JP2005043779A - 吸音材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、安価であり、軽量である吸音性に優れた自動車等の車輌、建築物などの用途に使用され得る吸音材を提供する。
【解決手段】 平均繊維径が10μm以下の極細繊維層(3)と、短繊維ウェブからなる短繊維ウェブ層(2)を含む積層体とし、短繊維ウェブ層側から前記積層体の幅方向に3mm以上30mm以下の範囲内にある間隔で配列したオリフィスから柱状水流を噴射して、積層体を筋状結合部(4)で一体化することにより吸音材(1)を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、安価で、軽量であり、吸音性に優れた吸音材に関する。
従来から、自動車等の車輌、建築物などの用途において、様々な吸音材が用いられている。近年、車輌用吸音材は、燃費向上および室内の快適性向上のために、軽量で吸音性に優れたものが要求されている。このような要求を満たすべく、様々な吸音材が提案されている。例えば、特開2001−279567号公報(特許文献1)では、繊維径が6ミクロン以下の極細繊維を含有する不織布と、繊維径が7〜40ミクロンの短繊維不織布とが流体交絡法またはニードルパンチ法のいずれかにより交絡一体化した吸音材が提案されている。特開2002−69823号公報(特許文献2)では、融点200℃以上で、平均繊維径が10μm以下のメルトブローン不織布と、見かけ密度が0.01〜0.10g/cm3である繊維集合体からなる基層とが樹脂接着剤や融着繊維で接合一体化した吸音材が提案されている。
特開2001−279567号公報 特開2002−69823号公報
しかしながら、上記吸音材は、吸音特性を高めるためにある程度の厚みを必要とすることから、短繊維不織布または基層の目付を150〜250g/m2の高目付にして対応しており、安価で、軽量である吸音材が得られていない。また、特開2002−69823号公報では、メルトブローン不織布と繊維集合体からなる基層とを熱カレンダーにより接合一体化するため、吸音材の厚みが低下し、高目付にして厚みを維持することで対応しており、安価で、軽量である吸音材が得られていない。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、安価であり、軽量である吸音性に優れた自動車等の車輌、建築物などの用途に使用され得る吸音材を提供することを目的とする。
本発明の吸音材は、平均繊維径が10μm以下の極細繊維層と、短繊維ウェブ層を含む積層体が、筋状結合部で一体化しており、隣り合う前記筋状結合部の間隔が3mm以上30mm以下の範囲内にあることを特徴とする。
本発明の吸音材の製造方法は、平均繊維径が10μm以下の極細繊維層と、短繊維ウェブからなる短繊維ウェブ層を含む積層体とし、短繊維ウェブ側から前記積層体の幅方向に3mm以上30mm以下の範囲内にある間隔で配列したオリフィスから柱状水流を噴射して、積層体を一体化して筋状結合部を形成させることを特徴とする。
本発明の吸音材は、極細繊維層と短繊維ウェブ層を筋状結合部で結合することにより、極細繊維層自体の持つ吸音性を損なうことなく、短繊維ウェブ層および得られる吸音材の嵩高性を維持することができ、優れた吸音性が得られる。また、本発明の吸音材は、吸音材の製造と同時に表皮材を結合することができ、吸音性、表皮材の外観を損なうことなく、安価に製造することができる。
本発明者は、かかる問題点が極細繊維不織布に積層される繊維集合体の形態、および極細繊維不織布との結合方法にあることに着目した。極細繊維不織布に積層される従来の繊維集合体は、繊維同士を融着、接着、機械的交絡などによる二次的処理によって結合させた、いわゆる不織布である。繊維が開繊されて集積した状態、いわゆる繊維ウェブが二次的処理によって結合されると、繊維ウェブの初期の厚みが失われて厚みが低下してしまう。そのために、厚みが一定の大きさを維持するためには、目付、すなわち繊維の量を多くするしかなかった。さらに、極細繊維不織布との結合方法として、ニードルパンチや不織布の全面を流体で交絡させる方法、および熱カレンダーにより結合させる方法では、積層不織布の厚みがさらに低下してしまう。そこで、極細繊維不織布と短繊維ウェブとを積層して一体化するとき、できるだけ短繊維ウェブが初期の厚みを維持できる方法を鋭意検討した結果、短繊維ウェブに外圧がかからないように筋状結合部により結合することにより、安価で、軽量である吸音材を得ることを知り、本発明に至った。
本発明の吸音材は、極細繊維層と短繊維ウェブ層とが筋状結合部で一体化したとき、筋状結合部以外の部分を構成する短繊維ウェブ層においては、実質的に短繊維ウェブの形態を保持していることが好ましい。前記短繊維ウェブの形態を保持することにより、厚みが低下することがないので目付、すなわち繊維の集積量を必要以上に増加させる必要はない。ここでいう短繊維ウェブの形態を保持するとは、繊維を集積したときの初期の厚みができるだけ低下しない範囲で保持されていることを指し、具体的には、極細繊維層と短繊維ウェブ層とを筋状結合する前における短繊維ウェブ層の厚みが、繊維を集積したときの初期の厚みの80%までのことを指す。短繊維ウェブは、外圧が過度にかかる条件で接着、または機械的交絡がされていない場合、繊維を集積したときの初期の厚みをほぼ保持しており、好ましい。
本発明の吸音材は、極細繊維層と短繊維ウェブ層とが、隣り合う前記筋状結合部の間隔が3mm以上30mm以下の範囲内で結合されているので、極細繊維層の吸音特性を損なうことがない。
前記極細繊維層において、構成する繊維の平均繊維径は、10μm以下である。極細繊維層を構成する繊維の平均繊維径が10μm以下であると、極細繊維層自体の吸音性が低下する可能性があるからである。極細繊維層の好ましい平均繊維径の上限は、7μmである。より好ましい平均繊維径の上限は、5μmである。極細繊維層の好ましい平均繊維径の下限は、0.5μmである。
前記極細繊維層を得る方法としては、特に限定するものではない。例えば、溶融紡糸、延伸法により極細繊維を直接作製する方法、分割型複合繊維、海島型複合繊維を作製した後、極細繊維を発現させる方法、およびメルトブロー法により紡出された繊維を単繊維状に切断する方法などが挙げられる。得られた極細繊維は、カードウェブ、エアレイウェブ、湿式ウェブなどの繊維ウェブとするとよい。繊維ウェブをこのまま用いてもよいが、耐摩耗性を考慮すると、熱接着、機械的交絡などの二次的処理を施すことが好ましい。また、極細繊維を紡糸した後、そのまま極細繊維を集積してウェブとする方法もある。例えば、メルトブロー法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法などが挙げられる。なかでも、メルトブロー法により得られるメルトブローン不織布は、吸音性に優れるとともに、生産性に優れ、安価であり、好ましい。メルトブローン不織布には、必要に応じてスパンボンド不織布と積層一体化してもよい。例えば、S/M、S/M/S、S/M/M/S(Sはスパンボンド不織布を、Mはメルトブローン不織布を表す)などの組み合わせが挙げられる。また、分割型複合繊維および海島型複合繊維の群から選ばれる少なくとも1種類の繊維を用いた不織布であってもよい。いずれの複合繊維も常套の方法で極細繊維を発現させておくのが好ましい。
前記極細繊維層を構成する素材としては、特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、またはそれらの共重合体等の芳香族ポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、またはその共重合体等の脂肪族ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、またはその共重合体等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、またはその共重合体等のポリオレフィンなどが挙げられる。
前記極細繊維層の目付は、5g/m2以上50g/m2以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましい極細繊維層の目付の下限は、8g/m2である。より好ましい極細繊維層の目付の上限は、40g/m2である。さらに好ましい極細繊維層の目付の上限は、30g/m2である。極細繊維層の目付が5g/m2未満であると、十分な吸音性が得られない可能性がある。極細繊維層の目付が50g/m2を超えると、吸音性は向上するが、コスト高となるだけでなく、軽量化などの観点からも好ましくない。
次に、極細繊維層と積層される短繊維ウェブ層を構成する短繊維ウェブの形態としては、パラレルウェブ、セミランダムウェブ、ランダムウェブ、クロスウェブ、クリスクロスウェブなどのカードウェブまたはエアレイウェブが挙げられる。カードウェブであると、使用時の単繊維の脱落も少なく、嵩高なウェブを形成し易い点で好ましい。
前記短繊維ウェブ層を構成する繊維の素材としては、例えば、コットン、麻、ウール等の天然繊維、ビスコースレーヨン、溶剤紡糸レーヨン、アセテート等の再生繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステルなどポリエステル、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、アクリル、ポリウレタン等の合成繊維のいずれも使用することができる。なかでも、ポリエステル系繊維は、繊維自体が剛直で、いわゆるコシがあり、融点も高いので、短繊維ウェブ層を形成するときに厚みの低下が少なく嵩高性を維持し、所望の短繊維ウェブ層の密度を維持することができる点で好ましい。さらに、経済性の点からも適当である。
前記短繊維ウェブ層を構成する繊維の繊度は、3dtex以上27dtex以下の範囲内であることが好ましい。より好ましい繊度の下限は、4dtexである。さらに好ましい繊度の下限は、5dtexである。より好ましい繊度の上限は、15dtexである。繊度が3dtex未満であると、短繊維ウェブの厚みが低下する可能性がある。繊度が27dtexを超えると、低目付で均質な短繊維ウェブを形成することが困難となる可能性がある。
前記短繊維ウェブ層の構成する繊維における好ましい形態としては、繊維断面において少なくとも1つの中空部を形成する中空繊維であることが好ましい。中空繊維を用いることにより、嵩高な短繊維ウェブを得ることができるとともに、吸音性にも優れる。具体的には、繊度が3dtex以上15dtex以下の範囲内にあるポリエステル、ポリプロピレン等の中空繊維が好ましい。また、中空繊維が短繊維ウェブ層を占める割合は、30mass%以上であることが好ましい。より好ましい中空繊維の含有量の下限は、50mass%である。
また、前記短繊維ウェブ層には、初期の厚みが低下しない範囲であれば、必要に応じて熱接着性繊維を含有させてもよい。熱接着性繊維を含有させることにより、極細繊維層と短繊維ウェブ層との層間の耐剥離性を強化するとともに、後述する表皮材との結合を強化することができる。
前記極細繊維層と前記短繊維ウェブ層とは、筋状結合部で一体化している。ここでいう筋状結合部とは、一方向に連続もしくは非連続に筋状に延びる結合部が、規則的または不規則的な間隔を持ちながら並んでいるものを指す。本発明のように短繊維ウェブ層を筋状結合部で結合することにより、短繊維ウェブ層および得られる吸音材の嵩高性を維持することができ、優れた吸音性が得られる。また、吸音材の嵩高性を維持することにより、表皮材、クッション材、および遮音材等を結合して成形するときの成形性にも優れる。さらに、極細繊維層自体の持つ吸音性を損なうことがない。
前記筋状結合部の結合は、熱による結合、超音波による結合、および機械的交絡による結合などの結合手段が挙げられる。なかでも水流交絡による結合は、筋状結合部が硬くならず、成形性に優れるとともに、極細繊維層および短繊維ウェブ層の多孔性を維持できるので、吸音性に優れ、好ましい。さらに、水流交絡による結合によれば、極細繊維層自体の持つ吸音性を損なうことがなく、好ましい。
また、前記極細繊維層と前記短繊維ウェブ層とを筋状結合部で一体化するときに、表皮材とも同時に結合させてもよい。表皮材とも同時に結合させることにより、表皮材と吸音材との間に接着剤、熱接着性繊維等を介在させる必要とせず、さらに接着に伴う後工程を必要しないので、安価に製造することができる。
隣り合う前記筋状結合部同士の間隔は、3mm以上30mm以下の範囲内である。好ましい筋状結合部同士の間隔の下限は、5mmである。好ましい筋状結合部同士の間隔の上限は、15mmである。筋状結合部同士の間隔が3mm未満であると、筋状結合部以外の部分を構成する繊維ウェブの面積が小さくなるため、所望の嵩高性が得られない可能性がある。筋状結合部同士の間隔が30mmを超えると、短繊維ウェブから繊維が脱落する可能性がある。なお、ここでいう間隔は、筋状結合部が一方向に連続に延びる場合、隣の筋状結合部との間の距離をいい、筋状結合部が非連続に、すなわち間欠的に配列する場合、隣り合う筋状結合部同士の距離をいう。
前記筋状結合部における長さ方向の長さは、5mm以上であることが好ましい。最も好ましくは、筋状結合部が長さ方向において連続に延びていることである。筋状結合部における長さ方向の長さが5mm未満であると、短繊維ウェブ層から繊維が脱落する可能性がある。例えば、筋状結合部を柱状水流交絡処理で形成させる場合、前記極細繊維層と前記短繊維ウェブ層を含む積層体を搬送用支持体に載置し、積層体を長さ方向に搬送しながら、所定の間隔に配置されたオリフィスから柱状水流を噴射すると、長さ方向において連続に延びた筋状結合部を形成することができる。
前記筋状結合部における長さ方向に直交する幅方向の太さは、0.1mm以上2mm以下の範囲内であることが好ましい。より好ましい幅方向の太さの下限は、0.15mmである。筋状結合部の幅方向の太さが0.1mm未満であると、積層体の層間の結合が十分でなく、剥離を引き起こす可能性がある。筋状結合部の幅方向の太さが2mmを超えると、所望の嵩高性が得られない可能性がある。例えば、筋状結合部を柱状水流交絡処理で形成させる場合、筋状結合部の幅方向の長さは、オリフィスの直径、2mm未満に間隔に配置された2以上オリフィスが集合したオリフィス群の幅などにより決定される。
前記短繊維ウェブ層を構成する各々の繊維の繊維長は、前記筋状結合部の間隔の3倍以上であることが好ましい。より好ましい繊維長と筋状結合部の間隔との倍率の上限は、5倍である。短繊維ウェブ層は、繊維間が相互に実質的に結合していないため、短繊維ウェブ層を構成する繊維が脱落し易い状態にある。各々の繊維が筋状結合部の間隔の3倍以上の繊維長を有することにより、1本の繊維は左右いずれかの筋状結合部で把持されることが多くなり、短繊維ウェブ層から繊維が脱落することを抑制することが可能となる。
前記筋状結合部の間隔との倍率を満たす短繊維ウェブ層を構成する繊維の繊維長は、10mm以上100mm以下の範囲内であることが好ましい。より好ましい繊維長の下限は、35mmである。より好ましい繊維長の上限は、70mmである。
前記筋状結合部以外の部分を構成する短繊維ウェブ層は、密度が0.005g/cm3以上0.05g/cm3以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましい短繊維ウェブ層の密度の下限は、0.008g/cm3である。さらに好ましい短繊維ウェブ層の密度の下限は、0.01g/cm3である。より好ましい短繊維ウェブ層の密度の上限は、0.03g/cm3である。さらに好ましい短繊維ウェブ層の密度の上限は、0.02g/cm3である。短繊維ウェブ層の密度が0.005g/cm3未満であると、外圧がかかったときに厚みの低下し易い傾向にある。短繊維ウェブ層の密度が0.05g/cm3を超えると、所望の厚みを得るのに繊維集積量を多くする必要があり、不経済である。
前記短繊維ウェブ層の密度は、以下のようにして測定することができる。まず、吸音材の目付、および2.94cN/cm2荷重下における厚みを測定する。次いで、極細繊維層に筋状に結合された短繊維ウェブ層を極細繊維層から引き剥がし、極細繊維層の目付、および2.94cN/cm2荷重下における厚みを測定する。前記吸音材の目付と前記極細繊維層の目付との差から、短繊維ウェブ層の目付を算出する。一方、前記吸音材の厚みと前記極細繊維層の厚みとの差から、短繊維ウェブ層の厚みを算出する。そして、上述で求められる短繊維ウェブ層の目付と厚みから密度を算出することができる。本発明では、短繊維ウェブ層の密度は、2.94cN/cm2荷重下における見掛け密度として求められ、先に求められる短繊維ウェブ層の厚みが、筋状結合部を除く部分の厚みに相当することから、上記方法を採用した。
前記短繊維ウェブ層の厚みは、2mm以上であることが好ましい。より好ましい短繊維ウェブ層の厚みの下限は、3mmである。短繊維ウェブ層の厚みが2mm未満であると、所望の吸音性が得られないだけでなく、所望の形状に成形するときの成形性にも劣る。
次に、本発明の吸音材における製造方法の一例を説明する。まず、所定の短繊維を準備し、短繊維ウェブ層を作製する。このとき短繊維ウェブ層の密度は、最終で0.005g/cm3以上0.05g/cm3以下の範囲内になるように押圧ロール等で密度を調整してもよい。ただし、このとき繊維同士を接着しないように注意する必要がある。具体的には、短繊維ウェブ層を作製する段階で密度を0.005g/cm3以上0.05g/cm3以下の範囲に調整するのがよい。
一方、前記極細繊維層を別に準備する。そして、極細繊維層の上に短繊維ウェブ層を載置し、筋状結合が施される。例えば、筋状結合が水流交絡処理である場合は、孔径が0.05mm以上0.2mm以下で、0.5mm以上1.5mm以下の間隔で機械方向に1〜3個、幅方向に1〜3個並列したオリフィス群が幅方向に3〜30mmの間隔で配列したノズルから柱状水流を圧力3MPa以上8MPa以下の範囲で噴射することにより、得ることができる。前記筋状結合部は、オリフィス群の幅方向の間隔を調整することにより設定することができる。好ましい柱状水流処理条件は、孔径が0.1mm以上0.2mm以下で、0.5mm以上1.5mm以下の間隔で機械方向に1〜3個、幅方向に1個並列したオリフィス群が幅方向に5mm以上15mm以下の間隔で配列したノズルから柱状水流を圧力3MPa以上8MPa以下の範囲で噴射することである。このとき、水流交絡処理は、短繊維ウェブ層側から水流を噴射することが好ましい。短繊維ウェブ層側から水流を噴射することにより、短繊維ウェブ層の厚みが低下するのを抑制しながら、極細繊維層と強固に交絡して一体化することができる。
本発明の吸音材は、音源に対して極細繊維層側を入射面にして設置することが好ましい。また、本発明の吸音材には、必要に応じて表皮材、遮音材、およびクッション材等と積層させるとよい。表皮材を積層する場合、表皮層と極細繊維層とは結合していることが好ましい。結合方法としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂による結合、熱接着性繊維による結合等が挙げられるが、前述した極細繊維層と短繊維ウェブ層とを筋状に結合するときに、極細繊維層側に表皮材を配置し、表皮材、極細繊維層、および短繊維ウェブ層の三層を同時に結合すると、短繊維ウェブの嵩高性を維持しながら、表皮材も一体化することができ、好ましい。表皮材が繊維集合物で構成されている場合は、表皮材を構成する繊維と、極細繊維層および/または短繊維ウェブ層を構成する繊維とが交絡して一体化される。このとき、表皮材の表面に極細繊維層および/または短繊維ウェブ層を構成する繊維が露出しない程度に交絡させることが好ましい。さらに、必要に応じて、短繊維ウェブ層に熱接着性繊維を短繊維ウェブの厚みが低下しない範囲で含有させた場合、表皮材と交絡させた後、熱接着性繊維が接着する温度で熱処理を施すことにより、表皮材との結合性を向上させることができる。
本発明の吸音材を図面でもって説明する。図1は、本発明の吸音材の斜視図を示す。図2は、本発明の吸音材における断面の模式図を示す。本発明の吸音材1は、短繊維ウェブ層2が極細繊維層3と所定の間隔で筋状に結合して筋状結合部4を形成している。図3は、本発明の吸音材と表皮材を結合させたときの断面の模式図を示す。表皮材5は、本発明の吸音材1の極細繊維層側に積層され、所定の間隔で筋状に結合されている。
以下、実施例により本発明の詳細を説明する。不織布の厚み、吸音性は、それぞれ次の方法で測定した。
[厚み]
厚み測定器((株)ミツトヨ製、商品名ABSOLUTE ID−C1012C)を用いて、2.94cN/cm2荷重で5箇所測定し、その平均値を求めた。
[吸音性]
ISO 10534−2(音響−インピーダンス管の吸音率及びインピーダンスの測定)に定める伝達関数法に準じて測定した。
[実施例1]
極細繊維層として、平均繊維径が約1μm、目付が20g/m2のポリプロピレンメルトブローン不織布(東燃タピルス(株)製、商品名P020FW)を用意した。
一方、短繊維ウェブ層として、繊度が6.6dtex、繊維長が51mmの中空ポリエステル繊維(ユニチカ(株)製、商品名H18F)をセミランダムカード機により開繊して、80g/m2のセミランダムカードウェブを用意した。
次いで、前記メルトブローン不織布(極細繊維層)の上にセミランダムカードウェブ(短繊維ウェブ層)を積層して積層体とする。前記積層体は、搬送用支持体の上に載置され、積層体を長さ方向に搬送されながら、孔径0.15mmのオリフィスが7mm間隔で積層体の幅方向に一列に並べられたノズルから柱状水流を水圧6MPaで噴射して水流交絡処理される。そして、水流交絡処理することにより、メルトブローン不織布を構成する繊維とセミランダムカードウェブを構成する繊維とが筋状に交絡結合されて、積層体が一体化された本発明の吸音材を得た。
[実施例2]
極細繊維層を含む層として、平均繊維径が約1.5μmのポリプロピレン繊維からなるメルトブローン不織布(極細繊維層)の両側にポリプロピレンスパンボンド不織布が積層された、目付が20g/m2のSMS不織布(旭化成(株)製、商品名PMA020)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で本発明の吸音材を得た。
[実施例3]
極細繊維層として、繊度が3.3dtex、繊維長が45mmのポリエステル/ナイロン6の16分割型複合繊維を水流交絡処理により分割発現した、目付が100g/m2の水流交絡不織布(大和紡績(株)製、商品名ミラクルクロス)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で本発明の吸音材を得た。なお、水流交絡不織布の分割後の繊度は、約0.2dtex(円形断面換算したときの平均繊維径は約4.6μm)であった。
[実施例4]
極細繊維層を含む層として、実施例2のSMS不織布を用意した。また、短繊維ウェブ層として、繊度が6.6dtex、繊維長が51mmの中空ポリエステル繊維(ユニチカ(株)製、商品名H18F)60mass%と、繊度が4.4dtex、繊維長が51mmのポリエステル系接着性繊維(帝人(株)製、商品名TJ04C2)40mass%とを混合した後、セミランダムカード機により開繊して、目付が80g/m2のセミランダムカードウェブを用意した。
表皮材として、ポリエステル繊維からなる目付が180g/m2のニードルパンチフェルトを用意した。次いで、前記ニードルパンチフェルト(表皮材)の上に前記SMS不織布(極細繊維層)を積層し、さらにSMS不織布(極細繊維層を含む層)の上にセミランダムカードウェブ(短繊維ウェブ層)を積層して積層体とした。以下、実施例1と同様の方法で表皮材、極細繊維層、及び短繊維ウェブ層を筋状に交絡結合して、表皮材と結合した吸音材を得た。
[比較例1]
極細繊維層及び短繊維ウェブ層として、実施例1と同様のメルトブローン不織布及びセミランダムカードウェブを用意した。次いで、前記メルトブローン不織布(極細繊維層)の上にセミランダムカードウェブ(短繊維ウェブ層)を積層して積層体とする。前記積層体は、搬送用支持体に載置され、積層体を長さ方向に搬送されながら、孔径0.12mmのオリフィスが0.6mm間隔で積層体の幅方向に一列に並べられたノズルから柱状水流を水圧6MPaで2回噴射して水流交絡処理される。メルトブローン不織布を構成する繊維とセミランダムカードウェブを構成する繊維とが全面に略均一に交絡された水流交絡不織布を得た。
Figure 2005043779
実施例1〜3の吸音材は、極細繊維の量に応じて吸音特性に差が生じているものの、極細繊維層と短繊維ウェブ層とが筋状結合部により一体化されているので、良好な吸音特性が得られた。また、実施例4では、表皮材の風合いや外観を損なうことなく、吸音材の製造と同時に表皮材と結合することができた。
一方、比較例1の吸音材は、極細繊維層と短繊維ウェブ層とを水流交絡処理で全面に結合させたため、十分な吸音特性が得られなかった。
本発明の吸音材は、安価で、軽量であり、且つ吸音性に優れるので、自動車の天井材、ダッシュインシュレーター、フードインシュレーター等の車輌、建築物、家電製品などの吸音材として好ましく用いられる。
本発明の吸音材を模式的に示す斜視図である。 本発明の吸音材における断面の模式図である。 本発明の吸音材と表皮材を結合させたときの断面の模式図である。
符号の説明
1 吸音材
2 短繊維ウェブ層
3 極細繊維層
4 筋状結合部
5 表皮材

Claims (7)

  1. 平均繊維径が10μm以下の極細繊維層と、短繊維ウェブ層を含む積層体が、筋状結合部で一体化しており、隣り合う前記筋状結合部の間隔が3mm以上30mm以下の範囲内にある吸音材。
  2. 前記筋状結合部以外の部分を構成する短繊維ウェブ層が、短繊維ウェブの形態を保持している請求項1記載の吸音材。
  3. 前記筋状結合部以外の部分を構成する短繊維ウェブ層の密度が、0.005g/cm3以上0.05g/cm3以下の範囲内にある請求項1または2に記載の吸音材。
  4. 前記短繊維ウェブ層における目付が、50g/m2以上300g/m2以下の範囲内にあり、2.94cN/cm2荷重下における厚みが2mm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の吸音材。
  5. 前記極細繊維層が、目付5g/m2以上50g/m2以下の範囲内にあるメルトブローン不織布を含む請求項1〜4のいずれかに記載の吸音材。
  6. 前記筋状結合部が、柱状水流交絡よる結合である請求項1〜5のいずれかに記載の吸音材。
  7. 平均繊維径が10μm以下の極細繊維層と、短繊維ウェブからなる短繊維ウェブ層を含む積層体とし、短繊維ウェブ側から前記積層体の幅方向に3mm以上30mm以下の範囲内にある間隔で配列したオリフィスから柱状水流を噴射して、積層体を一体化して筋状結合部を形成させる吸音材の製造方法。
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