JP5392604B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、上記式(1)中のA、B及びCは、それぞれ下記の式(2)〜(4)により定義されるものである。
A=cos(−X+α−β)−Z×cos(θ+β−180) ・・・(2)
B=sin(−X+α−β)−Z×sin(θ+β−180) ・・・(3)
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記理想振幅比率Yから1を差し引いた値の絶対値が、0.7以下となるように、上記2つの潜像担持体の直径R、該2つの潜像担持体の転写部間距離L、上記角度α及び上記角度βが設定されていることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記理想振幅比率Yから1を差し引いた値の絶対値が、0.06以下となるように、上記2つの潜像担持体の直径R、該2つの潜像担持体の転写部間距離L、上記角度α及び上記角度βが設定されていることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記2つの潜像担持体の表面が所定の潜像形成箇所から被転写体への転写部までを移動する間に、上記駆動伝達用回転体及び上記従動回転体が整数回、回転するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記第1被駆動伝達用回転体及び上記第2被駆動伝達用回転体の相対的な回転位置を調整するための回転位置調整手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記回転位置調整手段は、上記第1被駆動伝達用回転体及び上記第2被駆動伝達用回転体として用いられる上記同一の回転体上に形成された、該回転体の回転により周回移動する第1マーク及び第2マークで構成されており、上記第1マーク及び上記第2マークは、上記相対的な回転位置が調整された後における上記第1被駆動伝達用回転体上の第1マークと上記第2被駆動伝達用回転体上の第2マークとが互いに同じ回転位置となるように、該同一の回転体上に形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記回転位置調整手段は、上記第1被駆動伝達用回転体及び上記第2被駆動伝達用回転体として用いられる上記同一の回転体上に形成された、該回転体の回転により周回移動する第1マーク及び第2マークと、該第1被駆動伝達用回転体及び該第2被駆動伝達用回転体を支持する支持部材上に形成された、該第1マークに対応する第3マーク及び該第2マークに対応する第4マークとで構成されており、上記第1マークは、その回転体が上記第1被駆動伝達用回転体として用いられる場合に、上記相対的な回転位置が調整された後における回転位置が上記支持部材上の第3マークに最も近接する位置となるように、該同一の回転体上に形成されており、上記第2マークは、その回転体が上記第2被駆動伝達用回転体として用いられる場合に、上記相対的な回転位置が調整された後における回転位置が上記支持部材上の第4マークに最も近接する位置となるように、該同一の回転体上に形成されていることを特徴とするものである。
本発明者らは、詳しくは後述するが、第2被駆動伝達用回転体の外周振れの現実振幅に対する当該特定色ズレを理論上ゼロにし得る第1被駆動伝達用回転体の外周振れの理想振幅の比率である理想振幅比率Yが、上述した式(1)〜(6)に示すように、2つの潜像担持体の直径Rと、これらの潜像担持体間における転写部間距離Lと、上記角度α(以下「モータ入力角度α」という。)と、上記角度β(以下「アイドラ入力角度β」という。)という4つのパラメータによって決まることを見出した。そして、特定色ズレの最大量は、この理想振幅比率Yと、第2被駆動伝達用回転体の外周振れの現実振幅に対する第1被駆動伝達用回転体の外周振れの現実振幅の比率である現実振幅比率との差分値(絶対値)に比例する。具体的には、特定色ズレの最大量は、当該差分値に対し、第2被駆動伝達用回転体の外周振れの現実振幅を乗じたものとなる。近年では、高画質化の要求により、当該特定色ズレの最大許容量が10μm程度に設定されることが想定される。特定色ズレの最大量をこの最大許容量(10μm)以下とするには、当該差分値が、第2被駆動伝達用回転体の外周振れの現実振幅に対する最大許容量(10μm)の比率である最大許容振幅比率以下となるようにすればよい。本発明では、第1被駆動伝達用回転体及び第2被駆動伝達用回転体として同一の回転体を用いているので、現実振幅比率は1である。したがって、理想振幅比率Yから1を差し引いた値の絶対値が最大許容振幅比率以下となるような理想振幅比率Yが得られるように、潜像担持体の直径R、転写部間距離L、モータ入力角度α及びアイドラ入力角度βを設定する本発明によれば、特定色ズレの最大量を10μm以下とすることができる。
