JP5391878B2 - 排紙装置 - Google Patents
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Description
例えば、業務印刷等の高速大量印刷向けの印刷装置(「カット紙印刷装置」ともいう)では、印刷済みの用紙(以下「頁」と呼ぶ)を1枚単位で排紙する複数のスタッカを持ち、各スタッカは、排紙枚数が一定値を超えるとフルの状態を報告すると共に、フルの状態を報告した後も搬送中の頁については収納可能であり、搬送中の頁が全て排紙されるのを待たず、排紙先のスタッカを切り替えて給紙及び印刷及び排紙を継続し、搬送部にある切り替え前のスタッカに排出する頁と切り替え後のスタッカに排出する頁を、各々指定のスタッカまで搬送し排紙して高速印刷を行う。
このような印刷装置では、スタッカの切り替えによって排紙先の異なる頁が搬送路に存在するときにジャムが発生すると、頁の搬送距離の違いや搬送ルートの違いなどが原因で、スタッカの切り替え前の先行頁が未排紙になり、切り替え後の後続頁が正常に排紙される場合がある。
このような頁順序の入れ替りを印刷終了後にユーザ(以下「オペレータ」という)が正すには、各スタッカに排紙された大量の印刷物の中から頁の入れ替わりをチェックし、入れ替わった頁を正しい順序に整列する作業が必要になり、オペレータの負担になっている。
以上の負担を軽減したいという要求に対し、正常印刷ページをカウントして、ジャムによりスタッカに未到達に終わった頁以後をジャム修復後に印刷する印刷装置(例えば、特許文献1参照)があった。このような印刷装置によれば、ジャムにより未排紙に終わった先頭頁から最後に給紙した頁までが全て再印刷の対象となる。
さらに、ジャムでスタッカに未到達になり、除去されて廃棄される頁をリカバリ対象頁として記憶装置に退避し、再開により前記リカバリ対象頁の後の頁を先行して印刷後、前記リカバリ対象頁を印刷し、また、上記再開の先頭でジャム発生を識別する識別用頁を印刷することにより、大量の印刷を終えた後、ジャム発生部位を捜す負担は解消し、オペレータは直ちに、リカバリ印刷結果と挿入該当部分の頁の整合性を確認しながら頁挿入作業が行えるようにした印刷装置(例えば、特許文献3参照)があった。
したがって、業務印刷終了後、オペレータが大量の頁よりジャム発生部分を捜し、重複した頁があればその頁を取り除く必要があり、オペレータの負担は軽減されないという問題があった。
さらに、特許文献2に記載の印刷装置でも、特許文献1の印刷装置と同様に、ジャムにより未排紙に終わった先頭頁から最後に給紙した頁までを再印刷の対象としているので、業務印刷終了後、オペレータがジャム発生部分を捜す手間は省けても、ジャム発生部分の内容をチェックし、重複した頁があればその頁を取り除く必要があり、オペレータの負担は軽減されないという問題があった。
しかし、ジャム発生部に識別用頁を入れること、業務印刷終了後にリカバリ対象頁を再印刷するので、オペレータには、業務印刷終了後に識別用紙を取り除き、ジャム発生部位にリカバリ対象頁を挿入する必要があり、オペレータの負担は軽減されないという問題があった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ジャム発生による再印刷後のユーザの作業負担を軽減することを目的とする。
また、上記各スタッカを、上記排紙枚数と上記所定枚数との総量が予め設定した値を超えるとフルを検出するスタッカにするとよい。
さらに、上記再印刷では、ジャムが発生して未排紙に終わった用紙の最も古い頁からジャム発生直前に給紙した最新の用紙に至る再印刷対象範囲の頁について、既に排紙済みである用紙の頁を除いて最も古い頁から順次印刷するとよい。
〔実施例〕
図1は、この発明の排紙装置の実施例である印刷装置の機能構成を示すブロック図である。
