JP2014189674A - 透光性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透光性と、熱による賦形性と、高い機械的特性とを兼ね備えた可撓性の熱可塑性樹脂シートを提供する。
【解決手段】不織布1と不織布1の空隙に充填されたマトリクス樹脂2とを含む複合体層3を含む熱可塑性樹脂シートであって、不織布1は第一の熱可塑性樹脂の繊維の絡合体であり、マトリクス樹脂2は第二の熱可塑性樹脂を含み、複合体層3の空隙率が15体積%以下であり、第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂とは屈折率差が0.1以下である透光性熱可塑性樹脂シート10である。
【選択図】図1
【解決手段】不織布1と不織布1の空隙に充填されたマトリクス樹脂2とを含む複合体層3を含む熱可塑性樹脂シートであって、不織布1は第一の熱可塑性樹脂の繊維の絡合体であり、マトリクス樹脂2は第二の熱可塑性樹脂を含み、複合体層3の空隙率が15体積%以下であり、第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂とは屈折率差が0.1以下である透光性熱可塑性樹脂シート10である。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱可塑性の不織布で補強された透光性を有する可撓性の熱可塑性樹脂シートに関する。詳しくは、透光性と、熱による賦形性と、高い機械的特性とを兼ね備えた可撓性の熱可塑性樹脂シートに関する。
従来、プリプレグとして熱プレス等により後成形される樹脂シートが知られており、このような樹脂シートの機械的特性を向上させることが求められている。また、樹脂シートとしては、透光性が求められる場合もあった。
樹脂シートの機械的特性を向上させる技術として、例えば、樹脂シートに繊維成分を複合化する技術が広く知られている。繊維成分の具体例としては、例えば、チョップドガラス,ガラスクロス,ガラス不織布,酸化チタンウイスカー等の無機繊維成分や、チョップド炭素繊維、炭素繊維織物等が挙げられる。
例えば、下記特許文献1は、ガラス不織布のような不織布素材に由来する強化繊維と、前記強化繊維を保持する熱可塑性樹脂からなるマトリクス材と、を備えた繊維強化複合材を開示する。また、下記特許文献2は、炭素繊維織物と熱可塑性樹脂からなるマトリクス材とを備えた熱可塑性樹脂スタンパブルシートを開示する。また、下記特許文献3は、有機重合体よりなるマトリックス中に特定の結晶性を有するポリプロピレン繊維を含む複合材料を開示する。また、特許文献3の段落[0090]の実施例には、ポリプロピレン繊維織物とエポキシ樹脂を一体化してなる複合材料の例が開示されている。
一方、下記特許文献4は、高い透明性と機械的強度を両立する強化熱可塑性樹脂として、特定のビニル系共重合体及び特定の共重合ポリエステルを含む透明熱可塑性樹脂に、ガラス繊維を特定比率で配合添加して得られた透明性を有する強化熱可塑性樹脂を開示する。
特許文献1に開示された、ガラス不織布のような不織布素材を補強繊維として用いた繊維強化複合材の場合、ガラス不織布自身は熱可塑性がないために、シート化後の熱による賦形性に乏しかった。また、特許文献2に開示されたような炭素繊維の織物を補強繊維として用いたシートの場合も、炭素繊維の織物自身は熱可塑性がないために、シート化後の熱による賦形性に乏しかった。とくに、シートが薄肉の場合には、炭素繊維自身が軟化しないために、精密な賦形ができないという問題があった。さらに、炭素繊維を含む樹脂シートは、通常、炭素繊維が黒色であるために透光性に乏しい。
また、特許文献3は、有機重合体よりなるマトリックス中に特定の結晶性を有するポリプロピレン繊維を含む複合材料を開示し、また、有機重合体としてポリプロピレンのような熱可塑性樹脂を用いることができることを開示している。しかし、例えば、ポリプロピレン繊維織物とマトリクス樹脂として熱可塑性のポリプロピレンとを一体化しようとした場合、ポリプロピレン繊維の繊維織物の構造を充分に残したまま、マトリクス樹脂であるポリプロピレンを高充填になるように含浸させることは困難である。特許文献3には、複合材料の透光性については何ら記載されていないが、例えば、ポリプロピレン繊維織物にマトリクス樹脂であるポリプロピレンを高充填に含浸させることは困難であると思われ、その空隙率は高いと考えられる。空隙率が高い場合、シート中に多くのボイドが含まれることによりボイドの界面において光が乱反射されるために、透光性が低い、または透光性がなくなると思われる。
さらに、特許文献4は、ガラス強化材としてチョップドストランドやガラスビーズを開示している。しかし、チョップドストランドやガラスビーズを樹脂シート中に配合する場合、配合割合が低い場合には充分な機械的強度の向上効果が得られず、一方、配合割合が高い場合には、熱可塑性が低下して成形性が低下する。
本発明は、透光性と、熱による賦形性と、高い機械的特性とを兼ね備えた可撓性の熱可塑性樹脂シートを提供することを目的とする。
本発明の透光性熱可塑性樹脂シートは、不織布と不織布の空隙に充填されたマトリクス樹脂とを含む複合体層を含む透光性の熱可塑性樹脂シートであって、不織布は第一の熱可塑性樹脂の繊維の絡合体であり、マトリクス樹脂は第二の熱可塑性樹脂を含み、複合体層の空隙率が15体積%以下であり、第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂とは屈折率差が0.1以下である。このような熱可塑性樹脂シートは、熱可塑性の不織布及び熱可塑性のマトリクス樹脂を含有するために優れた熱賦形性と可撓性とを有する。また、繊維とマトリクス樹脂とは屈折率差が0.1以下であるために、不織布とマトリクス樹脂との界面で光が反射しにくくなる。そのために光透過性に優れている。また、空隙率が15体積%以下のシートであるために、シート内部に存在するボイドが少ない。そのためにボイドの界面による光の反射も抑制される。なお、本発明における「透光性」とは、JIS−K7136に規定される全光線透過率(%)測定法に準拠して測定された透過率が5%以上であることを意味する。
また、第一の熱可塑性樹脂及び第二の熱可塑性樹脂が、所定の温度T(℃)において第二の熱可塑性樹脂は溶融し、第一の熱可塑性樹脂が溶融しないような組み合わせから選択されていることにより、製造時に繊維構造を崩さずに、空隙率が15体積%以下になるようなシートを形成することができる。また、熱賦形する際の温度を調整することにより、繊維構造を充分に維持することができる。
また、第一の熱可塑性樹脂は180℃において溶融しない熱可塑性樹脂であり、第二の熱可塑性樹脂は180℃において溶融する熱可塑性樹脂であることが、製造時に繊維構造を崩さずに、空隙率が15体積%以下になるようなシートを形成することができる。
