JP3599566B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体装置の製造技術、特に、表面実装形樹脂封止パッケージを備えている半導体集積回路装置の放熱性能の向上技術に関するもので、例えば、多ピン、低熱抵抗で、小型かつ低価格化が要求される半導体集積回路装置(以下、ICという。)に利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ICの多機能化、高集積化、高速化が進む最近、ピン数の多い表面実装形樹脂封止パッケージを備えているICにおいては、熱放散性(放熱性)の良好な、ないしは、低熱抵抗形のICの開発が要望されている。そこで、放熱性の良好な表面実装形樹脂封止パッケージを備えている低熱抵抗形ICとして、日本国特許庁公開公報特開平3−286558号には、次のように構成されているものが提案されている。
【0003】
すなわち、この低熱抵抗形ICは、半導体ペレットがボンディングされているタブに放熱フィンリードが一体的に連設されているとともに、この放熱フィンリードに樹脂封止パッケージ(樹脂封止体)の外部に突出された放熱フィンが一体的に連設されており、さらに、樹脂封止パッケージ内にはヒートシンクの少なくとも一部が前記タブの前記半導体ペレットボンディング端面と反対側の端面に配されて埋設され、かつ、このヒートシンクは樹脂封止パッケージの内部において前記放熱フィンリードに機械的に結合されていることを特徴とする。
【0004】
ところで、1990年2月制定の日本電子機械工業会規格「EIAJ ED−7417」においては、樹脂封止体の一部をバンパとして突出させることにより、アウタリードの変形を防止するバンパ付きクワッド・フラット・パッケージ(以下、BQFPという。)が、規定されている。
【0005】
このBQFPによれば、バンパによってアウタリードの変形を防止することができる。しかし、このBQFPにおいては、バンパが樹脂によって形成されているため、放熱性能の向上は期待することができない。そこで、放熱性能を高めることができるとともに、アウタリードの変形を防止することができるQFP・ICとして、日本国特許庁公開公報特開平5−218262号には、次のように構成されているものが提案されている。
【0006】
この低熱抵抗形QFP・ICは、半導体ペレットがボンディングされているタブに放熱フィンリードが一体的に連設されているとともに、この放熱フィンリードに樹脂封止パッケージ(樹脂封止体)の外部に突出された放熱フィンが一体的に連設されており、さらに、この放熱フィンの先端はアウタリードの先端よりも外側へ突出されていることを特徴とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者においては、ヒートシンクが放熱フィンリードに機械的に結合されているため、放熱フィンリードの無い半導体装置については適用することができないという問題点がある。また、多連リードフレームに単位ヒートシンクを結合した後に、ペレットボンディング、ワイヤボンディング、樹脂封止が実施されるため、製造コストが高くなるという問題点もある。
【0008】
また、後者においては、樹脂封止パッケージのコーナー部のみからタブと一体の放熱フィンが外部へ突出した構造であるため、充分な放熱性能が得られないという問題点がある。
【0009】
本発明の目的は、放熱性能を高めつつ、アウタリードの変形を防止することができる半導体装置を、製造コストを低減しつつ製造することができる製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、次の通りである。
【0012】
すなわち、半導体ペレットと、この半導体ペレットに電気的に接続された複数本のインナリードと、前記インナリードのそれぞれに一体的に連結された各アウタリードと、前記半導体ペレットおよび前記インナリード群を樹脂封止する樹脂封止体とを備えており、前記樹脂封止体が四辺形の平盤形状に形成されているとともに、前記アウタリード群が前記樹脂封止体の四辺からそれぞれ引き出されている半導体装置の製造方法であって、
前記アウタリード群および前記インナリード群が半導体ペレット配置用空所を中心にして四方に放射状に配設されているとともに、フレームに一体的に保持されているリードフレームが準備される工程と、
前記リードフレームとは別体かつ前記リードフレームよりも厚く形成されており、前記半導体ペレットがボンディングされる主面を有するとともに、4つのバンパが一体的に形成されているヒートシンクが準備される工程と、
前記ヒートシンクの少なくとも一対の前記バンパの外側において前記リードフレームと前記ヒートシンクとがそれぞれ結合される工程と、
前記半導体ペレットが前記ヒートシンクの一主面にボンディングされる工程と、
前記半導体ペレットに前記インナリード群が電気的に接続される工程と、
前記樹脂封止体が前記半導体ペレットと、前記インナリード群と、前記ヒートシンクの少なくとも半導体ペレット側主面とを樹脂封止し、かつ、前記4つのバンパが前記樹脂封止体の4つの角部より突出するように樹脂成形される工程と、
を備えていることを特徴とする。
【0013】
【作用】
前記した製造方法によって製造された半導体装置によれば、半導体ペレットの発熱はヒートシンクに熱伝導によって伝達されるため、相対的に半導体ペレットはきわめて効果的に冷却されることになる。
【0014】
また、樹脂封止体のコーナ部に配設されたバンパの先端がアウタリードの先端よりも外側へ突出されているため、製品組立時やユーザ納入時およびユーザでの実装時にパッケージに外力が不測に加わった場合にバンパが外力を吸収することにより、アウタリードの変形を防止することができる。
【0015】
前記した半導体装置の製造方法によれば、ヒートシンクとリードフレームとの結合部は樹脂封止体の内部に埋め込まれないため、その結合部によって樹脂封止体の内部におけるインナリードの配線レイアウトが規制されることはない。また、配線レイアウトの自由度が増した分、バンパを配置することができるため、放熱フィンを有しない半導体装置であっても製造することができる。
