JP6257381B2 - ゴム支承装置の変位記録計、ゴム支承装置 - Google Patents
ゴム支承装置の変位記録計、ゴム支承装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6257381B2 JP6257381B2 JP2014037076A JP2014037076A JP6257381B2 JP 6257381 B2 JP6257381 B2 JP 6257381B2 JP 2014037076 A JP2014037076 A JP 2014037076A JP 2014037076 A JP2014037076 A JP 2014037076A JP 6257381 B2 JP6257381 B2 JP 6257381B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mounting plate
- displacement
- bearing device
- lower mounting
- upper mounting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
この弾性支承部は、通常許容せん断歪み250%で設計され、実際の製品も300%程度のせん断変形能力を持っている場合がある。しかし、250%以上のせん断歪みを経験すると、その特性は大きく変化し、剛性・減衰性能共に当初の状態から低下してしまうため、交換する必要がある。ところが、弾性支承部は、設計値以上の変位が生じても外観上異常がない場合が多いため、どれだけの変位が生じたのか不明で、交換する必要があるのか継続使用が可能であるのか外観からは判断ができない。
そこで、特許文献1〜3では、相対変位する構造物側と支持体側との何れか一方に針状筆記部材を、他方に被筆記部材を設けて変位履歴記録手段を構成し、この変位履歴記録手段によって変位履歴を記録するようにした発明が開示されている。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、重合部分の結合を、帯状体の長手方向に所定間隔で配置した複数の止め具によって行うことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、構造物側に取り付けられる上取付板と、支持体側に取り付けられる下取付板との間に、鉛直方向に硬質層とゴム層とが交互に積層されてなる弾性支承部が挟持されたゴム支承装置において、弾性支承部の変位履歴を記録するために用いられる変位記録計であって、上取付板と下取付板との間に、上取付板と下取付板との相対変位の増加に応じて形態が変化し、相対変位の最大量で変化した形態を維持する履歴部材が架設されて、履歴部材を、上取付板側に一端が、下取付板側に他端がそれぞれ固定され、相対変位の増加に応じて長手方向に伸びる塑性材料製の棒状体としたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、棒状体を、上取付板へ下向きに固定される第1保持台と、第1保持台と異なる位置で下取付板へ上向きに固定される第2保持台とを貫通し、第1、第2保持台の外側に突出する両端部に、抜け止め用のストッパを設け、中間部に、引っ張り力によって塑性変形する中細り部を設けたものとしたことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、構造物側に取り付けられる上取付板と、支持体側に取り付けられる下取付板との間に、鉛直方向に硬質層とゴム層とが交互に積層されてなる弾性支承部が挟持されたゴム支承装置であって、上取付板と下取付板との間に、請求項1乃至4の何れかに記載の変位記録計を設置したことを特徴とするものである。
特に、請求項1の発明では、上記効果に加えて、履歴部材を、相対変位の増加に応じて重合部分が引き離される長さが伸びる帯状体としたことで、重合部分を再度結合すれば再使用可能となって再使用に係る手間が少なくて済み、より低コストな変位記録計を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、重合部分の結合を複数の止め具によって行うことで、止め具を目盛り代わりにして最大変位量を容易に知ることができる。
特に、請求項3の発明では、上記効果に加えて、履歴部材を、相対変位の増加に応じて長手方向に伸びる塑性材料製の棒状体としたことで、より耐久性に優れた変位記録計を得ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加えて、棒状体を、第1、第2保持台の外側に突出する両端部に抜け止め用のストッパを設け、中間部に、引っ張り力によって塑性変形する中細り部を設けたものとしたことで、引っ張り力によって伸長した中細り部の長さによって最大変位量を簡単に把握可能となる。
[形態1]
