JP2001040616A - 橋梁の落橋防止装置 - Google Patents

橋梁の落橋防止装置

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JP2001040616A JP11214873A JP21487399A JP2001040616A JP 2001040616 A JP2001040616 A JP 2001040616A JP 11214873 A JP11214873 A JP 11214873A JP 21487399 A JP21487399 A JP 21487399A JP 2001040616 A JP2001040616 A JP 2001040616A
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Osamu Otani
修 大谷
Yasuhiro Okamoto
安弘 岡本
Hiroshi Toui
洋 頭井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 橋脚、橋台や橋梁に作用する地震力の影響を
軽減させ、かつ、連結部での構造上の損壊を防いで耐震
性を向上させるとともに、低設備費による経済効果を図
り、また経年劣化を可及的に抑制して耐震性能の安定・
維持を果たす。 【解決手段】 橋脚1上に隣合いかつ連接して支承され
る橋梁の縦桁2、2間を、橋軸方向には伸縮自在かつ水
平方向には曲げ自在である金属製のベローズ7により連
結させる縦桁連結手段と、橋脚1上に支承される橋梁の
横桁3と橋脚1間を、橋軸方向には伸縮自在かつ水平方
向には曲げ自在である金属製のベローズ7により連結さ
せる横桁連結手段との少なくとも何れか一方が設けられ
てなることを特徴とする橋梁の落橋防止装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁の橋桁の落橋
を防止するための、特に直下型地震等の大地震によって
高架橋における橋梁の橋桁が落橋するのを未然に防止し
ようとするための落橋防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の落橋防止装置の構造とし
ては、大別して (1)ケーブル連結方式、 (2)連結ピン方
式、 (3)緩衝連結方式の3種類がある。ケーブル連結方
式について図9、10を参照して説明すると、図9は、
上部構造としての橋桁22と下部構造としての橋台21
とを連結する落橋防止構造の各例であり、(イ)は鋼製
橋桁の場合、(ロ)はコンクリート製橋桁の場合を示
し、図10は、上部構造としての2連の橋桁22を相互
に連結する落橋防止構造の各例であり、(イ)は鋼製橋
桁の場合、(ロ)はコンクリート製橋桁の場合を示して
いる。いずれの例についても共通する構成であるが、P
C鋼材等からなるケーブル28、鋼製ブラケット29、
緩衝材30及び支圧板31を使用して、橋台21と橋桁
22、橋桁22、22相互を緩衝的に繋いだ構造として
いる。なお、25は支承部材を示している。
【0003】一方、連結ピン方式については、図11を
参照して、鋼製の連結バー32及びボルトを含むピン材
33を用いて橋桁22相互を繋いだ構造である。また、
緩衝連結方式については、特開平10−280323号公報、特
開平10−195821号公報、特開平10−280324号公報、特開
平 9− 13317号公報、特開平 9−184111号公報、特開平
9−195226号公報等により開示されている公知の各先行
技術があり、これらは連結構造に耐震機能を付加する目
的で、硬質(積層)ゴムや合成樹脂などの高減衰材料を
構造の一部に組入れた装置であって、そのうちの代表的
なものである特開平10−280323号公報に係る先行技術を
図12に挙示しているが、橋台21上に相対向して支持
された橋桁22、22の隣接する空間部に、ゴム状弾性
体により一体的に形成された緩衝・引張部材34を介挿
して取付けた構造である。なお、緩衝・引張部材34
は、断面中央の長手方向に空間部35を形成して、外周
面には、金属製のワイヤからなる補強材(図示せず)が
所定の間隔を隔ててリング状又はスパイラル状に巻付け
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ケーブル連結方式及び
