JP5392544B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
ところが、一般に、印刷を見慣れたユーザーからすると、フルカラー複写機における画像は未だ満足できるレベルではなく、写真、印刷に迫る高精細性、高解像度を満足するさらなる高画質化が求められており、電子写真画像の高画質化には小粒径でかつ狭い粒径分布を持つトナーが有効であることが知られている。
前記粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、トナー用材料の選択には制限がある。例えば、溶融混合により得られるトナー組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。この要請から、溶融混合したトナー組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このため、実際に上記トナー組成物を粉砕して粒子にする際に、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径3μm以下の微粉と10μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。 また、粉砕法では、着色剤や帯電制御剤等の添加剤を熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難である。このような添加剤の不均一な分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼす。
このような方法により、トナーの粒子径を小さくかつ狭粒度分布化することが可能となっており分級の必要がない場合がある。しかしながら、分級不要な粒度分布を達成しながらも、これらの製造方法で作成する場合、凝結、凝集による粗大粒子の発生があったり、配管上の壁面に付着したものが、はがれるなど粗粒子が往々にして発生しており、これらが転写抜けなどを引き起こし品質面での影響がある。
これらの粗大粉については、造粒工程ではストレナーを用いて除去することを実施しているが、生産性から、ストレナーの篩目は最小でも100μmとトナー粒径の10倍以上と非常に粗く、粗粒子を充分とることができなかった。
さらにデカンターなどによる分級や、またこれらのため乾燥後、粉砕法と同様に分級工程を行い粗大粉の除去(微粉工程の除去)を行うことも考えられるが、分級を行うことは不要な工程の追加による生産性の低下を招き望ましくない、またこれらの工程はスクリーン目を通過させないニュウマチック分離であることから、粗大粉の飛込みが完全にはカットできず、微量の粗大粉が残り、品質面に影響を与えていた。
本発明は、外添前(外添剤の添加前)のトナー母体粒子の系から、従来と異なる段階で簡便な工程により粗大粒子を除去することを可能としたものである。
すなわち本発明の目的は、トナー母体粒子の造粒工程後、外添剤混合工程の前にスクリーンによる粗大粉の分級工程を簡便に行う製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、より細かいスクリーンでの篩い分けを可能とし、粗大粉の飛込みを確実に防止するトナーの製造方法を提供することにある。
さらにまた、別の目的は、スクリーンの高寿命化を可能とする電子写真用トナーの製造方法を提供することにある。
(1)「少なくとも、水系媒体中でトナー母体粒子を造粒する造粒工程、造粒されたトナー母体粒子に外添剤を移転させる外添工程、該トナー母体粒子の粒径の粒度分布を調整する粒度分布調整工程を有すトナーの製造方法であって、前記粒度分布調整工程は、前記トナー母体粒子が水系媒体に分散された湿式状態(スラリー)から、スクリーンにより、粗大粉を除去する篩分工程でなされ、前記粒度分布調整工程は、前記スクリーンが円筒状に固定され、該スクリーンの内側からスラリーを遠心力によりスクリーンに衝突させトナー中の粗粒子を除去するものであり、前記スクリーンは円筒状に固定され、スラリー供給口側が高く、反対方向端部に向かって低くなるように傾斜させたものであることを特徴とするトナーの製造方法」、
(2)「前記粒度分布調整工程は、前記スラリーを前記スクリーンに衝突させることにより、該スクリーンを振動させ粗粒子を除去する工程であることを特徴とする前記第(1)項に記載のトナーの製造方法」、
(3)「前記粒度分布調整工程に投入するスラリーの固形分濃度を10〜40wt%にすることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載のトナーの製造方法」、
(4)「前記粒度分布調整工程に投入するスラリーの粘度を5cps〜100cpsとすることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のトナーの製造方法」、
(5)「スクリーンの開口径が3〜36μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載のトナーの製造方法」。
図1は、本発明の粒度分布調整工程(篩分工程)で用いられる湿式分級装置例の概略断面図である。この例の分級装置においては、円筒形をしたスクリーン(11)の内側で羽根(12)が高速で回転する。羽根(12)は、回転軸(12a)に固定されており、回転軸(12a)は、円筒形スクリーン(11)内側の中心部に軸方向に配置され、その左右両端を、それぞれ図示してない軸受けで支承され、動力手段により回転力を与えられる。またこの例の装置における回転軸(12a)には、被分級材料を円筒形スクリーン(11)内に供給するためのスラリー供給口(13)が設けられている。この例の湿式分級装置においては、分級されたトナーはトナー捕集部(14)から、また、粗粒分は粗粒排出口(15)から、それぞれ排出される。この例の分級装置の円筒形スクリーン(11)は、水平に配置されてものでなく、スラリー供給口(13)側が高く、反対方向端部に向かって低くなるように若干傾斜して配置されている。
図2乃至図4には、本発明における更に別の装置の写真が示される。図2の装置においては、図2では、スラリー供給口は水平に配置されている様子であり、羽の形は螺旋状になっている。しかし、羽根の他の形状、構造を否定するものではない。図3、図4は、図2の中心に位置する螺旋状部分の周囲をメッシュで包囲した状態の写真である。白い筒状に見えるものがスクリーンで、スクリーン内部にスラリー(母体粒子の水系分散物)を入れ、篩分け処理によりスクリーンの開口を通過できたスラリーを回収し、これをトナーとして用いる。
本発明における分級装置に使用する羽根(12)は、例えば回転軸(12a)にステー(12c)を介して板状乃至半円弧状の断面のものを複数枚取付けたものでよく、回転数は概ね500〜2000rpmの範囲である。使用するスクリーンは、公知のどのようなものを使用してもでもよいが、目開きを非常に小さくできること、また微量な振動を与えられることからポリエステルやアミドなどの樹脂製のものが好ましい。
粉砕法で得られる粒子についても使用が可能ではあるが、わざわざスラリーにし、処理する工程を増やすことは好ましくなく、水系中で造粒されるトナーについて工程の中で分級工程を加えることが好ましい。
