JP2011189246A - ハニカムフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】流入セルの等価水力直径が縮小せず、捕集層が剥離することがない、圧力特性及びPM捕集性能に優れたハニカムフィルタを提供すること。
【解決手段】複数のセルを区画形成する多数の気孔が形成された多孔質の隔壁12を有するハニカム状基材と、複数のセルのうち、所定のセルの一方の端部に配設された第一の目封止部と、複数のセルのうち、所定のセルに隣接する残余のセルの他方の端部に配設された第二の目封止部と、多数の気孔のうち、隔壁12の残余のセル側に開口する開気孔17の内部に、隔壁12の表面から5〜100μmの深さまで侵入した粒子18によって形成された多孔質の捕集層16と、を備え、捕集層16の気孔率が50〜80%であり、捕集層16の平均気孔径が2〜5μmであるハニカムフィルタを提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、排気ガス中に含まれる微粒子状物質を捕集するハニカムフィルタ及びその製造方法に関する。
環境への影響を考慮して、自動車用エンジン、建設機械用エンジン、産業機械用定置エンジン等の内燃機関、その他の燃焼機器等から排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を、排気ガスから除去する必要性が高まっている。特に、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(以下、「PM」(Particulate Matter)とも記載する。)の除去に関する規制は、世界的に強化される傾向にある。このような事情から、PMを捕集し除去するためのDPF(Diesel Particulate Filter)が注目を集めている。
DPFの一態様として、複数のセルを区画形成する多数の気孔が形成された多孔質の隔壁を有するハニカム状基材と、前記複数のセルのうち、流出セルの流入端部に配設された第一の目封止部と、複数のセルのうち、流出セルに隣接する流入セルの流出端部に配設された第二の目封止部と、を備え、流入セルが開口している流入端部から流入した排気ガスが隔壁を透過し、流出セル側へ流出し、更に、流出セルが開口している流出端部から流出することによって、排気ガス中のPMが隔壁によって捕集除去されるハニカムフィルタを挙げることができる。このハニカムフィルタのような、排気ガスが多孔質の隔壁を透過する構造のフィルタ(ウォールフロー型のフィルタ)は、ろ過面積を広く確保することができるため、ろ過流速(隔壁透過流速)を低減することができ、圧力損失が小さく、且つ、粒子状物質の捕集効率が比較的良好なものである。
DPFは上述のような構造を有するため、クリーンな状態からPMの捕集を開始すると、隔壁内部の細孔にPMが堆積し(深層ろ過)、急激に圧力損失が増加する場合がある。このような急激な圧力損失の増加は、エンジン性能を低下させる要因となる。この問題を解決するため、また、PMの捕集効率を向上させるために、隔壁の流入側表面に捕集層を形成し、PMが隔壁内部へ侵入することを防止するDPFが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録第2607898号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたDPFでは、捕集層自体が厚みを有するものであるため、流入セルの等価水力直径が減少してしまい、流入セルの水力直径が流出セルのそれより小さい構造となってしまうという問題がある。等価水力直径の減少はPM堆積可能量の減少、PM堆積時の急激な圧力損失の増加につながり、捕集層の機能が十分に発現しなくなる。
また、例えば、流入セルの等価水力直径が流出セルの等価水力直径より大きなフィルタを作製し、このようなフィルタに上述した捕集層を形成した場合には、流入セルの等価水力直径が流出セルの等価水力直径よりも小さくなることを防止できるが、上述の流入セルの等価水力直径が大きなフィルタの作製には、複雑な構造の押出口金の作製が必要であり、更に複雑な構造に起因する作製上の問題もある。特に、大型のフィルタの作製は極めて困難である。
また、特許文献1に記載されたDPFを搭載してフルロード運転した場合、流入セルの等価水力直径が、流入セルの水力直径が流出セルのそれに比べ小さいため、流入セル流通時に過大な抵抗が生じ、捕集層が剥離してしまうという問題がある。捕集層剥離の問題は、圧力損失特性及びPM捕集性能を低下させる要因であり、これらを解決するようなDPFが望まれている。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、流入セルの等価水力直径が縮小せず、捕集層が剥離することがなく、圧力損失特性及びPM捕集性能に優れたハニカムフィルタを提供することにある。
