JP3527162B2 - 電子部品の放熱構造および電子部品の製造方法 - Google Patents

電子部品の放熱構造および電子部品の製造方法

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  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の部品が実装
される電子部品の放熱構造および電子部品の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】図15は、複数の部品が実装された電子
部品の構造を示している。この種の電子部品は、一般に
モジュール部品あるいはハイブリッド部品と称されてい
る。プリント基板1上の配線パターン(図示せず)に
は、トランジスタ、ダイオード、トランス等の複数の部
品2がはんだ付けされている。これ等配線パターンの一
部は、端子3により電子部品の外部に取り出されてい
る。部品2を実装したプリント基板1は、樹脂からなる
パッケージ4により封止されている。
【0003】この種の電子部品では、部品2から発生し
た熱の一部は、プリント基板1および端子3を介して外
部に放出される。部品2から発生した熱の別の一部は、
プリント基板1およびパッケージ4を介して外部に放出
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の電子部品では、パッケージ4から突出する端子3
の断面積は小さく、パッケージ4の熱伝導率は小さい。
このため、発熱量の大きいトランジスタ、ダイオード、
トランス等の部品2をプリント基板1上に実装した場
合、これ等部品2が発生する熱を十分に放熱できないと
いう問題があった。
【0005】図16は、放熱効率を向上した電子部品の
放熱構造の一例を示している。この電子部品の放熱構造
では、パッケージ4の上面に、放熱フィン5を接着剤6
で接着した例を示している。この種の放熱構造では、パ
ッケージ4の表面に伝達された熱は、放熱フィン5を介
して放熱される。しかしながら、上述したように、パッ
ケージ4の熱伝導率は小さいため、放熱フィンから放熱
される熱は、全体の一部に過ぎない。放熱フィン5をパ
ッケージ4に接着している接着剤6も、放熱効率を下げ
る要因になっている。このように、放熱フィン5を取り
付けた場合にも、十分に放熱できない場合があった。
【0006】本発明は、かかる従来の問題点を解決する
ためになされたもので、電子部品が発生する熱を効率よ
く放熱できる電子部品の放熱構造および電子部品の製造
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の電子部品の放
熱構造は、複数の部品を実装したプリント基板をパッケ
ージに収納して形成された電子部品の放熱構造であっ
て、一端を前記プリント基板に形成された導電パターン
に接続するとともに、他端を前記パッケージの外側に突
出した導電性の放熱ピンを備え、前記パッケージを形成
する封止材は、樹脂であることを特徴とする。
【0008】請求項2の電子部品の放熱構造は、複数の
部品を実装したプリント基板をパッケージに収納して形
成された電子部品の放熱構造であって、一端を前記プリ
ント基板に形成された導電パターンに接続するととも
に、他端を前記パッケージの外側に突出した導電性の放
熱ピンを備え、前記パッケージから突出する前記放熱ピ
ンの前記他端は、前記電子部品が実装されるシステムプ
リント基板の導電パターンに接続されることを特徴とす
る。
【0009】請求項3の電子部品の放熱構造は、請求項
1または請求項2記載の電子部品の放熱構造において、
前記パッケージから突出する前記放熱ピンの前記他端に
は、はんだボールが取り付けられていることを特徴とす
る。請求項4の電子部品の放熱構造は、請求項1または
請求項2記載の電子部品の放熱構造において、前記放熱
ピンの前記一端を接続する前記プリント基板の前記導電
パターンは、該プリント基板における発熱量の大きい前
記部品の実装部分に形成されたスルーホールに接続され
ていることを特徴とする。
【0010】請求項5の電子部品の放熱構造は、請求項
1または請求項2記載の電子部品の放熱構造において、
前記放熱ピンの前記一端を接続する前記プリント基板の
前記導電パターンは、発熱量の大きい前記部品の端子に
電気的に接続されていることを特徴とする。請求項6
電子部品の放熱構造は、請求項1または請求項2記載の
