形成されており、この面がノズル面と呼ばれている。従って、千鳥配列された全ての液体噴射ヘッド2によって、印刷媒体1の搬送方向と交差する方向の幅全長に及ぶラインヘッドが形成されている。印刷媒体1は、これらの液体噴射ヘッド2のノズル面の下方を通過するときに、ノズル面に形成されている多数のノズルから液体が噴射され、印刷が行われる。
図1は、本実施形態の印刷装置の概略構成図であり、図において、印刷媒体1は、図の左から右に向けて矢印方向に搬送され、その搬送途中の印字領域で印字される、ラインヘッド型印刷装置である。
図1中の符号2は、印刷媒体1の搬送ライン上方に設けられた6つの液体噴射ヘッドであり、印刷媒体搬送方向に2列になるように且つ印刷媒体搬送方向と交差する方向に並べて配設されて、夫々、ヘッド固定プレート11に固定されている。図2は、液体噴射ヘッド2付近の平面図である。これらの液体噴射ヘッド2は、例えば図に示すように、千鳥配列されている。各液体噴射ヘッド2の最下面を示す図の内側の四角形の内側部分には、多数のノズルが形成されており、この面がノズル面と呼ばれている。従って、千鳥配列された全ての液体噴射ヘッド2によって、印刷媒体1の搬送方向と交差する方向の幅全長に及ぶラインヘッドが形成されている。印刷媒体1は、これらの液体噴射ヘッド2のノズル面の下方を通過するときに、ノズル面に形成されている多数のノズルから液体が噴射され、印刷が行われる。
液体噴射ヘッド2には、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクなどの液体が、図示しない各色の液体タンクから液体供給チューブを介して供給される。各液体噴射ヘッド2には、印刷媒体1の搬送方向と直交する方向に、複数のノズルが形成されており(即ちノズル列方向)、それらのノズルから同時に必要箇所に必要量の液体を噴射することにより、印刷媒体1上に微小なドットを出力する。これを各色毎に行うことにより、搬送部4で搬送される印刷媒体1を一度通過させるだけで、所謂1パスによる印刷を行うことができる。
液体噴射ヘッドの各ノズルから液体を噴射する方法としては、静電方式、ピエゾ方式、膜沸騰液体噴射方式などがあり、本実施形態ではピエゾ方式を用いた。ピエゾ方式は、ノズルアクチュエータである圧電素子に駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によって液滴がノズルから噴射されるというものである。そして、駆動信号の波高値や電圧増減傾きを調整することで液滴の噴射量を調整することが可能となる。なお、ピエゾ方式に用いられる圧電素子は容量性負荷である。また、本発明は、ピエゾ方式以外の液体噴射方法にも、同様に適用可能である。
なお、本実施形態の液体噴射ヘッド2には、図3に示すように、接続位置検出手段としてのスライドスイッチ12が設けられている。本実施形態では、後述するように6つの液体噴射ヘッド2を一連又は列毎にディジーチェーン(数珠)接続する。このスライドスイッチ12は、自身がどの位置に接続されているかを検出するためのものであり、例えば4つの小型スライドスイッチで構成される。即ち、スライドスイッチ12のスライド位置を「0」又は「1」とすると、4つのスライドスイッチ12により16通りのスライド位置の組合せが可能であり、それを用いて接続位置を表す。例えば、接続位置が「6」番目である場合には、2進法表記で「0110」となるようにスライドスイッチ12のスライド位置を設定すればよい。
液体噴射ヘッド2の下方には、印刷媒体1を搬送方向に搬送するための搬送部4が設けられている。搬送部4は、駆動ローラ8及び従動ローラ9に搬送ベルト6を巻回して構成され、駆動ローラ8には図示しない電動モータが接続されている。また、搬送ベルト6の内側には、当該搬送ベルト6の表面に印刷媒体1を吸着するための図示しない吸着装置が設けられている。この吸着装置には、例えば負圧によって印刷媒体1を搬送ベルト6に吸着する空気吸引装置や、静電気力で印刷媒体1を搬送ベルト6に吸着する静電吸着装置などが用いられる。従って、給紙ローラ5によって給紙部3から印刷媒体1を一枚だけ搬送ベルト6上に送給し、電動モータによって駆動ローラ8を回転駆動すると、搬送ベルト6が印刷媒体搬送方向に回転され、吸着装置によって搬送ベルト6に印刷媒体1が吸着されて搬送される。この印刷媒体1の搬送中に、液体噴射ヘッド2から液体を噴射して印刷を行う。印刷の終了した印刷媒体1は、搬送方向下流側の排紙部10に排紙される。
この印刷装置内には、自身を制御するための制御装置が設けられている。この制御装置は、例えば図4に示すように、例えばパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等のホストコンピュータ60から入力された印刷データに基づいて、印刷装置や給紙装置等を制御することにより印刷媒体に印刷処理を行うものである。そして、ホストコンピュータ60から入力された印刷データを受取るための入力インタフェース61と、この入力インタフェース61から入力された印刷データに基づいて印刷処理を実行する例えばマイクロコンピュータで構成される制御部62と、前記給紙ローラ5に接続されている給紙ローラモータ17を駆動制御する給紙ローラモータドライバ63と、液体噴射ヘッド2を駆動制御するヘッドドライバ65と、前記駆動ローラ8に接続されている電動モータ7を駆動制御する電動モータドライバ66と、各ドライバ63、65、66と外部の給紙ローラモータ17、液体噴射ヘッド2,3、電動モータ7とを接続するインタフェース67とを備えて構成される。