【0016】
ヒートシンクがリードフレームに結合されることにより、半導体ペレットおよびインナリードに対する各種作業を実施する組立装置は、従来のものとの共用化を図ることができる。また、結合前には、ヒートシンクはリードフレームと別体になっているため、ヒートシンクだけの厚板化をきわめて容易に実行することができ、その結果、放熱性能を簡単により一層向上させることができる。
【0017】
【実施例】
図1は本発明の一実施例である半導体装置の製造方法により製造された低熱抵抗形QFP・ICを示しており、(a)は一部切断平面図、(b)は一部切断正面図、(c)は対角線に沿う断面図である。図2以降は本発明の一実施例であるそのQFP・ICの製造方法を示す各説明図である。
【0018】
本実施例において、本発明に係る半導体装置は、低熱抵抗を実現するための半導体集積回路装置(以下、ICという。)である放熱性の良好な樹脂封止形クワッド・フラット・パッケージを備えているIC(以下、低熱抵抗形QFP・ICという。)として構成されている。この低熱抵抗形QFP・IC29は図1に示されているように構成されている。
【0019】
すなわち、低熱抵抗形QFP・IC29は、正方形の小板形状に形成されているシリコン半導体ペレット(以下、ペレットという。)23と、ペレット23がボンディングされているヒートシンク15と、ペレット23の四辺において放射状に配線されている複数本のインナリード9と、ペレット23の各電極パッド23aと各インナリード9との間にその両端部をそれぞれボンディングされて橋絡されているワイヤ25と、各インナリード9にそれぞれ一体的に連結されているアウタリード8と、ペレット23、ヒートシンク15の一部、インナリード9群およびワイヤ25群を樹脂封止している樹脂封止体27とを備えている。樹脂封止体27は絶縁性を有する樹脂が使用されてペレット23によりも充分に大きい正方形の平盤形状に樹脂成形されている。ヒートシンク15は熱伝導性の良好な材料が使用されて、樹脂封止体27よりも小さくペレット23よりも大きい正方形の平板形状に形成されている。ヒートシンク15の4箇所のコーナ部には各バンパ18が一体的にそれぞれ突設されており、各バンパ18は樹脂封止体27の4箇所のコーナ部から外方へ対角線に沿って突出されている。各バンパ18における樹脂封止体27の各辺に平行な端辺は、ガルウイング形状に屈曲されたアウタリード8の先端列よりも外側にそれぞれ配置されている。そして、この低熱抵抗形QFP・IC29は次に説明される製造方法によって製造されている。
【0020】
以下、本発明の一実施例であるこの低熱抵抗形QFP・ICの製造方法を説明する。この説明により、前記低熱抵抗形QFP・IC29についての構成の詳細が共に明らかにされる。
【0021】
本実施例において、低熱抵抗形QFP・ICの製造方法には、図2に示されている多連リードフレーム1が使用されている。この多連リードフレーム1は銅系材料(銅または銅合金)からなる薄板が用いられて、打ち抜きプレス加工またはエッチング加工等の適当な手段により一体成形されている。この多連リードフレーム1の表面には後述するワイヤボンディングを適正に実施するためのめっき被膜(図示せず)が、銀(Ag)等を用いためっき加工によって被着されている。この多連リードフレーム1は複数の単位リードフレーム(以下、リードフレームという。)2が横方向に1列に並設されて構成されている。なお、多連リードフレーム1は図2の一点鎖線間において同じパターンが繰り返されるため、説明および図示は原則として一単位について行われている。
【0022】
リードフレーム2は第1フレーム外枠(トップレール)3、第2フレーム外枠(ボトムレール)4、第3フレーム外枠(サイドレール)5および第4フレーム外枠(サイドレール)6を備えており、これらフレーム外枠3、4、5、6は正方形の枠形状に形成されている。第1フレーム外枠3および第2フレーム外枠4にはパイロットホール3a、4aがそれぞれ開設されており、第3フレーム外枠5および第4フレーム外枠6には機械的結合用の小孔(以下、結合孔という。)5a、6aと、位置決め用の小孔(以下、位置決め孔という。)5b、6bとが、一対の対角位置のそれぞれに分配されて開設されている。第1フレーム外枠3と第3フレーム外枠5と接続位置にはサブランナ配置用の切欠部3bが切設されており、第1フレーム外枠3はこの切欠部3bの箇所において片持ちの状態になっている。
【0023】
4本のフレーム外枠3、4、5、6によって形成された正方形の枠内には、ペレットに対応する大きさの正方形の半導体ペレット配置用空所7が相似形に配されて仮想的に形成されている。4本のフレーム外枠3、4、5、6の内周辺にはアウタリード8が複数本ずつ、各フレーム外枠の辺において互いに平行で等間隔に配されて直角にそれぞれ突設されている。各アウタリード8にはインナリード9がそれぞれ一体的に連結されており、各インナリード9は空所7に対して放射状にそれぞれ配置されているとともに、その内側先端が空所7の各辺において略一直線状にそれぞれ揃えられている。隣合うアウタリード8、8間にはダム・バー10が直角に架設されており、各ダム・バー10は一列のアウタリード群において一直線状に整列された状態になっている。
【0024】
本実施例において、低熱抵抗形QFP・ICの製造方法には、図3に示されている多連ヒートシンク組立体11が使用されている。この多連ヒートシンク組立体11は銅系材料(銅または銅合金)からなる板材であって、厚さが多連リードフレーム1よりも4倍程度厚い板材が用いられて、打ち抜きプレス加工により一体成形されている。この多連ヒートシンク組立体11は複数の単位ヒートシンク組立体(以下、ヒートシンク組立体という。)12が横方向に1列に並設されて構成されており、各ヒートシンク組立体12は前記した多連リードフレーム1の各リードフレーム2に整合するように配列されている。なお、多連ヒートシンク組立体11は図3の一点鎖線間において同じパターンが繰り返されるため、説明および図示は原則として一単位について行われている。
