JP5391258B2 - 入力判別装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば建築物や橋梁等の各種構造物又はこの構造物を支承する支承装置に対しての入力の大きさを判別する入力判別装置に関する。
建築物や橋梁等の構造物の支承装置には、ゴム板と鉄板とを交互に積層し、これらが加硫接着によって相互に接着されて構成されたゴム支承がある(特許文献1参照)。ゴム支承では、ゴムの変位を拘束することで、鉛直バネ剛性を高める工夫や回転追従性能を向上させる工夫がなされている。例えば、ゴム支承では、ゴム板と鉄板とを交互に積層し、これらを加硫接着することによって、ゴムの流動性を低減し、鉛直バネ剛性を高めるようにしている。
また、密閉ゴム支承では、ゴム板が下沓となる金属製ポット内に配置され、ゴム板の上にピストン状の上沓が載置され、ゴム板が非圧縮性の流体的に振る舞うように拘束されることで、回転追従性能が得られるように構成されている(特許文献2参照)。
更に、所謂コンパクト支承では、大きな鉛直荷重を支持するため、上沓と下沓の相対する面にそれぞれ凹部を設け、それぞれの凹部内にゴム層が配設され、鉛直荷重が加わった際にゴムが撓み変形によって半径方向外方に膨出しないようにして、鉛直バネ剛性の向上を図るようにしている(特許文献3参照)。
特開2000−1820号公報 特開2000−178921号公報 特開2009−13773号公報
以上のような支承装置は、設計強度に基づいて設定された所定値以上の入力があったときに損壊し、所定値を下回る入力に対しては損壊しない。大規模震災等に予め設定された所定値以上の入力があり、上沓と下沓が相対的に大きく水平方向に変位して、上沓や下沓といった強度部材や弾性体から成る支承部が損傷した場合、支承装置は、直ちに交換する必要がある。度重なる余震が発生した場合、強度部材が損傷した支承装置は、本来の支承性能を発揮することが出来なくなる虞がある。
支承装置を損壊するような入力があった場合において、実際に支承装置に破損するような入力があったことは、作業員が実際に確認作業を行えば知り得ることではあるが、従来の支承装置では、確認作業のし易さ等が全く配慮されておらず、損傷があったかどうかを簡単に確認することが困難である。また、実際に、どの程度の入力があり、どの程度上沓と下沓とが相対的に変位し、どの程度損傷したのかを、事後的に確認する配慮は全くなされていない。支承装置が交換不要な程度の入力であっても、実際に、どの程度上沓と下沓とが相対的に変位したのか知るすべはない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、支承装置や構造物に対して所定値以上の入力があったかどうかを容易に確認することが出来る入力判別装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、入力判別機構を、容易に交換することが出来る入力判別装置を提供することを目的とする。
本発明に係る入力判別装置は、第一剛性体と、第二剛性体と、第一剛性体と第二剛性体との間に配設された支承体とを有する例えば固定型支承装置、可動型支承装置、水平力分散支承装置、ゴム支承装置等と言った支承装置に取り付けられる。具体的に、この入力判別装置は、支承体を介して相対する第一剛性体と第二剛性体との間に架設され、該第一剛性体及び/又は該第二剛性体への入力を判別する入力判別機構を備える。そして、前記入力判別機構は、一端側が前記第一剛性体に係止され、他端側が前記第二剛性体に係止された一個の可撓性線状部材を有する。そして、前記可撓性線状部材は、前記一端部と前記他端部との間の中途部に、係合力及び/又は摩擦力をもって該可撓性線状部材を撓んだ状態で保持する保持部によって、撓み部が形成されており、前記第一剛性体及び/又は前記第二剛性体へ入力があった場合、該撓み部の可撓性線状部材が該保持部から引き出される。この可撓性線状部材の引出量及び/又は撓み部の撓み量の変化を確認することによって、どの程度の入力があったのかを、事後的に判別することが出来る。
更に、前記保持部は、結び目やコキを保持部としたときには、撓み部が摩擦力で保持され、逆動防止部を設けたときには、係合力によって保持される。また、前記保持部は、前記可撓性線状部材の一端部と他端部との間に複数個形成されるようにしても良い。これにより、入力レベルを段階的に判別することが出来る。また、前記保持部は、前記撓み部が収納された収納部材に形成されるようにしても良い。また、前記第一剛性体と前記第二剛性体との間には、複数の前記可撓性線状部材が架設されるようにしても良い。これにより、入力レベルを段階的に判別することが出来る。
更に、前記第一剛性体と該第一剛性体が固定される第一構造物との間又は前記第二剛性体と該第二剛性体が固定される第二構造部物との間には、摺滑部材を設けるようにしても良い。ここで、前記第一剛性体は、前記上部構造物に固定される上沓であり、前記第二剛性体は、前記下部構造物に固定される下沓である。ここで、例えば、前記上部構造物を橋桁とし、前記下部構造物を橋脚或いは橋台としても良い。また、前記第一剛性体を下部構造物に固定される下沓とし、前記第二剛性体を上部構造物に固定される下沓としても良い。
また、本発明に係る入力判別装置は、支承装置に設けるのではなく、構造物に直接固設することも出来る。すなわち、この入力判別装置は、前記第一構造物と前記第二構造物との間に架設され、前記第一構造物及び/又は前記第二構造物への入力を判別する入力判別機構を備える。そして、前記入力判別機構は、一端部が前記第一構造物に係止され、他端部が前記第二構造物に係止された一個の可撓性線状部材を有する。そして、前記可撓性線状部材は、前記一端部と前記他端部との間の中途部に、係合力及び/又は摩擦力をもって該可撓性線状部材を撓んだ状態で保持する保持部によって、撓み部が形成されており、前記第一構造物及び/又は前記第二構造物へ入力があった場合、該撓み部の可撓性線状部材が該保持部から引き出される。この可撓性線状部材の引出量及び/又は撓み部の撓み量の変化を確認することによって、どの程度の入力があったのかを、事後的に判別することが出来る。
更に、前記保持部は、結び目であっても良く、コキであっても良い。また、前記撓み部は、前記可撓性線状部材の一端部と他端部との間に複数個形成されるようにしても良い。これにより、入力レベルを段階的に判別することが出来る。また、前記保持部は、前記撓み部が収納された収納部材に形成されるようにしても良い。また、前記第一剛性体と前記第二剛性体との間には、複数の前記可撓性線状部材が架設されるようにしても良い。これにより、入力レベルを段階的に判別することが出来る。
ここで、例えば、前記第一構造物を橋桁とし、前記第二構造物を橋脚若しくは橋台としても良い。また、前記入力判別装置は、前記第一構造物と前記第二構造物との間に配設される支承装置の近傍に設けることも出来る。なお、ビル建物等の構造物と当該構造物の基礎構造物との間に、入力判別装置を設けるようにしても良い。
本発明に係る入力判別装置は、支承装置や構造物に取り付けられ、所定入力があった場合には、可撓性線状部材の引出量及び撓み部の撓み量が変化する。従って、可撓性線状部材の引出量及び/又は撓み部の撓み量の変化を確認することで、支承装置や構造物に対して、どの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
また、本発明に係る入力判別装置は、支承装置や構造物に係止するだけで、支承装置や構造物に取り付けることが出来るので、支承装置や構造物に後付けすることが出来る。更に、交換作業を簡単に行うことが出来る。
更に、本発明に係る入力判別装置は、可撓性線状部材の撓み部を一端部と他端部との間の任意の位置に形成することが出来る。従って、本発明に係る入力判別装置は、可撓性線状部材の引出量及び/又は撓み部の撓み量の変化を確認する際の妨げとなる障害物等を避けて、撓み部を形成することが出来るので、可撓性線状部材の引出量及び/又は撓み部の撓み量の変化を容易且つ確実に確認することが出来る。
固定支承装置と可動支承装置とを設けた橋梁を示す図である。 水平力分散支承装置を設けた橋梁を示す図である。 積層ゴムを用いた支承装置を示す断面図である。 すべり板を上部構造物と下部構造物との間に設けた支承装置を示す断面図である。 (A)は、入力判別機構を示した正面図であり、(B)は、断面図である。 可撓性線状部材の中途部に、撓み部を複数個形成した入力判別機構を示した正面図である。 第一係止部材と第二係止部材との間に、撓み部の撓み量が異なる複数個の可撓性線状部材が結束された入力判別機構を示した正面図である。 撓み部の撓み量が異なる複数個の可撓性線状部材を支承装置に取り付けた入力判別機構を示した断面図である。 撓み部が結束部材によって形成された変形例1の入力判別機構を示し、(A)は、正面図であり、(B)は、断面図である。 (A)は、変形例1の入力判別機構の撓み部及び結束部材を示した側面図であり、(B)は、変形例1の入力判別機構の結束部材を示した正面図である。 (A)は、可撓性線状部材に凹凸部が形成された変形例1の入力判別機構の変形例を示した側面図であり、(B)は、変形例1の入力判別機構の変形例の結束部材を示した正面図である。 撓み部が収納部材に収納された変形例2の入力判別機構を示し、(A)は、正面図であり、(B)は、断面図である。 変形例2の入力判別機構を示した斜視図である。 逆動防止部材を示した正面図である。 折曲部が設けられた収納部材を示した断面図である。 入力判別機構を上部構造物と下部構造物との間に取り付けた変形例3の入力判別機構を示した断面図である。 一端部だけが上沓に係止された可撓性線状部材の他端部側を内部に収納する収納部材を有する参考例1の入力判別機構を示した断面図である。 参考例1の入力判別機構を示した斜視図である。 参考例1の入力判別機構の変形例を示した断面図である。 一端部だけが上沓に係止された可撓性線状部材の他端部側の中途部を保持する保持部材を有する参考例2の入力判別機構を示した断面図である。 参考例2の入力判別機構を示した斜視図である。 参考例2の入力判別機構の変形例を示した断面図である。 一端部だけが上沓に係止された可撓性線状部材の他端部側を内部に収納する収納部材を有する参考例3の入力判別機構を示した断面図である。 参考例3の入力判別機構を示した正面図である。 参考例3の入力判別機構の変形例を示した断面図である。 参考例3の入力判別機構の他の変形例を示した断面図である。 建物の上部構造物と下部構造物との間に架設された入力判別機構を示す図である。
以下、本発明を適用した入力判別装置について図面を参照して、以下の順に沿って説明する。
1.概説
2.支承装置の説明
3.入力判別機構の説明
4.入力判別機構の変形例1
5.入力判別機構の変形例2
6.入力判別機構の変形例3
7.入力判別機構の参考例1
8.入力判別機構の参考例1の変形例
9.入力判別機構の参考例2
10.入力判別機構の参考例2の変形例
11.入力判別機構の参考例3
12.入力判別機構の参考例3の変形例
13.その他の変形例
[1.概説]
図1に示すように、橋梁1では、一つの橋桁の一端側に位置する橋脚や橋台といった下部構造物2に固定支承装置3aを設け、他端側に位置する下部構造物2に可動支承装置3bを設け、固定−可動支持構造を採用し、橋桁等の上部構造物4を支承することがある。固定支承装置3aは、一般に、上部構造物4の回転変形に対応して鉛直荷重を支持しつつ、水平・鉛直方向の変位を拘束して制限し、可動支承装置3bは、一般に、上部構造物4の回転変形と水平変位に対応する。固定支承装置3aは、固定型ゴム支承であっても良いし、ピン支承等の鋼製支承であっても良い。また、可動支承装置3bは、可動型ゴム支承であっても良いし、ローラー支承等の鋼製支承であっても良い。固定支承装置3aは、可動支承装置3bと比べて、第一剛性体としての上沓と第二剛性体としての下沓との水平方向の相対的変位量は大きくないが、固定支承装置3a、可動支承装置3bの何れの支承装置であっても、地震動等の入力の大小に関わらず、入力があれば、上沓と下沓とは相対的に変位し、設計強度を超える入力があれば、上沓と下沓との相対的な変位量が許容値を超え、上沓や下沓といった強度部材が損傷することになる。
また、図2に示すように、支承装置には、下部構造物2に水平力分散支承装置5が設けられることもある。水平力分散支承装置5は、積層ゴム支承が用いられることが多い。この水平力分散支承装置5にあっても、同様に、入力があれば、上沓と下沓とが相対的に変位し、且つ、設計強度を超える入力があれば、上沓と下沓との相対的な変位量が許容値を超え、上沓や下沓といった強度部材や積層ゴム等が損傷する。なお、このような事情は他の免震ゴム支承装置についても、同様である。
本発明が適用された入力判別装置では、上述のような支承装置に、入力判別機構を設けることによって、入力を判別出来るようにする。
一般に、支承装置は、第一剛性体としての上沓と第二剛性体としての下沓との間に支承体が設けられた構造物であり、入力判別機構は、上沓と下沓との間に架設される。具体的に、入力判別機構は、一端部が上沓に係止され、他端部が下沓に係止され、一端部と他端部との間の中途部に所定の撓み量を有する撓み部が形成された可撓性線状部材で構成され、可撓性線状部材の引出量及び/又は撓み部の撓み量の変化によって、例えば、設計強度を超える入力があったかどうかやどの程度の入力があったかを事後的に確認することが出来る。
なお、ここでは、橋梁用の支承装置を例に説明するが、建物の基礎となる下部構造物と建物といった上部構造物との間の免震層に配設される免震装置に用いられる支承装置であっても良い。
[2.支承装置の説明]