図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。
同図において、実施形態に係るプリンタは、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック(以下、それぞれY,M,C,Kと記す。)のトナー像(可視像)を生成するための4つのプロセスユニット6Y,6M,6C,6Kを備えている。これらは、画像形成物質として、Y、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット6Yを例にすると、図2に示すように、潜像担持体であるドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、帯電装置4Y、現像器5Y等を備えている。画像形成ユニットたるプロセスユニット6Yは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
図3は、カラー感光体1Y,1M,1Cの駆動装置を図1とは反対側から見たときの斜視図である。
駆動装置80には、主に、駆動源であるモータ81と、このモータ81からそれぞれの感光体1Y,1M,1Cまで回転駆動力を伝達するための後述する駆動力伝達部と、これらを保持するための保持部材82a,82bとから構成されている。
図5は、駆動力伝達部を構成するプリンタ本体側駆動力伝達部を示す斜視図である。
図6は、駆動力伝達部を構成する感光体側駆動力伝達部を示す斜視図である。
駆動力伝達部は、主に、感光体1Y,1M,1Cの回転軸上に設けられた被駆動連結部84Y,84M,84Cと、この被駆動連結部84Y,84M,84Cに固定される感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cと、モータ81のモータ軸上に固定されたモータギヤ85と、アイドラギヤ86とから構成される。本実施形態において、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cは同一のものである。感光体1Y,1M,1Cの回転軸上の被駆動連結部84Y,84M,84Cは、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cの回転軸上の駆動連結部87Y,87M,87Cと同軸上で連結する。これにより、感光体1Y,1M,1Cは、それぞれの感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cと一体的に回転する。なお、感光体1Y,1M,1Cの回転軸上に設けられた被駆動連結部84Y,84M,84Cと感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cとは一体形成されたものでも、本実施形態のように別体形成されたものでもよい。
感光体1Yの回転角速度が何らかの要因で変動すると、その回転角速度が速い時に露光部で形成される静電潜像部分における感光体上の位置は、本来よりも感光体表面移動方向下流側にズレた位置となる。また、感光体1Yの回転角速度が速い時に転写部で転写されるトナー像部分における中間転写ベルト8上の位置は、本来よりも中間転写ベルト表面移動方向上流側にズレた位置となる。逆に、感光体1Yの回転角速度が遅い時に露光部で形成される静電潜像部分における感光体上の位置は、本来よりも感光体表面移動方向上流側にズレた位置となり、感光体1Yの回転角速度が遅い時に転写部で転写されるトナー像部分における中間転写ベルト8上の位置は、本来よりも中間転写ベルト表面移動方向下流側にズレた位置となる。
図8は、カラー感光体1Y,1M,1Cの回転軸方向から見たときの感光体駆動ギヤ83Y,83M,83C、モータギヤ85及びアイドラギヤ86の配置を示す正面図である。
図9は、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cに対するモータギヤ85及びアイドラギヤ86の相対的な配置関係を示す模式図である。
