JP6498454B2 - 多層成形用シート及びシート成形体 - Google Patents

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本発明は多層成形用シート及びシート成形体に関する。特には、成形して、皺がなく、しかも通気度の低いシート成形体を製造することのできる多層成形用シートに関する。本発明の多層成形用シートを成形したシート成形体は、特に自動車用のインシュレータとして好適に使用できる。
従来から各種用途の形状に適合するように、不織布を成形することが一般的に行われている。このような成形方法として、基材と表面材とを積層した多層シートを、一対の金型によって、熱と圧力を作用させることにより成形するヒートプレス法、予め加熱した多層シートを、一対の金型によって、圧力を作用させることにより成形するコールドプレス法が知られている。
例えば、実開昭55−13870号公報には、ガラス綿と、防炎加工したセルロース系不織布とを、バーストファイバー法で得た平行シートを延展し、プレスして作ったポリプロピレン100%の熱接着性不織布を介して、熱金型成型法により熱接着させた防音マットが提案されている。しかしながら、この防音マットは比較的通気度が高く、充分な吸音性能を発揮できるものではなかった。
そのため、通気度を低くするために、表面材として、通気度の低いメルトブロー不織布を使用することが考えられたが、成形時に皺が発生してしまい、表面品位の悪いものであった。
実開昭55−13870号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、通気度が低く、表面品位の優れるシート成形体を製造することのできる、多層成形用シートを提供することを目的とする。また、通気度が低く、表面品位の優れるシート成形体を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「第1多孔性シートと第2多孔性シートとが、ポリプロピレン製メルトブロー不織布の融着により一体化した多層成形用シートであり、前記メルトブロー不織布の平均繊維径が2μm以下であることを特徴とする、多層成形用シートであって、前記第1多孔性シート又は前記第2多孔性シートとしてニードルパンチ不織布を備えており、前記第1多孔性シート及び前記第2多孔性シートの構成材料の中で最も低い融点を有する構成材料の融点よりも、前記メルトブロー不織布の融点が低い、多層成形用シート。」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「通気度が5〜30(cm/cm・s)であることを特徴とする、請求項1記載の多層成形用シート。」である。
本発明の請求項3にかかる発明は、「請求項1又は請求項2に記載の多層成形用シートを成形したシート成形体。」である。
本発明の請求項4にかかる発明は、「自動車用のインシュレータとして使用する、請求項3記載のシート成形体。」である。
本発明の請求項1にかかる発明は、第1多孔性シートと第2多孔性シートとが、ポリプロピレン製メルトブロー不織布の融着により一体化している。つまり、従来、ポリプロピレン製メルトブロー不織布を使用した場合、成形時に伸びにくいため皺が発生し、表面品位を悪くしていたが、第1多孔性シート及び第2多孔性シートよりもポリプロピレン製メルトブロー不織布の融点が低いため、成形時にポリプロピレン製メルトブロー不織布を溶融させることができ、伸びやすいため、皺が発生せず、表面品位の優れるシート成形体を製造することができる。
そして、前記第1多孔性シート又は前記第2多孔性シートとしてニードルパンチ不織布を備えていることによって、意匠性にも優れていると共に成形性に優れる多層成形用シートである。
また、前記メルトブロー不織布の平均繊維径が2μm以下であることによって、繊維の分散が均一であり、成形時に溶融しても、メルトブロー不織布が有する低通気度の物性をある程度引き継いだシート成形体を製造できることを見出した。
本発明の請求項2にかかる発明は、通気度が5〜30(cm/cm・s)であるため、通気度が低く、吸音性能に優れるシート成形体を製造できる多層成形用シートである。
本発明の請求項3にかかる発明は、前記多層成形用シートを成形したシート成形体であるため、通気度が低く、表面品位の優れるものである。
本発明の請求項4にかかる発明は、自動車用のインシュレータとして使用するため、吸音性能に優れている。
本発明の多層成形用シートは、第1多孔性シートと第2多孔性シートとが、平均繊維径が2μm以下のポリプロピレン製メルトブロー不織布の融着により一体化したシートである。このように、平均繊維径が2μm以下のポリプロピレン製メルトブロー不織布の融着により一体化していると、通気度が低く、皺のない表面品位の優れるシート成形体を製造できることを見出したのである。