【0025】
ヒートシンク組立体12は第1外枠(トップレール)13および第2外枠(ボトムレール)14を備えており、両外枠13、14は互いに平行に配設されている。第1外枠13と第2外枠14とによって形成された平行の空間内にはヒートシンク15が正方形の板形状に形成されており、このヒートシンク15の正方形は樹脂封止体よりも小さくペレットよりも大きくなるように設定されている。このヒートシンク15におけるペレットボンディング側主面の表面には後述するペレットボンディングを適正に実施するためのめっき被膜(図示せず)が銀(Ag)等を用いためっき加工によって被着されている。
【0026】
ヒートシンク15の四辺には各切欠部16Aが各辺の中央部にそれぞれ配されて、短辺側が内側になった台形形状に切設されている。また、ヒートシンク15の側面には段付部16Bが、上面側に鍔が構成されるように形成されている。ヒートシンク15の四隅には各バンパ吊りバー17が対角線方向外向きにそれぞれ突出されて、一定幅一定厚さの板形状に形成されている。各バンパ吊りバー17の外側には正方形で一定厚さの板形状に形成されたバンパ18が、対角線をヒートシンク15の対角線に一致されてそれぞれ突設されている。各バンパ18の正方形の大きさは、外側で互いに交わる2辺の先端がガルウイング形状に屈曲されたアウタリードの先端よりも外側になるように設定されている。4個のバンパ18は第1外枠13および第2外枠14に一体的にそれぞれ連結されており、第1外枠13および第2外枠14は各バンパ18、各バンパ吊りバー17およびヒートシンク15を介して相対的に連結された状態になっている。
【0027】
第1外枠13および第2外枠14にはインナリードをヒートシンクから浮かせるための段差部19が、第1外枠13の片側を除く3箇所のバンパ18の外側にそれぞれ配されて、各段差部19の上面が同一平面となるようにプレス加工によって形成されている。段差部19の高さは、インナリードとヒートシンク15との間の絶縁ギャップを確保し得る寸法の最小値に設定されている。第1外枠13および第2外枠14における3箇所の段差部19の上面には、機械的結合用の一対の凸部(以下、結合凸部という。)13a、14aと、位置決め用の凸部(以下、位置決め凸部という。)14bとが、ヒートシンク15の中心周りに90度の位相差を持つ各位置のそれぞれに分配されてプレス加工によって突設されている。また、第1外枠13の段差部19が形成されていない位置には第2外枠14の位置決め凸部14bと対になる凸部13bが、ヒートシンク15の中心に対して対角線上に突設されている。そして、これら凸部13a、14aおよび13b、14bは前記した結合孔5a、6aおよび位置決め孔5b、6bにそれぞれ対応されている。
【0028】
第1外枠13における位置決め凸部13bの近傍位置にはサブランナ配置用の突出部20が直角方向に外向きに突設されており、この突出部20は前記したリードフレーム2におけるサブランナ配置用の切欠部3bに対応するようになっている。この突出部20の第1外枠13から離れる方向の長さは後記するサブランナの長さに対応するように設定されており、この長さ方向に直交する横幅はサブランナの幅よりも大きくなるように設定されている。
【0029】
前記構成に係る多連リードフレーム1と多連ヒートシンク組立体11とは一体化工程において、各単位が図4に示されているように重なり合うように一体化される。すなわち、リードフレーム2とヒートシンク組立体12とはペレット配置用空所7とヒートシンク15とが同心になるように配置されて上下に重ね合わされる。この際、リードフレーム2側の結合孔5a、6aおよび位置決め孔5b、6bにヒートシンク組立体12側の結合凸部13a、14aおよび位置決め凸部13b、14bがそれぞれ挿入され、各段差部19が両結合孔5a、6aおよび両位置決め孔6bの裏面開口縁辺に係合される。これにより、リードフレーム2とヒートシンク組立体12とは精密に位置合わせされた状態になる。続いて、両結合凸部13a、14aの上端部がかしめ加工されることにより、両結合孔5a、6aよりも大径のリベット頭形状の結合部21がそれぞれ形成される。両結合部21、21が両段差部19、19との間でリードフレーム2における両結合孔5a、6aの開口縁辺部を挟むことにより、リードフレーム2とヒートシンク組立体12とは重ね合わされて固定化された状態になる。
【0030】
なお、重ね合わせ作業、挿入作業およびかしめ加工は、複数個のリードフレーム2およびヒートシンク組立体12について同時に実施することができる。したがって、作業性はきわめて良好である。
【0031】
このようにしてリードフレーム2とヒートシンク組立体12とが上下に重ね合わされて結合された結合体22において、上側のリードフレーム2におけるインナリード9群の内側先端部は下側のヒートシンク組立体12におけるヒートシンク15の外周縁部に上から見て所定の寸法だけ内側に入って重なった状態になっているとともに、ヒートシンク15の上面に対しては段差部19の高さだけ極僅かに浮かされた状態になっている。
【0032】
以上のようにして多連リードフレーム1と多連ヒートシンク組立体11とが結合された結合体22には、ペレットボンディング工程においてペレットボンディング作業が各ヒートシンク15毎に実施され、続いて、ワイヤボンディング工程において各ペレットおよびリードフレーム2毎にワイヤボンディングが実施される。この際、結合体22が多連に構成されているため、これらボンディング作業は結合体22が長手方向にピッチ送りされることにより各単位毎に順次実施される。このとき、多連リードフレーム1の厚さや外形は従来の多連リードフレームと同一であるため、これら作業の実施に際しては、従来のペレットボンディング装置、ワイヤボンディング装置を使用することができる。