電子部品の放熱構造において、前記放熱ピンの前記一端
は、前記プリント基板における発熱量の大きい前記部品
の実装部分に形成されたスルーホールに挿入されている
ことを特徴とする。
【0011】請求項7の電子部品の放熱構造は、請求項
記載の電子部品の放熱構造において、前記発熱量の大
きい前記部品は、ベアチップであり、前記放熱ピンは、
該ベアチップの裏面に電気的に接続されていることを特
徴とする。請求項8の電子部品の製造方法は、プリント
基板に部品を搭載する工程と、他端が着脱自在に保持さ
れた複数の導電性を有する放熱ピンの一端を、前記プリ
ント基板に形成された導電パターン上に載置する工程
と、前記プリント基板にリードフレームを配置する工程
と、前記プリント基板と、前記部品、前記放熱ピンの前
記一端、および前記リードフレームとを、互いにはんだ
付けするリフロー工程と、リフロー工程により一体化さ
れた前記プリント基板を、前記放熱ピンの他端および前
記リードフレームの一部を突出させて樹脂封止するモー
ルド工程と、前記リードフレームの不要部分を切除する
タイバーカット工程とを有することを特徴とする。
【0012】請求項9の電子部品の製造方法は、請求項
記載の電子部品の放熱構造の製造方法において、前記
放熱ピンの前記他端にはんだボールを形成する工程を有
することを特徴とする。
【0013】(作用) 請求項1の電子部品の放熱構造では、プリント基板に実
装された部品から発生する熱は、プリント基板の導電パ
ターンに接続された放熱ピンを介してパッケージの外部
に放出される。導電パターンおよび放熱ピンとも、導電
性を有しているため、熱は効率よく伝達され、外部に放
出される。また、放熱ピンが、部品から発生する熱を直
接外部に伝達するため、熱伝導率の低い樹脂封止された
パッケージにおいても、封止された部品から発生する熱
が効率よく放出される。樹脂封止でパッケージが形成さ
れるため、放熱ピンを容易かつ確実に取り付けられる。
【0014】請求項2の電子部品の放熱構造では、プリ
ント基板に実装された部品から発生する熱は、プリント
基板の導電パターンに接続された放熱ピンを介してパッ
ケージの外部に放出される。導電パターンおよび放熱ピ
ンとも、導電性を有しているため、熱は効率よく伝達さ
れ、外部に放出される。また、部品から発生した熱は、
パッケージから突出する放熱ピンを介して、この放熱ピ
ンの他端に接続されるシステムプリント基板に伝達され
る。このため、より効率よく部品から発生した熱が放出
される。
【0015】請求項3の電子部品の放熱構造では、放熱
ピンとシステムプリント基板の導電パターンとが、はん
だボールにより確実に接続され、部品から発生した熱が
確実にシステムプリント基板側に伝達される。また、電
子部品をシステムプリント基板にはんだ付けする際に、
同時に放熱ピンをシステムプリント基板はんだ付けでき
る。
【0016】請求項4の電子部品の放熱構造では、部品
から発生する熱は、この部品の実装部分に形成されたス
ルーホールに伝達されやすい。そして、スルーホールに
伝達された熱は、導電パターンおよび放熱ピンを介して
パッケージの外部に放出される。このため、より効率よ
く部品から発生した熱が放出される。請求項5の電子部
品の放熱構造では、部品から発生する熱は、この部品の
端子および放熱ピンを介して、効率よくパッケージの外
部に放出される。
【0017】請求項6の電子部品の放熱構造では、部品
から発生する熱は、この部品の実装部分に形成されたス
ルーホールに伝達されやすい。そして、スルーホールに
伝達された熱は、スルーホールに挿入された放熱ピンを
介して、効率よくパッケージの外部に放出される。請求
項7の電子部品の放熱構造では、ベアチップから発生す
る熱は、このベアチップの裏面から放熱ピンを介してパ
ッケージの外部に放出される。熱を発生するベアチップ
に放熱ピンが直接接続されているため、さらに効率よく
部品から発生した熱が放出される。
【0018】請求項8の電子部品の放熱構造の製造方法
では、プリント基板に部品を搭載され、他端が着脱自在
に保持された複数の導電性を有する放熱ピンの一端が、
プリント基板に形成された導電パターン上に載置され
る。また、プリント基板にリードフレームが配置され
る。この後、プリント基板と、部品、放熱ピンの一端、
およびリードフレームとが、リフロー処理され互いには
んだ付けされる。リフロー工程により一体化されたプリ
ント基板は、放熱ピンの一端およびリードフレームの一
