JP2005230782A - 多孔質ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小孔、切れ、ささくれ等の内部欠陥をより確実に防止することができる多孔質ハニカム構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】骨材粒子原料、分散媒、有機バインダ、及び造孔材を混合し、混練することによって坏土とし、その坏土を成形することによってハニカム成形体とし、そのハニカム成形体を乾燥し、焼成する多孔質ハニカム構造体の製造方法である。造孔材として、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品を含有するものを用いる。
【選択図】なし
【解決手段】骨材粒子原料、分散媒、有機バインダ、及び造孔材を混合し、混練することによって坏土とし、その坏土を成形することによってハニカム成形体とし、そのハニカム成形体を乾燥し、焼成する多孔質ハニカム構造体の製造方法である。造孔材として、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品を含有するものを用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、集塵用・水処理用のフィルタとして好適に用いられる、内部欠陥が少ない多孔質ハニカム構造体の製造方法に関し、詳しくは、そのような多孔質ハニカム構造体を製造する際の造孔材として有用な微粒子製品、並びにその製造方法及び製造装置に関する。
化学、電力、鉄鋼、産業廃棄物処理をはじめとする様々な分野において、公害防止等の環境対策、高温ガスからの製品回収等の用途で用いられる集塵用・水処理用のフィルタとして、耐熱性、耐食性、機械的強度に優れるセラミックからなる多孔質ハニカム構造体が用いられている。例えば、ディーゼルエンジン自動車等のディーゼル機関から排出される粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(Diesel Particulate Filter:「DPF」と略記される場合がある)のように、高温、腐食性ガス雰囲気下において使用される集塵用のフィルタとして、セラミックからなる多孔質ハニカム構造体が用いられている。
多孔質ハニカム構造体を用いたフィルタ(以下、「ハニカムフィルタ」と記す)の例としては、例えば、図1に示すハニカムフィルタ21のように、多孔質ハニカム構造体25の多数のセル23の入口側端面Bと出口側端面Cとを互い違いに目封止部22によって目封止した構造のものが挙げられる。このような構造のハニカムフィルタ21によれば、被処理ガスG1を入口側端面Bからセル23に導入すると、パティキュレート等の夾雑物が隔壁24において捕捉される一方、多孔質の隔壁24を透過して隣接するセル23に流入した処理済ガスG2が出口側端面Cから排出されるため、被処理ガスG1中のパティキュレートが分離された処理済ガスG2を得ることができる。
上記のような多孔質ハニカム構造体は、例えば、セラミックからなる骨材粒子原料、分散媒、及び造孔材等を混合し、混練することによって坏土とし、この坏土を成形し、乾燥することによってハニカム成形体を得、このハニカム成形体を焼成する方法等により製造されるが、このような製造方法により得られた多孔質ハニカム構造体には、小孔、切れ、ささくれ等の内部欠陥が少なからず存在し、これを用いたフィルタの濾過性能(捕集効率)は必ずしも十分なものとはいえなかった。
特に、近年においては、ガスが隔壁を透過する際の圧力損失を低減させ、フィルタの処理能力を向上させることを目的として、隔壁の薄壁化や高気孔率化が急速に進行している。このような隔壁が薄く、高気孔率の多孔質ハニカム構造体は、その構造上、製造時に小孔、切れ、ささくれ等の内部欠陥が発生し易いため、これらの内部欠陥によるフィルタの濾過性能(捕集効率)の低下が極めて深刻な問題となりつつある。
上記内部欠陥の発生は、骨材粒子原料中の粗粒子(例えば、微粒子が凝集して形成される凝集塊等)の存在が原因であることが知られている。即ち、上記のような製造方法においては、成形方法として、隔壁と相補的な形状のスリットを有する口金を用いた押出成形を採用することが多いが、このスリットに粗粒子が詰まることによって、スリットの一部が閉塞され、その部分における坏土の供給が阻害されるため、ハニカム成形体(ひいては多孔質ハニカム構造体)に内部欠陥が発生してしまうのである。
従って、従来は、上記のような問題を回避するために、骨材粒子原料から粗粒子を除去する処理(例えば、アルピネ分級機等を用いた風簸分級、遠心式の篩機等を用いた分級等)が行われてきた。本発明者等も、骨材粒子原料を一旦スラリー化し、所定の目開きの篩を通過させて粗大な凝集塊を除去した後に再度粉末化し、その粉末を成形原料の調製に供するハニカムセラミックス構造体の製造方法を既に提案している(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第01/058827号パンフレット
しかしながら、上記のような骨材粒子原料から粗粒子を除去する処理を行う方法は、多孔質ハニカム構造体における内部欠陥(小孔、切れ、ささくれ等)を減少させるという観点からは非常に有効な方法であるものの、この方法を採用してもなお多孔質ハニカム構造体における内部欠陥を確実に防止するところまでには至っていないのが現状である。特に近年、自動車の排ガス規制が強化される傾向にあること等から、フィルタに要求される濾過性能(捕集効率)のレベルは一層高いものとなってきており、内部欠陥をより確実に防止することができる多孔質ハニカム構造体の製造方法を創出することが産業界から切望されている。
本発明は、上述のような従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、小孔、切れ、ささくれ等の内部欠陥をより確実に防止することができるという、従来の方法と比較して有利な効果を奏する多孔質ハニカム構造体の製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上述の課題を解決するべく鋭意研究した結果、骨材粒子原料中の粗粒子のみならず、造孔材中の粗粒子が上記内部欠陥の原因となっており、従来造孔材として用いられてきた微粒子原料に代えて、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品を造孔材として用いることによって、上述の課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の微粒子製品の製造方法、微粒子製品の製造装置、及び微粒子製品、並びにハニカム成形体、及び多孔質ハニカム構造体の製造方法を提供するものである。