連結ピン方式では、阪神・淡路大震災に見られたように
過大な地震を受けた場合、取付け部のピン(ボルト)の
折損や桁自体の破損等の被害を惹き起こして、連結が解
かれてしまって桁の落下があった。これは、両方式共に
剛結合構造であるが故に、設計値を超える過大な力が連
結部に集中したことに起因するものである。
【0005】一方、緩衝連結方式では、減衰性能が付加
されたことにより地震力の影響の低減には寄与するが、
長期使用に当たって劣化の問題があって機能維持の面で
劣ることが避けられなく、また、数十トンの荷重を支え
るためには複雑で相当大規模な構造となることから経済
性及び管理面での不利がある。
【0006】本発明は、このような問題点の解消を図る
ために成されたものであり、本発明の目的は、橋脚や橋
梁に作用する地震力の影響を軽減させ、かつ、連結部で
の構造上の損壊を防いで耐震性を向上させるとともに、
低設備費による経済効果を図り、しかも経年劣化を可及
的に抑制して耐震性能の安定・維持を果たし得る如き新
規な構造の橋梁の落橋防止装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明に係る請求項1の発明は、橋脚上に隣合いか
つ連接して支承される橋梁の縦桁間を、橋軸方向には伸
縮自在かつ水平方向には曲げ自在である金属製のベロー
ズにより連結させる縦桁連結手段と、橋脚上に支承され
る橋梁の横桁と前記橋脚の間を、橋軸方向には伸縮自在
かつ水平方向には曲げ自在である金属製のベローズによ
り連結させる横桁連結手段との少なくとも何れか一方が
設けられてなることを特徴とする橋梁の落橋防止装置で
ある。
【0008】また、本発明に係る請求項2の発明は、上
記請求項1の発明に関して、前記ベローズが、一重に又
は少なくとも二枚重ねの多重に形成した殻体を備える構
成としたことを特徴とする橋梁の落橋防止装置である。
【0009】また、本発明に係る請求項3の発明は、上
記請求項2の発明に関して、前記ベローズが、円形ハッ
ト型、山形ハット型、又は矩形ハット型の鋼材を対称関
係に合着させることにより形成され、その軸線に直交叉
する方向の横断面形状が耳翼付き単リング状を成す中空
筒構造の鋼製ベローズである構成としたことを特徴とす
る橋梁の落橋防止装置である。
【0010】また、本発明に係る請求項4の発明は、上
記請求項2の発明に関して、前記ベローズが、正弦波
型、三角波型、又は矩形波型の鋼材を対称関係に合着さ
せることにより形成され、その軸線に直交叉する方向の
横断面形状が耳翼付き連鎖リング状を成す中空蛇腹構造
の鋼製ベローズである構成としたことを特徴とする橋梁
の落橋防止装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0012】図1には、本発明の第1の実施の形態に係
る落橋防止装置を施工した橋構造の要部示斜視図が示さ
れる。この図に示される橋構造は、橋脚1と、この橋脚
1上に隣合いかつ連接して支承部材5によって支承され
る縦桁2、2で実現される橋梁との下部・上部構造を備
えて、縦桁2、2上には床板4が張設されている。
【0013】互いに相対向させかつ所定の間隔を隔てて
突き合わせている縦桁2、2の隣合う端部間には、本発
明を特徴付ける部材である金属製のベローズ7が亘設さ
れていて、該ベローズ7によって両縦桁2、2を緩衝
的、引張的に連結している。前記ベローズ7は図1から
明らかなように、軸線を垂直に有する中空筒部7A と該
筒部7A の径方向の両側外周面から一体に張り出させた
耳翼7B 、7B とから成る殻体を備えていて、横断面形
状が耳翼付き単リング状を成す金属製例えば鋼製のベロ
ーズに形成される。そして、このベローズ7は、各耳翼
7B 、7B に穿設された複数個のピン穴を利用して両耳
翼7B 、7B を縦桁2、2の垂直面部にピン、ボルト等
の止め具でそれぞれ固着させることにより両縦桁2、2
間に取付けられるものであって、これによって縦桁連結
手段が構成される。
【0014】このように取付けてなるベローズ7は、そ
れ自体が備える伸縮・曲げ自在の性能によって、橋軸方
向(縦桁の長手方向)には伸縮自在、かつ、水平方向に
は曲げ自在の状態で縦桁2、2相互を連結させている。
【0015】図2には、本発明の第2の実施の形態に係
る落橋防止装置を施工した橋構造の要部示斜視図が示さ
れる。この図に示される橋構造は、橋脚1と、この橋脚