また、本発明の課題とするところは、流入セルの等価水力直径が縮小せず、捕集層が剥離することがなく、圧力損失特性及びPM捕集性能に優れたハニカムフィルタを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、PM捕集層を、隔壁の表面ではなく、隔壁内の細孔の隔壁表面に近い部分に捕集層を形成することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示すハニカムフィルタ及びその製造方法が提供される。
[1]複数のセルを区画形成する多数の気孔が形成された多孔質の隔壁を有するハニカム状基材と、前記複数のセルのうち、所定のセル(以下、「流出セル」とも記載する。)の一方の端部(以下、「流入端部」とも記載する。)に配設された第一の目封止部と、前記複数のセルのうち、前記所定のセル(流出セル)に隣接する残余のセル(以下、「流入セル」とも記載する。)の他方の端部(以下、「流出端部」とも記載する。)に配設された第二の目封止部と、前記多数の気孔のうち、前記隔壁の前記残余のセル(流入セル)側に開口する開気孔の内部に、前記隔壁の表面から5〜100μmの深さまで侵入した粒子によって形成された多孔質の捕集層と、を備え、前記捕集層の気孔率が50〜80%であり、前記捕集層の平均気孔径が2〜5μmであるハニカムフィルタ。
[2]前記[1]に記載のハニカムフィルタを製造する方法であって、複数のセルを区画形成する多数の気孔が形成された多孔質の隔壁を有するハニカム状基材の、前記複数のセルのうち、所定のセル(流出セル)の一方の端部(流入端部)に第一の目封止部を配設する工程(以下、「工程1」とも記載する。)と、前記複数のセルのうち、前記所定のセル(流出セル)に隣接する残余のセル(流入セル)の内部に、骨材粒子を含有するスラリーを充填した後に排出する工程(以下、「工程2」とも記載する。)と、前記残余のセル(流入セル)の他方の端部(流出端部)に第二の目封止部を配設する工程(以下、「工程3」とも記載する。)と、を備え、前記隔壁の平均気孔径に対する、前記骨材粒子の平均粒子径の割合が、30〜50%であるハニカムフィルタの製造方法。
[3]前記スラリーが、平均粒子径が5μm以下の造孔材粒子を更に含有し、前記造孔材粒子の割合が、前記骨材粒子と前記造孔材粒子の合計に対して、40質量%以下である前記[2]に記載のハニカムフィルタの製造方法。
本発明のハニカムフィルタは、流入セルの等価水力直径が縮小せず、捕集層が剥離することがなく、圧力損失特性及びPM捕集性能に優れるという効果を奏するものである。
本発明のハニカムフィルタの製造方法によれば、流入セルの等価水力直径が縮小せず、捕集層が剥離することがなく、圧力損失特性及びPM捕集性能に優れたハニカムフィルタを提供することができる。特に、製造時において、流入セルの等価水力直径を縮小させないため、予め流入セルの等価水力直径を流出セルの等価水力直径よりも大きく構成された特別形状のハニカム状基材を使用しなくとも、圧力損失特性及びPM捕集性能に優れたハニカムフィルタを製造することができる。このため、例えば、上記のような特別形状のハニカム状基材を作製することが困難な大型のハニカムフィルタであっても、極めて簡便に製造することができる。
本発明のハニカムフィルタの一実施形態を模式的に示す正面(流入端面)図である。 本発明のハニカムフィルタの一実施形態を模式的に示す断面図である。 図2のP部拡大図である。 本発明のハニカムフィルタの製造方法の一実施形態の工程1で得られるハニカム状基材(1)を模式的に示す断面図である。 本発明のハニカムフィルタの製造方法の一実施形態における工程2の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のハニカムフィルタの製造方法の一実施形態における工程2の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のハニカムフィルタの製造方法の一実施形態における工程2の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のハニカムフィルタの製造方法の一実施形態における工程2の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のハニカムフィルタの製造方法の一実施形態によって得られるハニカムフィルタの一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
1.ハニカムフィルタ:
図1は、本発明のハニカムフィルタの一実施形態を模式的に示す正面(流入端面)図であり、図2は、本発明のハニカムフィルタの一実施形態を模式的に示す断面図である。また、図3は、図2のP部拡大図である。
図1〜3に示すように、本実施形態のハニカムフィルタ1は、外周壁14の内部に、複数のセル11を区画形成する多数の気孔が形成された多孔質の隔壁12を備えたハニカム状基材と、流出セル11bの流入端部15aを目封止する第一の目封止部13aと、流出セル11bに隣接する流入セル11aの流出端部15bを目封止する第二の目封止部13bと、隔壁12の流入セル11a側に開口する開気孔の内部に侵入した粒子18によって形成された多孔質の捕集層16とを備えるものである。なお、図1及び図2においては、捕集層16の描画は省略されている。