本実施形態において、モータ81に接続された駆動伝達用回転体であるモータギヤ85は、第2被駆動伝達用回転体としてのM用感光体駆動ギヤ83Mと、第3被駆動伝達用回転体としてのY用感光体駆動ギヤ83Yとに直接接続されている。また、従動回転体としてのアイドラギヤ86は、第1被駆動伝達用回転体としてのC用感光体駆動ギヤ83CとM用感光体駆動ギヤ83Mとに直接接続されている。これにより、モータギヤ85から伝達されるモータ81の回転駆動力により、第1潜像担持体としてのC用感光体1C及び第2潜像担持体としてのM用感光体1Mを含む3つの感光体1Y,1M,1Cを駆動することができる。
なお、本実施形態において、上記第1の仮想直線D1と、C用感光体駆動ギヤ83Cの回転中心とアイドラギヤ86の回転中心とを結んだ第3の仮想直線D3とのなす角度(アイドラ入力角度)を、C用感光体駆動ギヤ83Cの回転方向(図9中時計回り方向)を正として、βと規定している。したがって、本実施形態において、アイドラ入力角度βは正の値をとる。
なお、本実施形態において、上記第1の仮想直線D1と、M用感光体駆動ギヤ83Mの回転中心とモータギヤ85の回転中心とを結んだ第2の仮想直線D2とのなす角度(モータ入力角度)を、M用感光体駆動ギヤ83Mの回転方向(図9中時計回り方向)を正として、αと規定している。したがって、本実施形態において、モータ入力角度αは正の値をとる。
図中符号EM,EYで示すものは、それぞれの感光体駆動ギヤ83M,83Yの偏心による外周振れ(以下「偏心成分」という。)を表すベクトルであり、それぞれの感光体駆動ギヤ83M,83Yの偏心による外周振れが最大となる半径方向(半径が最も長い半径方向)を位相基準としている。したがって、図中符号EM,EYで示すベクトルの向きは基準位相を示している。また、図中符号EM,EYで示すベクトルの大きさは、その方向における偏心量に応じた外周振れの大きさを示すものである。したがって、図中符号EM,EYで示すベクトルの大きさは、その偏心位相の現実振幅を示している。ただし、図示のベクトルの向きや大きさは仮定のものであり、本実施形態における構成と正確に対応したものではない。以下に述べるベクトルについても同様である。
また、上記式(7)中、「L」は2つの感光体1M,1Yの転写部間距離であり、「R]は2つの感光体1M,1Yの直径である。
なお、本実施形態では、少なくともカラー感光体1Y,1M,1C間において、それぞれの転写部間距離はいずれのLであり、同一の感光体が用いられているのでいずれの直径もRである。
図中符号ECで示すものは、感光体駆動ギヤ83Cの偏心による外周振れすなわち感光体駆動ギヤ83Cの偏心成分を表すベクトルであり、感光体駆動ギヤ83Cの偏心による外周振れが最大となる半径方向(半径が最も長い半径方向)を位相基準としている。したがって、図中符号ECで示すベクトルの向きは基準位相を示している。また、図中符号ECで示すベクトルの大きさは、その方向における偏心量に応じた外周振れの大きさを示すものである。したがって、図中符号ECで示すベクトルの大きさは、その偏心成分の現実振幅を示している。
M用感光体駆動ギヤ83Mの回転角速度が最も遅くなるのは、すなわち、M用感光体1Mの回転角速度が最も遅くなるのは、上述したように、M用感光体駆動ギヤ83Mの偏心成分EMの基準位相がモータギヤ85の方向を向いた時である(図13中符号E1Mで示す方向)。また、M用感光体駆動ギヤ83Mの回転角速度がアイドラギヤ86へ最も遅く伝達されるのは、M用感光体駆動ギヤ83Mの偏心成分EMの基準位相がアイドラギヤ86の方向とは180°反対側を向いた時である(図13中符号E2Mで示す方向)。これより、アイドラギヤ86の回転角速度が最も遅くなるのは、符号E1Mで示す方向と符号E2Mで示す方向との中間に位置する方向にM用感光体駆動ギヤ83Mの偏心成分EMの基準位相が向いた時となる。この時、アイドラギヤ86の回転角速度が最も遅いということは、C用感光体駆動ギヤ83Cの線速が最も遅いということになる。したがって、この時に、アイドラギヤ86を介してC用感光体駆動ギヤ83Cに伝達されるM用感光体駆動ギヤ83Mの偏心成分EM’の基準位相は、アイドラギヤ86の方向を向くことになる。
M用感光体駆動ギヤ83Mの偏心成分EMを下記の式(10)により定義すると、C用感光体駆動ギヤ83C上における合成偏心成分EC’は下記の式(11)により表され、アイドラギヤ86からC用感光体駆動ギヤ83Cに伝わるM用感光体駆動ギヤ83Mの偏心成分EM’は、下記の式(12)により表される。