[1] 粗粒子を含む微粒子原料を篩い分けすることにより、粗粒子が除去された微粒子製品を得る微粒子製品の製造方法であって、前記微粒子原料を液体とともに撹拌して前記微粒子原料が前記液体中に分散された分散液を得、前記分散液を撹拌して前記微粒子原料を前記液体中に分散させた状態のまま、前記粗粒子を除去し得る目開き径を有するメッシュを通過させて前記微粒子原料を篩い分けすることにより、前記粗粒子が除去された微粒子製品を得る微粒子製品の製造方法。
[2] 前記微粒子原料が、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなる粒子群である上記[1]に記載の微粒子製品の製造方法。
[3] 回転する撹拌羽根によって、前記微粒子原料を前記液体とともに撹拌して前記分散液を得、前記分散液を前記撹拌羽根により撹拌して前記微粒子原料を前記液体中に分散させた状態のまま、前記撹拌羽根の回転軸と直交する方向に配置された前記メッシュを通過させて前記微粒子原料を篩い分けする上記[1]又は[2]に記載の微粒子製品の製造方法。
[4] 前記分散液をその篩面が鉛直方向に沿って配置された前記メッシュを通過させて前記微粒子原料を篩い分けする上記[3]に記載の微粒子製品の製造方法。
[5] 粗粒子を含む微粒子原料から前記粗粒子が除去された微粒子製品を得るための微粒子製品の製造装置であって、液体を貯留し得る内部空間を有する撹拌槽と、前記撹拌槽の前記内部空間に配置される、駆動装置と連動するシャフトに突設された撹拌羽根と、その少なくとも一部が、前記粗粒子を除去し得る目開き径を有するメッシュにより構成され、前記撹拌槽の前記内部空間において前記撹拌羽根が配置された微粒子原料撹拌領域を他の領域(微粒子製品回収領域)から隔離する内壁とを備え、前記撹拌槽の前記微粒子原料撹拌領域に前記微粒子原料を液体とともに投入すると、前記撹拌羽根によって前記微粒子原料が前記液体とともに撹拌されて前記微粒子原料が前記液体中に分散された分散液を得ることができ、前記分散液を前記撹拌羽根により撹拌して前記微粒子原料を前記液体中に分散させた状態のまま、前記内壁の少なくとも一部を構成する前記メッシュを通過させて前記撹拌槽の前記微粒子製品回収領域に送出することによって、前記微粒子原料を篩い分けし、前記粗粒子が除去された微粒子製品が得られるように構成された微粒子製品の製造装置。
[6] 前記内壁が、前記撹拌羽根を包囲する筒状に構成され、前記内壁の内周側に形成される前記微粒子原料撹拌領域を前記内壁の外周側に形成される前記微粒子製品回収領域から隔離するものであるとともに、前記内壁の全部が前記メッシュにより構成された上記[5]に記載の微粒子製品の製造装置。
[7] 嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品。
[8] 少なくとも、セラミック及び/又は金属からなる骨材粒子原料、分散媒、有機バインダ、及び造孔材を含有する坏土によって構成され、隔壁によって多数のセルが区画・形成されたハニカム形状を呈するハニカム成形体であって、前記造孔材として、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品を含有するハニカム成形体。
[9] 少なくとも、セラミック及び/又は金属からなる骨材粒子原料、分散媒、有機バインダ、及び造孔材を混合し、混練することによって坏土とし、前記坏土を、形成すべき隔壁と相補的な形状のスリットを有する口金から押し出し、隔壁によって多数のセルが区画・形成されたハニカム形状に成形することによってハニカム成形体とし、前記ハニカム成形体を乾燥することによってハニカム乾燥体とし、前記ハニカム乾燥体を焼成することによって多孔質ハニカム構造体を得る多孔質ハニカム構造体の製造方法であって、前記造孔材として、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品を含有するものを用いる多孔質ハニカム構造体の製造方法。
[10] 少なくとも、セラミック及び/又は金属からなる骨材粒子原料、分散媒、有機バインダ、及び造孔材を混合し、混練することによって坏土とし、前記坏土を、形成すべき隔壁と相補的な形状のスリットを有する口金から押し出し、隔壁によって多数のセルが区画・形成されたハニカム形状に成形することによってハニカム成形体とし、前記ハニカム成形体を乾燥することによってハニカム乾燥体とし、前記ハニカム乾燥体を焼成することによって得られる多孔質ハニカム構造体であって、前記造孔材として、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品を用いた多孔質ハニカム構造体。
本発明の多孔質ハニカム構造体の製造方法は、小孔、切れ、ささくれ等の内部欠陥をより確実に防止することができるという、従来の方法と比較して有利な効果を奏するものである。
以下、本発明の多孔質ハニカム構造体の製造方法を実施するための最良の形態について具体的に説明するが、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
本発明の多孔質ハニカム構造体の製造方法は、成形原料となる坏土に含有せしめる造孔材として、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品を含有するものを用いるものである。このような製造方法は、多孔質ハニカム構造体における内部欠陥の原因となる粗粒子が少ない微粒子製品を造孔材として用いるので、小孔、切れ、ささくれ等の内部欠陥をより確実に防止することができる。
(1)第1の工程(混合・混練工程)
第1の工程は、少なくとも、セラミック及び/又は金属からなる骨材粒子原料、分散媒、及び造孔材を混合し、混練することによって坏土とする混合・混練工程である。
第1の工程は、少なくとも、セラミック及び/又は金属からなる骨材粒子原料、分散媒、及び造孔材を混合し、混練することによって坏土とする混合・混練工程である。
(i)骨材粒子原料
骨材粒子は、多孔質ハニカム構造体(焼結体)の主たる構成成分となる粒子であり、骨材粒子原料はその原料となる物質である。本発明における骨材粒子原料としては、例えば、コージェライト化原料、ムライト、アルミナ、アルミニウムチタネート、リチウムアルミニウムシリケート、炭化珪素、窒化珪素、又はこれらの混合物等が挙げられる。但し、骨材粒子原料はセラミックに限定されず、金属ないしはセラミックと金属の混合物であってもよい。例えば、金属珪素−炭化珪素焼結体の構成物質となる金属珪素は、本発明における骨材粒子原料となり得る。
骨材粒子は、多孔質ハニカム構造体(焼結体)の主たる構成成分となる粒子であり、骨材粒子原料はその原料となる物質である。本発明における骨材粒子原料としては、例えば、コージェライト化原料、ムライト、アルミナ、アルミニウムチタネート、リチウムアルミニウムシリケート、炭化珪素、窒化珪素、又はこれらの混合物等が挙げられる。但し、骨材粒子原料はセラミックに限定されず、金属ないしはセラミックと金属の混合物であってもよい。例えば、金属珪素−炭化珪素焼結体の構成物質となる金属珪素は、本発明における骨材粒子原料となり得る。