上述のような構造を有するハニカムフィルタ1において、排気ガスは、流入端部15aが開口している流入セル11aへ流入し、この流入セル11a側に開口する隔壁12表面の開気孔の内部に形成された捕集層16及び隔壁12を透過して流出セル11bへ流出し、開口している流出端部15bからハニカムフィルタ1外部へ流出する。排気ガス中のPMは、捕集層16及び隔壁12からなるろ過層を透過する際、このろ過層に捕集される。
1−1.ハニカム状基材:
ハニカム状基材のセル構造は、特に制限されず、従来公知のセル構造を適用することができる。なかでも、セル密度が1〜235個/cmであり、隔壁厚さが100〜600μmであるセル構造が好ましく、セル密度が15〜65個/cmであり、隔壁厚さが200〜450μmであるセル構造が更に好ましい。
ハニカム状基材の全体形状は、特に制限されず、従来公知の形状を適用することができるが、具体的には、円柱(円筒)形以外にも、楕円柱形、長円柱形、或いは四角柱形、三角柱形等の多角柱形であってもよい。
セル11の形状は、特に制限されず、従来公知の形状を適用することができるが、具体的には、四角柱形以外にも、六角柱形、三角柱形等であってもよい。
隔壁12の平均気孔径は、6〜40μmであることが好ましい。なお、本明細書中、隔壁の平均気孔径は、隔壁を切り出し、流入セル11a側の表面を捕集層部分のみ研削して捕集層16を除去したものを用いて、水銀圧入法により測定される細孔分布より算出される値である。
隔壁12の気孔率は、35〜75%であることが好ましい。なお、本明細書中、隔壁の気孔率は、隔壁を切り出し、流入セル11a側の表面を捕集層部分のみ研削して捕集層16を除去したものについて、水銀圧入法による総気孔体積の計測値及び隔壁の真密度から算出される値である。
ハニカム状基材は、通常、外周壁14で囲われている。外周壁14としては、成形一体壁、セメントコート壁等を挙げることができ、いずれの外周壁も好適に用いることができる。なお、成形一体壁は、隔壁12部分と一体的に成形する外周壁である。また、セメントコート壁は、隔壁12部分の成形後にその外周を研削して所定形状とし、その後セメント等で外周壁を形成する外周壁である。
ハニカム状基材を構成する成分としては、コージェライト、Si結合SiC、再結晶SiC、アルミニウムチタネート、ムライト、窒化珪素、及びサイアロンからなる群より選択される少なくとも一種の成分であることが好ましい。ハニカム状基材は、このような成分から構成されることにより、優れた熱的安定性を獲得することができる。
1−2.目封止部:
目封止部は、通常、上述のハニカム状基材の両端部15a及び15bのいずれかの端部でセル11を目封止するように配設されており、更に、目封止部は、隣接するセル11が互い違いに反対側の端部で目封止されるように配設されている。その結果、図1に示されるように、ハニカムフィルタの両端部では、開口セルと目封止セルが市松模様(千鳥模様)状に配列した状態となる。
また、本発明のハニカムフィルタは、上述の目封止部のように、ハニカム状基材の両端部15a及び15bでセル11を目封止するように配設された状態に限定されず、目封止部をセルの内部に配設してもよく、また、ろ過性能より圧力損失低減を優先させて、一部のセルに目封止部を設けない状態であってもよい。
目封止部の構造及び構成成分としては、PM等を透過しないものであれば、特に制限なく従来公知のものを適用することができるが、通常、ハニカム状基材と同様の構造及び構成成分である。
1−3.捕集層:
本実施形態のハニカムフィルタは、図3で示されるように、隔壁12の流入セル11a側に開口する開気孔17の内部に、隔壁12の表面から5〜100μmの深さまで侵入した粒子18により形成され、気孔率が50〜80%であり、平均気孔径が2〜5μmである多孔質の捕集層16を備えるものである。
捕集層16は、隔壁12の流入セル11a側に開口する開気孔17の内部に形成されることで、高温・高振動の過酷な運転条件下でも、隔壁12から剥離することなく、DPFの性能を維持することができる。
隔壁12の表面から粒子18が侵入した深さの平均値、すなわち、捕集層16の厚さの平均値は、5〜100μmであり、10〜50μmであることが好ましい。捕集層16の厚さの平均値が、5μm未満であると、隔壁12の開気孔17に製膜されない部分ができてしまい、PMを十分に捕集することができない。また、クリーンな状態からPM捕集を開始した場合、隔壁12内部の気孔にPMが堆積してしまい、PM捕集開始直後に急激な圧力損失の増加が発生し、エンジン性能を低下させる恐れがある。一方、捕集層16の厚さの平均値が100μm超であると、隔壁12のパーミアビリティーが著しく低下するため、圧力損失を増加させる恐れがある。
