JP5388826B2 - 高放熱コネクタ、回路モジュール、及び回路基板の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、照明用のハイパワーLED素子は、素子自体が発熱し、素子が高温に曝されることにより、素子自体の劣化、あるいは、素子を覆う樹脂部材の熱劣化により、発光効率が低下し、寿命の低下を招くという問題があった。このような、課題を解決するため様々な放熱構造が検討されてきている。
しかしながら金属製の放熱基板とシリコングリスを介して接続する場合には接続部の熱抵抗が大きくなり、放熱特性を十分に取ることができないという問題があった。
さらに高放熱セラミック表面をメタライズし、サブマウント基板を半田付けにより接続する場合にはLED素子チップが発熱すると、各部材に熱膨張率差があるため、接合面に熱応力が生じ、長期信頼性にも問題があった。
また、本発明は、放熱性が高く、小型で、確実な接合が可能な高放熱コネクタを提供することを目的とする。
また、本発明は、放熱性が高く、小型で、確実な接合が可能な高放熱回路基板を提供することを目的とする。
また、本発明は、放熱性が高く、小型で、確実な接合が可能な回路モジュールを提供することを目的とする。
この構成によれば、熱伝導ピンをはめ込み式にすることで、接続用の端子部をコネクタの外周部に取り出す必要がなくなり、省スペース化を図ることができる。また、熱伝導板と回路基板との接続がシリコングリスを介することなく、熱伝導ピンのはめ込みで実現されるため、放熱性が向上する。また接着剤などで固定していないため、容易に着脱可能である。さらにまた熱膨張差による接合面の応力が緩和され、長期信頼性に優れたものとなる。さらにまたヘッドライト用の光源として用いる場合、光軸の角度調整が必要になり、煩雑な作業を伴う場合があるが、本発明の構成によれば、第1の孔に熱伝導ピンを挿入するとともに、第2の孔に端子ピンを挿入することで、確実かつ容易に位置合わせを行うことが出来る。第1の孔は第2の孔と同様、貫通孔でもよいし、有底孔でもよい。貫通孔を用いる場合は、熱伝導ピンの下方が直接空気に触れることで、放熱性を高めることができるという効果をもたせることもできる。また、熱伝導ピンを介して、コネクタと実装基板上の配線パターンとが短絡に至る場合も皆無ではなく、このような危険を防ぐためには、有底孔とした方が良い場合もある。
この構成により、熱伝導板に金属板などの電気伝導性材料を用いても、第2の孔の内壁を絶縁膜で被覆することで、信頼性の高い実装が可能となる。
この構成により、第2の孔の内壁を絶縁膜で覆う必要はなく、必要な部分のみ導電膜を形成すればよいため、短絡不良を低減することが出来る。
この構成によれば、占有面積が小さく、放熱性に優れた回路モジュールを構成することができる。
この方法によれば、接着剤層などの接着部材を介して熱伝導ピンを貼着しているため、容易に回路基板を形成することが可能となる。
さらにまた熱膨張差による接合面の応力が緩和され、長期信頼性に優れたものとなる。
また、熱伝導ピンをはめ込み式にすることで、接続用の端子部をコネクタの外周部に取り出す必要がなくなり、省スペース化を図ることができる。
さらにまたヘッドライト用の光源としてLED素子を用いる場合、光軸の角度調整が必要になり、煩雑な作業を伴う場合があるが、本発明の構成によれば、第1の孔に熱伝導ピンを挿入するとともに、第2の孔に端子ピンを挿入することで、確実かつ容易に位置合わせを行うことが出来る。
さらにコネクタへの接続部を接着剤などで固定していないため、容易に着脱可能である。
図1は本発明の実施の形態1のLED回路モジュールを示す断面図である。図2(a)及び(b)は同回路モジュールに用いられる高放熱コネクタとしてのLED素子用コネクタの上面図及びこの断面図である。図3乃至図5は同回路モジュールの実装工程を示す図である。
本実施の形態の回路モジュール1は、図1に示すように、回路基板10の第1の主面10AにLED素子チップ20を搭載するともに、第2の主面10Bに放熱機能を具えたLED素子用コネクタ50を具備し、LED素子チップからの熱をすみやかにLED素子用コネクタ50に逃がすことができ、放熱性が高く占有面積の小さい実装を可能にしたことを特徴とする。
前記基材は、絶縁構造を備えていることを特徴とする。金属製の基材に絶縁膜を備えた基材であってもよく、セラミックや、樹脂などのように基材自体が絶縁体であってもよい。絶縁体としては特に材質は限定されないがセラミックであることが望ましい。セラミックとしてはAlN(窒化アルミニウム)ベリリア、窒化珪素(Si3N4)アルミナ(Al2O3)などが利用できる。中でも窒化アルミニウムは、熱伝導率が高く、無害であるため好適に利用することができる。
回路基板10を構成する薄膜の材質は、これらに限定されず、銅層に代えてチタン層の上にNi層と金層(2層)であっても良い。
また、ボンディングワイヤ21の接続部のみ金層あるいは表面を金層で被覆したボンディングパッドを備えても良い。