本明細書にいう「コージェライト化原料」とは、焼成によりコージェライトに変換される物質を意味し、例えば、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカ等を、焼成後の組成がコージェライトの理論組成(2MgO・2Al2O3・5SiO2)となるように混合したもの等が挙げられる。コージェライトは熱膨張係数が小さいため、耐熱衝撃性に優れ、熱応力によるクラックの発生が少ない多孔質ハニカム構造体を構成することができる点において好ましい。
本発明における骨材粒子原料は、多孔質ハニカム構造体における内部欠陥を防止するべく、予め粗粒子を除去する処理を行ったものを用いることが好ましい。粗粒子を除去する処理としては、例えば、アルピネ分級機等を用いた風簸分級、遠心式の篩機等を用いた分級、或いは、既述の特許文献1(国際公開第01/058827号パンフレット)に記載の方法等が挙げられる。このような処理による骨材粒子原料中の粗粒子の除去は、本発明の製造方法による造孔材中の粗粒子の除去と相俟って、多孔質ハニカム構造体における内部欠陥をより効果的に防止することができる点において好ましい。
(ii)造孔材
造孔材は、ハニカム成形体(成形原料である坏土を成形し、乾燥することにより得られる)を焼成する際に焼失して気孔を形成させることによって、多孔質ハニカム構造体の気孔率を増大させるため、即ち、高気孔率の多孔質ハニカム構造体を得るために用いられる添加物質である。
造孔材は、ハニカム成形体(成形原料である坏土を成形し、乾燥することにより得られる)を焼成する際に焼失して気孔を形成させることによって、多孔質ハニカム構造体の気孔率を増大させるため、即ち、高気孔率の多孔質ハニカム構造体を得るために用いられる添加物質である。
一般に、このような目的で用いられる造孔材を構成する物質としては、ハニカム成形体を焼成する際に焼失する可燃物、例えば、グラファイト、小麦粉、澱粉、フェノール樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、又はポリエチレンテレフタレート等が用いられる。そして、通常、上記の物質は粉末、又は中実粒子の形態で造孔材として用いられる。但し、本発明の製造方法においては、中空粒子、多孔質粒子、又はこれらの混合物からなる微粒子製品を造孔材として用いることとしている。
上記のような中空ないし多孔質の粒子は、粒子内に空隙を有し、嵩密度が小さいことから、単位質量当たりの造孔効果が大きく、少量の添加で高気孔率の多孔質ハニカム構造体を得られることに加え、焼成時の発熱が少ないために、熱応力により最終製品である多孔質ハニカム構造体にクラックが発生する事態を有効に防止することができるという利点がある。このような微粒子製品としては、例えば、アクリル樹脂系マイクロカプセル等が挙げられる。
なお、本発明の製造方法において「嵩密度」というときは、中空粒子や多孔質粒子の質量を、中空粒子や多孔質粒子の空隙部分(中空部や孔)を含めた体積で除した値である。具体的には、中空粒子については、その質量をアルキメデス法により測定した体積で除することにより算出することができ、多孔質粒子については、その質量を水銀圧入法により測定した体積で除することにより算出することができる。
本発明の製造方法においては、上記の微粒子製品として、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下であるものを用いることが必要である。このような粗粒子が少ない微粒子製品を造孔材として用いることにより、最終製品である多孔質ハニカム構造体の内部欠陥をより確実に防止することが可能となる。
上記のような粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品は、粗粒子を含む微粒子原料を篩い分けし、粗粒子を除去する方法により得ることができる。具体的には、例えば、微粒子原料を液体とともに撹拌して微粒子原料が液体中に分散された分散液を得、その分散液を撹拌して微粒子原料を液体中に分散させた状態のまま、粗粒子を除去し得る目開き径を有するメッシュを通過させて微粒子原料を篩い分けすることにより、粗粒子が除去された微粒子製品を得る方法が挙げられる。
上記の方法は、微粒子原料を水等の液体中で篩い分けを行うため、アルピネ分級機等を用いた風簸分級、或いは遠心式の篩機等を用いた分級等の通常の分級方法では篩い分けが困難な、比重の小さい中空粒子や多孔質粒子であっても空気中に舞い上がることがなく、確実に篩い分けを行うことができる。即ち、上記の方法は、微粒子原料が、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなる粒子群である場合の粗粒子の除去に特に好適に用いることができる。
なお、微粒子原料を液体中で篩い分けする方法としては、予め調製した分散液を、篩面が水平方向に沿って配置されたメッシュ等で自然濾過することにより、粗粒子を濾別する方法も考えられる。しかしながら、この方法は微粒子原料の比重が大きい場合には、比較的容易に篩い分けを行うことができるものの、中空粒子や多孔質粒子のような比重の小さい粒子の篩い分けの場合には、連続的な篩い分けを行うことが困難であるという問題がある。これは、微粒子原料が比重の小さい中空粒子や多孔質粒子であると、分散液が液体と微粒子原料とに分離し易く、その分散状態を維持し難いために、微粒子原料中の微粒子が篩面に堆積してメッシュを閉塞してしまうことが原因である。
従って、本発明の方法においては、分散液を撹拌して微粒子原料を液体中に分散させた状態のまま篩い分けを行うこととしている。このような方法により、微粒子原料が比重の小さい中空粒子や多孔質粒子であっても、液体と微粒子原料とが分離し難く、分散液の分散状態を維持することが可能である。従って、篩面に微粒子が堆積してメッシュを閉塞する事態を効果的に抑制することができ、連続的な篩い分けを行うことが可能となる。なお、この方法は、微粒子原料の篩い分けに際し、超音波の使用や分散剤の添加を必要としない点においても好ましい。
上記の方法においては、回転する撹拌羽根によって、微粒子原料を液体とともに撹拌して分散液を得、その分散液を撹拌羽根により撹拌して微粒子原料を液体中に分散させた状態のまま、撹拌羽根の回転軸と直交する方向に配置されたメッシュを通過させて微粒子原料を篩い分けすることが好ましい。撹拌には、例えば、揺動、ラインミキシング、ガス吹き込み等をはじめとする様々な態様があるが、撹拌羽根による撹拌は、回転流によってメッシュの篩面に堆積するケーキが掻き取られるため、メッシュが閉塞し難く、連続的な篩い分けを行うことができる点において有利である。また、撹拌により生ずる遠心力を利用することにより、効率的な篩い分けを行うことが可能であるというメリットもある。この際、撹拌羽根の回転速度は液体中で微粒子原料を分散できる限りにおいて特に限定されるものではなく、撹拌羽根の形状、大きさ、数、或いは撹拌槽の容積によって適宜設定すればよい。