このように、通気度の低いシート成形体を製造できるのは、メルトブロー不織布の平均繊維径が2μm以下であることによって、繊維の分散が均一であり、成形時に溶融しても、メルトブロー不織布が有する低通気度の物性をある程度引き継げると考えている。なお、平均繊維径が小さいほうが繊維の分散が均一であり、より低通気度のシート成形体を製造できると考えられるが、メルトブロー法という製法上、平均繊維径の下限は0.1μm程度である。本発明における「平均繊維径」はメルトブロー不織布の表面における電子顕微鏡写真(1500倍)を撮影し、電子顕微鏡写真から無作為に選択した繊維300本の繊維径(繊維の幅)の算術平均値をいう。
本発明のメルトブロー不織布は融点が160〜170℃程度のポリプロピレンからなり、200℃以下の比較的低い温度で溶融できるため、第1多孔性シートと第2多孔性シートとを融着一体化しやすく、また、成形性に優れている。更に、シート成形体の通常使用時(120℃以下)においても、融着状態を維持できるため、シート成形体の使用に支障が生じにくい。
本発明のメルトブロー不織布のポリプロピレンはホモポリプロピレンであっても良いし、共重合ポリプロピレン(例えば、プロピレンを主体として、エチレン、ブテン−1,4−メチルペンテン−1等との二元または多元共重合体)であっても良く、特に限定するものではない。
本発明のメルトブロー不織布の通気度は特に限定するものではないが、多層成形用シートの通気度は5〜30(cm/cm・s)であるのが好ましいため、メルトブロー不織布の通気度は5〜30(cm/cm・s)であるのが好ましく、8〜20(cm/cm・s)であるのがより好ましく、10〜18(cm/cm・s)であるのが更に好ましい。本発明の「通気度」は、JIS L1913:2010「一般不織布試験方法」に規定される6.8.1(フラジール形法)によって測定される値をいう。
また、本発明のメルトブロー不織布の目付は特に限定するものではないが、成形後のシート成形体がメルトブロー不織布の通気度を引き継ぐことができるように、繊維が均一に分散した状態にあるのが好ましいため、10〜60g/mであるのが好ましく、20〜50g/mであるのがより好ましく、30〜40g/mであるのが更に好ましい。本発明における「目付」は、JIS L1913:2010「一般不織布試験方法」に規定される6.2[単位面積当たりの質量(ISO法)]によって測定される値を意味する。
更に、本発明のメルトブロー不織布の厚さは特に限定するものではないが、0.2〜0.4mmであるのが好ましく、0.25〜0.35mmであるのがより好ましく、0.27〜0.33mmであるのが更に好ましい。本発明における「厚さ」は、(株)ミツトヨ製ライトマチック(登録商標)厚み測定器を用い、圧接子5cm、圧接荷重2.0kPaで測定した値を意味する。
本発明の多層成形用シートは上述のようなメルトブロー不織布の融着によって、第1多孔シートと第2多孔シートとが一体化したシートである。つまり、第1多孔性シート及び第2多孔性シートよりもポリプロピレン製メルトブロー不織布の融点が低いため、成形時に、第1多孔性シート及び第2多孔性シートを溶融させることなく、ポリプロピレン製メルトブロー不織布のみを溶融させることができ、伸びやすいため皺が発生せず、表面品位の優れるシート成形体を製造することができる。
本発明の多層成形用シートを構成する第1多孔性シートと第2多孔性シートは通気性を有するように、多孔性シートであれば良く、特に限定するものではないが、例えば、不織布シート、織物シート、編物シート、多孔フィルムシート、発泡体シートであることができる。これらの中でも、不織布シートは成形性に優れており、しかも意匠性にも優れているため、第1多孔性シート又は第2多孔性シートが不織布シートであるのが好ましい。
この好適である不織布シートとしては、例えば、ニードルパンチ法、水流絡合法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ステッチボンド法、スパンボンド法などの方法単独で、又は2種以上の方法を併用して製造した不織布シートであることができる。これらの中でも、成形性に優れている、ニードルパンチ法、水流絡合法又はステッチボンド法で製造した不織布シートであるのが好ましく、ニードルパンチ法で製造した不織布シートであるのがより好ましい。