1上に支承部材5によって支承される横桁3で実現され
る橋梁とからなる下部・上部構造を備えていて、更に橋
脚1の頂部には、横桁3に平行に相対向させたコンクリ
ートブロック6が該橋脚1に一体で立設されている。
【0016】所定の間隔を隔てて互いに相対向させて設
けられた横桁3とコンクリートブロック6との間に亘ら
せて、図1に図示するものと同構造になる鋼製等の金属
製のベローズ7を、縦桁2の場合と同じ連結要領で取付
けることによって横桁連結手段が構成される。このよう
に取付けてなるベローズ7もまた、それ自体が備える伸
縮・曲げ自在の性能によって、橋軸方向(横桁に直交す
る方向)には伸縮自在、かつ、水平方向には曲げ自在の
状態で横桁3と橋脚1とを連結させている。
【0017】このような構造になる各実施形態に係る縦
桁連結手段と横桁連結手段とは、橋構造に対してそれぞ
れ単独に設けても良く、また、一つの橋脚について両連
結手段を併設させるようにしても良く、対象となる橋構
造の形態に応じて前記縦桁連結手段と前記横桁連結手段
との何れか一方を又は双方を必要に応じて随時設けるこ
とが可能である。
【0018】ところで、ベローズ7の構造については、
橋軸方向には伸縮自在、かつ、水平方向には曲げ自在で
ある条件を満足し得るものであれば、種々の形態のベロ
ーズが考慮されるが、図3の(イ)乃至(ニ)に本発明
の実施の形態に係るベローズ7における殻体用鋼材の各
例を断面図で示している。
【0019】図3の(イ)に示したものは、円形ハット
型を成した殻体用鋼材を使用して図上で左側から順に一
重、二重、三重に形成したものであり、同じく(ロ)に
示したものは、山形ハット型を成した殻体用鋼材を使用
して図上で左側から順に一重、二重、三重に形成したも
のであり、また、(ハ)に示したものは、矩形ハット型
を成した殻体用鋼材を使用して図上で左側から順に一
重、二重、三重に形成したものであって、このような9
種の形態の中から適宜に選択して、図1、2に示される
ような構造のベローズ7を構成することが可能である。
【0020】この場合、これらの各形態になる殻体用鋼
材を対称関係に合着させることによって、図1、2に示
されるように中空筒部7A と該筒部7A の径方向の両側
外周面から一体に張り出させた耳翼7B 、7B とから成
る殻体が形成されるものであり、すなわち、中空筒部7
A の軸線に直交叉する方向の横断面形状が耳翼付き単リ
ング状を成す中空筒構造の鋼製ベローズ7が得られる。
【0021】次に、図3の(ニ)に示したものは、正弦
波型を成した殻体用鋼材を使用してベローズ7を構成す
る例であって、この他に図示しないが正弦波型に替えて
三角波型、矩形波型を成した殻体用鋼材を使用してもよ
い。この場合、これらの各形態になる殻体用鋼材を対称
関係に合着させることによって、その軸線に直交叉する
方向の横断面形状が耳翼付き連鎖リング状を成す中空蛇
腹構造の鋼製ベローズ7を得ることができる。
【0022】以上説明したような構造になるベローズ7
を用いて、図1、2に示される各実施形態の如く、縦桁
連結手段と横桁連結手段とを橋脚に関連させて設けるこ
とによって、柔結合方式を採ることが可能であって、こ
のベローズ7の履歴減衰により橋脚や橋桁に作用する地
震力を大幅に低減することができる。また、大地震の
際、前記支承部材5を積極的に破損させるヒューズ効果
を発揮させて、橋脚への負荷を制御するようにすること
も可能であり、大地震時における橋桁の落下を未然に防
止することができる。なお、この機能の点については下
記の実施例の項において詳細に説明する。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照しながら説明する。図4に本発明の一実施例に係る上
部工12、12を連結する鋼製ベローズ17の正面図を
示している。この鋼製ベローズ17は、固定側の支承部
材15A 、可動側の支承部材15B が崩壊後の上部工1
2の慣性力を緩衝することと、塑性変形によるエネルギ
ー吸収により慣性力を低減させることとを最大の狙いと
している。
【0024】このことは、発生確率が高い中小地震に対
しては、両支承部材15A 、15Bは健全に機能するよ
うに設計しておき、プレート境界型、直下型のような発
生確率が低い大地震に対しては、両支承部材15A 、1
5B を一種のヒューズメンバーとして用い、支承部材を
意図的に崩壊させて、橋脚11に作用する上部工12、