第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂との好ましい組み合わせとしては、例えば、第一の熱可塑性樹脂が変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を含み、第二の熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂とスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイ樹脂を含有する組み合わせ、等が挙げられる。とくに、マトリクス樹脂が、ポリオレフィン系樹脂とスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイからなる樹脂である場合には、耐熱性と弾性とのバランスに優れたシートが得られる点から好ましい。
また、不織布が繊度0.5デシテックス以下の極細繊維の不織布である場合には、繊維構造が緻密であるためにより高い引張強力が得られる点から好ましい。
また、上記透光性熱可塑性樹脂シートの製造方法としては、第一の熱可塑性樹脂の繊維の絡合体である不織布の少なくとも1面に、第二の熱可塑性樹脂からなる繊維シートまたは第二の熱可塑性樹脂からなる粉末を配設して積重体を形成する工程と、第二の熱可塑性樹脂を溶融させ、第一の熱可塑性樹脂を溶融させないような所定の温度T(℃)で積重体を加熱プレスする工程と、を備えるものである。このような方法によれば、第二の熱可塑性樹脂からなる繊維シートまたは粉末のみを溶融させて、加熱プレスにより不織布の空隙に第二の熱可塑性樹脂を含浸させることができる。また、含浸の際に不織布、繊維シートまたは粉末の間の空隙から空気が抜けるために、第二の熱可塑性樹脂を不織布に高充填させることができる。
また、上記透光性熱可塑性樹脂シートの製造方法としては、金型のキャビティに不織布をインサートする工程と、射出成形により金型に第二の熱可塑性樹脂を射出する工程と、を備え、射出成形において、第一の熱可塑性樹脂を溶融させないものである。このような方法によれば、第二の熱可塑性樹脂を高圧で射出しても不織布の繊維構造が崩れないために、第二の熱可塑性樹脂を不織布に充分に含浸させることができる。
本発明によれば、熱による賦形性と、透光性と、高い機械的特性とを兼ね備えた可撓性の熱可塑性樹脂シートが得られる。
本発明に係る一実施形態の透光性熱可塑性樹脂シート(以下、単に、熱可塑性樹脂シートとも称する)10を図1を参照しながら説明する。図1は、熱可塑性樹脂シート10の模式断面図であり、1は繊維を三次元的に絡合させた不織布、2は不織布1の空隙に充填されたマトリクス樹脂である。不織布1と不織布1の空隙に充填されたマトリクス樹脂2とは、その空隙率が15体積%以下である複合体層3を形成している。複合体層3には空隙率15体積%以下の範囲で空隙vが存在することがある。また、図1に示すように、熱可塑性樹脂シート10の少なくとも一面には、その表面を平坦化するための、好ましくはマトリクス樹脂2、またはマトリクス樹脂2と接着性の良い透光性の樹脂からなる表皮層4が形成されていてもよい。
不織布1を形成する繊維は所定の屈折率を有する第一の熱可塑性樹脂からなり、マトリクス樹脂3は所定の屈折率を有する第二の熱可塑性樹脂からなる。そして、第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂とは屈折率差が0.1以下である。なお、本実施形態における屈折率とは、波長589.3nmの光に対する屈折率である。第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂とは屈折率差は0.1以下であり、好ましくは0.08以下、さらに好ましくは0.05以下である。屈折率差が0.1を超える場合には、熱可塑性樹脂シートの光透過性が低下する。
本発明に係る熱可塑性樹脂シートの一実施形態について、その製造方法に沿って、さらに詳しく説明する。
本実施形態の熱可塑性樹脂シートの製造においては、はじめに熱可塑性樹脂の不織布を製造する。本実施形態においては、不織布として、特に好ましい形態である極細繊維の不織布を用いる場合について、代表例として詳しく説明する。
第一の熱可塑性樹脂としては、例えば、後述する第二の熱可塑性樹脂からなるマトリクス樹脂との組み合わせにおいて、屈折率差が0.1以下になるような透明性または半透明性の熱可塑性樹脂が選択されて用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、屈折率が1.49〜1.60程度の透明性または半透明性の熱可塑性樹脂である、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET,屈折率1.57)等のポリエステル樹脂またはこれらに微量モノマー単位を共重合させて変性した変性PET(屈折率1.50)等の変性ポリエステル樹脂;ポリアミド66(屈折率1.53)等のポリアミド樹脂;各種アクリル樹脂(屈折率1.49〜1.60程度);ポリエチレン(屈折率1.53〜1.54)やポリプロピレン(屈折率1.49〜1.52)等のオレフィン樹脂等の繊維形成能を有する熱可塑性樹脂から形成された繊維が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、イソフタル酸により変性された変性ポリエステル系樹脂、とくには、イソフタル酸変性PETから形成された繊維が繊維の結晶性が低下して光透過性がより優れる点から好ましい。
不織布を形成する繊維の繊度、断面形状、繊維長等の繊維形態は適宜選択される。繊維の繊度としては、通常の繊度の繊維や極細繊維等が挙げられる。これらの中では、平均繊度0.5デシテックス以下の極細繊維からなる不織布が、不織布を緻密化できるために空隙率を低くしやすくなり、また高い補強効果が得られる点から特に好ましい。
また、繊維長としては、任意の繊維長(例えば18〜110mm)にカットされてステープル化された短繊維の繊維や、溶融紡糸ノズルから繊維形成性ポリマーを吐出した直後に高速気体で吹き飛ばされて細化された、いわゆるメルトブロー法やフラッシュ紡糸などの方法を用いて形成された繊維や、スパンボンド法などにより紡糸された長繊維をカットすることなく、移動式ネットなどの捕集面上に堆積させて形成された繊維等、特に限定されない。これらの中では、長繊維の繊維ウェブが、繊維を緻密にすることができる点から好ましい。
なお、本実施形態においては、代表例として、極細繊維発生型繊維である海島型複合繊維を用いて長繊維の極細繊維の不織布を製造する場合について詳しく説明する。なお、極細繊維の不織布は、海島型複合繊維等の極細繊維発生型繊維を経て製造しても、また、極細繊維発生型繊維を用いずに、直接極細繊維を紡糸した繊維を用いて製造されたものでもよい。なお、海島型複合繊維以外の極細繊維発生型繊維の具体例としては、紡糸直後に複数の極細繊維が軽く接着されて形成され、機械的操作により解きほぐされることにより複数の極細繊維が形成されるような剥離分割型繊維や、溶融紡糸工程において花弁状に複数の樹脂を交互に集合させてなる花弁型繊維等が挙げられ、極細繊維を形成しうる繊維であれば特に限定されずに用いられる。