なお、第1多孔性シート又は第2多孔性シートが不織布シートである場合、表面品位が優れているように、構成繊維の繊度は4.4dtex以下であるのが好ましく、3.3dtex以下であるのがより好ましく、2.2dtex以下であるのが更に好ましい。一方で、構成繊維の繊度は耐磨耗性に優れているように、0.5dtex以上であるのが好ましく、0.8dtex以上であるのがより好ましい。また、構成繊維の繊維長は特に限定するものではないが、表面品位が優れているように、20〜80mmであるのが好ましく、30〜70mmであるのがより好ましく、40〜60mmであるのが更に好ましい。この「繊度」は、JIS L 1015:2010、8.5.1(正量繊度)に規定されているA法により得られる値を意味し、「繊維長」はJIS L 1015:2010、8.4.1[補正ステープルダイヤグラム法(B法)]により得られる値を意味する。
第1多孔性シート又は第2多孔性シートの構成材料(繊維シートである場合には構成繊維)は、特に限定するものではないが、成形する際の熱によって溶融し、風合いを損ねることがないように、構成材料はポリプロプレン製メルトブロー不織布よりも溶融温度が高いのが好ましく、10℃以上溶融温度が高いのがより好ましく、20℃以上溶融温度が高いのが更に好ましく、30℃以上溶融温度が高いのが更に好ましい。ポリプロピレンの溶融温度が高くて170℃程度であるため、構成材料の溶融温度は180℃以上であるのが好ましく、190℃以上であるのがより好ましく、200℃以上であるのが更に好ましい。例えば、第1多孔性シート又は第2多孔性シートがニードルパンチ不織布などの繊維シートからなる場合、溶融温度が200℃未満では溶融しない、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維など)、ポリアミド系繊維(6ナイロン繊維、66ナイロン繊維など)、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、フッ素繊維、アラミド繊維等の合成繊維;レーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維、綿繊維、麻繊維などのセルロース系繊維;ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維であるのが好ましい。本発明における「溶融温度」は、JIS K7121−1987の規定に則り、熱流束示差走査熱量測定(DSC)により得たDSC曲線から読み取った融解温度をいう。
なお、第1多孔性シートと第2多孔性シートとは同じであっても良いが、異なっていても良い。例えば、自動車用のインシュレータとして使用する場合のように、剛性、耐熱性、難燃性、吸音性等を必要とする用途に、本発明のシート成形体を使用する場合にはガラスウールマットシート;ロックウールマットシート;レジンフェルトシート;ポリウレタン、ポリスチレン又はポリオレフィン系樹脂の発泡体シートなどの前記物性に優れる多孔性シートを、第1多孔性シート又は第2多孔性シートとして備えているのが好ましい。
本発明の多層成形用シートは第1多孔性シートと第2多孔性シートとが、ポリプロピレン製メルトブロー不織布の融着により一体化したシートであるが、その通気度は5〜30(cm/cm・s)であるのが好ましい。通気度が5(cm/cm・s)未満であると、成形後のシート成形体の通気度が小さくなり、音を反射し、吸音性能が低下する傾向があり、30(cm/cm・s)を超えると、成形後のシート成形体の通気度が大きくなり、吸音性の優れるシート成形体を製造しにくいためで、好ましい通気度は8〜30(cm/cm・s)であるのがより好ましく、10〜25(cm/cm・s)であるのが更に好ましい。
本発明の多層成形用シートは第1多孔性シートと第2多孔性シートとの間に、ポリプロピレン製メルトブロー不織布を配置した後、メルトブロー不織布を融着させ、一体化して製造することができる。なお、メルトブロー不織布の融着はメルトブロー不織布の溶融温度よりも高く、第1多孔性シート及び第2多孔性シートの構成材料の中で最も低い融点を有する構成材料の融点よりも低い温度で加熱することによって(好ましくは加圧して)製造することができる。
本発明のシート成形体は前述のような多層成形用シートを成形したものであるため、通気度が低く、表面品位の優れるものである。このように、本発明のシート成形体は通気度が低く、表面品位の優れるものであるため、吸音性と意匠性を必要とする用途に好適に使用できる。例えば、自動車、産業用機械、建設機械などのエンジンルームにおけるインシュレータ;自動車、産業用機械、建設機械などの室内における内装材;マンション、住宅、学校、病院、図書館などの建築物用吸音材などに使用することができ、自動車用のインシュレータとして好適に使用できる。特に、第1多孔性シート又は第2多孔性シートとして、吸音性能の優れるガラスウールマットシート等を備えている場合には、自動車のエンジンルームにおけるインシュレータとして好適に使用できる。
