JP4391967B2 - 連続洗濯機のリント除去・自動排出装置、および同方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続洗濯機の洗濯液中に含まれているリントを容易に、かつ自動的に除去する技術に関するものである。
ただし本発明において洗濯液とは、予洗水やすすぎ液を含めて、洗濯に用いられる液体を総称する意である。
連続洗濯機は一般に、繊維製品である被洗濯物を洗濯液の中で撹拌するので、洗濯作業の進行に伴って、洗濯液中にリント(糸くず)が混入する。
従来、このリントを除去する技術は種々工夫されてきたが、要するにスクリーン(フィルタ)で濾過するものである。
従来技術におけるスクリーンは静止部材であって、リントを含む液が該スクリーンを透過する際、リントを濾別除去されるようになっている。
例えば特開平10−033882号公報には、開口部を斜め上方に向けて設置するというリント捕集装置が提案されている。
また、特開平9−299685号公報には、洗濯物との干渉を避けてフィルタを設置する技術が提案されている。
さらに、特開平7−088309号公報には、フィルタ布の織りかたを工夫した改良マーキゼット編みが提案されている。
特開平10−033882号公報 特開平09−299685号公報 特開平07−088309号公報
従来リントの除去については、如何にして効率よくリントを濾別するか種々の工夫が為されているが、洗濯作業の進行に伴い、濾別されたリントがスクリーンに堆積して流通抵抗が増加してゆく。
スクリーンに堆積したリントの除去は専ら手作業に頼っていた。このため多大の時間と労力とを費やしていた。
本発明は以上に述べた事情に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、スクリーン面に堆積したリントを自動的に除去し得る新規な技術を提供するにある。
これにより当然に、洗濯作業の自動化やメンテナンスの省人化に貢献することが期待される。
請求項1に係る発明装置の構成は、
(図1参照)リントを含む洗濯液の中からリントを除去する装置において、
洗濯液の供給管2の管壁に開口2aが設けられ、
該供給管2に対して円筒スクリーン3が、上記開口2aを覆って同心に、かつ回転可能に外嵌されるとともに、この円筒スクリーン3を回転駆動する手段が設けられていて
前記の開口2aは、円筒スクリーン3の内周面に対向して、その軸心方向に細長い形状をなし、該円筒スクリーンの全長に亙って穿たれていて、円筒スクリーン3の長さ方向の流量分布を均一ならしめており、
かつ、前記供給管の開口2a付近に案内翼6が取り付けられるとともに、
上記案内翼の先端が前記円筒スクリーンの内周面に近接して対向しており、
前記円筒スクリーン3を収納するスクリーンケース4が設けられていて、このスクリーンケースに対して洗濯液の回収管5が接続連通されていることを特徴とする。
請求項に係る発明方法の構成は、
(図1参照)洗濯液の中からリントを除去する方法において、
スクリーンケース4を貫通する供給管2によって送られてきた液を、管壁に設けられている開口2aから流出せしめ、
該供給管2に外嵌されて、前記スクリーンケース内に収納されている円筒スクリーン3内に前記の液を導いて、円筒スクリーン側壁3aを透過させることによりリントを濾別し、
前記の供給管2を中心軸として上記円筒スクリーン3を回転させ、
該円筒スクリーン3の内周面に堆積したリントを、供給管2に固着した案内翼6導かれた液流によって自動的に剥がし取り、
前記円筒スクリーン3を、予め傾斜させて配設しておき、案内翼6に導かれた液流によって剥がし取ったリントを傾斜の下方に移動させながらリント玉にして、
円筒スクリーンの斜め下方の端に設けられているリント排出口3cから落下させ、
前記スクリーンケース4内に溜めておき、
適時、該スクリーンケースの覗き窓を開いて取り出すことを特徴とする。
請求項1の発明装置を適用すると、円筒スクリーンが軸心周り回転し、かつ、該円筒スクリーンの内周面に近接対向して案内翼が設けられているので、円筒スクリーンが回転すると「円筒スクリーンの内周面に堆積していたリント」が「案内翼6で導かれた液流」によって自動的に剥がし落とされる。
特に、円筒状スクリーンのフィルタ面である内周面に対して、リントを含む洗濯液が均一に、かつ有効に吹き付けられる。