海島型複合繊維の島成分であり、極細繊維を形成するための樹脂成分としては、上述した第一の熱可塑性樹脂が用いられる。なお、第一の熱可塑性樹脂の種類は、熱可塑性樹脂シートの製造及びシートの熱加工温度である、所定の温度T(℃)において、第二の熱可塑性樹脂は溶融し、第一の熱可塑性樹脂が溶融しないような組み合わせになるように適宜選択されることが好ましい。
第一の熱可塑性樹脂には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、各種添加剤、具体的には、例えば、着色剤,着色防止剤,耐熱剤,難燃剤,滑剤,防汚剤,蛍光増白剤,艶消剤,光沢改良剤,制電剤,芳香剤,消臭剤,触媒,抗菌剤,防ダニ剤,無機微粒子等を必要に応じて配合してもよい。とくに、不織布の繊維を形成する第一の熱可塑性樹脂のみを着色剤により着色し、マトリクス樹脂になる第二の熱可塑性樹脂を着色しない場合、光透過性と着色性のバランスに優れ、意匠性に優れた有色の透光性熱可塑性樹脂シートが得られる点から好ましい。
海島型複合繊維の海成分は、海島型複合繊維を極細繊維の繊維束に変換する際に、溶剤により選択的に抽出除去されたり、熱水または分解剤により選択的に分解除去されたりする成分である。海島型複合繊維の海成分を形成するための樹脂の具体例としては、例えば、水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール(PVA)等のポリビニルアルコール系樹脂,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA),スチレン−エチレン共重合体,スチレン−アクリル共重合体等が挙げられる。
繊維ウェブ形成の方法としては、スパンボンド法などにより紡糸した海島型複合長繊維をカットすることなく長繊維ウェブにする方法や、メルトブロー法のように、溶融繊維を気流で延伸しながら吹き飛ばしてウェブを形成する方法や、長繊維をカットして短繊維にした後、カード、クロスラッパー、ランダムウェッバーなどを用いて短繊維ウェブを形成する方法等であってもよい。これらの中では、長繊維ウェブが、繊維の嵩高性が抑制されて繊維密度が高くなるために、高い補強効果が得られる点から好ましい。本製造方法では、代表例として、長繊維を用いる場合について詳しく説明する。
海島型複合繊維の長繊維ウェブの製造方法としては、例えば、海成分ポリマーと島成分ポリマーとを複合紡糸用口金から押出して海島型複合繊維を溶融紡糸し、口金から吐出された溶融状態の海島型複合繊維を冷却装置により冷却した後、エアジェットノズルなどの吸引装置を用いて、目的の繊度となるように1000〜6000m/分の引取速度に相当する速度の高速気流により牽引細化し、移動式ネットなどの捕集面上に堆積させることにより形成される。また、必要に応じて、得られたウェブをプレスすることにより部分的に圧着して形態を安定化させる処理をしてもよい。
このようにして得られたウェブを複数枚重ね、クロスラッパー等を用いてラッピング処理することにより、海島型複合繊維の繊維ウェブが形成される。
そして、海島型複合繊維の繊維ウェブを絡合処理することにより、海島型複合繊維の繊維絡合シートが形成される。具体的には、海島型複合繊維の繊維ウェブに、その両外側から同時または交互に少なくとも1つ以上のバーブが貫通する条件でニードルパンチ処理を行う。なお、絡合処理方法は、ニードルパンチの代わりに、水流を用いた水流交絡機で絡合する方法等を用いてもよい。このようにして、海島型複合繊維の繊維絡合シートが形成される。また、海島型複合繊維の繊維絡合シートは、必要に応じて熱収縮処理が施されてもよい。熱収縮処理することにより、絡合状態がさらに緻密化される。また、熱プレスすることにより、さらに緻密化されてもよい。
上述のようにして得られた繊維絡合シート中に含まれる海島型複合繊維を極細繊維化することにより、繊維束状の極細繊維からなる不織布が形成される。具体的には、例えば、海島型複合繊維の繊維絡合シートを、島成分を形成する樹脂を溶解及び分解せず、海成分を形成する樹脂のみを選択的に溶解または分解するような溶剤または分解剤で処理する方法が挙げられる。
極細繊維の平均繊度は0.5デシテックス以下、さらには0.001〜0.5デシテックス、とくには0.05〜0.2デシテックスであることが好ましい。極細繊維の平均繊度が高すぎる場合には、繊維が嵩高くなって繊維密度が低くなり補強効果が低下する傾向がある。
このようにして、極細繊維の不織布が得られる。なお、不織布は、熱プレスすることにより、さらに緻密化されていてもよい。
また、不織布の形態安定性を高める目的で、繊維絡合シートの極細繊維化処理を行う前または後にバインダを含浸付与してもよい。
バインダの具体例としては、例えば、ポリウレタン系弾性体,アクリル系弾性体,ポリアミドエラストマー等のポリアミド系弾性体,ポリエステルエラストマー等のポリエステル系弾性体,ポリスチレン系弾性体,ポリオレフィン系弾性体等が挙げられる。これらの中では、ポリウレタン系弾性体が、柔軟性と充実感に優れる点からとくに好ましい。また、バインダとしては発泡タイプや非発泡タイプがあるが、非発泡ポリウレタンのような非発泡タイプはボイドを低減できる点から好ましい。
バインダの含有割合は、形成される不織布との合計量に対して、5〜40質量%、さらには、8〜35質量%、とくには10〜20%の範囲で含有させることが好ましい。
極細繊維の不織布の見かけ密度は0.03〜1.2g/cm3、さらには0.06〜0.8g/cm3であることが好ましい。このように不織布中の極細繊維が緻密である場合には、補強効果がより高くなる点から好ましい。
また、極細繊維の不織布の目付は、例えば、30〜800g/m2、さらには80〜500g/m2程度であることが好ましい。
このようにして得られた不織布は、サーキュラー染色機中で70℃で30分間リラックスしたり、水流絡合機で処理する、あるいは起毛ブラシやサンドペーパーで起毛するなどの手段によって、繊維束状に形成された極細繊維の拘束を解いてばらばらにすることが好ましい。このような処理の後に溶融状態のマトリクス樹脂を付与することにより、海島型複合繊維を極細繊維化して得られる極細繊維の繊維束の内部にまでマトリクス樹脂が含浸しやすくなる。その結果、空隙率が15体積%以下のような、緻密な熱可塑性樹脂シートが得られやすくなる。
また、不織布は必要に応じて染色される。染色は、分散染料、反応染料、酸性染料、金属錯塩染料、硫化染料、硫化建染染料などを主体とした染料を繊維の種類に応じて適宜選択し、パッダー、ジッガー、サーキュラー、ウィンスなど繊維の染色に通常用いられる公知の染色機を使用して行われる。例えば、極細繊維がポリエステル系極細繊維の場合には、分散染料を用いて高温高圧染色により染色することが好ましい
次に、得られた極細繊維の不織布に、第二の熱可塑性樹脂からなるマトリクス樹脂を充填する工程について説明する。
