JP7281304B2 - 一方向性繊維強化複合材 - Google Patents

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Description

本発明は、マトリックス中に複数の連続繊維が一方向に配列された一方向性繊維強化複合材に関する。
補強材として連続繊維を用いた一方向性繊維強化複合材は、一般に、炭素繊維などの強化繊維束に熱可塑性樹脂を含浸させることにより製造されている(特許文献1,2参照。)。例えば、特許文献1に記載の方法では、クロスヘッド金型内で強化繊維束の周囲をマトリックス樹脂で被覆した後、開繊して所定幅の繊維強化プラスチックテープを得ている。また、特許文献2に記載の繊維強化テープの製造方法では、複数の繊維が層状に配列された強化繊維束を用い、溶融したマトリックス樹脂が貯留されている浸漬ダイ内を通過させることで、強化繊維束を構成する単繊維間にマトリックス樹脂を含浸させている。
また、従来、一方向にテープ又はシート状に配列した複数の強化繊維と、同方向にテープ又はシート状に配列した複数の熱可塑性繊維とを積層し、加熱・加圧を行うことによりテープ又はシート状の繊維基材を得る方法も提案されている(特許文献3参照)。この特許文献3に記載の繊維基材は、強化繊維と熱可塑性繊維とが一方向に配列しており、繊維配列方向に垂直方向の断面における少なくとも積層界面において、強化繊維の単繊維と熱可塑性繊維の単繊維の断面が混合して分布し、熱可塑性繊維の少なくとも一部の断面が強化繊維の断面と断面との間を融着している。
特開2013-104056号公報 国際公開第2015/046290号 特開2015-017343号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載されているような強化繊維束にマトリックス樹脂を含浸させる方法は、一方向性繊維強化複合材に複数の特性を付与することが難しく、また、使用する補強材の繊度や製造可能な複合材のサイズ・強度などが限定されるため、自由度も低い。一方、特許文献3に記載されている強化繊維と熱可塑性繊維をテープ又はシート状にして積層する方法は、高温・高圧で加工を行うため、分解温度が高く且つ温度劣化を起こしにくい強化繊維を用いる必要があり、汎用樹脂への適用が難しい。このような理由から、従来の一方向性繊維強化複合材は用途が限定され、汎用性に乏しいものであった。
そこで、本発明は、2以上の特性を有する一方向性繊維強化複合材を提供することを目的とする。
本発明に係る一方向性繊維強化複合材は、マトリックス中に複数の連続繊維が一方向に配列された一方向性繊維強化複合材であって、前記マトリックスは成分組成が異なる2種以上の樹脂組成物で構成されており、前記連続繊維の長手方向に垂直な断面にはマトリックスが一の樹脂組成物である領域とマトリックスが他の樹脂組成物である領域が相互に隣接して存在し、かつ、各樹脂組成物は前記連続繊維の長手方向に連続して存在しており、前記一の樹脂組成物及び前記他の樹脂組成物のいずれにも前記連続繊維が埋め込まれている。
前記連続繊維の長手方向に垂直な断面には、少なくとも幅方向において、前記マトリックスが一の樹脂組成物である領域と前記マトリックスが他の樹脂組成物である領域が相互に隣接して存在していてもよい。
この一方向性繊維強化複合材は、海成分中に複数の島成分が点在する海島断面構造を有し、少なくとも海成分の成分組成が相互に異なる2種以上の複合繊維を用いて形成することができ、その場合、前記マトリックスは各複合繊維の海成分により構成され、前記連続繊維は各複合繊維の島成分で構成される。
一方向性繊維強化複合材を形成する各複合繊維としては、例えば、前記海成分が熱可塑性樹脂組成物で構成され、前記島成分が前記海成分よりも融点が高い熱可塑性樹脂組成物で構成されているものを用いることができる。
本発明の一方向性繊維強化複合材の少なくとも一方の表面には、前記一の樹脂組成物と前記他の樹脂組成物との界面部分に、長手方向に連続して又は非連続で切り欠き若しくは切り込みが形成されていてもよい。
また、本発明の一方向性繊維強化複合材は、例えば、長尺シート又はテープである。
