JP2003098926A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JP2003098926A
JP2003098926A JP2001287558A JP2001287558A JP2003098926A JP 2003098926 A JP2003098926 A JP 2003098926A JP 2001287558 A JP2001287558 A JP 2001287558A JP 2001287558 A JP2001287558 A JP 2001287558A JP 2003098926 A JP2003098926 A JP 2003098926A
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JP2001287558A
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Takeo Yamaguchi
剛男 山口
Haruo Iimura
治雄 飯村
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 球形トナーを用いた際に、転写後に像担持体
上に残留したトナー粒子を簡便かつ効率的にクリーニン
グでき、しかも効率よく回収することのできる画像形成
方法及び画像形成装置を提供すること。 【解決手段】 像担持体上にトナー像を形成し、該トナ
ー像を被転写体に転写した後、該像担持体上に残留した
トナーを除去する工程を有する画像形成方法であって、
その製造工程又は製造後の工程において球形化したトナ
ーを使用する場合において、該像担持体上又は該被転写
体上に残留したトナーをクリーニングする際に、当接す
るクリーニング部材を該像担持体表面又は該被転写体表
面の駆動方向の垂直軸軸に対し角度を有して当接するこ
とを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法及び
画像形成装置に関し、さらに詳しくは、乾式二成分又は
一成分現像剤を用いた複写機、プリンター、ファクシミ
リ等の電子写真方式の画像形成方法及び画像形成装置に
関し、特に、球形トナーを用いた際のトナー画像転写後
のクリーニング不良を回避した電子写真方式の画像形成
方法及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乾式二成分又は一成分現像剤を用いた複
写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式の画
像形成において、帯電及び/又は電圧印加部材として、
従来から一般的に用いられているコロナ帯電方式があ
る。しかしながら、このコロナ帯電器は放電の際に発生
するオゾンによって、感光体の劣化や環境保全上の問題
があり、これに代わる手段として、直接電圧印加方式を
採用した電子写真が上市されている。これは、電子写真
感光体や中間転写体等に当接した低抵抗部材に電圧を印
加することにより、所望の帯電又は電圧印加を行うもの
である。
【0003】このような電圧印加手段を転写工程に利用
する場合、周知のコロナ帯電方式と比べて、被転写材を
確実に保持できるために、被転写材の搬送安定性が高
く、転写バイアスも比較的低圧かつ低容量ですむため
に、装置がコンパクト化でき、オゾン発生の問題もない
という利点があることから、多くの機種に搭載され始め
ている。
【0004】また、近年の動向として、粉砕分級法によ
る不定形トナーに代わって、懸濁重合法や乳化重合又は
分散重合法等による重合トナーや、熱気流,流動造粒法
による球形処理を施したトナーが用いられつつあり、流
動性に優れ、画像形成能にも優れたトナーとして注目さ
れている。しかし、これら球形トナーを用いる際に解決
すべき問題点として、像担持体表面におけるクリーニン
グ性の悪さが挙げられる。
【0005】この対策としては、クリーニング工程にブ
ラシを用いたり、クリーニングブレードの当接圧を上げ
ることが行われているが、いずれの場合にも、感光体に
対する機械的なストレスが増加し、感光体寿命を低下さ
せる要因となったり、また、ブレードの反転が発生し、
感光体に対して致命的なキズを与える等の問題があっ
た。
【0006】特開平5−333757号公報には、トナ
ーの真円度が0.85以上という球形度の高くないトナ
ーを用い、かつ感光体の表面平均粗さを0.1〜2μm
と粗くすることにより、クリーニング性の悪さを改善す
るという提案がなされている。しかしながら、真円度が
低いトナーでは、形成される画像の精緻さが期待できな
い上に、感光体表面粗さの経時的な維持等原理的に困難
であり、実用的ではなかった。
【0007】また、特開平9−96965号公報、特開
平9−114232号公報、特開平9−274364号
公報及び特開平11−84878号公報等には、転写工
程後の像担持体上に残留した球形トナーに対して各種除
電手段を用い、残留トナーの帯電量を低減してクリーニ
ング性を改善するという提案がなされている。しかしな
がら、上記除電手段を新たに設けることは、部品点数の
増加や製造コストの増加に直結するものであり、さら
に、残留トナーはもともと転写工程で大きな転写バイア
スを印加しても被転写体に転写されずに残留したもので
あり、その保有する帯電量は正規に転写されたトナーよ
りも低いと推測されるために、上記除電手段のみで帯電
量が変化し、クリーニング性が改善されるということ及
びその効果には多大の疑問が残るものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題を解消し、球形トナーを用いた際に、転写後
に像担持体上に残留したトナー粒子を簡便かつ効率的に
クリーニングでき、しかも効率よく回収することのでき
る画像形成方法及び画像形成装置を提供することをその
課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、用いるトナーとクリーニング部材の
当接の仕方に着目して鋭意検討を重ねた結果、本発明を
完成するに到った。
【0010】すなわち、本発明によれば、第1に、像担
持体上にトナー像を形成し、該トナー像を被転写体に転
写した後、該像担持体上に残留したトナーを除去する工
程を有する画像形成方法であって、その製造工程又は製
造後の工程において球形化したトナーを使用する場合に
おいて、該トナーとして、少なくとも樹脂及び着色剤か
らなるトナー組成物を有機溶剤中に溶解又は分散させて
溶解物は分散物を調製し、該溶解物は分散物を水系媒体
中で無機分散剤又は微粒子ポリマーの存在下に分散せし
めて重付加反応させ、得られた乳化分散液から溶媒を除
去して得られるトナーを用い、かつ該像担持体上又は該
被転写体上に残留したトナーをクリーニングする際に、
当接するクリーニング部材を該像担持体表面又は該被転
写体表面の駆動方向の垂直軸軸に対し角度を有して当接
することを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0011】この第1の発明には、下記(1)〜(1
1)に記載の画像形成方法が含まれる。 (1)該像担持体として、第一の像担持体が現像工程に
おける電子写真感光体であり、第二の像担持体が転写工
程におけるトナー像を一時的に担持する中間転写であっ
て、かつ該中間転写体がベルト状の導電性又は半導電性
の弾性体からなるものである画像形成方法。 (2)帯電及び露光により該第一の像担持体上に静電潜
像を形成すると共に、該静電潜像をトナーにより現像し
てトナー像を形成し、該トナー像を該第二の像担持体上
に一次転写した後、該第二の像担持体から被転写体に二
次転写し、次いで、該像担持体上に残留するトナーを除
去するに際し、該第二の像担持体がベルト状の中間転写
体であり、該中間転写体に当接するクリーニング部材
が、少なくとも該中間転写体の駆動方向の垂直軸に対
し、0.1〜40度の角度を有し、該中間転写体の端部
から残留する球形化したトナーを回収するものである画
像形成方法。 (3)該クリーニング部材が、クリーニングローラから
構成され、該クリーニングローラは該像担持体の移動方
向とは逆方向に回転し、かつ該像担持体の線速に対し
0.7〜1.3の比率の線速で回転するものである画像
形成方法。 (4)該クリーニングローラが、弾性体から形成され、
かつ該弾性体の体積抵抗が105〜1013Ωcmであ
り、かつ該クリーニングローラに対して電圧を印加する
手段を備えたものである画像形成方法。 (5)遠心分離方式による粉体付着力測定方法に基づい
て測定される該球形化したトナーと該被転写体との付着
力において、垂直方向の付着力と水平方向の付着力との
比(水平方向の付着力/垂直方向の付着力)が、0.3
以下であるトナーを用いるものである画像形成方法。 (6)該球形化したトナーを回収する手段として、該中
間転写体端部近傍に、トナー粒子回収機構を設けたもの
である画像形成方法。 (7)該トナー粒子回収機構が、クリーニングブラシ、
クリーニングベルト及びクリーニングローラのうちの少
なくとも1つを有するものである画像形成方法。 (8)該クリーニングローラが、該像担持体の移動方向
の下流側に配置され、かつ該クリーニングブラシが、該
クリーニングローラを慴擦するように配置されたもので
ある画像形成方法。 (9)該クリーニングブラシは該像担持体と同一方向
に、該クリーニングローラは該像担持体とは逆方向に回
転し、かつ該クリーニングブラシは、該像担持体に対す
る線速比が1以上である画像形成方法。 (10)水系媒体中にポリエステル樹脂を含有するトナ
ー組成物を分散させトナー粒子を形成させて乾式トナー
を製造するに際し、無機分散剤又は微粒子ポリマーの存
在下に水系媒体中に分散させたイソシアネート基含有プ
レポリマーをアミン類により伸長反応又は架橋反応させ
るものである画像形成方法。 (11)該乾式トナー中に、ワックスを含有させたもの
である画像形成方法。
【0012】また、本発明によれば、第2に、像担持体
上にトナー像を形成し、該トナー像を被転写体に転写し
た後、該像担持体上に残留したトナーを除去する工程を
有する画像形成装置であって、その製造工程又は製造後
の工程において球形化したトナーを使用する場合におい
て、該トナーとして、少なくとも樹脂及び着色剤からな
るトナー組成物を有機溶剤中に溶解又は分散させて溶解
物は分散物を調製し、該溶解物は分散物を水系媒体中で
無機分散剤又は微粒子ポリマーの存在下に分散せしめて
重付加反応させ、得られた乳化分散液から溶媒を除去し
て得られるトナーを用い、かつ該像担持体上又は該被転
写体上に残留したトナーをクリーニングする際に、当接
するクリーニング部材を該像担持体表面又は該被転写体
表面の駆動方向の垂直軸軸に対し角度を有して当接した
ことを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0013】この第2の発明には、下記(1)、(2)
に記載の画像形成装置が含まれる。 (1)該像担持体として、第一の像担持体が現像工程に
おける電子写真感光体であり、第二の像担持体が転写工
程におけるトナー像を一時的に担持する中間転写体であ
って、かつ該中間転写体がベルト状の導電性又は半導電
性の弾性体からなるものである画像形成装置。 (2)帯電及び露光により該第一の像担持体上に静電潜
像を形成すると共に、該静電潜像をトナーにより現像し
てトナー像を形成し、該トナー像を該第二の像担持体上
に一次転写した後、該第二の像担持体から被転写体に二
次転写し、次いで、該像担持体上に残留するトナーを除
去するに際し、該第二の像担持体がベルト状の中間転写
体であり、該中間転写体に当接するクリーニング部材
が、少なくと該中間転写体の駆動方向の垂直軸に対し、
0.1〜40度の角度を有し、該中間転写体の端部から
残留する球形化したトナーを回収するものである画像形
成装置。
【0014】
【発明の実施の形態】上記課題を達成するために、本発
明者らは、先ずクリーニング不良が発生する際のトナー
の状態を詳細に観察した。その結果、不定形トナーの場
合は、クリーニング部材に衝突した後にトナー粒子が運
動エネルギーを失わずにクリーニング部材表面からの着
脱を繰り返し、この部材からの分離も良好なために容易
に回収されるが、球形トナーの場合は、衝突した位置で
クリーニング部材と被クリーニング材間に挟まった状態
で粒子が回転するのみで、クリーニング部材からの脱離
が起きず、その後、クリーニング部材の振動等によって
部材と被クリーニング材間に生じた僅かな隙間から流出
してクリーニング不良を発生することが判明した。
【0015】つまり、この現象は、特定形状のトナーの
場合には、本来トナー粒子が有していた運動エネルギー
が、上記クリーニング部材との衝突後に保存されずに回
転エネルギーに変換されることが、本問題の要因である
ことが明らかとなった。また、この現象をトナーの付着
力として力学的見地から解析すると、中間転写体面に対
して垂直方向の付着力と水平方向の付着力の比(水平付
着力/垂直付着力)が0.3以下である球形トナーにお
いて特に顕著になるという傾向があった。
【0016】そこで、本発明者らが検討した結果、用い
るトナーとクリーニング部材の当接状態を工夫すると、
球形トナーの運動エネルギーの一部をトナー粒子の回転
エネルギーとして変換させずにそのままトナー回収部材
への移動エネルギーとして利用することができ、上記問