部を突出させて樹脂封止される。モールド工程の後、タ
イバーカット工程によりリードフレームの不要部分が切
除され、電子部品が製造される。複数の放熱ピンが、通
常と同様のモールド工程により一端を突出させて樹脂封
止されるため、電子部品が発生する熱を効率よく放熱で
きる電子部品を簡易な製造工程で製造できる。
【0019】請求項9の電子部品の放熱構造の製造方法
では、放熱ピンの他端にはんだボールを形成する工程を
有するため、放熱ピンとシステムプリント基板の導電パ
ターンとが、はんだボールにより確実に接続される。ま
た、電子部品をシステムプリント基板にはんだ付けする
際に、放熱ピンを同時にはんだ付けできる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明の電子部品の放熱構造の第
1の実施形態(請求項1に対応する)を示している。な
お、従来技術で説明した要素と同一の要素については、
同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省
略する。プリント基板1の部品実装面1aに形成された
配線パターン(図示せず)には、トランジスタ、ダイオ
ード、トランス等の複数の部品2がはんだ付けされてい
る。これ等部品2は、それ自体が樹脂等によりモールド
(パッケージ)されている。ダイオード等の部品2は、
一般のICに比べ発熱量が大きい。配線パターンの一部
は、端子3により電子部品の外部に取り出されている。
プリント基板1の裏面1bに形成された導電パターン1
cには、複数の放熱ピン10の一端10aが、それぞれ
はんだ付けされている。放熱ピン10は、銅材をニッケ
ルメッキしてほぼ円柱形状に形成されている。配線パタ
ーン1cは、電気的にフローティング状態のいわゆるダ
ミーパターンである。部品2および放熱ピン10を実装
したプリント基板1は、樹脂からなるパッケージ4によ
り封止されている。
【0022】パッケージ4の外側には、横方向に向けて
端子3が突出し、電子部品を実装するシステムプリント
基板12に向けて放熱ピン10の他端10bが突出して
いる。この実施形態では、端子3の先端は、放熱ピン1
0の他端10bよりシステムプリント基板12側に突出
している。このため、端子3の先端をシステムプリント
基板12の導電パターン12aにはんだ付けし、電子部
品をシステムプリント基板12に実装した際に、放熱ピ
ン10の他端10bは、システムプリント基板12に接
触しない。
【0023】上述した電子部品の放熱構造では、部品2
から発生した熱の一部は、パッケージ4内を伝達され、
パッケージ4の外側に放出される。パッケージ4は、樹
脂封止により形成されているため、熱伝導率は低い。こ
のため、パッケージ4内を伝達され、放出される熱はわ
ずかである。部品2から発生した熱の別の一部は、プリ
ント基板1および端子3を介して、パッケージ4の外側
に放出される。端子3は、断面積が小さいため、端子3
を介して放出される熱はわずかである。以上は、従来の
電子部品の放熱経路と同一である。
【0024】本実施形態では、さらに、部品2から発生
した熱の別の一部は、プリント基板1の導電パターン1
cおよび放熱ピン10を介して、パッケージ4の外側に
放出される。放熱ピン10は、端子3に比べて断面積が
大きいため、放熱ピン10を介して放出される熱量は大
きい。したがって、ダイオード等の発熱量の大きい部品
2を実装する電子部品においても、これ等部品2から発
生する熱を十分に放出することが可能になる。
【0025】以上、本発明の電子部品の放熱構造では、
プリント基板1の裏面1bに形成された導電パターン1
cに、導電性の放熱ピン10の一端10aを接続し、こ
の放熱ピン10の他端10bをパッケージ4の外部に突
出させた。このため、プリント基板1に実装されたダイ
オード等の部品2から発生する熱を、放熱ピン10を介
して、パッケージ4の外部に効率よく放出できる。
【0026】放熱ピン10を介した放熱が十分に行われ
るため、樹脂封止された熱伝導率の低いパッケージ4に
おいても、封止された部品2から発生する熱を効率よく
放出できる。樹脂封止でパッケージ4を形成したので、
放熱ピン10を容易かつ確実に取り付けできる。
【0027】さらに、部品2から発生する熱を効率よく
放出できるため、放熱フィン、放熱ファンが不要にな
る。この結果、部品コスト、システムコストを大幅に低
減できる。また、システム装置の小さく形成できる。図