制御部62は、印刷処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)62aと、入力インタフェース61を介して入力された印刷データ或いは当該印刷データ印刷処理等を実行する際の各種データを一時的に格納し、或いは印刷処理等のプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)62cと、CPU62aで実行する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)62dを備えている。この制御部62は、インタフェース61を介してホストコンピュータ60から印刷データ(画像データ)を入手すると、CPU62aが、この印刷データに所定の処理を実行して、何れの液体噴射ヘッド2の何れのノズルから液体を噴射するか或いはどの程度の液体を噴射するかという液体噴射ヘッド選択データやノズル選択データ(駆動信号選択データ)を算出し、この印刷データや液体噴射ヘッド選択データ、駆動信号選択データ及び各種センサからの入力データに基づいて、各ドライバ63、65、66に制御信号を出力する。各ドライバ63、65、66からはアクチュエータを駆動するための駆動信号が出力され、給紙ローラモータ17、電動モータ7が夫々作動して、印刷媒体1の給紙及び搬送及び排紙、並びに印刷媒体1への印刷処理が実行される。なお、本実施形態では、後述するように、各液体噴射ヘッド2内に駆動回路が設けられているので、ヘッドドライバ65からは制御信号のみが各液体噴射ヘッド2に出力される。また、制御部62内の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
図5には、各液体噴射ヘッド2内に構築されている駆動回路の具体的な構成を示す。この駆動回路は、マイクロコンピュータなどで構成されて独自の演算処理を行う制御回路23と、駆動信号を創成出力するための駆動波形データや演算処理のプログラミングを記憶するメモリ24と、前記駆動波形データに基づいて、駆動信号の元、つまりノズルアクチュエータ22の駆動を制御する信号の基準となる駆動波形信号WCOMを生成する駆動波形信号発生回路25と、駆動波形信号発生回路25で生成された駆動波形信号WCOMをパルス変調する変調回路26と、変調回路26でパルス変調された変調信号を電力増幅するデジタル電力増幅器、所謂D級アンプ28と、デジタル電力増幅器28で電力増幅された電力増幅変調信号を平滑化して、駆動信号COM(駆動パルスPCOM)として選択スイッチ201からノズルアクチュエータ22に供給する平滑フィルタ29とを備えて構成される。また、本実施形態の液体噴射ヘッド2は、後述するようにディジーチェーン接続されるため、前記図4の制御装置からの制御信号を入出力する制御信号用接続部13i,13o及びノズルアクチュエータ駆動用電力を入出力する電力用接続部14i,14oが設けられている。
各液体噴射ヘッド2は、入力用の制御信号用接続部13iから入力した制御信号を、当該液体噴射ヘッド2の制御回路に送信すると共に、夫々の液体噴射ヘッド2の内部で信号線を分岐させて同等の信号を出力用の制御信号用接続部13oに出力している。電力用接続部14i,14oについても同様である。なお、各液体噴射ヘッド2の入力用の制御信号用接続部13i及び出力用の制御信号用接続部13oには、夫々1本のケーブルが接続されることになり、1本のケーブル内には接続位置データDnと駆動信号選択データSI&SP用、クロック信号SCK用、ラッチ信号LAT用、チャンネル信号CH用の4つの信号線が配される。ちなみに、1本のケーブル内の信号線の数や、液体噴射ヘッド2内での入力用の制御信号用接続部から入力した信号を出力用の制御信号用接続部に出力する方法は、本実施形態に限るものではない。
制御回路23は、後述する演算処理に従って、メモリ24に記憶されているデジタル駆動波形データを読出し、必要な補正を行って、所定サンプリング周期で駆動波形信号発生回路25に出力したり、トランスミッションゲートで構成される選択スイッチ201のオンオフ制御を行ったりする。駆動波形信号発生回路25は、制御回路23から出力された駆動波形データを電圧信号に変換して所定サンプリング周期分ホールドすると共に、それをD/A変換器でアナログ変換して駆動波形信号WCOMとして出力する。本実施形態では、この駆動波形信号WCOMをパルス変調する変調回路26に、一般的なパルス幅変調(PWM)回路を用いた。パルス幅変調は、周知のように、三角波信号発生回路で所定周波数の三角波信号を発生し、この三角波信号と駆動波形信号WCOMとをコンパレータで比較して、例えば三角波信号より駆動波形信号WCOMが大きいときにオンデューティとなるパルス信号を変調信号として出力する。デジタル電力増幅器28は、実質的に電力を増幅するためのハイサイドのスイッチング素子Q1及びローサイドのスイッチング素子Q2からなるハーフブリッジD級出力段31と、変調回路26からの変調信号に基づいて、それらのスイッチング素子Q1、Q2のゲート−ソース間信号GH、GLを調整するためのゲート駆動回路30とを備えて構成されている。また、平滑フィルタ29は例えばコイルとコンデンサの組合せからなるローパスフィルタ(低域通過フィルタ)で構成され、このローパスフィルタによって電力増幅変調信号の変調周期成分、この場合は三角波信号の周波数成分が除去される。