図1は、構造物である橋梁の橋桁と、支持体である橋脚との間に設けられるゴム支承装置1の一例を示す説明図で、弾性支承部4は右半分を断面で示している。ゴム支承装置1は、橋桁20側に取り付けられる上取付板2と、橋脚21側に取り付けられる下取付板3と、上下取付板2,3の間に設けられる弾性支承部4とを含んでなり、上取付板2は、橋桁20に取り付けられるソールプレート22の下面にボルト23で固定され、下取付板3は、橋脚21に取り付けられるベースプレート24の上面にボルト25で固定される。26は、ソールプレート22とベースプレート24とにそれぞれ連結されて橋桁20と橋脚21とに埋設されるアンカーである。
このとき、変位記録計30では、上取付板2と下取付板3との相対変位に伴ってテープ33が引っ張られて変位の増加に応じて収納箱31から引き出されることになる。よって、弾性支承部4の変位に対するテープ33の引き出し長さを予め確認しておけば、引き出された長さによって最大変位量を知ることができ、例えば最大変位が弾性支承部4の許容変位250%以下で、弾性支承部4の外観に異常がなければそのまま継続使用可能と判断でき、最大変位が許容変位250%を超えている場合は、外観に異常がなくても交換が必要と判断できる。
また、テープ33の引き出された端部34の逆戻りを防止する戻り防止手段(押さえ具36)を備えたことで、変位記録計30の信頼性がより高まる。
[形態2]
図3に示すゴム支承装置1において、変位記録計40は、図4にも示すように、履歴部材(帯状体)としてのステンレス製のテープ41を長手方向の中央で二つ折りして中間部を重ね合わせ、その重合部分41aをビスやリベット、ステープル等の止め具42を複数用いて所定間隔(例えば10mm間隔)ごとに結合したもので、重合されないテープ41の一端が固定板43によって上取付板2に、他端が固定板44によって下取付板3にそれぞれ固定される。この場合も各固定板43,44と重合部分41aとの間のテープ41の両端には温度変化を考慮した弛みを持たせている。
また、重合部分41aの結合を、テープ41の長手方向に所定間隔で配置した複数の止め具42によって行うことで、止め具42を目盛り代わりにして最大変位量を容易に知ることができる。
図5に示すゴム支承装置1において、変位記録計50は、上取付板2へ下向きに固定される第1保持台51と、第1保持台51と異なる位置で下取付板3へ上向きに固定される第2保持台52と、第1保持台51と第2保持台52との先端間を水平に貫通する履歴部材(棒状体)としての丸棒53とからなる。この丸棒53は、両端を大径部54,54、中央を中細り部55とした金属製で、引っ張り力に対して中細り部55は250%程度まで塑性変形を生じさせる特性を有している(例えば(株)神戸製鋼所製の室温超塑性ZnAl合金が好適に使用できる)。
この丸棒53の大径部54,54が第1、第2保持台51,52の端部にそれぞれ設けた図示しない透孔に隙間を生じる状態で遊挿されるが、大径部54,54の両端には、透孔よりも大径のストッパ56,56が設けられて、各保持台51,52に対する水平方向の移動が規制されるようになっている。但し、両ストッパ56と各保持台51,52との間には、隙間が設定されて、温度変化による橋桁20と橋脚21との相対変位を吸収できるようにしている。ここではこの変位記録計50が左右対称に一対配置されている。
また、丸棒53を、上取付板2へ下向きに固定される第1保持台51と、第1保持台51と異なる位置で下取付板3へ上向きに固定される第2保持台52とを水平に貫通し、第1、第2保持台51,52の外側に突出する両端部に、抜け止め用のストッパ56,56を設け、中間部に、引っ張り力によって塑性変形する中細り部55を設けたものとしているので、引っ張り力によって伸長した中細り部55の長さによって最大変位量を簡単に把握可能となる。
さらに、図5,6の形態において、第1保持台と第2保持台とをそれぞれ上下逆に設けてもよいし、各保持台において透孔の上半分側をボルト等で着脱可能としたり、ストッパを着脱可能としたりすることで丸棒の交換を容易としてもよい。勿論丸棒は他の塑性材料を採用することができる。また、丸棒等の履歴部材は、厳密に水平に保持する必要はなく、多少の傾斜を含む略水平に保持されていればよい。
図7に示すゴム支承装置1において、変位記録計60は、下取付板3上で水平に取り付けた下支持板62の両端に、保持部材としての一対の保持筒61,61を、正面視で互いの軸線が交差する斜め上向きとなるように固定し(但し、前後方向(紙面直交方向)では保持筒61,61の軸線は離れている。)、各保持筒61内に、紐状体としての一対のワイヤー63,63の一端を固定して、各保持筒61の両端から引き出したワイヤー63,63の他端を、それぞれ保持筒61の延長上位置で上取付板2に取り付けた上支持板64に固定したものである。保持筒61内のワイヤー63には、図8(A)に示すように、目盛り部となる複数の球体65,65・・が等間隔をおいて数珠状に設けられて、球体65間のワイヤー63をコイル状に折り畳むことで全ての球体65は保持筒61内に押し込まれて保持されている。なお、図8では一方の保持筒61及びワイヤー63のみ示して他方は省略している。この球体65は金属や樹脂等で作製される。保持筒61の開口には、球体65の直径よりも内径が小さいリング状のパッキン66が設けられて、保持筒61から引き出された球体65の逆流を防止可能としている。また、保持筒61から引き出されるワイヤー63には、最初の球体65と上支持板64との間で若干の弛みを持たせて、温度変化による橋桁20と橋脚21との相対変位を吸収するようにしている。