本発明の支承装置10は、図3に示すように、橋脚や橋台といった下部構造物2と橋桁等の上部構造物4との間に装着して水平荷重や鉛直荷重、回転荷重等の各種の荷重を支えると共に、地震や風、動的又は静的交通荷重等による揺動や振動、応力を吸収、分散しつつ、支承する橋梁用支承装置である。この支承装置10は、鉛直荷重支持性能や水平荷重支持性能や鉛直回転性能を調整することによって、固定支承装置3aや可動支承装置3bや水平力分散支承装置5や免震支承装置として用いることが出来る。この支承装置10は、第一剛性体としての上沓11と第二剛性体としての下沓12との間に支承体13が介在されている。
上沓11は、強度部材であり、金属やセラミックス、或いは硬質樹脂やFRPの如くの強化樹脂等の剛性素材によって構成することが好ましいが、必ずしも剛性素材に限定されるものではなく、弾性素材や剛性素材と弾性素材との組合せによって構成される材料によっても構成することが出来る。各種素材から構成される上沓11は、平面形状が略多角形、略円形、略長円径、略楕円形等の適宜の形状に設定することが出来るが、方形又は円形とすることが製造上、或いは施工上、交換上有利である。なお、上沓11は、外表面を全体的に弾性体等の被覆層で覆って、耐候性、防錆効果を得るように構成することも出来る。
上部構造物4に対する上沓11の固定手段は、例えばボルト、ナット等の締結手段を用いて上沓を上部構造物に対して直接的に固定しても良いが、ここでは、上沓11よりも広面積の板状をなす上部プレート16を用いて上沓11を上部構造物4に対して間接的に固定している。上沓11の上部構造物4への固定方法は、これらの例に限定されるものではない。
なお、可動支承装置として用いるとき等は、図4に示すように、上沓11の上部、例えば上沓11と上部プレート16との間に摺滑部材14を配設して、上部構造物4と支承装置10とを相対変位可能に固定しても良い。この摺滑部材14としては、例えば、フッ化炭素樹脂の一種であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の如くの低摩擦係数の表面を有するプレート等を、上沓11の上面に固定したり、又は上部構造物4や上部構造物4に固定される取付手段側の下面に固定することによって構成することが可能である。
下沓12は、図3及び図4に示すように、上沓11同様、強度部材であり、金属やセラミックス、或いは硬質樹脂やFRPの如くの強化樹脂等の剛性素材によって構成することが好ましいが、必ずしも剛性素材に限定されるものではなく、弾性素材や剛性素材と弾性素材との組合せによって構成される材料を用いて構成することも出来る。各種素材から構成される下沓12は、平面形状が略多角形、略円形、略長円径、略楕円形等の適宜の形状に設定することが出来るが、方形又は円形とすることが製造上、又は施工上、交換上で有利である。下沓12の平面形状等は、必ずしも上沓11と一致させる必要はないが、各部のサイズと、凸部や凹部の形状や位置等は下沓12の設定と上沓11の設定を互いに整合させる必要がある。なお、下沓12は、外表面を全体的に弾性体等の被覆層で覆って、耐候性、防錆効果を得るように構成することも出来る。
下部構造物に対する下沓12の固定手段は、例えばボルト、ナット等の締結手段を用いて下沓12を下部構造物2に対して直接的に固定してもよいが、ここでは、下沓12よりも広面積の板状をなす下部プレート17の如くの下部固定手段を用いて下沓12を下部構造物2に対して間接的に固定している。下沓12の下部構造物2への固定方法は、これらの例に限定されるものではない。
なお、可動支承装置として用いるとき等は、下沓12の下部、例えば下部プレート17と下沓12との間に摺滑部材15を配設して、下部構造物2と支承装置10とを相対変位可能に固定しても良い。この摺滑部材15としては、例えば、PTFEの如くの低摩擦係数の表面を有するプレート等を、下沓12の下面に固定したり、又は下部構造物2や下部構造物2に固定される取付手段側の上面に固定することが可能である。
尚、上沓11や下沓12の直接的又は間接的な固定は、着脱可能な方法とするのが好ましく、ボルト、ナット等による締結はその一例である。
支承体13は、配設部位と配設量によって、鉛直荷重支持性能や水平荷重支持性能、並びに鉛直回転性能を調節することが出来る。ここでは、例えば、積層ゴムを使用し、弾性層13aには、天然ゴムや合成ゴム、熱可塑性エラストマや熱硬化性エラストマを用いることができ、これらの中でも天然ゴムを主成分として使用することが好ましい。具体的なエラストマ成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(臭素化、塩素化等)、アクリルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ化ゴム、多硫化ゴム、ハイパロン、エチレン酢酸ビニルゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−メチルアクリレート共重合体、スチレン系エラストマ、ウレタン系エラストマ、ポリオレフィン系エラストマ、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、エポキシ化天然ゴム、trans−ポリイソプレン、ノルボルネン開環重合体(ポリノルボルネン)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ハイスチレン樹脂、イソプレンゴム等のゴムを一種単独、或いは二種以上を併用することが出来る。
弾性層13aの間に介在される補強板13bは、例えば鉄板といった金属製の鋼板である。支承体13は、弾性層13aと補強板13bとを交互に積層し、これらを加硫接着によって相互に接着して構成される。支承体13は、鉛直荷重支持性能や水平荷重支持性能、並びに鉛直回転性能は、弾性層の面積や厚さ、数、補強板の面積や厚さ、数等によって調節することが出来る。
なお、免震構造とするときには、支承体13を、鉛プラグ入りゴム支承としたり、高減衰ゴム支承のようにしても良い。
[3.入力判別機構の説明]
図5に示すように、以上のような支承装置10には、入力判別機構20が取り付けられている。具体的に、この入力判別機構20は、一端部21aが上沓11に係止され、他端部21bが下沓12に係止されて、上沓11と下沓12との間に架設された可撓性線状部材21を有する。
この入力判別機構20の可撓性線状部材21は、繊維、鋼材、樹脂等の可撓性を有する線材で形成されており、例えば、ワイヤ、紐、糸、ロープ、ベルト等である。なお、可撓性線状部材21は、非伸縮性であることが好ましい。
更に、可撓性線状部材21は、一端部21aと他端部21bとの間の中途部21cに、所定の撓み量を有する撓み部22が形成されている。この撓み部22は、例えば、可撓性線状部材21の中途部21cが引き解け結びで結ばれることで形成されており、環状に設けられている。
ここで、引き解け結びについては、従来公知の結び方であるので詳細な説明は省略するが、引き解け結びは、可撓性線状部材21の一方の端部(ここでは、一端部21a)を引くことで、撓み部22から結び目23よりも一端部21a側へ可撓性線状部材21を引き出すことが出来、撓み部22の撓み量分引き出されると、結び目23が解かれるといった特徴を有している。
更に、可撓性線状部材21には、摩擦力で撓み部22を保持する保持部となる結び目23によって、所定の摩擦力が作用するように設けられている。従って、可撓性線状部材21は、所定の力以上で一端部21aを引くことで、撓み部22を結び目23よりも一端部21a側へ引き出すことが出来る。その一方で、可撓性線状部材21は、引き出された部分が結び目23から撓み部22に再度入り込まないように、摩擦力によって逆動防止が図られ、一度引き出された可撓性線状部材21の引出量を変化させずに維持することが出来る。
このような可撓性線状部材21は、一端部21aが環状の第一固定部24aを有する第一係止部材24によって結束され、他端部21bが環状の第二固定部25aを有する第二係止部材25によって結束されている。可撓性線状部材21の一端部21aを結束した第一係止部材24は、第一固定部24aに第一固定ネジ24bが挿通されて、上沓11の外周面に形成された第一ネジ孔24cに固定されている。可撓性線状部材21の他端部21bを結束した第二係止部材25は、第二固定部25aに第二固定ネジ25bが挿通されて、下沓12の外周面に形成された第二ネジ孔25cに固定されている。
以上のような構成を有する入力判別機構20では、例えば、上沓11及び/又は下沓12へ入力があった場合には、その入力に応じて、可撓性線状部材21の一端部21aと他端部21bとが離間する方向に相対移動することで、撓み部22の可撓性線状部材21が結び目23よりも一端部21a側へ引き出されて、可撓性線状部材21の引出量及び撓み部22の撓み量が変化する。入力判別機構20では、可撓性線状部材21の引出量及び/又は撓み部22の撓み量の変化を確認することで、どの程度の入力があったかを、事後的に確認することが出来る。
また、入力判別機構20は、中途部21cに撓み部22を有する可撓性線状部材21を、上沓11や下沓12の外周面に係止するだけで、上部構造物4と下部構造物2の間に設置されている支承装置10に簡単に取り付けることが出来る。また、入力判別機構20は、支承装置10を上部構造物4と下部構造物2との間に設置した後に、支承装置10に後付けすることが出来る。更に、入力判別機構20は、既設の支承装置10にも後付けすることが出来る。更にまた、入力判別機構20は、交換作業を簡単に行うことが出来る。
更に、入力判別機構20は、可撓性線状部材21の中途部21cを引き解け結びで結ぶことで撓み部22が形成されているので、中途部21cの引き解け結びで結ぶ位置を変えることで、撓み部22を中途部21cの任意の位置に形成することが出来る。これにより、入力判別機構20では、例えば、作業者の見易さを考慮して、撓み部22を中途部21cの一端部21a側(上方)に形成したり、撓み部22を中途部21cの他端部21b側(下方)に形成したりすることが出来る。即ち、入力判別機構20では、可撓性線状部材21の引出量及び/又は撓み部22の撓み量の変化を確認する際の妨げとなる障害物等を避けて、撓み部22を形成することが出来る。従って、入力判別機構20では、可撓性線状部材21の引出量及び/又は撓み部22の撓み量の変化を容易且つ確実に確認することが出来る。
なお、入力判別機構20は、可撓性線状部材21の中途部21cの結び目23の近傍に、初期位置を示す初期位置マークを設けるようにしても良い。これにより、入力判別機構20は、初期位置マークを用いて、可撓性線状部材21の引出量を容易に確認することが出来、どの程度の入力があったのかを、事後的に容易に確認することが出来る。
また、入力判別機構20は、可撓性線状部材21の外表面の全面又は撓み部22に、等間隔にマークを設けて目盛部を設けるようにしても良い。これにより、入力判別機構20は、目盛部を用いて、可撓性線状部材21の引出量を容易に確認することが出来、どの程度の入力があったかを、事後的に容易に確認することが出来る。
更に、入力判別機構20は、可撓性線状部材21の外表面の全面又は撓み部22を、等間隔に色分けするようにしても良い。これにより、入力判別機構20は、色分けした部分を用いて、可撓性線状部材21の引出量を容易に確認することが出来、どの程度の入力があったかを、事後的に容易に確認することが出来る。
また、入力判別機構20は、可撓性線状部材21の撓み部22の外表面に、所定の間隔で複数個のマークを設けるようにしても良い。これにより、入力判別機構20は、結び目23から何個目のマークまで引き出されたのかを確認することで、どの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
例えば、入力判別機構20は、撓み部22の外表面に二個のマークを設けることで、三段階の入力レベルを判別することが出来る。この場合、より好ましくは、第一マークを、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に支承装置10の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置に形成する。更に、第二マークを、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に直ちに支承装置10の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置に形成する。
これにより、入力判別機構20は、例えば、撓み部22から第一マークが引き出されていない場合には、支承装置10の交換は不要であるレベル(レベル1)と判別することが出来る。また、入力判別機構20は、撓み部22から第一マークが引き出されているが、第二マークが引き出されていない場合には、支承装置10の交換は必要であるが緊急を要しないレベル(レベル2)と判別することが出来る。更に、入力判別機構20は、撓み部22から第一マークと第二マークとが引き出されている場合には、支承装置10の交換が直ちに必要であるレベル(レベル3)と判別することが出来る。
従って、入力判別機構20は、撓み部22から何個目のマークまで引き出されたのかを確認することで、どの程度の入力(入力レベル)があったのかを、事後的に確認することが出来る。更に、入力判別機構20は、どの支承装置10を優先的に交換する必要があるのかを容易に判断することが出来る。
なお、可撓性線状部材21に設けるマークの数は、二個に限定されるものではなく、第一マーク又は第二マークの何れか一個でも良く、第一マーク及び第二マークに初期位置マークを含めた三個でも良く、レベル1〜レベル3をより細かくレベル分けするために、三個以上であっても良い。可撓性線状部材21に設けるマークの数が多いほど、入力レベルをより細かく判別することが出来る。
また、入力判別機構20は、可撓性線状部材21の撓み部22の外表面を、所定の間隔で色分けするようにしても良い。これにより、入力判別機構20は、撓み部22から何色の部分までが引き出されたのかを確認することで、どの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