ここに、前記円筒スクリーンは軸心周りに回転する。このため、円周方向に関しては回転効果によって「洗濯液の均一な吹き付け作用」が得られる。従って、本請求項1において着目したのは円筒スクリーンの長さ方向の均一かつ有効な吹き付けである
本請求項1の構成に係る「スクリーン3の中心線方向に細長く、円筒スクリーンと等しい長さの開口」は、円筒スクリーンの長さ方向の均一かつ有効な吹き付けを可能ならしめた。
請求項の発明方法を適用すると、洗濯液に含まれているリントが円筒スクリーンによって濾別され、
かつ、該円筒スクリーンを回転させることにより、堆積したリントを案内翼に導かれた液流で剥がし取ることができる。
特に、除去されたリントが自動的にリント玉になり、円筒スクリーンから排出されて、
スクリーンケースの中に溜まるので、適時に点検窓を開いて取り出すことができる。
図1は本発明に係るリント除去装置の1実施形態を示し、1部を破断して描いた模式的な外観斜視図である。ただし、模式化してあるので、写実的な投影図ではない。
リントを含んだ洗濯液は、供給管2によって送られてくる。
送られてきた洗濯液は開口2aから流出する。ただし、適な開口面積を有していて、吹き出し流速は制御されている。
上記の開口2aを覆って、円筒スクリーン3が外嵌されている。前記の開口2aは、該円筒スクリーン3内において、その全長に亙って穿たれ、円筒スクリーン3の内周面に対して、長さ方向の流量分布を均一ならしめている。
本例の円筒スクリーン3は、前記の供給管2を中心軸として、回転自在に支持されていて、回転駆動ローラ7a、同7bによって回転駆動されている(回転方向については、図2を参照して後に詳しく説明する)。
上記の円筒スクリーン3は、円筒状の側壁3aと、その両端に位置する蓋板3b、及びリント排出口3cとを備えている。
前述の回転部材である円筒スクリーン3と回転駆動ローラ7a,7bとを取り囲んで、スクリーンケース4が設けられている。
このスクリーンケース4の中で、前記の開口2aから洗濯液が流出するので、該スクリーンケース4は水密に構成されている。図示を省略してあるが、このスクリーンケースにはメンテイナンス用の覗き窓が設けられている。
前記の供給管2は、このスクリーンケース4を貫通しているが、双方の部材は回転しないので、水密構造とすることに別段の困難は無い。
前記円筒スクリーン3の側壁3aは、多孔板もしくはウエッジワイヤ、または、これらに類似するフィルタ材で構成されている。
前記の開口2aから流出した洗濯液は側壁3aを透過してスクリーンケース4内に入り、回収管5から洗濯槽(図外)へ還流する。
洗濯液が側壁3aを透過する際、含まれていたリントは濾別されて、円筒スクリーン3の側壁3aに付着し、リントを除去された清浄な洗濯液が還流してゆく。
前記供給管2に、案内翼6が固着されている。この案内翼は、前記の開口2aに沿って配置されていて、スクリーンケース4の内部に位置している。
該案内翼6の先端部は円筒スクリーンの側壁3aに近接して対向している。
円筒スクリーンの側壁3aで濾別されたリントは、該側壁3aの内周面に付着する。
前記の開口2aから流出した洗濯液は、案内翼6に導かれて円筒スクリーンの側壁3aに吹き付けられ、該側壁に付着しているリントを剥がし取る。
この円筒スクリーン3が回転するので、側壁3aに付着したリントは円周方向に均等に除去され、剥がしムラを生じない。
前記円筒スクリーン3の中心線が水平ではなく、リント排出口3cが下がる方向に傾斜している。
このため、案内翼6に導かれた液流で剥がし取られたリントは比重差によって下降し、リント玉10となってリント排出口部3cから排出される。
リント排出口部3cからスクリーンケース4内に排出されたリント(リント玉10)は洗濯操作に別段の影響を及ぼさないので、そのまま洗濯作業を続行することができる。
スクリーンケース4内に溜まったリント玉10は、定期点検整備の際に、スクリーンケース4の覗き窓を開いて取り捨てればよい。
フィルタ面に堆積しているリントを清掃除去する作業は熟練と労力とを要するが、スクリーンケース4内に溜まったリント(リント玉10)は別段の熟練を要せず、迅速,容易に取り捨てることができる。
図2(A)は、前掲の図1に示した供給管2および円筒スクリーン3の横断面図である。上記の供給管2と円筒スクリーン3とは同心に配置されている。点Oは中心点である。
上記の点Oを原点とする極座標を想定する。