ただし、ECの周期はL/πRである。また、上記式(13)中のA、B及びCは、それぞれ下記の式(14)〜(16)により定義されるものである。
A=cos(−X+α−β)−Z×cos(θ+β−180) ・・・(14)
B=sin(−X+α−β)−Z×sin(θ+β−180) ・・・(15)
図16は、本実施形態で用いることが可能な位相調整手段の一例を示す説明図である。
この位相調整手段は、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cとして用いられるギヤの軸方向端面上に、位相合わせ基準となる印(マーク)88が形成されている。このマーク88は、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cの回転に伴ってギヤ軸を中心に周回移動する位置に設けられている。一方、保持部材82a側には、それぞれの感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cの回転位置が上述したように調整されたときにマーク88と対向する部分(最も近接する部分)に、それぞれマーク89Y,89M,89Cが形成されている。したがって、これらの感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cを組み付ける際に、マーク88がそれぞれマーク89Y,89M,89Cに対向するように回転位置を調整して組み付けるだけで、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cの回転位置を上述したように調整することができ、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cの偏心に起因した色ズレ(特定色ズレを含む。)を解消又は低減することができる。
図16に示した位相調整手段では、保持部材82a側に設けるマーク89Y,89M,89Cの位置が制限されてしまい、そのマーク89Y,89M,89Cが他の部品などに隠れて組み付け作業員に見えにくいものとなったり、マーク89Y,89M,89Cを形成すること自体が困難となる場合がある。
図17に示す位相調整手段は、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cとして用いられるギヤの軸方向端面上に、各感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cに対応した3つの位相合わせ基準用マークR,C,Lが形成されている。各マークR,C,Lは、回転位置が調整された後において、Y用感光体駆動ギヤ83Y上のマークR、M用感光体駆動ギヤ83M上のマークC、C用感光体駆動ギヤ83C上のマークLが、いずれも同じ回転位置(例えば図示の例では図中下側の位置)となるギヤの軸方向端面上の位置に形成されている。したがって、これらの感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cを組み付ける際に、対応するマークR,C,Lが同じ回転位置となるように各感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cの回転位置を調整して組み付けるだけで、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cの回転位置を上述したように調整することができ、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cの偏心に起因した色ズレ(特定色ズレを含む。)を解消又は低減することができる。
この例は、図17に示した例と同様に、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cとして用いられるギヤの軸方向端面上に、各感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cに対応した3つの位相合わせ基準用マークR,C,Lが形成されている。また、保持部材82a側には、それぞれの感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cの回転位置が上述したように調整されたときに、対応するマークR,C,Lと対向する部分(最も近接する部分)に、それぞれ同一のマークR,C,Lが形成されている。したがって、これらの感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cを組み付ける際、Y用感光体駆動ギヤ83YについてはR同士、M用感光体駆動ギヤ83MについてはC同士、C用感光体駆動ギヤ83CについてはL同士がそれぞれ互いに対向するように回転位置を調整して組み付けるだけで、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cの回転位置を上述したように調整することができ、感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cの偏心に起因した色ズレ(特定色ズレを含む。)を解消又は低減することができる。