油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で後に述べる乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行い粒子化した後に、本発明におけるトナー粒子表面に無機微粒子Aを付着させる湿式処理を行えば良い。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
重合性単量体としてアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有すアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有するものを選ぶことによって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後に後述する無機微粒子Aの湿式処理を行えば良い。ラテックスとして懸濁重合法に使用されうる単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
ポリマー懸濁法に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、環状エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
トナー組成物の油相には、樹脂、プレポリマー、顔料等の着色剤、離型剤、帯電制御剤等を揮発性溶剤に溶解又は分散する。
トナー組成物からなる油相を、水系媒体中に、界面活性剤、固体分散剤等の存在下で分散させ、プレポリマーの反応を行わせて粒子化する。その後に後述する無機微粒子Aの湿式処理を行えば良い。
トナー粒子に官能基を導入するには、懸濁重合法で用いた官能基を有する単量体との共重合体や、ポリエステル樹脂の場合には酸の単量体として酸基の官能基を3以上有するものを用いたり、得られたポリエステル樹脂の末端の水酸基をさらに複数の酸基を有する化合物によりエステル化することによって得ることができる。また、後に述べる水系媒体中での分散安定剤として、酸基を有する界面活性剤や極性高分子、有機、無機樹脂微粒子を用い、トナー粒子表面に残存させ酸基を導入することができる。酸基としてはカルボキシル基、スルホン基、スルホン酸基、りん酸基などが挙げられる。
本発明に係るトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(I)を含む。変性ポリエステル(I)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態を指す。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基(活性水素基)と反応するイソシアネート基などの官能基(活性水素基と反応可能な部位)を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)および(B1)と少量の(B2)の混合物である。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
変性ポリエステル(I)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
本発明においては、前記変性されたポリエステル(I)単独使用だけでなく、この(I)と共に、未変性ポリエステル(II)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(II)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(II)としては、前記(I)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(I)と同様である。また、(II)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(I)と(II)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(I)のポリエステル成分と(II)は類似の組成が好ましい。(II)を含有させる場合の(I)と(II)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(I)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
荷電制御剤としては公知のものが使用できる。例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
水中に存在している余剰の界面活性剤を濾過、遠心分離等の固液分離操作によって除去し、得られたスラリーを水系媒体中に再分散する。
この際、水相の粘度を5cps〜300cpsにすることが好ましく、5cps〜100cpsにすることがより好ましい。5cps未満であっても微粒子の分級は可能となるが固形分が少ない場合と考えられ、生産性が悪くなる可能性がある。
また300cpsを超えると、スラリー粘度が高く、特に細かい目開きのスクリーンを使用する場合、スラリーのスクリーンの通過そのものが難しくなり、生産性が悪くなるためである。
またスラリー中の微粒子の固形分濃度は10wt%〜40wt%が好ましい。これについても上記理由と同様、10wt%未満では、生産性が悪くなり、40wt%を超えると、粘度が高くなること、さらに乾式などで見られる微粒子の凝集が十分ほぐされず、効率が悪くなることからである。
これらの微粒子作成、分級後乾燥工程を経た後、得られる微粒子については外添剤を加えてもよい。
外添剤としては、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属炭酸化物等の無機微粒子を用いることができる。具体的には、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
さらに、外添剤としては、有機微粒子を用いることができる。具体的には、高分子系微粒子、たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子を用いてもよい。
特に、カップリング剤の一例であるシランカップリング剤は、疎水化度、流動性の向上のために使用される。具体的には、シランカップリング剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤等を使用することができ、さらに、アルコキシシランが好ましい。アルコキシシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、I−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等を使用することができ、さらに、フッ素を含有するシロキサン等を用いてもよい。
また、フッ素化合物としては、フッ素原子を有する有機ケイ素化合物が好ましく、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙げられる。
さらに、高級脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸を挙げることができ、これら高級脂肪酸の金属塩を用いてもよい。具体的には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、リノール酸亜鉛、リノール酸カルシウム等が挙げることができる。