なお、成形は従来と同様に、ヒートプレス法又はコールドプレス法により実施することができ、メルトブロー不織布のみが溶融する条件で成形することによって、通気度が低く、表面品位の優れるシート成形体を製造することができる。この成形条件は第1多孔性シート、第2多孔性シート、特にはメルトブロー不織布によって異なるため、実験的に成形条件を確認する。通常は、メルトブロー不織布の融点よりも高く、第1多孔性シート及び第2多孔性シートの構成材料の中で最も低い融点を有する構成材料の融点よりも低い温度で加熱して成形する。
また、成形形状はシート成形体の適用用途に応じた形状であれば良く、特に限定するものではない。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)第1多孔性シート(接着絡合不織布シート)
原着ポリエステル繊維(繊度:1.4dtex、繊維長:38mm、融点:260℃)75mass%と、レーヨン繊維(繊度:1.7dtex、繊維長:51mm)25mass%とを混綿し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成した後、片面から針密度20本/mでニードルパンチ処理を行い、パンチウエブを形成した。続いて、パンチウエブにアクリルバインダーを含浸し、乾燥して、接着絡合不織布シート(=第1多孔性シート、目付:70g/m、厚さ:0.7mm、繊維量:43g/m、バインダ量:27g/m)を製造した。
(2)ポリプロピレン製メルトブロー不織布シート
直径が0.3mmのオリフィスが0.8mmのピッチで配置されたノズルピースを温度370℃に加熱し、1つのオリフィスあたり0.33g/min.の割合でプロピレンホモポリマーを吐出し、この吐出したプロピレンホモポリマー(融点:160℃)に対して、温度420℃、かつ質量比で樹脂吐出量の30倍量の空気を吹き付けて形成したメルトブロー繊維をコンベア上に集積させて(ノズルピースとコンベアとの距離:40cm)、目付が40g/mで、厚さが1.1mmのメルトブロー不織布シート(平均繊維径:2μm)を製造した。
(3)第2多孔性シート(ガラスウールマットシート)
平均径10μm、平均長さ30mmのガラス短繊維を水性フェノール樹脂(ガラス短繊維量に対する重量比:0.15倍量)で接着したガラスウールマットシート(目付:490g/m、厚さ:19.6mm、体積密度:25kg/m)を用意した。
(4)多層成形用シートの製造
前記第1多孔性シートと第2多孔性シートとの間に、ポリプロピレン製メルトブロー不織布シートが位置するように積層した後、次の条件で加熱加圧して、第1多孔性シートと第2多孔性シートとが、ポリプロピレン製メルトブロー不織布シートの融着により一体化した多層成形用シート(目付:600g/m、厚さ:10mm)を製造した。この多層成形用シートの通気度は16(cm/cm・s)と低く、吸音性能の優れるシートであった。
(イ)温度:200℃
(ロ)圧力:20kg/cm
(ハ)加熱加圧時間:60秒
(実施例2)
コンベア速度を速くすることによって、目付が30g/mのポリプロピレン製メルトブロー不織布シート(通気度:15cm/cm・s)を製造し、このメルトブロー不織布シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして、第1多孔性シートと第2多孔性シートとが、ポリプロピレン製メルトブロー不織布シートの融着により一体化した多層成形用シート(目付:590g/m、厚さ:10mm)を製造した。この多層成形用シートの通気度は22(cm/cm・s)と低く、吸音性能の優れるシートであった。
(実施例3)
吐出したプロピレンホモポリマーに対して吹き付ける空気量を、質量比で樹脂吐出量の41倍量とし、平均繊維径が1.5μmのポリプロピレン製メルトブロー不織布シート(通気度:9cm/cm・s)を製造し、このメルトブロー不織布シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして、第1多孔性シートと第2多孔性シートとが、ポリプロピレン製メルトブロー不織布シートの融着により一体化した多層成形用シート(目付:600g/m、厚さ:10mm)を製造した。この多層成形用シートの通気度は12(cm/cm・s)と低く、吸音性能の優れるシートであった。
(比較例1)
吐出したプロピレンホモポリマーに対して吹き付ける空気量を、質量比で樹脂吐出量の16倍量とし、平均繊維径が4μmのポリプロピレン製メルトブロー不織布シート(通気度:25cm/cm・s)を製造し、このメルトブロー不織布シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして、第1多孔性シートと第2多孔性シートとが、ポリプロピレン製メルトブロー不織布シートの融着により一体化した多層成形用シート(目付:600g/m、厚さ:10mm)を製造した。この多層成形用シートの通気度は35(cm/cm・s)と若干高く、吸音性能の劣るシートであった。