また、上記の方法では、分散液を撹拌羽根の回転軸と直交する方向に配置されたメッシュを通過させて微粒子原料を篩い分けすることが好ましく、分散液をその篩面が鉛直方向に沿って配置されたメッシュを通過させて微粒子原料を篩い分けすることが更に好ましい。メッシュを撹拌羽根の回転軸と直交する方向に配置すると、液体及び微粒子原料に作用する遠心力をより効果的に利用することができ、更に、メッシュの篩面を鉛直方向に沿って配置すれば、液体及び微粒子原料に作用する遠心力とほぼ直交する方向に篩面が配置されることになるため、篩い分けの効果や回転流によるケーキの掻き取り効果が一層向上する点において好ましい。
なお、上記の方法で用いられるメッシュは、粗粒子を除去し得る目開き径を有するものである必要がある。この目開き径は除去すべき粗粒子の粒子径により異なるため、特に制限はない。但し、確実な篩い分けを行うために、除去すべき粗粒子の粒子径よりやや小さい目開き径を有するメッシュ、具体的には、除去すべき粗粒子の粒子径の80〜100%の目開き径を有するメッシュを用いることが好ましい。
上記微粒子製品の製造方法を実施するための装置としては、例えば、図2に示すような、液体を貯留し得る内部空間33を有する撹拌槽31と、撹拌槽31の内部空間33に配置される、駆動装置35と連動するシャフト37に突設された撹拌羽根39と、その少なくとも一部が、粗粒子を除去し得る目開き径を有するメッシュ41aにより構成され、撹拌槽31の内部空間33において撹拌羽根39が配置された微粒子原料撹拌領域33aを他の領域(微粒子製品回収領域33b)から隔離する内壁41とを備えた微粒子製品製造装置30が挙げられる。
微粒子製品製造装置30によれば、微粒子原料撹拌領域33aに微粒子原料51を液体53とともに投入すると、撹拌羽根39によって微粒子原料51が液体53とともに撹拌されて微粒子原料51が液体53中に分散された分散液43を得ることができ、分散液43を内壁41の少なくとも一部を構成するメッシュ41aを通過させて撹拌槽31の微粒子製品回収領域33bに送出することによって、微粒子原料51が篩い分けされ、粗大粒子53が除去された微粒子製品45を得ることができる。
更に、本発明の微粒子製品製造装置は、図2に示す微粒子製品製造装置30のように、内壁41が、その内周側に形成される微粒子原料撹拌領域33aを内壁41の外周側に形成される微粒子製品回収領域33bから隔離するものであるとともに、内壁41の全部がメッシュ41aにより構成されたものであることが好ましい。
微粒子製品製造装置30は、筒状に構成された内壁41の全部がメッシュ41aにより構成されているので、篩面の面積を大きくとることができ、効率的な篩い分けが可能であることに加え、回転流によるケーキの掻き取り効果を確実に享受することが可能となるため、大量の微粒子原料を連続的に処理し得るという利点がある。また、このような装置では、比重の小さい粒子がその浮力によって上方に移動するため、鉛直方向に沿って配置されたメッシュの篩面を閉塞し難い。そして、目的とする微粒子は水面上に浮上するため、その回収も容易である。
以上説明したような製造方法、或いは製造装置により、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなる微粒子製品であって、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品を得ることができる。
(iii)有機バインダ
本発明の多孔質ハニカム構造体の製造方法における坏土は、少なくとも、骨材粒子原料、水等の分散媒、造孔材を含有するものであるが、有機バインダを含有させることが好ましい。有機バインダは、成形時に坏土に流動性を付与し、焼成前のハニカム成形体(ハニカム乾燥体)の機械的強度を維持する補強剤としての機能を果たす。有機バインダとしては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、又はポリビニルアルコール等を好適に用いることができる。
本発明の多孔質ハニカム構造体の製造方法における坏土は、少なくとも、骨材粒子原料、水等の分散媒、造孔材を含有するものであるが、有機バインダを含有させることが好ましい。有機バインダは、成形時に坏土に流動性を付与し、焼成前のハニカム成形体(ハニカム乾燥体)の機械的強度を維持する補強剤としての機能を果たす。有機バインダとしては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、又はポリビニルアルコール等を好適に用いることができる。
(iv)その他の添加剤
本発明の多孔質ハニカム構造体の製造方法における坏土には、必要に応じて、その他の添加剤(例えば、分散剤等)を含有させてもよい。
本発明の多孔質ハニカム構造体の製造方法における坏土には、必要に応じて、その他の添加剤(例えば、分散剤等)を含有させてもよい。
分散剤(界面活性剤)は、骨材粒子原料等の分散媒への分散を促進し、均質な坏土を得るための添加剤である。従って、分散剤としては、界面活性効果を有する物質、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を好適に用いることができる。なお、分散媒としては、水の他、アルコール等の有機溶媒、或いはこれらの混合物等が用いられる。
(v)混合及び混練
本発明の多孔質ハニカム構造体の製造方法における混合及び混練は、従来公知の混合機ないし混練機、例えば、シグマニーダ、バンバリーミキサ、スクリュー式の押出混練機等により行うことができる。特に、坏土中に含まれるエアを脱気させるための真空減圧装置(例えば、真空ポンプ等)を備えた混練機(いわゆる真空土練機)を用いると、欠陥が少なく、成形性の良好な坏土を得ることができる点において好ましい。
本発明の多孔質ハニカム構造体の製造方法における混合及び混練は、従来公知の混合機ないし混練機、例えば、シグマニーダ、バンバリーミキサ、スクリュー式の押出混練機等により行うことができる。特に、坏土中に含まれるエアを脱気させるための真空減圧装置(例えば、真空ポンプ等)を備えた混練機(いわゆる真空土練機)を用いると、欠陥が少なく、成形性の良好な坏土を得ることができる点において好ましい。
また、造孔材として比重が小さい中空粒子や多孔質粒子を用いる場合にあっては、造孔材を坏土中に均一に分散させることが困難であるため、撹拌力・分散力の高い混合機ないし混練機を用いて混合及び混練を行うことが好ましい。撹拌力・分散力の高い混合機・混練機としては、横型の円筒状ドラム内に、鋤状ないしはシャベル状の撹拌羽根(プローシェア)と、十字ナイフ状の撹拌羽根(チョッパ)とを備え、プローシェアが水平方向に配置された駆動軸を中心に低速で回転し、チョッパが鉛直方向に配置された駆動軸を中心に高速で回転するタイプの混合機であるプローシェアミキサ(例えば、商品名:プローシェアミキサ、太平洋機工(株)製、商品名:WA、ワムジャパン(株)製、商品名:WA−75、ヤマト機販(株)製等)、縦型の円筒状ドラム内に、エンペラ状の下段撹拌羽根とリング状の上段撹拌羽根とからなる多段羽根を備え、この多段羽根が鉛直方向に配置された駆動軸を中心に高速で回転するタイプの混合機であるヘンシェルミキサ(例えば、商品名:三井ヘンシェルミキサ、三井鉱山(株)製等)等を挙げることができる。