第二の熱可塑性樹脂からなるマトリクス樹脂としては、上述した第一の熱可塑性樹脂との屈折率差が0.1以下であり、好ましくは、所定の温度T(℃)において、第一の熱可塑性樹脂からなる極細繊維を溶融させずに、溶融可能な樹脂であり、所定の温度T(℃)において、不織布の内部空隙に充分に含浸させうる熱可塑性樹脂が適宜選択されて用いられる。なお、溶融しないとは、所定の温度において、JIS K 7199に準拠して、キャピラリーレオメーター[(株)東洋精機製作所製キャピログラフ]を用いて、ピストン径10mm、せん断速度1000/秒、内径1mm,長さ20mmのオリフィス使用の条件で見掛けの溶融粘度を測定するときに、樹脂が溶融せずに測定できないか、溶融粘度が1×109mPa・sec以上であるような状態を意味する。
第二の熱可塑性樹脂として用いられる樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン(屈折率1.53〜1.54),ポリプロピレン(屈折率1.49〜1.52)等のオレフィン系樹脂;ポリスチレンとポリオレフィンとのブロック共重合体であるスチレン・オレフィンブロック共重合体(屈折率1.52〜1.54),スチレン・ブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマー(屈折率1.52〜1.54);ポリ塩化ビニル(屈折率1.54);ポリメチルメタクリレート(屈折率1.49)等の各種アクリル樹脂:ポリスチレン(屈折率1.6)等のスチレン系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、マトリクス樹脂を形成する第二の熱可塑性樹脂は、極細繊維を形成する第一の熱可塑性樹脂の屈折率を考慮しながら、その屈折率差が0.1以下になるような樹脂を適宜選択して組み合わせて用いられる。第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂の好ましい組み合わせの具体例としては、例えば、第一の熱可塑性樹脂が変性ポリエチレンテレフタレート樹脂(屈折率1.50)の場合、第二の熱可塑性樹脂として変性ポリエチレンテレフタレート樹脂との屈折率差が0.1以下のポリプロピレン(屈折率1.49〜1.52)や、スチレン・オレフィンブロック共重合体(屈折率1.52〜1.54)や、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイ樹脂(屈折率1.52〜1.54)を含有する組み合わせ、等が挙げられる。とくに、マトリクス樹脂がスチレン・オレフィンブロック共重合体を含有する場合には、エラストマー弾性を付与することにより可撓性のある熱可塑性樹脂シートが得られる点から好ましい。また、マトリクス樹脂が、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイからなる樹脂である場合には、耐熱性と可撓性とのバランスに優れたシートが得られる点から好ましい。
また、マトリクス樹脂を形成する第二の熱可塑性樹脂は、極細繊維を形成する第一の熱可塑性樹脂の溶融特性を考慮しながら選択することが好ましい。このような組み合わせの具体例としては、例えば、所定の温度において、溶融しない熱可塑性樹脂を第一の熱可塑性樹脂として選択し、溶融する樹脂として第二の熱可塑性樹脂を選択する。さらに具体的には、例えば、第一の熱可塑性樹脂として、180℃において樹脂が溶融せずに溶融粘度が測定できないか、溶融粘度が1×109mPa・sec以上であるような変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を選択し、第二の熱可塑性樹脂として、180℃における溶融粘度が例えば1×105mPa・sec以下、さらには5×104mPa・sec以下の熱可塑性樹脂、例えば、100〜10000mPa・sec程度のポリオレフィン系樹脂、スチレン・オレフィンブロック共重合体、ポリオレフィン系樹脂とスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイ樹脂、ポリウレタン等を選択するような組み合わせが例示できる。なお、第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂との組み合わせは、上記例に限られず、後述する、マトリクス樹脂を溶融させて極細繊維の不織布に含浸付与する工程において、第一の熱可塑性樹脂が溶融せず、例えば、第二の熱可塑性樹脂の溶融粘度が1×105mPa・sec以下であるような熱可塑性樹脂の組み合わせであって、且つ、屈折率差が0.1以下になるような組み合わせが好ましく選択されうる。
第二の熱可塑性樹脂は、必要に応じて、フィラー、滑剤、粘度調整剤、増量剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、着色剤等を含有してもよい。また、第二の熱可塑性樹脂はその分子量や添加剤を調整することにより、粘度調整されたものであってもよい。
なお、マトリクス樹脂を形成する第二の熱可塑性樹脂としては、熱可塑性エラストマー、とくには、スチレン・オレフィンブロック共重合体、またはポリオレフィン系樹脂とスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイ樹脂を含有する場合には、不織布に対する含浸性を向上させるとともに、得られる熱可塑性樹脂シートにエラストマー弾性を付与することにより屈曲性を向上させる点から好ましい。
第一の熱可塑性樹脂からなる極細繊維の不織布にマトリクス樹脂を形成するための第二の熱可塑性樹脂を含浸付与する方法としては、例えば、以下のような2つの方法が例示できる。
第一の方法としては、第一の熱可塑性樹脂からなる極細繊維の不織布の少なくとも1面に第二の熱可塑性樹脂からなる繊維シートまたは第二の熱可塑性樹脂からなる粉末を配設して積重体を形成し、得られた積重体を、第一の熱可塑性樹脂が溶融し、第二の熱可塑性樹脂が溶融しない温度で加熱プレスする方法が挙げられる。このように、マトリクス樹脂を形成させるための第二の熱可塑性樹脂の繊維シートまたは粉末を、第二の熱可塑性樹脂は溶融するが第一の熱可塑性樹脂は溶融しない温度で加熱プレスすることにより、第一の熱可塑性樹脂からなる極細繊維の不織布に第二の熱可塑性樹脂を含浸付与することができる。このような方法によれば、第二の熱可塑性樹脂からなる繊維シートまたは粉末を溶融させて加熱プレスすることにより極細繊維の不織布に含浸させる際に、繊維シートの繊維間の空隙から空気が抜けるために、第二の熱可塑性樹脂を極細繊維の不織布に充分に含浸させることができる。
なお、第二の熱可塑性樹脂からなる繊維シートの形態は特に限定されず、不織布、織布、編布、繊維ウェブ等、特に限定されない。また、繊維シートを形成する繊維の繊度や繊維長もとくに限定されない。これらの中では、不織布の形態が空気抜けと溶融した第二の熱可塑性樹脂に掛かる圧力とのバランスとに優れることにより、含浸性が特に優れる点から好ましい。また、第二の熱可塑性樹脂からなる粉末の粒子径等も特に限定されないが、例えば、0.1〜100μm程度である粉体や、数mm程度の長さのペレットであってもよい。