デジタル電力増幅器28では、変調信号がHiレベルであるとき、ハイサイド側スイッチング素子Q1のゲート−ソース間信号GHはHiレベルとなり、ローサイド側スイッチング素子Q2のゲート−ソース間信号GLはLoレベルとなるので、ハイサイド側スイッチング素子Q1はON状態となり、ローサイド側スイッチング素子Q2はOFF状態となり、その結果、ハーフブリッジD級出力段31の出力は、供給電力VDDとなる。一方、変調信号がLoレベルであるとき、ハイサイド側スイッチング素子Q1のゲート−ソース間信号GHはLoレベルとなり、ローサイド側スイッチング素子Q2のゲート−ソース間信号GLはHiレベルとなるので、ハイサイド側スイッチング素子Q1はOFF状態となり、ローサイド側スイッチング素子Q2はON状態となり、その結果、ハーフブリッジ出力段31の出力は0となる。
このようにハイサイド及びローサイドのスイッチング素子がデジタル駆動される場合には、ON状態のスイッチング素子に電流が流れるが、ドレイン−ソース間の抵抗値は非常に小さく、損失は殆ど発生しない。また、OFF状態のスイッチング素子には電流が流れないので損失は発生しない。従って、このデジタル電力増幅器28の損失は極めて小さく、小型のMOSFET等のスイッチング素子を使用することができ、冷却用放熱板などの冷却手段も不要である。ちなみに、トランジスタをリニア駆動するときの効率が30%程度であるのに対し、デジタル電力増幅器の効率は90%以上である。また、トランジスタの冷却用放熱板は、トランジスタ一つに対して60mm角程度の大きさが必要になるので、こうした冷却用放熱板が不要になると、実際のレイアウト面で圧倒的に有利である。
図6には、本実施形態の印刷装置の制御装置から液体噴射ヘッド2に供給され、圧電素子からなるノズルアクチュエータを駆動するための駆動信号COMの一例を示す。本実施形態では、中間電位を中心に電位が変化する信号とした。この駆動信号COMは、ノズルアクチュエータを駆動して液体を噴射する単位駆動信号としての駆動パルスPCOMを時系列的に接続したものであり、各駆動パルスPCOMの立上がり部分がノズルに連通するキャビティ(圧力室)の容積を拡大して液体を引込む(液体の噴射面を考えればメニスカスを引き込むとも言える)段階であり、駆動パルスPCOMの立下がり部分がキャビティの容積を縮小して液体を押出す(液体の噴射面を考えればメニスカスを押出すとも言える)段階であり、液体を押出した結果、液滴がノズルから噴射される。
この電圧台形波からなる駆動パルスPCOMの電圧増減傾きや波高値を種々に変更することにより、液体の引込量や引込速度、液体の押出量や押出速度を変化させることができ、これにより液滴の噴射量を変化させて異なる大きさのドットを得ることができる。従って、複数の駆動パルスPCOMを時系列的に連結する場合でも、そのうちから単独の駆動パルスPCOMを選択してアクチュエータに供給し、液滴を噴射したり、複数の駆動パルスPCOMを選択してアクチュエータに供給し、液滴を複数回噴射したりすることで種々の大きさのドットを得ることができる。即ち、液体が乾かないうちに複数の液滴を同じ位置に着弾すると、実質的に大きな液滴を噴射するのと同じことになり、ドットの大きさを大きくすることができるのである。このような技術の組合せによって多階調化を図ることが可能となる。駆動信号選択データSI&SPで駆動信号を選択する仕組みとしては、例えば特開2003−1824号公報に記載されるような形態で実現が可能である。なお、図6の左端の駆動パルスPCOM1は、液体を引込むだけで押出していない。これは、微振動と呼ばれ、液滴を噴射せずに、例えばノズルの増粘を抑制防止したりするのに用いられる。
各液体噴射ヘッド2には、前記図4の制御装置から制御信号として、印刷データに基づいて噴射するノズルを選択すると共に圧電素子などのノズルアクチュエータの駆動信号COMへの接続タイミングを決定する駆動信号選択データSI&SP、全ノズルにノズル選択データが入力された後、駆動信号選択データSI&SPに基づいて駆動信号COMと液体噴射ヘッド2のノズルアクチュエータとを接続させるラッチ信号LAT及びチャンネル信号CH、駆動信号選択データSI&SPをシリアル信号として液体噴射ヘッド2に送信するためのクロック信号SCK、及び本実施形態でディジーチェーン接続される液体噴射ヘッド2の接続位置を規定する接続位置データDnが入力されている。なお、これ以後、ノズルアクチュエータを駆動する駆動信号の最小単位を駆動パルスPCOMとし、駆動パルスPCOMが時系列的に連結された信号全体を駆動信号COMと記す。即ち、ラッチ信号LATで一連の駆動信号COMが出力され始め、チャンネル信号CH毎に駆動パルスPCOMが出力されることになる。また、駆動信号選択データSI&SPに先んじて接続位置データDnが入力される。
図7には、駆動信号COM(駆動パルスPCOM)をノズルアクチュエータ22に供給するために制御回路23内に構築されたスイッチングコントローラの具体的な構成を示す。このスイッチングコントローラは、液体を噴射させるべきノズルに対応した圧電素子などのノズルアクチュエータ22を指定するための駆動信号選択データSI&SPを保存するシフトレジスタ211と、シフトレジスタ211のデータを一時的に保存するラッチ回路212と、ラッチ回路212の出力をレベル変換して選択スイッチ201に供給することにより、駆動信号COMをピエゾ素子などのノズルアクチュエータ22に接続するレベルシフタ213を備えて構成されている。