この印刷装置(「カット紙印刷装置」ともいう)1は、用紙を供給する給紙部2と、給紙した用紙に印刷を行う印刷部3と、印刷済みの用紙(「頁」と略称する)を排紙する排紙先である第1スタッカ6,第2スタッカ7,第3スタッカ8,第4スタッカ9の4基のスタッカよりなる排紙部5と、給紙部2より供給され印刷部3で印刷された頁を排紙部5の各スタッカまで搬送して排紙する搬送部4と、この印刷装置1の状態を示す情報や各種の操作画面を表示し、この印刷装置1に対する操作情報を入力する操作パネル10と、CPU,ROM及びRAMからなるマイクロコンピュータによって実現され、この印刷装置1の全体の制御を司る制御部11よりなる。
なお、排紙部5にある4基のスタッカの第1スタッカ6,第2スタッカ7,第3スタッカ8,第4スタッカ9は、一例としてあげたものであり、高速大量印刷を行う印刷装置では、スタッカ数は4基を超えるものもある。
同図の制御部11には、印刷に関係する部分のみを示している。
入力データメモリ20は、入力処理部21が上位装置や入力媒体等より入力された業務データを格納するメモリである。
上記上位装置とは、この印刷装置1に直接又はネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータ(PC)などであり、上記入力媒体とは、この実施例では図示を省略したが、この印刷装置1に備わるドライブ(例えば、光ディスクに対する読み書きを行う光ディスクドライブ)にセットされた記録媒体である。
頁管理メモリ22は、頁管理テーブル30を格納しており、図3にその詳細を示すように、搬送可能な最大頁数Mを超えるN個のブロック32と頁ポインタ33よりなり、各ブロックは頁データ37と上記頁データ37が有効なら「1」であり、無効なら「0」である頁有効フラグ34と、排紙先のスタッカ番号を示すカレントスタッカ36と、印刷した頁が排紙済みなら「0」であり、未排紙なら「1」である未排紙フラグ35と、新たに頁データを格納するブロック番号をアサインする頁ポインタ33よりなる。
その際、頁管理メモリ22の頁管理テーブル30よりカレントスタッカを読み、搬送部4にカレントスタッカを通知することにより給紙指示を行い、上記給紙指示に続いて印刷部3に頁データを送信し、排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の各スタッカより排紙済みの通知を受けると、頁管理メモリ22の頁管理テーブル30にある頁有効フラグを「0」にする。
また、印刷制御部23は、搬送部4からジャム発生の通知を受けると、搬送部4に駆動停止を指示し、搬送部4の駆動停止を待って、操作パネル10にジャム発生の表示を指示する。
操作パネル10は、オペレータのキー操作によって印刷スタートの指示入力を受けると、それを印刷制御部23に通知し、印刷制御部23から駆動停止要因の表示が指示されると、停止要因を表示し、停止要因の表示解除が指示されると停止要因の表示を消す。
給紙部2は、搬送部4から駆動指示を受けると頁の供給を可能な状態にし、頁の供給が可能な状態になると搬送部4に駆動応答を返し、搬送部4の頁要求を受けて搬送部4に頁を供給し、搬送部4から駆動停止を指示されると頁供給が可能な状態を解除して駆動を停止する。
また、搬送部4は、印刷制御部23からカレントスタッカが通知されると給紙間隔を揃えるために一定間隔で給紙部2に頁要求を出して頁を受け取り、頁を印刷部3に向けて搬送する。
なお、上記一定間隔は、搬送部4が上記最大頁数Mを搬送可能にする間隔である。
搬送部4は頁を搬送中に、定められた地点で印刷部3に印刷を指示し、印刷部3に頁データを印刷させる。
また、搬送部4は、ジャムを検出すると印刷制御部23にジャム発生を通知し、印刷制御部23から駆動停止を指示されると、給紙部2と印刷部3と排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の全スタッカに駆動停止を指示し、給紙部2と印刷部3と第1スタッカ6〜第4スタッカ9の全スタッカより駆動停止の応答を受けると、動作を終了して印刷制御部23に駆動停止中を通知する。