(2)第2の工程(成形工程)
第2の工程は、上記のようにして得られた坏土を、形成すべき隔壁と相補的な形状のスリットを有する口金から押し出し、隔壁によって多数のセルが区画・形成されたハニカム形状に成形することによってハニカム成形体とする成形工程である。
第2の工程は、上記のようにして得られた坏土を、形成すべき隔壁と相補的な形状のスリットを有する口金から押し出し、隔壁によって多数のセルが区画・形成されたハニカム形状に成形することによってハニカム成形体とする成形工程である。
本明細書にいう「ハニカム形状」とは、例えば、図3に示す多孔質ハニカム構造体1のように、隔壁4によって多数のセル3が区画・形成された形状を意味する。ハニカム成形体の全体形状については特に限定されるものではなく、例えば、図3に示すような円筒状の他、四角柱状、三角柱状等の形状を挙げることができる。また、ハニカム成形体のセル形状(セルの形成方向に対して垂直な断面におけるセル形状)についても特に限定はされず、例えば、図3に示すような四角形セルの他、六角形セル、三角形セル等の形状を挙げることができる。
成形の方法としては、射出成形、プレス成形等の種々の成形方法が存在するが、本発明の多孔質ハニカム構造体の製造方法においては、坏土を、形成すべき隔壁と相補的な形状のスリットを有する口金から押し出す押出成形を採用する。即ち、多孔質ハニカム構造体が所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度となるように、隔壁と相補的な形状のスリットが配置された口金を用いて、坏土を押出成形する。このような方法は、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度を有するハニカム成形体を簡便に得ることができる点において好ましい。押出成形を行う装置については特に限定されず、従来公知の押出成形機(例えば、ラム式押出成形機等)により行うことができる。
なお、押出成形を行う際には、坏土を、粗粒子を除去し得る目開き径を有する多孔スクリーンを通過させた後に口金から押し出すことが好ましい。こうすることにより、万が一、原料中に粗粒子が混入していた場合でも、その粗粒子を除去することができるため、より確実にハニカム成形体(ひいては多孔質ハニカム構造体)の内部欠陥の発生を防止することができる。
上記のように成形を行うことにより、少なくとも、セラミック及び/又は金属からなる骨材粒子原料、分散媒、及び造孔材を含有する坏土によって構成され、隔壁によって多数のセルが区画・形成されたハニカム形状を呈するハニカム成形体であって、造孔材として、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品を含有するハニカム成形体を得ることができる。
(3)第3の工程(乾燥工程)
第3の工程は、上記のようにして得られたハニカム成形体を乾燥することによってハニカム乾燥体とする乾燥工程である。
乾燥の方法にも特に限定はなく、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の従来公知の乾燥法を用いることができる。但し、ハニカム成形体全体を迅速かつ均一に乾燥することができる点において熱風乾燥とマイクロ波乾燥又は誘電乾燥とを組み合わせた乾燥方法が好ましい。
第3の工程は、上記のようにして得られたハニカム成形体を乾燥することによってハニカム乾燥体とする乾燥工程である。
乾燥の方法にも特に限定はなく、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の従来公知の乾燥法を用いることができる。但し、ハニカム成形体全体を迅速かつ均一に乾燥することができる点において熱風乾燥とマイクロ波乾燥又は誘電乾燥とを組み合わせた乾燥方法が好ましい。
(4)第4の工程(焼成工程)
第4の工程は、上記のようにして得られたハニカム乾燥体を焼成することによって多孔質ハニカム構造体を得る焼成工程である。
第4の工程は、上記のようにして得られたハニカム乾燥体を焼成することによって多孔質ハニカム構造体を得る焼成工程である。
焼成とは、骨材粒子原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するための操作を意味する。焼成条件(温度・時間)は、ハニカム成形体を構成する骨材粒子原料の種類により異なるため、使用する骨材粒子原料の種類に応じて適当な条件を選択すればよい。例えば、コージェライト化原料を骨材粒子原料として用いる場合には、1410〜1440℃の温度で、3〜7時間焼成することが好ましい。焼成条件(温度・時間)が上記範囲未満であると、骨材粒子原料の焼結が不十分となるおそれがある点において好ましくなく、上記範囲を超えると、生成したコージェライトが溶融するおそれがある点において好ましくない。
なお、焼成の前、或いは焼成の昇温過程において、ハニカム乾燥体中の有機物(バインダ、造孔材、分散剤等)を燃焼させて除去する操作(仮焼)を行うと、有機物の除去をより促進させることができる点において好ましい。バインダの燃焼温度は200℃程度、造孔材の燃焼温度は300℃程度であるので、仮焼温度は200〜1000℃程度とすればよい。仮焼時間は特に限定されないが、通常は、10〜100時間程度である。
(5)その他
集塵用フィルタ等のハニカムフィルタとしては、上記のような多孔質ハニカム構造体において、多数のセルの一方の開口部と他方の開口部と互い違いに目封止する目封止部を更に備えたものが好適に用いられる。
集塵用フィルタ等のハニカムフィルタとしては、上記のような多孔質ハニカム構造体において、多数のセルの一方の開口部と他方の開口部と互い違いに目封止する目封止部を更に備えたものが好適に用いられる。
目封止部を形成する方法は特に限定されないが、例えば、多孔質ハニカム構造体の一方の端面に、粘着シートを貼着し、画像処理を利用したレーザ加工等によりその粘着シートの目封止すべきセルに対応する部分のみに孔開けをしてマスクとし、そのマスクが貼着された多孔質ハニカム構造体の端面をセラミックスラリー中に浸漬し、多孔質ハニカム構造体の目封止すべきセルにセラミックスラリーを充填して目封止部を形成し、これと同様の工程を多孔質ハニカム構造体の他方の端面についても行った後、目封止部を乾燥し、焼成する方法が挙げられる。また、この目封止部をハニカム乾燥体に形成し、ハニカム乾燥体の焼成と目封止部の焼成を同時に行ってもよい。