次に、上記実施形態におけるカラー感光体1Y,1M,1Cの駆動装置の変形例について説明する。
図20は、本変形例における感光体駆動ギヤ83Y,83M,83Cに対するモータギヤ85及びアイドラギヤ86の相対的な配置関係を示す模式図である。
本変形例では、モータギヤ85の回転軸方向から見た場合に、モータギヤ85の回転中心が第1の仮想直線D1よりもM用感光体駆動ギヤ83Mの回転方向上流側となるように、モータギヤ85が配置されている。よって、第1の仮想直線D1と、M用感光体駆動ギヤ83Mの回転中心とモータギヤ85の回転中心とを結んだ第2の仮想直線D2’とのなす角度(モータ入力角度)αは、上記実施形態と同様にM用感光体駆動ギヤ83Mの回転方向(図9中時計回り方向)を正とすると、負の値をとる。なお、アイドラ入力角度βは、上記実施形態と同じように正の値をとる。なお、その他の構成については、上記実施形態と同じである。
中間転写ベルト表面移動方向下流側に位置するM用感光体1Mの感光体駆動ギヤ83Mの偏心成分EMの基準位相がモータギヤ85の方向を向いた時点を基準に考えると、Y用感光体駆動ギヤ83Yは、その偏心成分EYの基準位相がモータギヤ85の方向を向く回転位置から更に上記式(7)により算出されるX°だけ回転させた方向に向くように調整すればよい。
C用感光体駆動ギヤ83Cは、上述した実施形態と同様、合成偏心成分EC’の基準位相がアイドラギヤ86の方向を向いたときに、その回転角速度が最も小さくなる。よって、図23に示すように、M用感光体1Mの感光体駆動ギヤ83Mの偏心成分EMの基準位相がモータギヤ85の方向を向いた時点を基準に考えると、C用感光体駆動ギヤ83Cは、合成偏心成分EC’の基準位相がアイドラギヤ86の方向を向いた回転位置から上記式(7)により算出されるX°だけ逆方向に回転させた方向に向くように調整すれば、カラー感光体1Y,1M,1C間において、最も縮んだ形状となっているトナー像同士あるいは最も伸びた形状となっているトナー像同士が中間転写ベルト8上の同一地点に転写されるようになる。
本変形例においても、アイドラギヤ86の回転角速度が最も遅くなるのは、符号E1Mで示す方向と符号E2Mで示す方向との中間に位置する方向にM用感光体駆動ギヤ83Mの偏心成分EMの基準位相が向いた時となる。この時、アイドラギヤ86の回転角速度が最も遅いということは、C用感光体駆動ギヤ83Cの線速が最も遅いということになる。したがって、この時に、アイドラギヤ86を介してC用感光体駆動ギヤ83Cに伝達されるM用感光体駆動ギヤ83Mの偏心成分EM’の基準位相は、アイドラギヤ86の方向を向くことになる。
特に、理想振幅比率Yから1を差し引いた値の絶対値が0.7以下となるようにすれば、一般的な偏心量を持ったギヤを感光体駆動ギヤ83C,83Mとして用いる場合でも、特定色ズレの量を10μm以下まで軽減することができる。
また、理想振幅比率Yから1を差し引いた値の絶対値が0.06以下となるようにすれば、特定色ズレ量を大幅に少なくできるので、より高い画質を実現できるようになる。また、特定色ズレ量を大幅に少なくできる結果、他の色ズレ変動要因の色ズレ量の許容量を相対的に増やすことが可能となり、これにより装置全体での設計等の自由度が高まるなどの効果が得られる。
また、本実施形態では、2つの感光体1C,1Mの表面が所定の潜像形成箇所(露光部)から中間転写ベルト8への転写部までを移動する間に、モータギヤ85及びアイドラギヤ86が整数回、回転するように構成されている。これにより、モータギヤ85及びアイドラギヤ86の偏心の影響が色ズレとなって表れることを防止することができる。
また、本実施形態のように、C用感光体駆動ギヤ83C及び上記M用感光体駆動ギヤ83Mの相対的な回転位置を調整するための回転位置調整手段としての位相調整手段を設けることで、その調整を容易にすることが可能となる。