本発明によれば、成分組成が異なる2以上の樹脂組成物でマトリックスを構成しているため、一方向性繊維強化複合材に2以上の特性を付与することができる。
A,Bは本発明の第1の実施形態の繊維強化複合材を模式的に示す図であり、Aは平面図であり、BはAに示すx-x線による拡大断面図である。 図1に示す繊維強化複合材1を製造する方法を示す概念図である。 A,Bは繊維強化複合材1の製造に用いられる複合繊維の構造例を示す横断面図である。 A,Bは本発明の第2の実施形態の繊維強化複合材を模式的に示す図であり、Aは平面図であり、BはAに示すy-y線による拡大断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係る繊維強化複合材について説明する。図1A,Bは本実施形態の繊維強化複合材を模式的に示す図であり、図1Aは平面図、図1Bは図1Aに示すx-x線による拡大断面図である。図1A,Bに示すように、本実施形態の繊維強化複合材1は、マトリックス2中に連続繊維3が一方向に配列した状態で埋め込まれている一方向性繊維強化複合材である。
[マトリックス2]
マトリックス2は、成分組成が異なり、相互に異なる特性を示す2種以上の樹脂組成物2a,2bで構成されている。このように、特性が異なる複数の樹脂組成物でマトリックス2を構成することで、繊維強化複合材1に2以上の特性を付与することが可能となる。ここで、繊維強化複合材1に付与される(樹脂組成物2a,2bが有する)特性としては、色(多色化)、熱(難燃性・遅燃性)、香(消臭性・芳香性)、電気(導電性・非導電性・半導電性)、菌(抗菌性・殺菌性)、音(防音性・遮音性)、各種物性(質感・硬さ・靱性・スリップ性・タック性・耐薬品性・相溶性)などが挙げられる。
樹脂組成物2a,2bには、目的とする特性を有する機能性樹脂を用いてもよいが、別途目的とする特性を有する材料を樹脂に配合することもできる。特性付与のために樹脂に配合される材料としては、例えば、色素、顔料、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、殺菌剤、遮音材料、吸音材料、導電材料などがある。
繊維強化複合材1に付与される2以上の特性は、特に限定されるものではなく、相反する特性及び同種の特性のいずれでもよい。例えば、樹脂組成物2a,2bに相互に異なる色の顔料を配合すれば、多色の繊維強化複合材1が得られる。また、樹脂組成物2aに消臭剤を配合すると共に樹脂組成物2bに殺菌剤を配合すれば、繊維強化複合材1に消臭機能と殺菌機能を付与することができる。
更に、樹脂組成物2a,2bに、それぞれ難燃性又は遅燃性と可燃性、吸水性と吸油性、撥水性と撥油性のように相反する特性を付与してもよい。これにより、異なる性能を混合したときに、一方又は両方の性能が高められる対比効果や相乗効果、或いは、一方又は両方の性能が弱められる抑制効果などを得ることができる。例えば、熱膨張性を有する樹脂組成物と負の熱膨張性(熱収縮性)を有する樹脂組成物を組み合わせると、熱変形し難い繊維強化複合材1が得られる。
樹脂組成物2a,2bを構成する樹脂は、特に限定されるものではないが、加工性の観点から熱可塑性樹脂が好ましく、その中でも比較的低温で成形できるポリオレフィン系樹脂が好ましい。具体的には、樹脂組成物2a,2bには、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及びエチレン酢酸ビニルなどのエチレン系樹脂、エチレン及びブテンなどのαオレフィンとプロピレンとの2元系又は3元系共重合体であるランダム又はブロック共重合ポリプロピレンなどを用いることができる。これらのポリオレフィン系樹脂の中でも、特に、融点が明確で温度に対してシャープな溶融挙動を示すことから、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンが好適である。
本実施形態の繊維強化複合材1では、前述した各樹脂組成物2a,2bが、例えば、図1Bに示す連続繊維3の長手方向Lに垂直な断面においては相互に隣接して存在し、連続繊維3の長手方向Lにおいては連続して存在するよう配置されている。なお、図1Bでは、樹脂組成物2aと樹脂組成物2bとが幅方向に交互に配置されている例を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、成分組成が異なり相互に異なる特性を示す2種以上の樹脂組成物が、厚さ方向に積層されていてもよく、また、例えば市松模様状のように幅方向及び厚さ方向の両方で交互に又は特定の繰り返しパターンで配置されていてもよい。