原点Oを通る仮想の垂直面による断面をO−0°とし、これを極座標の原線とする。この線は、中心点Oから上方に向かう半径である。
本例においては、円筒スクリーンの側壁3aが矢印aのように反時計方向に回転している。矢印bは回転の反対方向である。
上記の矢印b方向に極座標の角度をとる。すなわち、図示のように0度−90度−180度−270度…と回って原線(0度)に帰る。
図1を参照して先に述べた開口2aは、極座標の角度範囲0度〜180度の間に位置している。
円筒スクリーン3の回転方向が反転して、反時計方向である場合は、極座標角度が反転する。反転した極座標角度について、やはり角度範囲0度〜180度の間に位置せしめて開口2aを設ける。
本例の案内翼6は、本図2(A)に実戦で描かれたように、側壁3aに向けて凸なる形状に反っていて、その回転半径はRである。これと異なる実施形態として、符号8を付して示したストレート案内翼(仮想線で描く)を設けてもよい。
これらの案内翼6またはストレート案内翼8を配設する箇所は、前述の極座標について角度範囲0度〜180度が望ましい。
この案内翼の役目は、洗濯液を導いてリントを剥がし取ることとである。こうした目的を果たすよう、案内翼の先端は側壁3aに接近させる。しかし、摩擦抵抗を生じないように、接触させないことが望ましい。
図2(B)は上記と異なる実施形態を示す。本例は、円筒スクリーンの側壁3aに向けて凹なる形に湾曲した逆反り形案内翼9が設けられている。その配設箇所は前例(図2(A))と同様である。
本発明装置の1実施形態を示し、部分的に破断して模式的に描いた外観斜視図 (A)に実線で描いたのは前掲の図1の実施形態に係る供給管と円筒スクリーンと案内翼とを模式的に描いた横断面に極座標を付記した図、(B)は上記と異なる実施形態の横断面に極座標を付記した図
符号の説明
2…供給管
2a…開口
3…円筒スクリーン
3a…側壁
3b…蓋板
3c…リント排出口
4…スクリーンケース
5…回収管
6…案内翼
7a,7b…回転駆動ローラ
8…ストレート案内翼
9…逆反り形案内翼

Claims (2)

  1. リントを含む洗濯液の中からリントを除去する装置において、
    洗濯液の供給管(2)の管壁に開口(2a)が設けられ、
    該供給管(2)に対して円筒スクリーン(3)が、上記開口(2a)を覆って同心に、かつ回転可能に外嵌されるとともに、この円筒スクリーン(3)を回転駆動する手段が設けられていて
    前記の開口(2a)は、円筒スクリーン(3)の内周面に対向して、その軸心方向に細長い形状をなし、該円筒スクリーンの全長に亙って穿たれていて、円筒スクリーン(3)の長さ方向の流量分布を均一ならしめており、
    かつ、前記供給管の開口(2a)付近に案内翼(6)が取り付けられるとともに、
    上記案内翼の先端が前記円筒スクリーンの内周面に近接して対向しており、
    前記円筒スクリーン(3)を収納するスクリーンケース(4)が設けられていて、このスクリーンケースに対して洗濯液の回収管(5)が接続連通されていることを特徴とする、連続洗濯機のリント除去・自動排出装置。
  2. 洗濯液の中からリントを除去する方法において、
    スクリーンケース(4)を貫通する供給管(2)によって送られてきた液を、管壁に設けられている開口(2a)から流出せしめ、
    該供給管(2)に外嵌されて、前記スクリーンケース内に収納されている円筒スクリーン(3)内に前記の液を導いて、円筒スクリーン側壁(3a)を透過させることによりリントを濾別し、
    前記の供給管(2)を中心軸として上記円筒スクリーン(3)を回転させ、
    該円筒スクリーン(3)の内周面に堆積したリントを、供給管(2)に固着した案内翼(6)に導かれた液流によって自動的に剥がし取り、
    前記円筒スクリーン(3)を、予め傾斜させて配設しておき、案内翼(6)に導かれた液流によって剥がし取ったリントを傾斜の下方に移動させながらリント玉にして、
    円筒スクリーンの斜め下方の端に設けられているリント排出口(3c)から落下させ、
    前記スクリーンケース(4)内に溜めておき、
    適時、該スクリーンケースの覗き窓を開いて取り出すことを特徴とする、連続洗濯機のリント除去・自動排出方法。
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