シフトレジスタ211には、駆動信号選択データ信号SI&SPが順次入力されると共に、クロック信号SCKの入力パルスに応じて記憶領域が初段から順次後段にシフトする。ラッチ回路212は、ノズル数分の駆動信号選択データSI&SPがシフトレジスタ211に格納された後、入力されるラッチ信号LATによってシフトレジスタ211の各出力信号をラッチする。ラッチ回路212に保存された信号は、レベルシフタ213によって次段の選択スイッチ201をオンオフできる電圧レベルに変換される。これは、駆動信号COMが、ラッチ回路212の出力電圧に比べて高い電圧であり、これに合わせて選択スイッチ201の動作電圧範囲も高く設定されているためである。従って、レベルシフタ213によって選択スイッチ201が閉じられる圧電素子などのノズルアクチュエータは駆動信号選択データSI&SPの接続タイミングで駆動信号COM(駆動パルスPCOM)に接続される。また、シフトレジスタ211の駆動信号選択データSI&SPがラッチ回路212に保存された後、次の印刷情報をシフトレジスタ211に入力し、液体の噴射タイミングに合わせてラッチ回路212の保存データを順次更新する。なお、図中の符号HGNDは、圧電素子などのノズルアクチュエータのグランド端である。また、この選択スイッチ201によれば、圧電素子などのノズルアクチュエータを駆動信号COM(駆動パルスPCOM)から切り離した後も、当該ノズルアクチュエータ22の入力電圧は、切り離す直前の電圧に維持される。
図8には、前述した各液体噴射ヘッド2の制御信号用接続部13i,13o及び電力用接続部14i,14oによるディジーチェーン接続を示し、図8aには、6つの液体噴射ヘッド2を一連にディジーチェーン接続した状態、図8bには、6つの液体噴射ヘッド2を列毎にディジーチェーン接続した状態を示す。本実施形態の液体噴射装置では、液体噴射ヘッドを幾つでもディジーチェーン接続してよいが、特にノズルアクチュエータ駆動用電力は、ディジーチェーン接続するほど、接続線の抵抗で電圧が降下してしまう。そこで、図9に示すように、ノズルアクチュエータ駆動用電力を入出力する電力用接続部14i,14o同士の接続には、例えば銅ブスパーと呼ばれる金属板片15を用いても良い。このような金属板片15は、内部抵抗が小さいので、ノズルアクチュエータ駆動用電力の電圧降下を抑制することができ、前述した駆動信号の特性変化を抑制することができる。また、液体噴射ヘッド2を列毎にディジーチェーン接続する場合にあって、液体噴射ヘッド2の配設位置が列間でずれている場合には、前述したラッチ信号LATのタイミングをずらすことで、液体噴射タイミングのズレを調整することも可能となる。具体的には、例えば液体噴射ヘッド2の列間のドット位置ズレを予め検出しておき、そのズレが補正されるようにラッチ信号LATのタイミングをずらせばよい。
各液体噴射ヘッド2は、例えば図8のように、外観的には制御装置から1本のケーブルで1つ目の液体噴射ヘッド2の入力用の制御信号用接続部13iに接続して、同様にして最後端の液体噴射ヘッド2までケーブルで接続している。最後端の液体噴射ヘッド2の出力用の制御信号用接続部13oにはケーブルは接続されていない。よって、制御装置からは1本のケーブルが1つ目の液体噴射ヘッド2に延びているのみで、全ての液体噴射ヘッド2に制御信号の送信が可能である。電源回路から供給される電力に関しても同様である。
次に、各液体噴射ヘッド2の制御回路23で行われる駆動波形データ補正係数Phの算出及び格納の演算処理について図10のフローチャートを用いて説明する。この演算処理は、例えば印刷装置の電源オン時に行われ、まずステップS1で、前記スライドスイッチ12によるヘッド接続位置を読込む。
次にステップS2に移行して、予めメモリ24に記憶されているテーブルを参照して、前記ステップS1で読込んだヘッド接続位置に基づいた補正係数Phを算出し、それをレジスタに格納してからメインプログラムに復帰する。
次にステップS2に移行して、予めメモリ24に記憶されているテーブルを参照して、前記ステップS1で読込んだヘッド接続位置に基づいた補正係数Phを算出し、それをレジスタに格納してからメインプログラムに復帰する。
補正係数Phは、例えば図11に示すように、駆動波形信号WCOMの電圧値を補正するためのものであり、例えば図8、図9に示すように、電源回路に最も近い液体噴射ヘッド2ではPh=1.0、次の液体噴射ヘッド2ではPh=1.1といったように、電源回路から遠ざかるほど大きな値に設定してある。この補正係数Phは、ノズルアクチュエータ駆動用電力の電圧降下を補正するためのものであるが、その内容は後段に詳述する。
次に、各液体噴射ヘッド2の制御回路23で行われる駆動波形データ出力のための演算処理について図12のフローチャートを用いて説明する。この演算処理は、前記駆動信号COMの開始となるラッチ信号LATの入力で開始され、まずステップS11で、駆動波形データが格納されている駆動波形アドレスを“0”に設定する。
次にステップS12に移行して、設定された駆動波形アドレスの駆動波形データVwを読込む。
次にステップS12に移行して、設定された駆動波形アドレスの駆動波形データVwを読込む。
次にステップS13に移行して、前記ステップS12で読込まれた駆動波形データVwに前記図10の演算処理で算出格納された補正係数Phを乗じて、駆動波形信号電圧値を算出する。