題が劇的に解決されることを見出したのである。
【0017】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて
説明する。本発明の単的な例としては、図1のような、
ベルト形状の中間転写体上に設けたクリーニング手段を
示すことができる。
【0018】このように、クリーニング部材を像担持体
表面又は被転写体表面の駆動方向の垂直軸より角度(図
中θで表記)を有して当接することにより、球形トナー
は図1の中間転写ベルトの右端に集まり、ここでトナー
回収手段により回収されるものである。これは、図2に
示したクリーニング部拡大図のように、本構成のクリー
ニング部材に球形トナーが衝突するとトナーがクリーニ
ング部材の傾斜に従って移動するという特有の現象を利
用したものである。θの大きさは、被クリーニング部材
及びトナーの素材や被クリーニング部材の線速、当接圧
等により左右されるが、本発明者らが検討した限りで
は、中間転写体の駆動方向の垂直軸に対して0.1〜4
0度であることが好ましく、特に1度〜30度の範囲で
あることが望ましいことが判った。これは、角度が小さ
すぎる場合は、球形トナーといえども中間転写体端部方
向への移動が生じ難くなることと、また、大きすぎる場
合は、クリーニング工程長が長過ぎてこれを登載する電
子写真装置を長大なものとなるために、設計上、常識的
な範囲内で上記のような上限を設定した。図1及び2で
は、図面に向かって右側が中間転写体進行方向の下流に
位置するような傾き方を示したが、左側が下流となるよ
うな傾きでもよく、画像形成装置を構成する各部品のレ
イアウトに応じて任意に選択し得るものである。
【0019】さらに、本発明においては、クリーニング
部材としてクリーニングローラを用いた場合が挙げられ
る。クリーニングローラは、像担持体駆動方向に対して
逆回転となるように当接することが望ましく、その回転
速度は像担持体の移動速度を1とした場合に、0.7〜
1.3の範囲であることが好ましい。これは上記比率未
満の回転数では、充分なクリーニングができずに初期か
らクリーニング不良が発生し易く、また、上記比率を越
えると、クリーニングローラや該像担持体に対するスト
レスが大きすぎるために、上記部材の劣化が促進される
ためである。クリーニングローラには、そのクリーニン
グ効率を向上するために、トナー捕集用の電界を加える
機構を附与することができる。そこで、ローラには半導
電性を保有させる必要があり、その電気抵抗範囲は10
5〜1013Ω・cmが望ましい。これは、上記抵抗値を
越えると、充分な電界が印加し難くなることと、また、
上記抵抗値未満では、放電等の問題が発生し易くなるた
めに実用できないからである。
【0020】本発明においては、クリーニングローラで
捕集したトナーの回収手段を設けることとその具体的な
方法を規定している。中間転写体端部に集まったトナー
粒子はそのまま該中間転写体表面から落下させて回収し
てもよいが、公知のトナー回収手段を利用でき、例え
ば、ブラシ、ベルトやローラ等で回収する機構を設けて
も構わない。さらに、中間転写体は、高速に駆動するた
め、中間転写体に接触させずにトナー粒子を回収する方
法として、トナーを含む気流ごと吸引して回収する手段
を利用するか、または、静電的にトナーを回収する電圧
印加手段を設けて回収する方法も利用できる。
【0021】本発明では、乳化重合法によって得られた
トナーを用いる。この乳化重合法とは、具体的には、水
系媒体中にポリエステル樹脂からなるトナー組成物を分
散せしめ、トナー粒子を形成させる乾式トナーの製造方
法で作製し、無機分散剤又は微粒子ポリマーの存在下で
水系媒体中に分散したイソシアネート基含有プレポリマ
ーをアミン類により伸長反応又は架橋反応させて得られ
たトナーを用いることを特徴とするものである。上記ト
ナー中に、離型剤としてワックスを含有した乾式トナー
を用いることが好ましい。
【0022】次に、遠心分離による粉体付着力測定方法
について説明する。
【0023】まず、遠心分離方式による被当接膜面に対
して垂直方向の粉体付着力測定を実施する際の装置につ
いて説明する。図3〜5は、本発明に係る粉体付着力測
定装置の測定セル、遠心分離装置を示す図である。
【0024】図3は、粉体付着力測定装置の測定セルの
説明図である。
【0025】図3において、1は測定セルであり、測定
セル1は、粉体を付着させた試料面2aを有する試料基
板2と、試料基板2から分離した粉体を付着させる付着
面3aを有する受け基板3と、試料基板2の試料面2a
と受け基板3の付着面3aの間に設けられたスペーサ4
から構成される。
【0026】図4は、粉体付着力測定装置の遠心分離装
置の一部断面図である。図4において、5は遠心分離装
置であり、遠心分離装置5は、測定セル1を回転させる
ロータ6と、保持部材7を備えている。ロータ6は、自
身の回転中心軸9に対して垂直な断面で穴形状であり、
保持部材7を設置する試料設置部8を有している。保持
部材7は、棒状部7aと、棒状部7aに設けられ、測定
セル1を保持するセル保持部7b、測定セル1をセル保
持部7bから押し出すための穴部7c、棒状部7aを試
料設置部8に固定する設置固定部7dを備えている。セ
ル保持部7bは、測定セル1を設置したときに、測定セ
ル1の垂直方向がロータの回転中心軸9に垂直となるよ
うに構成される。また、試料基板2、受け基板3、スペ
ーサ4、保持部材7は、大きな遠心力に耐えられる強度
があり、またロータ6に設置したときに、遠心分離装置
の最大回転数まで回転可能な重量以下となるような軽量
の材料を用いる必要がある。
【0027】次いで、被当接膜面に対して水平方向の粉
体付着力測定を実施する際の装置について説明する。本
測定は、本出願人が出願した特開平11−64212号
公報等の記載に従って測定を行っている。図5は、本発
明に係る水平方向の粉体付着力測定装置の一実施例であ
る遠心分離装置の一部断面図である。図5において、1
は粉体付着力測定装置であり、粉体付着力測定装置1
は、粉体を付着させた試料面2aを有する試料基板2
と、遠心分離装置3と、を備えている。試料基板2は、
試料面2aが四角形である部材から構成されている。
【0028】遠心分離装置3は、ロータ5と、保持部材
6とを有する。ロータ5は、回転軸4まわりに回動自在
に設けられ、試料基板2の試料面2aが鉛直上方を向く
とともに、回転軸4に対して垂直となるように内部に試
料基板2を保持する。また、保持部材6の形状に対応す
る形状の凹みを有し、保持部材6を嵌合可能に支持する
試料設置部5aを有する。ロータ5は、試料設置部5a
が回転軸4に対して傾斜しているアングルロータであ
る。
【0029】保持部材6は、棒状部7と棒状部7に設け
られ試料基板2を保持する基板保持部8とを備えてい
る。保持部材6の棒状部7は、先端に設けられた配置調
節部7aと、ロータ5の試料設置部5aに嵌合したとき
試料設置部5aの内周面に当接する配置固定部7bとを
有している。保持部材6の基板保持部8は、試料基板2
を保持部材6に対して固定する固定部材を備えるととも
に、ガイド9を備えている。ガイド9は、基板保持部8
に保持された試料基板2の試料面2aが基板保持部8の
内周面に接触することがないように、試料面2aの周辺
部に対応する基板保持部8の内周面部分に設けられてい
る。ガイド9と試料基板2との間には隙間が形成される
ようになっている。上記固定部材は、ねじ10から構成
されている。基板保持部8に試料面2aを鉛直上方に向
けて試料基板2を挿入した後、ねじ10で試料基板2を
保持部材6に固定して保持させるようになっている。
【0030】試料基板2は、保持部材6の基板保持部8
に保持されたとき、設置方向が一定となるような形状の
部材から構成される。試料基板2及び保持部材6は、遠
心分離装置3のロータ5の大きな遠心力に耐えられる強
度があり、ロータ5が最大回転数で回転可能な重量以下
の軽量の部材から構成される。保持部材6の配置調節部
7aは、なんらかの治具で保持部材の向きを調整するこ
とができる突起を有する凸部又はドライバーの先端に対
応する形状である凹みを有する凹部から構成される。
【0031】保持部材の配置固定部7bは、ゴム等の弾
力性を有する部材から構成される。一実施例の遠心分離
式付着力測定方法は、基板配置工程と、付着力導出工程
とを備えている。
【0032】上記基板配置工程においては、上記した図
1に示された粉体付着力測定装置1を用いて、操作者が
試料基板2を試料面2aが鉛直上方を向くようにして、
保持部材6の基板保持部8へ挿入し、ねじ10を用いて
試料基板2を保持部材6に固定して、保持部材6の基板
保持部8に試料基板2を保持させる。操作者が保持部材
6を試料設置部5aに嵌合して、配置調節部7aを保持
部材6の棒状部7の軸線まわりに回転させ、かつ配置固
定部7bを試料設置部5aの内周面に当接させることに
より、基板保持部8に保持された試料基板2の試料面2
aが鉛直上方を向くとともに、ロータ5の回転軸4に対
して垂直となるように、回転軸4に対して垂直な方向に
対する試料設置部5a内での保持部材6の向きが調節さ
れ、固定される。このため、試料基板2の試料面2aに
付着した粉体にロータ5の回転による遠心力が試料面2
aに平行な方向に向って作用するよう保持部材6をロー
タ5内に配置することを容易に行うことができる。
【0033】また、ねじ10を用いて試料基板2を保持
部材6に対して固定させているので、試料基板2の試料
面2aが鉛直上方を向くとともに、ロータ5の回転軸4
に対して垂直となる状態を容易に維持することができ
る。上記付着力導出工程においては、内部に試料基板2
を保持するロータ5を回転軸4まわりに回動させること
により、試料基板2上の前記粉体を移動させて、上記粉
体の粒径、前記粉体の比重、回転軸4から前記粉体の測
定領域の中心位置までの距離及びロータ5の回転数か
ら、上記粉体の試料面2aへの付着力が求められる。こ
のため、ロータ5を用いて試料基板2に大きな遠心力を
加えることにより、付着力が大きい粉体の付着力の測定
を行うことができる。
【0034】公知の報告例として、例えば、特開平6−
308759号公報,特開平7−152218号公報,
特開平7−152242号公報,特開平7−15225
3号公報,特開平7−152304号公報,特開平7−
175266号公報,特開平8−328306号公報,
特開平8−328341号公報等で、球形トナーの球形
度を表す形状係数として、以下のような関数を利用して
トナー形状を限定している。 SF1=(X2/A)×(π/4)×100 (1) SF2=(P2/A)×(1/4π)×100 (2)
【0035】上記(1)、(2)式中、Xは画像上の現
像剤の絶対最大長を、Pは現像剤投影像の周囲長を、A
は現像剤投影像の面積を表す。例えば、上式(1)にお
けるSF1が105以上、160未満である等の限定に
より形状を数値化しているが、本発明者らが検討し、得
られた知見からは、形状をいかに数値的に限定したとし
ても、トナーを構成する樹脂や外添剤等の素材が変化す
る現況では、特定の素材に関しては成立するかもしれな
いが、球形トナーの挙動自体を制御することはできない
ことが判った。例えば、図6に示したような場合、付着
力としては、2つのトナーには大きな差が生じるが、上
記SF値では両者の差はほとんど確認されない。換言す
れば、上式における球形度の数値化は、構成素材の限定
等を無くしては物理的には単にトナー粒子の“丸さ”を
示す因子に過ぎず、これが、電子写真方式にて形成され
る画像の品質や特性を直接左右する因子とはなり得ず、
たとえ上記条件を満たしても、本質的な問題解決にはな
らず、例外も多分に含まれる。
【0036】そこで、本発明者らは、上記トナーの球形
化に基づくトナー特性の違いをトナー粒子と他部材間の
付着力という物理的に認識される吸着エネルギーの形式
で測定、制御することにより、上記問題を例外なく解決
することが可能であることを確認し、本発明に到ったも
のである。
【0037】本発明でいう垂直及び水平方向の付着力の
比とは、トナー粒子個々が接触部材に付着した際に働く
動的な摩擦係数を示したものであると考えている。した
がって、当該付着力の比(水平方向/垂直方向)が小さ
いほど、トナー粒子は接触部材と接触している箇所から
動き易くなり、流動状態に成りやすいことを表す値であ
り、トナー粒子の形状を単的に表す数値であると考えて
いる。
【0038】ここで、本発明で用いるトナーについて説
明する。本発明で用いられる球形トナーとしては公知の
ものを利用できるが、垂直及び水平方向の付着力から規
定される粒子を作製する方法として、分散重合法又は懸
濁重合法により製造されたものが好適である。
【0039】次に、上記の装置を用いてトナーの非静電
的付着力を測定する方法を説明する。まず、フィルム状
の感光体を作製し、試料基板2の形状に合わせて加工
し、試料基板2に接着剤で貼り付ける。次に、未帯電の
トナーを、試料基板2に貼り付けられた感光体(試料面
2a)上に自然落下させて付着させる。次いで、図3の
ように、試料基板2、受け基板3及びスペーサ4を用い
て測定セル1を構成する。測定セル1を、保持部材7を
ロータ6の試料設置部8に設置したときに、試料基板2
が受け基板3とロータ6の回転中心軸9の間になるよう
に、保持部材7のセル保持部7bに設置する。保持部材
7を、測定セル1の垂直方向がロータの回転中心軸9に
垂直となるように、ロータ6の試料設置部8に設置す