2は、本発明の電子部品の放熱構造の第2の実施形態
請求項1に対応する)を示している。なお、従来技術
および第1の実施形態で説明した要素と同一の要素につ
いては、同一の符号を付し、これ等については、詳細な
説明を省略する。
【0028】この実施形態では、端子3が、第1の実施
形態と逆向きに成形されている。すなわち、プリント基
板1の部品実装面1aは、システムプリント基板12側
に位置している。部品実装面1a側のパッケージ4は、
厚いため、端子3の長さは、第1の実施形態に比べ長く
されている。その他の構造は、第1の実施形態と同一で
ある。
【0029】この実施形態においても、上述した第1の
実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、こ
の実施形態では、端子3の長さが第1の実施形態に比べ
長いため、端子3からの放熱効率を向上できる。図3
は、本発明の電子部品の放熱構造の第3の実施形態(
求項2、請求項3に対応する)を示している。なお、従
来技術および第1の実施形態で説明した要素と同一の要
素については、同一の符号を付し、これ等については、
詳細な説明を省略する。
【0030】この実施形態では、放熱ピン10の他端1
0bにはんだボール14が形成されている。システムプ
リント基板12上には、はんだボール14に対応する位
置に、導電パターン12bが形成されている。導電パタ
ーン12bは、ダミーパターン、アースパターン、電源
パターンのいずれでもよい。導電パターン12bは、放
熱ピン10が接続されたプリント基板1の導電パターン
の種類に合わせられている。その他の構造は、第1の実
施形態と同一である。
【0031】この実施形態では、電子部品のシステムプ
リント基板12へのはんだ付け時に、放熱ピン10の他
端10bが、はんだボール14を介してシステムプリン
ト基板12の導電パターン12bにはんだ付けされる。
このため、部品2から発生する熱は、放熱ピン10およ
びシステムプリント基板12を介して電子部品の外部に
放出される。
【0032】この実施形態においても、上述した第1の
実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、こ
の実施形態では、放熱ピン10の他端10bにはんだボ
ールを形成し、放熱ピン10をシステムプリント基板1
2にはんだ付けしたので、部品2から発生した熱を、確
実にシステムプリント基板12側に伝達し、より効率よ
く放出できる。
【0033】電子部品をシステムプリント基板12には
んだ付けする際に、同時に放熱ピン10をシステムプリ
ント基板12にはんだ付けできる。図4は、本発明の電
子部品の放熱構造の第4の実施形態(請求項4および請
求項5に対応する)を示している。なお、従来技術およ
び上述した実施形態で説明した要素と同一の要素につい
ては、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説
明を省略する。
【0034】この実施形態では、プリント基板1の第1
部品実装面1aに、発熱量の大きいトランス2a(部品
に対応する)が実装されている。プリント基板1の第1
部品実装面1aおよび第2部品実装面1bに、IC等の
一般の部品2が実装されている。プリント基板1には、
トランス2aの実装部分にスルーホール1dが形成され
ている。スルーホール1dは、フローティング状態のダ
ミーでもよく、アースに接続、または電源に接続しても
よい。あるいは発熱量の大きい部品の端子に接続しても
よい。スルーホール1dにおける裏面1bの開口部に
は、ランド1e(導電パターンに対応する)が形成さ
れ、このランド1eに放熱ピン10の一端10aがはん
だ付けされている。また、スルーホール1dの内部は、
はんだが充填されている。パッケージ4から突出する放
熱ピン10の他端10bには、はんだボール14が形成
されている。
【0035】この実施形態では、トランス2aから発生
する熱は、スルーホール1dおよびスルーホール1d内
のはんだを介して、放熱ピン10に伝達される。この実
施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得
ることができる。この実施形態では、発熱部品であるト
ランス2aの実装部分に、はんだを充填したスルーホー
ル1dを形成し、このスルーホール1dおよび放熱ピン
10を介して、トランス2aから発生する熱を放出し