また、搬送部4は、一定時間、印刷制御部23からカレントスタッカの通知がなく、且つ搬送中の頁がないと、搬送路の搬送を休止させて印刷制御部23からのカレントスタッカの通知を待ち、カレントスタッカの通知があると休止を解除して搬送動作を再開する。
また、搬送部4から駆動の指示を受けると、頁データの受信と印刷ができる状態を解除して搬送部4に駆動停止を応答し、蓄積した頁データを抹消する。
排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の4基の各スタッカは、搬送部4から搬送された頁を1頁収納するごとに、排紙済みを印刷制御部23に通知する。
また、各スタッカは、収納された頁と搬送部4が搬送可能な最大頁数Mの総量が一定値を超えると印刷制御部23にフルを通知し、上記総量が一定値以下ならフルの解除を通知する。
図3に破線枠31で示す部分の左端列の「頁ポインタ(P)」「頁有効フラグ(V)」「未排紙フラグ(F)」「カレントスタッカ(CS)」「頁データ(PD)」の各項目名は、頁管理テーブル30の内容を説明するために便宜的に示したものである。
印刷制御部23はパワーオン初期化で、この頁管理テーブル30の頁ポインタ33を「1」にし、N個のブロックの頁有効フラグ34,未排紙フラグ35,カレントスタッカ36を各々「0」「0」「1」にする。
印刷制御部23は、排紙先が第1スタッカ6ならカレントスタッカ36を「1」に、排紙先が第2スタッカ7なら「2」に、排紙先が第3スタッカ8なら「3」に、排紙先が第4スタッカ9なら「4」にする。
入力処理部21は、頁ポインタ33がアサインするブロックの頁有効フラグ34が「0」なら上記ブロックに頁データ37を格納して上記頁有効フラグ34を「1」にする。
その後、頁ポインタ33の値が更新されて、上記頁ポインタ33がアサインするブロックの頁有効フラグ34が「1」なら「0」になるのを待って上記ブロックに次の頁データ37を格納する。
この図4は、フルによって切り替っていくスタッカと、スタッカに排紙されていく頁と、頁の順序を示したものである。
図4には、カレントスタッカがフルになるのを契機に第2スタッカ→第3スタッカ→第4スタッカ→第1スタッカの順にスタッカが切り替った例を示している。
第2スタッカ7に蓄積された頁は既にオペレータによって取り出されており、第3スタッカ8はフルの状態で頁が残っているものとする。
第4スタッカ9は丁度フルになり、第1スタッカ6にカレントスタッカが切り替った直後の状態であるとする。
第2スタッカ7に収納済みの頁を上下違えず取り出し、第3スタッカ8,第4スタッカ9,第1スタッカ6の収納結果を上下違えず上乗せしていくと、業務で要求された頁順序の印刷結果が得られる。
もし、頁順序を違えた部分があると、オペレータにはその部分を正しい順序に整列させることが求められる。
このフローチャート図中では、図3に破線枠31で示した左端列の各項目の説明書きに従って、便宜上、頁ポインタ33を「P」、頁有効フラグ34を「V」、未排紙フラグ35を「F」、カレントスタッカ36を「CS」、頁データ37を「PD」と略して示す。
また、頁ポインタ33がアサインするブロックの頁有効フラグ値を「VP」、未排紙フラグ値を「FP」、カレントスタッカ値を「CSP」、頁データ37の内容を「PDP」と略して示す。
同様に、1≦i≦Nである任意ブロックiの頁有効フラグ値を「Vi」、未排紙フラグ値を「Fi」、カレントスタッカ値を「CSi」、頁データ37の内容を「PDi」と略して示す。
以下、このフローチャート図に従って、印刷制御部23の印刷処理を説明する。