次にステップS14に移行して、前記ステップS13で算出された駆動波形信号電圧値のデータを駆動波形信号発生回路25に向けて出力する。
次にステップS14に移行して、前記ステップS13で算出された駆動波形信号電圧値のデータを駆動波形信号発生回路25に向けて出力する。
次にステップS15に移行して、前述した次の駆動波形サンプリングタイミングか否かを判定し、駆動波形サンプリングタイミングである場合にはステップS16に移行し、そうでない場合には待機する。
前記ステップS16では、駆動波形データの最終値であるか否かを判定し、駆動波形データの最終値である場合にはメインプログラムに復帰し、そうでない場合にはステップS17に移行する。
ステップS17では、駆動波形アドレスをインクリメントしてからステップS12に移行する。
前記ステップS16では、駆動波形データの最終値であるか否かを判定し、駆動波形データの最終値である場合にはメインプログラムに復帰し、そうでない場合にはステップS17に移行する。
ステップS17では、駆動波形アドレスをインクリメントしてからステップS12に移行する。
これらの演算処理によれば、液体噴射ヘッド2の接続位置に応じた補正係数Phを駆動波形データVwに乗じて駆動波形信号電圧値が算出される。補正係数Phは、電源回路から遠ざかるほど大きな値に設定されている。前述のように、液体噴射ヘッド2をディジーチェーン接続する本実施形態の液体噴射装置では、電力用接続部14i,14o同士を接続する接続線の抵抗でノズルアクチュエータ駆動用電力の電圧降下が発生する。この電圧降下は、抵抗値の小さい金属板片15を用いた場合でも、その降下量が小さいというだけで、電圧降下そのものは回避できない。特に、デジタル電力増幅器を用いる本実施形態では、スイッチング素子であるMOSFETがオンオフ制御されるだけであるので、例えば前述のハイサイド側スイッチング素子Q1がオン、ローサイド側スイッチング素子Q2がオフであるときの出力は電源電圧VDDそのものとなり、この電源電圧VDDに電圧降下が生じると駆動信号COM(駆動パルスPCOM)も電圧降下して特性が変化してしまう。
しかしながら、接続線による電圧降下量は予め把握することができるので、この電圧降下量に応じた駆動波形データ(=駆動波形信号)の補正量を補正係数Phとして求め、その補正係数Phを液体噴射ヘッド2の接続位置に対応させてテーブル化してメモリ24に記憶しておき、このテーブルをルックアップして自身の液体噴射ヘッド2の接続位置に応じた補正係数Phを算出格納し、駆動波形データの出力の度に、当該駆動波形データVwに補正係数Phを乗じて駆動波形信号電圧値とすれば、接続線の抵抗による電源電圧降下分を補正した駆動信号COM(駆動パルスPCOM)が得られる。
次に、各液体噴射ヘッド2の制御回路23で行われる接続位置データDn及び駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPの受信・格納のための演算処理について図13のフローチャートを用いて説明する。この演算処理は、前記駆動信号COMの開始となるラッチ信号LATの入力で開始され、まずステップS21で、液体噴射ヘッド2の接続位置データDnであるか否かを判定し、接続位置データDnである場合にはステップS22に移行し、そうでない場合には待機する。
ステップS22では、送信される接続位置データDnを受信する。
ステップS22では、送信される接続位置データDnを受信する。
次にステップS23に移行して、接続位置データDnの受信が終了したか否かを判定し、接続位置データDnの受信が終了した場合にはステップS24に移行し、そうでない場合にはステップS22に移行する。
ステップS24では、ステップS22で受信した接続位置データが自身の液体噴射ヘッド2の接続位置に一致しているか否かを判定し、接続位置が一致している場合にはステップS25に移行し、そうでない場合にはステップS21に移行する。
ステップS24では、ステップS22で受信した接続位置データが自身の液体噴射ヘッド2の接続位置に一致しているか否かを判定し、接続位置が一致している場合にはステップS25に移行し、そうでない場合にはステップS21に移行する。
ステップS25では、接続位置データDnに続いて送信される駆動信号選択データ(図では印刷データ)SI&SPを受信する。
次にステップS26に移行して、駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPの受信が終了したか否かを判定し、駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPの受信が終了した場合にはステップS27に移行し、そうでない場合にはステップS25に移行する。
ステップS27では、前述したように駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPをシフトレジスタ211に格納してからメインプログラムに復帰する。
次にステップS26に移行して、駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPの受信が終了したか否かを判定し、駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPの受信が終了した場合にはステップS27に移行し、そうでない場合にはステップS25に移行する。