る。遠心分離装置5を稼働してロータ6を一定の回転数
で回転させる。試料基板2に付着したトナーは、回転数
に応じた遠心力を受け、トナーの受ける遠心力がトナー
と試料面2a間の付着力よりも大きい場合は、トナーが
試料面2aから分離し、付着面3aに付着する。
【0040】トナーの受ける遠心力Fは、トナーの重量
m、ロータの回転数f(rpm)、ロータの中心軸から
試料基板のトナー付着面までの距離rを用いて、式
(3)より求められる。 F=m×r×(2πf/60)2 (3) トナーの重量mは、トナーの真比重ρ、円相当径dを用
いて、式(4)より求められる。 m=(π/6)×ρ×d3 (4) 式(3)と式(4)より、トナーの受ける遠心力Fは、
式(5)から求められる。 F=(π3/5400)×ρ×d3×r×f2 (5)
【0041】遠心分離終了後、保持部材7をロータ6の
試料設置部8から取り出し、保持部材7のセル保持部7
bから測定セル1を取り出す。受け基板3を交換し、測
定セル1を保持部材7に設置し、保持部材7をロータ6
に設置し、ロータ6を前回よりも高回転数で回転させ
る。トナーの受ける遠心力が前回よりも大きくなり、付
着力の大きなトナーが、トナーが試料面2aから分離し
て付着面3aに付着する。
【0042】遠心分離装置の設定回転数を低回転数から
高回転数へ変えて、同様の操作を実施することにより、
各回転数で受ける遠心力と付着力の大小関係に応じて、
試料面2a上のトナーが付着面3aに移動する。全ての
設定回転数について遠心分離を実施後、各回転数の受け
基板3の付着面3aに付着したトナーの粒径を計測する
ことにより、式(5)を用いて、各トナーの付着力を求
めることができる。なお、トナーの粒径及び個数の測定
は、光学顕微鏡で付着面3a上のトナーを観察し、その
画像をCCDカメラを通してコンピュータに取り込み、
画像処理ソフトウェアを用いて行うことができる。
【0043】本発明で用いる球形トナーの製造方法につ
いて説明する。具体的な製法としては、イソシアネート
基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類
(B)との反応物等が挙げられる。他にもイソシアネー
ト基を有するポリエステルプレポリマー(A)として
は、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合
物で、かつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポ
リイソシアネート(3)と反応させた物等が挙げられ
る。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水
酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、
アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げら
れ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基で
ある。
【0044】ポリオール(1)としては、ジオール(1
−1)及び3価以上のポリオール(1−2)が挙げら
れ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−
2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)として
は、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,
2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール等);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール
等);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノー
ル類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェ
ノールS等);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサ
イド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブ
チレンオキサイド等)付加物;上記ビスフェノール類の
アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げ
られる。これらのうち、好ましいものは、炭素数2〜1
2のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアル
キレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものは、
ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及び
これと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用
である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3
〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ソルビトール等);3価以上の
フェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボ
ラック、クレゾールノボラック等);上記3価以上のポ
リフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げ
られる。
【0045】ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボ
ン酸(2−1)及び3価以上のポリカルボン酸(2−
2)が挙げられ、(2−1)単独、及び(2−1)と少
量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2
−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、
アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン
酸(マレイン酸、フマール酸等);芳香族ジカルボン酸
(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち、好ま
しいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン
酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3
価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9
〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロ
メリット酸等)等が挙げられる。なお、ポリカルボン酸
(2)としては、上記のものの酸無水物又は低級アルキ
ルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプ
ロピルエステル等)を用いて、ポリオール(1)と反応
させてもよい。
【0046】ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)
の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COO
H]の当量比[OH]/[COOH]として、通常、2
/1〜1/1、好ましくは、1.5/1〜1/1、さら
に好ましくは、1.3/1〜1.02/1である。
【0047】ポリイソシアネート(3)としては、脂肪
族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソ
シアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシア
ネート(イソフォロンジイソシアネート、シクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネー
ト(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,
α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネ
ート等);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネー
トをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等で
ブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げら
れる。
【0048】ポリイソシアネート(3)の比率は、イソ
シアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステ
ルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]とし
て、通常、5/1〜1/1、好ましくは、4/1〜1.
2/1、さらに好ましくは、2.5/1〜1.5/1で
ある。[NCO]/[OH]が5を超えると、低温定着
性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性
ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフ
セット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有する
プレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成
成分の含有量は、通常、0.5〜40重量%、好ましく
は、1〜30重量%、さらに好ましくは、2〜20重量
%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット
性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立
の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定
着性が悪化する。
【0049】イソシアネート基を有するプレポリマー
(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基
は、通常、1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、
さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分
子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子
量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0050】アミン類(B)としては、ジアミン(B
1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコー
ル(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸
(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたも
の(B6)等が挙げられる。ジアミン(B1)として
は、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルト
ルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン
等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’
ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキ
サン、イソフォロンジアミン等);及び脂肪族ジアミン
(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン等)等が挙げられる。3価以上のポリ
アミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン等が挙げられる。アミノアルコール
(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチ
ルアニリン等が挙げられる。アミノメルカプタン(B
4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロ
ピルメルカプタン等が挙げられる。
【0051】アミノ酸(B5)としては、アミノプロピ
オン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。B1〜B5
のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、上記