まず、AlNセラミックからなるあらかじめ貫通孔12を備えた基材10S(図3(a))を用意し、まず図3(b)に示すように、第1の主面10A側にスパッタリング法によりチタン層(11a)を形成する。そして、このチタン層(11a)をシード層として無電解メッキ、電解メッキを行い、銅層(11b)を形成する。
そして図3(c)に示すように、フォトリソグラフィにより、この銅層(11b)およびチタン層(11a)をパターニングする。
図8は本発明の実施の形態2のLED回路モジュールを示す断面図である。前記実施の形態1では、ワイヤボンディングにより、LED素子チップ20を搭載したが、本実施の形態では、LED素子チップ20Fをフリップチップで回路基板10上に搭載したことを特徴とするものである。
この例では、回路基板10のボンディングパッド上にバンプ22を形成しておき、このバンプ22とLED素子チップ20Fを直接接続したものである。
LED素子用コネクタをはじめ、他の部分は前記実施の形態1と同様に形成されている。
この構成によっても放熱性に優れ、占有面積の小さい実装が可能となる。
図9は本発明の実施の形態3のLED回路モジュールを示す断面図である。前記実施の形態1および2では、高放熱コネクタ(LED素子用コネクタ)の熱伝導板50Sとなるコネクタ基材を、絶縁性材料であるセラミックで構成したが、本実施の形態では、銅(Cu)からなる金属板50Mで構成したものである。
本実施の形態では、貫通孔である第2の孔52の内壁及び第2の面50Bにポリイミド樹脂からなる絶縁膜54を形成し、電気的分離をはかるようにしたことを特徴とするものである。また、LED素子用コネクタの第2の面50Bには絶縁膜54を介して端子電極53が形成されている。
このような積層基板を用いても放熱性を高めることが可能であるが、このとき、電気的絶縁を持たせるために、コネクタ基材に導電体を用いた場合と同様、第2の孔の内壁に絶縁膜を形成する必要がある。
なお前記実施の形態1乃至3では、熱伝導ピンは段差を有する形状としたが、図10に示すように、本実施の形態の熱伝導ピン40Sでは、段差に代えてテーパ状を有する形状としたことを特徴とするものである。
この構成によれば、テーパ状の熱伝導ピン40Sを用いているため、熱伝導ピン40SのLED素子用コネクタの第1の孔51への挿入が容易となる上、強固な接続が可能となる。その結果、回路基板10のLED素子用コネクタ50への接続が容易となり、容易でかつ確実な装着が可能となる
なお、基材(AlN)、熱伝導ピン(銅)、コネクタ(Al)の物性値は下表1の通りである。
(比較例1)
10 回路基板
10A 第1の主面
10B 第2の主面
10S 基材
11a,11b 回路パターン
12 貫通孔
20 LED素子チップ
21 ボンディングワイヤ
22 バンプ
30 端子ピン
40 熱伝導ピン
41 接着部材
A 素子搭載領域
50 LED素子用コネクタ
50A 第1の面
50B 第2の面
50S 熱伝導板
50M 熱伝導板(金属板)
51 第1の孔、
52 第2の孔
53 端子部(端子電極)
54 絶縁膜
Claims (5)
- 第1および第2の面を有する熱伝導板と、
前記第1の面に形成され、
熱伝導部と係合可能な第1の孔および、電気的接続用の端子ピンと係合可能な第2の孔と、
前記第2の面に形成され、
前記端子部に対して、電気的に接続された接続用の端子部とを具備した高放熱コネクタ。 - 請求項1に記載の高放熱コネクタであって、
前記熱伝導板は、導電性の板状体で構成され、
前記第2の孔の内壁および第2の面は絶縁膜で被覆されており、
前記第2の面に前記端子ピンに接続する端子部を具備した高放熱コネクタ。 - 請求項1に記載の高放熱コネクタであって、
前記熱伝導板は、電気的に絶縁性を有する板状体で構成された高放熱コネクタ。 - 第1および第2の主面を有するとともに貫通孔の形成された基材と、前記第1の主面に形成された素子搭載領域を有する回路パターンと、前記貫通孔に挿通された端子ピンと、前記第2の主面に接続された複数の熱伝導ピンを備えた熱伝導部とを有する回路基板と、
前記回路基板上に搭載される素子チップと、
請求項1乃至3のいずれかに記載の高放熱コネクタとを具備した回路モジュール。 - 第1および第2の主面を有するとともに貫通孔の形成された基材と、前記第1の主面に形成された素子搭載領域を有する回路パターンと、前記貫通孔に挿通された端子ピンと、前記第2の主面に接続された複数の熱伝導ピンを備えた熱伝導部とを有する回路基板の製造方法であって、
絶縁性の貫通孔を備えた基材の第1の主面に配線導体層を形成し、回路パターンを形成する工程と、
前記第2の主面に接着部材を形成する工程と、
前記接着部材に前記熱伝導ピンを貼着する工程と、
前記貫通孔に端子ピンを挿通する工程とを含む回路基板の製造方法。
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