ステップS27では、前述したように駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPをシフトレジスタ211に格納してからメインプログラムに復帰する。
この図13の演算処理の作用について、図14を用いて説明する。図14aには、駆動信号選択データSI&SPに先行して送信される接続位置データDnの一例を示す。この接続位置データDnは、アドレスD0〜D4の5つのビット信号で構成され、図14bに示すように、アドレスD0は論理値「1」でデータの開始を意味する。続くアドレスD1〜D3は、2進法表記による接続位置データであり、例えば制御装置(又は電源回路)に最も近い接続位置の液体噴射ヘッド2を第1ヘッド、次の接続位置の液体噴射ヘッド2を第2ヘッドといったように定義付けしたとき、第1ヘッドは論理値「001」、第2ヘッドは論理値「010」、…第6ヘッドは論理値「110」といったように設定される。この液体噴射ヘッド2の接続位置データと、前記スライドスイッチ12で設定される接続位置情報とを比較し、両者が一致すれば、その接続位置データが自身の液体噴射ヘッド2の接続位置を示していると判定できる。なお、接続位置データが論理値「111」である場合は、全ての液体噴射ヘッド2に共通するという意味を表している。続くアドレスD4は、論理値「0」で接続位置データが終了する意味を表し、論理値「1」で接続位置データが継続する意味を表す。
従って、例えば第1ヘッドも第2ヘッドも駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPの内容が異なる場合には、図14cに示すように、アドレスD0が論理値「1」で接続位置データが開始されると、アドレスD1〜D3が論理値「001」となって第1ヘッドを示し、次いでアドレスD4が論理値「0」となって接続位置データが終了し、次いで第1ヘッドの駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPが読込まれ、次にアドレスD1〜D3が論理値「010」となって第2ヘッドを示し、次いでアドレスD4が論理値「0」となって接続位置データが終了し、次いで第2ヘッドの駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPが読込まれる。一方、第1ヘッドと第6ヘッドの駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPが同じ場合には、図14dに示すように、アドレスD0が論理値「1」で接続位置データが開始されると、アドレスD1〜D3が論理値「001」となって第1ヘッドを示した後、アドレスD4が論理値「1」となってデータの継続を示し、続くアドレスD1〜D3が論理値「101」となって第6ヘッドを示し、次いでアドレスD4が論理値「0」となって接続位置データが終了し、その後、第1ヘッド及び第2ヘッドに共通する駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPが読込まれる。更に、ディジーチェーン接続される全ての液体噴射ヘッドの駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPが同じ場合には、図4eに示すように、アドレスD0が論理値「1」で接続位置データが開始されると、アドレスD1〜D3が論理値「111」となって全ての液体噴射ヘッドを示し、次いでアドレスD4が論理値「0」となって接続位置データが終了し、次いで全ての液体噴射ヘッドに共通する駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPが読込まれる。このように同じ駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPを送信する場合に液体噴射ヘッドの接続位置データを連結したり、複数の接続位置情報を示す接続位置データを設定したりすることにより、データの送信時間を短縮することができ、ひいては印刷時間を短縮することも可能となる。
次に、本実施形態の液体噴射装置を用いた印刷装置の変形例について説明する。この実施形態は、図15に示すように、千鳥配列された液体噴射ヘッド2の総数が8つであり、更に印刷媒体1の搬送方向と交差する方向に同じ内容を印刷する、所謂割付印刷を可能としたものである。ここでは、印刷媒体搬送方向と交差する方向に8つの液体噴射ヘッド2を2分割し、図の左半分の4つの液体噴射ヘッド2をAグループ、右半分の4つの液体噴射ヘッド2をBグループとする。そして、図の各グループの左端から第1ヘッド、第2ヘッド…の順に第4ヘッドまで定義する。つまり、図の左端の液体噴射ヘッド2はAグループの第1ヘッドであり、図の右端の液体噴射ヘッド2はBグループの第4ヘッドとなる。
この場合の接続位置データDnは、図16aに示すように、アドレスD0〜D6の7つのビット信号で構成され、前記図14と同様に、アドレスD0は論理値「1」でデータの開始を意味する。続くアドレスD1、D2は、論理値「01」でAグループを、論理値「10」でBグループを、論理値「11」でA/B両グループを示す。続くアドレスD3〜D5は、前記図14のアドレスD1〜D3と同様に、2進法表記による接続位置データであり、各グループの第1ヘッドは論理値「001」、第2ヘッドは論理値「010」、…第6ヘッドは論理値「110」といったように設定され、論理値「111」はグループ内の全ての液体噴射ヘッドを示す。続くアドレスD7は、前記図14のアドレスD4と同様に、論理値「0」で接続位置データが終了する意味を表し、論理値「1」で接続位置データが継続する意味を表す。