例えば、入力判別機構20は、撓み部22の外表面を三色に色分けすることで、三段階の入力レベルを判別することが出来る。この場合、より好ましくは、撓み部22の外表面の、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に支承装置の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置までを、第一色にする。更に、この位置から、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に直ちに支承装置の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置までを、第二色にし、これ以降の部分を第三色にする。例えば、第一色は、青色であり、第二色は、黄色であり、第三色は、赤である。
これにより、入力判別機構20は、例えば、撓み部22の第一色の部分しか引き出されていない場合には、支承装置10の交換は不要であるレベル(レベル1)と判別することが出来る。また、入力判別機構20は、撓み部22の第二色の部分まで引き出されている場合には、支承装置10の交換は必要であるが緊急を要しないレベル(レベル2)と判別することが出来る。更に、入力判別機構20は、撓み部22の第三色の部分まで引き出されている場合には、支承装置10の交換が直ちに必要であるレベル(レベル3)と判別することが出来る。
従って、入力判別機構20は、撓み部22の何色の部分までが引き出されているのかを確認することで、どの程度の入力(入力レベル)があったのかを、事後的に確認することが出来る。更に、入力判別機構20は、どの支承装置10を優先的に交換する必要があるのかを容易に判断することが出来る。
なお、撓み部22を色分けする色の数は、三色に限定されるものではなく、二色でも良く、レベル1〜レベル3をより細かくレベル分けするために、四色以上であっても良い。撓み部22を色分けする色の数が多いほど、入力レベルをより細かく判別することが出来る。更に、撓み部22を色分けする色は、上述した色に限定されるものではなく、他の色であっても良く、その内の一色を可撓性線状部材21自体の色としても良い。
また、入力判別機構20は、可撓性線状部材21の中途部21cに、撓み部22を一個形成することに限定されるものではなく、図6に示すように、複数個形成するようにしても良い。これにより、入力判別機構20は、結び目23が解かれた撓み部22の数又は結び目23が解かれていない撓み部22の数を確認することで、どの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
例えば、入力判別機構20は、可撓性線状部材21の中途部21cに、撓み部22を二個形成する。この場合、より好ましくは、支承装置10の交換が必要となる程度、上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合、第一撓み部22の結び目23が解けて、第二撓み部22の結び目23が残り、直ちに支承装置10の交換が必要となる程度、上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合、第一撓み部22の結び目23と第二撓み部22の結び目23とが解けるように、第一撓み部22の撓み量と第二撓み部22の撓み量と可撓性線状部材21の全長とを設定する。
これにより、入力判別機構20は、例えば、第一撓み部22の結び目23と第二撓み部22の結び目23とが解かれていない場合には、支承装置10の交換は不要であるレベル(レベル1)と判別することが出来る。また、入力判別機構20は、第一撓み部22の結び目23が解かれているが、第二撓み部22の結び目23が解かれていない場合には、支承装置10の交換は必要であるが緊急を要しないレベル(レベル2)と判別することが出来る。更に、入力判別機構20は、第一撓み部22の結び目23と第二撓み部22の結び目23とが解かれている場合には、支承装置10の交換が直ちに必要であるレベル(レベル3)と判別することが出来る。
従って、入力判別機構20は、結び目23が解かれた撓み部22の数又は結び目23が解かれていない撓み部22の数を確認することで、どの程度の入力(入力レベル)があったのかを、事後的に確認することが出来る。更に、入力判別機構20は、どの支承装置10を優先的に交換する必要があるのかを容易に判断することが出来る。
なお、可撓性線状部材21の中途部21cに設ける撓み部22の数は、二個に限定されるものではなく、レベル1〜レベル3をより細かくレベル分けするために、三個以上であっても良い。可撓性線状部材21の中途部21cに設ける撓み部22の数が多いほど、入力レベルをより細かく判別することが出来る。
また、入力判別機構20は、支承装置10の交換が必要となる程度、上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に、撓み部22の結び目23が解け、直ちに支承装置10の交換が必要となる程度、上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に、可撓性線状部材21が切断するように、撓み部22の撓み量と可撓性線状部材21の全長と可撓性線状部材21の強度を設定するようにしても良い。
これにより、入力判別機構20は、例えば、撓み部22の結び目23が解かれていない場合には、支承装置10の交換は不要であるレベル(レベル1)と判別することが出来る。また、入力判別機構20は、撓み部22の結び目23が解かれているが、可撓性線状部材21が切断されていない場合には、支承装置10の交換は必要であるが緊急を要しないレベル(レベル2)と判別することが出来る。更に、入力判別機構20は、可撓性線状部材21が切断されている場合には、支承装置10の交換が直ちに必要であるレベル(レベル3)と判別することが出来る。
従って、入力判別機構20は、どの程度の入力(入力レベル)があったのかを、事後的に確認することが出来る。更に、入力判別機構20は、どの支承装置10を優先的に交換する必要があるのかを容易に判断することが出来る。
また、入力判別機構20は、第一係止部材24と第二係止部材25との間に、一個の可撓性線状部材21が結束されることに限定されるものではなく、図7に示すように、撓み部22の撓み量が異なる複数本の可撓性線状部材21が結束されるようにしても良い。これにより、入力判別機構20は、結び目23が解かれた撓み部22を有する可撓性線状部材21の数又は結び目23が解かれていない撓み部22を有する可撓性線状部材21の数を確認することで、どの程度の入力があったかを、事後的に確認することが出来る。
例えば、入力判別機構20は、第一係止部材24と第二係止部材25との間に、撓み部22の撓み量が異なる二個の可撓性線状部材21,21が結束される。この場合、より好ましくは、支承装置10の交換が必要となる程度、上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合には、第一可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23が解けて、第二可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23は残る。また、直ちに支承装置10の交換が必要となる程度、上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合には、第一可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23と第二可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23とが解かれるように、第一可撓性線状部材21の撓み部22の撓み量と第二可撓性線状部材21の撓み部22の撓み量とを設定する。
これにより、入力判別機構20は、例えば、第一可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23と第二可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23とが解かれていない場合には、支承装置10の交換は不要であるレベル(レベル1)と判別することが出来る。また、入力判別機構20は、第一可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23が解かれているが、第二可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23が解かれていない場合には、支承装置10の交換は必要であるが緊急を要しないレベル(レベル2)と判別することが出来る。更に、入力判別機構20は、第一可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23と第二可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23とが解かれている場合には、支承装置10の交換が直ちに必要であるレベル(レベル3)と判別することが出来る。
従って、入力判別機構20は、結び目23が解かれた撓み部22を有する可撓性線状部材21の数又は結び目23が解かれていない撓み部22を有する可撓性線状部材21の数を確認することで、どの程度の入力(入力レベル)があったのかを、事後的に確認することが出来る。更に、入力判別機構20は、どの支承装置10を優先的に交換する必要があるのかを容易に判断することが出来る。
なお、第一係止部材24と第二係止部材25との間に結束される可撓性線状部材21の数は、二個に限定されるものではなく、レベル1〜レベル3をより細かくレベル分けするために、三個以上であっても良い。第一係止部材24と第二係止部材25との間に結束される可撓性線状部材21の数が多いほど、入力レベルをより細かく判別することが出来る。
また、入力判別機構20は、可撓性線状部材21が支承装置10に一個取り付けられることに限定されるものではなく、図8に示すように、撓み部22の撓み量が異なる複数本の可撓性線状部材21が支承装置10に複数個取り付けられるようにしても良い。これにより、入力判別機構20は、結び目23が解かれた撓み部22を有する可撓性線状部材21の数又は結び目23が解かれていない撓み部22を有する可撓性線状部材21の数を確認することで、どの程度の入力があったかを、事後的に確認することが出来る。
例えば、入力判別機構20は、支承装置10の外周部に可撓性線状部材21が二個取り付けられている。この場合、より好ましくは、支承装置10の交換が必要となる程度、上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に、第一可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23が解けて、第二可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23が残り、直ちに支承装置の交換が必要となる程度、上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に、第一可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23と第二可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23とが解けるように、第一可撓性線状部材21の撓み部22の撓み量と第二可撓性線状部材21の撓み部22の撓み量とを設定する。なお、第一可撓性線状部材21及び第二可撓性線状部材21は、支承装置10の外周部に等間隔に配設されるようにしても良く、任意の位置に配設されるようにしても良い。
これにより、入力判別機構20は、例えば、第一可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23と第二可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23とが解かれていない場合には、支承装置10の交換は不要であるレベル(レベル1)と判別することが出来る。また、入力判別機構20は、第一可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23が解かれているが、第二可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23が解かれていない場合には、支承装置10の交換は必要であるが緊急を要しないレベル(レベル2)と判別することが出来る。更に、入力判別機構20は、第一可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23と第二可撓性線状部材21の撓み部22の結び目23とが解かれている場合には、支承装置10の交換が直ちに必要であるレベル(レベル3)と判別することが出来る。
従って、入力判別機構20は、結び目23が解かれた撓み部22を有する可撓性線状部材21の数又は結び目23が解かれていない撓み部22を有する可撓性線状部材21の数を確認することで、どの程度の入力(入力レベル)があったかを、事後的に確認することが出来る。更に、入力判別機構20は、どの支承装置10を優先的に交換する必要があるのかを容易に判断することが出来る。
なお、支承装置10に取り付けられる可撓性線状部材21の数は、二個に限定されるものではなく、レベル1〜レベル3をより細かくレベル分けするために、三個以上であっても良い。支承装置10に取り付けられる可撓性線状部材21の数が多いほど、入力レベルをより細かく判別することが出来る。