また、第二の方法としては、射出インサート成形方法を用いる方法が挙げられる。具体的には、金型のキャビティに第一の熱可塑性樹脂からなる極細繊維の不織布をインサートして金型を型締めし、型締めされた金型に第二の熱可塑性樹脂の溶融樹脂を射出成形する方法であって、射出成形において、第一の熱可塑性樹脂が溶融しない条件で射出成形する方法である。このような方法によれば、第二の熱可塑性樹脂を高圧で射出しても繊維構造が崩れないために、第二の熱可塑性樹脂を極細繊維の不織布に充分に含浸させることができる。なお、緻密度の高い、極細繊維の不織布を用いてインサート成形した場合には、射出成形の射出圧によっても、不織布の寸法や形状が変化しにくい。そのために、均質な成形シートが得られる。
また、第三の方法としては、第一の熱可塑性樹脂からなる極細繊維の不織布に第二の熱可塑性樹脂を含むエマルジョンや溶液を含浸させ、エマルジョンまたは溶液中の溶媒を乾燥させることにより除去する。必要に応じて、このような含浸及び乾燥を複数回繰り返すことにより、不織布の内部に第二の熱可塑性樹脂を充分に含浸させ、その後、第一の熱可塑性樹脂が溶融し、第二の熱可塑性樹脂が溶融しない温度で加熱プレスする方法が挙げられる。
なお、上述した製造方法においては、得られる熱可塑性樹脂シートの表面粗さができるだけ平滑になるように、両表面層にマトリクス樹脂のみが存在する層を形成するようにして、平滑な金型面で表面を形成することが好ましい。このように表面を平滑に形成することにより、光の乱反射を抑制することができ、より、光の透過性を向上させることができる。
熱可塑性樹脂シートの複合体層中の空隙を除いた全量中の不織布の割合としては、60〜99体積%、さらには、70〜98体積%、とくには85〜95体積%であることが好ましい。このように、複合体層中の不織布の割合が相対的に高い場合には、より高い補強効果が得られる。
本実施形態の熱可塑性樹脂シートは、複合体層中の空隙率が15体積%以下であり、好ましくは13体積%以下、さらに好ましくは10体積%以下である。本実施形態の熱可塑性樹脂シートは、このように空隙率が低いために高い透光性を発揮する。また、下限は特に限定されないが、不織布の繊維構造を拘束しすぎずに可撓性に優れる点から2%以上、さらには5%以上であることが好ましい。
このようにして、本実施形態の熱可塑性樹脂シートが得られる。本実施形態の熱可塑性樹脂シートは、緻密な極細繊維の不織布に空隙率が15体積%以下になるようにマトリクス樹脂が含浸された複合体層を含むシートであり、通常、高い見かけ密度を有する。具体的には、例えば、0.7〜1.3g/cm3、さらには、0.8〜1.2g/cm3、程度の見かけ密度を有する。
このようにして得られた熱可塑性樹脂シートは、透光性と、熱による賦形性と、高い機械的特性とを兼ね備えた熱可塑性樹脂シートである。本実施形態の熱可塑性樹脂シートによれば、JIS−K7136に規定される全光線透過率(%)測定法に準拠して測定された透過率が5%以上であり、好ましくは8%以上、特に好ましくは10%以上、最も好ましくは20%以上の光透過性を実現することができる。また、熱可塑性樹脂シートの光透過性は、無色透明、有色透明、無色半透明、有色半透明のいずれであってもよい。
本実施形態の熱可塑性樹脂シートの厚みは特に限定されないが、例えば0.02〜10mm、さらには0.05〜5mm程度であることが光透過性と成形性とを充分に維持する点から好ましい。また、熱可塑性樹脂シート中の複合体層の厚みも特に限定されないが、例えば0.01〜5mm、さらには0.05〜2mm程度であることが好ましい。熱可塑性樹脂シート及び複合体層の厚みが厚すぎる場合には光透過性が低下する傾向がある。
このようにして得られた熱可塑性樹脂シートは、熱による賦形性を有するために、熱プレス等により所望の形に賦形することができる。また、極細繊維の不織布で補強されているために、薄くても高い機械的強度を備えることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
水溶性熱可塑性PVA系樹脂を海成分とし、イソフタル酸変性度6モル%のPET(屈折率1.50)を島成分とし、繊維1本あたりの島数が25島で、海成分/島成分が25/75(重量比)となるような溶融複合紡糸用口金を用い、260℃で海島型のフィラメントを口金より吐出した。そして、紡糸速度が3700m/minとなるようにエジェクター圧力を調整し、平均繊度2.1デシテックスの海島型複合長繊維をネット上に捕集した。そしてネット上に捕集された海島型複合長繊維を表面温度42℃の金属ロールで軽く押さえることにより表面の毛羽立ちを抑えてネットから剥離し、さらに、表面温度75℃の格子柄の金属ロールとバックロールとの間を通過させて熱プレスすることにより、表面の極細繊維が仮融着した目付31g/m2の長繊維ウェブを得た。
水溶性熱可塑性PVA系樹脂を海成分とし、イソフタル酸変性度6モル%のPET(屈折率1.50)を島成分とし、繊維1本あたりの島数が25島で、海成分/島成分が25/75(重量比)となるような溶融複合紡糸用口金を用い、260℃で海島型のフィラメントを口金より吐出した。そして、紡糸速度が3700m/minとなるようにエジェクター圧力を調整し、平均繊度2.1デシテックスの海島型複合長繊維をネット上に捕集した。そしてネット上に捕集された海島型複合長繊維を表面温度42℃の金属ロールで軽く押さえることにより表面の毛羽立ちを抑えてネットから剥離し、さらに、表面温度75℃の格子柄の金属ロールとバックロールとの間を通過させて熱プレスすることにより、表面の極細繊維が仮融着した目付31g/m2の長繊維ウェブを得た。
そして、得られた長繊維ウェブをクロスラッピングすることにより8枚重ね、これに、針折れ防止油剤をスプレーした。そして、針先端からバーブまでの距離が3.2mmの6バーブ針を用い、針深度8.3mmで両面から交互に3300パンチ/cm2のパンチ密度でニードルパンチングすることにより、目付320g/m2の絡合された長繊維ウェブを得た。
そして、長繊維ウェブを巻き取りライン速度10m/分で70℃の熱水中に14秒間浸漬することにより熱収縮させて緻密化された絡合ウェブを得た。
次に、緻密化された絡合ウェブにポリウレタンを以下のようにして含浸させた。ポリカーボネート/エーテル系ポリウレタンを主体とするポリウレタンエマルジョン(固形分濃度30%)を緻密化された絡合ウェブに含浸させた。そして、150℃の乾燥炉で水分を乾燥した。そして、このようにして得られた、ポリウレタン含浸絡合ウェブを95℃の熱水中でディップニップ処理を繰り返すことにより変性PVAを溶解除去することにより、平均繊度0.1デシテックスの極細長繊維を25本含む繊維束が3次元的に交絡した極細繊維の不織布が得られた。そして、不織布は、スライス及びバフィング処理することにより見かけ密度が0.62g/cm3で、厚み0.82mmの極細繊維の不織布基材に調整された。得られた不織布基材は、極細繊維/ポリウレタン=87.5/12.5(質量比)の割合でポリウレタンを含有していた。そして、得られた不織布を黄色系の分散染料を用いて黄色に染色した。