従って、割付印刷であるから、A/Bグループの第1ヘッドは駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPが同じであり、A/Bグループの第2ヘッドも駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPが同じであるため、図16bに示すように、アドレスD0が論理値「1」で接続位置データが開始されると、アドレスD1、D2が論理値「11」となってA/B両グループを示し、続くアドレスD3〜D5が論理値「001」となって第1ヘッドを示し、次いでアドレスD4が論理値「0」となって接続位置データが終了し、次いでA/B両グループの第1ヘッドに共通する駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPが読込まれ、次にアドレスD1、D2が論理値「11」となってA/B両グループを示し、続くアドレスD3〜D5が論理値「001」となって第2ヘッドを示し、次いでアドレスD4が論理値「0」となって接続位置データが終了し、次いでA/B両グループの第2ヘッドに共通する駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPが読込まれる。なお、割付印刷でない場合には、アドレスD1、D2によってグループを別々に表記すればよい。
このように本実施形態の液体噴射装置によれば、液体噴射ヘッド2を複数配設し、各液体噴射ヘッド2には、液体を噴射するためのノズルを複数形成すると共に各ノズルにノズルアクチュエータ22を配設し、各液体噴射ヘッド2の各ノズルアクチュエータを駆動信号COMで駆動することにより該当するノズルから印刷媒体1に向けて液体を噴射するにあたり、液体噴射ヘッド2の夫々にノズルアクチュエータ22を駆動するための駆動回路を設けると共に、各液体噴射ヘッド2に制御装置からの制御信号及びノズルアクチュエータ駆動用電力の入力及び出力のための接続部13i,13o,14i,14oを設け、それら複数の液体噴射ヘッド2をディジーチェーン接続したことにより、例えば印刷装置本体の制御装置と複数の液体噴射ヘッド2を個別のFFCで接続する必要がなくなるため、組立性や保守性を確保すると共に、装置の小型化が可能となる。また、液体噴射ヘッド2の夫々に駆動回路を設けたことにより、液体噴射ヘッド2の接続位置に応じてノズルアクチュエータ22を駆動したり、その駆動信号COMを補正したりすることが可能となる。
また、複数の液体噴射ヘッド2を列毎にディジーチェーン接続したことにより、液体噴射ヘッド2間のディジーチェーン接続を金属板片で行うことが可能となると共に、液体噴射ヘッド2の列毎に液体噴射タイミングを設定することが可能となる。
また、各液体噴射ヘッド2に設けられた接続部13i,13o,14i,14oのうち、ノズルアクチュエータ駆動用電力の入力及び出力のための接続部14i,14o同士を金属板片15で接続したことにより、抵抗の小さい金属板片15により、駆動信号特性の変化を抑制することが可能となる。
また、各液体噴射ヘッド2に設けられた接続部13i,13o,14i,14oのうち、ノズルアクチュエータ駆動用電力の入力及び出力のための接続部14i,14o同士を金属板片15で接続したことにより、抵抗の小さい金属板片15により、駆動信号特性の変化を抑制することが可能となる。
また、各液体噴射ヘッド2の駆動回路が、自身の液体噴射ヘッド2の接続位置を検出するためのスライドスイッチ12を、各液体噴射ヘッド2に設けたことにより、各液体噴射ヘッド2の駆動回路が自身の接続位置を検出することができるので、その接続位置に応じてノズルアクチュエータ22を駆動したり、その駆動信号COMを補正したりすることができる。
また、制御信号に液体噴射ヘッド2の接続位置を規定する接続位置データDnを設け、駆動回路は、スライドスイッチ12によって検出された自身の液体噴射ヘッド2の接続位置と制御信号に設けられた接続位置データDnとに基づいてノズルアクチュエータ22を駆動することにより、時系列的に連結された制御信号の中から自身の液体噴射ヘッド2に関する制御信号を選択してノズルアクチュエータ22を駆動することが可能となり、その結果、制御信号を送受する信号線数を低減することが可能となる。
また、複数の液体噴射ヘッド2の駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPが同じ場合には、それらの液体噴射ヘッド2の接続位置データDnを連結し、その連結された接続位置データDnに駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPを接続して送信することにより、制御信号中の駆動信号選択データ(印刷データ)SI&SPの多重化を回避して制御信号の送信所要時間を短縮化することができ、ひいては印刷時間そのものを短縮することが可能となる。
また、駆動回路は、スライドスイッチ12によって検出された自身の液体噴射ヘッドの接続位置に基づいてノズルアクチュエータ22を駆動するための駆動信号COMを補正することとしたため、シリアル接続で回避できない駆動信号COMの電圧降下分を補正することが可能となり、駆動信号特性を一定にすることができる。