ステップ2で、全ブロックの未排紙フラグ35の総和と搬送最大頁数Mを比較し、ΣFi(1≦i≦N)=Mか、ΣFi(1≦i≦N)<Mかの判定に基づいて、まだ搬送部4に頁を搬送させる余地があるか否かを判定する。この判定で、ΣFi(1≦i≦N)<Mで余地があるならステップ3へ進み、ΣFi(1≦i≦N)=Mで余地なしならステップ12へ進む。
ステップ3で、カレントスタッカ(CSP)36がフルか否かを判定する。
この判定で、CSPがフルではないならステップ4へ進み、CSPがフルならステップ15へ進む。
ステップ5で、CSP+1=CSPとする。すなわち、頁ポインタ33がアサインするブロックの次にくるブロックにカレントスタッカ36を登録し、ステップ6へ進む。
ステップ6で、印刷部3にPDPを送付し、P≡P+1(mod N)とする。すなわち、頁ポインタ33がアサインするブロックの頁データを印刷部3に送付し、頁ポインタ33のアサイン先を次のブロックに更新し、図6に示すステップ7へ進む。
図6のステップ7で、搬送部4からジャム発生通知があったか否かを判定し、ジャム発生通知があったらステップ17へ進み、ジャム発生通知がなかったらステップ8へ進む。
ステップ8で、スタッカより排紙済みの通知があったか否かを判断し、あったらステップ9へ進み、なかったらステップ18へ進む。
ステップ10で、Fi=1且つCSi=CSXを満たす最も古いi(1≦i≦N)のViとFiを0にして、未排紙フラグが「1」で、且つ、カレントスタッカ36の値が上記排紙済みを通知してきたスタッカ番号と一致するブロックのうち最も古いブロックを求め、上記ブロックの頁有効フラグと未排紙フラグを「0」にし、ステップ11へ進む。
ステップ11で、スタッカ番号CSXであるスタッカの排紙済み通知を解除して、ステップ8へ戻る。
ステップ8の判断で排紙済み通知があり、他の排紙済み通知が残っていれば、ステップ9〜ステップ11の処理を上述のようにして繰り返し、ステップ8の判断で排紙済み通知が無いなら、ステップ18へ進む。
そして、搬送部が動作中であり、次の頁データがあり、次の頁を搬送させる余地があり、カレントスタッカがフルでなく、排紙済み通知がないなら、ジャムが発生しない限り、ステップ1→ステップ2→ステップ3→ステップ4→ステップ5→ステップ6→ステップ7→ステップ8→ステップ18→ステップ1→・・・の処理を繰り返す。
また、ステップ15では、各スタッカの通知を見て、全スタッカがフルか否かを判断し、全てフルならステップ12へ進み、フルでないスタッカがあればステップ16へ進む。
ステップ16で、次のフルでないスタッカをCSPに登録する。すなわち、図4に基づいて説明したように、カレントスタッカの次の順序にあたるフルでないスタッカを選び、上記スタッカをカレントスタッカ36に登録し、ステップ4へ進む。
そして、頁を搬送中であるが、次の頁データが無いため、排紙済み通知を待つだけの状態では、ジャムが発生いない限り、ステップ7→ステップ8→ステップ18→ステップ1→ステップ12→ステップ7→・・・の処理を繰り返し、排紙済み通知を1つ受け取ると、ステップ7→ステップ8→ステップ9→ステップ10→ステップ11→ステップ8→ステップ18→ステップ1→ステップ12の処理を実行し、未排紙頁がなくなるとステップ13へ進む。
さらに、全スタッカがフルになったが、搬送部4に搬送中の頁があるため排紙済み通知を待つ状態では、ジャムが発生しない限り、ステップ7→ステップ8→ステップ18→ステップ1→ステップ2→ステップ3→ステップ15→ステップ12→ステップ7→・・・の処理を繰り返し、排紙済み通知を1つ受けると、ステップ7→ステップ8→ステップ9→ステップ10→ステップ11→ステップ8→ステップ18→ステップ1→ステップ2→ステップ3→ステップ15→ステップ12→ステップ7の処理を実行し、未排紙の頁がなくなるとステップ13へ進む。
ステップ14で、操作パネル10に全スタッカがフルであることを示す情報を表示させて、この印刷処理を終了し、次の印刷スタートの入力を待つ。
