以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る情報処理装置として適用可能な携帯電話機1の外観の構成を表している。なお、図1(A)は、携帯電話機1を約180度に見開いたときの正面から見た外観の構成を表しており、図1(B)は、携帯電話機1を見開いたときの側面から見た外観の構成を表している。
図1(A)および(B)に示されるように、携帯電話機1は、中央のヒンジ部11を境に第1の筐体12と第2の筐体13とがヒンジ結合されており、ヒンジ部11を介して矢印X方向に折り畳み可能に形成される。携帯電話機1の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図2のアンテナ31)が設けられており、内蔵されたアンテナを介して基地局(図示せず)との間で電波を送受信する。
第1の筐体12には、その表面に「0」乃至「9」の数字キー、発呼キー、リダイヤルキー、終話・電源キー、クリアキー、および電子メールキーなどの操作キー14が設けられており、操作キー14を用いて各種指示を入力することができる。
第1の筐体12には、操作キー14として上部に十字キーと確定キーが設けられており、ユーザが十字キーを上下左右方向に操作することにより当てられたカーソルを上下左右方向に移動させることができる。具体的には、第2の筐体13に設けられたメインディスプレイ17に表示されている電話帳リストや電子メールのスクロール動作、簡易ホームページのページ捲り動作および画像の送り動作などの種々の動作を実行する。
また、確定キーを押下することにより、種々の機能を確定することができる。例えば第1の筐体12は、ユーザによる十字キーの操作に応じてメインディスプレイ17に表示された電話帳リストの複数の電話番号の中から所望の電話番号が選択され、確定キーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、選択された電話番号を確定して電話番号に対して発呼処理を行う。
さらに、第1の筐体12には、十字キーと確定キーの左隣に電子メールキーが設けられており、電子メールキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、メールの送受信機能を呼び出すことができる。十字キーと確定キーの右隣には、ブラウザキーが設けられており、ブラウザキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、Webページのデータを閲覧することが可能となる。
また、第1の筐体12には、操作キー14の下部にマイクロフォン15が設けられており、マイクロフォン15によって通話時のユーザの音声を集音する。また、第1の筐体12には、携帯電話機1の操作を行うサイドキー16が設けられている。
なお、第1の筐体12は、背面側に図示しないバッテリパックが挿着されており、終話・電源キーがオン状態になると、バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
一方、第2の筐体13には、その正面にメインディスプレイ17が設けられており、電波の受信状態、電池残量、電話帳として登録されている相手先名や電話番号及び送信履歴等の他、電子メールの内容、簡易ホームページ、CCD(Charge Coupled Device)カメラ(後述する図2のCCDカメラ20)で撮像した画像、外部のコンテンツサーバより受信したコンテンツ、メモリカード(後述する図2のメモリカード46)に記憶されているコンテンツを表示することができる。また、メインディスプレイ17の上部の所定の位置にはレシーバ(受話器)18が設けられており、これにより、ユーザは音声通話することが可能である。なお、携帯電話機1の所定の位置には、レシーバ18以外の音声出力部としてのスピーカ(図2のスピーカ50)も設けられている。また、第1の筐体12と第2の筐体13の内部の所定の位置には、携帯電話機1の状態を検知するための磁気センサ19a、19b、19c、および19dが設けられる。なお、メインディスプレイ17は、例えば有機ELにより構成されるディスプレイでもよいし、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)でもよい。
図2は、本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機1の内部の構成を表している。図示せぬ基地局から送信されてきた無線信号は、アンテナ31で受信された後、アンテナ共用器(DUP)32を介して受信回路(RX)33に入力される。受信回路33は、受信された無線信号を周波数シンセサイザ(SYN)34から出力された局部発振信号とミキシングして中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、受信回路33は、このダウンコンバートされた中間周波数信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。なお、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号の周波数は、制御部41から出力される制御信号SYCによって指示される。
受信回路33からの受信ベースバンド信号は、CDMA信号処理部36に入力される。CDMA信号処理部36は、図示せぬRAKE受信機を備える。このRAKE受信機では、受信ベースバンド信号に含まれる複数のパスがそれぞれの拡散符号(すなわち、拡散された受信信号の拡散符号と同一の拡散符号)で逆拡散処理される。そして、この逆拡散処理された各パスの信号は、位相が調整された後、コヒーレントRake合成される。Rake合成後のデータ系列は、デインタリーブおよびチャネル復号(誤り訂正復号)が行われた後、2値のデータ判定が行われる。これにより、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータが得られる。この受信パケットデータは、圧縮伸張処理部37に入力される。