本明細書中、「パーミアビリティー」とは、下記式(1)により算出される物性値をいい、所定のガスが隔壁等を通過する際の通過抵抗を表す指標となる値である。ここで、下記式(1)中、Cはパーミアビリティー(m)、Fはガス流量(cm/s)、Tは試料厚み(cm)、Vはガス粘性(dyne・sec/cm)、Dは試料直径(cm)、Pはガス圧力(PSI)をそれぞれ示す。また、下記式(1)中の数値は、13.839(PSI)=1(atm)であり、68947.6(dyne・sec/cm)=1(PSI)である。
Figure 2011189246
捕集層16の気孔率は、50〜80%であることが好ましい。捕集層16の気孔率が50%未満であると、流路抵抗が増大するため好ましくない。また、捕集層16の気孔率が80%超であると、十分な捕集性能が発揮されない恐れがある。
捕集層16の平均気孔径は、2〜5μmであることが好ましい。捕集層16の平均気孔径が5μm超であると、PMが捕集層内部に入り込み、圧力損失特性を悪化させる恐れがある。また、捕集層16の平均気孔径が2μm未満であると、流路抵抗が増大し圧損特性が悪化する恐れがある。
捕集層16の構成成分としては、特に制限なく従来公知のものを適用することができるが、通常、隔壁基材と同様の構成成分である。
2.ハニカムフィルタの製造方法:
次に、本発明のハニカムフィルタの製造方法の一実施形態について説明する。本実施形態のハニカムフィルタの製造方法は、上述のハニカムフィルタを製造する方法であって、複数のセルを区画形成する多数の気孔が形成された多孔質の隔壁12を有するハニカム状基材の、流出セル11bの流入端部15aに第一の目封止部13aを配設する工程1と、流入セル11aの内部に骨材粒子18を含有するスラリーを充填した後に排出する工程2と、流入セル11aの流出端部15bに第二の目封止部13bを配設する工程3と、を備える方法である。
2−1.ハニカム状基材の製造:
ハニカム状基材は、前述のハニカム状基材の構成成分の原料、水等の分散媒、及び造孔材を混合・混練して坏土を調製し、この坏土をハニカム状に成形して得られるハニカム成形体を乾燥させた後、焼成することにより製造することができる。
2−1−1.坏土の調製:
ハニカム状基材の構成成分の原料としては、例えば、コージェライトを構成成分とするハニカム状基材であれば、コージェライト化原料を用いることができる。ここで、コージェライト化原料とは、焼成することによりコージェライトとなる原料を意味し、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲である化学組成となるように配合されたセラミックス原料である。コージェライト化原料の具体例としては、タルク、カオリン、仮焼カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム、及びシリカの中から選択される複数の無機原料を上記化学組成となるような割合で含むものを挙げることができる。
分散媒としては、特に制限なく従来公知のものを使用することができるが、なかでも、水が好ましい。
造孔材としては、焼成工程により飛散・焼失する性質のものであれば、特に制限なく従来公知のものを使用することができる。具体的には、コークス等の無機物質や発泡樹脂等の高分子化合物、澱粉等の有機物質等を挙げることができる。これらの造孔材は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
坏土には上述のハニカム状基材の構成成分の原料、分散媒、及び造孔材以外にも、有機バインダ、分散剤等を混合することもできる。
有機バインダとしては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を使用することができる。これらの有機バインダは、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
分散剤としては、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を使用することができる。これらの分散剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
坏土を調製する方法としては、特に制限なく従来公知の方法を適用することができる。具体的には、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。
2−1−2.成形:
ハニカム成形体を製造する方法としては、特に制限なく従来公知の方法を適用することができる。具体的には、押出成形、射出成形、プレス成形等の方法を挙げることができる。これらのなかでも、上述の坏土を押出成形する方法が好ましい。
2−1−3.乾燥:
ハニカム成形体を乾燥させる方法としては、特に制限なく従来公知の方法を適用することができる。具体的には、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができる。これらのなかでも、成形体全体を迅速且つ均一に乾燥することが出来る点で、熱風乾燥と、マイクロ波乾燥又は誘電乾燥とを組み合わせた方法が好ましい。