一方、ポリプロピレン(PP)とスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン2002、屈折率1.5061)とのポリマーアロイ樹脂(屈折率1.512)を用いて、メルトブロー法により、繊維径2.5μm、目付45g/cm2の不織布である繊維シートA1を製造した。
なお、極細繊維を形成するイソフタル酸変性度6モル%のPETは180℃において溶融せず、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイ樹脂の180℃における溶融粘度は23000mPa・sececであった。
なお、溶融粘度は、JIS K 7199に準拠して、キャピラリーレオメーター[(株)東洋精機製作所製キャピログラフ]を用いて、ピストン径10mm、温度180℃、せん断速度1000/秒の条件で見掛けの溶融粘度を測定した。測定には、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いた。
そして、極細繊維の不織布の両表面それぞれに繊維シートA1を重ねて積重体を形成した。積重体の極細繊維の不織布と繊維シートA1との質量比は25:36であった。そして、積重体を180℃、2MPaの条件で20分間熱プレスすることにより、繊維シートA1のみを溶融させて、その溶融物を極細繊維の不織布の内部空隙に含浸させた。そして、冷却することにより、熱可塑性樹脂シートAを得た。
このようにして得られた熱可塑性樹脂シートAは可撓性を有し、厚み0.5mm、見掛け密度1.1g/cm3、目付612g/m2であった。
得られた熱可塑性樹脂シートAの厚み方向のSEM写真(倍率150倍)を図2に示す。得られた熱可塑性樹脂シートAには約0.25mmの複合体層が形成されていた。このようなSEM写真を用いて空隙率を算出した。空隙率は、このようなSEM写真から不織布と不織布の空隙に充填されたマトリクス樹脂とを含む複合体層の0.25×0.6mmの領域から空隙を示す抜けた部分の領域を切り抜き、その全体の重量に対する切り抜いた部分の重量からその面積割合(空隙率)を算出した。なお、測定は、互いに直交する2方向から切断した断面の各方向から万遍なく5枚ずつ選択した計10枚のサンプルの結果の平均値をとった。このようにして測定された空隙率は15体積%であった。そして、熱可塑性樹脂シートAの特性を以下の方法により評価した。
[光透過率の測定]
シートの光透過率をJIS−K7136に規定される全光線透過率(%)測定法に準拠して測定した。
シートの光透過率をJIS−K7136に規定される全光線透過率(%)測定法に準拠して測定した。
[引張破断強力、引張破断伸度、引裂強度]
JIS L1096の6.12「引張り強度試験」に準じて、25mm幅、長さ200mmの長方形の試験片を、掴み間隔50mmとなるよう引張試験機に取り付け、応力−歪み曲線から求めた。
JIS L1096の6.12「引張り強度試験」に準じて、25mm幅、長さ200mmの長方形の試験片を、掴み間隔50mmとなるよう引張試験機に取り付け、応力−歪み曲線から求めた。
以上の結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の繊維シートA1の製造において、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン2002)とのポリマーアロイ樹脂を用いる代わりに、ポリプロピレン樹脂(屈折率1.52)を用いた以外は同様にして、メルトブロー法により、繊維径3μm、目付43g/cm2の不織布である繊維シートB1を製造した。なお、ポリプロピレン樹脂の180℃における溶融粘度は10000mPa・secであった。
実施例1の繊維シートA1の製造において、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン2002)とのポリマーアロイ樹脂を用いる代わりに、ポリプロピレン樹脂(屈折率1.52)を用いた以外は同様にして、メルトブロー法により、繊維径3μm、目付43g/cm2の不織布である繊維シートB1を製造した。なお、ポリプロピレン樹脂の180℃における溶融粘度は10000mPa・secであった。
そして、実施例1において、繊維シートA1を用いる代わりに繊維シートB1を用いた以外は実施例1と同様にして、極細繊維の不織布の両表面それぞれに繊維シートB1を重ねて積重体を形成した。そして、積重体を180℃、2MPaの条件で15分間熱プレスすることにより、繊維シートB1のみを溶融させて、その溶融物を極細繊維の不織布の内部空隙に含浸させた。そして、冷却することにより、熱可塑性樹脂シートBを得た。
このようにして得られた熱可塑性樹脂シートBは可撓性を有し、厚み0.4mm、見掛け密度0.95g/cm3、目付580g/m2であった。また、複合体層の空隙率は12体積%であった。そして、熱可塑性樹脂シートBの特性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
繊度3.5デシテックスのPET長繊維をネット上に捕集し、見かけ密度0.15g/cm3、目付122g/m2、厚み0.82mmの不織布を得た。実施例1において、極細繊維の不織布を用いる代わりに、上記不織布を用いた以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂シートCを得た。
繊度3.5デシテックスのPET長繊維をネット上に捕集し、見かけ密度0.15g/cm3、目付122g/m2、厚み0.82mmの不織布を得た。実施例1において、極細繊維の不織布を用いる代わりに、上記不織布を用いた以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂シートCを得た。
このようにして得られた熱可塑性樹脂シートCは可撓性を有し、厚み0.4mm、見掛け密度0.65g/cm3、目付482g/m2、空隙率13体積%であった。そして、熱可塑性樹脂シートCの特性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の繊維シートA1の製造において、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン2002)とのポリマーアロイ樹脂を用いる代わりに、高粘度のポリプロピレン樹脂を用いた以外は同様にして、メルトブロー法により、繊維径0.3μm、目付43g/cm2の不織布である繊維シートD1を製造した。なお、ポリプロピレン樹脂の180℃における溶融粘度は5×109mPa・secであった。