なお、前記実施形態では、本発明の液体噴射装置をラインヘッド型印刷装置に用いた場合についてのみ詳述したが、本発明の液体噴射装置は、マルチパス型印刷装置にも同様に適用可能である。
なお、前記実施形態では、本発明の液体噴射装置をラインヘッド型印刷装置に用いた場合についてのみ詳述したが、本発明の液体噴射装置は、マルチパス型印刷装置にも同様に適用可能である。
また、前記実施形態では、本発明の液体噴射装置をインクジェット式印刷装置に具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の液体(液体以外にも、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルなどの流状体を含む)や液体以外の流体(流体として流して噴射できる固体など)を噴射したり吐出したりする液体噴射装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッサンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解の形態で含む液状体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられて試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。更に、時計やカメラなどの精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子などに用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するための紫外線硬化樹脂などの透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリなどのエッチング液を噴射する液体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置、トナーなどの粉体を例とする固体を噴射する流体噴射式記録装置であってもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
1は印刷媒体、2は液体噴射ヘッド、3は給紙部、4は搬送部、5は給紙ローラ、6は搬送ベルト、7は電動モータ、8は駆動ローラ、9は従動ローラ、10は排紙部、11は固定プレート、12はスライドスイッチ、13i,13oは制御信号用接続部、14i,14oは電力用接続部、15は金属板片、22はノズルアクチュエータ、23は制御回路、24はメモリ、25は駆動波形信号発生回路、26は変調回路、28はデジタル電力増幅器、29は平滑フィルタ、30はゲート駆動回路、31はハーフブリッジD級出力段、62は制御部、65はヘッドドライバ、201は選択スイッチ
Claims (7)
- 液体噴射ヘッドを複数配設し、各液体噴射ヘッドには、液体を噴射するためのノズルを複数形成すると共に各ノズルにノズルアクチュエータを配設し、各液体噴射ヘッドの各ノズルアクチュエータを駆動信号で駆動することにより該当するノズルから印刷媒体に向けて液体を噴射する液体噴射装置であって、前記液体噴射ヘッドの夫々にノズルアクチュエータを駆動するための駆動回路を設けると共に、各液体噴射ヘッドに制御装置からの制御信号及びノズルアクチュエータ駆動用電力の入力及び出力のための接続部を設け、それら複数の液体噴射ヘッドをディジーチェーン接続したことを特徴とする液体噴射装置。
- 前記複数の液体噴射ヘッドを列毎にディジーチェーン接続したことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記各液体噴射ヘッドに設けられた接続部のうち、ノズルアクチュエータ駆動用電力の入力及び出力のための接続部同士を金属板片で接続したことを特徴とする請求項1また2に記載の液体噴射装置。
- 前記各液体噴射ヘッドの駆動回路が、自身の液体噴射ヘッドの接続位置を検出するための接続位置検出手段を、各液体噴射ヘッドに設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記制御信号に液体噴射ヘッドの接続位置を規定する接続位置情報を設け、前記駆動回路は、前記接続位置検出手段によって検出された自身の液体噴射ヘッドの接続位置と前記制御信号に設けられた接続位置情報とに基づいてノズルアクチュエータを駆動することを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
- 複数の液体噴射ヘッドの印刷内容が同じ場合には、それらの液体噴射ヘッドの接続位置情報を連結し、その連結された接続位置情報に印刷情報を接続して送信することを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。
- 前記駆動回路は、前記接続位置検出手段によって検出された自身の液体噴射ヘッドの接続位置に基づいてノズルアクチュエータを駆動するための駆動信号を補正することを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の液体噴射装置。
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2008
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