JP5208861B2 - 吸音性積層材および吸音性積層材成形物 - Google Patents

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Description

本発明は主として自動車のドアトリム、フロアトリム、ドアライニング、トランクボード、パッケージトレー等の内装材料に使用される吸音性積層材および上記吸音性積層材の成形物に関するものである。
自動車のドアトリム、フロアトリム、ドアライニング、トランクボード、パッケージトレー等の内装材料は、最近の石油資源の価格高騰対策あるいは地球温暖化対策のために、燃費向上を目的として軽量であることが要求されるが、同時に成形形状を安定化させるために剛性が必要とされる。
上記内装材料は一般に繊維を熱可塑性樹脂で結着した繊維マットを基材とし、その表面に表皮材を接着した構成を有するが、ケナフ繊維、ヤシ繊維、麻繊維、竹繊維、パルプ繊維等の植物性繊維は天然資源であるから、石油資源に依存せず、該植物性繊維をポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂バインダーで結着した繊維マットは軽量でかつ剛性を有する内装材料として有用である。
上記したように、自動車の内装材料は、上記繊維マットを基材としてその表面に不織布、モケット等の表皮材を接着した構成を有する。上記表皮材を基材に接着するには、上記繊維マットの繊維と上記表皮材の繊維との接合面における絡み合い(アンカー効果)を利用するか、あるいは上記繊維マットに含まれる熱可塑性樹脂結着剤と同種の熱可塑性樹脂からなるホットメルト接着剤を使用する。
特開2002−371455号公報 特開2001−179716号公報 特開2006−95918号公報 特開2000−015612号公報 特開2001−058382号公報 特開平9−277216号公報 特開平7−246657号公報 特開2001−038857号公報
上記したように、基材と表皮材との接着には、基材と表皮材との繊維相互の絡み合いやホットメルト接着剤が使用されるが、接着剤の使用は接着作業に手間がかかり、また接着コストを高くし、かつ得られる内装材料の通気性が阻害され、吸音性能が悪化するので、接着剤を使用せず、基材に表皮材を熱圧着し、基材と表皮材の繊維相互をからみ合わせることによって接着することが望ましい。
基材と表皮材とを熱圧着することによって、該基材に該表皮材を強固に接着するためには、繊維マットに含まれる熱可塑性樹脂の含有量を高くすることが必要になるが、繊維マット中の熱可塑性樹脂の含有量を高くすると通気性が阻害され、得られる内装材料の吸音性能に悪影響が及ぼされる。また該内装材料の廃棄物の処理にも問題があり、環境面から見て望ましいものではない。
更に吸音性能を向上させるためには、基材である繊維マットの厚みを増大させることが必要であり、その結果、軽量性やコンパクト性が阻害されると云う問題点もある。
本発明は、上記従来の課題を解消して軽量でかつ高剛性を有し、吸音性にも優れる積層材を提供することを課題とするものであり、本発明においては、繊維シートと、該繊維シートの裏面に通気性接着剤層を介して接着されている多孔質繊維シートと、更に上記多孔質繊維シートの裏面に通気性接着剤層を介して接着されている微細繊維含有不織布である接着力強化シートと、からなる吸音性表皮材を、植物性繊維と熱可塑性樹脂繊維との混合繊維からなる繊維マットである基材の表面に熱接着した繊維積層材料からなり、上記多孔質繊維シートは表面に開口する細孔を多数有する多孔質繊維からなり、厚さ0.05〜1.0mm、通気抵抗0.08〜2.0kPa・s/mに設定されているシートであって、上記接着力強化シートは、繊度3.3dtex以下の微細繊維を50質量%以上含み、目付量20〜100g/mに設定されている微細繊維含有不織布であり、上記吸音性表皮材の通気抵抗は0.6〜2.5kPa・s/mである吸音性積層材が提供される。
上記吸音性積層材は、所定形状に成形して吸音性積層材成形物としてもよい。
〔作用・効果〕
本発明の吸音性積層材8に使用する吸音性表皮材6において、繊維シート3の裏面に、表面に開口する細孔を多数有する多孔質繊維からなるシート、即ち多孔質繊維シート1を裏打ちする。該多孔質繊維シート1は該多孔質繊維全体に含まれる空気層と、該多孔質繊維相互間の空隙に含まれる空気層とによって非常に優れた吸音性能を発揮するから、基材7として使用する植物性繊維と熱可塑性樹脂繊維との混合繊維からなる繊維マットの厚みを薄くすることが可能である。良好な吸音性能を得るには上記多孔質繊維シート1の厚さを0.05〜1.0mm、通気抵抗を0.08〜2.0kPa・s/mとする。
本発明では、上記吸音性表皮材6において、更に上記多孔質繊維シート1の裏面に通気性接着剤層を介して微細繊維含有不織布である接着力強化シート2を接着する。上記接着力強化シート2としての微細繊維含有不織布は、繊度3.3dtex以下の微細繊維を50質量%以上含み、目付量20〜100g/mに設定されており、このような微細繊維含有不織布は表面に無数のケバを有し、上記吸音性表皮材6を上記微細繊維含有不織布である接着力強化シート2側を基材7である加熱軟化状態の繊維マットの表面に向けて重合し圧着成形すると、上記接着力強化シート2としての微細繊維含有不織布の表面の無数のケバが、上記繊維マットの加熱軟化状態の表地に食い込んで、上記基材7である繊維マット中の植物性繊維および加熱軟化状態の熱可塑性樹脂繊維と絡み合い、該吸音性表皮材6は該繊維マットである基材7表面に接着剤を使用することなく強固に接着する。
上記吸音性表皮材6全体としての通気抵抗は、吸音性能の観点から0.6〜2.5kPa・s/mに設定する。
本発明に使用される基材7である繊維マットにあっては、植物性繊維と熱可塑性樹脂繊維とからなる混合繊維からなり、熱可塑性樹脂結着剤として繊維状のものを使用するから、上記植物繊維と上記熱可塑性樹脂繊維とが基材7中で絡み合い、繊維同士が強固に結着される。したがって上記繊維シートは剛性に富み、上記繊維マットの成形物は成形形状が安定する。
通気抵抗Rの測定方法を説明する説明図である。 吸音性積層材8の縦断側面図である。
以下に本発明を詳細に説明する。
〔基材〕
本発明に使用する基材である繊維マットの材料としては、植物性繊維と低融点熱可塑性樹脂繊維とからなる混合繊維が用いられる。
上記植物性繊維としては、例えばパルプ、木綿、コウゾ、ミツマタ、ワラ、バガス、ヤシ繊維、麻繊維、竹繊維、ケナフ繊維等がある。上記植物性繊維は単独あるいは2種以上組み合わせて使用される。これら植物性繊維の中でもケナフ繊維は、剛性、入手容易性、価格などの点からみて基材の材料として望ましい。
上記低融点熱可塑性樹脂繊維としては、例えば融点180℃以下のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル繊維、熱可塑性ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリエステル共重合体繊維、ポリアミド繊維、ポリアミド共重合体繊維等がある。これらの熱可塑性樹脂繊維は、単独あるいは2種以上組み合わせて使用される。該熱可塑性樹脂繊維の繊度は、0.1〜60dtexの範囲であることが好ましい。本発明に使用する望ましい熱可塑性樹脂繊維としては、軟化点が130℃前後と比較的低温であり、安価でかつ入手容易なポリプロピレン繊維があるが、例えば融点180℃以上の高融点ポリエステル繊維やポリアミド繊維等の高融点繊維を芯成分とし、融点100〜180℃の低融点熱可塑性樹脂、例えば低融点ポリエステル樹脂や低融点ポリアミド樹脂、を鞘成分とする芯鞘型複合繊維も望ましい繊維である。該芯鞘型複合繊維を使用すると、得られる基材の剛性や耐熱性が低下しない。
上記植物性繊維と熱可塑性樹脂繊維とは、例えば解繊機、混合機、カード機等によって均一に混合され、得られた混合繊維は支持体上に堆積されてマットがフォーミングされ、上記マットは所望なればニードルパンチングを施された上で、含有する上記低融点熱可塑性樹脂繊維の軟化点以上の温度に加熱され、そして冷間プレスするか、あるいは上記低融点熱可塑性樹脂繊維の軟化点以上の温度でホットプレスして繊維マットとし、該繊維マットを本発明の基材とする。
上記基材の混合繊維中の上記低融点熱可塑性樹脂繊維の混合比率が70質量%を超えると上記基材の柔軟性が乏しくなり、所定形状に成形した場合、上記低融点熱可塑性樹脂繊維相互が融着して撚りが発生し、均一な成形物が得られにくく、また密度が高くなって吸音性が低下する。
一方、上記混合繊維中の上記低融点熱可塑性樹脂繊維の混合比率が30質量%を下回った場合には、上記基材の剛性が低下して、上記基材を成形した場合、成形形状の安定性が悪くなるおそれがある。したがって上記基材の材料として使用する混合繊維としては、植物性繊維30〜70質量%、低融点熱可塑性樹脂繊維70〜30質量%の混合比のものが望ましい。
更に上記基材の厚さを1〜20mmの範囲に設定することが望ましい。
上記基材の厚さが1mmを下回ると吸音性能が悪くなる。
また上記基材の厚さが20mmを上回った場合には、積層材の質量が大きくなり、かつ厚さが大きすぎて所定形状に成形することが困難になる。
ここで、上記通気抵抗(Pa・s/m)とは、通気性材料の通気の程度を表す尺度である。この通気抵抗の測定は定常流差圧測定方式により行われる。図1に示すようにして、シリンダー状の通気路W内に試験片Tを配置し、一定の通気量V(図中矢印の向き)の状態で図中矢印の始点側の通気路W内の圧力P1と、図中矢印の終点P2の圧力差を測定し、次式より通気抵抗Rを求めることが出来る。
R=ΔP/V
ここで、ΔP(P1−P2):圧力差(パスカル:Pa)、V:単位面積当りの通気量(m/m・sec)である。
通気抵抗は、例えば通気性試験機(製品名:KES−F8−AP1、カトーテック株式会社製、定常流差圧測定方式)によって測定することが出来る。
〔繊維シート〕
本発明に用いられる繊維シートの繊維材料としては、例えばポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維等の合成繊維、とうもろこしやサトウキビ等の植物から抽出された澱粉からなる生分解繊維、あるいは上記基材に使用されている植物性繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、石綿繊維等の無機繊維、あるいはこれらの繊維を使用した繊維製品のスクラップを解繊して得られた再生繊維の1種または2種以上の繊維が使用されるが、例えばガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、石綿繊維、ステンレス繊維等の無機繊維やポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維等のアラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等の望ましくは融点が250℃以上の耐熱性合成繊維を使用すれば、耐熱性の極めて高い表皮材が得られる。その中でも炭素繊維は焼却処理が可能で細片が飛散しにくい点で有用な無機繊維であり、アラミド繊維は比較的安価で入手し易い点で有用な合成繊維である。
上記繊維シートに使用する繊維の一部または全部に、上記基材の低融点熱可塑性樹脂繊維と同様な、融点が180℃以下の低融点熱可塑性樹脂繊維あるいは芯鞘型複合繊維を使用してもよい。
上記繊維シートは、上記繊維のウェブのシートあるいはマットをニードルパンチングによって絡合する方法やスパンボンド法、あるいは上記繊維のウェブのシートあるいはマットが上記低融点熱可塑性樹脂繊維からなるか、あるいは上記低融点熱可塑性樹脂繊維が混合されている場合には上記繊維のウェブのシートあるいはマットを加熱して該低融点熱可塑性樹脂繊維を軟化せしめることによって結着するサーマルボンド法か、あるいは上記繊維のウェブのシートあるいはマットに合成樹脂バインダーを含浸あるいは混合して結着するケミカルボンド法か、あるいは上記繊維のウェブのシートまたはマットをニードルパンチングによって絡合した上で該低融点熱可塑性樹脂繊維を加熱軟化せしめて結着するか、あるいは糸で縫い込むステッチボンド法や高圧水流で絡ませるスパンレース法、上記ニードルパンチングを施したシートまたはマットに上記合成樹脂バインダーを含浸して結着する方法、更に上記繊維を編織する方法等によって製造される。
なお、本発明に係る繊維シートの目付量、厚みは原則任意に設定可能であるが、望ましくは、目付量10〜200g/m、厚み0.01〜10mmに設定される。
〔多孔質繊維シート〕
本発明の吸音性表皮材において、上記繊維シートの裏面に接着される多孔質繊維シートとしては、表面に開口する細孔を多数有する多孔質繊維からなるシートであり、このような多孔質繊維は、例えばパルプを適度に叩解することによって得られる。
吸音性と軽量性の点から、上記多孔質繊維シートの目付量は10〜60g/mとすることが望ましく、厚さは0.05〜1.0mm、通気抵抗は0.08〜2.0kPa・s/mに設定する。
上記多孔質繊維シートに使用する多孔質繊維の原料であるパルプとしては、例えば広葉樹木材パルプ、針葉樹木材パルプ、麻パルプ、ケナフパルプ、竹パルプ、エスバルトパルプ、バガスパルプ、葦パルプ等がある。
〔接着力強化シート〕
本発明において、上記多孔質繊維シートの裏面に接着される接着力強化シートは、微細繊維含有不織布からなる。上記微細繊維は、一般的に熱可塑性樹脂溶融物をノズルから糸状に吐出させ、該糸状吐出物に熱風を吹き付けて延伸することによって得られ、繊維カット長2.0〜80.0mmであることが望ましく、繊度は3.3dtex以下のものである。このような微細繊維を不織布にするには、上記微細繊維をニードルパンチングによって絡合する方法、溶融状態において繊維相互を絡合融着する方法等の公知の方法が適用される。
吸音性能の観点から上記接着力強化シートの目付量は20〜100g/mに設定される。そして吸音性能の観点から、上記接着力強化シートにおいて、微細繊維含有不織布中に微細繊維は50質量%以上含まれる。
〔通気性接着剤層〕
本発明において、上記繊維シートと多孔質繊維シート、上記多孔質繊維シートと上記接着力強化シートとの接着には通気性接着剤が適用される。上記通気性接着剤において使用される接着剤は、通常の溶液型や水性エマルジョン型の接着剤や、粉末状、くもの巣状、溶液型、あるいは水性エマルジョン型のホットメルト接着剤等が使用される。粉末状、くもの巣状のホットメルト接着剤の場合には多孔性接着剤層となるため通気性を確保でき、上記吸音性表皮材の通気性を阻害しない。
溶液型あるいは水性エマルジョン型の接着剤の場合にはスプレー塗装あるいはシルク印刷塗装、オフセット印刷塗装等によって点状に接着剤を塗布し、吸音性表皮材の通気性を確保する。
〔吸音性表皮材〕
上記繊維マットである基材の表面に積層される吸音性表皮材は、繊維シートの裏面に通気性接着剤層を介して多孔質繊維シートを接着し、更にその裏面に通気性接着剤層を介して微細繊維含有不織布である接着力強化シートを接着したものである。
上記吸音性表皮材を製造するには、上記繊維シートの裏面および/または上記多孔質繊維シートの表面に上記通気性接着剤層を形成し、更に上記多孔質繊維シートの裏面および/または上記接着力強化シートの表面に上記通気性接着剤層を形成し、上記繊維シート、上記多孔質繊維シート、および上記接着力強化シートの三層を一体的に接着するか、あるは上記繊維シートと上記多孔質繊維シートまたは上記多孔質繊維シートと上記接着力強化シートとを先ず接着し、次いで接着力強化シートあるいは繊維シートを接着する方法を採用してもよい。いずれの場合においても、ホットメルト接着剤を使用した場合には加熱接着が適用される。
上記のようにして製造された吸音性表皮材の全体の通気抵抗は、吸音性能の観点から0.6〜2.5kPa・s/mに設定される。
〔吸音性積層材〕
本発明の吸音性積層材は、上記繊維マットである基材と、上記吸音性表皮材とを接着することによって製造される。
上記繊維マットと上記吸音性表皮材とを接着するには、上記繊維マット表面を加熱するが、その際の加熱温度は上記繊維マットに含まれる熱可塑性樹脂繊維の軟化点以上の温度に設定して、該熱可塑性樹脂繊維を軟化状態におく。そして該吸音性表皮材を該基材表面に重合し、冷間プレスによって該吸音性表皮材を該基材表面に圧着すると共に所定形状に成形するが、上記基材は通気性があり多孔質であるから蓄熱性を有し、したがって上記基材中の熱可塑性樹脂繊維は軟化状態を該吸音性表皮材圧着の時点まで持続することができる。
このようにして図2に示すような吸音性積層材8が製造される。図2に示す吸音性積層材8において、7は基材であり、6は該基材7の表面に接着されている吸音性表皮材である。該吸音性表皮材6は、繊維シート3と、該繊維シート3の裏面に通気性接着剤層5Aを介して接着されている多孔質繊維シート1と、該多孔質繊維シート1の裏面に通気性接着剤層5Bを介して接着されている接着力強化シート2とからなる。
以下に本発明を更に具体的に説明するための実施例を記載するが、本発明は該実施例にのみ限定されるものではない。
〔実施例1〕
ポリエステル繊維からなるウェブを材料とし、通常のニードルパンチング法により目付量160g/m、厚さ1.5mmのニードルパンチ不織布である繊維シートを作製した。
また、針葉樹からなるパルプ繊維を、離解−叩解工程を経て、表面に開口する細孔を多数有するパルプ繊維とし、該パルプ繊維のスラリーを抄紙して目付量23g/m、厚さ0.13mm、通気抵抗1.015kPa・s/mの多孔質繊維シートを作製した。
次に上記繊維シートの裏面にホットメルト接着剤として共重合ポリエステル粒子(粒度:200〜300μm、軟化点:155℃)を5g/mの塗布量で散布し、その後上記多孔質繊維シートを重合して180℃の熱ロール表面に圧着させながら該ホットメルト接着剤を溶融し、その後冷却して上記繊維シートと上記多孔質繊維シートとを接着積層した後、更に該積層物の多孔質繊維シート側に共重合ポリアミド粒子(粒度:200〜300μm、軟化点125℃)を5g/mの塗布量で散布し、加熱チャンバー中にて140℃で加熱し、該共重合ポリアミド粒子を軟化溶融させた状態でその上にポリエステル繊維(繊度:2.2dtex、繊維カット長:75mm)70質量%とポリエステル繊維(繊度:6.6dtex、繊維カット長:75mm)30質量%からなる混合繊維ウェブを材料とし、通常のニードルパンチング法により目付量50g/m、通気抵抗0.031kPa・s/mであるニードルパンチ不織布からなる接着力強化シートを重合して、冷却された2本のロールで圧着し、繊維シート−多孔質繊維シート−接着力強化シート積層材からなる全体の通気抵抗が1.056kPa・s/mの吸音性表皮材を作製した。
次にケナフ繊維50質量%、ポリプロピレン繊維50質量%からなる厚さ4.5mm、目付量1200g/mの繊維マットを基材として使用し、該基材を200℃の熱風循環恒温機中にて2分間加熱させ該基材中の熱可塑性樹脂繊維であるポリプロピレン繊維を軟化させた後、熱風循環恒温機より取出し、該基材の上に上記吸音性表皮材の接着力強化シート側を重合し、直ちに冷却プレス機にてプレスして厚さ5.5mmの吸音性積層材を作製した。
上記吸音性積層材の基材と表皮材との接着力は8.9N/25mm(常態時180°剥離試験、引張り速度20mm/分、試料幅25mm)であり、高剛性で表皮材表面に樹脂の浸み出し、しわ等がなく、外観も良好であった。
〔実施例2〕
ポリエステル繊維からなるウェブを材料とし、通常のニードルパンチング法により目付量140g/m、厚さ1.2mmのニードルパンチ不織布である繊維シートを作製した。
また、針葉樹パルプ70質量部、広葉樹パルプ40質量部からなるパルプ繊維を離解−叩解工程を経て、表面に開口する細孔を多数有するパルプ繊維とし、該パルプ繊維のスラリーを抄紙して目付量30g/m、厚さ0.18mm、通気抵抗1.207kPa・s/mの多孔質繊維シートを作製した。
次に上記繊維シートの裏面にホットメルト接着剤として共重合ポリエステル粒子(粒度:200〜300μm、軟化点:155℃)を5g/mの塗布量で散布し、その後上記多孔質繊維シートを重合して180℃の熱ロール表面に圧着させながら該ホットメルト接着剤を溶融し、その後冷却して上記繊維シートと上記多孔質繊維シートとを接着積層した後、更に該積層物の多孔質繊維シート側に共重合ポリアミド粒子(粒度:200〜300μm、軟化点125℃)を5g/mの塗布量で散布し、加熱チャンバー中にて140℃で加熱し、該共重合ポリアミド粒子を軟化溶融させた状態でその上にスパンボンド法によるポリエステル繊維(繊度:2.2dtex)シートを更にニードルパンチングすることによって繊維シート表面を毛羽立たせ、目付量40g/m、通気抵抗0.046kPa・s/mである繊維シートからなる接着力強化シートを重合して、冷却された2本のロールで圧着し、繊維シート−多孔質繊維シート−接着力強化シート積層材からなる全体の通気抵抗が1.285kPa・s/mの吸音性表皮材を作製した。
次にケナフ繊維55質量%、ポリプロピレン繊維45質量%からなる厚さ5.0mm、目付量1000g/mの繊維マットを基材として使用し、該基材を210℃の熱風循環恒温機中にて2分間加熱させ該基材中の熱可塑性樹脂繊維であるポリプロピレン繊維を軟化させた後、熱風循環恒温機より取出し、該基材の上に上記吸音性表皮材の接着力強化シート側を重合し、直ちに冷却プレス機にてプレスして厚さ5.2mmの吸音性積層材を作製した。
上記吸音性積層材は基材と表皮材との接着力に優れ、高剛性を有し、外観が良好であり、上記吸音性積層材の基材と表皮材との接着力は8.1N/25mm(実施例1と同様な剥離試験による)であり、残響室法による吸音率が1000Hzで41%、2000Hzで78%、4000Hzで91%であった。
〔実施例3〕
ポリエステル繊維からなるウェブを材料とし、通常のニードルパンチング法により目付量160g/m、厚さ1.2mmのニードルパンチ不織布である繊維シートを作製した。
また、針葉樹パルプ80質量部、広葉樹パルプ20質量部からなるパルプ繊維を離解−叩解工程を経て、表面に開口する細孔を多数有するパルプ繊維とし、該パルプ繊維のスラリーを抄紙して多孔質繊維シートとし、該多孔質繊維シートをクレープ加工することによって目付量18g/m、厚さ0.12mm、クレープ率20%、通気抵抗1.170kPa・s/mのクレープ加工紙からなる多孔質繊維シートを作製した。
次に上記繊維シートの裏面にホットメルト接着剤として共重合ポリアミド粒子(粒度:80〜200μm、軟化点:135℃)を7g/mの塗布量で散布し、その後上記多孔質繊維シートを重合して160℃の熱ロール表面に圧着させながら該ホットメルト接着剤を溶融し、その後冷却して上記繊維シートと上記多孔質繊維シートとを接着積層した後、更に該積層物の多孔質繊維シート側に共重合ポリアミド粒子(粒度:80〜200μm、軟化点120℃)を5g/mの塗布量で散布し、加熱チャンバー中にて130℃で加熱し、該共重合ポリアミド粒子を軟化溶融させた状態でその上にポリエステル繊維(繊度:1.7dtex、繊維カット長:70mm)60質量%とポリエステル繊維(繊度:6.6dtex、繊維カット長:75mm)40質量%からなる混合繊維ウェブを材料とし、通常のニードルパンチング法により目付量60g/m、通気抵抗0.035kPa・s/mであるニードルパンチ不織布からなる接着力強化シートを重合して、冷却された2本のロールで圧着し、繊維シート−多孔質繊維シート−接着力強化シート積層材からなる全体の通気抵抗が1.245kPa・s/mの吸音性表皮材を作製した。
次にケナフ繊維55質量%、ポリプロピレン繊維45質量%からなる厚さ4.0mm、目付量900g/mの繊維マットを基材として使用し、該基材を210℃の熱風循環恒温機中にて2分間加熱させ該基材中の熱可塑性樹脂繊維であるポリプロピレン繊維を軟化させた後、熱風循環恒温機より取出し、該基材の上に上記吸音性表皮材の接着力強化シート側を重合し、直ちに冷却プレス機にて所定形状に成形し、吸音性積層材成形物を作製した。
得られた吸音性積層材成形物は吸音性、剛性に優れ、自動車のパッケージトレーやドアボード、トランクルームトリム等に有用な物である。
本発明の吸音性積層材は軽量で吸音性能に優れ、その成形物は高剛性で成形形状が安定であるから、自動車の内装材料として特に有用であり、産業上利用可能である。
1 多孔質繊維シート
2 接着力強化シート
3 繊維シート
5A、5B 通気性接着剤層
6 吸音性表皮材
7 基材
8 吸音性積層材

Claims (2)

  1. 繊維シートと、該繊維シートの裏面に通気性接着剤層を介して接着されている多孔質繊維シートと、更に上記多孔質繊維シートの裏面に通気性接着剤層を介して接着されている微細繊維含有不織布である接着力強化シートと、からなる吸音性表皮材を、
    植物性繊維と熱可塑性樹脂繊維との混合繊維からなる繊維マットである基材の表面に熱接着した繊維積層材料からなり、
    上記多孔質繊維シートは表面に開口する細孔を多数有する多孔質繊維からなり、厚さ0.05〜1.0mm、通気抵抗0.08〜2.0kPa・s/mに設定されているシートであって、
    上記接着力強化シートは、繊度3.3dtex以下の微細繊維を50質量%以上含み、目付量20〜100g/mに設定されている微細繊維含有不織布であり、
    上記吸音性表皮材の通気抵抗は0.6〜2.5kPa・s/mである
    ことを特徴とする吸音性積層材。
  2. 請求項1に記載の吸音性積層材を所定形状に成形したことを特徴とする吸音性積層材成形物。
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