た。このため、より効率よく、熱を放出できる。スルー
ホール1dを発熱量の大きい部品(この実施形態では、
トランス2a)の端子に接続することで、さらに放熱効
率を向上できる。
【0036】図5は、本発明の電子部品の放熱構造の第
5の実施形態(請求項4に対応する)を示している。な
お、従来技術および上述した実施形態で説明した要素と
同一の要素については、同一の符号を付し、これ等につ
いては、詳細な説明を省略する。この実施形態では、端
子3が、第4の実施形態と逆向きに成形されている。す
なわち、プリント基板1の部品実装面1aは、システム
プリント基板12側に位置している。また、放熱ピン1
0の他端10bには、はんだボールは形成されていな
い。このため、システムプリント基板12には、はんだ
ボールに対応する導電パターンは形成されていない。部
品実装面1a側のパッケージ4は、厚いため、端子3の
長さは、第4の実施形態に比べ長くされている。その他
の構造は、第4の実施形態と同一である。
【0037】この実施形態においても、上述した実施形
態と同様の効果を得ることができる。図6は、本発明の
電子部品の放熱構造の第6の実施形態(請求項6、請求
項7に対応する)を示している。なお、従来技術および
上述した実施形態で説明した要素と同一の要素について
は、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明
を省略する。
【0038】この実施形態では、プリント基板1にベア
チップ2bが搭載されている。ベアチップ2bは、プリ
ント基板1の部品実装面1aに形成されたダイパッド1
f(ベアチップを載せる導電パターン)に、銀ペースト
16等で接着されている。ベアチップ2bの各端子(図
示せず)は、ボンディングワイヤにより、プリント基板
1上に形成されたボンディングパッド1gに接続されて
いる。
【0039】また、プリント基板1には、ベアチップ2
bの実装部分にスルーホール1dが形成されている。ス
ルーホール1dには、放熱ピン18の一端18aが圧入
されている。放熱ピン18は、銅材にニッケルメッキし
てほぼ円柱形状に形成されており、一端18a側には、
放熱ピン18のスルーホール1dへの挿入を規制するフ
ランジ18bが形成されている。スルーホール1dにお
ける放熱ピン18の一端18aとダイパッド1fとの間
隙には、はんだあるいは導電性の樹脂が充填されてい
る。すなわち、ベアチップ2bは、銀ペースト16、ダ
イパッド1fを介して放熱ピン18に電気的に接続され
ている。放熱ピン18の他端18cには、はんだボール
14が形成されている。システムプリント基板12上に
は、はんだボール14に対応する位置に、導電パターン
12bが形成されている。
【0040】この実施形態では、ベアチップ2bから発
生する熱は、ベアチップ2bの裏面から銀ペースト1
6、ダイパッド1fに直接伝達され、さらにスルーホー
ル1dおよびスルーホール1d内のはんだを介して、放
熱ピン10に伝達される。この実施形態においても、上
述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さら
に、この実施形態では、ベアチップ2bから発生する熱
を、パッケージ4の外部に直接放出したので、より効率
よく熱を放出できる。
【0041】図7は、本発明の電子部品の放熱構造の第
7の実施形態(請求項6、請求項7に対応する)を示し
ている。この実施形態では、端子3が、第4の実施形態
と逆向きに成形されている。すなわち、プリント基板1
の部品実装面1aは、システムプリント基板12側に位
置している。また、放熱ピン10の他端10bには、は
んだボールは形成されていない。このため、システムプ
リント基板12には、はんだボールに対応する導電パタ
ーンは形成されていない。部品実装面1a側のパッケー
ジ4は、厚いため、端子3の長さは、第4の実施形態に
比べ長くされている。その他の構造は、第4の実施形態
と同一である。
【0042】この実施形態においても、上述した実施形
態と同様の効果を得ることができる。図8ないし図14
は、本発明の電子部品の製造方法の一実施形態(請求項
8、請求項9に対応する)を示している。この実施形態
では、部品搭載工程、放熱ピン搭載工程、リードフレー
ム搭載工程、リフロー工程、モールド工程、タイバーカ
ット工程、リードフォーミング工程、およびはんだボー
ル形成工程が行われ、電子部品が製造される。