ステップ17では、ジャム発生通知により搬送部4の駆動を停止させてステップ8へ進む。
そして、スタッカが排紙済みを通知していたら、ステップ8→ステップ9→ステップ10→ステップ11→ステップ8→・・・の処理を実行し、排紙済み通知が無ければステップ8→ステップ18→ステップ19の処理を実行する。
ステップ19では、操作パネル10にジャム発生を知らせる情報を表示させて、この印刷処理を終了し、次の印刷スタートの入力を待つ。
この頁管理テーブルの内容は、スタッカフルにより排紙先の切り替えを行い、排紙先の異なる頁が搬送路に存在するとき、ジャムが発生したため、図6のステップ19で操作パネル10にジャムの発生を知らせる情報を表示させた時点の事例を示している。
この事例では、頁ポインタ33の値はブロック44をアサインし、頁有効フラグ34の状態によれば、有効頁の総数が5頁であり、うち4頁が未排紙である。
また、未排紙フラグ35の状態によれば、カレントスタッカの切り替え後に排紙済みの2頁があり、上記2頁を挟んで前後2頁づつ計4頁が未排紙で終わっている。
さらに、カレントスタッカ36は、未排紙の頁に挟まれて正常に排紙されている2頁のうち前の方の頁のところで切り替えが行われていて、搬送距離の長い第4スタッカ9より搬送距離の短い第1スタッカ6に切り替えが行われている。
また、ブロック41は、第4スタッカ9がフルのため第1スタッカ6に切り替った先頭のブロックであり、次のブロックとあわせて2頁とも正常に排紙されている。
さらに、ブロック42は、第1スタッカ6に未排紙で終わったブロックである。
また、ブロック43は、最後に給紙及び印刷及び排紙を指示し、第1スタッカ6に未排紙で終わったブロックである。
さらに、ブロック44は、既に頁データを格納済みだが、まだ給紙及び印刷及び排紙を指示していないブロックであり、本ブロックのカレントスタッカ36は、図5のステップ5でブロック43の給紙指示を行うとき「1」に更新されている。
図8は、この印刷装置1の印刷制御部23が操作パネル10からの印刷スタートによって実行する印刷処理(給紙及び排紙の処理も含む)を示すフローチャート図である。
図9は、図8の再印刷処理として、ジャムにより未排紙に終わった最も前の頁より最後に給紙した頁まで、全てを再印刷処理する従来技術の処理例を示すフローチャート図である。
印刷制御部23は、この印刷処理において、操作パネル10から印刷スタートの指示入力を受けると、図8のステップ21で、VP=0かVP=1を判断する。すなわち、頁ポインタ33がアサインするブロックの頁データの有効無効を判断し、VP=0で頁データが無効ならVP=1になるのを待ち、VP=1で頁データが有効ならステップ22へ進む。
ステップ23で、操作パネル10の表示内容を消してステップ24へ進む。
ステップ24で、ΣFi(1≦i≦N)=0かΣFi(1≦i≦N)≠0かを判断する。すなわち、ジャムにより未排紙に終わった頁があるか否かを判断し、ΣFi=0(1≦i≦N)で未排紙の頁がないなら、ステップ26の印刷処理へ進み、図5と図6に示した印刷処理を行う。一方、ΣFi≠0(1≦i≦N)で未排紙の頁があるなら、ステップ25へ進み、ジャムによって未排紙に終わった頁の再印刷処理を実行する。
まず、ここではステップ25で図9に示す従来の再印刷処理を行った場合を説明する。
図9に示すように、従来の再印刷処理では、ステップ31で、Fi=1となる最も古い頁のブロックiをjにする。すなわち、未排紙に終わった最も古い頁のブロックjを求め、ステップ32へ進む。
ステップ33で、上記ブロックjからブロックP−1まで、未排紙フラグ35を全て「0」にして、ステップ34へ進む。
ステップ34で、上記ブロックjからブロックP−1までのカレントスタッカ36を、最後の排紙先であるブロックP−1のカレントスタッカに入れ替えて、ステップ35へ進む。ステップ35で、頁ポインタ(P)33の値を上記ブロックjに更新して、この再印刷処理を終え、リターンする。