[連続繊維3]
連続繊維3は、補強材であり、例えばポリエステル繊維などの合成繊維の他、木綿などの天然繊維、スチール繊維などの金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維、石墨繊維及びセラミック繊維などを用いることができ、その材質は特に限定されるものではない。また、本実施形態の繊維強化複合材1には、種類や特性が異なる数種の連続繊維3を用いることもできる。
本実施形態の繊維強化複合材1に用いる連続繊維3としては、前述した各種繊維状強化材の中でも、特に、製造上の観点から合成繊維が好ましい。その場合、製造安定性の観点から、繊維強化複合材1に用いる合成繊維は、樹脂組成物2a,2b(マトリックス2)よりも融点が20℃以上高いものを用いることが好ましい。例えば、樹脂組成物2a,2bとしてポリオレフィン系樹脂を用いた場合、連続繊維3としては、ポリオレフィン系繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維及びレーヨンなどを用いることができる。
[形態]
本実施形態の繊維強化複合材1は、例えば、厚さtが5mm以下、好ましくは3mm以下の長尺シート又はテープである。本実施形態の繊維強化複合材1の幅w及び長さは、特に限定されるものではなく、用途や目的に応じて適宜設定することができる。
[製造方法]
次に、本実施形態の繊維強化複合材1の製造方法について説明する。図2は本実施形態の繊維強化複合材1を製造する方法を示す概念図であり、図3A、Bは図2に示す方法で製造する際に用いられる複合繊維の構造例を示す横断面図である。
本実施形態の繊維強化複合材1は、例えば、複数の押出機を用いて特性が異なる2種以上の複合繊維4a,4bを作製し、これらを一体化することで製造することができる。具体的には、複合繊維4aが円筒状に巻き取られたロービング5aと、複合繊維4bが円筒状に巻き取られたロービング5aをボビンスタンドに配置し、複合繊維4aと複合繊維4bとが交互に配列されるように巻き出す。巻き出された複合繊維4a,4bを、スリット6により収束させた後、加熱ローラー7により加圧しながら加熱してテープ状に成形し、巻き取りローラー8で巻き取る。
(複合繊維4a,4b)
本実施形態の繊維強化複合材1に用いられる複合繊維4a,4bは、図3A,Bに示すような海成分12中に複数の島13成分が点在する海島断面構造を有し、少なくとも海成分12の成分組成が相互に異なるものであればよい。この海島断面構造の複合繊維4a,4bを用いて製造された繊維強化複合材1は、各複合繊維4a,4bの島成分13により連続繊維3が構成される。また、繊維強化複合材1のマトリックス2は、各複合繊維4a,4bの海成分12により構成されるため、成分組成が異なる2種以上の樹脂組成物で構成されることとなる。
複合繊維4a,4bにおける島成分13と海成分12の断面積比率は、繊維強化複合材1形成時に複合繊維4a,4b同士の接着力を確保すると共に、各連続繊維3の強度を確保するため、島成分/海成分=20/80~80/20であることが好ましい。なお、繊維強化複合材1に用いられる複合繊維4a,4bは、図3Aに示す断面が円形状のものに限らず、図3Bに示す断面が扁平楕円形状のものを用いることができる。また、複合繊維4a,4bは、製造安定性の観点から、海成分12を熱可塑性樹脂組成物とし、島成分13を海成分12よりも融点が20℃以上高い熱可塑性樹脂組成物とすることが好ましい。