セラミックスラリーは、少なくとも骨材原料粒子と分散媒(例えば、水等)を混合することにより調製することができる。更に、必要により、有機バインダ、分散剤等の添加剤を加えてもよい。骨材原料粒子の種類は特に限定されないが、ハニカム成形体の原料として用いた骨材原料粒子と同一のものを好適に用いることができる。有機バインダとしては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等の樹脂、分散剤としては、特殊カルボン酸型高分子界面活性剤(例えば、商品名:ポイズ530、花王(株)製)を用いることが好ましい。
セラミックスラリーの粘度は5〜50Pa・sの範囲内に調整することが好ましく、10〜30Pa・sの範囲に調整することがより好ましい。セラミックスラリーの粘度が低すぎると、ヒケ欠陥が発生し易くなる傾向がある。スラリーの粘度は、例えば、骨材原料粒子と分散媒(例えば、水等)との比率、或いは分散剤の量等によって調整することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
[微粒子製品の製造]
(実施例1)
多孔質ハニカム構造体を製造するに先立って、微粒子製品を製造した。まず、微粒子原料として、市販のアクリル樹脂製マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロスフェアーF−50E、松本油脂製薬(株)製)を用意した(これを比較例1とする)。このマイクロカプセルは、嵩密度が0.03g/cm3の中空粒子からなる粒子群であった。
(実施例1)
多孔質ハニカム構造体を製造するに先立って、微粒子製品を製造した。まず、微粒子原料として、市販のアクリル樹脂製マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロスフェアーF−50E、松本油脂製薬(株)製)を用意した(これを比較例1とする)。このマイクロカプセルは、嵩密度が0.03g/cm3の中空粒子からなる粒子群であった。
比較例1の微粒子原料を、本発明の微粒子製品の製造方法に従って処理することにより、微粒子製品を製造した。具体的には、比較例1の微粒子原料を、図2に示す本発明の微粒子製品製造装置30を用いて処理することにより、微粒子製品を製造した。微粒子製品製造装置30は、撹拌槽33、撹拌羽根39、メッシュ41a、内壁41の他、駆動装置35、シャフト37、送液ポンプ47、及び供給タンク49等を備えた装置である。
微粒子製品製造装置30において、撹拌槽33は、内径600mmφ、深さ800mmの円筒状とした。また、内壁41は、内径400mmφ、高さ700mmの円筒状とし、粒子径100μm以上の粗粒子を除去することを目的として、その全てを目開き径90μmのメッシュ41aにより構成した(即ち、除去すべき粗粒子の粒子径の90%の目開き径を有するメッシュを使用した)。そして、この内壁41によって、撹拌羽根39が配置された微粒子原料撹拌領域33aと、その外周側に形成される微粒子製品回収領域33bとを隔離するように構成した。
撹拌羽根39は、多数の長方形の板状体(幅180mm、長さ150mm)がシャフト37に突設された「かい型翼」とした。このかい型翼は、シャフト37に対して4枚の板状体が90°毎に突設された4枚翼であり、その4枚翼を等間隔に5段配設した多段翼構造とした。なお、駆動装置35としては電動モータを使用した。
微粒子製品の製造(微粒子原料の篩い分け処理)は以下のようにして行った。まず、微粒子原料51と水53を供給タンク49に投入し、送液ポンプ47により撹拌槽33の微粒子原料撹拌領域33aに供給した。撹拌羽根39により微粒子原料51を水53とともに撹拌することによって、微粒子原料51が水53中に分散された分散液を得た。この際の撹拌速度は100rpmとした。
次いで、その分散液を撹拌羽根39により撹拌して微粒子原料51を水53中に分散させた状態のまま、内壁41を構成するメッシュ41aを通過させて撹拌槽33の微粒子製品回収領域33bに送出した。メッシュ41aを通過し、浮力により撹拌槽33の微粒子製品回収領域33bの水面上に浮上した微粒子群を回収することによって、粗粒子55が除去された微粒子製品45を得た。一方、メッシュ41aを通過せず、浮力により撹拌槽33の微粒子原料撹拌領域33aの水面上に浮上した粗粒子55についても回収した。
[微粒子製品の評価]
比較例1の微粒子原料、及び実施例1の微粒子製品については、実体顕微鏡を用いて撮影した写真を画像解析装置に取り込み、各粒子の粒子径を測定した。そして、粒子径60μm以上の全粒子について、5μm刻みで粒子数をカウントした。
比較例1の微粒子原料、及び実施例1の微粒子製品については、実体顕微鏡を用いて撮影した写真を画像解析装置に取り込み、各粒子の粒子径を測定した。そして、粒子径60μm以上の全粒子について、5μm刻みで粒子数をカウントした。
図4は、比較例1の微粒子原料、及び実施例1の微粒子製品の粒子径と粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する累積粒子数の比率との関係を示すグラフである。このグラフから明らかなように、比較例1の微粒子原料については、粒子径100μm以上の粗粒子が相当数検出されたが、実施例1の微粒子製品については、粒子径100μm以上の粗粒子は殆ど検出されなかった。
より具体的には、比較例1の微粒子原料は、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数が2728、粒子径100μm以上の粒子の粒子数が59であり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率は2.2%であった。これに対し、実施例1の微粒子製品は、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数が1161、粒子径100μm以上の粒子の粒子数が1であり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率は0.09%であった。このように、本発明の微粒子製品の製造方法により、嵩密度が0.5g/cm3以下(0.03g/cm3)の中空粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下(0.09%)の微粒子製品を得ることができた。
[多孔質ハニカム構造体の製造]
(実施例2)
骨材粒子原料として、カオリン(平均粒子径11μm)、タルク(平均粒子径21μm)、水酸化アルミニウム(平均粒子径2μm)、アルミナ(平均粒子径7μm)、シリカ(平均粒子径25μm)を、18.5:40:15:14:12.5の比率で含むものを用意した。これらの粒子については、アルピネ分級機を用いた風簸分級により粒子径100μm以上の粗粒子を除去したものを使用した。
(実施例2)