B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られる
ケチミン化合物、オキサゾリン化合物等が挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1及び
B1と少量のB2の混合物である。
【0052】さらに、必要により、伸長停止剤を用いて
ウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができ
る。
【0053】伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチ
ルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルア
ミン等)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化
合物)等が挙げられる。
【0054】アミン類(B)の比率は、イソシアネート
基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基
[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]
の当量比[NCO]/[NHx]として、通常、1/2
〜2/1、好ましくは、1.5/1〜1/1.5、さら
に好ましくは、1.2/1〜1/1.2である。[NC
O]/[NHx]が2を超え、1/2未満では、ウレア
変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホット
オフセット性が悪化する。本発明においては、ウレア結
合で変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と
共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含
有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常、100/
0〜10/90であり、好ましくは、80/20〜20
/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70で
ある。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホット
オフセット性が悪化する。
【0055】本発明のウレア変性ポリエステル(i)
は、ワンショット法等により製造される。ウレア変性ポ
リエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、
好ましくは2〜1000万、さらに好ましくは、3〜1
00万である。1万未満では、耐ホットオフセット性が
悪化する。ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、
後記の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場
合は、特に限定されるものではなく、上記重量平均分子
量とするのに得やすい数平均分子量でよい。 (i)単独の場合は、数平均分子量は、通常、2000
〜15000、好ましくは2000〜10000、さら
に好ましくは、2000〜8000である。20000
を超えると、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場
合の光沢性が悪化する。
【0056】本発明においては、上記ウレア結合で変性
されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この
(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)を
トナーバインダー成分として含有させることもできる。 (ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装
置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好まし
い。 (ii)としては、上記(i)のポリエステル成分と同様
なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合
物等が挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。
また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレ
ア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、
例えば、ウレタン結合で変性されていてもよい。(i)
と(ii)は、少なくとも一部が相溶していることが、低
温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。した
がって、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組
成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(i
i)の重量比は、通常、5/95〜80/20、好まし
くは、5/95〜30/70、さらに好ましくは、5/
95〜25/75、特に好ましくは、7/93〜20/
80である。 (i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性
が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の
面で不利になる。 (ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、(i
i)の酸価は、通常、1〜30、好ましくは5〜20で
ある。酸価を持たせることにより、負帯電性となりやす
い傾向がある。
【0057】本発明において、トナーバインダーのガラ
ス転移点(Tg)は、通常、55〜75℃、好ましくは
55〜65℃である。50℃未満では、トナーの耐熱保
存性が悪化し、75℃を超えると、低温定着性が不十分
となる。ウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本
発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系ト
ナーと比較して、ガラス転移点が低くても、耐熱保存性
が良好な傾向を示す。
【0058】本発明のトナーに用いるワックスとして
は、融点が50〜120℃の低融点のワックスが挙げら
れ、バインダー樹脂との分散においてより離型剤として
効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これに
より、定着ローラにオイルのような離型材を塗布するこ
となく、高温オフセットに対し顕著な効果を示す。な
お、本発明におけるワックスの融点は、示差走査熱量計
(DSC)による最大吸熱ピークとした。
【0059】本発明において使用できる離型剤として機
能するワックス成分としては、以下の材料が使用でき
る。すなわち、具体例としては、ロウ類及びワックス類
として、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワ
ックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動
物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワッ
クス、及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロ
ラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら
天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワック
ス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、
エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げ
られる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミ
ド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化
炭化水素等の脂肪酸アミド及び低分子量の結晶性高分子
樹脂が挙げられる。ポリn−ステアリルメタクリレー
ト、ポリn−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレ
ートのホモ重合体又は共重合体(例えば、n−ステアリ
ルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)
等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用
いることができる。
【0060】本発明者らは、トナーの流動性、転写性、
定着性、ホットオフセット性、高画質、耐熱保存性、高
い画像濃度や、特にカラートナーについての光沢性、O
HPでの透明性、について鋭意検討したところ、変性さ
れたポリエステルを少なくともトナーバインダーとして
含有する乾式トナーにおいて、変性ポリエステルが着色
剤を形成する顔料粒子の優れた分散剤として効果を発揮
し、顔料粒子の特定の分散粒径が得られることを見出し
た。すなわち、本発明に係る結着樹脂は、例えば、ポリ
エステルレジンをウレタンとウレア結合により高分子量
化することにより得られる変性ポリエステルは、トナー
バインダーとしてポリエステルレジンの低温定着性やカ
ラートナーの透明性が確保できる上、ウレア結合の塩基
性の分子が溶剤中で顔料分散に強い分散力を示し、高度
な顔料分散を可能にした。これは、ウレア結合を有する
塩基性ポリエステルの塩基性分子が、顔料系着色剤との
双方の作用により溶剤中での高分散性を可能としている
と考えられる。
【0061】また、顔料系着色剤の分散性については、
顔料系着色材をあらかじめ分散性を上げた顔料系分散材
にすることにより、さらに顔料系着色材の分散粒径はさ
らに小さくなる。つまり、樹脂に対し、高濃度の顔料系
着色剤を高せん断力下で混合混練りしたマスターバッチ
を使用して、上記トナー成分を調整する方法により、特
にフルカラートナーにおける透明性の優れたトナーが得
られる。
【0062】本発明の着色剤としては、公知の染料及び
顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグ
ロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエ
ロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄
色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、
オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、
R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー
(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バル
カンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレー
キ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローB
GL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛
朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッ
ド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッ
ド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリ
ンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリア
ントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンB
S、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、F
RLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベル
カンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、
リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリ
リアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、
ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボル
ドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボ
ンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレ
ーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリ
ザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマ
ルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロ
ンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベ
ンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレン
ジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブル
ーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルー
レーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニン
ブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー
(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノ
ンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレッ
トレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオ
レット、アントラキノンバイオレット、クロムグリー
ン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラ
ルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリ
ーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、
マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、
アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボ
ン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量
は、トナーに対して、通常、1〜15重量%、好ましく
は、3〜10重量%である。
【0063】本発明で用いる着色剤は、樹脂と複合化さ
れたマスターバッチとして用いることもできる。マスタ
ーバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される
バインダー樹脂としては、上記の変性、未変性ポリエス
テル樹脂の他に、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の
重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチ
レン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン
共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチ
レン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル
酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重
合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体
等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、
ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレ
タン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリ
ル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族
叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パ
ラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、単独又は
混合して使用することができる。
【0064】このマスターバッチは、マスターバッチ用
の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練し
て、マスターバッチを得ることができる。この際、着色
剤と樹脂との相互作用を高めるために、有機溶剤を用い
ることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ば
れる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤
とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分
と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケー
キをそのまま用いることができるため、乾燥する必要が
なく、好ましく用いられる。混合混練するには、3本ロ
ールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
【0065】帯電制御剤としては、公知のものが使用で
き、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系
染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート
顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級ア
ンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含
む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングス
テンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金
属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。具
体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級
アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料
のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体の
E−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノー
ル系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社
製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−3
02、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第
四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP20
38、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、
第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP
2036、コピーチャージ NX VP434(以上、
ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるL
R−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニ
ン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スル
ホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官
能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0066】本発明における荷電制御剤の使用量は、バ
インダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の
有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定さ
れるもので、一義的に限定されるものではないが、好ま
しくは、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1
〜10重量部の範囲で用いられ、好ましくは、0.2〜
5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合には、
トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退
させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の
流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制
御剤、離型剤は、マスターバッチ、樹脂とともに溶融混
練することもでき、有機溶剤に溶解、分散する際に加え
てもよい。
【0067】本発明で得られた着色粒子の流動性や現像
性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒
子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一
次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特
に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、B
ET法による比表面積は、20〜500m2/gである
ことが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナー
の0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.
01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子
の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チ
タン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタ
ン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、
酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ
土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アン
チモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バ
リウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、
窒化ケイ素等を挙げることができる。中でも、流動性付
与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン
微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒
径が50mμ以下のものを使用して撹拌混合を行なった
場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力が格段
に向上するため、所望の帯電レベルを得るために行なわ
れる現像機内部の撹拌混合によっても、トナーから流動
性付与剤が脱離することなく、ホタル等が発生しない良
好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が
図られる。
【0068】酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃
度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化
傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ
微粒子添加量よりも多くなると、の副作用の影響が大き
くなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子
及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が、0.3〜1.