以上詳述したように、本実施形態の繊維強化複合材は、成分組成が異なり、特性が異なる2種以上の樹脂組成物によりマトリックスを形成し、連続繊維の長手方向に垂直な断面には一の樹脂組成物からなる領域と他の樹脂組成物からなる領域が相互に隣接して存在し、かつ、各樹脂組成物が連続繊維3の長手方向に連続して存在するようにしているため、一方向性繊維強化複合材に2以上の特性を付与することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る繊維強化複合材について説明する。図4A,Bは本実施形態の繊維強化複合材を模式的に示す図であり、図4Aは平面図、図4Bは図4Aに示すy-y線による拡大断面図である。なお、図4A,Bに示す繊維強化複合材では、図1A,Bに示す繊維強化複合材1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図4A,Bに示すように、本実施形態の繊維強化複合材10は、少なくとも一方の表面における一の樹脂組成物2aと他の樹脂組成物2bとの界面部分に、長手方向Lに連続して又は非連続で切り欠き11若しくは切り込みが形成されている。本実施形態の繊維強化複合材10の表面に形成される切り欠き及び切り込みの形状は、特に限定されるものではなく、特性(樹脂組成物2a,2b)毎に分離・分割可能な形状であればよい。
具体的には、穴、U字状やV字状の溝、段付き溝、ミシン目などを適用することができるが、引き裂き強度と分割の容易さを両立させる点から直線溝状が好ましい。このような切り欠き及び切り込みは、例えば溝ローラーやプレス型を用いて賦形することができる。
また、繊維強化複合材10が作業中に意図せぬ場所で分割してしまうことを防ぐため、切り欠き及び切り込みの深さは、切り欠きや切り込みが形成されていない部分の厚さに対して、0.1~0.6の範囲にすることが好ましく、分割もしくは引き裂きの容易さとテープの強度のバランスの面から0.2~0.4の範囲にすることがより好ましい。
以上詳述したように、本実施形態の繊維強化複合材は、一の樹脂組成物2aと他の樹脂組成物2bとの界面部分に切り欠き又は切り込みを設けているため、容易に特性毎に分割や細分化することができる。なお、本実施形態の繊維強化複合材における上記以外の構成及び効果は、前述した第1の実施形態と同様である。
以下、本発明を実施例によって、より具体的に説明する。
<実施例1>
本発明の実施例1として、図3Bに示す構造の複合繊維を用いて、図2に示す方法で、図1に示す第1の実施形態の一方向性繊維強化複合材1を作製した。先ず、島成分13がポリプロピレン、海成分12が高密度ポリエチレンで構成され、各成分の断面積比率が島成分:海成分=65:35で、繊度が1850dtexであり、白色に着色されている複合繊維4aのロービング5aと、赤色に着色されている以外は複合繊維4aと同じである複合繊維4bのロービング5bを準備し、ボビンスタンドに配置した。
そして、白色に着色されている複合繊維4aを8本、赤色に着色された複合繊維4bを7本、それぞれボビンスタンドから繰出し、複合繊維4aと複合繊維4bとを交互に配列し、櫛状のスリット6を通過させて収束させた。次に、複合繊維束4a,4bを、線速2.8m/分で引取りながら、130℃に加熱した加熱ローラー7を用いて線圧5kg/mの条件で加圧しながら融着させた後、冷却固化させることにより、厚さ(5点の平均値)0.4mmの一方向性繊維強化テープを得た。この実施例1の一方向性繊維強化テープは、赤色と白色の2つの色を有していた。
<実施例2>
本発明の実施例2として、難燃性を付与した複合繊維4aと可燃性の複合繊維4bを用いて、実施例1と同様の方法及び条件で、難燃性と可燃性の2つの特性を有する一方向性繊維強化テープを作製した。その際、複合繊維4aには、図3Bに示す複合繊維のように断面が扁平楕円形状で、島成分13がポリプロピレン、海成分12が東京インキ株式会社製 難燃性高密度ポリエチレン MB PEX FR-0187ALで形成され、各成分の断面積比率が島成分:海成分=65:35であり、繊度が1850dtexのものを用いた。また、複合繊維4bには、複合繊維4aと同様に断面が扁平楕円形状で、島成分13がポリプロピレン、海成分12が高密度ポリエチレンで形成され、各成分の断面積比率が島成分:海成分=65:35であり、繊度が1850dtexのものを用いた。
そして、難燃性を付与した複合繊維4aを8本、可燃性の複合繊維4bを7本、それぞれボビンスタンドから繰出し、複合繊維4aと複合繊維4bとを交互に配列し、櫛状のスリット6を通過させて収束させた。次に、複合繊維束4a,4bを、線速2.8m/分で引取りながら、130℃に加熱した加熱ローラー7を用いて線圧5kg/mの条件で加圧しながら融着させた後、冷却固化させることにより、厚さ(5点の平均値)0.4mmの一方向性繊維強化テープを得た。