特に、上述したように、位相調整手段として、C用感光体駆動ギヤ83C及びM用感光体駆動ギヤ83Mとして用いられる同一のギヤ上に、当該ギヤの回転により周回移動する第1マークR及び第2マークCを形成し、これらの第1マークR及び第2マークCを、上記相対的な回転位置が調整された後におけるC用感光体駆動ギヤ83C上の第1マークRとM用感光体駆動ギヤ83M上の第2マークCとが互いに同じ回転位置となるように形成することで、他の部品に邪魔されることなく容易に調整が可能となる。
また、上述したように、位相調整手段として、C用感光体駆動ギヤ83C及びM用感光体駆動ギヤ83Mとして用いられる同一のギヤ上に、当該ギヤの回転により周回移動する第1マークR及び第2マークCを形成するとともに、C用感光体駆動ギヤ83C及びM用感光体駆動ギヤ83Mを支持する支持部材としての保持部材82a上に、その第1マークRに対応する第3マークR及びその第2マークCに対応する第4マークCを形成し、第1マークRは、そのギヤがC用感光体駆動ギヤ83Cとして用いられる場合に、上記相対的な回転位置が調整された後における回転位置が保持部材82a上の第3マークRに最も近接する位置となるように形成されており、第2マークCは、そのギヤがM用感光体駆動ギヤ83Mとして用いられる場合に、上記相対的な回転位置が調整された後における回転位置が上記保持部材82a上の第4マークCに最も近接する位置となるように形成することで、保持部材82a上のマークにギヤのマークを合わせるだけで調整が可能となり、その調整が容易となる。
7 光書込ユニット
8 中間転写ベルト
80 駆動装置
81 モータ
82a,82b 保持部材
83Y,83M,83C,83K 感光体駆動ギヤ
85 モータギヤ
86 アイドラギヤ
88 マーク
89Y,89M,89C マーク
R,C,L マーク
D1 第1の仮想直線
D2,D2’ 第2の仮想直線
D3 第3の仮想直線
EY Y用感光体駆動ギヤの偏心成分
EM M用感光体駆動ギヤの偏心成分
EC C用感光体駆動ギヤの偏心成分
EC’ 合成偏心成分
α モータ入力角度
β アイドラ入力角度
Claims (7)
- 表面が周回移動する潜像担持体を被転写体の表面移動方向に沿って2以上備え、潜像担持体ごとに設けられた被駆動伝達用回転体に対して駆動源からの回転駆動力を伝達することにより各潜像担持体の表面を周回移動させ、所定の潜像形成箇所で形成した各潜像担持体表面上の潜像を現像して得られる可視像を互いに重なり合うように被転写体上へ転写して最終画像を得る画像形成装置において、
互いに同じ直径Rを有する2つの潜像担持体の転写部間距離Lが該2つの潜像担持体の周長πRの整数倍の値から外れるように構成されており、
上記2つの潜像担持体のうち被転写体表面移動方向下流側に位置する第1潜像担持体に設けられた第1被駆動伝達用回転体と、被転写体表面移動方向上流側に位置する第2潜像担持体に設けられた第2被駆動伝達用回転体とを、互いに同一の回転体で構成し、
上記第1潜像担持体の転写部を上記被転写体上の特定地点が通過する時点における上記第1被駆動伝達用回転体の偏心と上記第2被駆動伝達用回転体の偏心とによる該第1被駆動伝達用回転体の回転角速度の変動成分の位相と、上記第2潜像担持体の転写部を該特定地点が通過する時点における該第2被駆動伝達用回転体の偏心による該第2被駆動伝達用回転体の回転角速度の変動成分の位相とが互いに一致するように、該第1被駆動伝達用回転体及び該第2被駆動伝達用回転体の相対的な回転位置が設定されており、
駆動源側に接続された駆動伝達用回転体を上記第2被駆動伝達用回転体に直接接続し、かつ、従動回転する従動回転体を上記第1被駆動伝達用回転体と該第2被駆動伝達用回転体とに直接接続することで、該駆動伝達用回転体から伝達される回転駆動力により上記第1潜像担持体及び上記第2潜像担持体の両方を駆動し、
上記従動回転体の回転軸方向から見た場合に、該従動回転体の回転中心が上記第1被駆動伝達用回転体の回転中心と上記第2被駆動伝達用回転体の回転中心とを結んだ第1の仮想直線よりも該第2被駆動伝達用回転体の回転方向上流側となるように、該従動回転体を配置し、