(比較例2)
コンベア速度を速くすることによって、目付が30g/m、平均繊維径が4μmのポリプロピレン製メルトブロー不織布シート(通気度:33cm/cm・s)を製造し、このメルトブロー不織布シートを用いたこと以外は比較例1と同様にして、第1多孔性シートと第2多孔性シートとが、ポリプロピレン製メルトブロー不織布シートの融着により一体化した多層成形用シート(目付:590g/m、厚さ:10mm)を製造した。この多層成形用シートの通気度は47(cm/cm・s)と高く、吸音性能の悪いシートであった。
(比較例3)
メルトブロー不織布シートに替えて、目付が30g/mのポリプロピレン製スパンボンドシート(通気度:250cm/cm・s)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、第1多孔性シートと第2多孔性シートとが、ポリプロピレン製スパンボンドシートの融着により一体化した多層成形用シート(目付:590g/m、厚さ:10mm)を製造した。この多層成形用シートの通気度は100(cm/cm・s)と高く、吸音性能の劣るシートであった。
(比較例4)
メルトブロー不織布シートに替えて、目付が30g/mのポリエステル製スパンボンドシート(ユニチカ株式会社製、70300WSO、通気度:300cm/cm・s)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、第1多孔性シートと第2多孔性シートとが、ポリエステル製スパンボンドシートの融着により一体化した多層成形用シート(目付:590g/m、厚さ:10mm)を製造しようとしたが、ポリエステル製スパンボンドシートが融着していなかった。なお、この多層成形用シートの通気度は100(cm/cm・s)と高く、吸音性能の劣るシートであった。
(シート成形体の表面品位の評価)
実施例1〜3及び比較例1〜4の多層成形用シートを、200℃に加熱した一対の金型(最大深さ:3cm)により90秒間加圧して、エンジンルームサイレンサーの形状に成形し、シート成形体を作製した。その後、シート成形体の第1多孔性シート側表面を観察し、次の基準にしたがって評価した。これらの結果は表1に示す通りであった。
(基準)
○:皺がなく、繊維の緻密感もあり、表面品位に優れる
△:緻密感がないため、表面品位が劣る
▲:皺が発生しているため、表面品位が劣る
×:破断してしまい、表面品位が著しく劣る
(シート成形体の通気度の評価)
シート成形体の表面品位の評価に使用した実施例1〜3、及び比較例1〜4のシート成形体の通気度を、JIS L1913:2010「一般不織布試験方法」に規定される6.8.1(フラジール形法)によって測定した。この結果は表1に示す通りであった。
Figure 0006498454
表1の結果から、平均繊維径が2μm以下のメルトブロー不織布で融着一体化した多層成形用シートは、メルトブロー不織布の通気度に比較的近く、通気度が低く、しかも皺がなく、表面品位の優れるシート成形体を製造できるシートであった。
本発明の多層成形用シートを成形したシート成形体は通気度が低く、皺がなく表面品位の優れるものである。そのため、吸音性と意匠性を必要とする用途、例えば、自動車、産業用機械、建設機械などのエンジンルームにおけるインシュレータ;自動車、産業用機械、建設機械などの室内における内装材;マンション、住宅、学校、病院、図書館などの建築物用吸音材として好適に使用できる。特に、第1多孔性シート又は第2多孔性シートとして、吸音性能の優れるガラスウールマットシート等を備えている場合には、自動車のエンジンルームにおけるインシュレータとして好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 第1多孔性シートと第2多孔性シートとが、ポリプロピレン製メルトブロー不織布の融着により一体化した多層成形用シートであり、前記メルトブロー不織布の平均繊維径が2μm以下であることを特徴とする、多層成形用シートであって、
    前記第1多孔性シート又は前記第2多孔性シートとしてニードルパンチ不織布を備えており、
    前記第1多孔性シート及び前記第2多孔性シートの構成材料の中で最も低い融点を有する構成材料の融点よりも、前記メルトブロー不織布の融点が低い、多層成形用シート。
  2. 通気度が5〜30(cm/cm・s)であることを特徴とする、請求項1記載の多層成形用シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の多層成形用シートを成形したシート成形体。
  4. 自動車用のインシュレータとして使用する、請求項3記載のシート成形体。
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