実施例1の繊維シートA1の製造において、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン2002)とのポリマーアロイ樹脂を用いる代わりに、高粘度のポリプロピレン樹脂を用いた以外は同様にして、メルトブロー法により、繊維径0.3μm、目付43g/cm2の不織布である繊維シートD1を製造した。なお、ポリプロピレン樹脂の180℃における溶融粘度は5×109mPa・secであった。
そして、実施例1において、繊維シートA1を用いる代わりに繊維シートD1を用いた以外は実施例1と同様にして、極細繊維の不織布の両表面それぞれに繊維シートD1を重ねて積重体を形成した。そして、積重体を180℃、2MPaの条件で20分間熱プレスした。そして、冷却することにより、熱可塑性樹脂シートDを得た。
このようにして得られた熱可塑性樹脂シートDは可撓性を有し、厚み0.7mm、見掛け密度0.6g/cm3、目付593g/m2であった。また、複合体層の空隙率は40体積%であった。そして、熱可塑性樹脂シートDの特性を実施例1と同様にして評価した。なお、引張破断強力、引張破断伸度、引裂強度は、不織布層とマトリクス樹脂層が層間剥離して測定できなかった。結果を表1に示す。
[比較例2]
ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン2002)とのポリマーアロイ樹脂をフィルム化した、厚み0.2mmのフィルムを準備した。そして、実施例1において、繊維シートA1を用いる代わりにこのフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、極細繊維の不織布の両表面それぞれにフィルムを重ねて積重体を形成した。そして、積重体を180℃、2MPaの条件で20分間熱プレスすることにより、フィルムのみを溶融させて、その溶融物を極細繊維の不織布の内部空隙に含浸させた。そして、冷却することにより、熱可塑性樹脂シートEを得た。
ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン2002)とのポリマーアロイ樹脂をフィルム化した、厚み0.2mmのフィルムを準備した。そして、実施例1において、繊維シートA1を用いる代わりにこのフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、極細繊維の不織布の両表面それぞれにフィルムを重ねて積重体を形成した。そして、積重体を180℃、2MPaの条件で20分間熱プレスすることにより、フィルムのみを溶融させて、その溶融物を極細繊維の不織布の内部空隙に含浸させた。そして、冷却することにより、熱可塑性樹脂シートEを得た。
このようにして得られた熱可塑性樹脂シートEは可撓性を有し、厚み0.6mm、見掛け密度0.6g/cm3、目付590g/m2であった。また、複合体層の空隙率は35体積%であった。そして、熱可塑性樹脂シートEの特性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン2002)とのポリマーアロイ樹脂をフィルム化した、厚み0.2mmのシートを準備した。そして、熱可塑性樹脂シートAの代わりに、このシートのみの特性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン2002)とのポリマーアロイ樹脂をフィルム化した、厚み0.2mmのシートを準備した。そして、熱可塑性樹脂シートAの代わりに、このシートのみの特性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1において、繊維シートA1を製造した代わりにポリブチレンテレフタレート(PBT、屈折率1.51)を用いて、メルトブロー法により、繊維径3.3μm、目付48g/cm2の繊維シートG1を製造した。
実施例1において、繊維シートA1を製造した代わりにポリブチレンテレフタレート(PBT、屈折率1.51)を用いて、メルトブロー法により、繊維径3.3μm、目付48g/cm2の繊維シートG1を製造した。
なお、極細繊維を形成するイソフタル酸変性度6モル%のPETは240℃における溶融粘度は1×107mPa・secであり、PBTの240℃における溶融粘度は18000mPa・secであった。
そして、実施例1において、繊維シートA1を用いる代わりに繊維シートG1を用いた以外は実施例1と同様にして、極細繊維の不織布の表面に繊維シートG1を重ねて積重体を形成した。そして、積重体を240℃、2MPaの条件で20分間熱プレスした。そして、冷却することにより、熱可塑性樹脂シートGを得た。
このようにして得られた熱可塑性樹脂シートGは可撓性のない板状であり、厚み0.5mm、見掛け密度1.27g/cm3、目付603g/m2、空隙率1.8体積%であった。なお、SEMで観察したとき、極細繊維が溶融されて不織布の構造が失われていた。このため、透過性は有しているものの、屈曲性に乏しく、引き裂き強度の測定が困難であった。熱可塑性樹脂シートGの特性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例1の繊維シートA1の製造において、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン2002)とのポリマーアロイ樹脂を用いる代わりに、ポリプロピレンと高粘度タイプのスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン8076)とのポリマーアロイ樹脂(屈折率1.52)を用いた以外は同様にして、メルトブロー法により、繊維径3μm、目付43g/cm2の不織布である繊維シートH1を製造した。なお、セプトン8076の180℃における溶融粘度は42800mPa・secであった。
実施例1の繊維シートA1の製造において、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン2002)とのポリマーアロイ樹脂を用いる代わりに、ポリプロピレンと高粘度タイプのスチレン・オレフィンブロック共重合体((株)クラレ製のセプトン8076)とのポリマーアロイ樹脂(屈折率1.52)を用いた以外は同様にして、メルトブロー法により、繊維径3μm、目付43g/cm2の不織布である繊維シートH1を製造した。なお、セプトン8076の180℃における溶融粘度は42800mPa・secであった。
そして、実施例1において、繊維シートA1を用いる代わりに繊維シートH1を用いた以外は実施例1と同様にして、極細繊維の不織布の両表面それぞれに繊維シートH1を重ねて積重体を形成した。そして、積重体を180℃、2MPaの条件で15分間熱プレスすることにより、繊維シートH1のみを溶融させて、その溶融物を極細繊維の不織布の内部空隙に含浸させた。そして、冷却することにより、熱可塑性樹脂シートHを得た。