上記従動回転体の回転軸方向から見た場合に、上記第1の仮想直線と、該第2被駆動伝達用回転体の回転中心と上記駆動伝達用回転体の回転中心とを結んだ第2の仮想直線とのなす角度を、該第2被駆動伝達用回転体の回転方向を正として、αと規定し、かつ、上記従動回転体の回転軸方向から見た場合に、上記第1の仮想直線と、上記第1被駆動伝達用回転体の回転中心と該従動回転体の回転中心とを結んだ第3の仮想直線とのなす角度を、該第1被駆動伝達用回転体の回転方向を正として、βと規定した場合、該第2被駆動伝達用回転体が有する偏心に起因した該第2被駆動伝達用回転体の外周振れの現実振幅に対する、該第1被駆動伝達用回転体及び該第2被駆動伝達用回転体の偏心に起因して上記第1潜像担持体と上記第2潜像担持体との間で生じる相対的な転写位置ズレを理論上ゼロにし得る該第1被駆動伝達用回転体の外周振れの理想振幅の比率を示す理想振幅比率Yを、下記の式(1)で定義したとき、該理想振幅比率Yから1を差し引いた値の絶対値が、該第2被駆動伝達用回転体の外周振れの該現実振幅に対する該転写位置ズレの最大許容量である10μmの比率を示す最大許容振幅比率以下となるように、上記2つの潜像担持体の直径R、該2つの潜像担持体の転写部間距離L、上記角度α及び上記角度βが設定されていることを特徴とする画像形成装置。
ただし、Yの周期はL/πRである。
また、上記式(1)中のA、B及びCは、それぞれ下記の式(2)〜(4)により定義されるものである。
A=cos(−X+α−β)−Z×cos(θ+β−180) ・・・(2)
B=sin(−X+α−β)−Z×sin(θ+β−180) ・・・(3)
また、上記式(2)及び上記式(3)中のXは下記の式(5)により定義され、上記式(2)及び上記式(3)中のZは下記の式(6)により定義されるものである。
ただし、AMは上記第2被駆動伝達用回転体の偏心振幅であり、θM=180−αであり、θI=βである。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記理想振幅比率Yから1を差し引いた値の絶対値が、0.7以下となるように、上記2つの潜像担持体の直径R、該2つの潜像担持体の転写部間距離L、上記角度α及び上記角度βが設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記理想振幅比率Yから1を差し引いた値の絶対値が、0.06以下となるように、上記2つの潜像担持体の直径R、該2つの潜像担持体の転写部間距離L、上記角度α及び上記角度βが設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記2つの潜像担持体の表面が所定の潜像形成箇所から被転写体への転写部までを移動する間に、上記駆動伝達用回転体及び上記従動回転体が整数回、回転するように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記第1被駆動伝達用回転体及び上記第2被駆動伝達用回転体の相対的な回転位置を調整するための回転位置調整手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5の画像形成装置において、
上記回転位置調整手段は、上記第1被駆動伝達用回転体及び上記第2被駆動伝達用回転体として用いられる上記同一の回転体上に形成された、該回転体の回転により周回移動する第1マーク及び第2マークで構成されており、
上記第1マーク及び上記第2マークは、上記相対的な回転位置が調整された後における上記第1被駆動伝達用回転体上の第1マークと上記第2被駆動伝達用回転体上の第2マークとが互いに同じ回転位置となるように、該同一の回転体上に形成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5の画像形成装置において、
上記回転位置調整手段は、上記第1被駆動伝達用回転体及び上記第2被駆動伝達用回転体として用いられる上記同一の回転体上に形成された、該回転体の回転により周回移動する第1マーク及び第2マークと、該第1被駆動伝達用回転体及び該第2被駆動伝達用回転体を支持する支持部材上に形成された、該第1マークに対応する第3マーク及び該第2マークに対応する第4マークとで構成されており、
上記第1マークは、その回転体が上記第1被駆動伝達用回転体として用いられる場合に、上記相対的な回転位置が調整された後における回転位置が上記支持部材上の第3マークに最も近接する位置となるように、該同一の回転体上に形成されており、
上記第2マークは、その回転体が上記第2被駆動伝達用回転体として用いられる場合に、上記相対的な回転位置が調整された後における回転位置が上記支持部材上の第4マークに最も近接する位置となるように、該同一の回転体上に形成されていることを特徴とする画像形成装置。
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