圧縮伸張処理部37は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、CDMA信号処理部36から出力された受信パケットデータを図示せぬ多重分離部によりメディアごとに分離し、分離されたメディアごとのデータに対してそれぞれ復号処理を行う。例えば通話モードにおいては、受信パケットデータに含まれる通話音声などに対応するオーディオデータをスピーチコーデックにより復号する。また、例えばテレビ電話モードなどのように、受信パケットデータに動画像データが含まれていれば、この動画像データをビデオコーデックにより復号する。さらに、受信パケットデータがダウンロードコンテンツであれば、このダウンロードコンテンツを伸張した後、伸張されたダウンロードコンテンツを制御部41に出力する。
復号処理により得られたディジタルオーディオ信号はPCMコーデック38に供給される。PCMコーデック38は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタルオーディオ信号をPCM復号し、PCM復号後のアナログオーディオデータ信号を受話増幅器39に出力する。このアナログオーディオ信号は、受話増幅器39にて増幅された後、レシーバ18により出力される。
圧縮伸張処理部37によりビデオコーデックにて復号されたディジタル動画像信号は、制御部41に入力される。制御部41は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタル動画像信号に基づく動画像データを、画面データ転送回路51に供給する。画面データ転送回路51は、例えばDMA(Direct Memory Access)コントローラなどからなり、ディジタル動画像信号に基づく動画像データを表示駆動部52に転送する。表示駆動部52は、表示駆動部52に内蔵された画像メモリ54(例えばVRAMなど)を介してメインディスプレイ17に表示させる。このとき、ディジタル動画像信号に基づく動画像データは、必要に応じて、表示駆動部52に内蔵された画像合成回路53によって合成される。なお、制御部41は、受信された動画像データだけでなく、CCDカメラ20により撮像された動画像データや記憶部42に記憶された動画像データに関しても、表示駆動部52の画像メモリ54を介してメインディスプレイ17に表示させることもできる。
高速転送クロック生成部55は、画面データ転送回路51が受信または記憶された動画像データを表示駆動部52に高速モードで(すなわち、高速なデータ転送レートで)転送する際に用いられる高速転送クロックを生成する。低速転送クロック生成部56は、画面データ転送回路51が受信または記憶された動画像データを表示駆動部52に低速モードで(すなわち、低速なデータ転送レートで)転送する際に用いられる低速転送クロックを生成する。
また、圧縮伸張処理部37は、受信パケットデータが電子メールである場合、この電子メールを制御部41に供給する。制御部41は、圧縮伸張処理部37から供給された電子メールを記憶部42に記憶させる。そして、制御部41は、ユーザによる入力部としての操作キー14の操作に応じて、記憶部42に記憶されているこの電子メールを読み出し、読み出された電子メールをメインディスプレイ17に表示させる。
一方、通話モードにおいて、マイクロフォン15に入力された話者(ユーザ)の音声信号(アナログオーディオ信号)は、送話増幅器40により適正レベルまで増幅された後、PCMコーデック38によりPCM符号化される。このPCM符号化後のディジタルオーディオ信号は、圧縮伸張処理部37に入力される。また、CCDカメラ20から出力される動画像信号は、制御部41によりディジタル化されて圧縮伸張処理部37に入力される。さらに、制御部41にて作成されたテキストデータである電子メールも、圧縮伸張処理部37に入力される。
圧縮伸張処理部37は、PCMコーデック38から出力されたディジタルオーディオ信号を所定の送信データレートに応じたフォーマットで圧縮符号化する。これにより、オーディオデータが生成される。また、圧縮伸張処理部37は、制御部41から出力されたディジタル動画像信号を圧縮符号化して動画像データを生成する。そして、圧縮伸張処理部37は、これらのオーディオデータや動画像データを図示せぬ多重分離部で所定の伝送フォーマットに従って多重化した後にパケット化し、パケット化後の送信パケットデータをCDMA信号処理部36に出力する。なお、圧縮伸張処理部37は、制御部41から電子メールが出力された場合にも、この電子メールを送信パケットデータに多重化する。
CDMA信号処理部36は、圧縮伸張処理部37から出力された送信パケットデータに対し、送信チャネルに割り当てられた拡散符号を用いてスペクトラム拡散処理を施し、スペクトラム拡散処理後の出力信号を送信回路(TX)35に出力する。送信回路35は、スペクトラム拡散処理後の信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式などのディジタル変調方式を使用して変調する。送信回路35は、ディジタル変調後の送信信号を、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号と合成して無線信号に周波数変換(アップコンバート)する。そして、送信回路35は、制御部41により指示される送信電力レベルとなるように、このアップコンバートにより生成された無線信号を高周波増幅する。この高周波増幅された無線信号は、アンテナ共用器32を介してアンテナ31に供給され、このアンテナ31から図示せぬ基地局に向けて送信される。
また、携帯電話機1は、外部メモリインタフェース45を備えている。この外部メモリインタフェース45は、メモリカード46を着脱することが可能なスロットを備えている。メモリカード46は、NAND型フラッシュメモリカードやNOR型フラッシュメモリカードなどに代表されるフラッシュメモリカードの一種であり、10ピン端子を介して画像や音声、音楽等の各種データの書き込み及び読み出しが可能となっている。さらに、携帯電話機1には、現在の時刻を測定する時計回路(タイマ)47が設けられている。
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部42からRAMにロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯電話機1を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。
記憶部42は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、制御部41のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群を格納している。
電源回路44は、バッテリ43の出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。また、地上波ディジタルワンセグ受信部48は、図示せぬ放送局からの地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波を受信アンテナ101を介して受信し、受信された地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波に基づくTS(Transport Stream)信号を地デジ処理部49に供給する。地デジ処理部49は、地上波ディジタルワンセグ受信部48にて地上波ディジタルワンセグ放送波が受信された場合、地上波ディジタルワンセグ受信部48からの地上波ディジタルワンセグ放送波に基づくTS信号から、音声データと映像データに関するES(Elementary Stream)にそれぞれ分離し、分離された音声データを地デジ処理部49内の音声デコーダ(図示せず)にて所定の復号化方式でデコードするとともに、分離された映像データを地デジ処理部49内の映像デコーダ(図示せず)にて所定の復号化方式でデコードし、デコード後のディジタル音声信号とディジタル動画像信号を制御部41に供給する。
図3(A)は、従来の画面データ転送において、表示更新性能を確保するために画面データ転送回路51が画面データのデータ転送レート(データ転送速度)を上げて高速なデータ転送レートのみで画面データを表示駆動部52に転送する場合の転送時間を示している。図3(B)は、従来の画面データ転送において、表示更新性能を確保するために画面データ転送回路51が画面データのデータ転送レートを上げて高速なデータ転送レートのみで画面データを表示駆動部52に転送する場合に携帯電話機1内で消費される消費電流を示している。
図3(A)が示すように、画面データ転送回路51は、画面データ1乃至画面データ6を時刻t1からt18までの間に順次高速な画面データ転送レートαで表示駆動部52に転送する。図3(A)の場合、各画面データのデータ転送に要する転送時間は同一であるものとする。また、図3(A)の場合、時刻t1からt10までの間では、メインディスプレイ17上の表示画面に表示される画像のデータ量が局所的に増加しており、画面データ転送回路51は、画面データ1乃至画面データ4を短い転送間隔で表示駆動部52に高速なデータ転送レートαのみで転送している。一方、時刻t10からt18までの間では、メインディスプレイ17上の表示画面に表示される画像のデータ量は時刻t1からt10までの間のデータ量に比べて多くなく、画面データ転送回路51は、画面データ5乃至画面データ6を長い転送間隔で表示駆動部52に高速なデータ転送レートαのみで転送している。
このように、図3(A)の場合、表示画面に表示される画像のデータ量が多いか少ないかにかかわらず、画面データ転送回路51は、常に同一の高速なデータ転送レートαのみで画面データを表示駆動部52に転送する。しかし、画面データ転送回路51が高速なデータ転送レートαのみで画面データを転送する場合、画面データを表示駆動部52に転送するのに要する転送時間は短縮することができるが、それに伴い携帯電話機1内で消費される消費電流が常に多くなってしまう。具体的には、画面データ転送回路51が高速なデータ転送レートαのみで画面データを転送する場合、画面データ転送回路51は、高速転送クロック生成部55により生成される高速転送クロックを動作クロックとして用いて、画面データを表示駆動部52に転送する。この場合、高速転送クロック生成部55は画面データの転送時間であるか否かに関わらず基本的に常に駆動している。そのため、画面データ転送回路51が高速なデータ転送レートαのみで画面データを転送する場合、画面データ転送回路51における高速なデータ転送処理に伴う消費電流と、高速転送クロック生成部55における高速転送クロックの生成処理に伴う消費電流とが相俟って、画面データの転送時に携帯電話機1内で消費される消費電流は、図3(B)が示すように、画面データの転送時間であるか否かに関わらず常に多い状態となる。
これに対して、画面データの転送処理に伴う消費電流の省電力化を図るため、画面データ転送回路51が画面データのデータ転送レート(データ転送速度)を下げて低速なデータ転送レートのみで画面データを表示駆動部52に転送することも考えられる。図3(C)は、従来の画面データ転送において、画面データの転送処理に伴う消費電流の省電力化を図るために画面データ転送回路51が画面データのデータ転送レート(データ転送速度)を下げて低速なデータ転送レートのみで画面データを表示駆動部52に転送する場合の転送時間を示している。図3(D)は、従来の画面データ転送において、画面データの転送処理に伴う消費電流の省電力化を図るために画面データ転送回路51が画面データのデータ転送レートを下げて低速なデータ転送レートのみで画面データを表示駆動部52に転送する場合に携帯電話機1内で消費される消費電流を示している。なお、図3(C)の場合も、時刻t1からt18までの間に表示画面に表示される画像データのデータ量は図3(A)の場合と同様であるものとする。すなわち、時刻t1からt10までの間ではメインディスプレイ17上の表示画面に表示される画像のデータ量が局所的に増加しており、時刻t10からt18までの間ではメインディスプレイ17上の表示画面に表示される画像のデータ量は時刻t1からt10までの間のデータ量に比べて多くないものとする。
図3(C)が示すように、画面データ転送回路51は、画面データ1乃至画面データ5を時刻t1からt21までの間に順次低速な画面データ転送レートβで表示駆動部52に転送する。図3(C)の場合、各画面データのデータ転送に要する転送時間は同一であるものとする。
図3(C)の場合、メインディスプレイ17上の表示画面に表示される画像のデータ量が局所的に増加する時刻t1からt10までの間であっても、画面データ転送回路51は、画面データ1乃至画面データ2を所定の転送間隔で表示駆動部52に低速なデータ転送レートβのみで転送している。本来であれば、図3(A)が示すように時刻t1からt10までの間においては、画面データ転送回路51は、画面データ1乃至画面データ4のすべてを表示駆動部52に転送する必要がある。しかし、図3(C)の場合、画面データ転送回路51は画面データを低速なデータ転送レートβで転送するために、画面データの転送に要する転送時間は高速なデータ転送レートαを用いる場合に比べて増加する。そのため、図3(C)の場合、時刻t10の時点で、画面データ転送回路51は、画面データ1乃至画面データ4のうち、画面データ1の全部と画面データ2の一部しかを表示駆動部52に転送することができなくなる。そうすると、従来の携帯電話機は、表示画面に表示される画像データの表示更新性能を確保することができなくなる。
なお、図3(C)の場合、表示画面に表示される画像のデータ量が多いか少ないかにかかわらず、画面データ転送回路51は、常に同一の低速なデータ転送レートβのみで画面データを表示駆動部52に転送する。画面データ転送回路51が低速なデータ転送レートβのみで画面データを転送する場合、画面データを表示駆動部52に転送するのに要する転送時間は高速なデータ転送レートαで画面データを転送する場合に比べて長くなる。しかし、画面データ転送回路51が低速なデータ転送レートβのみで画面データを転送する場合、画面データ転送回路51は、低速転送クロック生成部56により生成される低速転送クロックを動作クロックとして用いて、画面データを表示駆動部52に転送する。そのため、画面データ転送回路51が低速なデータ転送レートβのみで画面データを転送する場合、低速転送クロック生成部56における低速転送クロックの生成処理に伴う消費電流は高速転送クロック生成部55における高速転送クロックの生成処理に伴う消費電流よりも少ないために、画面データの転送時に携帯電話機1内で消費される消費電流は、図3(D)が示すように、画面データ転送回路51が高速なデータ転送レートαのみで画面データを転送する場合に比べて常に少ない状態となる。
そこで、本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機1は、表示更新性能を確保する必要がある場合には、画面データ転送回路51が画面データを表示駆動部52に転送する際に用いられるデータ転送レートを、高速なデータ転送レートに切り替えるとともに、表示更新性能を確保する必要がない場合には、画面データ転送回路51が画面データを表示駆動部52に転送する際に用いられるデータ転送レートを、低速なデータ転送レートに切り替える。これにより、本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機1は、画面データ転送レートを好適に変更することにより、表示性能を維持しつつ消費電流の増加を抑制することができる。
図4(A)は、本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機1の画面データ転送において、画面データ転送回路51が画面データのデータ転送レート(データ転送速度)を切り替えつつ画面データを表示駆動部52に転送する場合の転送時間を示している。図4(B)は、本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機1の画面データ転送において、画面データ転送回路51が画面データのデータ転送レートを切り替えつつ画面データを表示駆動部52に転送する場合に携帯電話機1内で消費される消費電流を示している。
図4(A)の場合、時刻t1からt8までの間ではメインディスプレイ17上の表示画面に表示される画像のデータ量が局所的に増加しており、時刻t8からt12までの間ではメインディスプレイ17上の表示画面に表示される画像のデータ量は時刻t1からt8までの間のデータ量に比べて多くないものとする。図4(A)の場合、メインディスプレイ17上の表示画面に表示される画像のデータ量が局所的に増加する時刻t1からt8までの間では、画面データ転送回路51は、高速なデータ転送レートαで画面データを表示駆動部52に転送する。メインディスプレイ17上の表示画面に表示される画像のデータ量が局所的に減少する時刻t8からt12までの間では、画面データ転送回路51は、低速なデータ転送レートαで画面データを表示駆動部52に転送する。このとき、本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機1は、時刻t7からt9までの間において、時刻t1からt7までの間に比べて転送間隔が長くなったことに基づいて、高速なデータ転送レートを使用する必要がなくなったと判断し、データ転送レートを低速なデータ転送レートに切り替える。これにより、図4(B)が示すように、表示性能を維持しつつ消費電流の増加を抑制することができる。特に、低速なデータ転送レートを使用する時刻t9からt12までの間において、画面データ転送回路51が画面データを転送するのに伴って消費される消費電流を一点鎖線で囲まれた部分に対応する消費電流だけ少なくすることができる。以下、この方法を用いた画面データ転送レート切替制御処理について説明する。
図5のフローチャートを参照して、図2の携帯電話機1における画面データ転送レート切替制御処理について説明する。この画面データ転送レート切替制御処理は、制御部41で実行される種々のアプリケーションプログラム(例えば地上波ディジタル放送波に関するアプリケーションプログラムやゲームに関するアプリケーションプログラムなどを含む)からの画面更新要求に基づいて、メインディスプレイ17に表示される画像(画面)を更新する場合に実行される。また、図5の画面データ転送レート切替制御処理の場合、携帯電話機1は、画面データ転送回路51が画面データを転送する際に用いられるデータ転送レートを、高速データ転送レートと低速データ転送レートの2段階で切替えるものとする。図5の画面データ転送レート切替処理は、制御部41のCPU上で動作するミドルウェアによって実行される。なお、アプリケーションプログラム(例えば地上波ディジタル放送波に関するアプリケーションプログラムやゲームに関するアプリケーションプログラムなどを含む)からの画面更新要求は、図5の画面データ転送レート切替処理を実行するミドルウェアに対して通知される。
ステップS1において、制御部41は、画面更新要求に基づいてメインディスプレイ17に表示される画面(画像)データに基づいて、画面データ転送回路51が転送する画面データに関する転送面積が転送面積に関する基準値よりも小さいか否かを判定する。具体的には、画面更新要求に基づいてメインディスプレイ17に表示される画面(画像)データには画面に関する属性データが付加されており、この画面に関する属性データには、縦854pixelで、横480pixelで、かつ色深度18bpp(bit per pixel)などのデータが含まれている。なお、色深度とは、pixel(ピクセル)ごとのビット数を意味する。そして、制御部41は、画面に関する属性データに基づいて、画面データ転送回路51が転送する画面データに関する転送面積(縦のpixel値に横のpixel値を乗じた値)を算出し、算出された画面データに関する転送面積が転送面積に関する基準値よりも小さいか否かを判定する。転送面積に関する基準値は例えば1000などである。
ステップS1において制御部41が、画面データ転送回路51が転送する画面データに関する転送面積が転送面積に関する基準値以上であると判定した場合、制御部41はステップS2で、転送面積、色深度、および転送間隔に基づいて、画面データ転送回路51が画面データを転送する際に必要となる最低限のデータ転送レートを算出する。なお、画面データ転送回路51が画面データを転送する際に必要となる最低限のデータ転送レートを「基準データ転送レート」と定義する。図6は、制御部41が基準データ転送レートを算出する算出方法を説明するための説明図である。例えば新たな画面更新要求に基づいてメインディスプレイ17に表示される画面が画面データ2に基づく画面である場合、転送面積は、縦のpixel値である854pixelに横のpixel値である480pixelを乗じた値409920であり、色深度は18bppであり、そして転送間隔は画面データ1の画面更新要求を受けた時刻から画面データ2の画面更新要求を受けた時刻との差分30msである。そこで、新たな画面更新要求に基づいてメインディスプレイ17に表示される画面が画面データ2に基づく画面である場合、制御部41は、転送面積、色深度、および転送間隔に基づいて、基準データ転送レートを854×480×18/30=245952(bit/ms)として算出する。
一方、例えば新たな画面更新要求に基づいてメインディスプレイ17に表示される画面が画面データ3に基づく画面である場合、転送面積は、縦のpixel値である854pixelに横のpixel値である480pixelを乗じた値409920であり、色深度は18bppであり、そして転送間隔は画面データ2の画面更新要求を受けた時刻から画面データ3の画面更新要求を受けた時刻との差分120msである。そこで、新たな画面更新要求に基づいてメインディスプレイ17に表示される画面が画面データ3に基づく画面である場合、制御部41は、転送面積、色深度、および転送間隔に基づいて、基準データ転送レートを854×480×18/120=61488(bit/ms)として算出する。
ステップS3において、制御部41は、算出される基準データ転送レートがデータ転送レートに関する基準値(例えば200000(bit/ms)など)よりも大きいか否かを判定する。具体的には、データ転送レートに関する基準値が200000(bit/ms)であり、かつ転送する画像データが図6の画面データ2の場合、基準データ転送レートは245952(bit/ms)であることから、制御部41が、算出される基準データ転送レートがデータ転送レートに関する基準値よりも大きいと判定する。一方、データ転送レートに関する基準値が200000(bit/ms)であり、かつ転送する画像データが図6の画面データ3の場合、基準データ転送レートは61488(bit/ms)であることから、制御部41が、算出される基準データ転送レートがデータ転送レートに関する基準値以下であると判定する。なお、データ転送レートに関する基準値は固定値でも良いし、ユーザの指定に応じて適宜変更するようにしてもよい。例えば高速データ転送レートが400Mbpsであるとすると、転送可能データ量は400000bit/msとなり、低速データ転送レートが200Mbpsであるとすると、転送可能データ量は200000bit/msとなる。そこで、このような場合、例えばデータ転送レートに関する基準値は200000(bit/ms)に設定される。すなわち、データ転送レートに関する基準値は、データ転送レートを低速データ転送レートにするか高速データ転送レートにするかを判断するために、例えば低速データ転送レートまたは高速データ転送レートの値に基づいて定められる。ステップS3において制御部41が、算出される基準データ転送レートがデータ転送レートに関する基準値よりも大きいと判定した場合、制御部41はステップS4で、高速データ転送レート切替処理を実行する。この高速データ転送レート切替処理の詳細は、図7に示される。
図7のフローチャートを参照して、図2の携帯電話機1における高速データ転送レート切替処理の詳細について説明する。
ステップS21において、制御部41は、現在の転送状態が高速データ転送レートを用いる高速転送状態であるか否かを判定する。なお、高速転送状態の場合、画面データ転送回路51は、高速転送クロック生成部55により生成される高速転送クロックを動作クロックとして用いて、画面データを表示駆動部52に転送する。一方、低速転送状態の場合、画面データ転送回路51は、低速転送クロック生成部56により生成される高速転送クロックを動作クロックとして用いて、画面データを表示駆動部52に転送する。また、携帯電話機1が画面データの転送時において遷移し得る転送状態は、高速データ転送レートを用いる高速転送状態、後述する低速データ転送レートを用いる低速転送状態、後述する高速切替中の状態、および後述する低速切替中の状態のいずれかの状態である。ステップS21において制御部41が現在の転送状態が高速データ転送レートを用いる高速転送状態ではないと判定した場合、制御部41はステップS22で、現在の転送状態が高速切替中の状態であるか否かを判定する。ステップS22において制御部41が、現在の転送状態が高速切替中の状態ではないと判定した場合(すなわち、制御部41が、現在の転送状態が低速転送状態または低速切替中の状態であると判定した場合)、制御部41はステップS23で、高速切替判定回数カウンタをクリアする。これにより、ステップS3において制御部41が、算出される基準データ転送レートがデータ転送レートに関する基準値よりも大きいと判定した回数をカウントアップするための高速切替判定回数カウンタを初期化し、高速切替判定回数カウンタの値がOにされる。
ステップS24において、制御部41は、現在の転送状態を、高速切替中の状態以外の状態(低速転送状態または低速切替中の状態)から高速切替中の状態に変更する。ステップS25において、制御部41は、現在の転送状態が高速切替中の状態以外の状態から高速切替中の状態に変更されると、高速切替判定回数カウンタを1だけインクリメントする。従って、初期化された高速切替判定回数カウンタの値は0であることから、ステップS25のインクリメント処理により高速切替判定回数カウンタの値は0から1にインクリメントされる。一方、ステップS22において制御部41が、現在の転送状態が高速切替中の状態であると判定した場合、制御部41はステップS25で、現在の転送状態が高速切替中の状態でさらに基準データ転送レートがデータ転送レートに関する基準値よりも大きいと判定されたことから、高速切替判定回数カウンタを1だけインクリメントする。例えば高速切替判定回数カウンタの値が2である場合に1だけさらにインクリメントされて、高速切替判定回数カウンタの値は3になる。
ステップS26において、制御部41は、高速切替判定回数カウンタの値が所定の基準回数(例えば3回)以上であるか否かを判定する。ステップS26において制御部41が、高速切替判定回数カウンタの値が所定の基準回数以上であると判定した場合、制御部41はステップS27で、低速転送クロック生成部56の動作を停止するとともに高速転送クロック生成部55を起動し、画面データ転送回路51が画面データを転送する際に用いられるデータ転送レートを、高速転送クロック生成部55により生成される高速転送クロックを動作クロックとして用いる高速データ転送レートに切り替える。なお、低速転送クロック生成部56の動作は停止されることから、低速転送クロック生成部56による消費電流は生じなくなる。ステップS28において、制御部41は、現在の転送状態を高速切り替え中の状態から高速転送状態に変更する。ステップS29において、ステップS27の処理によりデータ転送レートが高速データ転送レートに切り替えられたことから、制御部41は、無駄に高速データ転送レートで画面データが転送され続けることを防止するために、時計回路47を用いて、低速転送切替用タイマを所定の時間(例えば5秒間など)に設定する。その後、低速転送切替用タイマの計時が開始されるとともに、処理は図5のステップS6に進む。
一方、ステップS26において制御部41が、高速切替判定回数カウンタの値が所定の基準回数以上ではないと判定した場合、制御部41は、画面データ転送回路51が画面データを表示駆動部52に転送する際に用いられるデータ転送レートをまだ高速データ転送レートに切り替える必要がないと認識し、ステップS27乃至S29の処理をスキップする。これにより、高速切替判定回数カウンタの値が所定の基準回数以上とならない限り、データ転送レートは高速データ転送レートに切り替わることはなく、例えばフレームレートが一定でない場合や一瞬だけ高速データ転送レートの切替が必要となるような場合などにおいて無駄なデータ転送レートの切り替え処理を省くことができる。その後、処理は図5のステップS6に進む。また、ステップS21において制御部41が現在の転送状態が高速データ転送レートを用いる高速転送状態であると判定した場合、制御部41は、画面データ転送回路51が画面データを表示駆動部52に転送する際に用いられるデータ転送レートはすでに高速データ転送レートに切り替えられており、さらに高速データ転送レートに切り替える処理を行う必要がないと認識し、ステップS22乃至S28の処理をスキップする。その後、処理はステップS29に進み、ステップS29において、制御部41は、時計回路47を用いて、低速転送切替用タイマを所定の時間(例えば5秒間など)に設定する。その後、低速転送切替用タイマの計時が開始されるとともに、処理は図5のステップS6に戻る。
図5のステップS6において、制御部41は、切り替え後のデータ転送レートを用いて、画面データ転送回路51に画面データを表示駆動部52に転送させる。具体的には、ステップS4の処理によって、画面データ転送回路51が画面データを表示駆動部52に転送する際に用いられるデータ転送レートが高速データ転送レートに切り替えられた場合、画面データ転送回路51は、制御部41の制御に従い、画面更新要求に基づいてメインディスプレイ17に表示される画面データを記憶部42から読み出し、読み出された画面データを、高速転送クロック生成部55により生成される高速転送クロックを動作クロックとして用いて表示駆動部52に転送する。
なお、無駄に高速データ転送レートで画面データが転送され続けることを防止するために図7のステップS29の処理により設定された低速転送切替用タイマの満了に伴う低速データ転送切替処理は、図5の画面データ転送レート切替制御処理と並行して実行される。この低速転送切替用タイマの満了に伴う低速データ転送切替処理は、図8に示される。
図8のフローチャートを参照して、図2の携帯電話機1における低速転送切替用タイマの満了に伴う低速データ転送切替処理について説明する。
ステップS51において、制御部41は、時計回路47を用いて、高速データ転送切替処理において設定された低速転送切替用タイマが満了したか否かを判定し、高速データ転送切替処理において設定された低速転送切替用タイマが満了したと判定するまで待機する。ステップS51において制御部41が、高速データ転送切替処理において設定された低速転送切替用タイマが満了したと判定した場合、制御部41はステップS52で、高速転送クロック生成部55の動作を停止するとともに低速転送クロック生成部56を起動し、画面データ転送回路51が画面データを転送する際に用いられるデータ転送レートを、低速転送クロック生成部556により生成される低速転送クロックを動作クロックとして用いる低速データ転送レートに切り替える。ステップS53において、制御部41は、現在の転送状態を高速転送状態から低速転送状態に変更する。これにより、高速転送状態となってからしばらくの間画面データの転送が行われない場合などに、高速データ転送レートが維持されることにより生じる消費電流の増加を所定の時間の経過により抑制することができる。
一方、ステップS3において制御部41が、算出される基準データ転送レートがデータ転送レートに関する基準値以下であると判定した場合、制御部41はステップS5で、低速データ転送レート切替処理を実行する。この低速データ転送レート切替処理の詳細は、図9に示される。
図9のフローチャートを参照して、図2の携帯電話機1における高速データ転送レート切替処理の詳細について説明する。
ステップS81において、制御部41は、現在の転送状態が低速データ転送レートを用いる低速転送状態であるか否かを判定する。ステップS81において制御部41が現在の転送状態が低速データ転送レートを用いる低速転送状態ではないと判定した場合、制御部41はステップS82で、現在の転送状態が低速切替中の状態であるか否かを判定する。ステップS82において制御部41が、現在の転送状態が低速切替中の状態ではないと判定した場合(すなわち、制御部41が、現在の転送状態が高速転送状態または高速切替中の状態であると判定した場合)、制御部41はステップS83で、低速切替判定回数カウンタをクリアする。これにより、ステップS3において制御部41が、算出される基準データ転送レートがデータ転送レートに関する基準値以下であると判定した回数をカウントアップするための低速切替判定回数カウンタを初期化し、低速切替判定回数カウンタの値がOにされる。
ステップS84において、制御部41は、現在の転送状態を、低速転送状態および低速切替中の状態以外の状態(低速転送状態または低速切替中の状態)から低速切替中の状態に変更する。ステップS25において、制御部41は、現在の転送状態が低速転送状態および低速切替中の状態以外の状態から低速切替中の状態に変更されると、低速切替判定回数カウンタを1だけインクリメントする。従って、初期化された低速切替判定回数カウンタの値は0であることから、ステップS85のインクリメント処理により低速切替判定回数カウンタの値は0から1にインクリメントされる。一方、ステップS82において制御部41が、現在の転送状態が低速切替中の状態であると判定した場合、制御部41はステップS85で、現在の転送状態が低速切替中の状態でさらに基準データ転送レートがデータ転送レートに関する基準値以下であると判定されたことから、低速切替判定回数カウンタを1だけインクリメントする。例えば低速切替判定回数カウンタの値が2である場合に1だけさらにインクリメントされて、低速切替判定回数カウンタの値は3になる。
ステップS86において、制御部41は、低速切替判定回数カウンタの値が所定の基準回数(例えば3回)以上であるか否かを判定する。ステップS86において制御部41が、低速切替判定回数カウンタの値が所定の基準回数以上であると判定した場合、制御部41はステップS87で、高速転送クロック生成部56の動作を停止するとともに低速転送クロック生成部56を起動し、画面データ転送回路51が画面データを転送する際に用いられるデータ転送レートを、低速転送クロック生成部56により生成される低速転送クロックを動作クロックとして用いる低速データ転送レートに切り替える。ステップS88において、制御部41は、現在の転送状態を低速切り替え中の状態から低速転送状態に変更する。ステップS89において、ステップS87の処理によりデータ転送レートが低速データ転送レートに切り替えられたことから、制御部41は、無駄に高速データ転送レートで画面データが転送され続けることを防止するために図7のステップS29の処理によりすでに設定された低速転送切替用タイマを停止し、低速転送切替用タイマの計時処理を停止する。その後、処理は図5のステップS6に進む。
一方、ステップS86において制御部41が、低速切替判定回数カウンタの値が所定の基準回数以上ではないと判定した場合、制御部41は、画面データ転送回路51が画面データを表示駆動部52に転送する際に用いられるデータ転送レートをまだ低速データ転送レートに切り替える必要がないと認識し、ステップS87乃至S89の処理をスキップする。これにより、低速切替判定回数カウンタの値が所定の基準回数以上とならない限り、データ転送レートは低速データ転送レートに切り替わることはなく、一瞬だけ低速データ転送レートの切替が必要となるような場合などにおいて無駄なデータ転送レートの切り替え処理を省くことができる。その後、処理は図5のステップS6に進む。また、ステップS81において制御部41が現在の転送状態が低速データ転送レートを用いる低速転送状態であると判定した場合、制御部41は、画面データ転送回路51が画面データを表示駆動部52に転送する際に用いられるデータ転送レートはすでに低速データ転送レートに切り替えられており、さらに低速データ転送レートに切り替える処理を行う必要がないと認識し、ステップS82乃至S88の処理をスキップする。その後、処理はステップS89に進み、ステップS89において、制御部41は、図7のステップS29の処理によりすでに設定された低速転送切替用タイマを停止し、低速転送切替用タイマの計時処理を停止する。その後、処理は図5のステップS6に進む。
図5のステップS6において、ステップS4の処理によって画面データ転送回路51が画面データを表示駆動部52に転送する際に用いられるデータ転送レートが低速データ転送レートに切り替えられた場合、画面データ転送回路51は、制御部41の制御に従い、画面更新要求に基づいてメインディスプレイ17に表示される画面データを記憶部42から読み出し、読み出された画面データを、低速転送クロック生成部56により生成される低速転送クロックを動作クロックとして用いて表示駆動部52に転送する。なお、本実施形態の場合、画面データ転送回路51は、記憶部42に記憶される画面データを読み出して表示駆動部52に転送する場合について明示的に記載しているが、制御部41が取得する圧縮伸張処理部37からのディジタル動画像信号に基づく動画像データ(画面データ)を、画面データ転送回路51が表示駆動部52に転送する場合についても本発明を適用することができる。すなわち、画面データ転送回路51が表示駆動部52に転送する画面データは、記憶部42が記憶する画面データ以外にも、携帯電話機1が受信することにより制御部41が取得する画面データであってもよい。
一方、図5のステップS1において御部41が、画面データ転送回路51が転送する画面データに関する転送面積が転送面積に関する基準値より小さいと判定した場合、制御部41は、データ転送レートの切り替え処理に要する時間に対して転送する画像データの転送時間が短く、データ転送レートの切り替え処理を敢えて行う必要がないと認識し、ステップS7で基準データ転送レートを算出せず、またデータ転送レートの切り替え処理を行わず、ステップS4乃至S5の処理によってすでに切り替え済みの現在のデータ転送レート(高速データ転送レートまたは低速データ転送レート)を用いて、画面データ転送回路51に画面データを表示駆動部52に転送させる。これにより、データ転送レートの切り替え処理に要する時間と転送する画像データの転送時間を考慮して、無駄なデータ転送レートの切り替え処理を省くことができる。
本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機は、メインディスプレイ17などからなる表示部は画面データに基づく画面を表示し、表示駆動部は表示部を駆動し、第1の転送クロック(高速転送クロック)を生成し、第1の転送クロックよりも低速な第2の転送クロック(低速転送クロック)を生成し、少なくとも第1の転送クロックを用いた第1のデータ転送レート(高速データ転送レート)および第2の転送クロックを用いた第2のデータ転送レート(低速データ転送レート)のいずれかを用いて、画面データを表示駆動部に転送し、画面データに関する属性データに基づいて、画面データ転送回路が画面更新要求から定まる転送間隔で画像データを表示駆動部に転送する際の基準データ転送レートを算出し、算出される基準データ転送レートが所定の基準値よりも大きいか否かを判定し、判定結果に基づいて、画面データ転送回路が画面データを表示駆動部に転送する際に用いられるデータ転送レートを第1のデータ転送レートおよび第2のデータ転送レートのいずれかに切り替えることができる。
これにより、転送面積や色深度と転送間隔から算出される基準データ転送レートに基づいて、画面データの転送に必要十分なデータ転送レート(高速データ転送レートまたは低速データ転送レート)に切り替えることができ、画面データ転送レートを好適に変更し、表示性能を維持しつつ消費電流の増加を抑制することができる。また、本発明の場合、上位のアプリケーションの変更は必要なく、ドライバ層のミドルウェアの変更のみで実装することができる。
なお、本発明の実施形態においては、データ転送レートは高速データ転送レートと低速データ転送レートのいずれかに切り替えられるようにしたが、このような場合に限られず、例えば基準データ転送レートに関する基準値を複数設けるようにし、データ転送レートは高速データ転送レート、中速データ転送レート、および低速データ転送レートのいずれかに切り替えられるようにしてもよいし、より多段階で切り替えられるようにしてもよい。このとき、中速データ転送レートを用いる場合、中速転送用のクロック生成部が新たに設けられる。中速転送用のクロック生成部による消費電流は、高速転送クロック生成部55による消費電流よりも小さいものであり、かつ、低速転送クロック生成部56による消費電流よりも大きいものとなる。携帯電話機1が3段階より多くの多段階でデータ転送レートを切り替える場合についても同様である。
なお、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
また、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。