【0043】図8は、部品搭載工程を示している。部品
搭載工程では、プリント基板1に形成された導電パター
ン1cに、クリームはんだ等が印刷され、部品2が仮実
装される、図9は、放熱ピン搭載工程を示している。放
熱ピン搭載工程では、複数の凹部20aを有するキャッ
プ部材20(ジグ)に、複数の放熱ピン10の他端10
bが圧入される。キャップ部材20は、PBT(ポリブチ
レンテレフタレート)等の高耐熱の樹脂で形成されてお
り、凹部20aは径方向にわずかに弾性を有している。
【0044】放熱ピン10は、他端10bを凹部20b
に保持された状態で、一端10aが導電パターン1c上
に載置される。キャップ部材20を用いて複数の放熱ピ
ン10を一度に保持しているため、放熱ピン10は、容
易かつ確実に所定の導電パターン1c上に載置される。
図10は、リードフレーム搭載工程およびリフロー工程
を示している。
【0045】リードフレーム搭載工程では、プリント基
板1の周囲にリードフレーム3aが配置される。このと
き、リードフレーム3aおよびプリント基板1は、支持
台22(ジグ)により支持されている。この状態で、プ
リント基板1およびリードフレーム3aが、支持台22
とともにはんだ炉に入れられ、例えば赤外線リフローさ
れる。
【0046】図11は、リフロー工程後の状態を示して
いる。プリント基板1と、部品2、放熱ピン10の一端
10a、およびリードフレーム3aとは、互いにはんだ
付けされている。また、リフロー工程の後、キャップ部
材20(図示せず)が取り外される。図12は、モール
ド工程を示している。
【0047】モールド工程では、図示しないモールド金
型内にプリント基板1が配置され、例えば、溶融した熱
硬化性の樹脂がモールド金型内に流し込まれ、プリント
基板1および部品2が樹脂封止される。ここで、モール
ド金型には、リードフレーム3aを挟持する隙間、およ
び放熱ピン10の他端10bを突出する貫通穴が形成さ
れている。そして、モールド金型が取り外され、樹脂封
止された状態の電子部品が形成される。モールド工程
は、金型の形状が相違することと以外、通常のモールド
工程と同様である。
【0048】図13は、タイバーカット工程およびリー
ドフォーミング工程を示している。タイバーカット工程
では、リードフレーム3a(図示せず)の不要部分が切
除され、端子3が形成される。リードフォーミング工程
では、端子3が所定の角度に折曲される。図14は、は
んだボール形成工程を示している。
【0049】はんだボール形成工程では、放熱ピン10
の他端10bに、はんだボールが形成される。そして、
電子部品の製造工程が完了する。以上、この実施形態の
電子部品の製造方法では、キャップ部材20により複数
の放熱ピン10を支持したので、これ等放熱ピン10を
従来と同様のモールド工程を使用して、容易に樹脂封止
できる。
【0050】複数の放熱ピン10を、通常と同様のモー
ルド工程により他端10bを突出させて樹脂封止したの
で、電子部品が発生する熱を効率よく放熱できる電子部
品を、従来と同様の製造工程で製造できる。放熱ピン1
0の他端にはんだボール14を形成する工程を有するた
め、放熱ピン10とシステムプリント基板の導電パター
ンとを、はんだボール14により確実に接続でき、部品
2から発生する熱を確実に放出できる。また、電子部品
をシステムプリント基板にはんだ付けする際に、放熱ピ
ン10を同時にはんだ付けできる。
【0051】なお、上述した電子部品の放熱構造の第1
の実施形態では、放熱ピン10を、銅材をニッケルメッ
キして形成した例について述べた。本発明はかかる実施
形態に限定されるものではなく、例えば、銅材をはんだ
メッキして形成してもよい。上述した電子部品の放熱構
造の第1の実施形態では、放熱ピン10を、ほぼ円柱形
状に形成した例について述べた。本発明はかかる実施形
態に限定されるものではなく、例えば、四角柱形状に形
成してもよい。
【0052】上述した電子部品の放熱構造の第1の実施
形態では、放熱ピン10を、プリント基板1の裏面1b
に形成されたフローティングの導電パターン1cにはん
だ付けした例について述べた。本発明はかかる実施形態
に限定されるものではなく、例えば、アースの導電パタ
ーン、電源の導電パターン等にはんだ付けしてもよい。
上述した電子部品の放熱構造の第1の実施形態では、ダ
イオード等のモールドされた部品2をプリント基板1に
実装し、この部品2から発生する熱を放熱ピン10を利