このようにして得られた熱可塑性樹脂シートHは可撓性を有し、厚み0.62mm、見掛け密度1.06g/cm3、目付618g/m2、空隙率25体積%であった。そして、熱可塑性樹脂シートHの特性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例6]
実施例1の繊維シートA1の製造において、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイ樹脂((株)クラレ製のセプトン2002)を用いる代わりに、シリコーンゴム(屈折率1.38)を用いた以外は同様にして、メルトブロー法により、繊維径3μm、目付43g/cm2の不織布である繊維シートI1を製造した。なお、シリコーンゴムの180℃における溶融粘度は56000mPa・secであった。
実施例1の繊維シートA1の製造において、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイ樹脂((株)クラレ製のセプトン2002)を用いる代わりに、シリコーンゴム(屈折率1.38)を用いた以外は同様にして、メルトブロー法により、繊維径3μm、目付43g/cm2の不織布である繊維シートI1を製造した。なお、シリコーンゴムの180℃における溶融粘度は56000mPa・secであった。
そして、実施例1において、繊維シートA1を用いる代わりに繊維シートI1を用いた以外は実施例1と同様にして、極細繊維の不織布の両表面それぞれに繊維シートI1を重ねて積重体を形成した。そして、積重体を180℃、2MPaの条件で15分間熱プレスすることにより、繊維シートI1のみを溶融させて、その溶融物を極細繊維の不織布の内部空隙に含浸させた。そして、冷却することにより、熱可塑性樹脂シートIを得た。
このようにして得られた熱可塑性樹脂シートIは可撓性を有し、厚み0.52mm、見掛け密度0.87g/cm3、目付548g/m2、空隙率12体積%であった。そして、熱可塑性樹脂シートIの特性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
表1から、本発明に係る不織布と不織布の空隙に充填されたマトリクス樹脂とを含み、空隙率が15体積%以下である複合体層を含む実施例1〜3で得られた熱可塑性樹脂シートは、いずれも光透過性と高い引張特性を示した。一方、比較例1の、高粘度のポリプロピレン樹脂からなる繊維を不織布に充填させて得られた空隙率が40体積%である複合体層を含む比較例1で得られた熱可塑性樹脂シートは光透過性を有さず、また、ポリプロピレン樹脂が不織布と充分に一体化されておらず、引張特性の測定時に層間で剥離した。また、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイ樹脂の繊維シートを不織布に積層する代わりに、同じポリマーアロイ樹脂のフィルムを不織布に積層して熱プレスして得られた比較例2で得られた熱可塑性樹脂シートも、不織布中に樹脂が充分に充填されなかった。また、ポリプロピレンとスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイ樹脂からなるシートのみの比較例3は引張特性が低かった。また、PBTからなる繊維シートを用い、PBTを含浸させるために240℃で熱プレスした比較例4の場合には、不織布の構造が失われて板状になり、引張強度は極めて高くなったが可撓性が失われた。また、ポリプロピレンと高粘度タイプのスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイ樹脂を用いた比較例5の場合には、空隙率が高くなり、光透過性が失われた。また、不織布を形成する変性PETとの屈折率差が1以上のシリコーンゴムを充填させた比較例6の場合には樹脂の界面により乱反射等により光透過性が失われた。
本発明の透光性熱可塑性樹脂シートは、透光性と、熱による賦形性と、高い機械的特性とを兼ね備えている。従って、透光性と、薄肉での高強度が要求される照明器具のカバー材や、靴、家具、鞄等に意匠性を付与するためのアッパー材の用途に好ましく用いられる。
1 不織布
2 マトリクス樹脂
3 複合体層
4 表皮層
10 透光性熱可塑性樹脂シート
v 空隙
2 マトリクス樹脂
3 複合体層
4 表皮層
10 透光性熱可塑性樹脂シート
v 空隙
Claims (9)
- 不織布と前記不織布の空隙に充填されたマトリクス樹脂とを含む複合体層を含む熱可塑性樹脂シートであって、
前記不織布は第一の熱可塑性樹脂の繊維の絡合体であり、前記マトリクス樹脂は第二の熱可塑性樹脂を含み、
前記複合体層の空隙率が15体積%以下であり、
前記第一の熱可塑性樹脂と前記第二の熱可塑性樹脂とは屈折率差が0.1以下であることを特徴とする透光性熱可塑性樹脂シート。 - 光透過率が5%以上である請求項1に記載の透光性熱可塑性樹脂シート。
- 前記第一の熱可塑性樹脂及び前記第二の熱可塑性樹脂は、所定の温度T(℃)において、前記第二の熱可塑性樹脂は溶融し、前記第一の熱可塑性樹脂が溶融しないような組み合わせから選択されている請求項1または2に記載の透光性熱可塑性樹脂シート。
- 前記第一の熱可塑性樹脂は180℃において溶融しない熱可塑性樹脂であり、前記第二の熱可塑性樹脂は180℃において溶融する熱可塑性樹脂である請求項1〜3の何れか1項に記載の透光性熱可塑性樹脂シート。
- 前記第一の熱可塑性樹脂は変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を含み、前記第二の熱可塑性樹脂はポリオレフィン系樹脂を含む請求項1〜4の何れか1項に記載の透光性熱可塑性樹脂シート。
- 前記第二の熱可塑性樹脂は、前記ポリオレフィン系樹脂とスチレン・オレフィンブロック共重合体とのポリマーアロイ樹脂を含む請求項5に記載の透光性熱可塑性樹脂シート。
- 前記不織布は繊度0.5デシテックス以下の極細繊維の不織布である請求項1〜6の何れか1項に記載の透光性熱可塑性樹脂シート。
- 請求項3に記載の透光性熱可塑性樹脂シートの製造方法であって、
前記不織布の少なくとも1面に、前記第二の熱可塑性樹脂からなる繊維シートまたは前記第二の熱可塑性樹脂からなる粉末を配設して積重体を形成する工程と、
前記積重体を前記所定の温度T(℃)で加熱プレスする工程と、を備えることを特徴とする透光性熱可塑性樹脂シートの製造方法。 - 請求項1に記載の透光性熱可塑性樹脂シートの製造方法であって、
金型のキャビティ表面に前記不織布をインサートする工程と、
前記金型に射出成形により前記第二の熱可塑性樹脂を射出する工程と、を備え、
前記射出成形において、前記第一の熱可塑性樹脂を溶融させないことを特徴とする透光性熱可塑性樹脂シートの製造方法。
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- 2013-03-27 JP JP2013067268A patent/JP2014189674A/ja active Pending
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