<樹脂微粒子エマルションの合成>
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液1]とする。該[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920 島津製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は3万であった。
水990部、[微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノール MON−7 三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、非反応性樹脂[A]のポリエステルを得た。非反応性樹脂[A]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価24であった。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)40部、前記非反応性樹脂[A]60部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
<油相の作成>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記非反応性樹脂[A]400部、カルナバワックス110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1Kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、ワックスの分散を行った。次いで、前記非反応性樹脂[A]の65%酢酸エチル溶液1324部、を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
[顔料・ワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]8.5部、を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
すなわち、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させると共に伸長反応が行なわれる。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、母微粒子Aを含むケーキ状物を得た。
(1):[母微粒子A]の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)する。
固形分濃度とスラリー粘度を測ったところ、固形分濃度29%、スラリー粘度89cpsであった。
この粒子の粒径をコールターマルチサイザーIIIで測定したところ、Dv=5.4μm、Dv/Dn=1.19、3.17μm以下11.2%、12.7μm以上:2.1%の微粒子であった[スラリー1]。
また上記イオン交換水を200部加え、[スラリー1]同様に行ったところ、固形分濃度15% スラリー粘度43cpsであった。
この粒子の粒径をコールターマルチサイザーIIIで測定したところ、Dv=5.4μm、Dv/Dn=1.19、3.17μm以下11.0%、12.7μm以上:2.3%の微粒子であった[スラリー2]。
図1の構成をとり、前記スラリー(1)を使用し、目開き36μm(材質ナイロン)、スクリーン総面積3140cm2の分級装置を使用した。詳細および結果は表1に示される。
目開き10μm(材質ポリエステル)、とした以外は上記分級装置(1)と同様なもの(スラリー(1)使用を含め)を使用した。
分級装置(3)使用
前記スラリー(1)を使用し、シャープレスp600スーパデカンタ(シャープレス社製)、350gでの分級を実施した。
この例における分級装置(3)は、本発明における篩装置とは異なり、遠心分離機である。また、スクリーンはなし。
目開き36μm(材質SUS)、スクリーン面積3000cm2のストレナー、前記スラリー(1)を使用した。
この例における分級装置(4)は、本発明における篩装置を用いていない。スクリーン上にスラリーを流し、重力によってスクリ−ンを通過させる。
分級装置(5)使用
エルボジェットを使用し、分級を行った。
この例においては、スラリー(1)をろ過し、順風乾燥機にて乾燥させた粒子を使用した。分級装置(5)は本発明における篩装置を用いず、エルボジェット(通常の粉体用の分級機)を使用した。また、スラリーではなく、乾燥した粉体(外添剤を含まず)を分級した。
分級装置(6)使用
目開き36μm(材質SUS)、スクリーン面積5024cm2の超音波振動篩(社製)を使用した。
この例では、スラリー(1)をろ過し、順風乾燥機にて乾燥させた粒子を使用した。本発明における篩装置を用いず、超音波振動篩を用いて分級した。また、スラリーではなく、乾燥した粉体(外添剤を含む)を分級した。
分級装置(7)使用
目開き36μ(材質ポリエステル)、スクリーン面積2750cm2のターボスクリナー(ターボ工業製)を使用した。
この例では、スラリー(1)をろ過し、順風乾燥機にて乾燥させた粒子を外添剤(疎水性シリカ 1%)を混合した粉体を使用した。本発明における篩装置を用いていない。また、スラリーではなく、乾燥した粉体(外添剤を含む)を分級した。
12 羽根
12a 回転軸
13 スラリー供給口
14 トナー捕集部
15 粗粒排出口
Claims (5)
- 少なくとも、水系媒体中でトナー母体粒子を造粒する造粒工程、造粒されたトナー母体粒子に外添剤を移転させる外添工程、該トナー母体粒子の粒径の粒度分布を調整する粒度分布調整工程を有すトナーの製造方法であって、前記粒度分布調整工程は、前記トナー母体粒子が水系媒体に分散された湿式状態(スラリー)から、スクリーンにより、粗大粉を除去する篩分工程でなされ、前記粒度分布調整工程は、前記スクリーンが円筒状に固定され、該スクリーンの内側からスラリーを遠心力によりスクリーンに衝突させトナー中の粗粒子を除去するものであり、前記スクリーンは円筒状に固定され、スラリー供給口側が高く、反対方向端部に向かって低くなるように傾斜させたものであることを特徴とするトナーの製造方法。
- 前記粒度分布調整工程は、前記スラリーを前記スクリーンに衝突させることにより、該スクリーンを振動させ粗粒子を除去する工程であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記粒度分布調整工程に投入するスラリーの固形分濃度を10〜40wt%にすることを特徴とする請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
- 前記粒度分布調整工程に投入するスラリーの粘度を5cps〜100cpsとすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- スクリーンの開口径が3〜36μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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