【0033】
図5に示されているように、ペレット23はヒートシンク15よりも小さい正方形の板形状に形成されている。このペレット23はヒートシンク15の上面に相似形に配されて、ヒートシンク15とペレット23との間に形成されたボンディング層24によって固着されている。本実施例において、ボンディング層24ははんだ層によって形成されている。すなわち、ヒートシンク15の上面にはんだ箔が置かれて加熱された状態ではんだ箔にペレット23が擦り付けられて形成されたはんだボンディング層24によって、ペレット23はヒートシンク15上にボンディングされている。
【0034】
なお、このボンディング層としては、はんだ層以外に、金−シリコン共晶層や銀ペースト接着層等々を使用することができる。但し、形成されたボンディング層はペレット23からヒートシンク15への熱伝達の障壁にならないように形成することが望ましい。ちなみに、はんだボンディング層24は熱伝達率が高いばかりでなく、柔軟性に富むため、ペレット23とヒートシンク15との間に作用する機械的応力を吸収することができる。
【0035】
また、ペレット23は半導体装置の製造工程における所謂前工程においてウエハの状態で半導体素子群や配線回路等からなる集積回路を作り込まれた後に、ダイシング工程において所定の形状に分断されて製造される。
【0036】
図5に示されているように、ペレット23と各インナリード9とを電気的に接続するためのワイヤ25は、その両端部をペレット23の電極パッド23aとインナリード9の先端部とにそれぞれボンディングされて両者間に橋絡されている。ここで、インナリード9の内側先端部がヒートシンク15の外周辺部に重なった状態になっていることにより、インナリード側のワイヤボンディング作業に際して、ワイヤ25の押接に対する反力をヒートシンク15に求めることができるため、このワイヤボンディング作業の実施に際して、従来の熱圧着式ワイヤボンディング装置や超音波熱圧着式ワイヤボンディング装置および超音波式ワイヤボンディング装置を使用することができる。
【0037】
以上のペレットボンディング作業およびワイヤボンディング作業によって、ペレット23に作り込まれている集積回路は、電極パッド23a、ボンディングワイヤ25、インナリード9を介して電気的に外部に引き出されることになる。
【0038】
このようにして結合体22にペレット23およびワイヤ25がボンディングされた図5に示されている組立体(以下、成形ワークという。)26には、樹脂封止体成形工程において、図6〜図8に示されているトランスファ成形装置30が使用されて図9に示されている樹脂封止体27が各単位について同時に成形される。
【0039】
図6〜図8に示されているトランスファ成形装置30はシリンダ装置等(図示せず)によって互いに型締めされる一対の上型31と下型32とを備えている。上型31と下型32との合わせ面には上型キャビティー凹部33aと下型キャビティー凹部33bとが複数組、互いに協働してキャビティー33を形成するようにそれぞれ没設されている。但し、図示および説明は多連リードフレームおよび多連ヒートシンク組立体と同様に一単位について行われている。このキャビティー33は成形ワーク26におけるリードフレーム2のダム・バー10が画成する正方形に対応されている。キャビティー33の全高は成形ワーク26の全高よりも僅かに大きく設定されている。上型キャビティー凹部33aの深さは、成形ワーク26におけるワイヤ25のリードフレーム2からの上方突出高さよりも僅かに大きくなるように設定されている。下型キャビティー凹部33bの深さは、成形ワーク26におけるヒートシンク15の下面から段差部19の上面迄の高さと等しくなるように設定されている。
【0040】
下型32の合わせ面にはポット34が開設されており、ポット34にはシリンダ装置(図示せず)により進退されるプランジャ35が成形材料としての樹脂(以下、レジンという。)を送給し得るように挿入されている。上型31の合わせ面にはカル36がポット34との対向位置に配されて没設されているとともに、互いに連通されたメインランナ37およびサブランナ38がメインランナ37の一端をカル36に接続されて没設されている。サブランナ38の他端は上側キャビティー凹部33aにおける後記する所定のコーナ部に形成されたゲート39に接続されており、ゲート39はレジンをキャビティー33内に注入し得るように形成されている。
【0041】
本実施例において、下型32の合わせ面にはバンパ吊りバー収容穴40が4個、下型キャビティー凹部33bの4箇所のコーナ部に配されて、その深さがキャビティー凹部33bに一体的に連続するようにそれぞれ没設されている。したがって、下型キャビティー凹部33bの各コーナ部は角を切り欠かれて開口した状態になっている。各バンパ吊りバー収容穴40の平面形状はヒートシンク組立体12のバンパ吊りバー17の平面形状に対応されており、したがって、各バンパ吊りバー収容穴40は各バンパ吊りバー17をそれぞれ収容するようになっている。下型32の合わせ面における各バンパ吊りバー収容穴40の外側位置にはバンパ収容穴41が、その深さがバンパ吊りバー収容穴40に一体的に連続するようにそれぞれ没設されている。各バンパ収容穴41の平面形状はヒートシンク組立体12のバンパ18の平面形状に対応されており、したがって、各バンパ収容穴41は各バンパ18をそれぞれ収容するようになっている。
【0042】
さらに、下型32の合わせ面における上型31のゲート39に対応する位置のバンパ収容穴41の外側には突出部収容穴42が、その深さがバンパ収容穴41に連続し、かつ、その一部がバンパ収容穴41に重なるように没設されている。突出部収容穴42はヒートシンク組立体12の突出部20の平面形状に対応されており、したがって、この収容穴42は突出部20を収容するようになっている。また、下型32の合わせ面には逃げ溝43が一対、キャビティー凹部33bから適度に離れた両脇位置に没設されている。