用して放出する例について述べた。本発明はかかる実施
形態に限定されるものではなく、例えば、ベアチップを
プリント基板1に実装し、このベアチップから発生する
熱を放熱ピン10を利用して放出してもよい。
【0053】電子部品を両面実装した基板に適用しても
よい。
【0054】
【発明の効果】請求項1の電子部品の放熱構造では、プ
リント基板に実装された部品から発生する熱を、プリン
ト基板の導電パターンに接続された導電性の放熱ピンを
介して、パッケージの外部に効率よく放出できる。
た、熱伝導率の低い樹脂封止されたパッケージにおいて
も、封止された部品から発生する熱を効率よく放出でき
る。樹脂封止でパッケージが形成されるため、放熱ピン
を容易かつ確実に取り付けできる。
【0055】請求項2の電子部品の放熱構造では、プリ
ント基板に実装された部品から発生する熱を、プリント
基板の導電パターンに接続された導電性の放熱ピンを介
して、パッケージの外部に効率よく放出できる。また、
部品から発生した熱を、より効率よく放出できる。
【0056】請求項3の電子部品の放熱構造では、はん
だボールにより、放熱ピンとシステムプリント基板の導
電パターンとを確実に接続でき、部品から発生した熱を
確実にシステムプリント基板側に伝達できる。また、電
子部品をシステムプリント基板にはんだ付けする際に、
同時に放熱ピンをシステムプリント基板にはんだ付けで
きる。
【0057】請求項4ないし請求項6の電子部品の放熱
構造では、部品から発生した熱を、より効率よく放出で
きる。請求項7の電子部品の放熱構造では、熱を発生す
るベアチップに放熱ピンが電気的に直接接続されている
ため、さらに効率よく部品から発生した熱を放出でき
る。
【0058】請求項8の電子部品の放熱構造の製造方法
では、複数の放熱ピンが、通常と同様のモールド工程に
より他端を突出させて樹脂封止されるため、電子部品が
発生する熱を効率よく放熱できる電子部品を簡易な製造
工程で製造できる。請求項9の電子部品の放熱構造の製
造方法では、放熱ピンとシステムプリント基板の導電パ
ターンとを、はんだボールにより確実に接続できる。ま
た、電子部品をシステムプリント基板にはんだ付けする
際に、放熱ピンを同時にはんだ付けできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子部品の放熱構造の第1の実施形態
を示す断面図である。
【図2】本発明の電子部品の放熱構造の第2の実施形態
を示す断面図である。
【図3】本発明の電子部品の放熱構造の第3の実施形態
を示す断面図である。
【図4】本発明の電子部品の放熱構造の第4の実施形態
を示す断面図である。
【図5】本発明の電子部品の放熱構造の第5の実施形態
を示す断面図である。
【図6】本発明の電子部品の放熱構造の第6の実施形態
を示す断面図である。
【図7】本発明の電子部品の放熱構造の第7の実施形態
を示す断面図である。
【図8】本発明の電子部品の製造方法の一実施形態にお
ける部品搭載工程を示す断面図である。
【図9】本発明の電子部品の製造方法の一実施形態にお
ける放熱ピン搭載工程を示す断面図である。
【図10】本発明の電子部品の製造方法の一実施形態に
おけるリードフレーム搭載工程およびリフロー工程を示
す断面図である。
【図11】本発明の電子部品の製造方法の一実施形態に
おけるリフロー工程後の状態を示す断面図である。
【図12】本発明の電子部品の製造方法の一実施形態に
おけるモールド工程を示す断面図である。
【図13】本発明の電子部品の製造方法の一実施形態に
おけるタイバーカット工程およびリードフォーミング工
程を示す断面図である。
【図14】本発明の電子部品の製造方法の一実施形態に
おけるはんだボール形成工程を示す断面図である。
【図15】従来の複数の部品が実装された電子部品を示
す断面図である。
【図16】従来の放熱フィンを取り付けた電子部品を示
す断面図である。
【符号の説明】
プリント基板1 1a 部品実装面、第1部品実装面 1b 裏面、第2部品実装面 1c 配線パターン 1d スルーホール 1e ランド 1f ダイパッド 1g ボンディングパッド 2 部品 2a トランス 2b ベアチップ 3 端子 3a リードフレーム 4 パッケージ 10 放熱ピン 10a 一端 10b 他端 12 システムプリント基板 12a、12b 導電パターン 14 はんだボール 16 銀ペースト 18 放熱ピン 18a 一端 18c 他端 20 キャップ部材 22 支持台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−151055(JP,A) 特開 平3−235356(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/36 H01L 25/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の部品を実装したプリント基板をパ