<実施例3>
本発明の実施例3として、図4に示す第2の実施形態の一方向性繊維強化複合材10を作製した。具体的には、実施例1で作製した繊維強化複合材の一方の面に、断面が略三角形状で高さが0.1mmの突起を有する加熱引き取りローラーを用いて、深さが0.1mmで長手方向に連続するV字状の溝を形成し、実施例3の一方向性繊維強化テープとした。各溝は、複合繊維4aの海成分12に由来する樹脂組成物2aと、複合繊維4bの海成分12に由来する樹脂組成物2bとの界面部分に形成した。
次に、この実施例3の一方向性繊維強化テープから長さ50mmの評価用試料を10本切り出し、各試料の両端から7mmの位置をチャックした後、万能試験機を用いて20mm/分の速度で引き裂き試験を行った。その結果、実施例3の一方向性繊維強化テープは、10本中8本の評価用試料で、連続繊維3を切断することなく特性(色)毎に分割することができた。
<実施例4>
本発明の実施例4として、溝付き熱ローラーを用いた以外は前述した実施例1と同様の方法及び条件で、厚さ0.4mm(5点の平均値)の一方向性繊維強化テープを作製した。この実施例4の一方向性繊維強化テープの両面には、複合繊維4aの海成分12に由来する樹脂組成物2aと複合繊維4bの海成分12に由来する樹脂組成物2bとの界面部分に、深さが0.05mmで、長手方向に連続するV字状の溝が形成されていた。
次に、この実施例4の一方向性繊維強化テープから、長さ50mmの評価用試料を10本切り出し、実施例3と同様の方法で評価した。その結果、実施例4の一方向性繊維強化テープでは、評価用試料10本の全てについて連続繊維3を切断することなく特性(色)毎に分割することができた。
以上の結果から、本発明によれば、一方向性繊維強化材に2以上の特性を付与することができ、更に樹脂組成物の界面に溝などの切り欠き又は切込みを形成することで、特性毎に繊維強化材を分割することが可能となることが確認された。
1、10 繊維強化複合材
2 マトリックス
2a、2b 樹脂組成物
3 連続繊維
4a、4b 複合繊維
5a、5b ロービング
6 スリット
7 加熱ローラー
8 巻き取りローラー
11 切り欠き
12 海成分
13 島成分

Claims (6)

  1. マトリックス中に複数の連続繊維が一方向に配列された一方向性繊維強化複合材であって、
    前記マトリックスは成分組成が異なる2種以上の樹脂組成物で構成されており、前記連続繊維の長手方向に垂直な断面にはマトリックスが一の樹脂組成物である領域とマトリックスが他の樹脂組成物である領域が相互に隣接して存在し、かつ、各樹脂組成物は前記連続繊維の長手方向に連続して存在しており、
    前記一の樹脂組成物及び前記他の樹脂組成物のいずれにも前記連続繊維が埋め込まれている一方向性繊維強化複合材。
  2. 前記連続繊維の長手方向に垂直な断面には、少なくとも幅方向において、前記マトリックスが一の樹脂組成物である領域と前記マトリックスが他の樹脂組成物である領域が相互に隣接して存在している請求項1に記載の一方向性繊維強化複合材
  3. 海成分中に複数の島成分が点在する海島断面構造を有し、少なくとも海成分の成分組成が相互に異なる2種以上の複合繊維を用いて形成されたものであり、
    前記マトリックスは各複合繊維の海成分により構成され、前記連続繊維は各複合繊維の島成分により構成されている請求項1又は2に記載の一方向性繊維強化複合材。
  4. 前記海成分は熱可塑性樹脂組成物であり、前記島成分は前記海成分よりも融点が高い熱可塑性樹脂組成物である請求項に記載の一方向性繊維強化複合材。
  5. 少なくとも一方の表面には、前記一の樹脂組成物と前記他の樹脂組成物との界面部分に、長手方向に連続して又は非連続で切り欠き若しくは切り込みが形成されている請求項1~のいずれか1項に記載の一方向性繊維強化複合材。
  6. 長尺シート又はテープである請求項1~のいずれか1項に記載の一方向性繊維強化複合材。
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