5重量%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損な
われず、所望な帯電立ち上がり特性が得られ、コピーの
繰り返しを行なっても、安定した画像品質が得られて、
トナー吹きも抑制できる。
【0069】次に、変性ポリエステル樹脂の製造方法に
ついて説明する。トナーバインダー用樹脂は、以下の方
法等で製造することができる。ポリオール(1)とポリ
カルボン酸(2)とを、テトラブトキシチタネート、ジ
ブチルチンオキサイド等の公知のエステル化触媒の存在
下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としな
がら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステ
ルを得る。次いで、40〜140℃にて、これにポリイ
ソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有
するプレポリマー(A)を得る。さらに、(A)にアミ
ン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で
変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際
及び(A)と(B)とを反応させる際には、必要により
溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、
芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)およびエー
テル類(テトラヒドロフラン等)等のイソシアネート
(3)に対して不活性なものが挙げられる。ウレア結合
で変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合
は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)
を製造し、これを上記(i)の反応完了後の溶液に溶解
し、混合する。乾式トナーは、以下の方法で製造するこ
とができるが、これらに限定されることはない。
【0070】ここで、変性ポリエステル樹脂とは、ポリ
エステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在し、
また、ポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共
有結合、イオン結合等で結合した状態のものをいい、例
えば、ポリエステル末端をエステル結合以外のもので反
応させたもの、具体的には、末端に酸基、水酸基と反応
するイソシアネート基等の官能基を導入し、活性水素化
合物とさらに反応させ、末端を変性したものをいう。
【0071】さらに、活性水素基が複数存在する化合物
であれば、ポリエステル末端同士を結合させたもの(ウ
レア変性ポリエステル、ウレタン変性ポリエステル等)
も挙げられる。また、ポリエステル主鎖中に二重結合等
の反応性基を導入し、そこからラジカル重合を起こし
て、側鎖に炭素−炭素結合のグラフト成分を導入したも
の(スチレン変性、アクリル変性ポリエステル等)、ま
た、ポリエステルの主鎖中に構成の異なる樹脂成分を共
重合させたもの、例えば、末端がカルボキシル基、水酸
基、エポキシ基、メルカプト基によって変性されたシリ
コーン樹脂と共重合させたもの(シリコーン変性ポリエ
ステル等)を挙げることができる。
【0072】本発明に用いる水系媒体としては、水単独
でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもでき
る。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノー
ル、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類
(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メ
チルエチルケトン等)等が挙げられる。
【0073】トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネー
ト基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、
(B)と反応させて形成してもよく、あらかじめ製造し
たウレア変性ポリエステル(i)を用いてもよい。水系
媒体中でウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー
(A)からなる分散体を安定して形成させる方法として
は、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(i)やプレ
ポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、
せん断力により分散させる方法等が挙げられる。
【0074】プレポリマー(A)と他のトナー組成物
(以下、トナー原料と呼ぶ)である着色剤、着色剤マス
ターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル
樹脂等は、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合し
てもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系
媒体中にその混合物を加えて分散させた方がより好まし
い。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制
御剤等の他のトナー原料は、必ずしも水系媒体中で粒子
を形成させるときに混合しておく必要はなく、粒子を形
成せしめた後、添加してもよい。例えば、着色剤を含ま
ない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を
添加することもできる。
【0075】分散の方法としては特に限定されるもので
はないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧
ジェット式、超音波等の公知の設備が適用できる。分散
体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好
ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は
特に限定はないが、通常、1000〜30000rp
m、好ましくは、5000〜20000rpmである。
分散時間に特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通
常、0.1〜5分である。分散時の温度としては、通
常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは、40〜98
℃である。高温な方が、ウレア変性ポリエステル(i)
やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分
散が容易な点から好ましい。
【0076】ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリ
マー(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒
体の使用量は、通常、50〜2000重量部、好ましく
は、100〜1000重量部である。50重量部未満で
は、トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナ
ー粒子が得られない。20000重量部を超えると、経
済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いること
もできる。分散剤を用いた方が、粒度分布がシャープに
なるとともに、分散が安定である点で好ましい。
【0077】トナー組成物が分散された油性相を、水が
含まれる液体に乳化、分散するための分散剤としては、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、αーオレフィンスルホ
ン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性荊、アル
キルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリア
ミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、ア
ルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルア
ンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム
塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩
化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン
界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導
体等の非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシル
ジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチ
ル)グリシンやNーアルキルーN,Nージメチルアンモ
ニウムべタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0078】また、微粒子ポリマーも無機分散剤と同様
な効果が確認された。例えば、MMAポリマー微粒子1
及び3μm、スチレン微粒子0.5及び2μm、スチレ
ン−アクリロニトリル微粒子ポリマー1μm、PB−2
00H(花王製)SGP(総研)、テクノポリマーSB
(積水化成品工業)、SGP−3G(総研)ミクロパー
ル(積水ファインケミカル)等である。
【0079】また、上記の無機分散剤、微粒子ポリマー
とを併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コ
ロイドを用い分散液滴を安定化させてもよい。例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α
−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマ
ール酸、マレイン酸または無水マレイン酸等の酸類、あ
るいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例
えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β
−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビ
ル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸
γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシ
プロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビ
ル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジ
エチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセ
リンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリ
ル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メ
チロールメタクリルアミド等、ビニルアルコール又はビ
ニルアルコールとのエーテル類、例えば、ビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエー
テル等、又はビニルアルコールとカルボキシル基を含有
する化合物のエステル類、例えば、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、酪酸ビニル等、アクリルアミド、メタク
リルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメ
チロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸
クロライド等の酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニ
ルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等
の窒素原子、又はその複素環を有するもの等のホモポリ
マー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプ
ロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオ
キシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンア
ルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース等のセルロース類等が使用でき
る。
【0080】得られた乳化分散体から有機溶媒を除去す
るためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒
を完全に短時間で蒸発除去する方法を採用することがで
きる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩等の
酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の
酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する
等の方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除
去する。その他、酵素による分解等の操作によっても除
去することができる。分散剤を使用した場合には、分散
剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできる
が、伸長及び/又は架橋反応後、洗浄除去する方がトナ
ーの帯電面から好ましい。
【0081】さらに、トナー組成物の粘度を低くするた
めに、ウレア変性ポリエステル(i)や(A)が可溶な
溶剤を使用することもできる。溶剤を用いた方が粒度分
布がシャープになる点で好ましい。
【0082】溶剤は、沸点が100℃未満の揮発性であ
ることが除去が容易である点から好ましい。この溶剤と
しては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩
化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,
1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロ
ロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、
酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等を単独又は2種以上組合せて用いる
ことができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系
溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好まし
い。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量
は、通常、0〜300部、好ましくは、0〜100部、
さらに好ましくは、25〜70部である。溶剤を使用し
た場合は、伸長及び/又は架橋反応後、常圧又は減圧下
にて加温し、除去する。
【0083】伸長及び/又は架橋反応時間は、プレポリ
マー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類
(B)との組み合わせによる反応性により選択される
が、通常、10分〜40時間、好ましくは、2〜24時
間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましく
は、40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触
媒を使用することができ、具体的には、ジブチルチンラ
ウレート、ジオクチルチンラウレート等が挙げられる。
【0084】磁性トナーとするには、単量体組成物に磁
性粒子を添加すればよい。本発明に用いることができる
磁性体としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の
強磁性金属の粉末、マグネタイト、ヘマタイト、フェラ
イト等の合金や化合物の粉末が挙げられる。磁性粒子と
しては、粒径が0.05〜5μm、好ましくは、0.1
〜1μmのものが用いられるが、小粒径トナーを生成す
る場合には、粒径0.8μm以下の磁性粒子を使用する
ことが好ましい。この磁性粒子は、単量体組成物100
重量部中に10〜60重量部含有されていることが好ま
しい。また、これら磁性粒子は、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤等の表面処理剤又は適当な反
応性の樹脂等で処理されていてもよい。この場合、磁性
粒子の表面積又は表面に存在する水酸基の密度にもよる
が、通常、磁性粒子100重量部に対して表面処理剤が
5重量部以下、好ましくは、0.1〜3重量部の処理
で、充分な重合性単量体への分散性が得られ、トナー物
性に対しても悪影響を及ぼさない。
【0085】次に、本発明のクリーニングブラシについ
て説明する。上記のような重合法等による球形に近い微
粒子トナーを用いた場合には、像担持体に転写残トナー
が強固に付着していると、クリーニングブレードをすり
抜けやすいために、上記したようなクリーニング補助部
材であるクリーニングブラシを設けることが有効であ
る。クリーニング補助部材としては、像担持体に接しな
がら回転するクリーニングブラシを設けているものもあ
る。通常、このクリーニングブラシは、像担持体回転方
向で部材の上流側に配設され、転写後の像担持体上の転
写残トナーを掻き取るとともに、クリーニング部材のク
リーニングを容易にする目的をも有している。しかし、
クリーニングブラシは、入力トナー量が多くなると、ク
リーニングできないという欠点がある。すなわち、ブラ
シは、繊維状のため入力トナーが多いと、ブラシと接触
しきれないトナーが存在し、静電吸着されずにクリーニ
ング不良となる。ブラシを通過したトナーは、球状であ
るため上記の理由でブレードのクリーニングができなく
なる。そこで、本発明は上記クリーニングブラシをクリ
ーニングローラより像担持体の移動方向下流側に配置
し、クリーニングブラシは、クリーニングローラを摺擦
するように配置したことを特徴とする。このクリーニン
グローラは、像担持体に数十〜数千gfで圧接され、ク
リーニングブラシは、像担持体に対する侵入量1mmで
当接し、かつクリーニングローラに対しても同等の力で
当接されている。像担持体と同方向に30rpmの速度
で回転駆動されている(すなわち、像担持体2とクリー
ニングブラシとは、接触部位において相互に反対方向に
移動している)。この接触部位では、転写後の像担持体
上の転写残トナーを機械的に掻き取る又は転写バイアス
の印加によって静電的にクリーニングブラシに付着さ
せ、像担持体からトナーを除去することが可能である。
【0086】
【実施例】以下、実施例を挙げてさらに詳しく説明する
が、本発明はこれら実施例によってなんら限定されるも
のではない。なお、以下に示す部はいずれも重量基準で
ある。
【0087】製造例1 (トナーバインダーの製造)冷却管、攪拌機及び窒素導
入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド2モル付加物690部、イソフタル酸256部
及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧、230
℃で8時間反応し、さらに、10〜15mmHgの減圧
で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに1
8部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、
80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイ
ソシアネート188部と2時間反応を行い、イソシアネ
ート含有プレポリマー(1)を得た。次に、プレポリマ
ー(1)267部とイソフォロンジアミン14部を50
℃で2時間反応させ、ウレア変性ポリエステル(1)を
得た。上記と同様に、ビスフェノールAエチレンオキサ
イド2モル付加物690部、テレフタル酸256部を常
圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで、10〜15
mmHgの減圧で5時間反応して、変性されていないポ
リエステル(a)を得た。ウレア変性ポリエステル
(1)100部と変性されていないポリエステル(a)
900部を酢酸エチル溶剤1800部に溶解、混合し、
トナーバインダー(1)の酢酸エチル溶液を得た。一部
減圧乾燥し、トナーバインダー(1)を単離した。
【0088】(トナーの作成)ビーカー内に上記のトナ
ーバインダー(1)の酢酸エチル溶液210部、帯電制
御剤として含鉄モノアゾ染料(保土谷化学製T−77)
2部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、60℃
にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、
均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水2
65部、リン酸三カルシウム10%水溶液260部、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、
均一に溶解した。次いで、60℃に昇温し、TK式ホモ
ミキサーで12000rpmに攪拌し、その懸濁液50
0gを蒸留できる温度計付きフラスに移し、攪拌しなが
ら40〜50℃、減圧下の条件下45〜50分で溶剤を
除去した。次に、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級
し、球形のトナー粒子を得た。次いで、トナー粒子10
0部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.
5部をヘンシェルミキサーにて混合して、トナーを得
た。上記方法により取得した電子写真用トナーを、複写
機(リコー製ImagioColor 5100)用の
キャリアと、トナー濃度が2.5重量%となるように配
合して、2成分現像剤を作製した。このトナーと上記キ
ャリアを充分混ぜ合わせた後、トナーの帯電量をブロー
オフ法で測定したところ、帯電量は−25.6μC/g
であった。
【0089】製造例2 (トナーバインダーの製造)製造例1と同様にして、ビ
スフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物314
部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加
物314部、イソフタル酸274部及び無水トリメリッ
ト酸20部を重縮合した後、イソフォロンジイソシアネ
ート154部を反応させプレポリマー(2)を得た。次
いで、プレポリマー(2)213部とイソフォロンジア
ミン9.5部及びジブチルアミン0.5部を製造例1と
同様に反応し、ウレア変性ポリエステル(2)を得た。
ウレア変性ポリエステル(2)200部と変性されてい
ないポリエステル(b)800部を酢酸エチル1000
部に溶解、混合し、トナーバインダー(2)の酢酸エチ
ル溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー
(2)を単離した。
【0090】(トナーの作成)製造例1と同様にし、球
形のトナー粒子を得た。次いで、トナー粒子100部に
疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部を
ヘンシェルミキサーにて混合して、トナーを得た。上記
トナー粒子とシリカ微粒子とを、シリカ微粒子の添加量
がトナー量の0.5重量%となるように配合し、ヘンシ
ェルミキサーによって攪拌混合処理して、電子写真用ト
ナーを作製した。
【0091】上記方法により取得した電子写真用トナー
を、複写機(リコー製ImagioColor 510
0)用のキャリアと、トナー濃度が2.5重量%となる
ように配合して2成分現像剤を作製した。このトナーと
上記キャリアを充分混ぜ合わせた後、トナーの帯電量を
ブローオフ法で測定したところ、帯電量は−20.7μ
C/gであった。
【0092】[付着力測定]上記した遠心分離による粒
子付着力測定法により、電子写真用トナーの垂直方向及
び水平方向の付着力を測定した。測定に使用した感光体
は、リコー社製Imagio Color 5100の
感光体と同一構成の有機光導電体膜を、Alを蒸着した
マイラーフィルム上に塗布したものを用いた。測定に使
用した装置は、以下のとおりである。 ○ 遠心分離装置:日立工機社製CP100α ・最高回転数:100,000rpm ・最大加速度:800,000×g ・アングルロータP100AT) ○ 画像処理装置:インタークエスト製Hyper70
【0093】[実機試験] 実施例1 リコー製Imagio Color 5100型複写機
を改造し、中間転写ベルト用クリーニングローラ及びク
リーニングブラシを当接し、装置手前側のクリーニング
部材端が奥側端よりも下流となるような角度をつけて設
置した(図1参照)。このときの角度は5度に設定し
た。クリーニングローラは、中間転写ベルトの線速(3
00mm/s)と等速で中間転写ベルトとは逆回転で当
接するように設置し、クリーニングブラシは、ベルトと
同一方向に該転写ベルト線速の1.5倍(450mm/
s)で回転するように設置した。さらに、クリーニング
ローラ及びクリーニングブラシには、直流で+300〜
+500Vの電界を印加した。クリーニングブラシの手
前側端部に回収トナー搬送機構を設けた。製造例1で作
製した二成分現像剤を上記複写機にセットし、単色モー