骨材粒子原料として、カオリン(平均粒子径11μm)、タルク(平均粒子径21μm)、水酸化アルミニウム(平均粒子径2μm)、アルミナ(平均粒子径7μm)、シリカ(平均粒子径25μm)を、18.5:40:15:14:12.5の比率で含むものを用意した。これらの粒子については、アルピネ分級機を用いた風簸分級により粒子径100μm以上の粗粒子を除去したものを使用した。
そして、この骨材粒子原料100質量部に対して、有機バインダとしてメチルセルロース5質量部を添加して3分間混合し、次いで、この混合物に造孔材として上記の微粒子製品2.5質量部を添加して3分間混合し、更に、この混合物に水25質量部を噴霧しながら添加して3分間混合した。これらの混合は全てプローシェアミキサ(商品名:プローシェアミキサ、太平洋機工(株)製)により行った。この際、プローシェアミキサの撹拌条件は、プローシェア駆動軸の回転数を100rpm、チョッパ駆動軸の回転数を3000rpmとした。
その後、上記の混合物をシグマ型ニーダにより60分間混練して坏土を得、その坏土を絶対圧8kPaの真空条件下で、更に真空土練機により混練し、押し出すことにより、円筒状(外径300mmφ)に成形された坏土を得た。
上記の円筒状坏土を、後述するセル形状、隔壁厚さ、セル密度の多孔質ハニカム構造体を得られるように、形成すべき隔壁と相補的な形状のスリットが形成された口金を用いて押出成形する方法により、隔壁によって多数のセルが区画・形成されたハニカム成形体を得た。具体的には、多孔質ハニカム構造体が、セル形状が約1.4mm×1.4mmの正方形、隔壁厚さが0.3mm、セル密度が約50セル/cm2となるように、幅0.3mmのスリットが1.4mm間隔で格子状に配置された口金を用いて、坏土を押出成形した。この成形はラム式押出し成形機により行った。
上記のハニカム成形体をマイクロ波乾燥し、更に熱風乾燥することによってハニカム乾燥体を得た。このハニカム乾燥体を所定寸法に切断し、その一方の端面に、粘着シートを貼着し、画像処理を利用したレーザ加工によりその粘着シートの目封止すべきセルに対応する部分のみに孔開けをしてマスクとし、そのマスクが貼着されたハニカム乾燥体の端面を、セラミックスラリー中に浸漬し、ハニカム乾燥体の目封止すべきセルにセラミックスラリーを充填して目封止部を形成し、これと同様の工程をハニカム乾燥体の他方の端面についても行った後、ハニカム乾燥体とともに目封止部を焼成した。
目封止部形成用のセラミックスラリーとしては、骨材粒子原料として多孔質ハニカム構造体の製造に用いたものと同じ骨材粒子原料を使用し、骨材粒子原料100質量部に対し、バインダとしてメチルセルロース0.5質量部、分散剤として特殊カルボン酸型高分子界面活性剤(商品名:ポイズ530、花王(株)製)0.3質量部、分散媒として水50質量部を加えて30分間混合することにより調製したものを用いた。その粘度は25Pa・sであった。また、焼成条件は1420℃、6時間とした。このようにして、多数のセルの一方の開口部と他方の開口部と互い違いに目封止する目封止部を更に備えた多孔質ハニカム構造体を得た。
得られた多孔質ハニカム構造体の全体形状は、端面(セル開口面)形状が80mmφの円形、長さが100mmであり、セル形状は約1.4mm×1.4mmの正方形セル、隔壁の厚さが0.3mm、セル密度が約50セル/cm2のものであった。
(比較例2)
造孔材として、実施例1の微粒子製品に代えて、比較例1の微粒子原料を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、多孔質ハニカム構造体を製造した。
造孔材として、実施例1の微粒子製品に代えて、比較例1の微粒子原料を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、多孔質ハニカム構造体を製造した。
(比較例3)
造孔材として、実施例1の微粒子製品に代えて、比較例1の微粒子製品と、実施例1の微粒子製品製造の際に回収された粗粒子とを90:10の質量比で混合したものを用いたことを除いては、実施例1と同様にして、多孔質ハニカム構造体を製造した。
造孔材として、実施例1の微粒子製品に代えて、比較例1の微粒子製品と、実施例1の微粒子製品製造の際に回収された粗粒子とを90:10の質量比で混合したものを用いたことを除いては、実施例1と同様にして、多孔質ハニカム構造体を製造した。
[多孔質ハニカム構造体の評価]
実施例2、比較例2、及び比較例3の多孔質ハニカム構造体については、細孔径分布、微構造観察、及びセル漏洩試験により、その濾過性能(捕集効率)を評価した。
実施例2、比較例2、及び比較例3の多孔質ハニカム構造体については、細孔径分布、微構造観察、及びセル漏洩試験により、その濾過性能(捕集効率)を評価した。
(細孔径分布)
実施例2、比較例2、及び比較例3の多孔質ハニカム構造体について、水銀ポロシメーターにより、その細孔径が1μmから300μmの範囲における細孔径分布を測定し、測定された全細孔の合計容積に対する、各細孔径の細孔容積の比率を算出した。
実施例2、比較例2、及び比較例3の多孔質ハニカム構造体について、水銀ポロシメーターにより、その細孔径が1μmから300μmの範囲における細孔径分布を測定し、測定された全細孔の合計容積に対する、各細孔径の細孔容積の比率を算出した。
図5は、実施例2、比較例2、及び比較例3の多孔質ハニカム構造体の細孔径と全細孔の合計容積に対する、各細孔径の細孔容積の比率(log微分細孔容積)の関係を示すグラフである。このグラフでは、実施例2と比較例2の多孔質ハニカム構造体の細孔径分布に顕著な差は認められなかった。但し、造孔材の粗粒子を故意に添加した比較例3の多孔質ハニカム構造体においては、細孔径100μm以上の細孔容積の比率が高くなっており(図中、点線囲み部分参照)、細孔径100μm以上の細孔数が増加しているものと考えられた。即ち、造孔材中の粗粒子が内部欠陥の原因となっていることが推認された。
(微構造観察)
実施例2、及び比較例2の多孔質ハニカム構造体について、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて撮影した写真により、その微構造を観察した。
実施例2、及び比較例2の多孔質ハニカム構造体について、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて撮影した写真により、その微構造を観察した。
図6は、実施例2の多孔質ハニカム構造体の隔壁部分の微構造を撮影した写真、図7は、比較例2の多孔質ハニカム構造体の隔壁部分の微構造を撮影した写真である。これらの写真から明らかなように、比較例2の多孔質ハニカム構造体については、粗大気孔が相当数確認されたが、実施例2の多孔質ハニカム構造体については、粗大気孔は殆ど検出されなかった。
(セル漏洩試験)
実施例2、比較例2、及び比較例3の多孔質ハニカム構造体について、下記のセル漏洩試験により、その濾過性能(捕集効率)を評価した。セル漏洩試験は、各多孔質ハニカム構造体3基ずつについて行った。