また、ワイヤー63に、複数の球体65を所定間隔をおいて設けたことで、球体65を目盛りにして最大変位量を容易に知ることができる。
さらに、目盛り部の数や間隔も適宜変更でき、形状も球体に限らず円柱状や円錐状、円盤状のものも採用できる。勿論目盛り部は紐状体と別体のものに限らず、紐状体に等間隔で設けた結び目や折り重ね部分を樹脂等で固めたりする等、一体に形成することも可能である。また、紐状体の表面に目盛りを表記したり着色したりすることで目盛り部を形成してもよい。さらに、目盛り部を設けたテープ状のものを折り畳んで保持部材に保持させることも可能である。
Claims (5)
- 構造物側に取り付けられる上取付板と、支持体側に取り付けられる下取付板との間に、鉛直方向に硬質層とゴム層とが交互に積層されてなる弾性支承部が挟持されたゴム支承装置において、前記弾性支承部の変位履歴を記録するために用いられる変位記録計であって、
前記上取付板と前記下取付板との間に、前記上取付板と前記下取付板との相対変位の増加に応じて形態が変化し、前記相対変位の最大量で変化した前記形態を維持する履歴部材が架設されて、
前記履歴部材は、前記上取付板に一端が、前記下取付板に他端がそれぞれ固定され、中間部で折り重ねた重合部分が所定長さに亘って結合されて、前記相対変位の増加に応じて前記重合部分が引き離される長さが伸びる帯状体であることを特徴とするゴム支承装置の変位記録計。 - 前記重合部分の結合は、前記帯状体の長手方向に所定間隔で配置した複数の止め具によって行うことを特徴とする請求項1に記載のゴム支承装置の変位記録計。
- 構造物側に取り付けられる上取付板と、支持体側に取り付けられる下取付板との間に、鉛直方向に硬質層とゴム層とが交互に積層されてなる弾性支承部が挟持されたゴム支承装置において、前記弾性支承部の変位履歴を記録するために用いられる変位記録計であって、
前記上取付板と前記下取付板との間に、前記上取付板と前記下取付板との相対変位の増加に応じて形態が変化し、前記相対変位の最大量で変化した前記形態を維持する履歴部材が架設されて、
前記履歴部材は、前記上取付板側に一端が、前記下取付板側に他端がそれぞれ固定され、前記相対変位の増加に応じて長手方向に伸びる塑性材料製の棒状体であることを特徴とするゴム支承装置の変位記録計。 - 前記棒状体は、前記上取付板へ下向きに固定される第1保持台と、前記第1保持台と異なる位置で前記下取付板へ上向きに固定される第2保持台とを貫通し、前記第1、第2保持台の外側に突出する両端部に、抜け止め用のストッパを設け、中間部に、引っ張り力によって塑性変形する中細り部を設けたものであることを特徴とする請求項3に記載のゴム支承装置の変位記録計。
- 構造物側に取り付けられる上取付板と、支持体側に取り付けられる下取付板との間に、鉛直方向に硬質層とゴム層とが交互に積層されてなる弾性支承部が挟持されたゴム支承装置であって、
前記上取付板と前記下取付板との間に、請求項1乃至4の何れかに記載の変位記録計を設置したことを特徴とするゴム支承装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014037076A JP6257381B2 (ja) | 2014-02-27 | 2014-02-27 | ゴム支承装置の変位記録計、ゴム支承装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014037076A JP6257381B2 (ja) | 2014-02-27 | 2014-02-27 | ゴム支承装置の変位記録計、ゴム支承装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015161116A JP2015161116A (ja) | 2015-09-07 |
JP6257381B2 true JP6257381B2 (ja) | 2018-01-10 |
Family
ID=54184410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014037076A Active JP6257381B2 (ja) | 2014-02-27 | 2014-02-27 | ゴム支承装置の変位記録計、ゴム支承装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6257381B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6821511B2 (ja) * | 2017-05-30 | 2021-01-27 | オイレス工業株式会社 | 変位記録装置 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001040616A (ja) * | 1999-07-29 | 2001-02-13 | Kobe Steel Ltd | 橋梁の落橋防止装置 |