【0043】
他方、上型31の合わせ面にはバンパ吊りバー収容穴埋め戻し用の凸部44が4個、上型キャビティー凹部33aの4箇所のコーナ部にそれぞれ配されて没設されている。各凸部44の平面形状はバンパ吊りバー収容穴40の平面形状に対応されており、各凸部44の高さは、バンパ吊りバー収容穴40の深さからバンパ吊りバー17の厚さを減じた値に設定されている。したがって、バンパ吊りバー収容穴40はこの凸部44とバンパ吊りバー17とによって埋め戻されるようになっている。つまり、下型キャビティー凹部33bの各コーナ部にバンパ吊りバー収容穴40によって開設された切欠部は、各凸部44によって閉塞されるようになっている。上型31の合わせ面における各バンパ吊りバー収容穴埋め戻し用凸部44の外側位置にはバンパ収容穴埋め戻し用の凸部45が、その高さがバンパ吊りバー収容穴埋め戻し用凸部44に一体的に連続するようにそれぞれ没設されている。この凸部45の平面形状はヒートシンク組立体12のバンパ18の平面形状に対応されており、したがって、この凸部45はバンパ18と協働してバンパ収容穴41を埋め戻すようになっている。
【0044】
さらに、上型31の合わせ面におけるゲート39に対応する位置のバンパ収容穴埋め戻し用の凸部45の外側には突出部収容穴埋め戻し用の凸部46が、その高さがバンパ収容穴埋め戻し用の凸部45に連続するように突設されている。この凸部46の平面形状はヒートシンク組立体12の突出部20の平面形状に対応されており、したがって、凸部46は突出部20と協働して突出部収容穴42を埋め戻すようになっている。この凸部46の突出部20との合わせ面にはサブランナ38が没設されており、この凸部46に連続する凸部45と44におけるバンパ18およびバンパ吊りバー17との合わせ面には、ゲート39が没設されている。また、上型31の合わせ面には逃げ溝47が一対、キャビティー凹部33aから適度に離れた両脇位置に没設されている。
【0045】
次に、前記構成に係るトランスファ成形装置30による成形ワーク26への樹脂封止体27の成形方法について説明する。
【0046】
まず、成形ワーク26は下型32に装填される。この際、ヒートシンク15は下型キャビティー凹部33b内に収容され、各コーナ部のバンパ吊りバー17、バンパ18および突出部20は各収容穴40、41および42にそれぞれ収容される。この収容状態において、ヒートシンク15、バンパ吊りバー17、バンパ18および突出部20の下面はキャビティー凹部33b、各収容穴40、41、42の底面に当接した状態になっている。また、リードフレーム2の下面は下型32における上型31との合わせ面に当接した状態になっている。
【0047】
続いて、上型31と下型32とが型締めされる。型締めされると、リードフレーム2のダム・バー10の周りは上型31と下型32の合わせ面間で上下から挟まれた状態になる。また、上型31の合わせ面にそれぞれ突設された各凸部44、45、46は下型32の合わせ面にそれぞれ没設された各収容穴40、41、42にそれぞれ嵌入され、各凸部44、45、46の下面は各収容穴40、41、42に収容されたバンパ吊りバー17、バンパ18および突出部20の上面に押接した状態になる。この状態において、下型キャビティー凹部33bの各コーナ部にバンパ吊りバー収容穴40によって開設された切欠部は、各凸部44によって閉塞された状態になるため、上型キャビティー凹部33aと下型キャビティー凹部33bとによって形成されたキャビティー33は、実質的に完全に密封された状態になる。
【0048】
次いで、成形材料としてのレジン48がポット34からプランジャ35によりメインランナ37、サブランナ38およびゲート39を通じてキャビティー33に送給されて注入される。サブランナ38を流通するレジン48はヒートシンク組立体12における突出部20の上面に沿って流れ、突出部20と下型32に没設されたゲート39とによって囲まれた流路を通ってキャビティー33内に注入される。
【0049】
そして、樹脂封止体27はレジン48がキャビティー33に充填されるとともに、レジン48が熱硬化されることにより樹脂成形される。樹脂封止体27が樹脂成形された後に、上型31および下型32は型開きされる。この型開きと同時に、樹脂封止体27は上型31および下型32に対してエジェクタ・ピン(図示せず)により突き上げられて離型される。この離型に際して、エジェクタ・ピンは成形ワーク26のヒートシンク15の部位も突き上げるように設定することが望ましい。
【0050】
以上のようにして成形ワーク26に樹脂封止体27が樹脂成形されて離型された状態において、図9に示されている成形品28が製造された状態になる。この成形品28におけるペレット23、インナリード9、ワイヤ25、ヒートシンク15の一部および4個のバンパ吊りバー17の一部は、樹脂封止体27の内部に樹脂封止された状態になっている。すなわち、ヒートシンク15および各バンパ吊りバー17の一主面は樹脂封止体27の一主面から露出し、他の主面および側面は樹脂封止体27の内部に植え込まれた状態になっている。また、4個のバンパ18は樹脂封止体27の4箇所のコーナ部から外部へ放射状に突出した状態になっている。
【0051】
詳細な説明および図示は省略するが、樹脂成形時のランナやカルの成形痕およびばり(flash)は、除去工程において適宜除去され、その後、はんだめっき工程において、成形品28は樹脂封止体27からの露出面全体にわたってはんだめっき被膜(図示せず)を被着される。はんだめっき加工の際、成形品28は多連リードフレーム1および多連ヒートシンク組立体11において電気的に全て接続されているため、電解めっき処理は一括して実施することができる。
【0052】