実施例2、比較例2、及び比較例3の多孔質ハニカム構造体について、下記のセル漏洩試験により、その濾過性能(捕集効率)を評価した。セル漏洩試験は、各多孔質ハニカム構造体3基ずつについて行った。
具体的には、多孔質ハニカム構造体の一方の端面側から各セルに対し、線香煙(粒子径0.3〜10μm程度)を吹き込み、多孔質ハニカム構造体の他方の端面側を目視により観察し、線香煙が漏洩したセル(漏洩セル)の数をカウントした。漏洩セルが10セル以上の場合は、「多数」と表記した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、比較例2の多孔質ハニカム構造体については、漏洩セルが若干数確認され、比較例3の多孔質ハニカム構造体については、漏洩セルが多数確認された。即ち、比較例2、及び比較例3の多孔質ハニカム構造体は、内部欠陥が少なからず存在し、濾過性能(捕集効率)が不十分なものであると考えられた。一方、実施例2の多孔質ハニカム構造体については、漏洩セルは確認されず、内部欠陥が少なく、濾過性能(捕集効率)に優れるものであると考えられた。
本発明の多孔質ハニカム構造体の製造方法は、化学、電力、鉄鋼、産業廃棄物処理をはじめとする様々な分野において、公害防止等の環境対策、高温ガスからの製品回収等の用途で用いられる集塵用のフィルタ、特に、高温、腐食性ガス雰囲気下において使用される、ディーゼルエンジン自動車等のディーゼル機関から排出される粒子状物質を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタとして有用な多孔質ハニカム構造体の製造に好適に用いることができる。
1,25…多孔質ハニカム構造体、3,23…セル、4,24…隔壁、21…ハニカムフィルタ、22…目封じ部、30…微粒子製品製造装置、31…撹拌槽、33…内部空間(33a…微粒子原料撹拌領域、33b…微粒子製品回収領域)、35…駆動装置、37…シャフト、39…撹拌羽根、41…内壁(41a…メッシュ)、43…分散液、45…微粒子製品、47…送液ポンプ、49…供給タンク、51…微粒子原料、53…水、55…粗粒子。
Claims (10)
- 粗粒子を含む微粒子原料を篩い分けすることにより、粗粒子が除去された微粒子製品を得る微粒子製品の製造方法であって、
前記微粒子原料を液体とともに撹拌して前記微粒子原料が前記液体中に分散された分散液を得、前記分散液を撹拌して前記微粒子原料を前記液体中に分散させた状態のまま、前記粗粒子を除去し得る目開き径を有するメッシュを通過させて前記微粒子原料を篩い分けすることにより、前記粗粒子が除去された微粒子製品を得る微粒子製品の製造方法。 - 前記微粒子原料が、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなる粒子群である請求項1に記載の微粒子製品の製造方法。
- 回転する撹拌羽根によって、前記微粒子原料を前記液体とともに撹拌して前記分散液を得、前記分散液を前記撹拌羽根により撹拌して前記微粒子原料を前記液体中に分散させた状態のまま、前記撹拌羽根の回転軸と直交する方向に配置された前記メッシュを通過させて前記微粒子原料を篩い分けする請求項1又は2に記載の微粒子製品の製造方法。
- 前記分散液をその篩面が鉛直方向に沿って配置された前記メッシュを通過させて前記微粒子原料を篩い分けする請求項3に記載の微粒子製品の製造方法。
- 粗粒子を含む微粒子原料から前記粗粒子が除去された微粒子製品を得るための微粒子製品製造装置であって、
液体を貯留し得る内部空間を有する撹拌槽と、前記撹拌槽の前記内部空間に配置される、駆動装置と連動するシャフトに突設された撹拌羽根と、その少なくとも一部が、前記粗粒子を除去し得る目開き径を有するメッシュにより構成され、前記撹拌槽の前記内部空間において前記撹拌羽根が配置された微粒子原料撹拌領域を他の領域(微粒子製品回収領域)から隔離する内壁とを備え、
前記撹拌槽の前記微粒子原料撹拌領域に前記微粒子原料を液体とともに投入すると、前記撹拌羽根によって前記微粒子原料が前記液体とともに撹拌されて前記微粒子原料が前記液体中に分散された分散液を得ることができ、前記分散液を前記撹拌羽根により撹拌して前記微粒子原料を前記液体中に分散させた状態のまま、前記内壁の少なくとも一部を構成する前記メッシュを通過させて前記撹拌槽の前記微粒子製品回収領域に送出することによって、前記微粒子原料を篩い分けし、前記粗粒子が除去された微粒子製品が得られるように構成された微粒子製品製造装置。 - 前記内壁が、前記撹拌羽根を包囲する筒状に構成され、前記内壁の内周側に形成される前記微粒子原料撹拌領域を前記内壁の外周側に形成される前記微粒子製品回収領域から隔離するものであるとともに、前記内壁の全部が前記メッシュにより構成された請求項5に記載の微粒子製品製造装置。
- 嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品。
- 少なくとも、セラミック及び/又は金属からなる骨材粒子原料、分散媒、及び造孔材を含有する坏土によって構成され、隔壁によって多数のセルが区画・形成されたハニカム形状を呈するハニカム成形体であって、
前記造孔材として、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品を含有するハニカム成形体。 - 少なくとも、セラミック及び/又は金属からなる骨材粒子原料、分散媒、及び造孔材を混合し、混練することによって坏土とし、前記坏土を、形成すべき隔壁と相補的な形状のスリットを有する口金から押し出し、隔壁によって多数のセルが区画・形成されたハニカム形状に成形することによってハニカム成形体とし、前記ハニカム成形体を乾燥することによってハニカム乾燥体とし、前記ハニカム乾燥体を焼成することによって多孔質ハニカム構造体を得る多孔質ハニカム構造体の製造方法であって、
前記造孔材として、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品を含有するものを用いる多孔質ハニカム構造体の製造方法。 - 少なくとも、セラミック及び/又は金属からなる骨材粒子原料、分散媒、及び造孔材を混合し、混練することによって坏土とし、前記坏土を、形成すべき隔壁と相補的な形状のスリットを有する口金から押し出し、隔壁によって多数のセルが区画・形成されたハニカム形状に成形することによってハニカム成形体とし、前記ハニカム成形体を乾燥することによってハニカム乾燥体とし、前記ハニカム乾燥体を焼成することによって得られる多孔質ハニカム構造体であって、
前記造孔材として、嵩密度が0.5g/cm3以下の中空粒子及び/又は多孔質粒子からなり、粒子径60μm以上の粒子の全粒子数に対する粒子径100μm以上の粒子の粒子数の比率が0.5%以下である微粒子製品を用いた多孔質ハニカム構造体。
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