その後、図8のステップ26で、図5と図6に示した印刷処理を実行し、この印刷処理を終了する。
この頁管理テーブル30の内容は、ジャム発生状態において、図8で示した印刷スタートを行ったとき、図9に示した従来の再印刷処理の終了時点の状態を示している。
まず、頁ポインタ33の値は、図9のステップ35の処理によってブロック50をアサインする。そのブロック50は、図9のステップ31の処理で求める未排紙に終わった最旧ブロックjである。
また、頁有効フラグ34の値は、図9のステップ32の処理によってブロック50からブロック53まで全て「1」になる。
さらに、未排紙フラグ35は、図9のステップ33の処理によって全て「0」になる。
以上の従来の再印刷処理を実行して、図8に示した印刷処理を進めると、既にブロック51と次のブロックの2頁を収納している第1スタッカ6に、再印刷の対象とした最も古いブロック50からブロック53に至る全頁が排紙されるので、ブロック50と次のブロックの2頁が重複して残ってしまう。
したがって、図9に示した従来の再印刷処理の場合、特許文献1及び特許文献2の技術のように、未排紙の頁は全て印刷されるが、重複する頁が残り、オペレータに、業務印刷結果をチェックして、重複して出力された頁を取り除く作業が求められるという問題が生じる。
この頁管理テーブル30の内容は、ジャム発生状態において、頁重複を防止する手段を設けて再印刷方法を行ったとき、図9に示した従来の再印刷処理の終了時点で得られる状態を示している。
例えば、図9のステップ31とステップ32の処理の間に、最も古い未排紙頁と最後に給紙した頁との間に排紙済みのブロックがあれば、未排紙のブロックを順次右シフトして排紙済みのブロックを全て埋め、未排紙のブロックが続くようブロックシフト処理を追加する。
その結果、頁ポインタ33の値は、ブロック60をアサインする。
さらに、頁有効フラグ34及び未排紙フラグ35は上記右シフトによる。
また、カレントスタッカ36は、上記シフト処理及び未排紙頁のカレントスタッカをブロック63に入れ替えたことによる。
このようにして従来の再印刷処理を進めると、未排紙に終わった頁のみ再印刷し、最後に排紙先にしたスタッカより排紙を行う。
しかし、再重複を防止する再印刷方法では、第1スタッカ6内に既にある後続頁の上に、再印刷により先行頁を排紙するため、頁の順序が入れ替わってしまう。
したがって、オペレータに順序が入れ替った頁の整列作業が求められるという問題が生じる。
図12は、この実施例の再印刷処理を示すフローチャート図である。
この実施例の再印刷処理は、ジャム修復後の印刷スタートでジャムにより未排紙に終わった頁のみ順次再印刷し、ジャム検出前に各頁の排紙先にしたスタッカに排紙する。
印刷制御部23は、ステップ41で、Fi=1である最も古いブロックiをjにする。
すなわち、未排紙に終わった最も古い頁のブロックを、未排紙フラグ35が「1」である最も古いブロックjを求めてステップ42へ進む。
ステップ42で、Vj=1且つFj=1か否かを判断する。すなわち、上記ブロックjの頁有効フラグと未排紙フラグを見て印刷の要否を判定し、Vj=1且つFj=1でなければ印刷不要であるためステップ50へ進み、Vj=1且つFj=1なら未排紙頁の印刷を残すなら、ステップ43へ進む。
ステップ44で、印刷部3に上記ブロックjの頁データPDjを送付し、J≡J+1(mod N)にして次のブロックをアサインし、ステップ45へ進む。
ステップ45で、搬送部4からジャム発生通知があったか否かを判断し、ジャム発生通知があったらステップ53へ進み、ジャム発生通知がなかったらステップ46へ進む。
ステップ46で、スタッカより排紙済みの通知があったか否かを判断し、通知がなかったらステップ54へ進み、通知があったらステップ47へ進む。
ステップ47で、排紙済みの通知のあったスタッカ番号CSをCSXとし、ステップ48へ進む。