その後、成形品28はリード切断成形工程において、低熱抵抗形QFPを成形される。すなわち、ダム・バー10は隣合うアウタリード8、8間において切り落とされる。各アウタリード8は各フレーム外枠3、4、5、6から切り離された後に、ガルウイング形状に屈曲成形される。各バンパ18は各外枠13、14から切り離される。ここで、各バンパ18と各外枠13、14との切断は、バンパ18において樹脂封止体27の対角線上に位置するコーナ部を対角線に直交するように実施することが望ましい。つまり、この切断方法は各バンパ18の形状を整え易く、各バンパ18における樹脂封止体27の辺と平行な端辺がガルウイング形状に成形されたアウタリード8群の先端の外側に位置するように常に維持することができる。
【0053】
以上のようにして図1に示されている前記構成に係る低熱抵抗形QFP・IC29が製造されたことになる。この低熱抵抗形QFP・IC29は図10に示されているようにプリント配線基板に実装される。
【0054】
図10に示されているプリント配線基板50は、ガラス含浸エポキシ樹脂等の絶縁性の板材が使用されて形成された本体51を備えている。本体51の一主面にはアウタリード8の平坦部に対応する長方形の小平板形状に形成されたマウントパッド52が複数個、実装対象物となる低熱抵抗形QFP・IC29におけるアウタリード8群の列に対応する正方形枠形状にそれぞれ配列されている。また、本体51の一主面(上面とする。)には放熱用のランド53が、マウントパッド52群列が構成する正方形枠の中央部および四隅に配設されており、これらランド53は低熱抵抗形QFP・IC29におけるヒートシンク15および各バンパ18にそれぞれ対応されている。
【0055】
低熱抵抗形QFP・IC29がこのプリント配線基板50に表面実装されるに際して、各マウントパッド52およびランド53の上にはクリームはんだ等のはんだ材料(図示せず)がスクリーン印刷法等の適当な手段によって塗布される。この際、各ランド53のはんだ材料は局部的に塗布される。
【0056】
次いで、はんだ材料が塗布されたマウントパッド52およびランド53に低熱抵抗形QFP・IC29の各アウタリード8の平坦部およびヒートシンク15、各バンパ18がそれぞれ接着される。この状態で、リフローはんだ処理によってはんだ材料は溶融された後に固化される。この処理によって、アウタリード8とマウントパッド52との間、ヒートシンク15とランド53との間およびバンパ18とランド53との間のそれぞれには、各はんだ付け部54および55がそれぞれ形成される。この状態において、低熱抵抗形QFP・IC29はプリント配線基板50に電気的かつ機械的に接続されて表面実装された状態になる。
【0057】
この実装状態での稼働中、ペレット23が発熱すると、ペレット23はヒートシンク15に直接ボンディングされているため、その熱はヒートシンク15に熱伝導によって伝達される。ヒートシンク15はリードフレームの厚さに比較して遙かに厚く、かつ、面積が大きいため、熱容量がきわめて大きい。したがって、ペレット23の発熱はきわめて高い効率をもってヒートシンク15に汲み上げられ、相対的に、ペレット23はきわめて効果的に冷却される。そして、ヒートシンク15に直接伝達された熱は、ヒートシンク15から4個のバンパ18に拡散するとともに空気中に放出される。また、ヒートシンク15および各バンパ18に拡散された熱は、ヒートシンク15および4個のバンパ18から各ランド53に熱伝導によって伝達されてプリント配線基板50に放出される。さらに、ペレット23の発熱はヒートシンク15に直接的に熱伝導されるとともに、ヒートシンク15の広い表面積から樹脂封止体27全体に拡散される。したがって、ヒートシンク15によるペレット23の冷却効果はきわめて高くなる。
【0058】
前記実施例によれば次の効果が得られる。
(1) ペレット23がヒートシンク15に直接的にボンディングされていることにより、ペレット23の発熱はヒートシンク15に熱伝導によって伝達されるため、相対的にペレット23はきわめて効果的に冷却されることになる。
【0059】
(2) ヒートシンク15の一部およびヒートシンク15の各コーナ部に一体的に連結された各バンパ18が樹脂封止体27の外部に露出されていることにより、ヒートシンク15が汲み上げた熱を外気中に放出させることができるため、前記(1)の効果をより一層高めることができる。
【0060】
(3) 樹脂封止体27の4箇所のコーナ部に配設された各バンパ18の先端がアウタリード8の先端よりも外側へ突出されているため、製品組立時やユーザ納入時およびユーザでの実装時にパッケージに外力が不測に加わった場合にバンパ18が外力を吸収することにより、アウタリード8が変形するのを防止することができる。
【0061】
(4) 低熱抵抗形QFP・IC29の製造に工程において、リードフレーム2とヒートシンク組立体12との機械的結合部21は樹脂封止体27の内部に埋め込まれないため、機械的結合部21によって樹脂封止体27の内部におけるインナリード9の配線レイアウトが規制されることはない。
【0062】
(5) 前記(4)により、放熱フィンおよびそれをタブに連結するための放熱フィンリードを有しないQFP・ICであっても低熱抵抗形QFP・ICとして製造することができる。
【0063】
(6) リードフレーム2とヒートシンク組立体12との結合は機械的結合部21によって実施されるため、結合時におけるガス発生等がなく、当該ガス発生等による体ペレット等の汚染を未然に回避することができる。
【0064】
(7) ヒートシンク組立体12がリードフレーム2に結合されることにより、ペレット23およびインナリード9に対する各種作業を実施する組立装置は、従来のものとの共用化を図ることができる。また、リードフレーム2およびヒートシンク組立体12が多連構造に構成されているため、生産性を高めることができる。
【0065】
(8) 結合前には、ヒートシンク組立体12はリードフレーム2と別体になっているため、ヒートシンク15およびバンパ18をリードフレーム2に比べて厚く形成することができ、その結果、放熱性能を簡単により一層向上させることができる。他方、リードフレーム2は薄く形成することができるため、配線密度を高めることができる。