    ッケージに収納して形成された電子部品の放熱構造であ
    って、 一端を前記プリント基板に形成された導電パターンに接
    続するとともに、他端を前記パッケージの外側に突出し
    た導電性の放熱ピンを備え 前記パッケージを形成する封止材は、樹脂である ことを
    特徴とする電子部品の放熱構造。
  2. 【請求項2】 複数の部品を実装したプリント基板をパ
    ッケージに収納して形成された電子部品の放熱構造であ
    って、 一端を前記プリント基板に形成された導電パターンに接
    続するとともに、他端を前記パッケージの外側に突出し
    た導電性の放熱ピンを備え、 前記パッケージから突出する前記放熱ピンの前記他端
    は、前記電子部品が実装されるシステムプリント基板の
    導電パターンに接続される ことを特徴とする電子部品の
    放熱構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の電子部品
    の放熱構造において、前記パッケージから突出する前記放熱ピンの前記他端に
    は、はんだボールが取り付けられている ことを特徴とす
    る電子部品の放熱構造。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載の電子部品
    の放熱構造において、前記放熱ピンの前記一端を接続する前記プリント基板の
    前記導電パターンは、該プリント基板における発熱量の
    大きい前記部品の実装部分に形成されたスルーホールに
    接続されている ことを特徴とする電子部品の放熱構造。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載の電子部品
    の放熱構造において、前記放熱ピンの前記一端を接続する前記プリント基板の
    前記導電パターンは、発熱量の大きい前記部品の端子に
    電気的に接続されている ことを特徴とする電子部品の放
    熱構造。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2記載の電子部品
    の放熱構造において、前記放熱ピンの前記一端は、前記プリント基板における
    発熱量の大きい前記部品の実装部分に形成されたスルー
    ホールに挿入されている ことを特徴とする電子部品の放
    熱構造。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の電子部品の放熱構造にお
    いて、前記発熱量の大きい前記部品は、ベアチップであり、前
    記放熱ピンは、該ベアチップの裏面に電気的に接続され
    ている ことを特徴とする電子部品の放熱構造。
  8. 【請求項8】 プリント基板に部品を搭載する工程と、 他端が着脱自在に保持された複数の導電性を有する放熱
    ピンの一端を、前記プリント基板に形成された導電パタ
    ーン上に載置する工程と、 前記プリント基板にリードフレームを配置する工程と、 前記プリント基板と、前記部品、前記放熱ピンの前記一
    端、および前記リードフレームとを、互いにはんだ付け
    するリフロー工程と、 リフロー工程により一体化された前記プリント基板を、
    前記放熱ピンの他端および前記リードフレームの一部を
    突出させて樹脂封止するモールド工程と、 前記リードフレームの不要部分を切除するタイバーカッ
    ト工程とを有することを特徴とする電子部品の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の電子部品の放熱構造の製
    造方法において、 前記放熱ピンの前記他端にはんだボールを形成する工程
    を有する ことを特徴とする電子部品の製造方法。
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