ドにてパターン画像を形成し、これを30回程度繰り返
した後にクリーニング不良による異常画像発生の有無や
画像感光体上のクリーニング過程後のトナー残留状態を
確認した。さらに、その後、1万枚通紙によるランニン
グテストを行い、同様のパターン画像による画像評価及
びクリーニング残による異常画像発生の有無を確認し
た。また、5万枚通紙後のクリーニングローラ上に付着
したトナーを溶剤(エタノール)で溶出し、その量をヘ
ーズ価(濁度)で評価した。
【0094】実施例2 上記実施例1にて設置した中間転写ベルト用クリーニン
グブレードの角度を、転写ベルト駆動方向に対して40
度に設定した以外は、実施例1と同様の方法で実施し
た。
【0095】実施例3 上記実施例1で使用したトナーを製造例2で作製した以
外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0096】実施例4 上記実施例3にて設置した中間転写ベルト用クリーニン
グブレードの角度を転写ベルト駆動方向に対して40度
に設定した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0097】実施例5 上記実施例1にて設置した中間転写ベルト用クリーニン
グブレードの角度を、転写ベルト駆動方向に対して1度
に設定し、さらに、トナー回収部に吸引ファンを設け、
気流と共にローラ端部に送られてきたトナーを回収する
機構を設けた以外は、実施例1と同様の方法で実施し
た。
【0098】比較例1 上記実施例1で設けたクリーニングブレードの角度を5
0度に設定したところ、クリーニング工程の全長が36
0mm以上になり、実質的に利用し得ないことが確認さ
れた。
【0099】比較例2 上記実施例1で使用したトナーを、通常Imagio
Color 5100機で用いている粉砕型トナー(シ
アン)に変更し、以下、付着力測定以降の処理を実施例
1と同様の方法により操作した。
【0100】比較例3 上記比較例2と同様にトナーを、通常Imagio C
olor 5100機で用いている粉砕型トナー(シア
ン)に変更し、以下、付着力測定以降の処理を実施例2
と同様の方法により実施した。
【0101】以上の条件と評価結果を表1に示す。
【表1】 ※ 帯電量、付着力は全て平均値である。なお、表1中
「トナー形状」として、「粉砕」とあるのは、その製造
方法により、表面に大小の突起を有した形状であること
を意味する。
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、球形トナーを用いた際
に、転写後に像担持体上に残留したトナー粒子を簡便か
つ効率的にクリーニングでき、しかも効率よく回収する
ことのできる画像形成方法及び画像形成装置が提供さ
れ、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方
式による画像形成分野に寄与するところはきわめて大き
いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置に係るクリーニング手段
を示す図である。
【図2】図1のクリーニング部を拡大した図である。
【図3】粉体付着力測定装置の測定セルを示す図であ
る。
【図4】垂直方向粉体付着力測定装置の遠心分離装置の
一部断面である。
【図5】水平方向粉体付着力測定装置の遠心分離装置の
一部断面である。
【符号の説明】
1 測定セル 2 試料基板 2a 試料面 3 受け基板 3a 付着面 4 スペーサ 5 遠心分離装置 6 ロータ 7 保持部材 7a 棒状部 7b セル保持部 7c 穴部 7d 設置固定部 8 試料設置部 9 回転中心軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 384 321 381 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA15 AB03 AB06 CA08 CA14 CA15 CA17 CA18 EA10 2H134 GA01 GA06 GB02 HA07 HA09 HA11 KB06 KB08 KF02 KG07 KH03 2H200 FA16 FA20 GA44 GB15 JC04 JC12 JC15 JC16 JC17 LB15 LB37 LB38 LB39 MA02 MB01 MB02 MC01 NA01 PA11 PA12

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上にトナー像を形成し、該トナ
    ー像を被転写体に転写した後、該像担持体上に残留した
    トナーを除去する工程を有する画像形成方法であって、
    その製造工程又は製造後の工程において球形化したトナ
    ーを使用する場合において、該トナーとして、少なくと
    も樹脂及び着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤中に
    溶解又は分散させて溶解物は分散物を調製し、該溶解物
    は分散物を水系媒体中で無機分散剤又は微粒子ポリマー
    の存在下に分散せしめて重付加反応させ、得られた乳化
    分散液から溶媒を除去して得られるトナーを用い、かつ
    該像担持体上又は該被転写体上に残留したトナーをクリ
    ーニングする際に、当接するクリーニング部材を該像担
    持体表面又は該被転写体表面の駆動方向の垂直軸軸に対
    し角度を有して当接することを特徴とする画像形成方
    法。
  2. 【請求項2】 該像担持体として、第一の像担持体が現
    像工程における電子写真感光体であり、第二の像担持体
    が転写工程におけるトナー像を一時的に担持する中間転
    写体であって、かつ該中間転写体がベルト状の導電性又
    は半導電性の弾性体からなるものである請求項1に記載
    の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 帯電及び露光により該第一の像担持体上
    に静電潜像を形成すると共に、該静電潜像をトナーによ
    り現像してトナー像を形成し、該トナー像を該第二の像
    担持体上に一次転写した後、該第二の像担持体から被転
    写体に二次転写し、次いで、該像担持体上に残留するト
    ナーを除去するに際し、該第二の像担持体がベルト状の
    中間転写体であり、該中間転写体に当接するクリーニン
    グ部材が、少なくとも該中間転写体の駆動方向の垂直軸
    に対し、0.1〜40度の角度を有し、該中間転写体の
    端部から残留する球形化したトナーを回収するものであ
    る請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 該クリーニング部材が、クリーニングロ
    ーラから構成され、該クリーニングローラは該像担持体
    の移動方向とは逆方向に回転し、かつ該像担持体の線速
    に対し0.7〜1.3の比率の線速で回転するものであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 該クリーニングローラが、弾性体から形
    成され、かつ該弾性体の体積抵抗が105〜1013Ωc
    mであり、かつ該クリーニングローラに対して電圧を印
    加する手段を備えたものである請求項4に記載の画像形
    成方法。
  6. 【請求項6】 遠心分離方式による粉体付着力測定方法
    に基づいて測定される該球形化したトナーと該被転写体
    との付着力において、垂直方向の付着力と水平方向の付
    着力との比(水平方向の付着力/垂直方向の付着力)
    が、0.3以下であるトナーを用いるものである請求項
    1〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 該球形化したトナーを回収する手段とし
    て、該中間転写体端部近傍に、トナー粒子回収機構を設
    けたものである請求項1〜6のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  8. 【請求項8】 該トナー粒子回収機構が、クリーニング
    ブラシ、クリーニングベルト及びクリーニングローラの
    うちの少なくとも1つを有するものである請求項7に記
    載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 該クリーニングローラが、該像担持体の
    移動方向の下流側に配置され、かつ該クリーニングブラ
    シが、該クリーニングローラを慴擦するように配置され
    たものである請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 該クリーニングブラシは該像担持体と
    同一方向に、該クリーニングローラは該像担持体とは逆
    方向に回転し、かつ該クリーニングブラシは、該像担持
    体に対する線速比が1以上である請求項8又は9に記載
    の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 水系媒体中にポリエステル樹脂を含有
    するトナー組成物を分散させトナー粒子を形成させて乾
    式トナーを製造するに際し、無機分散剤又は微粒子ポリ
    マーの存在下に水系媒体中に分散させたイソシアネート
    基含有プレポリマーをアミン類により伸長反応又は架橋
    反応させるものである請求項1〜10のいずれかに記載
    の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 該乾式トナー中に、ワックスを含有さ
    せたものである請求項1〜11のいずれかに記載の画像
    形成方法。
  13. 【請求項13】 像担持体上にトナー像を形成し、該ト
    ナー像を被転写体に転写した後、該像担持体上に残留し
    たトナーを除去する工程を有する画像形成装置であっ
    て、その製造工程又は製造後の工程において球形化した
    トナーを使用する場合において、該トナーとして、少な
    くとも樹脂及び着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤
    中に溶解又は分散させて溶解物は分散物を調製し、該溶
    解物は分散物を水系媒体中で無機分散剤又は微粒子ポリ
    マーの存在下に分散せしめて重付加反応させ、得られた
    乳化分散液から溶媒を除去して得られるトナーを用い、
    かつ該像担持体上又は該被転写体上に残留したトナーを
    クリーニングする際に、当接するクリーニング部材を該
    像担持体表面又は該被転写体表面の駆動方向の垂直軸軸
    に対し角度を有して当接したことを特徴とする画像形成
    装置。
  14. 【請求項14】 該像担持体として、第一の像担持体が
    現像工程における電子写真感光体であり、第二の像担持
    体が転写工程におけるトナー像を一時的に担持する中間
    転写体であって、かつ該中間転写体がベルト状の導電性
    又は半導電性の弾性体からなるものである請求項13に
    記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 帯電及び露光により該第一の像担持体
    上に静電潜像を形成すると共に、該静電潜像をトナーに
    より現像してトナー像を形成し、該トナー像を該第二の
    像担持体上に一次転写した後、該第二の像担持体から被
    転写体に二次転写し、次いで、該像担持体上に残留する
    トナーを除去するに際し、該第二の像担持体がベルト状
    の中間転写体であり、該中間転写体に当接するクリーニ
    ング部材が、少なくとも該中間転写体の駆動方向の垂直
    軸に対し、0.1〜40度の角度を有し、該中間転写体
    の端部から残留する球形化したトナーを回収するもので
    ある請求項13又は14に記載の画像形成装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005070276A (ja) * 2003-08-22 2005-03-17 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、プロセスカートリッジ及びこれらに用いるトナー
JP2005321533A (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2006047330A (ja) * 2003-08-29 2006-02-16 Ricoh Co Ltd プロセスカートリッジ及び画像形成装置
US7680429B2 (en) 2004-02-09 2010-03-16 Ricoh Company, Ltd. Charging device including charging roller and cleaning roller
US9329559B2 (en) 2011-05-27 2016-05-03 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image formation device and belt unit therefor

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