【0066】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0067】
例えば、樹脂封止体およびヒートシンクの形状は、正方形に限らず、長方形等の四辺形に形成してもよい。特に、ヒートシンクは正四辺形に限らず、円形や多角形に形成してもよい。
【0068】
ヒートシンク組立体は多連構造に構成するに限らず、単体に構成して多連リードフレームに順次組み付けて行ってもよい。
【0069】
ヒートシンクとリードフレームとの機械的結合部は、かしめ加工による締結構造により構成するに限らず、はんだ材料による溶着構造等により構成してもよい。これらの場合、結合孔は省略することができる。
【0070】
ヒートシンクは樹脂封止体の内部に一部が埋め込まれるように構成するに限らず、全体が埋め込まれるように構成してもよい。ヒートシンクの一部が樹脂封止体の一主面が露出される場合には、外付けの放熱フィンを付設することができるように構成してもよい。このような場合には、アウタリードはヒートシンクと反対側の主面の方向に屈曲させてもよい。
【0071】
バンパにはボルト挿通孔や雌ねじ等々を設けることができる。
【0072】
ヒートシンク組立体を形成する材料としては、銅系材料を使用するに限らず、アルミニウム系材料(アルミニウムまたはその合金)等のような熱伝導性の良好な他の金属材料を使用することができる。特に、炭化シリコン(SiC)等のように熱伝導性に優れ、かつ、熱膨張率がペレットの材料であるシリコンのそれと略等しい材料を使用することが望ましい。
【0073】
前記実施例では、ヒートシンクおよび各バンパがプリント配線基板のランドにはんだ付けされる場合について説明したが、ヒートシンクおよび各バンパははんだ付けしなくとも充分な放熱性能を発揮する。
【0074】
また、ヒートシンクはグランド端子や給電端子等のための導電部材と使用してもよい。
【0075】
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるQFP・ICに適用した場合について説明したが、それに限定されるものではなく、QFJ・IC、QFI・IC等のような表面実装形樹脂封止パッケージを備えたIC、さらには、そのパッケージを備えたパワートランジスタや、その他の電子装置全般に適用することができる。特に、本発明は、小型軽量、多ピンで、しかも、低価格であり、高い放熱性能が要求される半導体装置に利用して優れた効果が得られる。
【0076】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0077】
半導体ペレットをヒートシンクの一主面にボンディングすることにより、半導体ペレットの発熱をヒートシンクに熱伝導によって伝達させることができるため、半導体ペレットをきわめて効果的に冷却させることができる。
【0078】
ヒートシンクの4箇所のコーナ部に各バンパをそれぞれ突設し、各バンパの先端をアウタリード群の先端列よりも外側へ突出させることにより、製品組立時やユーザ納入時およびユーザでの実装時にパッケージに外力が不測に加わった場合にバンパによって外力を吸収させることができるため、アウタリードが変形するのを防止することができる。
【0079】
ヒートシンクとリードフレームとの結合部は樹脂封止体の内部に埋め込まれないため、その結合部によって樹脂封止体の内部におけるインナリードの配線レイアウトが規制されることはない。したがって、放熱フィンを有しない半導体装置であっても製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である半導体装置の製造方法により製造された低熱抵抗形QFP・ICを示しており、(a)は一部切断平面図、(b)は一部切断正面図、(c)は対角線に沿う断面図である。
【図2】本発明の一実施例であるそのQFP・ICの製造方法に使用される多連リードフレームを示す一部省略平面図である。
【図3】同じく多連ヒートシンク組立体を示しており、(a)は一部省略平面図、(b)は(a)のb−b線に沿う断面図である。
【図4】その製造方法におけるリードフレームとヒートシンク組立体の結合工程後の結合体を示しており、(a)は一部省略平面図、(b)は正面図である。
【図5】その製造方法におけるペレットおよびワイヤ・ボンディング工程後の組立体を示しており、(a)は一部省略平面図、(b)は縦断面図である。
【図6】その製造方法における樹脂封止体成形工程を示しており、(a)は一部省略正面断面図、(b)はキャビティーの略対角線に沿う縦断面図であル。
【図7】その成形工程で使用される上型を示しており、(a)は一部省略底面図、(b)は(a)のb−b線に沿う断面図、(c)は(a)のc−c線に沿う断面図である。
【図8】同じく下型を示しており、(a)は一部省略平面図、(b)は(a)のb−b線に沿う断面図、(c)は(a)のc−c線に沿う断面図である。
【図9】樹脂封止体成形後を示しており、(a)は一部省略平面図、(b)は(a)のb−b線に沿う断面図である。
【図10】本発明の一実施例である低熱抵抗形QFP・ICの実装状態を示しており、(a)は平面図、(b)は一部切断正面図である。
【符号の説明】
1…多連リードフレーム、2…単位リードフレーム(リードフレーム)、3、4、5、6…フレーム外枠、3a、4a…パイロットホール、3b…切欠部、5a、6a…結合孔、5b、6b…位置決め孔、7…半導体ペレット配置用空所、8…アウタリード、9…インナリード、10…ダム・バー、11…多連ヒートシンク組立体、12…単位ヒートシンク組立体(ヒートシンク組立体)、13、14…第1外枠、13a、14a…機械的結合用凸部(結合凸部)、13b、14b…位置決め用凸部、15…ヒートシンク、16A…切欠部、16B…段付部、17…バンパ吊りバー、18…バンパ、19…段差部、20…突出部、21…結合部、22…リードフレームとヒートシンク組立体の結合体、23…ペレット、23a…電極パッド、24…ボンディング層、25…ワイヤ、26…結合体とペレットとワイヤの組立体(成形ワーク)、27…樹脂封止体、28…成形品、29…低熱抵抗形QFP・IC(半導体装置)、30…トランスファ成形装置、31…上型、32…下型、33…キャビティー、33a…上型キャビティー凹部、33b…下型キャビティー凹部、34…ポット、35…プランジャ、36…カル、37…メインランナ、38…サブランナ、39…ゲート、40…バンパ吊りバー収容穴、41…バンパ収容穴、42…突出部収容穴、43…逃げ溝、44…バンパ吊りバー収容穴埋め戻し用凸部、45…バンパ収容穴埋め戻し用凸部、46…突出部収容穴埋め戻し用凸部、47…逃げ溝、48…レジン、50…プリント配線基板、51…基板本体、52…マウントパッド、53…ランド、54、55…はんだ付け部。