[4.入力判別機構の変形例1]
上述した入力判別機構20では、可撓性線状部材21の撓み部22が引き解け結びによって形成されているが、変形例1の入力判別機構30では、図9及び図10に示すように、結束部材31によって形成されている。なお、入力判別機構30については、上述した入力判別機構20と同様の構成を有するものは同じ符号を付して説明を省略し、以下、異なる構成についてのみ説明する。
撓み部22を形成する結束部材31は、例えば、金属や樹脂等の材料から成る板部材に、可撓性線状部材21が挿通可能な挿通孔31aが二個形成され、挿通孔31a,31aに挿通された可撓性線状部材21の長さ、即ち、撓み部22の長さが調整可能なアジャスターであるコキで構成されている。結束部材31の挿通孔31a,31aは、摩擦力で撓み部22を保持する保持部となり、可撓性線状部材21に対して所定の摩擦力が作用するように形成されている。これにより、結束部材31は、所定の力以上で可撓性線状部材21の一端部21a及び/又は他端部21bが引かれると、撓み部22から可撓性線状部材21が引き出される。その一方で、結束部材31は、一度引き出された可撓性線状部材21が摩擦力によって挿通孔31a内に再度入り込まないように逆動防止が図られ、引き出された撓み部22の撓み量を変化させずに維持することが出来る。
以上のように、結束部材31によって撓み部22が形成される入力判別機構30にあっても、例えば、上沓11及び/又は下沓12へ入力があった場合には、その入力に応じて、可撓性線状部材21の一端部21aと他端部21bとが離間する方向に相対移動することで、撓み部22の可撓性線状部材21が結束部材31よりも一端部21a側へ引き出されて、可撓性線状部材21の引出量及び撓み部22の撓み量が変化する。従って、入力判別機構30にあっても、可撓性線状部材21の引出量及び/又は撓み部22の撓み量の変化を確認することで、どの程度の入力があったかを、事後的に確認することが出来る。
また、入力判別機構30にあっても、結束部材31によって形成された撓み部22を有する可撓性線状部材21を、上沓11や下沓12の外周面に固定するだけで、支承装置10に取り付けることが出来、簡単に支承装置10に取り付けることが出来る。また、入力判別機構30は、支承装置10を下部構造物2と上部構造物4との間に装着した後に、支承装置10に後付けすることが出来る。更に、入力判別機構30は、既設の支承装置10にも後付けすることが出来る。更にまた、入力判別機構30は、交換作業を簡単に行うことが出来る。
更に、入力判別機構30にあっても、中途部21cの結束部材31によって作成する位置を変えることで、撓み部22を中途部21cの任意の位置に形成することが出来る。従って、入力判別機構30にあっても、可撓性線状部材21の引出量及び/又は撓み部22の撓み量の変化を容易且つ確実に確認することが出来る。
なお、入力判別機構30にあっても、入力判別機構20と同様に、可撓性線状部材21の中途部21cの結束部材31の近傍に、初期位置を示す初期位置マークを設けるようにしても良い。また、入力判別機構30にあっても、入力判別機構20と同様に、可撓性線状部材21の外表面の全面又は撓み部22に、マークを設けるようにしても良い。更に、入力判別機構30にあっても、入力判別機構20と同様に、可撓性線状部材21の外表面の全面又は撓み部22を、色分けするようにしても良い。
また、入力判別機構30にあっても、入力判別機構20と同様に、可撓性線状部材21の中途部21cに、撓み部22を複数個形成するようにしても良い。更に、入力判別機構30にあっても、入力判別機構20と同様に、支承装置10の交換が必要となる程度、上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に、撓み部22の撓み量がなくなり、直ちに支承装置10の交換が必要となる程度、上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に、可撓性線状部材21が切断するように、撓み部22の撓み量と可撓性線状部材21の全長と可撓性線状部材21の強度を設定するようにしても良い。
また、入力判別機構30にあっても、入力判別機構20と同様に、第一係止部材24と第二係止部材25との間に、撓み部22の撓み量が異なる複数本の可撓性線状部材21が結束されるようにしても良い。更に、入力判別機構30にあっても、入力判別機構20と同様に、支承装置10に可撓性線状部材21が複数個取り付けられるようにしても良い。
また、入力判別機構30では、図11に示すように、特に可撓性線状部材21がベルト等の幅広な場合、可撓性線状部材21の一主面に、逆動防止爪となる鋸歯状の凹凸部32を形成するようにしても良い。この凹凸部32は、可撓性線状部材21の一端部21aと他端部21bとが近接する方向に相対移動された場合には、結束部材31と係合するが、可撓性線状部材21の一端部21aと他端部21bとが離間する方向に相対移動された場合には、結束部材31とは係合しないように形成されている。これにより、結束部材31は、より確実に、一度引き出された撓み部22の撓み量を変化させずに維持することが出来る。なお、凹凸部32は、垂直面と傾斜面とを有する直角三角形状に形成され、可撓性線状部材21の一端部21aと他端部21bとが近接する方向に相対移動された場合には、垂直面が、結束部材31と係合し、離間する方向に相対移動された場合には、垂直面と係合することなく、傾斜面が、近接する方向のときよりも弱く、例えば、クリック感が付加される程度に、結束部材31と係合するようにしても良い。
[5.入力判別機構の変形例2]
上述した入力判別機構20,30では、結び目23及び結束部材31に対する撓み部22の引出量を確認することで、どの程度の入力があったのかを、事後的に確認していたが、変形例2の入力判別機構40では、図12及び図13に示すように、撓み部22が収納部材41に収納され、収納部材41に対する撓み部22の引出量を確認することで、どの程度の入力があったかを、事後的に確認する。なお、収納部材41に収納される撓み部22は、入力判別機構20,30のように、結び目23及び結束部材31によって結束されていても良いが、結束されていなくとも良い。ここでは、入力判別機構40については、上述した入力判別機構20,30と同様の構成を有するものは同じ符号を付して説明を省略し、以下、異なる構成についてのみ説明する。
可撓性線状部材21の撓み部22を収納する収納部材41は、金属や樹脂等の材料で形成され、内部に可撓性線状部材21の撓み部22が収納可能な箱部材で構成されている。収納部材41の相対する一対の側面41a,41aには、それぞれ、可撓性線状部材21が挿通可能な挿通孔42,42が形成されている。一方の挿通孔42からは、可撓性線状部材21の一端部21aが予め所定の長さだけ引き出され、他方の挿通孔42からは、可撓性線状部材21の他端部21bが予め所定の長さだけ引き出されている。
更に、このような収納部材41の挿通孔42,42は、摩擦力で撓み部22を保持する保持部となり、可撓性線状部材21が圧入され、可撓性線状部材21に対して所定の摩擦力が作用するように形成されている。これにより、収納部材41は、所定の力以上で可撓性線状部材21の一端部21a及び/又は他端部21bが引かれると、内部から撓み部22の可撓性線状部材21が引き出される。その一方で、収納部材41は、一度引き出された可撓性線状部材21が摩擦力によって挿通孔42から内部に再度入り込まないように逆動防止が図られ、引き出された撓み部22の撓み量を変化させずに維持することが出来る。
以上のように、収納部材41に撓み部22が収納された入力判別機構40にあっても、例えば、上沓11及び/又は下沓12へ入力があった場合には、その入力に応じて、可撓性線状部材21の一端部21aと他端部21bとが離間する方向に相対移動することで、収納部材41から可撓性線状部材21が引き出されて、可撓性線状部材21の引出量が変化する。従って、入力判別機構40にあっても、可撓性線状部材21の引出量の変化を確認することで、どの程度の入力があったかを、事後的に確認することが出来る。
また、入力判別機構40にあっても、収納部材41に収納された撓み部22を有する可撓性線状部材21を、上沓11や下沓12の外周面に固定するだけで、簡単に支承装置10に取り付けることが出来る。また初期には撓み部22は収納部材41に収納されて使用される構成なので、事後に収納部材41を開蓋することが出来るように構成すれば、再び可撓性線状部材21を収納して再使用することが可能となる。また、入力判別機構40は、支承装置10を下部構造物2と上部構造物4との間に装着した後に、支承装置10に後付けすることが出来る。更に、入力判別機構40は、既設の支承装置10にも後付けすることが出来る。更にまた、入力判別機構40は、交換作業を簡単に行うことが出来る。
更に、入力判別機構40にあっても、可撓性線状部材21の一端部21aと他端部21bの収納部材41からの初期引出量を変えることで、撓み部22を収納した収納部材41を中途部21cの任意の位置に配置することが出来る。従って、入力判別機構40にあっても、可撓性線状部材21の引出量を容易且つ確実に確認することが出来る。
なお、入力判別機構40では、収納部材41を上沓11又は下沓12に固定して、可撓性線状部材21が片側の挿通孔42だけから引き出されるようにしても良い。
なお、入力判別機構40では、図14に示すように、収納部材41の挿通孔42に、逆止片43aを有する逆動防止部材43を取り付けるようにしても良い。この逆動防止部材43は、一度引き出された可撓性線状部材21が挿通孔42から内部に再度入り込む方向に移動された場合には、逆止片43aが可撓性線状部材21と係合するが、可撓性線状部材21が収納部材41から引き出される方向に移動された場合には、逆止片43aが可撓性線状部材21とは係合しないように形成されている。これにより、入力判別機構40では、逆動防止部材43によって、より確実に、一度引き出された撓み部22の撓み量を変化させずに維持することが出来る。
また、入力判別機構40では、図15に示すように、収納部材41の挿通孔42の周囲に、外側に折り曲げられた折曲部42aを設けるようにしても良い。この折曲部42aは、一度引き出された可撓性線状部材21が挿通孔42から内部に再度入り込む方向に移動された場合には、可撓性線状部材21と係合するが、可撓性線状部材21が収納部材41から引き出される方向に移動された場合には、可撓性線状部材21とは係合しないように形成されている。これにより、入力判別機構40では、折曲部42aによって、より確実に、一度引き出された撓み部22の撓み量を変化させずに維持することが出来る。
また、入力判別機構40にあっても、入力判別機構20,30と同様に、可撓性線状部材21の中途部21cの収納部材41の近傍に、初期位置を示す初期位置マークを設けるようにしても良い。また、入力判別機構40にあっても、入力判別機構20,30と同様に、可撓性線状部材21の外表面の全面又は撓み部22に対応する部分に、マークを設けるようにしても良い。更に、入力判別機構40にあっても、入力判別機構20,30と同様に、可撓性線状部材21の外表面の全面又は撓み部22に対応する部分を、色分けするようにしても良い。
また、入力判別機構40にあっても、入力判別機構30と同様に、支承装置10の交換が必要となる程度、上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に、撓み部22の撓み量がなくなり、直ちに支承装置10の交換が必要となる程度、上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に、可撓性線状部材21が切断するように、撓み部22の撓み量と可撓性線状部材21の全長と可撓性線状部材21の強度とを設定するようにしても良い。
また、入力判別機構40にあっても、入力判別機構20,30と同様に、第一係止部材24と第二係止部材25との間に、撓み部22の撓み量が異なる複数本の可撓性線状部材21が結束されるようにしても良い。更に、入力判別機構40にあっても、入力判別機構20,30と同様に、可撓性線状部材21が支承装置10に複数個取り付けられるようにしても良い。
[6.入力判別機構の変形例3]
次に、図5乃至図15に示した入力判別機構20,30,40を、支承装置10に直接的に取り付けるのではなく、支承装置10の近傍の上部構造物4と下部構造物2との間に取り付ける例を、図16を参照して説明する。ここでは、入力判別機構20を、支承装置10の近傍の上部構造物4と下部構造物2との間に取り付ける場合を例に説明するが、これに限定されるものではなく、入力判別機構30、40を、支承装置10の近傍の上部構造物4と下部構造物2との間に取り付けるようにしても良い。
具体的に、図16に示すように、入力判別機構20は、可撓性線状部材21の一端部21aを結束した第一係止部材24が、第一固定部24aに第一固定ネジ24bが挿通されて、上部構造物4に取り付けるための第一取付具50の第一ネジ孔50aに螺合される。第一取付具50は、全体が略L字状をなし、一片に第一ネジ孔50aが形成されており、他片に第一挿通孔50bが形成されている。可撓性線状部材21の他端部21bを結束した第二係止部材25が、第二固定部25aに第二固定ネジ25bが挿通されて、下部構造物2に取り付けるための第二取付具51の第二ネジ孔51aに螺合される。第二取付具51は、全体が略L字状をなし、一片に第二ネジ孔51aが形成されており、他片に第二挿通孔51bが形成されている。
第一取付具50は、ネジ等の第一固定部材52が第一挿通孔50b、上部プレート16に形成された第一貫通孔53の順に挿通され、上部構造物4に形成された第一ネジ孔54に螺合されて固定される。第二取付具51は、ネジ等の第二固定部材55が第二挿通孔51b、下部プレート17に形成された第二貫通孔56の順に挿通され、上部構造物4に形成された第一ネジ孔57に螺合されて固定される。