12の慣性力を限定したものにしようとする考え方に基
づくものである。
【0025】上記実施例において、解析モデルとして、
主桁である両上部工12、12は支間長40mの単純支
持されたプレートガーダー橋とし、下部工11はラーメ
ン型鋼製橋脚を想定する。なお、鋼製橋脚として、コン
クリートを充填しないタイプを対象とした。動的解析に
先立ち、鋼製橋脚の弾塑性はり・柱要素モデルを用い、
橋軸方向について地震力を静的に作用させた非線形解析
および構成ベローズの平面歪みモデルの繰り返し弾塑性
強制変位解析を行った。これらの結果をもとに、上部
工、支承部材、鋼製橋脚の全体を非線形のバネ質点モデ
ルに置換し、橋軸方向入力の地震応答解析を行った。な
お、入力地震波として、プレート境界型、直下型の大地
震に対する応答スペクトルを満足するよう実地震波を修
正した波形を使用することにした。そして、解析プログ
ラムには、汎用有限要素法解析パッケージANSYS
(ver5.3)〔日本道路協会:道路橋示方書・同解説、
I.共通編、II.鋼橋編、丸善、1996.12.〕を用い
た。
【0026】有限要素法を基に計算を行って橋脚剛性の
相違が応答挙動に及ぼす影響を調べて、想定した鋼製橋
脚の水平地震力による静的変形特性を検討した。この検
討に際して、鋼製橋脚の弾塑性はり・柱要素モデルを用
い、自重による静的解析を行い初期状態を求めた後、橋
軸方向に水平震度Kh =1に相当する水平慣性力を作用
させる静的弾塑性解析を行った。その結果に基づく水平
震度Kh で表示した水平地震力と橋軸頂部の水平変位U
x との関係は、図5に示される通りである。なお、図5
は通常の剛性を有する橋脚の場合に対する計算結果であ
って、レベル1(中小地震)の設計地震力に対し、弾性
設計により断面を決定している。
【0027】図5によると、水平震度で0.5までは線
形関係を保っているが、その後、急激に水平変位が増大
し、水平震度が0.6に近づくと水平変位は0.5mを
超えて、崩壊に至ることが判る。水平震度0.5に対す
る水平変位は0.1mとなり、0.1mの水平変位まで
は橋脚が安定を保つことから、動的解析でも水平変位が
0.1m以内であれば、線形範囲とみなすことができる
と考えられる。
【0028】次に、鋼製ベローズの非線形特性の解析を
行った。中小地震(レベル1)および主桁の温度伸縮に
より生じる橋軸方向変形に対しては、鋼製ベローズに生
じる応力は弾性範囲内に留め、それに伴う変形も伸縮継
ぎ手の許容範囲内とする。この条件を満足する中空円筒
構造の寸法諸元を検討するため、先ず、大変形弾塑性を
考慮して、隣接する主桁間の橋軸方向相対変位(強制変
位)Ux により鋼製ベローズに生じる橋軸方向力(反
力)Fx を非線形有限要素法解析により求める。
【0029】今、簡単のため、中空円筒構造が橋軸方向
中心線に関して対称構造であることと、高さ方向にも一
様な変形、応力が生じることと仮定して、単位高さ当た
りの半円筒構造を対象とした解析を行った。図6(イ)
に解析モデルと要素分割が示される。
【0030】平面歪み状態を仮定して平面要素(plain2
4)を用いて、強制変位Ux =0.04(m)を引張り圧
縮が交互に生じるように、5回繰り返した。中空円筒構
造の半径(r)と板厚(t)を種々変化させて、強制変
位Ux と橋軸方向力Fx との関係を履歴曲線の形で求め
た。得られた結果の一部が図6(ロ)に示される。縦軸
のFx は、高さが1mの半円筒構造2枚分に対する値に
換算している。
【0031】図6(ロ)に示される結果によれば、塑性
域がかなり生じる数cm程度の繰り返し変位に対しても、
安定した履歴ループが得られていることが判り、一例と
して、レベル2タイプIIの地震波を入力したときの橋脚
頂部の橋軸方向変位の応答波形図を、鋼製ベローズを使
用した本発明の実施例の場合で図7(イ)乃至(ニ)
に、鋼製ベローズを使用しない従来タイプの固定支承の
場合で図8(イ)乃至(ニ)にそれぞれ図示している
が、鋼製ベローズを用いない場合で30cmであったの
が、鋼製ベローズを用いた場合には6cmに低減されてお
り、このように本発明に係る落橋防止装置を実施するこ
とによって橋桁に作用する地震力を大幅に低減させ得る
ことが明らかにされる。
【0032】以上述べた実施形態並びに実施例は、橋脚
の場合について説明したものであるが、橋桁の端部が橋
台上に在る場合には、前述の橋脚に替えて橋台としても