Claims (7)
- 半導体ペレットと、この半導体ペレットに電気的に接続された複数本のインナリードと、前記インナリードのそれぞれに一体的に連結された各アウタリードと、前記半導体ペレットおよび前記インナリード群を樹脂封止する樹脂封止体とを備えており、前記樹脂封止体が四辺形の平盤形状に形成されているとともに、前記アウタリード群が前記樹脂封止体の四辺からそれぞれ引き出されている半導体装置の製造方法であって、
前記アウタリード群および前記インナリード群が半導体ペレット配置用空所を中心にして四方に放射状に配設されているとともに、フレームに一体的に保持されているリードフレームが準備される工程と、
前記リードフレームとは別体かつ前記リードフレームよりも厚く形成されており、前記半導体ペレットがボンディングされる主面を有するとともに、4つのバンパが一体的に形成されているヒートシンクが準備される工程と、
前記ヒートシンクの少なくとも一対の前記バンパの外側において前記リードフレームと前記ヒートシンクとがそれぞれ結合される工程と、
前記半導体ペレットが前記ヒートシンクの一主面にボンディングされる工程と、
前記半導体ペレットに前記インナリード群が電気的に接続される工程と、
前記樹脂封止体が前記半導体ペレットと、前記インナリード群と、前記ヒートシンクの少なくとも半導体ペレット側主面とを樹脂封止し、かつ、前記4つのバンパが前記樹脂封止体の4つの角部より突出するように樹脂成形される工程と、
を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記樹脂封止体の成形工程において、成形型の一部が前記バンパのそれぞれの一主面に型合わせされることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 半導体ペレットと、この半導体ペレットに電気的に接続される複数のインナリードと、前記インナリードのそれぞれと一体のアウタリードと、前記複数のインナリードと前記半導体ペレットをモールド樹脂によって封止した樹脂封止体とを備えており、前記樹脂封止体は四辺形に形成され、前記アウタリード群が前記樹脂封止体の四辺のそれぞれから引き出されている半導体装置の製造方法であって、
第一の方向に延在する一対の第一のフレームと、これらフレーム間を連結して第二の方向に延在する複数の第二のフレームと、前記第一のフレームおよび第二のフレームによって形成される空所に突出するように前記第一のフレームおよび第二のフレームそれぞれから延びる複数のリードとを有するリードフレームを準備する工程と、
前記リードフレームとは別体かつ前記リードフレームよりも厚く形成されており、前記半導体ペレットが接続される主面を有する第一の部分と、前記第一の部分から突出するように前記第一の部分と一体的に形成されており、4つのバンパと、これらバンパのそれぞれより外側に延びた部分を有する4つの第二の部分とを備えたヒートシンクを準備する工程と、
前記リードフレームと前記ヒートシンクとが位置合わせされ、前記リードフレームが前記ヒートシンクの上に前記第二のフレームが前記ヒートシンクの第二の部分に積み重なるように、また、前記ヒートシンクの第一の部分が前記複数のリードによって囲まれた領域に位置するように配置され、前記第二のフレームと前記ヒートシンクの第二の部分の前記バンパより外側に延びた部分とがそれぞれ結合される工程と、
複数の外部端子を有した半導体ペレットが前記ヒートシンクの第一の部分にボンディングされる工程と、
前記半導体ペレットの前記外部端子が前記リードにワイヤがボンディングされることによって電気的に接続される工程と、
前記半導体ペレット、前記ボンディングワイヤおよび前記リードのそれぞれのインナ部分を樹脂封止し、かつ、前記4つの第二の部分が前記樹脂封止体の4つの角部より突出するように前記樹脂封止体を樹脂成形する工程と、
前記各リードの一端が前記リードフレームから切断され、前記ヒートシンクの前記バン パが前記バンパより外側に延びた部分から切断される工程と、
を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記バンパは前記樹脂封止体の四隅から突出され、前記バンパの先端は前記リードの一端の外側に位置されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ヒートシンクの第一の部分は樹脂封止体から露出されることを特徴とする請求項3または4に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記切断工程において、前記リードフレームのリードが第一のフレームおよび第二のフレームから切断されることを特徴とする請求項3、4または5に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記リードフレームおよび前記ヒートシンクは多連に構成されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載の半導体装置の製造方法。
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