以上のような入力判別機構20によれば、支承装置10の近傍に、上部構造物4と下部構造物2との間に後付けで取り付けることが出来、例えば、既設の支承装置10の近傍にも容易に取り付けることが出来る。また、可撓性線状部材21の引出量及び/又は撓み部22の撓み量の変化を確認することで、直接的には、上部構造物4と下部構造物2との相対的な変位量を判別し、間接的に、支承装置10の上沓11と下沓12との相対的な変位量を判別することが出来る。従って、入力判別機構20によれば、支承装置10にどの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
[7.入力判別機構の参考例1]
次に、図5乃至図15に示した入力判別機構20,30,40の参考となる参考例1の入力判別機構100について説明する。図17及び図18に示すように、参考例1の入力判別機構100は、上述した入力判別機構20,30,40と同様に、支承装置10に取り付けられている。具体的に、この入力判別機構100は、一端部101aが上沓11に係止された可撓性線状部材101と、下沓12に係止され、可撓性線状部材101の他端部101b側を内部に収納する収納部材102とを有する。
この入力判別機構100の可撓性線状部材101は、繊維、鋼材、樹脂等の可撓性を有する線材で形成されており、例えば、ワイヤ、紐、糸、ロープ、ベルト等である。なお、可撓性線状部材101は、非伸縮性であることが好ましい。更に、可撓性線状部材101は、一端部101aが環状の第一固定部103aを有する第一係止部材103によって結束されている。可撓性線状部材101の一端部101aを結束した第一係止部材103は、第一固定部103aに第一固定ネジ103bが挿通されて、上沓11の外周面の第一ネジ孔103cに固定されている。可撓性線状部材101の他端部101bは、後述する収納部材102の内部に収納されている。
可撓性線状部材101の他端部101bを収納する収納部材102は、金属や樹脂等の材料で形成されており、内部に可撓性線状部材101の他端部101bが収納可能な平面視略円形状や平面視略矩形状の箱部材で構成されている。このような収納部材102の内部には、可撓性線状部材101の他端部101bが巻回又は折り畳まれて収納されている。
更に、収納部材102の側面102aには、貫通孔104aを有する取付部104が形成されている。収納部材102は、この貫通孔104aに固定ネジ(不図示)が挿通されて、下沓12の外周面に一片が固定された全体が略L字をなす取付具105の他片に固定されることで、下沓12の外周面に固定されている。なお、収納部材102は、直接的に下沓12の外周面に固定されるようにしても良く、直接的に下沓12の上面に固定されるようにしても良い。
更に、収納部材102の上面102bには、可撓性線状部材101が挿通可能な挿通孔106が形成されている。この挿通孔106からは、収納部材102の内部に収納された可撓性線状部材101の一端部101a側が予め所定の長さだけ引き出されている。更に、挿通孔106は、可撓性線状部材101に対して所定の摩擦力が作用するように形成されている。従って、収納部材102は、所定の力以上で可撓性線状部材101の一端部101aを引くことで、内部から可撓性線状部材101を引き出すことが出来る。その一方で、収納部材102は、引き出された可撓性線状部材101が摩擦力によって挿通孔106から内部に再度入り込まないように逆動防止が図られ、一度引き出された可撓性線状部材101の引出量を変化させずに維持することが出来る。
以上のような構成を有する入力判別機構100では、例えば、上沓11及び/又は下沓12へ入力があった場合には、その入力に応じて、可撓性線状部材101が収納部材102の内部から引き出されて、可撓性線状部材101の引出量が変化する。従って、入力判別機構100では、可撓性線状部材101の引出量の変化を確認することで、どの程度の入力があったかを、事後的に確認することが出来る。
また、入力判別機構100は、可撓性線状部材101の一端部101aを上沓11の外周面に固定し、可撓性線状部材101の他端部101bを収納した収納部材102を下沓12の外周面又は上面に固定するだけで、上部構造物4と下部構造物2の間に設置されている支承装置10に簡単に取り付けることが出来る。また、入力判別機構100は、支承装置10を下部構造物2と上部構造物4との間に設置した後に、後付けすることが出来る。更に、入力判別機構100は、既設の支承装置10にも後付けすることが出来る。更にまた、入力判別機構100は、交換作業を簡単に行うことが出来る。
なお、入力判別機構100は、収納部材102の上面102bに可撓性線状部材101が挿通可能な挿通孔106が形成されることに限定されるものではなく。収納部材102の側面102aに挿通孔106が形成されるようにしても良い。
また、入力判別機構100は、可撓性線状部材101の中途部101cの収納部材102の挿通孔106の近傍に、初期位置を示す初期位置マークを設けるようにしても良い。これにより、入力判別機構100は、初期位置マークを用いて、可撓性線状部材101の引出量を容易に確認することが出来、どの程度の入力があったのかを、事後的に容易に確認することが出来る。
また、入力判別機構100は、可撓性線状部材101の外表面の全面又は収納部材102に収納された部分に、等間隔にマークを設けて目盛部を設けるようにしても良い。これにより、入力判別機構100は、目盛部を用いて、可撓性線状部材101の引出量を容易に確認することが出来、どの程度の入力があったかを、事後的に容易に確認することが出来る。
更に、入力判別機構100は、可撓性線状部材101の外表面の全面又は収納部材102に収納された部分を、等間隔に色分けするようにしても良い。これにより、入力判別機構100は、色分けした部分を用いて、可撓性線状部材101の引出量を容易に確認することが出来、どの程度の入力があったかを、事後的に容易に確認することが出来る。
また、入力判別機構100は、可撓性線状部材101の収納部材102に収納された部分の外表面に、所定の間隔で複数個のマークを設けるようにしても良い。これにより、入力判別機構100は、収納部材102から何個目のマークまで引き出されたのかを確認することで、どの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
例えば、入力判別機構100は、可撓性線状部材101の収納部材102に収納された部分の外表面に、二個のマークを設けることで、三段階の入力レベルを判別することが出来る。この場合、より好ましくは、第一マークを、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に支承装置10の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置に形成する。更に、第二マークを、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に直ちに支承装置の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置に形成する。
これにより、入力判別機構100は、例えば、収納部材102から第一マークが引き出されていない場合には、支承装置10の交換は不要であるレベル(レベル1)と判別することが出来る。また、入力判別機構100は、収納部材102から第一マークが引き出され、第二マークが引き出されていない場合には、支承装置の交換は必要であるが緊急を要しないレベル(レベル2)と判別することが出来る。更に、入力判別機構100は、収納部材102から第一マーク及び第二マークが引き出されている場合には、支承装置10の交換が直ちに必要であるレベル(レベル3)と判別することが出来る。
従って、入力判別機構100は、収納部材102から何個目のマークまで引き出されたのかを確認することで、どの程度の入力(入力レベル)があったのかを、事後的に確認することが出来る。更に、入力判別機構100は、どの支承装置10を優先的に交換する必要があるのかを、容易に判断することが出来る。
なお、可撓性線状部材101に設けるマークの数は、二個に限定されるものではなく、第一マーク又は第二マークの何れか一個でも良く、第一マーク及び第二マークに初期位置マークを含めた三個でも良く、レベル1〜レベル3をより細かくレベル分けするために、三個以上であっても良い。可撓性線状部材101に設けるマークの数が多いほど、入力レベルをより細かく判別することが出来る。
また、入力判別機構100は、可撓性線状部材101の収納部材102に収納された部分の外表面を、所定の間隔で色分けするようにしても良い。これにより、入力判別機構100は、収納部材102から何色の部分までが引き出されたのかを確認することで、どの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
例えば、入力判別機構100は、可撓性線状部材101の収納部材102に収納された部分の外表面を三色に色分けすることで、三段階の入力レベルを判別することが出来る。この場合、より好ましくは、可撓性線状部材101の収納部材102に収納された部分の外表面の、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に支承装置10の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置までを、第一色にする。更に、この位置から、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に直ちに支承装置10の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置までを、第二色にし、これ以降の部分を第三色にする。例えば、第一色は、青色であり、第二色は、黄色であり、第三色は、赤である。
これにより、入力判別機構100は、例えば、第一色の部分しか引き出されていない場合には、支承装置10の交換は不要であるレベル(レベル1)と判別することが出来る。また、入力判別機構100は、第二色の部分まで引き出された場合には、支承装置10の交換は必要であるが緊急を要しないレベル(レベル2)と判別することが出来る。更に、入力判別機構100は、第三色の部分まで引き出された場合には、支承装置10の交換が直ちに必要であるレベル(レベル3)と判別することが出来る。
従って、入力判別機構100は、収納部材102から何色まで引き出されたのかを確認することで、どの程度の入力(入力レベル)があったのかを、事後的に確認することが出来る。更に、入力判別機構100は、どの支承装置10を優先的に交換する必要があるのかを、容易に判断することが出来る。
なお、可撓性線状部材101を色分けする色の数は、三色に限定されるものではなく、二色でも良く、レベル1〜レベル3をより細かくレベル分けするために、四色以上であっても良い。可撓性線状部材101を色分けする色の数が多いほど、入力レベルをより細かく判別することが出来る。更に、可撓性線状部材101を色分けする色は、上述した色に限定されるものではなく、他の色であっても良く、その内の一色を可撓性線状部材101自体の色としても良い。
また、入力判別機構100は、可撓性線状部材101が支承装置10に一個取り付けられることに限定されるものではなく、複数個取り付けられるようにしても良い。
[8.入力判別機構の参考例1の変形例]
次に、図17及ぶ図18に示した入力判別機構100を、支承装置10に直接的に取り付けるのではなく、支承装置10の近傍の上部構造物4と下部構造物2との間に取り付ける例を、図19を参照して説明する。
具体的に、図19に示すように、入力判別機構100は、可撓性線状部材101の一端部101aを結束した第一係止部材103が、第一固定部103aに第一固定ネジ103bが挿通されて、上部構造物4に取り付けるための第一取付具110の第一ネジ孔110aに螺合される。第一取付具110は、全体が略L字状をなし、一片に第一ネジ孔110aが形成され、他片に第一挿通孔110bが形成されている。第一取付具110は、ネジ等の第一固定部材111が第一挿通孔110b、上部プレート16に形成された第一貫通孔112の順に挿通され、上部構造物4に形成された第一ネジ孔113に螺合されて固定されている。
また、収納部材102は、貫通孔104aに固定ネジ(不図示)を挿通して、下部構造物2の上面に直接的に固定されている。勿論、収納部材102の下部構造物2に対する固定方法は、これに限定されるものではなく、例えば、永久磁石を用いる等、従来公知の手段によって固定するようにしてもよい。
以上のような入力判別機構100によれば、支承装置10の近傍に、上部構造物4と下部構造物2との間に後付けで取り付けることが出来、例えば、既設の支承装置10の近傍にも容易に取り付けることが出来る。また、可撓性線状部材101の引出量の変化を確認することで、直接的には、上部構造物4と下部構造物2との相対的な変位量を判別し、間接的に、支承装置10の上沓11と下沓12との相対的な変位量を判別することが出来る。従って、入力判別機構100によれば、支承装置10にどの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
[9.入力判別機構の参考例2]
次に、参考例2の入力判別機構120について説明する。図20及び図21に示すように、参考例2の入力判別機構120は、上述した入力判別機構20,30,40と同様に、支承装置10に取り付けられている。具体的に、入力判別機構120は、一端部121aが上沓11に係止された可撓性線状部材121と、下沓12に係止され、可撓性線状部材121の他端部121bが挿通されて可撓性線状部材121の中途部121cを保持する保持部材122とを有する。
この入力判別機構120の可撓性線状部材121は、繊維、鋼材、樹脂等の可撓性を有する線材で形成されており、例えば、ワイヤ、紐、糸、ロープ、ベルト等である。なお、可撓性線状部材121は、非伸縮性であることが好ましい。更に、可撓性線状部材121は、一端部121aが環状の第一固定部123aを有する第一係止部材123によって結束されている。この第一係止部材123は、第一固定部123aに第一固定ネジ123bが挿通されて、上沓11の外周面に形成された第一ネジ孔123cに固定されている。
可撓性線状部材121の他端部121b側が挿通されて中途部121cを保持する保持部材122は、金属や樹脂等の材料で形成された平面視略矩形状の板部材で構成されており、一部が一体化された第一分割体124と第二分割体125とを有している。第一分割体124及び第二分割体125は、一部が一体化されているので、この一体化部がヒンジとして機能し、開閉自在に設けられている。
更に、第一分割体124及び第二分割体125の当接面124a,125aには、係合部126が形成されている。具体的には、当接面124a,125aの一方には、係合凸部126aが形成され、他方には、この係合凸部126aが係合される係合凹部126bが形成されている。従って、第一分割体124及び第二分割体125は、係合凸部126aを係合凹部126bに係合させることで、閉じた状態を維持することが出来ると共に、係合凸部126aと係合凹部126bとの係合状態を解除することで、容易に開けることが出来る。
更に、第一分割体124及び第二分割体125の側面124b,125bには、貫通孔127aを有する取付部127が形成されている。これにより、保持部材122は、この貫通孔127aに固定ネジ(不図示)が挿通されて、下沓12の外周面に一片が固定された全体が略L字をなす取付具128の他片に固定されることで、下沓12の外周面に固定されている。なお、保持部材122は、直接的に下沓12の外周面に固定されるようにしても良く、全体が略コ字状や略L字状の取付具等を介して下沓12の上面に固定されるようにしても良く、直接的に下沓12の上面に固定されるようにしても良い。更に、保持部材122は、取付部27を設けずに、両面テープ等の接着部材や溶接等によって、直接的に下沓12の外周面又は上面に固定されるようにしても良い。
更に、第一分割体124及び第二分割体125の当接面124a,125aには、それぞれ、略半円形状の貫通孔129a,129aが形成されており、第一分割体124及び第二分割体125が閉じた状態の際に、これらの貫通孔129a,129aによって、可撓性線状部材121が挿通可能で、摩擦力で可撓性線状部材121を保持する保持部となる略円形状の挿通孔129が形成されている。この挿通孔129には、可撓性線状部材121の他端部121bが挿通されて、可撓性線状部材121の中途部121cが保持されている。更に、挿通孔129は、可撓性線状部材121に対して所定の摩擦力が作用するように形成されている。従って、保持部材122は、所定の力以上で可撓性線状部材121の一端部121aが引かれると、可撓性線状部材121が一端部121a側へ引き出される。その一方で、保持部材122は、引き出された可撓性線状部材121が摩擦力によって挿通孔129の内部に再度入り込まないように逆動防止が図られており、一度引き出された可撓性線状部材121の引出量を変化させずに維持することが出来る。
以上のような構成を有する入力判別機構120では、例えば、上沓11及び/又は下沓12へ入力があった場合には、その入力に応じて、可撓性線状部材121が保持部材122から一端部121a側へ引き出されて、可撓性線状部材121の引出量が変化する。従って、入力判別機構120では、可撓性線状部材121の引出量の変化を確認することで、どの程度の入力があったかを、事後的に確認することが出来る。
また、入力判別機構120は、可撓性線状部材121の一端部121aを上沓11の外周面に固定し、可撓性線状部材121の他端部121bが挿通されて可撓性線状部材121の中途部121cを保持する保持部材122を下沓12の外周面又は上面に固定するだけで、上部構造物4と下部構造物2の間に設置されている支承装置10に簡単に取り付けることが出来る。また、入力判別機構120は、支承装置10を上部構造物4と下部構造物2との間に設置した後に、支承装置10に後付けすることが出来る。更に、入力判別機構120は、既設の支承装置10にも後付けすることが出来る。更にまた、入力判別機構120は、交換作業を簡単に行うことが出来る。
更に、入力判別機構120は、第一分割体124及び第二分割体125の一部が一体化され、この一体化部がヒンジとして機能して開閉自在に設けられているので、可撓性線状部材121を挿通孔129に挿通させる際には、第一分割体124と第二分割体125とを開けて、この第一分割体124と第二分割体125との間の開口部から、可撓性線状部材121を例えば第二分割体125の貫通孔129aに配置して、第一分割体124と第二分割体125とを閉じて、係合凸部126aを係合凹部126bに係合させることで、可撓性線状部材121を挿通孔129に挿通させることが出来る。従って、入力判別機構120では、可撓性線状部材121が細く、挿通孔129の径が小さくても、容易に可撓性線状部材121を挿通孔129に挿通するのと同様の状態を作出することが出来る。
なお、入力判別機構120は、保持部材122が全体として正面視略矩形状に形成されることに限定されるものではなく、全体として正面視略円形状に形成され、第一分割体124及び第二分割体125がそれぞれ正面視略半円形状に形成されるようにしても良く、形状等は特に限定されない。
また、入力判別機構120は、第一分割体124及び第二分割体125を別体に設けて、別体に設けた第一分割体124及び第二分割体125をヒンジによって回動自在に連結して、第一分割体124及び第二分割体125を開閉自在に設けるようにしても良い。
また、入力判別機構120は、第一分割体124及び第二分割体125を別体に設けて、一方に貫通孔を形成し、他方にネジ孔等の嵌合孔を形成して、別体に設けた第一分割体124及び第二分割体125をネジ等の固定具で結合するようにしても良い。更に、入力判別機構120は、両方に貫通孔を形成して、別体に設けた第一分割体124及び第二分割体125を、ボルト及びナット等で締結するようにしても良い。更にまた、入力判別機構120は、第一分割体124及び第二分割体125の当接面124a,125aに、複数個の係合部126を形成し、これらの係合部126だけで、別体に設けた第一分割体124及び第二分割体125を締結するようにしても良い。
このような入力判別機構120にあっても、可撓性線状部材121を挿通孔129に挿通させる際には、第一分割体124と第二分割体125とを分離して、可撓性線状部材121を何れかの分割体の貫通孔129aに配置して、第一分割体124と第二分割体125とを、ネジやボルト及びナットや係合部126等によって締結することで、可撓性線状部材121を挿通孔129に容易に挿通することが出来る。
また、入力判別機構120は、第一分割体124及び第二分割体125の当接面124a,125aに、それぞれ半円形状の貫通孔129a,129aを形成することに限定されるものではなく、何れか一方だけに半円形状の貫通孔129aを形成し、それを挿通孔129とするようにしても良い。
また、入力判別機構120は、可撓性線状部材121の中途部121cの保持部材122の挿通孔129の近傍に、初期位置を示す初期位置マークを設けるようにしても良い。これにより、入力判別機構120は、初期位置マークを用いて、可撓性線状部材121の引出量を容易に確認することが出来、どの程度の入力があったのかを事後的に容易に確認することが出来る。
また、入力判別機構120は、可撓性線状部材121の外表面の全面又は保持部材122よりも他端部121b側の部分に、等間隔にマークを設けて目盛部を形成するようにしても良い。これにより、入力判別機構120は、目盛部を用いて、可撓性線状部材121の引出量を容易に確認することが出来、どの程度の入力があったかを事後的に容易に確認することが出来る。
更に、入力判別機構120は、可撓性線状部材121の外表面の全面又は保持部材122よりも他端部121b側の部分を、等間隔に色分けするようにしても良い。これにより、入力判別機構120は、色分けした部分を用いて、可撓性線状部材121の引出量を容易に確認することが出来、どの程度の入力があったかを事後的に容易に確認することが出来る。
また、入力判別機構120は、可撓性線状部材121の保持部材122よりも他端部121b側の外表面に、所定の間隔で複数個のマークを設けるようにしても良い。これにより、入力判別機構120は、保持部材122から何個目のマークまで引き出されたのかを確認することで、どの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
例えば、入力判別機構120は、可撓性線状部材121の保持部材122よりも他端部121b側の外表面に、二個のマークを設けることで、三段階の入力レベルを判別することが出来る。この場合、より好ましくは、第一マークを、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に支承装置10の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置に形成する。更に、第二マークを、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に直ちに支承装置10の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置に形成する。
これにより、入力判別機構120は、例えば、保持部材122から第一マークが引き出されていない場合には、支承装置10の交換は不要であるレベル(レベル1)と判別することが出来る。また、入力判別機構120は、保持部材122から第一マークが引き出され、第二マークが引き出されていない場合には、支承装置10の交換は必要であるが緊急を要しないレベル(レベル2)と判別することが出来る。更に、入力判別機構120は、保持部材122から第一マーク及び第二マークが引き出されている場合には、支承装置10の交換が直ちに必要であるレベル(レベル3)と判別することが出来る。
従って、入力判別機構120は、保持部材122から何個目のマークまで引き出されたのかを確認することで、どの程度の入力(入力レベル)があったのかを、事後的に確認することが出来る。更に、入力判別機構120は、どの支承装置10を優先的に交換する必要があるのかを容易に判断することが出来る。
なお、可撓性線状部材121に設けるマークの数は、二個に限定されるものではなく、第一マーク又は第二マークの何れか一個でも良く、第一マーク及び第二マークに初期位置マークを含めた三個でも良く、レベル1〜レベル3をより細かくレベル分けするために、三個以上であっても良い。可撓性線状部材121に設けるマークの数が多いほど、入力レベルをより細かく判別することが出来る。
また、入力判別機構120は、可撓性線状部材121の保持部材122よりも他端部121b側の外表面を、所定の間隔で色分けするようにしても良い。これにより、入力判別機構120は、保持部材122から何色の部分までが引き出されたのかを確認することで、どの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
例えば、入力判別機構120は、可撓性線状部材121の保持部材122よりも他端部121b側の外表面を、三色に色分けすることで、三段階の入力レベルを判別することが出来る。この場合、より好ましくは、可撓性線状部材121の保持部材122よりも他端部121b側の外表面の、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に支承装置の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置までを、第一色にする。更に、この位置から、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に直ちに支承装置の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置までを、第二色にし、これ以降の部分を第三色にする。例えば、第一色は、青色であり、第二色は、黄色であり、第三色は、赤である。
これにより、入力判別機構120は、例えば、保持部材122から第一色の部分しか引き出されていない場合には、支承装置10の交換は不要であるレベル(レベル1)と判別することが出来る。また、入力判別機構120は、第二色の部分まで引き出されている場合には、支承装置10の交換は必要であるが緊急を要しないレベル(レベル2)と判別することが出来る。更に、入力判別機構120は、第三色の部分まで引き出されている場合には、支承装置10の交換が直ちに必要であるレベル(レベル3)と判別することが出来る。
従って、入力判別機構120は、保持部材122から何色まで引き出されたのかを確認することで、どの程度の入力(入力レベル)があったのかを、事後的に確認することが出来る。更に、入力判別機構120は、どの支承装置10を優先的に交換する必要があるのかを容易に判断することが出来る。
なお、可撓性線状部材121を色分けする色の数は、三色に限定されるものではなく、可撓性線状部材121の元の色と黄色又は赤色の何れか二色でも良く、レベル1〜レベル3をより細かくレベル分けするために、四色以上であっても良い。可撓性線状部材121を色分けする色の数が多いほど、入力レベルをより細かく判別することが出来る。更に、可撓性線状部材121を色分けする色は、上述した色に限定されるものではなく、他の色であっても良く、その内の一色を可撓性線状部材21自体の色としても良い。