ステップ49で、スタッカCSXの排紙済み通知を解除してステップ46へ戻る。
そして、ステップ46の判断で排紙済み通知が有り(残る)なら、ステップ46→ステップ47→ステップ48→ステップ49→ステップ46→・・・の処理を繰り返し、排紙済み通知がないなら、ステップ46→ステップ54へ進む。
ステップ53では、ジャム発生通知により搬送部4の駆動を停止させてステップ46へ進む。
そして、未排紙の頁を残している場合は排紙済み通知を待って、ジャムの発生が無い限り、ステップ42→ステップ43→ステップ44→ステップ45→ステップ46→ステップ54→ステップ42→・・・の処理を実行し、排紙済み通知を受ければ、ステップ42→ステップ43→ステップ44→ステップ45→ステップ46→ステップ47→ステップ48→ステップ49→ステップ46→ステップ54の処理を実行する。
ステップ55では、操作パネル10にジャム発生の通知を表示させて、この再印刷処理を終了し、印刷スタートの指示を待つ。
ステップ51で、j≡j+1(mod N)にして次のブロックをアサインし、ステップ42へ戻る。
上記ブロックが未排紙に終わった頁でないなら、ステップ42→ステップ50→ステップ51→・・・の処理を実行し、上記ブロックが未排紙の終わった頁なら、ステップ42→ステップ43→ステップ44→・・・の処理を実行する。
このように、図12に示したこの実施例の再印刷処理により、ジャム発生前に図5のステップ3もしくはステップ16で選んだフルでないスタッカに対して、ジャムで未排紙に終わった各頁を、古いものから順次印刷して、上記頁を収納できる上記スタッカに排紙する。その結果、あたかもジャムがなかった場合と同様の印刷及び排紙結果を得ることができる。
この頁管理テーブル30の内容は、ジャム発生状態において、図12に示した再印刷処理を行い、そのステップ52の判定後、再印刷処理を終了した時点で得られる状態を示している。
頁ポインタ33の値は、ブロック74をアサインのまま変わらない。
また、頁有効フラグ34の値は、ブロック70からブロック73までのうち「1」であったものを全て印刷排紙するため「0」になる。
さらに、未排紙フラグ35は、ブロック70からブロック73までのうち「1」であったもの全てについて排紙済みの通知を受けるため「0」になる。
また、カレントスタッカ36の値は全く変わらない。
この状態は、ジャムが発生しないままブロック70からブロック73を処理し、引き続き、ブロック74以後の頁を処理していく場合と変わるところがない。
例えば、図7で示したジャム発生状況に応じて再印刷の途中にジャムが発生した場合を例にとれば、結果は明らかである。
図7に示した頁管理テーブル30の内容により再印刷処理中、ジャムが再発して、全頁の再印刷が不成功に終わったなら、図7に示した頁管理テーブル30の内容は全く変わらない。
もし、1頁でも再印刷が成功すれば、上記1頁のブロックの頁有効フラグ34と未排紙フラグ35が「0」になる。また、頁ポインタ33とカレントスタッカ36を更新する処理はなく、全く変わらない。
したがって、再度の再印刷処理により、残された未排紙の頁を古いものから順に印刷し、指定のスタッカに排紙するため、未排紙の頁全てについて再印刷が成功すれば、あたかもジャムがなかった場合と同様の印刷及び排紙結果を得る。
以上、排紙先スタッカがフル状態になったので排紙先を替えた用紙を搬送させることにより、搬送路に排紙先スタッカの異なる頁が存在する状態が発生するが、上記状態でジャムが発生すると、搬送距離の違いや搬送ルートの違いなどにより、切り替え前の先行頁が未排紙になり、切り替え後の後続頁が正常に排紙される場合がある。
その場合に、図9に示した特許文献1や特許文献2と同様の従来の再印刷処理では、後続頁のうえに先行頁を含む再印刷対象の全頁が排紙され、上記後続頁が重複するが、図12に示したこの実施例の再印刷処理ならば、上述のような重複は発生しないことは明らかである。
しかし、図12に示したこの実施例の再印刷処理ならば、未排紙に終わった各々の頁を既にジャム発生前に決めた各々の排紙先に排紙することができ、上述のような入れ替わりも発生しない。
さらに、特許文献3の再印刷処理では、ジャム発生部の識別用頁を取り除き、当該部位にリカバリ対象頁を挿入する作業が必ず必要になり、オペレータの作業負担になる。
しかし、図12に示したこの実施例の再印刷処理ならば、ジャムが発生しなかった場合と同様の業務印刷結果が得られるので、オペレータは、業務印刷終了後に頁順序の入れ替わりを正す作業がなくなり、業務印刷時の作業負担が大幅に軽減できる。
また、搬送可能な最大頁数とスタッカに排紙された頁との総量が一定値を超えるとフルを検出するスタッカを備え、ジャムによって未排紙に終わった搬送可能な最大頁数以内の頁を再印刷して排紙することができる。
さらに、ジャムにより未排紙に終わった最旧の頁からジャム発生直前に給紙した最新頁に至る再印刷対象範囲の頁において、既に排紙済みである頁を除いて、未排紙の頁だけを順次再印刷することができる。
また、複数のスタッカを持ち、排紙先のスタッカの用紙が一定値を超えると、そのスタッカはフル状態になり、別のスタッカに排紙先を切り替えて印刷動作を停止することなく続ける高速大量印刷向けの印刷装置のジャムリカバリに有効である。
この実施例の印刷装置は、スタッカに排紙が一定値を超えるとフルの状態を報告すると共に、フルの状態を報告した後も搬送中の用紙については収納可能である。
また、頁を給紙する前に上記頁の排紙先スタッカのフル状態をチェックし、フル状態なら別のスタッカに排紙先を切替える手段を備えている。
また、各々のスタッカにおいて、1頁ごとに排紙を検出し、頁管理メモリにより排紙済みか否かを管理するので、ジャム発生により未排紙に終わった最も前の頁からの再印刷対象頁の中に、もし排紙済みの頁があれば該頁を識別することが可能である。
そして、頁を印刷し、十分に収納の余裕があるスタッカに向けて頁を搬送し排紙を繰り返しているときにジャムが発生した場合、停止した搬送部に残る頁の排紙先は、全て上記スタッカである。
すなわち、同じスタッカにのみ頁を搬送している限り、ジャムにより最初に未排紙に終わった頁から最後に給紙した頁まで全て未排紙に終わり、先行頁が未排紙になり後続頁が排紙済みになるようなことはなく、従って再印刷による頁の重複はない。
その結果、前記ジャムがなかった時と全く同じスタッカに同じ頁を排紙することができ、頁の重複や排紙順序の入れ替わりを無くすことができ、業務印刷終了後の頁の順序チェックや頁の整列や重複頁の取り除きにかかわるオペレータの作業負担を大幅に軽減することができる。
Claims (3)
- 印刷手段によって印刷された用紙を排紙する複数のスタッカを有し、前記各スタッカへ排紙された枚数をそれぞれ検出し、該検出した排紙枚数が一定値を超えたスタッカから超えていないスタッカへ排紙先を切り替えて排紙する排紙装置において、
前記各スタッカは、排紙枚数が一定値を超えてもさらに所定枚数を搬送可能であり、排紙先のスタッカが異なる複数の用紙を搬送中にジャムが発生して未排紙に終わった用紙の頁を再印刷したとき、ジャム発生前に排紙先に決めていたスタッカに前記未排紙に終わった用紙の頁を再印刷した用紙を排紙する手段を設けたことを特徴とする排紙装置。 - 前記各スタッカは、前記排紙枚数と前記所定枚数との総量が予め設定した値を超えるとフルを検出するスタッカであることを特徴とする請求項1記載の排紙装置。
- 前記再印刷では、ジャムが発生して未排紙に終わった用紙の最も古い頁からジャム発生直前に給紙した最新の用紙に至る再印刷対象範囲の頁について、既に排紙済みである用紙の頁を除いて最も古い頁から順次印刷することを特徴とする請求項1又は2記載の排紙装置。
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