勿論本発明は成立するものである。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0034】本発明によれば、縦桁連結手段と横桁連結
手段との少なくとも何れか一方が設けられてなることに
よって、この連結手段におけるベローズが備える履歴減
衰効果によって、橋脚や橋桁に及ぼす地震力の影響を低
減できる。また、従来の連結ピン構造に比べて荷重の集
中が少ない柔結合構造となるため、結合部での破損が起
こり難い。これらの利点によって、橋梁の耐震性が飛躍
的に向上し、かくして橋梁の落下を確実に防ぐことがで
きる。
【0035】また、本発明によれば、ベローズが鋼製等
の金属製であるため、径年劣化が殆どないかあったとし
ても極めて小さく、長期間に亘って安定した効果が奏さ
れる。しかして本発明は、金属製のベローズを橋脚及び
橋桁間に設けることにより、大地震の際、支承部材を積
極的に破損させるヒューズ効果を発揮させて、橋脚への
負荷を制御する経済的な橋脚の設計が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る落橋防止装置
を施工した橋構造の要部示斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る落橋防止装置
を施工した橋構造の要部示斜視図である。
【図3】(イ)乃至(ニ)は本発明の実施の形態に係る
ベローズにおける殻体用鋼材の各例の断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る上部工を連結する鋼製
ベローズの正面図である。
【図5】本発明の実施例に係る水平地震力による橋脚頂
部の変位を表す線図である。
【図6】(イ)は、本発明の実施例に係る鋼製ベローズ
の解析モデルと要素分割を示す断面図、(ロ)は、同じ
く鋼製ベローズの履歴曲線の例の線図である。
【図7】(イ)乃至(ニ)は、本発明の実施例に係る鋼
製ベローズを使用した場合におけるレベル2タイプIIの
地震波を入力したときの橋脚頂部の橋軸方向変位の応答
波形図である。
【図8】(イ)乃至(ニ)は、従来タイプの固定支承の
場合におけるレベル2タイプIIの地震波を入力したとき
の橋脚頂部の橋軸方向変位の応答波形図である。
【図9】(イ)、(ロ)は従来のケーブル連結方式落橋
防止装置の構造を示す立面図である。
【図10】(イ)、(ロ)は従来のケーブル連結方式落
橋防止装置の構造を示す立面図である。
【図11】従来の連結ピン方式落橋防止装置の構造を示
す立面図である。
【図12】従来の緩衝連結方式落橋防止装置の構造を示
す立面図である。
【符号の説明】
1…橋脚 2…縦桁 3…横
桁 4…床板 5…支承部材 6…コ
ンクリートブロック 7…ベローズ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋脚上に隣合いかつ連接して支承される
    橋梁の縦桁間を、橋軸方向には伸縮自在かつ水平方向に
    は曲げ自在である金属製のベローズにより連結させる縦
    桁連結手段と、橋脚上に支承される橋梁の横桁と前記橋
    脚の間を、橋軸方向には伸縮自在かつ水平方向には曲げ
    自在である金属製のベローズにより連結させる横桁連結
    手段との少なくとも何れか一方が設けられてなることを
    特徴とする橋梁の落橋防止装置。
  2. 【請求項2】 前記ベローズが、一重に又は少なくとも
    二枚重ねの多重に形成した殻体を備える請求項1記載の
    橋梁の落橋防止装置。
  3. 【請求項3】 前記ベローズが、円形ハット型、山形ハ
    ット型、又は矩形ハット型の鋼材を対称関係に合着させ
    ることにより形成され、その軸線に直交叉する方向の横
    断面形状が耳翼付き単リング状を成す中空筒構造の鋼製
    ベローズである請求項2記載の橋梁の落橋防止装置。
  4. 【請求項4】 前記ベローズが、正弦波型、三角波型、
    又は矩形波型の鋼材を対称関係に合着させることにより
    形成され、その軸線に直交叉する方向の横断面形状が耳
    翼付き連鎖リング状を成す中空蛇腹構造の鋼製ベローズ
    である請求項2記載の橋梁の落橋防止装置。
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