また、入力判別機構120は、可撓性線状部材121が支承装置10に一個取り付けられることに限定されるものではなく、複数個取り付けられるようにしても良い。
[10.入力判別機構の参考例2の変形例]
次に、図20及び図21に示した入力判別機構120を、支承装置10に直接的に取り付けるのではなく、支承装置10の近傍の上部構造物4と下部構造物2との間に取り付ける例を、図22を参照して説明する。
具体的に、図22に示すように、入力判別機構120は、可撓性線状部材121の一端部121aを結束した第一係止部材123が、第一固定部123aに第一固定ネジ123bが挿通されて、上部構造物4に取り付けるための第一取付具130の第一ネジ孔130aに螺合される。第一取付具130は、全体が略L字状をなし、一片に第一ネジ孔130aが形成され、他片に第一挿通孔130bが形成されている。第一取付具130は、ネジ等の第一固定部材131が第一挿通孔130b、上部プレート16に形成された第一貫通孔132の順に挿通され、上部構造物4に形成された第一ネジ孔133に螺合されて固定されている。
また、保持部材122は、貫通孔127aに第一固定ネジ(不図示)が挿通されて、下部プレート17の上面に配置されて側面部140aが固定ネジ141によって下部構造物2に固定された全体が略コ字状の取付具140の上面部140bに螺合されることで、下部構造物2の上面に固定されている。
以上のような入力判別機構120によれば、支承装置10の近傍に、上部構造物4と下部構造物2との間に後付けで取り付けることが出来、例えば、既設の支承装置10の近傍にも容易に取り付けることが出来る。また、可撓性線状部材121の引出量の変化を確認することで、直接的には、上部構造物4と下部構造物2との相対的な変位量を判別し、間接的に、支承装置10の上沓11と下沓12との相対的な変位量を判別することが出来る。従って、入力判別機構120によれば、支承装置10にどの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
[11.入力判別機構の参考例3]
次に、参考例3の入力判別機構150について説明する。図23及び図24に示すように、参考例3の入力判別機構150は、上述した入力判別機構20,30,40と同様に、支承装置10に取り付けられている。具体的に、入力判別機構150は、一端部151aが上沓11に係止された可撓性線状部材151と、下沓12に係止され、可撓性線状部材151の他端部151bが一端部152a側から挿入されて内部に収納された収納部材152とを有する。
この入力判別機構150の可撓性線状部材151は、繊維、鋼材、樹脂等の可撓性を有する線材で形成されており、例えば、ワイヤ、紐、糸、ロープ、ベルト等である。なお、可撓性線状部材151は、非伸縮性であることが好ましい。更に、可撓性線状部材151は、一端部151aが環状の第一固定部153aを有する第一係止部材153によって結束されている。この第一係止部材153は、第一固定部153aに第一固定ネジ153bが挿通されて、上沓11の外周面に形成された第一ネジ孔153cに固定されている。可撓性線状部材151の他端部151bは、収納部材152の内部に収納されている。
更に、可撓性線状部材151の他端部151bには、変位指示部154が形成されている。この変位指示部154は、可撓性線状部材151の他の部分よりも膨出されており、収納部材152の内部に収納された際に収納部材152の内面に圧接され、収納部材152に対して所定の摩擦力が作用するように形成されている。従って、可撓性線状部材151は、所定の力以上で一端部151aが引かれることで、収納部材152の内部から引き出すことが出来る。その一方で、可撓性線状部材151は、引き出された部分が摩擦力によって収納部材152の内部に再度入り込まないように逆動防止が図られ、一度引き出された引出量を変化させずに維持することが出来る。
可撓性線状部材151の他端部151bを収納する収納部材152は、内部に可撓性線状部材151の他端部151bが収納可能な円筒部材で構成されている。収納部材152は、金属や樹脂等の、内部に収納された可撓性線状部材151が視認可能なように、透明又は半透明等の材料で形成されることが好ましい。なお、収納部材152は、可撓性を有していることが好ましい。更に、収納部材152の外周面には、長手方向に目盛部155を設けることが可能である。これにより、収納部材152は、目盛部155を用いて、内部に収納された可撓性線状部材151の変位指示部154の位置の変化量を確認することで、可撓性線状部材151の引出量を確認することが出来る。即ち、変位指示部154は、可撓性線状部材151の引出量の変化を表示する。
更に、収納部材152の他端部152bは、環状の第二固定部156aを有する第二係止部材156によって結束されている。この第二係止部材156は、第二固定部156aに第二固定ネジ156bが挿通されて、下沓12の外周面に形成された第二ネジ孔156cに固定されている。
以上のような構成を有する入力判別機構150では、例えば、上沓11及び/又は下沓12へ入力があった場合には、その入力に応じて、可撓性線状部材151の一端部151aが収納部材152の内部から引き出されて、可撓性線状部材151の変位指示部154の位置が変化する。そこで、入力判別機構150では、可撓性線状部材151の変位指示部154の位置の変化量を確認することで、どの程度の入力があったかを、事後的に確認することが出来る。
また、入力判別機構150は、可撓性線状部材151の一端部151aを上沓11の外周面に固定し、可撓性線状部材151の他端部151bが収納された収納部材152を下沓12の外周面に固定するだけで、上部構造物4と下部構造物2の間に設置されている支承装置10に簡単に取り付けることが出来る。また、入力判別機構150は、支承装置10を上部構造物4と下部構造物2との間に設置した後に、後付けすることが出来る。更に、入力判別機構150は、既設の支承装置10にも後付けすることが出来る。更にまた、入力判別機構150は、交換作業を簡単に行うことが出来る。
また、入力判別機構150は、変位指示部154に代えて、収納部材152に上面部を設けて、この上面部に、可撓性線状部材151が挿通可能な挿通孔が形成されるようにしても良い。この場合、挿通孔は、その内周面が可撓性線状部材151の周面に圧接され、可撓性線状部材151に対して所定の摩擦力が作用するように形成される。これにより、収納部材152は、所定の力以上で可撓性線状部材151の一端部151aを引くことで、内部から可撓性線状部材151を引き出すことが出来る。その一方で、収納部材152は、引き出された可撓性線状部材151が摩擦力によって挿通孔の内部に再度入り込まないように逆動防止が図られ、一度引き出された可撓性線状部材151の引出量を変化させずに維持することが出来る。
また、入力判別機構150は、変位指示部154が可撓性線状部材151の他端部151bに形成されることに限定されるものではなく、可撓性線状部材151の中途部151cに形成されるようにしても良い。更に、この場合、図25に示すように、可撓性線状部材151の他端部151bは、収納部材152の他端部152bの近傍に形成された排出孔152cから収納部材152の外部に突出されているようにしても良い。
また、入力判別機構150は、図25に示すように、収納部材152の内面に、凹凸部157を形成するようにしても良い。この凹凸部157は、垂直面と傾斜面とを有する鋸歯状に形成されている。従って、凹凸部157は、可撓性線状部材151が収納部材152の内部から引き出される方向に移動される際には、垂直面が、変位指示部154と係合し、可撓性線状部材151が収納部材152の内部に入り込む方向に移動される際には、垂直面と係合することなく、傾斜面が、引き出される方向に移動されたときよりも弱く、例えば、クリック感が付加される程度に、変位指示部154と係合する。これにより、入力判別機構150では、可撓性線状部材151を収納部材152の内部に容易に挿通させることが出来る。なお、このような入力判別機構150では、例えば、上沓11及び/又は下沓12へ入力があった場合には、その入力に応じて、変位指示部154が凹凸部157の垂直面を無理に乗り上げて又は破壊しながら、可撓性線状部材151の一端部151aが収納部材152の内部から引き出される。
また、入力判別機構150は、可撓性線状部材151の中途部151cの収納部材152の一端部152aの近傍に、初期位置を示す初期位置マークを設けるようにしても良い。これにより、入力判別機構150は、初期位置マークを用いて、可撓性線状部材151の引出量を容易に確認することが出来、どの程度の入力があったのかを事後的に容易に確認することが出来る。
更に、入力判別機構150は、収納部材152の外周面に目盛部155を設けることに限定されるものではなく、収納部材152の外周面の全面又は一部を、等間隔に色分けしておくようにしても良い。これにより、入力判別機構150は、色分けした部分を用いて、可撓性線状部材151の引出量を容易に確認することが出来、どの程度の入力があったかを事後的に容易に確認することが出来る。
また、入力判別機構150は、収納部材152の外周面に等間隔にマークを付した目盛部155を設けることに限定されるものではなく、収納部材152の外周面に、所定の間隔で複数個のマークを設けるようにしても良い。これにより、入力判別機構150は、可撓性線状部材151の変位指示部154が何個目のマーク又はマーク間に位置されているのかを確認することで、どの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
例えば、入力判別機構150は、収納部材152の外周面に、二個のマークを設けることで、三段階の入力レベルを判別することが出来る。この場合、より好ましくは、第一マークを、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に支承装置の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置に形成する。更に、第二マークを、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に直ちに支承装置の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置に形成する。
これにより、入力判別機構150は、例えば、可撓性線状部材151の変位指示部154が第一マークよりも収納部材152の他端部152b側に位置されている場合には、支承装置10の交換は不要であるレベル(レベル1)と判別することが出来る。また、入力判別機構150は、可撓性線状部材151の変位指示部154が第一マークよりも収納部材152の一端部152a側に位置され、第二マークよりも収納部材152の他端部152b側に位置されている場合には、支承装置10の交換は必要であるが緊急を要しないレベル(レベル2)と判別することが出来る。更に、入力判別機構150は、可撓性線状部材151の変位指示部154が第二マークよりも収納部材152の一端部152a側に位置されている場合には、支承装置10の交換が直ちに必要であるレベル(レベル3)と判別することが出来る。
従って、入力判別機構150は、可撓性線状部材151の変位指示部154が何個目のマーク又はマーク間に位置されているのかを確認することで、どの程度の入力(入力レベル)があったのかを、事後的に確認することが出来る。更に、入力判別機構150は、どの支承装置を優先的に交換する必要があるのかを容易に判断することが出来る。
なお、収納部材152に設けるマークの数は、二個に限定されるものではなく、第一マーク又は第二マークの何れか一個でも良く、第一マーク及び第二マークに初期位置マークを含めた三個でも良く、レベル1〜レベル3をより細かくレベル分けするために、三個以上であっても良い。収納部材152に設けるマークの数が多いほど、入力レベルをより細かく判別することが出来る。
また、入力判別機構150は、収納部材152の外周面を、所定の間隔で色分けするようにしても良い。これにより、入力判別機構150は、可撓性線状部材151の変位指示部154が何色の位置に配置されているのかを確認することで、どの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
例えば、入力判別機構150は、収納部材152の外周面を、三色に色分けすることで、三段階の入力レベルを判別することが出来る。この場合、より好ましくは、収納部材152の外周面の、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に支承装置の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置までを、第一色にする。更に、この位置から、これ以上上沓11と下沓12とが相対的に変位した場合に直ちに支承装置の交換が必要となる程度の上沓11と下沓12との相対的変位量に対応する位置までを、第二色にし、これ以降の部分を第三色にする。例えば、第一色は、青色であり、第二色は、黄色であり、第三色は、赤である。
これにより、入力判別機構150は、例えば、可撓性線状部材151の変位指示部154が第一色の部分に位置する場合には、支承装置10の交換は不要であるレベル(レベル1)と判別することが出来る。また、入力判別機構150は、可撓性線状部材151の変位指示部154が第二色の部分に位置する場合には、支承装置10の交換は必要であるが緊急を要しないレベル(レベル2)と判別することが出来る。更に、入力判別機構150は、可撓性線状部材151の変位指示部154が第三色の部分に位置する場合には、支承装置10の交換が直ちに必要であるレベル(レベル3)と判別することが出来る。
従って、入力判別機構150は、可撓性線状部材151の変位指示部154が何色の部分に位置するかを確認することで、どの程度の入力(入力レベル)があったのかを、事後的に確認することが出来る。更に、入力判別機構150は、どの支承装置10を優先的に交換する必要があるのかを容易に判断することが出来る。
なお、収納部材152を色分けする色の数は、可撓性線状部材151の元の色(透明又は半透明)を含めて三色に限定されるものではなく、可撓性線状部材151の元の色と黄色又は赤色の何れか二色でも良く、レベル1〜レベル3をより細かくレベル分けするために、四色以上であっても良い。収納部材152を色分けする色の数が多いほど、入力レベルをより細かく判別することが出来る。更に、収納部材152を色分けする色は、上述した色に限定されるものではなく、他の色であっても良く、その内の一色を可撓性線状部材21自体の色としても良い。
また、入力判別機構150は、可撓性線状部材151が支承装置10に一個取り付けられることに限定されるものではなく、複数個取り付けられるようにしても良い。
[12.入力判別機構の参考例3の変形例]
次に、図23乃至図25に示した入力判別機構150を、支承装置10に直接的に取り付けるのではなく、支承装置10の近傍の上部構造物4と下部構造物2との間に取り付ける例を、図26を参照して説明する。
具体的に、図26に示すように、入力判別機構150は、可撓性線状部材151の一端部151aを結束した第一係止部材153が、第一固定部153aに第一固定ネジ153bが挿通されて、上部構造物4に取り付けるための第一取付具160の第一ネジ孔160aに螺合される。第一取付具160は、全体が略L字状をなし、一片に第一ネジ孔160aが形成されており、他片に第一挿通孔160bが形成されている。また、入力判別機構150は、収納部材52の他端部152bを結束した第二係止部材156が、第二固定部156aに第二固定ネジ156bが挿通されて、下部構造物2に取り付けるための第二取付具170の第二ネジ孔170aに螺合される。第二取付具170は、全体が略L字状をなし、一片に第二ネジ孔170aが形成されており、他片に第二挿通孔170bが形成されている。
第一取付具160は、ネジ等の第一固定部材161が第一挿通孔160b、上部プレート16に形成された第一貫通孔162の順に挿通され、上部構造物4に形成された第一ネジ孔163に螺合されて固定される。第二取付具170は、ネジ等の第二固定部材171が第二挿通孔170b、下部プレート17に形成された第二貫通孔172の順に挿通され、上部構造物4に形成された第一ネジ孔173に螺合されて固定される。
以上のような入力判別機構150によれば、支承装置10の近傍に、上部構造物4と下部構造物2との間に後付けで取り付けることが出来、例えば、既設の支承装置10の近傍にも容易に取り付けることが出来る。また、可撓性線状部材151の変位指示部154の位置の変化量及び/又は可撓性線状部材151の引出量の変化を確認することで、直接的には、上部構造物4と下部構造物2との相対的な変位量を判別し、間接的に、支承装置10の上沓11と下沓12との相対的な変位量を判別することが出来る。従って、入力判別機構150によれば、支承装置10にどの程度の入力があったのかを、事後的に確認することが出来る。
[13.その他の変形例]
なお、支承装置10は、ゴム支承の他に、鋼製支承であっても良い。例えば、支承装置10は、固定支承装置として用いられるピン支承装置やピボット支承装置であっても良く、可動支承装置として用いられるローラー支承装置であっても良い。この場合、入力判別機構20,30,40、100,120,150は、図16、図19、図22、図26に示すように、これらの支承装置10の近傍であって、上沓11が固定される上部構造物4と下沓12が固定される下部構造物2との間に配設されるようにすることで、間接的に、支承装置10にどの程度の入力があったかを、事後的に確認することが出来る。
また、図27に示すように、入力判別機構20,30,40,100,120,150は、ビル建物60(上部構造物)と建物基礎61(下部構造物)との間の空間部の上述した支承装置10と略同様の免震装置62の近傍に設けることが出来る。更に、入力判別機構20,30,40,100,120,150は、ビル建物60の側壁と建物基礎61の表面との間に設けるようにしても良い。この場合、入力判別機構20,30,40,100,120,150は、地表に露出しているので、確認作業を容易に行うことが出来る。
また、以上の説明で用いた支承装置10は、上下反転し、下沓を上沓として、上沓を下沓として用いるようにしても良い。また、支承方向を水平方向としたり、鉛直方向からずれた方向に設定することも可能であり、入力判別機構20,30,40,100,120,150の取付状態も、支承装置10の向きに応じて適宜変更される。更に、入力判別機構20,30,40,100,120,150を設ける位置は、支承装置の近傍に限定されるものではなく、離れた位置であっても良い。例えば、入力判別機構20,30,40,100,120,150は、図1の下部構造物2としての橋台と上部構造物4としての橋桁の端部に設けられる桁遊間2aや桁遊間2aに配設される間詰め材やダンパー2bの近傍に設けるようにしても良い。また、入力判別機構20,30,40,100,120,150は、上部構造物4と下部構造物2に後付けされる場合だけでなく、上部構造物4と下部構造物2に一体的に固設されていても良い。
1 橋梁、2 下部構造物、2a 桁遊間、2b ダンパー、3a 固定支承装置、3b 可動支承装置、4 上部構造物、5 水平力分散支承装置、10 支承装置、11 上沓、12 下沓、13 支承体、13a 弾性層、13b 補強板、14 摺滑部材、15 摺滑部材、16 上部プレート、17 下部プレート、20 入力判別機構、21 可撓性線状部材、21a 一端部、21b 他端部、21c 中途部、22 撓み部、23 結び目、24 第一係止部材、24a 第一固定部、24b 第一固定ネジ、24c 第一ネジ孔、25 第二係止部材、25a 第二固定部、25b 第二固定ネジ、25c 第二ネジ孔、30 入力判別機構、31 結束部材、31a 挿通孔、40 入力判別機構、41 収納部材、42 挿通孔、50 第一取付具、50a 第一ネジ孔、50b 第一挿通孔、51 第二取付具、51a 第二ネジ孔、51b 第二挿通孔、52 第一固定部材、53 第一貫通孔、54 第一ネジ孔、55 第二固定部材、56 第二貫通孔、57 第一ネジ孔、60 ビル建物、61 建物基礎、62 免震装置、100 入力判別機構、101 可撓性線状部材、101a 一端部、101b 他端部、101c 中途部、102 収納部材、102a 側面、102b 上面、103 第一係止部材、103a 第一固定部、103b 第一固定ネジ、103c 第一ネジ孔、104 取付部、104a 貫通孔、105 挿通孔、110 第一取付具、110a 第一ネジ孔、110b 第一挿通孔、111 第一固定部材、112 第一貫通孔、113 第一ネジ孔、120 入力判別機構、121 可撓性線状部材、121a 一端部、121b 他端部、121c 中途部、122 保持部材、123 第一係止部材、123a 第一固定部、123b 第一固定ネジ、123c 第一ネジ孔、124 第一分割体、124a 当接面、124b 側面、125 第二分割体、125a 当接面、125b 側面、126 係合部、126a 係合凸部、126b 係合凹部、127 取付部、127a 貫通孔、128 取付具、129 挿通孔、129a 貫通孔、130 第一取付具、130a 第一ネジ孔、130b 第一挿通孔、131 第一固定部材、132 第一貫通孔、133 第一ネジ孔、140 取付具、140a 側面部、140b 上面部、141 固定ネジ、150 入力判別機構、151 可撓性線状部材、151a 一端部、151b 他端部、151c 中途部、152 収納部材、152a 一端部、152b 他端部、152c 排出孔、153 第一係止部材、153a 第一固定部、153b 第一固定ネジ、153c 第一ネジ孔、154 膨出部、155 目盛部、156 第二係止部材、156a 第二固定部、156b 第二固定ネジ、156c 第二ネジ孔、157 凹凸部、160 第一取付具、160a 第一ネジ孔、160b 第一挿通孔、161 第一固定部材、162 第一貫通孔、163 第一ネジ孔、170 第二取付具、170a 第二ネジ孔、170b 第二挿通孔、171 第二固定部材、172 第二貫通孔、173 第一ネジ孔

Claims (22)

  1. 支承体を介して相対する第一剛性体と第二剛性体との間に架設され、該第一剛性体及び/又は該第二剛性体への入力を判別する入力判別機構を備え、
    前記入力判別機構は、一端部が前記第一剛性体に係止され、他端部が前記第二剛性体に係止された一個の可撓性線状部材を有し、
    前記可撓性線状部材は、前記一端部と前記他端部との間の中途部に、係合力及び/又は摩擦力をもって該可撓性線状部材を撓んだ状態で保持する保持部によって、撓み部が形成されており、前記第一剛性体及び/又は前記第二剛性体へ入力があった場合、該撓み部の可撓性線状部材が該保持部から引き出されることを特徴とする入力判別装置。
  2. 前記保持部は、結び目であることを特徴とする請求項1記載の入力判別装置。
  3. 前記保持部は、コキであることを特徴とする請求項1記載の入力判別装置。
  4. 前記撓み部は、前記可撓性線状部材の一端部と他端部との間に複数個形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか記載の入力判別装置。
  5. 前記保持部は、前記撓み部が収納された収納部材に形成されていることを特徴とする請求項1記載の入力判別装置。
  6. 前記第一剛性体と前記第二剛性体との間には、複数の前記入力判別機構が架設されていることを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか記載の入力判別装置。
  7. 当該入力判別装置は、固定型支承装置に設けられることを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか記載の入力判別装置。
  8. 当該入力判別装置は、可動型支承装置に設けられることを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか記載の入力判別装置。
  9. 当該入力判別装置は、水平力分散支承装置に設けられることを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか記載の入力判別装置。
  10. 前記第一剛性体と該第一剛性体が固定される第一構造物との間又は前記第二剛性体と該第二剛性体が固定される第二構造部物との間には、摺滑部材が設けられていることを特徴とする請求項8記載の入力判別装置。
  11. 前記第一剛性体は、上部構造物に固定される上沓であり、前記第二剛性体は、下部構造物に固定される下沓であることを特徴とする請求項1乃至10のうち何れか記載の入力判別装置。
  12. 前記上部構造物は、橋桁であり、前記下部構造物は、橋脚若しくは橋台であることを特徴とする請求項11記載の入力判別装置。
  13. 第一構造物と第二構造物との間に架設され、該第一構造物及び/又は該第二構造物への入力を判別する入力判別機構を備え、
    前記入力判別機構は、一端部が前記第一構造物に係止され、他端部が前記第二構造物に係止された一個の可撓性線状部材を有し、
    前記可撓性線状部材は、前記一端部と前記他端部との間の中途部に、係合力及び/又は摩擦力をもって該可撓性線状部材を撓んだ状態で保持する保持部によって、撓み部が形成されており、前記第一構造物及び/又は前記第二構造物へ入力があった場合、該撓み部の可撓性線状部材が該保持部から引き出されることを特徴とする入力判別装置。
  14. 前記保持部は、結び目であることを特徴とする請求項13記載の入力判別装置。
  15. 前記保持部は、コキであることを特徴とする請求項13記載の入力判別装置。
  16. 前記撓み部は、前記可撓性線状部材の一端部と他端部との間に複数個形成されていることを特徴とする請求項13乃至15のうち何れか記載の入力判別装置。
  17. 前記保持部は、前記撓み部が収納された収納部材に形成されていることを特徴とする請求項13記載の入力判別装置。
  18. 前記第一構造物と前記第二構造物との間には、複数の前記入力判別機構が架設されていることを特徴とする請求項13乃至17のうち何れか記載の入力判別装置。
  19. 前記第一構造物は、橋桁であり、前記第二構造物は、橋脚若しくは橋台であることを特徴とする請求項13乃至18のうち何れか記載の入力判別装置。
  20. 前記入力判別機構は、前記第一構造物と前記第二構造物との間に配設される支承装置の近傍に設けられることを特徴とする請求項13乃至19のうち何れか記載の入力判別装置。
  21. 第一部材と第二部材との間に架設され、該第一部材及び/又は該第二部材への入力を判別する入力判別機構を備え、
    前記入力判別機構は、一端部が前記第一部材に係止され、他端部が前記第二部材に係止された一個の可撓性線状部材を有し、
    前記可撓性線状部材は、前記一端部と前記他端部との間の中途部に、係合力及び/又は摩擦力をもって該可撓性線状部材を撓んだ状態で保持する保持部によって、撓み部が形成されており、前記第一部材及び/又は前記第二部材へ入力があった場合、該撓み部の可撓性線状部材が該保持部から引き出されることを特徴とする入力判別装置。
  22. 前記第一部材は、支承体を介して相対する第一剛性体と第二剛性体のうちの第一剛性体又は該第一剛性体が固定される第一構造物であり、
    前記第二部材は、前記第二剛性体又は該第二剛性体が固定される第二構造部物であることを特徴とする請求項21記載の入力判別装置。
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