JP4545920B2 (ja) * | 2000-12-11 | 2010-09-15 | オイレス工業株式会社 | 橋梁における免震構造系 |
JP4861562B2 (ja) * | 2001-03-09 | 2012-01-25 | 株式会社ブリヂストン | 連結構造用変形量表示装置 |
JP2006249842A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Sho Bond Constr Co Ltd | 連結バンド |
JP5074020B2 (ja) * | 2006-12-25 | 2012-11-14 | 株式会社竹中工務店 | 免震構造、免震構造の設計方法、及び免震建物 |
JP5391258B2 (ja) * | 2011-12-02 | 2014-01-15 | 株式会社Ihiインフラシステム | 入力判別装置 |
-
2014
- 2014-02-27 JP JP2014037076A patent/JP6257381B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015161116A (ja) | 2015-09-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10168243B2 (en) | Leakage detector, leakage detection method, and pipe network monitoring apparatus | |
JP5809174B2 (ja) | 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム | |
JP3820523B2 (ja) | ブレースダンパー | |
WO2014033986A1 (ja) | 免震装置 | |
JP2018522169A (ja) | 弾性滑り摩擦ジョイント | |
JP5521096B1 (ja) | 滑り免震装置 | |
JP6257381B2 (ja) | ゴム支承装置の変位記録計、ゴム支承装置 | |
CN103831576B (zh) | 应变测量装置以及将该应变测量装置安装在构件中的方法 | |
GB2492798A (en) | Dual Output Accelerometer System | |
JP3111286U (ja) | 制振補強壁パネル | |
JP5452182B2 (ja) | 支承用損傷判定装置、支承用損傷判定装置の取付方法、及び支承 | |
US20100201384A1 (en) | Structural Health Monitoring System/Method Using Electroactive Polymer Fibers | |
JP5391258B2 (ja) | 入力判別装置 | |
JP4861562B2 (ja) | 連結構造用変形量表示装置 | |
CN103486935A (zh) | 一种高度变化测量记录装置及应用 | |
JP5959324B2 (ja) | 振動制御装置 | |
KR101070217B1 (ko) | 내진 시스템 | |
TWI432628B (zh) | 雙變形能力之自復位消能支撐裝置 | |
JP2008274684A (ja) | 座屈拘束ブレースの点検装置 | |
JP5341275B1 (ja) | 入力判別装置 | |
JP2007002553A (ja) | 自己診断機能を有するコンクリート構造物及びその点検・調査・診断方法。 | |
JP2003166581A (ja) | 制振ダンパー装置 | |
JP6678990B2 (ja) | 割竹の接合部構造及び同接合部構造を利用した枠体の補強構造並びにこれを利用した構造体 | |
JP2007191961A (ja) | 既存建物におけるスラブの補強構造 | |
JP4631274B2 (ja) | 積層ゴム免震支承装置の取付構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161107 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170816 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170905 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171102 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20171121 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20171205 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6257381 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |