JP5387358B2 - 高伸度不織布シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高い伸長性をもち、機械的強度特性にすぐれた不織布シートに関するものである。伸長性と機械的強度特性に優れたシートは、土木用途、建築用途などに好適に用いられる。特に、土層や建造物などの上に不織布シートを敷設する場合に、不陸や凹凸状の突起などの非平面形状に追随しやすく、作業性を大幅に改善することが可能である。
従来知られているシートは、引張強度や引裂き強度などの機械的強度の高い不織布は伸長性(伸び率)が低く、逆に伸長性(伸び率)の高い不織布は、機械的強度に劣るというものであった。特に伸び率が120%以上であるシートは、弾性体や可塑剤などを用いたもの以外には、発明者の知る範囲ではほとんど存在しなかった。高収縮糸よりなるメッシュ形状の基本シートと不織布よりなる主シートを、複合してなる異種材複合シートとして、伸び率208%、強力が2746N/10cmであるシートが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3366881号公報
特許文献1に開示された技術で得られる複合シートは、メッシュを形成する太い繊維が主として強力に寄与しているものと推定され、メッシュ状の太い繊維間の距離により、局所的には強度の低い箇所が存在する可能性があるものであった。従って、引張り測定を行う際、サンプル幅により強度に大きな差を生じることが予測されるものであった。
また、不織布よりなる主シートは、伸び率が高いものと推定されるが、メッシュ繊維が存在しない部分においては強度面ではあまり強くないと考えられ、また、メッシュが格子状に形成されている場合には、せん断強度特性が低い場合もあった。特に、メッシュを形成する太い繊維の配列方向に45度傾けた方向の強度は、かなり小さくなると考えられた。また、メッシュ形状の基本シートを別に製造しておく必要があり、複合シートを製造する工数が多く、それに要する労力やエネルギー消費も大きいものであった。
本発明は、このようなメッシュ形状の基本シートを使用しなくとも、高い伸長性をもち、シート全面の機械的強度特性にすぐれた不織布シートを提供することを目的とするものである。
前記目的を達成した本発明の高伸度不織布シートは、以下の通りである。
1.熱収縮性繊維を30〜100重量%含む第1不織布繊維シートと、第2不織布繊維シートを、ニードルパンチ法により積層した少なくとも2層からなる積層構造不織布であって、その不織布を熱処理で熱収縮させ、その熱収縮時の第1不織布繊維シートの収縮を第2不織布繊維シートの収縮より大きくすることにより得られる、縦横の伸び率がともに120%以上である高伸度不織布シート。
2.第2不織布繊維シートが、第1不織布繊維シートとの収縮差により深さが0.2〜3mmの凹凸皴を強制的に発現させられた上記1に記載の高伸度不織布シート。
3.第1不織布繊維シートに使用される熱収縮性繊維が、130℃、10分の熱処理により15%以上収縮するポリエステル系短繊維である上記1に記載の高伸度不織布シート。
4.第2繊維不織布シートが、JIS L1015(1999)で測定される繊維/繊維間静摩擦係数が0.27以下であるポリエステル系短繊維を20重量%以上含む上記1に記載の高伸度不織布シート。
5.厚みが3mm以上、100g目付あたりの強度が20N/5cm以上の上記1〜4のいずれかに記載の高伸度不織布シートからなる土木用分離シート。
6.第1不織布繊維シートが、クロスカードにより紡出され、ニードルパンチ機に導入されるまでに50〜600%長手方向にドラフトをかけることにより繊維がマシン方向により多く再配列され、その後に第2不織布繊維シートにニードルパンチにより交絡させて積層し、続いて、熱収縮処理を行う上記1〜5のいずれかに記載の高伸度不織布シートの製造方法。
7.少なくとも一部の表面に、シリコン系油剤あるいは吸水・ソイルリリース剤が塗布された繊維を、ニードルパンチにより交絡させた不織布を2枚以上積層させた第2不織布繊維シートと、第1不織布繊維シートとをニードルパンチにより積層し、続いて、熱収縮処理を行う上記1〜5のいずれかに記載の高伸度不織布シートの製造方法。
本発明によれば、高い伸長性をもち、機械的強度特性にすぐれた高伸度不織布シートを提供することが可能となる。
本発明の高伸度不織布シートは、熱収縮性繊維を30〜100重量%含む第1不織布繊維シートと、第2不織布繊維シートを、ニードルパンチ法により積層した少なくとも2層からなる積層構造不織布であって、その積層構造不織布を熱処理で熱収縮させ、その熱収縮時の第1不織布繊維シートの収縮を第2不織布繊維シートの収縮より大きくすることにより得られる、縦横の伸び率がともに120%以上である高伸度不織布シートである。
第1不織布繊維シートは、熱収縮性繊維を30〜100重量%含むことが必要である。熱収縮性繊維の収縮により第1不織布繊維シートと、第2不織布繊維シートとが積層された後の積層構造不織布を、熱処理した際に、第1不織布繊維シートと第2不織布繊維シートの熱収縮の差が発生し、その結果として得られた高伸度不織布シートの伸び率を高くすることが可能となる。熱収縮性繊維としては、収縮応力が高い繊維であることが好ましく、たとえばネオペンチルグリコールやシクロヘキサンジメチタノール成分などを用いたポリエステル系繊維やポリスチレン系の繊維などが例として上げられるが特に限定されるものではない。また、熱収縮性繊維は必要に応じて、あらかじめ他の繊維と混合されて後、ニードルパンチ法により不織布として形成されたものを用いることが好ましい。
第1不織布繊維シートを構成する非熱収縮性繊維の素材も特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド;アラミドなどの芳香族ポリアミド;ポリエチレンなどのポリオレフィンなどが一般的である。また、全芳香族ポリエステル、所謂超高分子量ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトンなどの樹脂も、前記繊維の素材として使用可能である。これらの素材は単独で使用してもよく、本発明の効果を損なわない範囲で2種以上を混合して用いても構わない。中でも、コストや耐候性などの面で、前記例示の各ポリエステルを素材とする繊維が好ましい。
熱収縮性繊維は、繊維径が太いほど高収縮応力が期待されるため、その繊維径は、好ましくは1.5dtex以上、より好ましくは4dtex以上、更に好ましくは6dtex以上である。第2不織布繊維シートとの絡みを良くするために、比較的太い繊維に1.1〜3.3dtexの細い繊維を混合することも好ましく、この細い方の繊維も熱収縮性の繊維であればさらに好ましい。
また、熱収縮性繊維は、130℃、10分の熱処理により求められる乾熱収縮率が15%以上収縮するポリエステル系短繊維であることが好ましい。該熱収縮性繊維の乾熱収縮率が高いほど、第1不織布繊維シートと第2不織布繊維シートの積層後の熱処理による収縮差が大きくなり、その結果として高伸度不織布シートの伸び率を高くすることが可能となる。乾熱収縮率は、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは25%以上である。
第1不織布繊維シートにおける熱収縮性繊維の混合率は、30〜100重量%であることが好ましく、より好ましくは60〜90重量%である。混合率が30重量%より小さいと、十分な収縮力を得ることが難しくなり、第2不織布繊維シートを積層して、一体となった高伸度不織布シートの収縮を発現することが難しくなる。熱収縮性繊維の混合率が大きいほど、高伸度不織布シートの収縮率を高くすることが容易になる。ただし、混合率が90重量%を超えると高伸度不織布シートの機械的強度特性におけるに第1不織布繊維シートの機械的強度特性の寄与率が低下する場合があるので注意が必要である。これは、第1不織布繊維シートが収縮することにより繊維間間隙が短くなるなどの効果により、該シートの伸び率が低下し、結果として、高伸度不織布シート全体に対する第一不織布繊維シートの寄与の低下が起因すると考えられる。
第2不織布繊維シートは、第1不織布繊維シートとの積層後の不織布を熱処理で熱収縮させた際に、第1不織布繊維シートの収縮より収縮が小さい不織布繊維シートである。そのため、第2不織布繊維シートは、第1不織布繊維シートと第2不織布シートとの積層後の熱処理時の収縮差により深さが0.2〜3mmの凹凸皴が強制的に発現させられる。第1不織布繊維シートと第2不織布繊維シートとの熱処理時の収縮差が多いほど、皺の深さが深くなり、かつ高伸度不織布シート表面全体に皺がうねるように曲線を描くように多数の皺が形成される。この皺の量が多いほど、皺の深さが深いほど、得られる高伸度不織布シートの伸び率を高くすることが容易となる。第1不織布繊維シートと第2不織布繊維シートに熱処理時の収縮差が殆どない場合は、皺の発生が殆ど認められないものとなる。
第2不織布繊維シートを形成する繊維は、JIS L1015(1999)で測定される繊維/繊維間静摩擦係数が0.27以下である繊維を20重量%以上含んでいることが好ましく、繊維/繊維間静摩擦係数は、より好ましくは0.25以下、更に好ましくは0.20以下である。摩擦係数はデータのばらつきがある程度予測されるため、10サンプルの測定を行って、その最小値を用いることが好ましい。摩擦係数が小さいほど、高伸度不織布シートの伸び率を高くすることが可能である。第2不織布繊維シートは、第1不織布繊維シートの収縮に伴って、ともに収縮することが高伸度不織布シートの製造において重要である。従って、第2不織布繊維シートを形成する繊維の摩擦係数が小さいほど収縮時に収縮に対する抵抗が小さくなり、収縮を生じさせることが容易になる。第2不織布繊維シートに含まれる低摩擦係数の繊維は、20重量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは40重量%以上、更に好ましくは60%重量以上である。
なお、一般的な不織布用の繊維の繊維/繊維間静摩擦係数を発明者が測定した結果は、0.30あるいはそれより大きいことが一般的であった。この摩擦係数の値では、高伸度不織布シートになったときに、十分な伸び率や強度を得ることが難しくなる。
また、第2不織布繊維シートを構成する繊維は、繊維径が太いほど、また繊維長が長いほど引張強さや引裂き強度などの機械的強力が高いものを得やすい。そのため、繊維径は3.3dtexより太い繊維であることが好ましく、繊維長も60mm以上であることが好ましい。繊維径が11dtex以下である場合には、潜在捲縮性の繊維が含まれていることもスムーズな収縮を得る上で好ましい。繊維の断面形態は中実丸断面でも良いし、中空繊維も好ましい形態のひとつである。
第2不織布繊維シートに使用する低摩擦係数の繊維の素材は特に規定されず、ポリエステルやポリアミド、ポリオレフィン系繊維などが使用可能である。ポリエチレン、特に超高分子量ポリエチレンよりなる繊維は、素材特性により摩擦係数が低く本発明に好適に用いることが可能である。また、ポリエステルやポリアミド、ポリオレフィン系繊維などの汎用繊維やその混合物の一部に、シリコン系油剤、フッ素系油剤あるいは吸水・ソイルリリース剤などが繊維表面に塗布されていると摩擦係数が小さくなり好ましい。これらの表面改質可能な油剤や化学品は、油脂メーカーなどから市販されているものを目的に応じて適宜選択すればよい。
第1不織布繊維シートを製造する方法としては、スパンボンド法などの長繊維の製造方法でもよい。その繊維は同一成分だけで製造されていても良いし、異なる成分の繊維が混合されていたり、あるいは2成分以上の複合繊維の形態をとっていてもよい。短繊維不織布の製造法の場合に特に好適な例としては、ウェブがクロスカードにより紡出され、ニードルパンチ機に導入されるまでに50%以上600%以下長手方向にドラフトをかけることにより繊維がマシン(長手)方向により多く再配列されていることが好ましい。このドラフト比率が50%より小さいと、機械的強度特性に優れた高伸度不織布シートの製造が難しくなる。好ましくは100%以上、より好ましくは250%以上500%以下である。不織布中の繊維の配列が多い方向に対して高伸度不織布シートの該方向への収縮率が高くなりやすい。そこで、シートのマシン(長手)方向にドラフトをかけることにより、クロスカードにより形成された主に幅方向に配列された繊維を、マシン(長手)方向に再配列をすることが可能となる。また、クロスウェブは幅方向に不織布強度が高くなりやすく、縦横の強力バランスを良くする意味でも繊維の再配列が好ましい。ドラフトをかける方法としては、ドラフターを用いても良いし、単にカードからの供給速度とニードルパンチ機の速度比の設定を後者がより高くなるように設定することで可能となる。その際、ウェブ層の幅は、ドラフトをかける前の幅から3〜30%程度狭くなることが好ましい。ドラフト比に反比例するような形でウェブ層の幅が狭くなってしまうと製造時の取り扱いが不便になる。また、逆に繊維が長手方向により多く配列することにより強度バランスが崩れてしまう。高伸度不織布シートの縦横強力比は0.7〜1.25の間にあることが特に好ましい。
また、ウェブをパラレルカードにより紡出する場合には、拡幅機により横方向に広げることも好ましい形態のひとつである。
第1不織布繊維シートより熱処理時の収縮が小さい第2不織布繊維シートは、ニードルパンチ法により形成されていることが好ましい。特に、機械的強度を高くするためには、あらかじめ複数枚の不織布を製造しておき、第1不織布繊維シートと複合する際に積層してニードルパンチ法により一体化することも好ましい形態のひとつである。第2不織布繊維シートを形成する繊維は、どちらかというと繊維径が太いほうがより機械的強度が出しやすい傾向にあり、好ましくは4.4dtex以上である。また、繊維が太いほうが第1不織布繊維シートとの収縮差が発現しやすく、高伸度不織布シート全体の収縮率を高くすることが可能である。また、第1不織布繊維シートと第2不織布繊維シートをニードルパンチ法により積層する場合には、第2不織布繊維シート側が、ニードルの進入方向にあることが好ましい。これは、第2不織布繊維シートを構成する非収縮性繊維が、第1不織布繊維シートに貫入することにより一体化された方が、積層後の熱処理時の収縮を効率的に実施できるからである。逆側からの貫入になると、第1不織布繊維シート中の熱収縮性繊維がニードル孔を通って元に戻ってしまうことが起こりやすく、積層後の熱処理時の収縮を起こしにくいと推定される。
第1不織布繊維シートより熱処理時の収縮が小さい第2不織布繊維シートも、ニードルパンチ法により積層した後に、熱処理を行う必要がある。熱処理の温度は、摩擦を低下させる薬品や油剤を用いた場合には、その有効成分の分解開始温度より低い温度で処理する必要がある。本発明者の検討の範囲では、繊維を構成する樹脂の硬さの変化する温度以下の温度、特に120〜150℃の間の温度で2〜6分程度の熱処理を行うことが、高伸度不織布シートの伸び率を高くする上で有効であった。シートは、例えば縦3m横2mなどの矩形の単板で熱処理されてもいいし、連続的にロール状に不織布を巻いておき、解舒しながら熱処理をしてもよい。特に単板で熱処理した場合には、より高い伸び率を得ることが可能である。
本発明の高伸度不織布シートを土木用途に用いる場合は、高伸度不織布シートの厚みが3mm以上、100g目付あたりの強度が20N/5cm以上であると土木用分離シートや防砂シートなどに好適に用いることができる。特に、本発明のシートは機械的強度特性が高いことが特徴であり、より好ましくは100g目付あたりの強度が40N/5cm以上、更に好ましくは100g目付あたりの強度が60N/5cm以上である。土木用途では、高伸度不織布シートの厚みが大きいほど、かつ機械的強度が高いほど衝撃に対するエネルギー吸収性や期待されるため好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。本発明で用いた測定法は以下の通りである。
<シートの目付>
JIS L 1913(1998) 6.2の規定に従って測定する。
<シートの厚み>
JIS L 1913(1998) 6.1.2 A法の規定に準じ、0.5kPaの荷重下にて測定する。
<短繊維の乾熱収縮率>
JIS L 1015(1999) 8.15の規定に準じて130℃、10分の熱処理により測定する。
<繊維/繊維間の静摩擦係数>
JIS L 1015(1999) 8.13の規定に準じて測定する。
<引張強さ(強度)および破断伸び率>
JIS L 1913(1998) 6.3の規定に準じて5cm幅の試料を引張速度2cm/minで測定する。
<第2不織布繊維シートの凹凸皺>
第2不織布繊維シートの凹凸皺は、全面に深いうねり状の皺(0.2〜3mmの深さの連続する溝状のものをいい、容易に視認可能である)がある場合には○、皺が全体的に浅い、あるいは皺のない部分が局所的に存在する場合は×とした。
(実施例1)
第1不織布繊維シートとして、ネオペンチルグリコール成分を含む7.7dtex、繊維長76mmの熱収縮性繊維(乾熱収縮率35%)よりなる200g/mのニードルパンチ不織布を用いた。不織布製造はパラレルカード機を用いて、カード機出口とニードルパンチ機デリベリロールのドラフト比を400%になるように設定した。この第1繊維シートの上面に、繊維/繊維静摩擦係数が0.24で繊度が6.6dtexの短繊維60重量%と繊維/繊維静摩擦係数が0.30で繊度が6.6dtexの中空短繊維を40重量%を混合した第2不織布シートを積層して、ニードルパンチ機で、深さ12mm、突き刺し密度42箇所/cmで複合一体化した。続いて、130℃の熱風通過型熱処理機により約3分間の連続収縮処理を行った。得られた不織布の特性を表1に示す。縦横の伸び率がともに200%以上あり、引張強度も優れた高伸度シートを得ることができた。
(実施例2〜8)
表1に記載した条件以外は全て実施例1と同様にして、第1不織布繊維シートや第2不織布繊維シートの目付や、熱収縮繊維比率、摩擦係数の異なる繊維、繊維径などを変更して高伸度シートを得た。得られた不織布の特性を表1に示す。表1に示されるように全て伸び率と引張強度に優れた特性を示した。実施例8では、第1不織布繊維シートに、繊度3.3dtex、乾熱収縮率が1.8%の非収縮性繊維を20重量%用いた。
(比較例1)
熱収縮性繊維を用いないで、繊度6.6dtex、乾熱収縮率2.5%の繊維を用いて実施例1と同様の方法で複合シートを作成した。結果を表1に示す。伸び率が著しく低く問題であった。第1不織布繊維シート、第2不織布繊維シートの個々のシート製造および積層複合のニードルパンチ突き刺し密度を18箇所/cmにしたところ、破断伸び率が200%を超える場合もあったが、繊維の絡合が少ないために引張強さが170N/5cm未満となり問題であった。
(比較例2〜5)
実施例1の同様に複合シートを作成したが、表1の条件にあるよう条件を変更して検討を行った。いずれも、伸び率が120%を下回り問題であった。
Figure 0005387358
本発明によれば、高い伸長性をもち、機械的強度特性にすぐれた高伸度不織布シートを提供することが可能となり、土木用途、建築用途などに好適に用いられ、特に土層や建造物などの上に不織布シートを敷設する際に、不陸や凹凸状の突起などの非平面形状に追随し易く、作業性を大幅に改善することが可能となり、産業界に寄与することが大である。

Claims (7)

  1. 熱収縮性繊維を30〜100重量%含む第1不織布繊維シートと、JIS L1015(1999)で測定される繊維/繊維間静摩擦係数が0.27以下であるポリエステル系短繊維を20重量%以上含む第2不織布繊維シートを、ニードルパンチ法により積層した少なくとも2層からなる積層構造不織布であって、その不織布を熱処理で熱収縮させ、その熱収縮時の第1不織布繊維シートの収縮を第2不織布繊維シートの収縮より大きくすることにより得られる、縦横の伸び率がともに166%以上である高伸度不織布シート。
  2. 第2不織布繊維シートが、第1不織布繊維シートの収縮により深さが0.2〜3mmの凹凸皴を強制的に発現させられた請求項1に記載の高伸度不織布シート。
  3. 第1不織布繊維シートに使用される熱収縮性繊維が、130℃、10分の熱処理により15%以上収縮するポリエステル系短繊維である請求項1に記載の高伸度不織布シート。
  4. 第1不織布繊維シートに使用される熱収縮性繊維の繊維径が1.5dtex以上、第2不織布繊維シートに使用される繊維の繊維径が3.3dtex以上である請求項1〜3のいずれかに記載の高伸度不織布シート。
  5. 厚みが3mm以上、100g目付あたりの強度が20N/5cm以上の請求項1〜4のいずれかに記載の高伸度不織布シートからなる土木用分離シート。
  6. 第1不織布繊維シートが、クロスカードにより紡出され、ニードルパンチ機に導入されるまでに50〜600%長手方向にドラフトをかけることにより繊維がマシン方向により多く再配列され、その後に第2不織布繊維シートにニードルパンチにより交絡させて積層し、続いて、熱収縮処理を行う請求項1〜5のいずれかに記載の高伸度不織布シートの製造方法。
  7. 少なくとも一部の表面に、シリコン系油剤あるいは吸水・ソイルリリース剤が塗布された繊維を、ニードルパンチにより交絡させた不織布を2枚以上積層させた第2不織布繊維シートと、第1不織布繊維シートとをニードルパンチにより積層し、続いて、熱収縮処理を行う請求項1〜6のいずれかに記載の高伸度不織布シートの製造方法。
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