2−1−4.仮焼:
乾燥させたハニカム成形体を、本焼成の前に仮焼し、ハニカム成形体中の、有機バインダ、分散剤、造孔材等の有機物を燃焼させて、除去しておくことが好ましい。
仮焼の温度は、一般に、有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度、造孔材の燃焼温度は200〜800℃程度であるため、200〜1000℃程度とすることができる。また、仮焼の時間は、特に制限されないが、通常、10〜100時間程度とすることができる。
2−1−5.(本)焼成:
仮焼させたハニカム成形体を、(本)焼成することによって、成形原料を焼結させて所定の強度を持つハニカム状基材を製造する。
焼成条件は、成形原料の種類により異なり、その種類に応じて適当な条件を選択することができる。例えば、コージェライト化原料を焼成する場合には、1400〜1450℃で、3〜10時間程度焼成することが好ましい。
2−2.捕集層の形成:
本発明のハニカムフィルタは、上述の製造方法で得られたハニカム状基材に、以下の工程1〜3を順に施すことにより製造することができる。
2−2−1.工程1:
図4Aは、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法の工程1で得られる、流出セル11bの流入端部15aのみが目封止されたハニカム状基材(以下、「ハニカム状基材(1)」とも記載する。)を模式的に示す断面図である。
ハニカム状基材の特定のセルの端部に目封止部を配設する方法としては、特に制限なく従来公知の方法を適用することができる。具体例としては、例えば、コージェライト化原料、水又はアルコール、及び有機バインダを含有するペースト(以下、「目封止用ペースト」とも記載する。)に、流出セル11bとなるセルの流入端部15aにマスクを施したハニカム状基材を浸漬し、目封止用ペーストを流入端部15aから目封止部の厚さ分だけ充填させることで目封止部を形成することができる。なお、目封止用ペーストからハニカム状基材を引き上げた後は、ハニカム状基材を乾燥させ、マスクを除去しておく。
2−2−2.工程2:
図4B〜図4Eは本実施形態のハニカムフィルタの製造方法の工程2の各段階を模式的に示す断面図である。工程2は、工程1で製造したハニカム状基材(1)2の流入セル11aの内部に、骨材粒子を含有するスラリー(以下、「捕集層用スラリー」とも記載する。)を充填した後、排出する工程である。
流入セル11aの内部に捕集層用スラリー19を充填・排出する方法としては、特に制限されないが、例えば、下記の方法を挙げることができる。
まず、ハニカム状基材(1)2を、その流入端部15a(下端)側から、貯留槽5に貯留した捕集層用スラリー19に浸漬し、流入セル11aに捕集層用スラリー19を充填する(図4B,図4C)。この際、送液ポンプ等を用いて捕集層用スラリー19を圧送して、流入セル11aの流出端部15b(上端)まで充填させることができる(図4B,図4C)。なお、流出セル11bには、その流入端部15aに目封止部13aが形成されているため、捕集層用スラリー19は充填されることはない。
上述したように、流入端部15aに目封止部13aが形成された状態で捕集層用スラリー19を充填することによって、流入セル11aのみに捕集層を形成することが可能となる。また、同様に、ろ過によらないため、捕集層用スラリー19中の微細な骨材粒子が、基材(隔壁12)を通過しないため、捕集層を良好に形成することができる。また、捕集層用スラリー19中の気泡を除きながらの成膜(捕集層の形成)ができる。更に、流出セル11b側から加圧することによって、捕集層用スラリー19が過剰に充填された場合に、過剰分のスラリーを容易に排出することが可能である。
次いで、充填した捕集層用スラリー19を、ハニカム状基材の流入端部15a(下端)から排出した(図4D,図4E)後、乾燥させる。このような方法により、隔壁12の流入セル11a側に開口する開気孔の内部に、流入セル隔壁に残留した捕集層用スラリー残留物19aを堆積させたハニカム状基材(以下、「ハニカム状基材(2)」とも記載する。)を製造することができる。なお、捕集層用スラリー19を排出させるために、例えば、流出端部15b側から空気を流入させる方法、加圧ポンプを使用して系を加圧する方法、流入端部15a側から減圧吸引する方法等の方法を取ることができる。
捕集層用スラリー19は、骨材粒子と、溶剤とを含有するものであり、更に造孔材粒子を含有していることが好ましい。また、捕集層用スラリー19は、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の有機バインダを含有していることが好ましい。
骨材粒子としては、ハニカム状基材(隔壁)と同一の構成成分を主成分とすることが好ましい。
骨材粒子は、その平均粒子径の、隔壁12の平均気孔径に対する割合が、30〜50%であることが好ましい。骨材粒子の平均粒子径の割合が、隔壁12の平均気孔径に対して30〜50%であることにより、骨材粒子が効率よく開気孔17内部へ侵入すると共に、開気孔17の内部でも隔壁12表面から近い部分へ効率よく堆積することができ、耐剥離性及びPM捕集性能に優れた捕集層16を形成することができる。骨材粒子の平均粒子径が30%未満であると、捕集層構造が緻密化することによって流路抵抗が増大してしまうため、圧力損失特性が悪化する恐れがある。一方、骨材粒子の平均粒子径が50%超であると、骨材粒子が隔壁気孔内に侵入せず隔壁表面に捕集層が形成されてしまう恐れがある。
なお、本明細書中、「平均粒子径」は、レーザー回折式粒度分布測定装置を使用して測定した値の中央値(D50)を示す。
溶剤としては、特に制限なく従来公知のものを使用することができ、なかでも水が好ましい。
造孔材粒子は、その平均粒子径が5μm以下であることが好ましい。造孔材粒子の平均粒子径が5μm超であると、捕集層16の平均気孔径が大きくなるため、PMが捕集されずに捕集層16を通過してしまい、クリーンな状態からPM捕集を開始した場合、PM捕集開始直後に急激な圧力損失の増加が発生し、エンジン性能を低下させる恐れがある。
造孔材粒子としては、特に制限なく従来公知のものを使用することができ、ハニカム状基材の坏土を調製する際に用いるものと同様の造孔材を使用することができる。
捕集層用スラリー19に含まれる造孔材粒子の割合は、骨材粒子と造孔材粒子の合計に対して、40質量%以下であることが好ましい。造孔材粒子の割合が40質量%超であると、捕集層16の気孔率が80%超となり、PMが捕集されずに捕集層16を通過してしまい、クリーンな状態からPM捕集を開始した場合、PM捕集開始直後、急激に圧力損失が増加し、エンジン性能を低下させる恐れがある。
2−2−3.工程3:
図4Fは、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法の工程1〜3を施したハニカム状基材(以下、「ハニカム状基材(3)」とも記載する。)を模式的に示す断面図である。工程3は、工程2で製造したハニカム状基材(2)3の流入セル11aの流出端部15bに第二の目封止部13bを配設する工程である。
流入セル11aの流出端部15bに目封止部を配設するには、工程1と同様の方法を適用することができる。
2−3.熱処理:
上述の工程1〜3を施したハニカム状基材(3)を、更に熱処理することで、目封止部及び捕集層16内の成形原料を焼結させ、造孔材を焼失させることができる。
熱処理の条件は、通常、1200℃〜1350℃で10〜200分であり、1250℃〜1300℃で60〜120分であることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[粒子の侵入深さ(μm)]
隔壁の断面を、SEM(商品名「S−3200N」、HITACHI社製)を使用して倍率500倍で撮影した画像を用いて測定した。
具体的な測定方法としては、まず、撮影したSEM写真を縦に20分割した。次に、20分割したSEM写真のそれぞれについて、横に100分割する直線を引き、隔壁表面に触れる直線のうち一番上の直線を上端と、捕集層粒子に触れる直線のうち一番下の直線を下端とし、上端と下端の間の距離を計測した。得られた20個の計測値の平均値を算出した。更に、20個の視野(SEM写真)について、同様の計測をし、その平均値を粒子の侵入深さとした。
[隔壁表面の粒子堆積]
粒子の侵入深さの測定において撮影したSEM写真を横に100分割する直線を引き、隔壁表面に触れる直線のうち一番上の直線と、捕集層粒子に触れる直線のうち一番上の直線を決定した。捕集層粒子に触れる直線が、隔壁表面に触れる直線より上にある場合は、隔壁表面に粒子があると判断し、一方、捕集層粒子に触れる直線が、隔壁表面に触れる直線より下にある場合は、隔壁表面に粒子が存在しないと判断した。
[捕集層気孔率(%)]
隔壁の断面を倍率500倍で撮影したSEM写真の、隔壁表面から粒子の侵入深さ分の高さの帯状部分を二値化処理し、空間部の面積(B)を測定した。この空間部の面積(B)と領域Aの総面積(A)を用いて、下記式(2)の計算をすることにより、捕集層気孔率を算出した。
Figure 2011189246
[捕集層気孔径(μm)]
隔壁表面を倍率500倍で撮影したSEM写真(上面図)を用いて測定した。
まず、捕集層が形成されている部分を二値化処理し、それぞれの閉空間部の面積を個別に計測した。次に、計測した閉空間部の面積を、それぞれ円の面積とした場合の円の直径を算出し、その平均値を求めた。更に、20個の視野(SEM写真)について、同様の計測をし、その平均値を捕集層気孔径とした。
[造孔材粒子割合(質量%)]
スラリーを調製する際に使用する骨材粒子の質量と造孔材の質量の合計に対する、造孔材の質量の比を造孔材比率として算出した。
〔耐剥離性の評価〕
捕集層の耐剥離性を評価するために、以下の試験を行った。
まず、ハニカムフィルタをコモンレール式2.0Lディーゼルエンジンのターボチャージャー直下に搭載し、エンジン最高出力点で15分間エンジンを運転させた(高負荷・高回転エンジン試験)。次に、30Gの振動を与えながら、流量2Nm/minの条件下で空気を送り込みながら、1000℃で20分と500℃で20分の加熱サイクルを繰り返し、100時間試験した(加熱加振(ホットバイブレーション)試験)。
上述の試験終了後、流出端部15b側からエアブロー(逆噴)し、ハニカムフィルタの質量を測定した。測定したエアブロー後の質量を、試験前ハニカムフィルタの質量と比較し、質量に変化が無かった場合を「○(良)」と、質量が減少していた場合、すなわち、捕集層が剥離していた場合を「×(不可)」と評価した。
〔圧損低下の評価〕
ハニカムフィルタを、コモンレール式2.0Lディーゼルエンジンのターボチャージャー直下に搭載し、エンジン回転数2000rpm、トルク50Nmの一定条件でエンジンを運転させ、スート堆積量が4g/Lとなった時の圧力損失を測定した。測定した圧力損失を、比較例3(捕集層が形成されていない(基材のみの)ハニカムフィルタを用いて同試験を行った場合)における圧力損失と比較した。測定した圧力損失の、比較例3における圧力損失に対する減少割合が、10%以上であった場合を「○(良)」と、10%未満であった場合を「×(不可)」と評価した。
〔捕集効率の評価〕
PM濃度1mg/m、温度200℃、流量2.4Nm/minである軽油バーナーからの排気ガスを用いて、ハニカムフィルタ透過前後の排気ガス中のPM粒子数を測定した。ハニカムフィルタ透過前(上流)の排気ガス中のPM粒子数をN、ハニカムフィルタ透過後(下流)の排気ガス中のPM粒子数をNとし、下記式(3)により、捕集効率を計算した。なお、PM粒子数は、SMPS(Scanning Mobility Particle Sizer、HORIBA社製)を用いて、PM粒子をカウントすることにより測定した。
Figure 2011189246
上記式(3)より得られる捕集効率が80%超であった場合を「○(良)」と、80%以下であった場合を「×(不可)」と評価した。
〔判定〕
耐剥離性、圧損低下、及び捕集効率の各評価が全て「○(良)」であった場合を「○(良)」と、それ以外の場合を「×(不可)」と判定した。
(実施例1)
アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、及びシリカを混合したコージェライト化原料100質量部、造孔材として平均粒子径10μmのコークス13質量部、分散媒として水35質量部、有機バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース6質量部、分散剤としてエチレングリコール0.5質量部を混合・混練して坏土を調製した。次いで、所定の金型を用いて坏土を押出成形し、セル形状が四角形であり、全体形状が円柱(円筒)形のハニカム成形体を得た。得られたハニカム成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥し、更に熱風乾燥機を用いて乾燥させた後、1400〜1430℃で10時間焼成して、ハニカム状基材を製造した。このハニカム状基材は、セル構造が、隔壁厚さ300μm、セル密度47個/cmであり、その隔壁の隔壁気孔率は48%、平均気孔径は11μmであった。なお、上述した平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置にて測定した値の中央値(D50)を示す。なお、本実施例において示す「平均粒子径」は、このレーザー回折式粒度分布測定装置にて測定した値の中央値(D50)である。
図1に示すように、得られたハニカム状基材の流入端部15aのセル開口部に、開口セル(流出セル11b)とマスクされたセル(流入セル11a)とが市松模様(千鳥模様)状に配列するように、流出セル11bにマスクを施した。この流入端部15aを、コージェライト化原料を含有する目封止用ペーストに浸漬し、流入端部15aの目封止セル(流出セル11b)とマスクされたセル(流入セル11a)とが市松模様状に配列された、第一の目封止部13aを有するハニカム状基材を形成した。
次いで、図4A〜図4Fに示すように、流入端部15aが開口している流入セル11aに、平均粒子径が5μmである骨材粒子を含有する捕集層用スラリーを、供給流量2L/minで圧入し、流入セル11aを捕集層用スラリーで充填した。その後、上部からエアーポンプにて空気を10L/minで供給することにより加圧して、捕集層用スラリーを排出した後、熱風乾燥機で乾燥し、上述の流入端部15aを目封止した方法と同様にして、流入セル11aの流出端部15bに第二の目封止部13bを形成した。最後に、1300℃で90分間熱処理を行い、ハニカムフィルタを得た。このハニカムフィルタは、捕集層16の気孔率は50%、平均気孔径が2μmであり、隔壁表面からの捕集層粒子の侵入深さは5μmであった。
このハニカムフィルタについて、各種評価を行った結果、耐剥離性は「○(良)」、圧損低下は「○(良)」、捕集効率は「○(良)」であり、判定は「○(良)」であった。これらの結果を下記表1に示す。
(実施例2〜5、比較例1)
下記表1に示す粒子侵入深さの値としたこと以外は、実施例1と同様にして、ハニカムフィルタを得た。また、これらのハニカムフィルタの評価結果を併せて表1に記載する。なお、粒子侵入深さはスラリー中の骨材粒子の濃度を調節することにより、制御した。
(比較例2)
以下の方法で捕集層16を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてハニカムフィルタを得た。これらのハニカムフィルタの評価結果を併せて表1に記載する。
実施例1と同様にして得られたハニカム成形体の、流入セル11aは流出端部15bに、流出セル11bは流入端部15aに、それぞれ目封止部を形成した後、1400〜1430℃で10時間焼成してハニカム焼成体を得た。このハニカム焼成体の流入セル11aに捕集層用スラリーを充填し、流出セル11bの流出端部15b側から吸引(減圧)することにより、捕集層用スラリーに隔壁を透過させ、流出端部15b側から排出させた。その後、150℃で3時間熱風乾燥後、1300℃で90分間熱処理した。
(比較例3)
捕集層16を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてハニカムフィルタを得た。これらのハニカムフィルタの評価結果を併せて表1に記載する。
Figure 2011189246
(実施例6〜10、比較例4〜8)
下記表2に示す隔壁気孔径及び骨材粒子径の値としたこと以外は実施例1と同様にしてハニカムフィルタを得た。これらのハニカムフィルタの評価結果を併せて表2に記載する。なお、隔壁気孔径は坏土に含有させる造孔材の粒子径分布及び配合量、使用するコージェライト化原料の平均粒子径及び配合量を変更することによって調節した。
Figure 2011189246
(実施例11〜13、比較例9,10)
下記表3に示す造孔材粒子径のポリメチルメタクリレートを下記表3に示す造孔材粒子割合の値で捕集層用スラリーを調製したこと以外は実施例1と同様にしてハニカムフィルタを得た。これらのハニカムフィルタの評価結果を併せて表3に記載する。
Figure 2011189246
表1〜3の結果から自明なように、本発明のハニカムフィルタ及び本発明のハニカムフィルタの製造方法により製造されるハニカムフィルタは、耐剥離性、圧損得性、及び捕集効率に優れたハニカムフィルタである。
本発明のハニカムフィルタは、自動車用エンジン、建設機械用エンジン、産業機械用定置エンジン等の内燃機関、その他の燃焼機器等から排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を、排気ガスから捕集・除去するフィルタとして好適に用いることができる。
1:ハニカムフィルタ、2:ハニカム状基材(1)、3:ハニカム状基材(2)、5:貯留槽、11:セル、11a:流入セル、11b:流出セル、12:隔壁、13a:第一の目封止部、13b:第二の目封止部、14:外周壁、15a:流入端部、15b:流出端部、16:捕集層、16d:粒子の侵入深さ、17:開気孔、18:(骨材)粒子、19:捕集層用スラリー、19a:捕集層用スラリー残留物、50:流入・排出口。

Claims (3)

  1. 複数のセルを区画形成する多数の気孔が形成された多孔質の隔壁を有するハニカム状基材と、
    前記複数のセルのうち、所定のセルの一方の端部に配設された第一の目封止部と、
    前記複数のセルのうち、前記所定のセルに隣接する残余のセルの他方の端部に配設された第二の目封止部と、
    前記多数の気孔のうち、前記隔壁の前記残余のセル側に開口する開気孔の内部に、前記隔壁の表面から5〜100μmの深さまで侵入した粒子によって形成された多孔質の捕集層と、を備え、
    前記捕集層の気孔率が50〜80%であり、前記捕集層の平均気孔径が2〜5μmであるハニカムフィルタ。
  2. 請求項1に記載のハニカムフィルタを製造する方法であって、
    複数のセルを区画形成する多数の気孔が形成された多孔質の隔壁を有するハニカム状基材の、前記複数のセルのうち、所定のセルの一方の端部に第一の目封止部を配設する工程と、
    前記複数のセルのうち、前記所定のセルに隣接する残余のセルの内部に、骨材粒子を含有するスラリーを充填した後に排出する工程と、
    前記残余のセルの他方の端部に第二の目封止部を配設する工程と、を備え、
    前記隔壁の平均気孔径に対する、前記骨材粒子の平均粒子径の割合が、30〜50%であるハニカムフィルタの製造方法。
  3. 前記スラリーが、
    平均粒子径が5μm以下の造孔材粒子を更に含有し、
    前記造孔材粒子の割合が、前記骨材粒子と前記造孔材粒子の合計に対して、40質量%以下である請求項2に記載のハニカムフィルタの製造方法。
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